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六行詩集


 後年ノストラダムスの予言集に組み込まれた素材にシザン(六行詩集)なるものが存在する。日本では五島勉著『ノストラダムスの大予言X』(祥伝社,1986)でもっともらしく「幻の諸世紀第十一巻を発見」などと紹介されて読者に未発見の予言文書の解読との期待感を抱かせたためその存在が一般に知られるところとなった。尤も海外に目を向けると、特に幻といった代物ではなくノストラダムスの予言の基本的なテクストとして扱われてきた。実際に19世紀の研究家アナトール・ル・ペルティエの著作にも六行詩集は組み込まれている。このテクストはごく最近まで良質な校訂本と見なされていたため、ノストラダムス書誌学に深い理解を示さない一部の研究家の間ではノストラダムスの本物の作品として信じ込まれていた。

 筆者が初めて読んだ六行詩集はエドガー・レオニのNostradamus and his Prophecies,1982 の付録のなかである。そこには58篇の六行詩の原文と英訳が紹介されており、六行詩の初出が1605年版予言集であると解説されている。レオニは1961年の時点で六行詩に添えられたセヴの献呈書簡の内容を吟味しさらに詩のスタイルがノストラダムスのものと異なることから「誤ってノストラダムスのものとされた予言」と結論付けている。1611年ピエール・シュヴィヨ版予言集には六行詩集のタイトルにサンチュリ(百詩篇)十一巻が追加されている。この六行詩群は1600年代に関する事件を主題にしているとあるのにそれさえも無視して20世紀の事件に当てはめる研究家も後を絶たなかった。フランスの研究家ジャン・シャルル・ド・フォンブリュヌは『新釈ノストラダムス』のなかで多くの六行詩を近未来の事件に当てはめていたがその代表格といえよう。

 当初日本では六行詩の情報は、五島がセルジュ・ユタンの編纂した予言集(Les Propheties de Nostradamus. Serge Hutin, 1973)を紹介する形でもたらされた。しかし五島が参照したユタンの原著を読んでもユタン自身が六行詩の自筆原稿を掘り起こして自著に採録したという記述は見られない。それどころかユタン自身は「我々はシャルル・ルイノー-プリュース Charles Reynaud-Pleuse の作品(1940)にある補遺 Supplement に紹介されたテクストを選択している」とさえ注釈している。さらにプリュースの本Les vraies centuries et prophéties de Michel Nostradamus, p.179の注釈を見ると六行詩のテクストは1605年版予言集より選択したとあり、結局レオニの解説と一致している。五島はその後の大予言シリーズでも時折六行詩を引用して解釈を試みているがその背景については結局口を噤んだままである。

 予言解釈を行う研究家は六行詩の真偽を検討することなくノストラダムスの作品と受け取ることが多い。1982年にフランスにノストラダムスブームを引き起こしたフォンブリュヌやそれを痛烈に批判したエリザベート・ベルクール、1991年のソ連崩壊を的中させたとされるヴライク・イオネスクらは予言集のテクストを1605年版以降のものに同定したことから六行詩をなんの疑問も持たずにノストラダムスの作品と紹介し解釈している。記憶に新しいところではピーター・ラメジャラーが『ノストラダムス百科全書』(東洋書林,1998)p190で「六行詩集」が贋作ではなく様々な事実がノストラダムスの作品であることを示している、と述べている。もちろん六行詩集の文体は百詩篇(サンチュリ)のものとは一致していない。それをラメジャラーは贋作ならもっと似せて作るはずという根拠の乏しい主張をしている。

 個人的な書誌学上の見解では、1605年版予言集はおそらく1649年の様々な年代を偽った偽版の一つであり六行詩集の初出とはいえない。恐らく1611年シュヴィヨ版(これも実際の出版は1620-30年頃との説がある)が初めてではないか。1649年に印刷されたであろう予言集になぜ1605年がついたのであろうか。それは六行詩集に添えられた、ヴァンサン・セヴがアンリ四世に宛てた献呈書簡の日付が1605年3月19日であるのに起因したと考えるのが妥当であろう。1605年版(1649年?)の六行詩のタイトルは下記に示したテクストからサンチュリ十一巻をオミットしたものである。ただし、レオニの参照したハーバード大学図書館の1605年版の標本やベナズラが示したグルノーブルとニオール図書館のものにはノストラダムスNostradamusがモンストラダムスMONSTRADAMUSというミスプリントが見られる。あるいは偽作あることを示そうとしてあえてつけたものかもしれない。

 その後の六行詩集のタイトルは微妙に変化している。下記に示したのは1611年シュヴィヨや1697年版に見られるものでサンチュリ十一巻のタイトルが追加されている。1630年頃出版されたピエール・リュオー版と1668年ジャン・ジャンソン版、1669年パリ版では「ミシェル・ノストラダムス師の別の予言(プレディクション)。今世紀に迎える諸年に対して。」でサンチュリ十一巻のタイトルはない。ベルクールの示した1605年版(実際には1660年)では「ミシェル・ノストラダムス師の別の予言集(プロフェティ)。1600年に始まる今世紀に迎える諸年に対して。」となっている。17世紀初頭であれば今世紀といえば1600年代を指すのが明白だが17世紀の後半ともなると予言という観点から来世紀とも受け取られるため敢えて1600年に始まるという語句を追加したのだと考えられる。

