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「SPIRAL PAPER」(1992/Vol.39/表紙+裏表紙) [Front Page Gallery] テクスト/作間敏宏


 理性的なものから遠ざかるようにしていつも僕の作品が凝固してしまうのは、僕が繋ぎとめられている理性的な判断の公式から僕自身をエスケープさせようとする引力が、制作する作業全体を貫いているからだろうか。遠い高みから降り注ぐ理性の光は、僕が見ようとする自分自身を含んださまざまなものの表面だけは照らすけれども、内側はいつも闇のままだし複雑な影ができてもしまう。僕の作品の風景がそれらをネガでよみとる仕掛けの隠し絵であるのだとすれば、その解法は作品と僕が対話することの中にしか現れないし、個人的なレヴェルの遡行を繰り返すことによってしかすくいとれないのに違いない。

1957年宮城県生まれ。'88年「(I was) talkin' to the moon.」から近作「dark end of the garden」まで、生命発生の原風景をおもわせるミクロでアニミスティックな作品を発表している。