LA VITA E BELLA ライフ・イズ・ビューティフル

  1998年度イタリア作品 98’カンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞、その他多数の賞を受賞しています。

 

ロベルト・べニーニ (監督・脚本・主演グイド役)

ニコレッタ・ブラスキ(グイドの妻ドーラ)

ジョルジオ・カンタリーニ(グイドとドーラの息子ジョルジュ)

 

あらすじ 

 ユダヤ系イタリア人、グイドは本屋さんを開こうと役所に行くと役人に相手にしてもらえず、叔父さんのホテルで給仕の仕事に就く。ある日お金持ちのお嬢様のドーラと知り合うが、ドーラには婚約者がいた。その婚約者とは、以前に本屋を開く許可をもらおうとした時にグイドを軽くあしらったファシストの役人だった。そして、婚約パーティがグイドの働くホテルで開かれる。盛大にパーティが開かれている中、グイドは堂々と白馬に乗って現れ、ドーラを奪い去る。それから数年後、グイドとドーラには男の子が生まれ、幸せに暮らす。二人の息子ジョルジュの5歳の誕生日、グイドと息子、彼の叔父さんはナチスに捕らわれホロコースト行きの列車に乗せられる。それに気付いたドーラはユダヤ人ではないのにも関わらず、夫と息子の後を追いドイツ軍に頼み、列車に乗る。不安がる幼い息子ジョルジュを守るために、グイドは収容所生活は楽しいゲームだと嘘をつく。「おやつを欲しがらない、ママに会いたがらない、泣かない」これが守れたら最後に本物の戦車に乗って家に帰る事が出来ると信じ込ませる。収容所では、年老いた叔父さんはすぐにガス室へ連れて行かれ、シャワー嫌いのジョルジュは運良くガス室を逃れたが、子供達もガス室に連れて行かれた。グイドはジョルジュの前ではいつも陽気に振る舞い、命がけで最後の最後まで、息子と妻を守ろうとする。戦争が終わり、ゲームは終わった。連合軍の戦車が収容所にやってきた。グイドがナチスに射殺された事を知らないジョルジュは、隠れていた鉄箱から出た。そして、ゲームに勝ったと思い、大喜びで戦車に乗せてもう。収容所を生きて出ることが出来たドーラと抱き合って大喜びする。

 

   感想

 パンパンパン。グイドは、生きる道を求めて妻のドーラを探し出し、息子のジョルジュと家族3人で収容所を逃げようとしているところをナチス兵に見つかってしまい、連行されていく。息子のジョルジュが隠れている鉄箱の前では、ジョルジュに連行されていることを悟られないように、銃を背中に突きつけられながらも、おどけて道化のように歩いて見せ、壁の陰に二人が消えたと思ったら、暗闇に3発の銃声が鳴り響く。えっ、まさか、そんなはずがない、グイドが死ぬはずがない。そう思うと信じられなかった。壁の陰からナチス兵が出てきたときも、本当はグイドが変装しているのではないかと思った。

 明るくて陽気=ラテン系=イタリア人。というのは、決まり切ったような法則だけれど、明るく陽気に生きるということは、とても勇気のいる事だと知った。どんな時にでも、いつもいつも明るく笑うことは、もの凄く強い愛を感じる。息子ジョルジュ、妻ドーラへの揺るぎのない愛、強く確信できるもの。それは人に安らぎを与えるし、強くしてくれる、そして、最後の最後までも人を愛することをやめない、諦めない、勇気を持って立ち向かう人生は美しい。私は、どんな人の人生も美しいと思う。汚い人生なんてないと思う。死はいつだって背中合わせで、人生の最後は予期せぬ時にやってくるのだろうけど、殺人者が砂時計と銃を手にやってきたとしても、愛に生き抜こうとする勇気に感動した。もっともっと、人を愛したいと思った。