 六行詩はどういった経緯で日の目を見たのであろうか。エティンヌ・ジョベール(1656年)はアミアンのカノン、M.バルボティールの図書館で132編(58編でなく)のオリジナルの原稿を見たと主張している。1610年ル・メルキュール・フランソワの437頁でこの新しい予言のことが言及されている。プロヴァンスの検事がパリに立ち寄った際に高額でこの六行詩集が売り渡されたという。そしてそこから多くのコピーを作成した。エクスの高等法院は彼に詐欺の疑いを持ったため逮捕してガレー船で追放した、とジョベールはいう。話自体はマユツバで確認するすべはない。実はパリの国立図書館に六行詩のソースといえる手稿(cote 4744, folio 76-78)が存在しておりダニエル・リュゾがLe testament de Nostradamus, Rocher, 1982 の中で手稿のコピーを転載している。そのコピーを見ると、最初の頁には76とあり全部で6枚の手書きの文書である。

 各々の六行詩にはナンバーも付してあるが印刷されたテクストと比較するとナンバーにずれがあり全部で56篇しかない。理由は不明であるがこの手稿には26番と33番が抜けている。手稿の六行詩の前書きには「1600年の世紀に対するミシェル・ノストラダムス師の予言(プレディクション)ラングドックのヴァンサン・オケーヌが年頭にアンリ四世に献呈されたもの」とある。1605年にアンリ四世に献呈されたとされる年が1600年になっており、さらにノストラダムスの親族とされるボーケールのヴァンサン・セヴの代りにラングドッグのM.ヴァンサン・オケーヌの名前がある。当然手稿のほうが印刷物より先に書かれたのだから出版時に何らかの理由で改竄されたことがうかがい知れる。出版時に最終的に58篇に膨らませたのは百詩篇七巻に42篇の四行詩しかないのに目をつけてそれを補完する意味合いを持たせたと考えられる。

 リュゾは手稿の六行詩の作者が17世紀初頭に活躍した詩人テオフィユ・ド・ヴィオー Theophile de Viau(1590-1626)でないかと推理している。テオフィユはラングドック地方に滞在中ヴァンサン・オケーヌからこの「物語」の発想を得たという。そうしてモンモラシー公の屋敷であるシャンティユ城の図書館でノストラダムスの文献を参照しながら六行詩を作成したというのだ。もちろんこれは想像の域を出ていない。六行詩のテクストがノストラダムスの語法と一致していないし17世紀の典型的なスタイルを示しており、言語学的見地からも17世紀フランス語で書かれている等の理由からリュゾは疑わしい予言と結論づけている。その内容に目を向けると16世紀後半から17世紀の初頭に言及した政治的メッセージを含んでおり、息子セザールや弟子のシャヴィニーの著作を見てもこの手稿に全く触れておらず信憑性を裏付けるものは皆無である。

 現行のセヴの書簡には「晩年のミシェル・ノストラダムスによって作成されたある予言集を(数年前)いわゆるミシェルの甥、アンリ・ノストラダムスという名の男の手から彼の死の前に受け取り、現在まで秘密に保管してきました。」とあるが実際にはアンリ・ノストラダムスなる人物は実在しない。この点についてリュゾはアンリ・ド・モンモラシーを修正した可能性を示唆している。この書簡の作成者とされるヴァンサン・セヴはセザールの書簡(Les Correspondants de Peiresc, Marseilles, 1880)で自分の甥と言及しているという。ベナズラによればピエール・セヴァとアンヌ・ド・ノートルダム(ノストラダムスの次女)の息子にメルシオール・ド・サヴァなる人物が実在した。印刷する際に本来の人物ヴァンサン・オケーヌを一番近いノストラダムスの親類の名前に置き換えたとすれば辻褄が合う。

 この手稿は六行詩の真偽に関して様々な情報を与えてくれるしノストラダムスの自筆原稿でないことはほぼ確実といえる。ノストラダムス研究家のなかにはこういった断片的な真実にさえ目を背けてセンセーショナルな話題に飛びつく者が多い。それは時代を越えても変わらないのかもしれない。

  AVTRES PROPHETIES DE MAITRE MICHEL NOSTRADAMUS.
Pour les ans courans en ce siecle.
Centurie onzieme.
ミシェル・ノストラダムス師の別の予言集
今世紀に迎える諸年に対して
百詩篇第十一巻
1 Siecle nouueau, alliance nouuelle,
Vn Marquisat mis dans la nacelle,
A qui plus fort des deux l'emportera,
D'vn Duc d'vn Roy, gallere de Florance,
Port à Marseil, Pucelle dans la France,
De Catherine fort chef on rasera.
新しい世紀、新しい同盟
マルキーザは小さな船(ナセル)の中に置かれる
それをより強い者が破滅さす
大公か王のどっちかが、またフロランスの艦隊(ガレール)が
マルセイユに向かう、フランスの乙女に
人々は強い指導者カトリーヌに飽きるだろう
(五島勉訳『ノストラダムスの大予言X』83-4頁)
2 Que d'or d'argent fera despendre,
Quand Comte voudra Ville prendre,
Tant de mille & mille soldats,
Tuez, noyez, sans y rien faire,
Dans plus forte mettra pied terre,
Pigmée ayde des Censuarts.
伯爵がその町を手に入れたいと思う時には、
なんと多くの金銀が費やされることか。
何千もの多くの兵士たちが
そこで何をするでもなく溺死し殺される。
もっと強力な地に足を踏み入れるだろう、
ピグミー族は監察官(古代ローマにおいて財産戸口調査・風紀観察を職とした)の支援。
(M.Asakura訳)
3 La Ville sans dessus dessous,
Renuersée de mille coups
De canons: & forts dessous terre:
Cinq ans tiendra: le tout remis,
Et lasche à ses ennemis,
L'eau leur fera apres la guerre. 
