「PORTFOLIO」(1986/11) [東京デザイナーズスペース推薦新人展] テクスト/馬場雄二+作間敏宏
ヒョンなことから、岩手大学の特設美術科に年1度行くことになって、気がついたらもう十数年続いたことになる。
光を素材にしているので、暗い環境づくりに頭を悩ませることが多い。それでいつもそんな空間を想像しているものだから、心の中にその理想的な空間が具体的にできあがってしまった。生命の記憶が見せる太古の風景のDeja-vuなのかもしれない。
作品づくりはだから、この大いなる暗環境を完成させる部品づくりというような意味あいになってきている。作品ができると、それはそこに置かれて一本の草や何かの生きものになり、ゆるやかに生命活動のダンスを踊る。それを眺めていると次の部品が感じられ、風景がまた少し具体的になる。 |