>理系と文系の定義の質問  ミステリ以外の雑談の部屋だったかにログがあるはずです。 @冴西理央さん  ありましたね。森のエッセイにも一つあります。  簡単にいうと、数学が嫌いな人が文系、これといって  嫌いな科目がない人が理系でしょう。 >森先生は、理系というものに対してどうお考えでしょうか? >またどうあるべきものですか?  特に、どうも考えておりません。どうあるべき、なんてこと  も考えません。確かに、高校までは数学が好きでしたし、  それ以外のものは散々でした。固有名詞を暗記することを  完全に放棄していましたので、その手の学科は平均以下。  社会なんか偏差値が30くらいでしたね。  河合塾の東大入試オープンで数学だけ全国2番だったこと  がありますけど、でも、自分は数学が得意だと思ったこと  なんて一度もないですね。自分よりできたやつがいるな、  と思っただけ。  今でも、自分は国語と絵が得意だと思っています。この  二つは、学校では毎回平均以下でした。お答えになってい  ませんが、つまり、他人の評価と自己の評価のギャップを  言いたかったわけです。 >「グラフにする時点でもう文系」というなら >「理系」は、数字列のデータで納得すれば >あえてそれを表現しようとする必要はないということでしょうか? >(*スバル氏に電気代のグラフを見せた際の文章から)  「理系」なら、どんなデータでもきっとOKでしょう(笑)。  それが正確ならば。 >森先生なら「文系ってなんだろう」と考えるのは何だと定義しますか?  「理系ってなんだろう?」と考えないのが文系でしょう(笑)。  お答えになっていませんね・・。  おそらく「文系」「理系」は文系の方には定義されているのでは  ないでしょうか。理系の人間はその差を重要視しません。  森の小説を「理系的」なんて感じることは、理系の人間には  あまりないでしょうね。いや、そもそも小説を「○○的」などと 分類しないです。 >「理系的」と「文系的」はあい異なるものなのでしょうか?  言葉がある以上、何かを区別しようとした結果でしょうね。 >例えば、「医学」というものは、完全に理系なのでしょうか?  最も理系的でないぎりぎりの理系では? >森先生は、作品でも、この掲示板のお答えでも、 >説明にとても説得力があると思うのですが、 >人に上手く説明するコツとは何でしょうか?  上手だとは思っていませんし、説得力があると自己評価も  していません。コツなんてあるのでしょうか? 考えたこ  とがありませんので・・。(困った) >森先生、ご自身の人生は,どちらが望ましいとお考えでしょう? >太く短く?それとも、細く永く?  人それぞれだし、長いとか太いという意味もよく把握できません。 >絵は目が覚えているとのことなのですが、 >描けなくなるのは目が忘れたからなのでしょうか?  これは、「封印再度」の中の会話でしょうか?  森の意見ではなく、登場人物の意見なので、森にはお答えできません。  しかし、目ではなく脳でしょうね覚えているのは。  会話なのでこうなっていますが。 >お答え有り難うございました、とすみませんでした。 >なぜか絵が描けなくなってしまって泣いていたので、つい…。  絵が描けなくなることはないと思いますよ。それは、  目のレベルが上がりすぎた。ということではないでしょうか。  森は今でもよく絵を描きますが、最後は必ず消します。  消すことで、目に残る印象がレベルアップします。  完璧に描けた、と思ったら、それを消しゴムで消すんです。  この方法を始めて、もう20年になりますね。自分だけのために描く絵です。  誰にも見せません。 >絵は人にみせるために描くものではないんですね。  文章でも自分だけのための文章がありますね。  多分に、詩に近いものになります。 >意味なく楽しむこともありますか? >意味なく面白かったものがあったら教えて下さい。 >逆に意味深くて難しいけど面白かったものも。  難しいご質問ですね。うーん。どうかなあ・・。  意味のないこと自体が楽しいことも多々有りますからね。  一般に、文芸や映画では、意味なく面白いことがほとんど  ですね。意味深くて面白いというと、ニュートンとか  ラグランジュの著書になったりしますからね。  一般論ですが、推理小説が今一つ面白くない点は、意味が  明確すぎるからだと思っています。オチがある点がつまら  ないのです。まあ、これは多くの人が指摘しているところ  で、今さらですけどね。でも、オチが好きな人もいるし、  オチないと、駄目だという人もいるようですね。  武蔵の書に、刀の握り方とか、構えの図解があっても  面白くないですよね。意味がありそうで、意味をなさない  方が面白いんじゃないでしょうか? >森先生は22歳の頃、どんなことを考え、どんなことをしていたか >覚えてらっしゃいますか?そして、その時望んでいたことなどは、 >どの程度現在に反映されていますか?  