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   ノストラダムスの文献書誌(国内文献)
 
 国内で出版されたノストラダムスに関する書籍を初版出版年の順に掲載しています。中にはノストラダムスに僅かしか言及がないものもありますし、国内の文献を全て網羅したものではないことをお断りしておきます。リストに挙げたものは筆者の手元にあり内容を確認したものに限ります。その他の関連書については山本弘氏がまとめた『トンデモ ノストラダムス本の世界』『トンデモ大予言の後始末』の巻末に載っている参考資料を参照してください。ブームになる以前はノストラダムスを主題にした本が見られませんが、ここに挙げた文献データは貴重と思います。その中で渡辺一夫著『ルネサンスの人々』は日本で最初にノストラダムスを紹介した文献と位置づけられますが、現在においても価値のあるすぐれた評論といえます。このリストを見ると、危機的な社会情勢と結びついてノストラダムスのブームが起きた年には、多くの関連書が出版されているのがわかります。

 第一次ブームはもう30年ほど前になりますが五島勉著『ノストラダムスの大予言』に起因するもので、1999年人類滅亡という大胆な断定と当時のオイルショック、公害問題等が重なり社会的な不安をもたらしました。これに反論した高木彬光著『ノストラダムス大予言の秘密』が出版されたこともあり、1973年以後はノストラダムスを主題にしたものはヘンリー・C・ロバーツの邦訳書のみで関連書も乏しくブームも収まっています。しかしながら、当時の小中学生に対しては未来への漠然とした不安といったトラウマを植えつけたようです。

 第二次ブームは1980年代に入ってからですが、これも1979年の五島勉著『ノストラダムスの大予言U』から始まったと位置づけられます。とりわけ1982年惑星直列や1986年ハレー彗星、1999年のグランドクロスなど、直接ノストラダムスの予言と関係のない天文ショーが終末アイテムとして参照され、以後のサブカルチャー系の予言解釈の雛形が出来上がりました。これに続き日本でも自称研究家が出現しノストラダムスの解釈本を数多く輩出しました。この時期、本国フランスでもノストラダムスブームが起こり、海外文献の翻訳書も競って出版されました。

 第三次ブームは1990年代に入ってすぐの湾岸戦争とリンクして多くの解説書がほぼ同時に出版されたのが特徴です。本屋の一角にノストラダムスコーナーまで作られたのですから尋常ではありませんでした。1年ほどの間に約30冊もの関連書が出ていたのですからそれまでで一番のブームであったといえます。ノストラダムスを主題とした関連書では、当時の湾岸戦争を占った多くの予言解釈が行われました。その後ソビエト連邦の崩壊により、それ以前に描かれていた米ソの第三次世界大戦といったシナリオの軌道修正が求められました。また1999年人類滅亡といった過激な主張は、後10年を切ったこともありだんだんとトーンダウンしていったのも特徴でしょう。

 第四次ブームは問題の年の前年である1998年から1999年7月に位置づけられます。この時期の出版点数を見てみますと年末年始からの追い込みで関連書は30冊を軽く超えました。最後のブームにあやかろうと海外の良質な研究書も翻訳されました。これまではノストラダムスをオカルトとして扱った本が大半でしたが竹下節子著『ノストラダムスの生涯』を皮切りに、岩波書店より本格的な学術的研究書『ノストラダムス 予言集』が遅ればせながら日の目を見たこともあり、等身大のノストラダムスが論じられる土壌が整ったといえます。1999年7月にはテレビ、新聞、雑誌等にノストラダムスが数多く登場したのが特筆されます。

 第四次ブーム以降はいわゆる予言解釈本が鳴りを潜め、世紀末の終末騒ぎにおける文脈としてノストラダムス現象を扱う学術的な本が出ています。ところが2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロをきっかけとして、インターネットで偽の予言が出回るなど鳴りを潜めていた従来のサブカルチャー系解釈が復活したかのようです。被害を受けたアメリカでは、未来に対する不安がノストラダムス解説書へと走らせています。日本でも未だにノストラダムスを現代に投影したがる過去の研究家がブームに乗じて解釈本を書いています。それでも今後は、ノストラダムスの真実の姿に迫ろうとする動きが勝ると思われます。

 従来この文献書誌は一つのページに公表していましたが文献数が400件を超えたのと、新たに「ホームページビルダー10」のデータベース機能を利用して文献分類を整理したので100件ずつ分けてアップすることにしました。文献分類については著者の独断と偏見でつけたものでちょっと違うんじゃないのと思われるものがあればメールまたは掲示板で連絡いただければ修正します。この分類については『トンデモ大予言の後始末』を参照しましたが、一部にノストラダムスに言及がある関連本については、予言或いは疑似科学のオカルト的に扱ったものを「関(連書)予(言)」、一般書或いは西洋思想の文脈に位置づけられるものは「関(連書一)般」と敢えて分けてみました。また事典の類に項目として扱われているものは別に分類項目を設けました。




このページの最終更新日は 2006/06/24 です。

 

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