お断り:この物語はフィクションです。私「ゆきお」が加筆編集しておりますm(_ _)m

櫟の木と天狗(いちいのきとてんぐ)伝説
昔、大和郡山と隣り合った櫟本の西に櫟の大木があっての、そこに天狗が住んでいたそうな。

天狗は櫟の実を通行人に投げたり、農家の鶏を盗んだりして人々を困らせていたんじゃが、そのうちにとうとう毎年1人の娘を人身御供に出せというようにまでなった。
ちょうどその時ここを通りかかった偉いお坊様が、このことを聞いて、天狗を退治しようと思ったそうな。そこでお坊様は持っていた眼鏡を天狗に見せた。

そしてこの眼鏡は、大和の国中を見とおすことができるので、これと櫟の木と交換しようと言ったそうな。

天狗はとっても眼鏡をほしがったが、櫟の木から降りたら住むところがなくなる。それでも欲望には勝てずに交換する約束をしたそうな。

そこで櫟の木から天狗が降りた途端お坊様が櫟の木を切り倒したので、天狗は慌てて東の山の方へ逃げて行ったとか。

それ以来、櫟の根元を櫟本村、櫟の技の指した方向を櫟枝村、櫟の木の横の方を横田村、枝を東ねて積み上げたところを千束村と呼ぶようになったんじゃ。

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