交響曲第1番
Sinfonia No.1
マティアス・アンタル指揮ハンガリー国立管弦楽団
Matyas Antal / Hungarian State Orchestra
<併 録>
Abertura Sinfonica No.3(交響的序曲第3番)
CD:PORTUGALSOM/SP 4048
ブラガ・サントス(1924-1988)は6つの交響曲、4つの協奏曲、3つのオペラ等を残した20世紀ポルトガルを代表する作曲家である。交響曲はMARCO
POLOでも全集が進行中だが、例によっていつ完結するのかはわからない。ポルトガル本国にもSTRAUSS(PORTUGALSOM)に録音があることがわかり、入手したが、同レーベルでも全集は完結していない。
交響曲第1番はブラインドで聴かせればおそらく殆どの人がイギリスの作曲家の作品と答えるのではないだろうか? なんとなくスペインの隣の国ということでラテン的な作風を想像してしまうのだが(5番などにはそんな雰囲気もあるが、こちらは1番とはまったく異なる作風)、主題のメロディーラインもオーケストレーションもまるでウォルトンのような風情、いやウォルトンの交響曲第1番に影響されたとしか思えないほどだ。私個人としては作品の魅力でウォルトン作品に勝るのではないかとすら感じる時もある。
強い独自性が感じられるのはコーダの書き方だ。ベートーヴェンもビックリのしつこさ。私はこういうのが大好きなのですっかりハマッてしまったが、「もう止めて〜!」と叫び出す聴き手もいるかも。ウォルトンの交響曲にもそんなところがあるので、やはり影響か、と思いきや、実はポルトガル古典派の作曲家、ボンテンポの交響曲のにもしつこいコーダが登場する。もしかするとこれは「国民性」というヤツかもしれない。PORTUGALSOMではもう一人の交響曲作家である、指揮者として著名なペドロ・デ・フレイタス・ブランコの兄、ルイス・デ・フレイタス・ブランコの交響曲もリリースしており、これも近々入手する予定なので、こちらを聴けばしつこいコーダがポルトガル人好みなのかが判明するかもしれない。
なお、私はブラガ=サントス・ファンなので敢えてこのレーベルのディスクを求めたが、MARCO
POLO盤(*)も演奏・録音とも優秀(特にオケの巧さには驚くべきものがある)なので、興味を持たれた方はMARCO
POLO盤から入ると良いだろう。
*Joly Braga Santos:Symphonies Nos. 1 &
5
Alvaro Cassuto / Portuguese Symphony
Orchestra(MARCO
POLO:8.223879) |