お断り:この物語はフィクションです。私「ゆきお」が加筆編集しておりますm(_ _)m

光慶寺の狸(こうけいじのたぬき)伝説
昔、今井町の光慶寺に、夫婦の狸が住んでおった。
廃寺同然じゃったので住みついたんじゃろな。
お寺の東側の道を夜通ると、チンチンコンコン、と鉦(かね)の音がするのでお寺のなかを覗いたが誰もおらんかった。
またお寺の西側の道には袋真綿が落ちていて、それを拾おうとすると、真綿はするすると走って行く。こういういたずらばかりしていたんじゃ。
ある日のこと、このお寺にお坊様が入られる事になったそうな。
噂話は聞いておられたので、そんな悪さをするのは狸に違いないと夫婦狸を捜されて、同じ化けるなら人の為になることをと諭されたそうじゃ。夫婦狸が言うには、ただ寂しくて、人間に相手して欲しかったそうな。

それからもお寺の東側の道を夜通ると、チンチンコンコン、と鉦(かね)の音がするけれどそれは夫婦狸が真面目にお勤めしているときで、また、お寺の西側の道に袋真綿が落ちているのは夫婦狸が村人に施しがしたい時なんじゃと。

こうして夫婦狸の奉公のおかげでお坊様はたいそうお寺を立派にされたそうな。
いまでも今井町には、このお寺があるのじゃ。
(写真は光慶寺です)

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