神経芽細胞腫の検査

全国的に生後6ヶ月の時点で赤ちゃんの尿を検査用紙につけて調べる、
マス・スクリーニング検査を行っています。これは、尿中にVMA・HVAという
物質がでる特徴をいかした検査方法です。ただ、この検査で発見されるのは
性質のよいものが多く、この検査で陰性でも、そのあとで質の悪いものが
急に成長して発病することがあります。

さて、神経芽細胞腫とは・・・。
離乳食を食べ始めた頃から3歳くらいまでに75%が発症し、
乳幼児の副腎や交感神経節に発生するがんです。初めの頃は、元気がない、
食欲がないなどごく軽いもので、
骨や脳などに転移してから、症状が目立つようになります。
小児がんの中では白血病についで多く、2万人から
10万人に1人発生します。原因は不明です。
一歳未満で発見された場合は、転移も見られず治る事が多いです。

峻の場合

一回目のマス・スクリーニングで陽性でひっかかってしまいました。
2回目は、生尿の検査で、添加物の入った食べ物は前日食べてはいけない
という制約がありました。そしてまた陽性。
3回目は、市から派遣された保健婦さんが問診に家までやってきました。
病気ならば、成長が悪いとかの症状がみられるので体重測定。
が、10キロまでしか測れないバネ測りで、前の月に峻はすでに
9500グラム。測りの上に敷くタオルが300グラム・・・計れないぃ。
で、これはパス。あとはまた生尿。今回は保健婦さんが直接検査の
場所に持って行ってくれる手はずに。そして、今度は峻の食事制限は
もちろんの事、母乳だった為、しのまるも食事制限が。
まず、添加物の入ったものはダメ。バニラエッセンス、バナナ、アイス
ケーキ・・・などなどもダメ。ん〜何を食べたらいいんだぁ?
食べちゃいけないと思うと、こんなときでもむしょうに食べたくなる。
そして、陽性だった時の説明をされる。
陽性だった場合、市が紹介してくれる病院に検査入院。
それも、母子共に1週間。ここで、更に食事制限を3〜4日した後、
血液検査、CTスキャン、MRIなどで調べるとの事でした。
帰り際、玄関で保健婦さんが「お母さん、大丈夫?」といきなり
気遣われ、もし病気でも1歳未満だからきっと治るとしのまるは
思っていたんだけど、やっぱり優しい声をかけられると
張り詰めていたものが切れそうになり、気持ちを押さえるのが大変でした。
で、後日、保健婦さんから陰性だったと連絡があり、事無きを得ました。

実際の治療方法は、手術で摘出して、術後に抗がん剤と、
最初に強力な抗がん剤を投与して、がんを縮小させてから切除する
方法があります。放射線療法は転移してできた病巣へ補助的に
行います。治療結果は、治療を開始した時の年齢のほか、
病気の進行状態および発生臓器に密接に関係します。
1歳以下で発見し、治療を開始する事が大切です。

参考文献    家庭の医学(保健同人社)
                あかちゃんの病気辞典(ひよこクラブ)
       医学大辞典(南山堂)