旅日記(1999.10)


 この度、M.Mは車で10月25〜30日にかけて東京と高知を往復しました。さすがに高速、一般道を乗り継いでの片道1000キロの道のりはつらかった。途中、睡魔に襲われつつも何とか無事に行って帰ってこれたのは、ただ単に運が良かったのか、それとも神のご加護(おことわり:私は敬虔なキリスト教徒でもイスラム教徒でもありません)があったせいなのか……。たしかに四六時中運転しているのはつらいのですが、それでも、そのつらさを補ってくれるような出来事もありました。

10月25日(出発の日)〜26日(高知着)

 午前10時ごろ、前日に安売りチケット・ショップで購入したハイウェイカード(10,500円分2枚)を手に、愛車と共に自宅を出発。初日は滋賀県大津市近辺で一泊してから、四国へと進入する予定でした。この時は遅くとも7時か8時くらいには大津につくだろうと考えていました。しかし、その考えがいかに甘いものであるかということを、すぐさま思い知らされることになります。

 高速料金を節約するために出来る限り一般道を使うことにして、大井松田のIC(インターチェンジ)から東名高速に乗り込んだのですが、この時すでに時計は12時をまわっていました。さらに悪いことに、この時期は東名・名神高速の集中工事の期間にあたっていたので、行く先々で渋滞が出来ていたために思うように先に進めません。浜松のサービスエリアで食事を済ませてから、一気に名古屋へと思ったのですが、豊田ICを過ぎたあたりから大渋滞となり、一般道へと退避。この時点で滋賀入りを断念し、三重を突き抜けて大阪へ渡り、神戸へ至るルートをとることにしました。

★浜松SAの変わり種めにゅー「スープ・チャーハン」★
 浜松SAで、なんかおいしそうなもんはないかなと探していたら目についたのが、この「スープ・チャーハン」。ちょっと迷ったのですが、ものはためしとばかりに食してみました。食べてみた印象は、「スープ・チャーハン」というよりは「スープ茶づけ」といった感じで、割にあっさりとしています。もうちょっと濃厚なお味を期待している方は、恐らく拍子抜けするでしょう。特別うまいというものでもなかったので、次も是非食べてやろうという気には残念ながらならなりませんでした。

 何かとロスタイムが多く、四日市を通過した時点で夜の8時を過ぎていました。とりあえず、一夜の宿を求めて忍者の里として有名な伊賀上野を目指したのですが、到着したのは10時目前といった頃合いとなってしまいました。ビジネスホテルを探したところ、それらしいものが見当たりません。観光の町なのでしょうから、目立つところにホテルやら旅館があっても不思議ではないでしょうに、なぜか見つけられません。結局、風呂と布団に未練を残しつつも上野を後にして「名阪国道」を西へと進み、大阪を経由して神戸、明石に到達。時はすでに26日午前0時を回っていました。

淡路島の夜明け
淡路島の日の出
 ここから明石海峡大橋を渡って淡路島へと入るわけですが、この橋は全長が8キロにも満たないのにもかかわらず、ここを通過するだけで高速料金がぐっと高くなり、垂水IC〜淡路ICの区間だけで2,600円(普通車の場合)もふんだくられる始末。淡路島を高速で走破すると6,000円近くもかかるため、明石海峡大橋と鳴門大橋をわたる以外は一般道を利用しました。結果として、その日の夜明けは淡路島の南端の南淡(なんだん)で迎えることと相成りました。その時の日の出の様子を写したのが右の写真です。

 夜は時々仮眠をとりながら車を転がしつづけていたので、「朝は徳島で優雅な朝食を」と思っていたのですが、結局、何だかんだと朝飯抜きで車を走らせつづけ、午前11時頃に室戸岬から少し北に位置する宍喰温泉というところにある道の駅でようやく休憩をとることが出来ました。この宍喰温泉の道の駅には、大人400円で入浴できる温泉があります。車で移動している途中で、ちょっと寄ってひとっ風呂というのにはうってつけです。また、目の前は海岸なので、サーファーの皆さんがサーフィンを終えた後の休憩場としても利用しているようです。

