朱色の私  99’10.23〜24(すさみ)

 

 9月に南部を予定していたが、残念ながら台風で流れてしまったため、今年は10月もまだ心は海にあったのでした。前回8月に南部に行ったときは、ひどい船酔いの為に思い残すところが沢山あったから、今回でそれを取り戻したかったのでした。

 23(土)も24(日)も秋晴れのとてもいいお天気でした。空と海が同じくらい青いのです。とても絶え間なく静かな波音が心地良いのです。前回は酔い止めの薬を病院で処方してもらったけど、今回は薬局で一番よく効きそうなのを買いました。その薬がよく効いたのかもともと体調が良かったのか、今回私はほとんど船酔いをしませんでした。ゲロダイバーの汚名返上と言いたいところですが、前回があまりにもひどかったから今回調子良かったからと言って返上させてくれないかも。兎に角、前回を知っているインストラクターさんは、私がお昼のお弁当をパクパク食べているのを見て驚いたのでした。

 でも、カレンダーは10月下旬。お天気が良くて波がなくても海の中は真夏ではないと知っている私は、今回ドライスーツに初挑戦したのでした。すさみに行く前にテキストを読んで宿題をして講習を受けて、ドライスーツの難しさを教えてもらいました。なかなか沈みにくくて、水没の可能性もあること、ドライスーツを着て海中で中世浮力が取りにくいこと。もちろん、それを防ぐにはどうしたら良いかということも教えてもらったのでした。

 そして、第1回目。インストラクターさんにドライスーツの着方を教えてもらいながら、首を通すところや後ろのファスナーを閉めてもらって初めて着たのでした。そして、海では教えてもらったとおり、沈みたくても沈みません。バックロールエントリーでザブーンっと飛び込んですぐに、身体が全く思うように動かなくて気持ち悪くてバタバタと暴れてまるで溺れている気分でした。それをインストラクターさんが溺れている人の足を引っ張る霊じゃないけど、浮いている私の足を下に引っ張ってもらって、アンカーロープをどうにか握ることのできた私は、少しずつ海底に沈むことが出来ました。身体が痛くなるとドライスーツに空気を送って痛みをやわらげます。ドライスーツはウエットスーツよりも沈みにくいということで、ウエイトをいつもの倍の6s装着していたのですが、どうも私には重くてとても動き辛くフィンキックを身体を水平にしてする事が出来ませんでした。

 2回目、海に飛び込んだとたん、私は方向音痴になっていました。あれあれどっちにロープがあるのか分からなくなりました。またまたインストラクターさんに足を沈めてもらって潜行することができました。今度はウェイトを2s減らして4sにしましたが、残圧が100を切る位までは身体が重い感じがして、やっぱり動きづらかったのです。でも、海の中はとてもきれいで小さな美しい色の魚を沢山見ることが出来ました。

 2本潜った後はのんびりと温泉に入って疲れをとって、夕飯もしっかりと食べて、お布団に入るとスヤスヤと眠ったのでした。

 翌日の1本目。ドライスーツ3本目で初めて自分一人で潜行することができました。もちろん、「足を下に沈めて」とボートからインストラクターさんのアドバイスあってのことです。でも、一人でドライスーツを着ること(ファスナーを除く)ができて、一人で潜行、浮上できて嬉しかったのでした。ウェイトも3sにしました。でも、背中のタンクの空気が無くなるのは一番早いから、ボートに上がるのも一番早いのです。前日の2本は他の人の空気をもらい繋いで上がったのでした。

 そして、最後は海中ポストです。でも、その前に私はツアーのみんなとは別行動で水面スキルをしなければなりませんでした。水面でウエイトベルトやBCDを一旦外して再度装着するというものです。それはオープンウォーターを修得した時にやったことだけど、ドライスーツを着てそれをするのです。オープンウォーターはもう2年も前だし、できたらやりたくないと思っていたのだけど、インストラクターさんにアドバイスしてもらいながら、どうにかこうにかクリア。

 ビーチからタンクを背負って水面移動してポイントで水面スキルを終えた後は、みんなのいる海中ポストへ潜っていきました。その周辺は砂地でそれでなくても中世浮力の下手な私はどんどん砂を掻き立てているようで透明度が悪くなるのでした。海の中のポストに葉書を投函したり、記念撮影をしてもらったりした後は、海の中で「扇」や「ピラミッド」などの器械体操もどきをみんなでやったということなんだけど、私は正直なところ、じっとしているだけで精一杯なのでした。今回は深度が浅かったこともあり、時間があっと言う間に短く感じられました。最後、みんなは水中移動しているのに、浅くなってくると、私は自然と浮上してしまって水面移動になってしまいました。もう一度潜ろうかとも思ったのだけど、どう頑張っても無理に感じられたし、岸に近くなっていることが分かっていたのでそのまま水面移動で岸にたどり着きました。

 ダイビングの後はのんびりと温泉というのはおきまりコースなのです。23日も24日も海に沈む夕陽がとてもきれいでした。目に見えるもの全てが朱色という世界に自分自身が溶け込んでいるようでした。