「都市」は大砲の一千発の砲撃で、
混乱の絶頂に達するだろう。
わけても、地下がはなはだしいだろう。
「都市」は五年間もちこたえ、すべてが元に帰るだろう。
だが、再び敵のなすがままになり、
後に洪水が敵に戦争をしかけるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』209頁)
4 D'vn rond, d'vn lis, naistra vn si grand Prince,
Bien tost, & tard venu dans sa Prouince,
Saturne en Libra en exaltation:
Maison de Venus en descroissante force,
Dame en apres masculin soubs l'escorse,
Pour maintenir l'heureux sang de Bourbon.
太陽の戦車と百合の花からかくも偉大な王子が生まれ、
ほどなくか、遅ればせに、プロヴァンス地方へやって来て、
天秤宮のサートゥールヌスは宣揚されるだろう。
男装をした貴婦人の後で、
ブルボンのしあわせな血を維持するために、
ウェヌスの家の力が衰えるからだ。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』258頁)
5 Celuy qui la Principauté,
Tiendra par grande cruauté,
A la fin verra grand phalange:
Par coup de feu tres dangereux,
Par accord pourroit faire mieux,
Autrement boira suc d'Orange.
彼は公国を
非常に残酷に治めるだろう。
しまいには大軍団となるだろう、
相当危険な砲撃を備えて。
協定によりもっとよい行動を振る舞い、
さもないとオレンジの果汁を飲むことになる。
(M.Asakura訳)
6 Quand de Robin la traistreuse entreprise,
Mettra Seigneurs & en peine vn grand Prince,
Sceu par la Fin, chef on luy tranchera:
La plume au vent, amye dans Espagne,
Poste attrappé estant dans la campagne,
Et l'escriuain dans l'eauë se jettera.
ロビンの陰謀が
偉大な王子や諸侯に苦痛、危険を与えるなら
はかりごとはついに破れて、彼は首を落とされるだろう。
風に吹かれる羽、スペインにいる女友人。
野戦にいる間、伝令が罠で捕らえられ
筆記した者は水中に身を投げるだろう。
(中山茂/中山由佳訳『預言者ノストラダムスあらかじめ語れらた未来』151頁)
(後半の3行M.Asakura訳)
7 La sangsuë au loup se ioindra,
Lorsqu'en mer le bled defaudra,
Mais le grand Prince sans enuie,
Par ambassade luy donra
De son bled pour luy donner vie,
Pour vn besoin s'en pouruoira.
蛭は狼に加わるだろう、
穀物が海中に沈むとき。
しかし偉大な君主は欲を出さずに、
大使館を通じて彼に差し出すだろう、
生命を与えるために自分の穀物を。
必要に応じてそれを援助するだろう。
(M.Asakura訳)
8 Vn peu deuant l'ouuert commerce,
Ambassadeur viendra de Perse,
Nouuelle au franc pays porter:
Mais non receu, vaine esperance
A son grand Dieu sera l'offance,
Feignant de le vouloir quitter.
通商条約を結ぶ少し前に
ペルシアから大使が来て、
フランク族の国へ情報をもたらすだろう。
だが受け入れられず、期待は空しくなるだろう。
それは彼の偉大なる神マホメットへの侮辱であり、
彼はフランスを立ち去るそぶりを見せるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』170-1頁)
9 Deux estendars du costé de l'Auuergne,
Senestre pris, pour un temps prison regne,
Et vne Dame enfans voudra mener:
Au Censuart mais descouuert l'affaire,
Danger de mort murmure sur la terre,
Germain, Bastille frere & soeur prisonnier.
オーヴェルニュの方向から二つの軍旗、
左側は捕らわれ、しばらくは監獄が君臨する
そしてある貴婦人は子供たちを連れて行きたいと願うが
事件が監察官に露呈してしまう。
地上には死の危険と不平の声、
ドイツ人(同じ父母から生まれた)、バスティーユには兄妹の囚人。
(M.Asakura訳)
10 Ambassadeur pour vne Dame,
A son vaisseau mettra la rame,
Pour prier le grand medecin:
Que de l'oster de telle peine,
Mais en ce s'opposera Royne,
Grand peine auant qu'en veoir la fin.
ある貴婦人のため大使は
彼の軍艦に櫂を置くだろう。
偉大な医者に懇願するため、
彼女からそんな苦痛を和らげることを。
しかし、女王はそれに反対するだろう、
その結末を見る前に大きな苦痛。
(M.Asakura訳)
11 Durant le siecle on verra deux ruisseaux,
Tout vn terroir inonder de leurs eaux,
Et submerger par ruisseaux & fontaines:
Coups & Moufrin Beccoyran, & ales,
Par le gardon bien souuant trauaillez,
Six cens & quatre alez, & trente moines.
その世紀の間、人々は二つの流れを見るだろう。
その水によって全地方を水浸しにして
小川と泉により水没させるのを。
砲声がモンフリン、ブソワロン、アレーに、
頻繁にガルドン川に苦しめられる。
六百と四、そして三十人の修道士。
(M.Asakura訳)
12 Six cens & cinq tres grand nouuelle,
De deux Seigneurs la grand querelle,
Proche de Genaudan sera,
A vne Eglise apres l'offrande
Meurtre commis, prestre demande
Tremblant de peur se sauuera.
