「星の七宝展」 2010 in東京


2010年11月15日(月)〜11月20日(土)
  11:00〜19:00(最終日17:00まで)
 世界観ギャラリー

 

   テーマは星の世界。今世界で公認されている全88星座と北海道の夜空に広がるアイヌの星との同定により、北国のなじみ深い動物や風物などロマンあふれる自然観に魅せられた星の作品です。折々の天文現象に題材した大作など七宝作品の数々を展示いたします。どうぞご覧頂けますようご案内申し上げます。

飯 沢 能布子

  射手座と双頭の大鱒
  有線七宝 径21.5cm
(クリックで拡大します。)

(以下、飯沢さんから管理人宛てに頂戴したメールから、今回の展示作品とテーマについての補足です。)

  この度出展する星座作品は、その題材がアイヌの星名、星です。すでに完成した88星座と対比する表現をしています。 案内はがきの星座は、トサペウケネウ(双頭の大鱒)=射手座γ δ ε ζ η σ τ φ です(末岡外美夫著『アイヌの星』による表記)。

  ほかに会場では次のようなアイヌの星をご覧に入れます。

● 大犬座と ルペ (つららの雫)、● 蠍座と ホヤゥ (龍神)、● オリオン座と イユタニ・ノチゥ (杵星)、● カシオペヤ座と ヤーヤノカ・ノチゥ (曳き網星)、● 南の魚座と アッケテ・ノチゥ (帆立貝星)、● 牡牛座と ウラ ィ・ノチゥ (簗星)、● 大熊座と サマエ・ノチゥ (サマエ星) 、● 琴座と イヤハチノカ (縞梟の飛降りる姿)

   では、なぜアイヌの星がテーマになったのかです。すでに完成した「全天88星座」の取り組みに前後して、星座の資料を求めていた時に出会ったひとつは、新村出著『南蛮更紗』であり、野尻抱影著『星の美と神秘』などです。そこに見たアイヌの星の記述で、アイヌ独自の天文観に興味を持ちました。文中、江戸時代の蝦夷方言集「藻汐草」の天地部に天文関係が含まれていることを知りましたが、そのときはそのまま通り過ぎて、しばらく後に、再びアイヌの星について読むことになったのが、末岡外美夫著「アイヌの星」(旭川叢書第12巻)でした。第一級の資料に出会ったのです。

  実は、西欧由来の88星座のシリーズ制作と平行して、アイヌの星座が気になり、「しし座とイナウ」など作品化もしたのです。そして88星座の次に自ずとテーマになってしまいました。88星座と(の同定と)アイヌの星を対比するデザインの方針で七宝化することになったわけで、今回は9作品が登場します。

 


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