馨さま 

拝啓 そろそろ花粉症の季節のようです。今年は去年の夏の猛暑が影響していつもの年よりも飛び散る花粉の量

が多いとか、馨さんは大丈夫?

 2月と言えば、もうすぐ、チョコレートの季節です。去年もその前も私が馨さんにあげるチョコレートは季節外れで

したが、今年はもうそんなことは止めようと思って、今日阪神デパートでモロゾフのチョコレートを宅急便で送るよう

にしてきました。新聞の投稿欄には、先日の阪神大震災のことを考えてバレンタインのチョコレートは自粛するべき

なんていうのもありましたが、去年までのゴディバのチョコレートを止めて阪神デパートでモロゾフのチョコレートを

買ったことにはそれなりの私流の拘りがあります。ほんの些細なことだけど震災にあった神戸のお菓子屋さんのチ

ョコレートを買って、それで少しでも神戸の復興に役立てばと思ったからです。大きな天災の後には直ぐに自粛、自

粛と言うけれど、その自粛が地元の経済の復興を妨げることもあります。数年前の雲仙普賢岳の噴火の時も観光

自粛のために被害の少なかった温泉街が閑古鳥が鳴いていたと聞きますし、今回淡路島でもこれからの季節が

観光シーズン本番になるというのにホテルや旅館のキャンセルが相次いでいるそうです。と、いうことで、きっと今

日デパートで宅急便で送ったので私のチョコレートが、今年は馨さんの手元に届く数多いチョコレートの中で一番乗

りになるでしょう。だから、一番に口に入れてね。

 バイトの件。やはり、私のバイトの希望時間とお店の要望が合わなかったのでしょう。今日求人誌も買って角から

角まで読み尽くしましたが、週2日か日曜祝日の夕方だけなんていう私にとって都合のいいバイトはなかなかありま

せん。それでせめて少しでも小銭が稼げればと不純な動機で詩とメルヘンの投稿誌を買いました。よくある小さな

活字がずらずと堅苦しく並んでいるような小冊子ではなく、A4サイズのカラーのイラスト入りの雑誌です。詩やメル

ヘンは掲載されれば8千円から1万円が貰えます。その他に投稿の広告で、原稿用紙14枚の童話で賞金100万

円なんていうのもありました。この100万円に目が眩んでこのごろふと気が付けば童話のストーリーばかりが頭の

中を駆け回って消えて又湧いてきてと、私の持っている想像力を四輪駆動させています。今考えているのは、自転

車に乗る猫のお話、泣き虫の男の子が松毬の妖精から魔法の手袋を貰うというお話、空を飛んだイルカのお話、

考え続けると朝になってしまいそうです。夢と冒険に溢れていて葉祥明さん(空気の美味しそうな青い空や広い野

原のイラストで有名)にイラストを描いて貰えそうな童話にしたいと夢見ています。100万円という賞金も魅力的で

すが、この童話の5人の選考員に私の憧れの落合恵子さんの名がありました。落合さんは私が最も尊敬する女流

作家です。落合さんは、まさに才色兼備で小説の他に童話作家でもあり、クレヨンハウスという童話や絵本だけの

本屋さんも経営されています。ガンバらなくっちゃ。こうして好きなパソコンを叩きながらバイトができると一番良い

のだけど。

 取りあえず、Happy Valentine.

                                   敬具

                                2.11