六百と五、大変重大な知らせ、
二人の領主の大きな反目が
グボーダンの近くで生じるだろう。
教会で奉納した後に
殺人が犯され、司祭は懇願する。
恐怖で震えると逃げ出すだろう。
(M.Asakura訳)
13 L'auanturier six cens & six ou neuf,
Sera surpris par fiel mis dans vn oeuf,
Et peu apres sera hors de puissance
Par le puissant Empereur general
Qu'au monde n'est vn pareil ny esgal,
Dont vn chascun luy rend obeïssance.
六百と六または九、野心家は
卵に入っている胆汁に驚くだろう。
その後まもなく権力の座から外れるだろう。
強力な将軍たる皇帝により
世界で比肩しうる匹敵する者はいない。
誰もが皆、彼に服従し屈服する。
(M.Asakura訳)
14 Au grand siege encor grands forfaits,
Recommançans plus que iamais
Six cens & cinq sur la verdure,
La prise & reprise sera,
Soldats és champs iusqu'en froidure
Puis apres recommencera.
大包囲に際して一層大変な大罪、
かつてなかった程のものが再び始まる。
六百と五、緑の草木で
捕獲と奪還があるだろう
兵士達は寒くなるまで戦場の中
その後も繰り返すだろう。
(M.Asakura訳)
15 Nouueau esleu patron du grand vaisseau,
Verra long temps briller le cler flambeau
Qui sert de lampe à ce grand territoire,
Et auquel temps armez sous son nom,
Ioinctes à celles de l'heureux de Bourbon
Leuant, Ponant, & Couchant sa memoire.
大いなる身廊の新しい主人が選ばれるとき、
この偉大なる領土に光をともす
あの明るい松明が永らく輝くだろう。
そして、この時代に、彼の名のもとに武装され、
ブルボン家の幸福な者の軍隊と同盟するだろう。
その思い出は東方にも大西洋にも西方にも残るだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』274-5頁)
16 En Octobre six cens & cinq.
Pouruoyeur du monstre marin,
Prendra du souuerain le cresme,
Ou en six cens & six, en Iuin,
Grand' ioye aux grands & au commun,
Grands faits apres ce grand baptesme.
十月に、六百と五、
海の怪物の御用商人が
主権者から聖油を奪うだろう。
或いは六百と六の七月に
大王たちと庶民に大きな喜び、
この大洗礼の後に大きな行為。
(M.Asakura訳)
17 Au mesme temps vn grand endurera,
Ioyeux mal sain, l'an complet ne verra,
Et quelques vns qui seront de la feste,
Feste pour vn seulement, à ce iour,
Mais peu apres sans faire long seiour,
Deux se donront l'vn à l'autre de la teste.
同じ時期、一人の大王が我慢するだろう、
健康に悪い陽気さで、まるまる一年見ることなく、
そして数人が祝宴に加わるだろう。
この時代のたった一人のための祝宴、
しかし長き遅延なくほどなくして
二人は互いにおじぎをするだろう。
(M.Asakura訳)
18 Considerant la triste Philomelle
Qu'en pleurs & cris sa peine renouuelle,
Racoursissant par tel moyen ses iours,
Six cens & cinq, elle en verra l'issuë,
De son tourment, ia la toille tissuë,
Par son moyen senestre aura secours.
身の不運を嘆いて啼き涙する
そしてそのようにしてこの世の日々を過ごす
あの悲しいギリシャのナイチンゲールを思うに、
六百五にあらゆる苦しみからの解放を
彼女は見るだろう: それが宿命の女神の定め。
不吉な手段によって彼女は援軍を募るだろう。
(田口孝夫・目羅公和訳『ノストラダムス百科全書』230頁)
19 Six cens & cinq, six cens & six & sept,
Nous monstrera iusques à l'an dix sept,
Du boutefeu l'ire, hayne & enuie,
Soubz l'oliuier d'assez long temps caché,
Le Crocodril sur la terre a caché,
Ce qui estoit mort, sera pour lors en vie.
六百と五、六百と六、七
十七の年まで我々に明らかにするだろう。
放火者の怒り、憎しみ、妬みは
十分長い間オリーブの木のもとに隠される、
ワニが陸地に隠れて、
死んだ者がその時生き返るだろう。
(M.Asakura訳)
20 Celuy qui a par plusieurs fois
Tenu la cage & puis les bois,
R'entre à son premier estre
Vie sauue peu apres sortir,
Ne se sçachant encor congnoistre,
Cherchera sujet pour mourir.
その人は何度も
手に籠を持って木々を用意するだろう。
彼は最初の状態に戻し、
生命が救われ、ほどなく立ち去る。
いまだにノウハウも判らぬまま
死の原因を捜し求めるだろう。
(M.Asakura訳)
21 L'autheur des maux commencera regner
En l'an six cens & sept sans espargner
Tous les subiets qui sont à la sangsuë,
Et puis apres s'en viendra peu à peu,
Au franc pays r'allumer son feu,
S'en retournant d'où elle est issuë.
諸悪の根源が君臨しはじめるであろう、
六百と七の年に、だれひとり逃がさずに。
万邦ことごとくこの蛭に吸いつかれる。
ついで、むんずむんずと押し出でて、
自由(フラン)国にまたもや放火し、
かくて彼女の生まれし元に里帰りするであろう。
(竹本忠雄訳『ノストラダムス・メッセージU』118頁)
22 Cil qui dira, descouurissant l'affaire,
Comme du mort, la mort pourra bien faire
Coups de poignards par vn qu'auront induit,
Sa fin sera pis qu'il n'aura fait faire
La fin conduit les hommes sur la terre,
Gueté par tout, tant le iour que la nuit.