22歳といえば、もう女房と一緒に住んでいました(笑)。  まだ、研究の楽しさがわからなくて、ラジコン飛行機の  操縦に熱中していた頃かな。少なくとも、そのとき描いた  夢(というか計画)の大半は実現しましたね。それが、夢  の定義なので、当たり前ですが・・。  いずれにしても、かなり気が長くなりました。 >名前があるから価値を見いだすのか、価値があると思うから名前を付けるのか、 >一体どちらが妥当な考えでしょうか。  後者 >「豪華」と「無駄」の違いは何ですか?  無駄の集合の中に、豪華が含まれます。 >女性に関しての好みは?  女性に対しても男性に対しても、同じですが、礼儀正しい 人が好きです(嘘)。 >以前先生は、嫌いな人はいないとおっしゃっていましたが >(いいところも見ようとするため)、 >それにたいして心のMBが大きい人だなあって思ったのですが、 >この人は苦手だなあと思うことはありますか?私はあるのですが。  いえ、心が大きいわけじゃなくて、嫌いになるほどのめりこまない、  だけではと思います。人を嫌いになる人は、ある意味で優しいのです。  森はドライですね。 >どんな人がすきか?  うーん、これは難しいなあ。やはり、何か光るものを見たときですね。  それは「新しい」ものか、「ちょっと意外な」ものかもしれません。  感情のちょっとした綺麗さみたいなもの、とかね。ますます混迷かな。 >例えば、ある人に対して自分が「こうだ」という印象を持っていて、 >それがいい意味で裏切られた・覆されたときなどが、 >「新しい」ものだったり、「ちょっと意外な」ものを見た >という事なのでしょうか(断定的すぎていますね、すみません)。  まあ、それに近いです。日頃、気の強い人が何げなく  甘えたことを言ったり、とか、またはその逆とかね、  期待や予測を微妙に裏切られる、というような。 >ああ、先生レアなものが好きなんですね。  それは基本的なポリシィですね。 >人にそういった光を見いだして、特別の感情をもてる方がドライ >なんて思えないんですけど・・・。ドライの定義にもよりますが。  ドライじゃないと見逃しますからね。 >先生にとって「親友」以上に親密度の高い、いや信頼のおける、 >いや、最も優れた(ニュアンスだけ伝わっていれば・・・)関係は何ですか?  パートナかな・・。難しい質問。 >少なくとも森先生にとって「恋愛」は不必要な物ではないですよね。 >では、そこに「親友」とかには無い、何があるんでしょうか。 >それがパートナーという意味なんじゃないかと・・・(恐る恐る) >パートナーって一人しかいないでしょう。親友はいっぱいいるでしょう。 >そこが秘密のポイントじゃないかと思うんですけど・・・・。 >森さんはそのまま「恋人」という言葉をお使いになられていた >様な気がしますが、この3者の違いは? >その中でもっともミステリアスな存在は?  パートナは一人ではありません。親友も恋人も、そうですね。  何があるか? という問題も、一般的な形はありません。  人によって違います。「難しいことはきかないで」カードを3枚。 >森先生が手で文章を書く速さは、タイピングのときの何%ぐらいですか? >手書きはタイピングの何倍疲れますか?  手で書くよりも10倍は速いでしょう。  漢字を考えなくていいから。  それは、文字数が少ない場合です。  多くなると、手では不可能になります  ので、100倍とも1000倍ともなります。  比較しようとは思いませんが・・。  手書きで書かないといけない仕事は森の場合ほとんどありません。  メモとしての機能はありますね、手書き。  でも、メモせずに覚えられる人には無意味。  目にも優しくないでしょう? 近いから。  メリットなんてないと思います。つまり、手書きは「芸術」ですね(笑)。 >森さんの考える、面白いジョークの要因は何ですか?  ジョークについてですが、そのように理屈を捏ねないことが肝心です(本当か・・) >先生にとっての満天のジョークって何ですか?  満天のジョーク? 良い響きですね。  いや、自分が笑うかどうか、ですけど・・、単に。 >「この国の人として生をうけたこと」をどう感じておられますか?  予想されているかもしれませんが、「何とも感じません」が答です。  それは、「人が空気を吸うことをどう思いますか」と同じくらいの質問ですね(笑)。  このような質問に対して、「幸せ」だとか「不幸」だとコメントする人が信じられません。 >森先生は「人間」や「人間の造った物」がお好きなようですが、 >「人間」のどういったところを面白いと思いますか?  そうですね、難しいなあ・・。  ひとつは「発想」でしょうね。  あとは、「努力」かな・・。  そういったものを感じさせる「人工物」も面白いです。 >では、その中でも特筆に値する「人工物」は何ですか?  オブジェは無駄なほど価値が高いですね。  特筆すべき人工物って特に決めていませんが、大きさでは橋、  緻密さでは飛行機とかね。