 食事を済ませたあと、さっそく湯船に浸かり、マッサージチェアで体をほぐしてくつろいだところで、目的地の高知へ向けて出立し、午後4時頃にやっと今回の旅の最初の行程が終わったのでした。
10月28日(高知発 → 滋賀着)

 2日ほど親戚の家にご厄介になって、今度は3日の行程をかけて自宅へ向けて帰路につくことになりました。その日は朝9時半ごろに親戚の家を出て、高知市街にある「はりまや橋」(坊さんが町娘にかんざしをプレゼントしたと言われる場所で、高知の観光名所として有名なのですが、街中で車を走らせていたら気づかずに通りすぎてしまうほど目立たない)界隈で土産を買って、その日の目的地、琵琶湖の南にある石山温泉へ。高知自動車道を北上して三島川之江ICを下りて、国道192号線で徳島へと車を走らせました。当初、徳島港からフェリーに乗って和歌山へ出て、そのまま高速で滋賀入りを果たそうと思っていたのですが、徳島港へ到着した10分前にフェリーが港を離れてしまっていた後でした。ここでまた、今回の旅行での私の見込みの甘さが露呈してしまう結果となってしまいました。

 次のフェリーは4時過ぎの出港だったので、仕方なく、また鳴門大橋と明石海峡大橋(例のごとく、淡路島では一般道を利用)をわたって、阪神高速道路を経由して、名神高速道路へと入りました。途中で一般道を利用したことと、阪神高速で渋滞に巻き込まれてしまったことで、石山温泉に到着した時には、すでに7時を過ぎていました。

 この日は、琵琶湖の南端に注ぐ瀬田川に架かっている瀬田唐橋(せたのからはし)のすぐ近くにある滋賀県青年会館に宿泊しました。温泉地にある公共の宿なので、当然風呂は温泉だろうと思ったのですが、残念ながら違いました。ただ、銀イオンの風呂だということで、雑菌の繁殖を抑え、いつも清潔で、温泉と同じ効果があるというようなことが書かれてありました。本当かしらと思いつつも、入った後は心なしかお肌がサラサラになったような気が……。
10月29日(滋賀発 → 野辺山高原着)

 さて、今度は前日に電話で予約の取れた長野県の野辺山高原(JR鉄道最高地点のあるところですね)にあるペンション「さんかくじょうぎ」へ向けて、朝10時頃に石山温泉を後にしました。今度は名神高速道路から中央自動車道へぬけて小淵沢ICで高速を下り、野辺山へと上っていきました。今回は渋滞に巻き込まれることもなく、スムーズに進むことができ、4時過ぎには目的地に到着することが出来ました。

★ペンションの魅力★
 私は一人旅のときにはよくペンションを利用します。どうもペンションというと女性同士、あるいはカップルで宿泊するところというイメージが強いようで、男の一人旅でペンションを利用するというと、大抵の人は妙な顔をします。しかし、私のようにいくらかでも安く旅行を楽しみたいと思う人間にとっては、ペンションは大きな魅力です。なんといっても、普通の旅館やホテルに比べて人件費が抑えられるので宿泊料金が安い!もちろんそれだけではありません。宿泊客を確保するために、旅館やホテルにはない独自のサービスを提供してくれます。今回、私が泊まった「さんかくじょうぎ」は、陶芸教室を併設していたり、自家栽培の有機野菜を使った食事を出してくれたり、また、天然ミネラル温泉(見た目は普通の風呂と変わらないけれども)があったりしました。人気の高いペンションは、こういった独自性が宿泊客にうけているところがほとんどです。それに、ペンションのオーナーさんと仲良くなれるというのも魅力のひとつでしょう。

 私が泊まった日には、2人の男の子をつれた若いご夫婦(名古屋の方だとおっしゃっていました)が1組いらっしゃいました。夕食のときにボトルワインを頼んだのですが、酒に弱い私が一人で全部空けるのはつらかったので、このご夫婦に勧めたところ、これをきっかけにお互い話が弾み、結局9時過ぎまでなんやかんやと話し込んでしまいました。これまでまったく知らない者同士がちょっとしたきっかけで親しくなれるというのも、旅の醍醐味ですよね。
10月30日(寄り道をしつつ自宅へ)
 