告発する者がその問題を暴くと、
死と同様に、その死は十分な振る舞いを与える。
短剣の一撃は扇動した一人により、
結末は彼が思い描いているよりも悪くなるだろう。
終いには地上の人間たちを導く、
あらゆる所で見られるように、日中と同様夜中にも。
(M.Asakura訳)
23 Quand la grand nef, la prouë & gouuernal,
Du franc pays & son esprit vital,
D'escueils & flots par la mer secoüée,
Six cens & sept, & dix coeur assiegé
Et des reflus de son corps affligé,
Sa vie estant sur ce mal renoüée.
フランスの、そしてその生命が関わるあらゆるものの、
堂々たる大きな船が、船首から船尾まで、
岩と波をもって海に粉砕されるとき、
その心臓が攻撃され、引き潮に死骸が散乱する――
だが、この災難によってその生命は再生するだろう。
六百七か六百十にこうしたことが起こるであろう。
(田口孝夫・目羅公和訳『ノストラダムス百科全書』230頁)
24 Le Mercurial non de trop longue vie,
Six cens & huict & vingt, grand maladie,
Et encor pis danger de feu & d'eau,
Son grand amy lors luy sera contraire,
De tels hazards se pourroit bien distraire,
Mais bref, le fer luy fera son tombeau.
メルキュリアルはそれほど長生きせず、
六百と八と二十、大きな病い、
なおも火と水によるいっそう悪い危険。
そのとき偉い友人は彼に対抗するだろう。
その危険のため彼は自身の注意を十分そらすことができた
だがいとも簡単に剣が彼の死の原因となるだろう。
(M.Asakura訳)
25 Six cens & six, six cens & neuf,
Vn Chancelier gros comme vn boeuf,
Vieux comme le Phoenix du monde,
En ce terroir plus ne luyra,
De la nef d'oubly passera,
Aux champs Elisiens faire ronde.
六百と六、六百と九、
高官は雄牛のように大きい。
世界のフェニックスのように古く、
この世ではもはや輝くことはないだろう。
彼は忘却の船に移って
死者の園へ向けた巡視をする。
(M.Asakura訳)
26 Deux freres sont de l'ordre Ecclesiastique,
Dont l'vn prendra pour la France la picque,
Encor vn coup si l'an six cens & six
N'est affligé d'vne grande maladie,
Les armes en main iusques six cens & dix,
Gueres plus loing ne s'estendant sa vie.
二人の兄弟が聖職者の階位にあり
その一人はフランスのためやりを手に取るだろう。
六百と六の年になるとさらに打撃を受け、
彼は大きな病気で苦しむことはない。
六百と十まで武器をとって立ち
彼の生命がこれ以上延びることはない
(M.Asakura訳)
27 Celeste feu du costé d'Occident,
Et du Midy, courir iusques au Leuant,
Vers demy morts sans point trouuer racine,
Troisiesme aage, à Mars le Belliqueux,
Des Escarboucles on verra briller feux,
Aage Escarboucle, & à la fin famine.
天から来る火が西欧に達して、
南から東の国まで駆けめぐるだろう。
虫は木の根も見つけられないで死にかかるだろう。
戦好みのマールスに捧げられる第三の時代、
ざくろ石のように赤い火の輝きが見えるだろう。
赤が支配する時代、最後に飢饉が訪れるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』139-40頁)
28 L'an mil six cens & neuf ou quatorziesme,
Le vieux Charon fera Pasques en Caresme,
Six cens & six, par escript le mettra
Le Medecin, de tout cecy s'estonne,
A mesme temps assigné en personne
Mais pour certain l'vn d'eux comparoistra.
千六百と九または十四の年
年老いたカロンは四旬節にイースターを祝うだろう
六百と六、書面で彼はその場所を定めるだろう
医者はすべてこれで驚くだろう
同じ時期本人を呼び出し
しかし確実に彼らの一人が現れるだろう
(M.Asakura訳)
29 Le Griffon se peut aprester
Pour à l'ennemy resister,
Et renforcer bien son armée,
Autrement l'Elephant viendra
Qui d'vn abord le surprendra,
Six cens & huict, mer enflammée.
鷲頭の獅子(グリフォン)の準備は万全、
敵に抵抗し
自軍を大増強するための。
さもなくば、象の山がやって来て
この怪獣を急襲し、
六百と八日間海が燃えあがる。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』270頁)
30 Dans peu de temps Medecin du grand mal,
Et la sangsuë d'ordre & rang inegal,
Mettront le feu à la branche d'Oliue,
Poste courir, d'vn & d'autre costé,
Et par tel feu leur Empire accosté,
Se r'alumant du franc finy saliue.
ほどなくして、大病を癒す医師と、
身分も地位も不ぞろいな蛭どもが
橄欖の枝に火を放つだろう。
医師は、いたるところから蛭を元の陣地まで押し戻し、
彼らの帝国はかかる戦火に見舞われ、
再燃した戦火はフランク族の政治論戦を終わらせるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』271頁)
31 Celuy qui a, les hazards surmonté,
Qui fer, feu, eauë, n'a iamais redouté,
Et du pays bien proche du Basacle,
D'vn coup de fer tout le monde estouné,
Par Crocodil estrangement donné,
Peuple raui de veoir vn tel spectacle.
