青蛇(あおへび)伝説
むか〜し大和の国、郡山の額田部(ぬかたべ)という村の山奥にとっても大きな青蛇がすんでいたそうな。毎晩、毎晩、山からおりて来ては村人に悪さばかりしていたそうな。村人たちは恐くて、夜は誰も外へは出られんかった。けれども、これでは駄目だと勇敢に青蛇退治に向かう若者もおったがひとりではいかに頑張ってもたちまちのうちに青蛇にやられたそうな。
これでは村は寂しくなる一方(いっぽう)じゃ。 |
 |
そこで村の若者たちが集って相談し力を合わせて悪戦苦闘(あくせんくとう)のすえ、青蛇を退治したそうじゃ。それからというものは何かあるたびに若者たちは集まり相談しては村を良くしていった。それからしだいに山を開き、家を建て、だんだんと大きくしていって町にまで発展したそうな。今でもこの地方では5月の節句に、麦わらで青蛇の形を作り、男の子の生まれた家にかつぎこんでは酒盛りをして祝うという風習が残っているそうな。 |