メリーさん




家を引っ越すことになった。お母さんにいらないものは全部捨てるように言われた。いらないものは全部捨てた。可愛がっていたお人形のメリーさんも、汚れてぼろぼろになってきたし、思い切って捨てることにした。

新しい家での生活にも慣れてきた。携帯電話も買ってもらったし。さっそく電話がかかってきた。誰からだろう?

「もしもし?私メリー。今ゴミ捨て場にいるの」

そう言って電話は切れた。女の子の知らない声。間違い電話?メリーって・・。

翌日、また電話がかかってきた。

「もしもし?私メリー、今**の駅にいるの」

**って、前に住んでいた町の駅の名前だ。メリー・・・もしかして、捨てたあのお人形からなのだろうか?

翌日もまた彼女からかかってきた。

「もしもし?私メリー。今××にいるの」

翌日もまた。

「もしもし?私メリー。今????にいるの」

????は私の今住んでいる町。だんだん近づいてくる。

「もしもし?私メリー。今あなたの家の前にいるの」

今夜に限って、お父さんもお母さんもいない。そっと二階の窓から家の前を見てみるけど、誰もいない。 捨てたあの子、私を恨んでいるのだろうか。

また電話がかかってきた。どうしよう。でも部屋に鍵をかけたし、大丈夫・・・。電話を取ってみる。・・ピッ・・。

「もしもし?私メリー。今あなたの後ろにいるの」

***

以下次号へ続く!・・・・続きません。いろいろなバリエーションがありますが、最後の台詞にさらに続けるのは野暮ってもんでしょう。ネットでは「メリーさん人形」となってることが多いですが、元は「リ○ちゃん人形」だそうで。「○カちゃん電話」つながりで、電話の怪談となったのでしょうか。ちなみに、作者は子供の頃から日本人形やアンティークドールはホラーの塊と認識しており、今でも苦手です。

そうそう、ツンデ霊がわからない人は検索してみると、可愛らしい話が見れるかもです。