彼はその危険に打ち勝ち
決して剣、火、水を怖れることはない
トゥールーズに非常に接近した地方から
鋼鉄の打撃によって全世界は苦しめられる
不思議なことにワニによって与えられ
人々はそんな光景を喜んで見る
(M.Asakura訳)
32 Vin à foison, tres bon pour les gendarmes,
Pleurs & souspirs, plainctes cris & alarme
Le Ciel fera ses tonnerres pleuuoir
Feu, eau & sang, le tout meslé ensemble,
Le Ciel de sol, en fremit & en tremble,
Viuant n'a veu ce qu'il pourra bien veoir.
豊富なワイン、軍隊にとっては非常に好ましい
涙とため息、不平、うめき声と驚き
空では雷光により雨が降るだろう
火、水と血、すべてが一緒に交じり合い
太陽の神、混乱と震えの中
それは生きている人間なら誰もがはっきり見えるはずだ
(M.Asakura訳)
33 Bien peu apres sera tres grande misere,
Du peu de bled, qui sera sur la terre,
Du Dauphiné, Prouence & Viuarois,
Au Viuarois est vn pauure presage,
Pere du fils, sera entropophage,
Et mangeront racine & gland du bois.
非常に大きな苦しみの後すぐに
穀物の不足からそれはその地に生じるだろう
フランスの皇太子のプロバンスとヴィヴァレ
ヴィヴァレに対しそれは乏しい予言であり
父親は自分の息子を食べるだろう
そして森林から彼らは根とドングリを食べるだろう
(M.Asakura訳)
34 Princes & Seigneurs tous se feront la guerre,
Cousin germain le frere auec le frere,
Finy l'Arby de l'heureux de Bourbon,
De Hierusalem les Princes tant aymables,
Du fait commis enorme & execrable,
Se ressentiront sur la bourse sans fond.
王侯も領主もたがいに、
従兄弟同士も、兄弟同士も戦を交え、
ブルボン家のしあわせな君主の絶対的支配は終わるだろう。
かくも愛さるべきエルサレムの君主たちは
恐ろしく忌まわしい行為により
財布の底が抜けるのを感じるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』292頁)
35 Dame par mort grandement attristée,
Mere & tutrice au sang qui la quittée,
Dame & Seigneurs, faits enfans orphelins,
Par les aspics & par les Crocodilles,
Seront surpris forts Bourgs, Chasteaux Villes
Dieu tout puissant les garde des malins.
殺戮によって《婦人》は大いに悲しみにとらわれよう、
母にして後盾たりし人が血まみれのまま彼女を見捨てたことにより――。
蝮が這い、鰐がのたくるあたりに、
《婦人》と《諸侯》、みなし児となる。
砦、村落、城、諸都市、ことごとく強襲されるにいたる。
全能の神よ、冀わくは、これらを凶悪の手より護りたまえ。
(竹本忠雄訳『ノストラダムス・メッセージ』140頁)
36 L grand rumeur qui sera par la France,
Les impuissans voudront auoir puissance,
Langue emmiellée & vrays Cameleons,
De boutefeux, allumeurs de Chandelles,
Pyes & geyes, rapporteurs de nouuelles
Dont la morsure semblera Scorpions.
大きな騒音がフランス中にあるだろう
力のない者は権力を持ちたいと思うだろう
蜜のついた舌と本物のカメレオン
扇動者の、燭光に灯りをともす人
カササギとカケスタチ、その知らせを報告する者
彼のかみ傷はさそりのそれのようになるだろう
(M.Asakura訳)
37 Foible & puissant seront en grand discord,
Plusieurs mourront auant faire l'accord
Foible au puissant vainqueur se fera dire,
Le plus puissant au ieune cedera,
Et le plus vieux des deux decedera,
Lors que l'vn d'eux enuahira l'Empire.
弱者と強者は大きな不和の中にいるだろう
妥協点に達する前数人が死ぬだろう
弱者は力のある征服者に思い切り話すだろう
最も権力のある者は若い人に対し譲歩するだろう
そして二人のうち年上の者が去るだろう
彼らの一人が帝国を侵略するとき
(M.Asakura訳)
38 Par eauë, & par fer, & par grande maladie,
Le pouuoyeur à l'hazer de sa vie
Sçaura combien vaut le quintal du bois,
Six cens & quinze, ou le dixneufiesme,
On grauera d'vn grand Prince cinquiesme
L'immortel nom, sur le pied de la Croix.
水によって、鉄によって、大きな病によって
御用商人は生命を賭けて
ハンドレッドウェイトの木の価値を知るだろう
六百と十五、または十九
偉大なる五番目の王子の、ある者は刻み込むだろう
不朽の名前、十字架のもとで
(M.Asakura訳)
39 Le pouruoyeur du monstre sans pareil,
Se fera veoir ainsi que le Soleil,
Montant le long la ligne Meridienne,
En poursuiuant l'Elephant & le loup,
Nul Empereur ne fit iamais tel coup,
Et rien plus pis à ce Prince n'aduienne.
比類なき怪物の御用商人が、
太陽とともに、姿を現わし、
象と狼を追跡しながら
子午線沿いに昇り行くだろう。
いかなる皇帝もかような打撃を与えたためしはなく、
これ以上悪いことは何もこの君主の身に起こらないだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』270-1頁)
40 Ce qu'en viuant le pere n'auoit sceu,
Il acquerra ou par guerre ou par feu
Et combatre la sangsuë irritée,
Ou iouyra de son bien paternel
Et fauory du grand Dieu Eternel
Aura bien tost sa Prouince heritée.