 翌朝、早くに目がさめたので、ペンション近くの牧草地をうろうろしつつ、朝の野辺山の風景を写真に収めてみました。
野辺山の日の出
野辺山高原の夜明け
朝日を浴びる野辺山の紅葉
朝日を浴びる野辺山の紅葉

 朝食を済ませたあと、本を読みながら9時半ぐらいまでのんびりとしてから、自宅への帰路に着きました。しかし、そのまま帰ったのではつまらないので、途中、寄り道をしながら帰ることにしました。まずは野辺山のすぐとなりの清里にある「美し森展望台に立ち寄って、八ヶ岳の紅葉と山々の景色を堪能することにしました。
美し森展望台から見える富士山
展望台から富士山をのぞむ
八ヶ岳の紅葉
八ヶ岳の紅葉

 左側の写真は少々見ずらいのですが、よく見ると真中あたりにちょこんと雪の帽子をかぶった富士山の姿を垣間見ることが出来ます。右側の写真は、同じ展望台から八ヶ岳をのぞむ位置から撮ったものですが、見てお分かりのように、まだ赤や黄色によって鮮やかに彩られるというところまではいかない、緑がまだらのように残る中途半端な紅葉です。そろそろ11月だというのに、今年は例年よりも暖かく、色づきは今一つというところでした。紅葉はまだこれからということなのでしょうか。

★清里での少々残念な出来事★
 清里高原の風景を楽しんだところで、以前、清里に来たときにたまたま入ったレストランでちょっと早めの昼食をとろうと思い立ちました。しかし、行ってみると店が開いていません。みやげ物店の人に聞いてみたところ、その店は6月で閉店してしまったとのこと。どうやら客の入りが悪かったらしく、続けられなくなったようです。
 このレストランは、国道141号線沿いにあるみやげ物屋が立ち並んだ場所のいちばん奥にあり、少々目立たない店ではありました。そこで食べたカレーライスが割合おいしかったので、また来たときには是非寄ろうと思っていたので非常に残念でなりません。この店のカレーは、12種類の野菜を水を使わずに野菜のもつ水分だけで煮込んだというもので、すっきりした酸味があり、なかなか味わいのあるものでした。店の雰囲気はアットホームな感じで、居心地は悪くなかったのですが……。ただ、近所の奥さん方が運営しているようなレストランで、サークル的な雰囲気もあったので、それほど熱心に客を集めようとしていなかったのかもしれません。それにしても、ああいった店は都会のあわただしさを脱して、清里へのんびりしに来る人々にとっては貴重な存在だったような気がします。

やまと天目山温泉
やまと天目山温泉の休憩所
 清里を後にして、自宅へ向けての帰路に着きましたが、まだどこかに寄っていけるだけの時間的余裕があったので、道行く先に温泉でもあれば入っていこうと思っていたところ、国道20号沿いの「甲斐大和」(山梨県大和村)の道の駅で、近くに村営の温泉休憩所があることを知り、さっそく行ってみることにしました。

 平日でも案外人の入りは多く、盛況なようです。こういった村営または町営の温泉休憩所は、いろいろなところで開設されているようで、私のような温泉好きには、旅の途中に余裕があれば気軽に立ち寄れるのでうれしい限りです。大概こういうところは地元の年配者が行くところだと思われている人も多いようですが、意外と利用客の中には若い人やビジターも少なくありません(一応私も若いビジターということにしておきましょう(^^;;)。

 ここでもちょっとした出会いがありました。露天風呂に一緒に入っていた年配の方に話しかけたところ、相手も快く応えてくれました。この方は大月市にお住まいで、主に東北方面によく旅に行かれるようです。この方によれば、東北の特に北のほうの紅葉はすばらしく、一斉に木々が鮮やかな赤や黄色に色づくそうで、特に田沢湖周辺や八甲田山の紅葉は見事だということです。しかし、紅葉を堪能できる期間は短く、すぐに葉が散ってしまうので、時機を逸してしまうと山は丸裸といった具合となってしまうそうです。また、青森あたりの桜の葉は、紅葉の時期には透きとおるような赤色になるという話をうかがいました。透きとるような赤色?なかなかうまくイメージが浮かんできません。これはやはり実際に行って見なければいけないでしょう。しかし、紅葉の見ごろに果たして休暇が取れるかどうか……。
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