あと、芸術品一般。絵画、彫刻、書。 >森先生が「何々について考えることは無駄だ」とおっしゃるときの「無駄」と >「無駄なものほど美しい」(こんなことは言ってなかったような気も)と >おっしゃるときの「無駄」とでは「無駄」という言葉の意味が違うように思うのですが、 >森先生は違う意味で使っておいでなのですか?  いえ、まったく同じ意味です。矛盾していますか?  人によって、場合によって、矛盾していることもあるでしょう。  矛盾していることは、「あってはいけないこと」とは思っていません(笑)。 >先生が死語だと思う言葉は、 >何年くらい使われてないんでしょうか?  時間ではなくて、周囲で使う人間の比率です。 >森先生は視覚と聴覚、どちらを失うのが怖いと思われますか?  どちらと決められません。決めてもしかたがないですし。 >「数奇にして模型」の中で、金子くんと萌絵ちゃんがスイッチの話をしますが、 >先生のスイッチはどうなっていますか?  どうでしょうか・・。書くと長くなりますので、ノーコメント。  人それぞれ、その場その場、それに対人によっても異なりますね。 >「(現在の)科学ではあり得ない(と思われる)」いわゆる >「オカルト」に対する森先生の意見を聞きたいのですが。  そうですね、存在しないものに対して意見はないのですが、  まあSFの一部なのでしょうか・・。  「心霊現象」って「現象」ではないですよね?  「オカルト」映画と「怪獣」映画の違いもよくわからないので、すみません。 >森先生の感覚としては、どちらの脳を使われているのでしょうか? >(特に小説を書く時)  これは完全に右脳ですね。感覚で書いています。論理ではありません。  ミステリィといえども、です、というのが、森の意見です。  頭を開けて見たことないので知りませんけど。 >もうひとつ質問させてもらいます。研究はどちら側ですか?        何を研究するかは右脳が思いつき、  それを地道に解決するのは左脳です。 >誕生日とは何だと思いますか  生まれたときと、太陽と地球の位置関係がほぼ同じ、という意味だ  と思いますが・・ >一番速い乗り物って何でしょう。  皆さんが乗っている地球がけっこう速いです。  といっても、どこを基準にするかによりますが。 >座右の銘はなんでしょう?  ありません。  「ありません」が座右の銘という意味じゃないですよ。  (これはギャグです)  どこかの塾のキャッチコピーで  「パパの夢は君だ」みたいな子供依存の台詞が  ありましたが、そういうのが一番嫌いですけど。  「当たって砕けろ」っていう言葉もどうも引っかかる。  砕けたら、いかんのではないか、と。  という理屈屋で、座右の銘がないのです。 >萌絵ちゃんは最近煙草をよく吸うようですが、女性の喫煙者をどう思われますか?  女性の喫煙も何も、男と女の区別をしたことはありません。  小さなときから、そう育ったので。  女性を「さん」、男性を「君」と呼ぶのも違和感があるくらいです。 >先生が、誰かから「ご職業は?」と聞かれたらどう答えられますか。  「どうしてそんなこと聞くんですか?」  つまり、相手によります。ホテルなんかでは「公務員」と書きます。 >血液型占いや星占いに関しては様々な科学的検証が >行なわれているようです。(統計学だという話も聞きます。) >これらをどう捉えるか、占いを信じるか、などについて >森先生の見解をお教え下さい。  統計学だと思います。見解はそれだけですね。  統計学と同じくらい当てにならないけど、かといって  他にもっと当てになるものもないですね。 >大学に通うような歳にもなると、周囲にもやっと「慣れて」来たと >感じられるようになりました。 >でも当たり前ですが新しい「慣れ」を必要とする事も起こります。 >自分には少なからず苦痛です。この「慣れ」に「慣れる」時は来るでしょうか? >又森先生の研究に「慣れ」という行為はあるのでしょうか?  「慣れる」という言葉の目的対象を  「嫌なこと」に限定しているようですね。  その定義でいくと、「好きなこと」には、  いつまでも「慣れる」ことはないでしょう。  問題は、「慣れるか」「慣れないか」ではなく、  「嫌いか」「好きか」だと思われます。  嫌なことをしないと、好きなことができない  という交換は、エネルギィ交換のようなもので、  生きていくためには必要でしょう。 >心に色はあるのでしょうか?  心だけではなく、どんな物質にも「色」というものはありません。  それは、外的な要因に対する反射であって、それを観察する者が  受けるイメージです。  「色に心がありますか?」という  ご質問と、ほぼ同じです。 >森先生のイメージにおいても形と色は無関係なのでしょうか?  いいえ。 >例えば、車の色を選ぶ場合、車の形は考慮しないのでしょうか?  いいえ、考慮します。 >あるいはイラストを描く場合、形は色の選択に影響を与えないのでしょうか?  