父親が存命中に体験しなかったことを、
彼は戦争と火災によって身につけ、
不毛の蛭を打破するだろう。
あるいは彼の父の富を享受し
偉大なる永遠の神のおぼえめでたく、
ほどなくプロヴァンス地方を相続するだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』246-7頁)
41 Vaisseaux, galleres auec leur estendar,
S'entrebattront prés du mont Gilbattar
Et lors sera fors faits à Pampelonne,
Qui pour son bien souffrira mille maux,
Par plusieurs fois soustiendra les assaux,
Mais à la fin vnie à la Couronne.
彼らは軍旗とともに大型の船とガレー船は
ジブラルタルの岩山の近くで戦いに乗り出すだろう
そのときパンプロナで凶悪な犯罪があるだろう
それは利益のため千人の損害を受けるだろう
何度も襲撃に耐えるだろう
しかし最終的には帝王に協力する
(M.Asakura訳)
42 La grand'Cité où est le premier homme,
Bien amplement la ville ie vous nomme,
Tout en alarme, & le soldat és champs
Par fer & eauë, grandement affligée,
Et à la fin des François soulagée,
Mais ce sera dés six cens & dix ans.
第一人者が放浪漫歩するあの強大な都は
(たった今その町の名をあげた――再読せよ)
兵士たちに埋めつくされて、恐怖におののく。
やがて救援フランス軍が勢力を盛り返すまで
戦争と洪水がこの都を襲うであろう。
六百十年、その時これらが顕現するのを見よ。
(田口孝夫・目羅公和訳『ノストラダムス百科全書』222頁)
43 Le petit coing, Prouinces mutinées
Par forts Chasteaux se verront dominées,
Encor vn coup par la gent militaire,
Dans bref seront fortement assiegez,
Mais ils seront d'vn tres grand soulagez,
Qui aura fait entrée dans Beaucaire.
小さな地方、反抗的なプロバンスは
自分たちが強力な城に支配されるのを見るだろう
軍人たちによる別の攻撃
彼らはすばやく強硬に包囲されるだろう
しかし彼らは極めて偉大な人によって救出されるだろう
彼はボーケールの中に入っていくだろう
(M.Asakura訳)
44 La belle rose en la France admiree,
D'vn tres grand Prince à la fin desirée,
Six cens & dix, lors naistront ses amours
Cinq ans apres, sera d'vn grand blessée,
Du trait d'Amour, elle sera enlassée,
Si à quinze ans du Ciel reçoit secours.
フランスの万民が讃える美しい薔薇を
強大なる君主が最後には欲するだろう。
六百十が彼の情熱の高まるのを見るであろう。
五年後に彼女はキューピッドの矢に傷ついた
自分を発見し、もし彼が天上から助けられるのを
一五が見るなら、彼の腕に抱かれているのを発見するだろう。
(田口孝夫・目羅公和訳『ノストラダムス百科全書』230頁)
45 De coup de fer tout le monde estonné,
Pa Crocodil estrangement donné,
A vn bien grand, parent de la sangsuë,
Et peu apres sera vn autre coup
De guet à pens, commis contre le loup,
Et de tels faits on ne verra l'issuë.
全世界は鉄の打撃に悩まされるだろう
奇妙にもワニによって与えられ
極めて偉大な者に蛭の親類は
別の打撃の後すぐに
不当な手段で狼に対し引き渡され
人はその事件の結末を見ることはないだろう
(M.Asakura訳)
46 Le pouruoyeur mettra tout en desroute,
Sansuë & loup, en mon dire n'escoute
Quand Mars sera au signe du Mouton
Ioint à Saturne, & Saturne à la Lune,
Alors sera ta plus grande infortune,
Le Soleil lors en exaltation.
御用商人がすべてを混乱におとしいれるだろう、
蛭も狼も私のメッセージに耳を傾けないだろう、
火星(マールス)が雄羊座に入り、
土星と合体し、また土星が月と合体するときに。
そのとき、汝の最大の不幸が到来して、
太陽がほめたたえられるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』136頁)
47 Le grand d'Hongrie, ira dans la nacelle,
Le nouueau né fera guerre nouuelle
A son voisin qu'il tiendra assiegé,
Et le noireau auec son altesse,
Ne souffrira, que par trop on le presse,
Durant trois ans ses gens tiendra rangé.
ハンガリーの大王、彼は帆船の中に立ち入る
新しい後継者は新たな戦争を起こす
彼は包囲攻撃を続ける隣人に反抗する
そして腹黒い人は高位の女性とともに
彼に多くの圧力が加わるのを許さない
三年間、彼は人々を隊列させておく
(M.Asakura訳)
48 Du vieux Charron on verra le Phoenix,
Estre premier & dernier des fils,
Reluyre en France, & d'vn chascun aymable,
Regner long temps auec tous les honneurs
Qu'auront iamais eu ses precesseurs
Dont il rendra sa gloire memorable.
古いシャロンのなかから、人々はフェニックスを見るだろう
それは彼の息子たちの最初のものであり最後のものである
フランスは再び輝き、愛すべきそれぞれの者のなかから
すべての名誉とともに長い間支配する
彼は彼に先立つ者のなかにはけっして現われない
その輝きは記憶されるべきものとなる
(五島勉訳『ノストラダムスの大予言・地獄編』230頁)
49 Venus & Sol, Iupiter & Mercure
Augmenteront le genre de nature
Grande alliance en France se fera,
Et du Midy la sangsuë de mesme,
Le feu esteint par ce remede extreme,
En terre ferme Oliuer plantera.
