国民審査の判断材料

このページは北海道新聞で紹介されました@2000/6/18

更新日 2009年8月 25日
(設立 2000年2月11日)

望月清

2009年8月30日の総選挙では、どのように国民審査を行われますか?
  • 国民審査
    最高裁判所の裁判官を止めさせるかべきか否かを、国民投票で審査決定する制度。
    任命後はじめての衆議院総選挙の際、国民審査を受け、その後は10年ごとに審査を受ける。
    投票者の多数の否認で止めさせられる。

国民審査の判断材料として国民審査公報がありますが、その補足として以下の情報をご活用ください。

我が国の衆議院および参議院の選挙における1票の重みは地域によって異なっています。
例えば、東京1区の方の衆議院選における1票は高知3区の方の0.5票分の重み、参議院選における1票は鳥取県の方の0.2票分の重みしかありません。

言い換えると、我が国の選挙における1票の重みは地域により数倍の開きがあります。
つまり、民主主義の原則であり、また憲法で保証されている「平等」が守られていません。
そして、「この不平等は憲法違反か否か」の裁判が過去何回も起こされています。

2007年の最高裁判決では、那須弘平裁判官と湧井紀夫裁判官は、「当時の1票の不平等を合憲」と判断しました。
この判断はおかしいと思う方は国民審査において、このお二人に×印をつけるとよいでしょう。

そして「一人一票実現国民会議」なるものが立ち上がりました。
現在の一票の格差はおかしいと思われる方は、「一人一票実現国民会議」のサイト http://www.ippyo.org/ へ是非お立ち寄りください。


2000年9月 6日

過去の最高裁大法廷における合憲・違憲裁判において、各裁判官がどのような判断をしたのかをまとめて見ました。
また、2000年6月25日総選挙における国民審査結果を併記しました。裁判の内容との相関があります。ただし、亀山継夫氏は国民審査票の始めに位置していたためため不信任率が高くなっています。

  経歴 平成9年
(行ツ)
第104号
平成11年
(行ツ)
第7号
平成11年
(行ツ)
第35号
審査
不信任
比率
不信任
票数
信任
票数
平成12年

第 号
  98/9/2 99/11/10 99/11/10 00/6/25 00/9/6
合憲 合憲 合憲 合憲
山口繁 裁判官 × × × 9.6% 5,538,825 52,180,756 ×
園部逸夫 ×    
大西勝也 ×    
小野幹雄 × × ×
千種秀夫 裁判官 × × × ×
根岸重治 ×    
井嶋一友 検察官 × × × ×
藤井正雄 裁判官 × × × ×
大出峻郎 行政官 ×     9.5% 5,501,125 52,218,393 ×
金谷利広 裁判官 × × × 9.6% 5,548,385 52,171,197 ×
北川弘治 裁判官   × × 9.4% 5,431,507 52,288,094 ×
亀山継夫 検察官   × × 10.3% 5,932,395 51,787,073 ×
奥田昌道 学者   × × 9.4% 5,437,154 52,282,421 ×
町田顕 裁判官 9.4% 5,390,158 52,139,719 ×
尾崎行信    
河合伸一 弁護士
遠藤光男 弁護士
福田博 外交官
元原利文 弁護士 8.6% 4,990,128 52,729,466
梶谷玄 弁護士   8.7% 5,005,056 52,714,509

×:合憲判決に異論なし
○:違憲であるとの反対意見

    判決文は下記をクリック

  1. 平成9年(行ツ)第104号(1998年9月2日判決)
    平成7年7月23日選挙当時における参議院(選挙区選出)議員の定数配分規定の合憲性


  2. 平成11年(行ツ)第7号(1999年11月10日判決)
    衆議院議員選挙における小選挙区の区割規定等の合憲性


  3. 平成11年(行ツ)第35号(1999年11月10日判決)
    衆議院議員選挙における小選挙区制の合憲性
    候補者届出政党の選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性



    リンク
  • 国民審査対象の裁判官
    2000年6月25日総選挙での国民審査対象の裁判官9名の一覧表があります。
    「最高裁判所国民審査のやり方は、辞めさせたい裁判官に×を付けるというだけ。 辞めさせるべきかどうか分からないという場合は、投票しないで用紙を返却するなどして棄 権しましょう。 ×印を付けないで投票すると、支持したことになってしまいます。」とのことです。
    また、マイジャッジペーパという企画があり、9名の裁判官に対する皆様からの○×評価を理由とともに掲載しています。ぜひ、皆様のジャッジを投稿してみてください。公開予備審査といった位置づけになろうかと思います。


  • Rim.さんのサイト
    最高裁判例が民事事件、行政事件、刑事事件ごとに整理されています。


  • 最高裁ウォッチャー (インターネット弁護士協議会)
    判決に対する補足・反対意見等を裁判官別にまとめた一覧があります。
    判決文における各裁判官の補足・反対意見は国民審査のためにあるとのこと。