与えるときもあるでしょう。 >もし形が関係ないとしたら、色はどのような基準で選ぶのですか?  規準はありません。 >他人が受けるであろうイメージも考慮するのでしょうか?  当然です。 >スバル氏と森先生で色に対するイメージや考えはどう違うのでしょうか?  さあ、話し合ったことありませんので。 >なんか質問を細かく分割してしまってすいません。  質問が整理されていません。しかし、微笑ましいです(笑)。  上記のような質問は、時と場合によるので、一般的な解答に  なりえません。 >森先生のイラストやWebページの色遣いを見ていると、 >色の組み合わせ方が少しだけバランスをくずすようになっていて >それが妙に気になるので、森先生の色遣いの秘密を知りたいと思ったのが質問の動機です。  なるほど、理解しました。  色の「バランス」というのは、既成概念です。  崩れているものが、バランスを取ることがあります。  「この色とこの色は合わない」という組み合わせがスリリングで  人目を引くことも多いのです。理屈より感性に従います。 >よく人間の集中力は1時間ぐらいしか持たないと聞くのですが、 >その1時間ぐらいはどのような状態になるのでしょうか?  人それぞれかと思います。  1時間というのは短いですね。  1週間くらいは集中できる人もいますし、  まあ、でもそれは断続的なのかな。  ようは、「他のことをしたくない」状態ですね。  誰でも、「睡眠」に集中したりしますよね。  難しいことではないでしょう。 >犀川助教授は作品中で、「当たり前の一般論として、全ては危険と利益を交換する」 >という旨のことを述べています。(「幻惑の死と使途」 P.140 10〜14行目) >それに対し、私は「全ては安全と利益の交換」であると考えています。 >交換は獲得と喪失が不可分に発生する行為であり、 >利益の獲得に際して喪失するのは安全であり、危険はむしろ同時に得るものだと考えるからです。  その意味です。これは、当然そう思いつきましたが、  「危険な目をしてお金を得る。だから、安全と利益を交換する」  のように短い会話になりません。これだと納得できない人が多いのです。  つまり、もう一文の説明が必要になります。それに比較して、  「危険な目をしてお金をえる。だから、危険と利益を交換する」  だと、聞いた人はすんなり頭に入るわけです。  このような例は他にも随所にあります。厳密に書くとわかりにくくなり、  会話の流れ(リアリティ)が損なわれるために、表現で処理します。  >親友と友人と知人の間の境界条件は何だと思われますか?  さあ、考えたこともありません。  明確な境界条件があるようには思えませんが(笑)。 >「芸術」をどう定義していますか?  実益がない(役に立たないものである)こと。  人間の手による作業(長時間労働)の成果であること。  この2点が必要条件でしょう。充分ではありませんが・・。 >そこらへんの石にも「芸術」を感じるときがありますよね。  ありませんね。 >では森先生は「人間の手による」ものではないけれど >「誰かの作為ができたかのように見えて人間の目を引く、 >自然の美しい形」は、何という言葉で呼ばれますか?  自然を「美しい」と思うことは希ですが、  上記の場合は、「芸術的」だ、と思うことはあります。  「絵のように美しい」というように、それは、人工物を想定していますが・・。  artというのは、「技術」と訳しても良いでしょう。 >天才になる方法は、ありますか?  ないと思います。 > 「天賦の才能」だからでしょうか…。 > それとも「とてもよい環境」によって育まれるものだからでしょうか。  「環境」はあまり関係ないでしょう。  ところで、天才は生まれながらの才能、秀才は努力の才能、といわれますが、  たとえるならば、生まれながらの美人と、お金をつぎ込んだ整形美人のような  ものでしょうか。さて、「努力」って本当に美しいものなのかな?(笑) >「答えはこれしかないと思う。けど確信がもてない」 >という様な状態は、”わかっていない”という状態と同義でしょうか?  本人にとってはそうです。同義です。  答が間違っていても、正しいと確信している場合は「わかっている」  のと同義です。  もし、この定義をしないと、「わかった」という言葉はほぼ使えなく  なるでしょう。 >すべてのことは決まっていると思い(考え)ますか?  これは、思うとか考えるとかの問題ではなく、  決まっていないのです。それが科学的な事実  ですので、森の意見はありません。 >取り敢えず大まかなことだけで良いのですが、 >もし人間が動かなくなったら、都市はどの様に変化するのでしょうか?  しばらくは、このままでしょう。  将来は、ネットワークの中のシステムが「都市」と呼ばれるでしょう。 >「欲望」と「願望」の間に違いってありますか?  「望」を取れ(捨てれ)ば、違いは明らかでしょう。