金星と太陽・ジュピテルとメルキュール
自然の分野が増大する
フランスにおける巨大な同盟
同じころ南方は血まみれに
その火は究極の救いで消され
閉じられた地にオリーブが植えられる
(五島勉訳『ノストラダムスの大予言・中東編』162頁)
50 Vn peut deuant ou apres l'Angleterre
Par mort de loup, mise aussi bas que terre,
Verra le feu resister contre l'eau,
Le r'alumant auecques telles force
Du sang humain, dessus l'humaine escorce
Faite de pain, bondance de cousteau.
少し前と後で、イギリスは
狼の死によって大地に打ち倒され、
火が水に抵抗するのを見るだろう。
戦争がすさまじい勢いで再燃するので、
人間の血が大地に流され、
パンがなくなり、短剣があふれるだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』142-3頁)
51 La Ville qu'auoit en ses ans
Combatu l'iniure du temps,
Qui de son vainqueur tient la vie,
Celuy qui premier l'a surprist,
Que peu apre François reprist
Par combats encor affoiblie.
その数年で町は
時の破壊行為に対して戦っていた
それは征服者から生命を守るもの
最初にそれに驚いた者は
フランスが再度奪われた後直ちに
再び戦闘によって弱まる
(M.Asakura訳)
52 La grand Cité qui n'a pain à demy,
Encor vn coup la sainct Barthelemy,
Engrauera au profond de son ame,
Nismes, Rochelle, Geneue & Montpellier,
Castres, Lyon, Mars entrant au Belier,
S'entrebattront le tout pour vne Dame.
パンがろくにない偉大なる都市が
もう一つの鐘の音を待たずに、サン=バルテルミーを
魂の奥底に刻むだろう。
ニーム、ラ・ロシェル、ジューネーヴ、モンペリエ、
カストル、リヨンは、戦争が鐘の音で始まるや、
一人の貴婦人が原因でこぞって戦い合うだろう。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』62頁)
53 Plusieurs mourront auant que Phoenix meure,
Iusques six cens septante est sa demeure,
Passé quinze ans, vingt & vn trente neuf.
Le premier est subiet à maladie,
Et le second au fer, danger de vie,
Au feu à l'eau, est subiect à trente-neuf.
フェニックスの死ぬ前に多くのものが死に
六百と七十まで、その生活は続く
一五年が過ぎ、二一、三九
第一のものは病に悩まされ
第二のものは鉄に悩まされ、命を脅かされ
三九年のものは火と水に屈する
(北周一郎+ダリオ・オルシーニ訳『ノストラダムス新世紀予言』76-79頁)
54 Six cens & quinze, vingt, grand Dame mourra,
Et peu apres vn fort long temps plouura,
Plusieurs pays, Flandres & l'Angleterre,
Seront par feu & par fer affligez,
De leurs voisins longuement assiegez,
Contraints seront de leurs faire la guerre.
六百と十五、二十、偉大な婦人が死去する
その後程なくして非常に長い間雨が降るだろう
幾つかの地方とフランドルとイギリス
彼らは火と剣で苦しむ
彼らの隣人に長く攻囲されて
彼らはやむなく彼に対して戦争を仕掛けるだろう
(M.Asakura訳)
55 Vn peu deuant ou apres tres grand' Dame,
Son ame au Ciel, & son corps soubs la lame,
De plusieurs gens regrettée sera,
Tous ses parens seront en grand' tristesse,
Pleurs & souspirs d'vne Dame en ieunesse,
Et à deux grands, le dueil delaissera.
その前後まもなく、たいそう偉大な貴婦人
彼女の魂は天国へ召され、その肉体は刃の下に
彼女は多くの人々に惜しまれるだろう
親類はすべて大きな悲しみに暮れて
彼女の若き頃に、一人の貴婦人の涙とため息
そして二人の大王によって哀悼が捨て去られる
(M.Asakura訳)
56 Tost l'Elephant de toutes parts verra
Quand pouruoyeur au Griffon se ioindra,
Sa ruine proche, & Mars qui tousiours gronde:
Fera grands faits aupres de terre saincte,
Grands estendars sur la terre & sur l'onde,
Si la nef a esté de deux freres enceinte.
いち早く象の山はいたるところを見るだろう、
御用商人が鷲頭の獅子(グリフォン)と結びつくときに。
その滅亡は近く、そして、唸り続けるマールスは、
聖地の附近に大事件を引き起こすだろう。
陸にも海にも大いなる軍旗、
舟に二人の兄弟が宿されるとき。
(高田勇訳『新釈ノストラダムス』278頁)
57 Peu apres l'aliance faicte,
Auant solemniser la feste,
L'Empereur le tout troublera,
Et la nouuelle mariée,
Au franc pays par sort liée,
Dans peu de temps apres mourra.
同盟が結ばれた後すぐに
祝宴が催される前に
皇帝はあらゆることに悩まされる
そして新しい花嫁は
偶然にもフランスに向かうことになり
その後すぐに彼女は命を落とすだろう
(M.Asakura訳)
58 Sangsuë en peu de temps mourra,
Sa mort bon signe nous donra,
Pour l'accroissement de la France,
Alliance se trouueront,
Deux grands Royaumes se ioindront,
François aura sur eux puissance.
程なくして蛭は死ぬだろう、
その死は我々に良い兆しをもたす
フランスの拡張に向けて
彼らはお互い同盟で結ばれているのに気づく
二つの偉大な王国は一緒に統合する
フランスは彼らを越えた権力を掌握する
(M.Asakura訳)

このページの最終更新日は 2005/06/26 です。

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