【スウェーデンの作曲家】
ヒューゴ・アルヴェーン Hugo Alfven(1872-1960)
The Mountain King 推薦者:Seanさん バレエ組曲「山の王」作品37
Ballet Suite"The Mountain King (Pantomimiskt drama i tre akter)"Op.37二クラス・ヴィレン指揮ロイヤル・スコティシュ・ナショナル管弦楽団
Niklas Willén / Royal Scottish National Orchestra
<併録>
交響曲第1番、祝典序曲、ウプサラ狂詩曲
CD:Naxos/8.553962
アルヴェーンはスウェーデンの作曲家の中ではかなり有名なほうですが、日本ではあまり知られていません。
入手可能なCDそのものが少ないので「山の王」について詳しいことは分かりませんが、どうやらこれはある乙女がトロル(北欧伝承の妖精)に誘拐されて、彼女の恋人に助け出されるという物語のバレエのようです。この組曲は、「祈り」、「トロルの娘の踊り」、「夏の雨」、「羊飼いの娘の踊り」の4曲から成ります。
まず「祈り」は、その表題に反して初っ端から実に気味の悪い曲です。金管が荒々しく咆哮し、グロテスクで緊迫した音楽が展開されます。もしもこれが祈りだとしたら、トロルにさらわれた少女が身の安全を祈っているとしか思えないのですが、詳細は不明です。
「夏の雨」では、チェレスタなど幻想的な音色の楽器群の伴奏に乗ってオーボエが、これまたメルヘンチックなメロディを奏でます。長いこと雨が降らなかった大地を久しぶりに潤していくかのような雰囲気です。
最後の「羊飼いの娘の踊り」では、弦が奏でる小刻みで可愛らしいメロディがとても美しく、またよい意味での庶民性を感じさせます。その後、なぜか雄大な自然を想起させるメロディに移ります。私はこれを聴くと、山あいの平和な牧場に早朝、1人で外に出て踊っているような情景が浮かびます。また、個人的になぜか北欧というよりもアルプスのイメージがあります。
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