「行人」を読んで思いつくがままに

 明治の頃もその前も、いつの世も男と女の事はふわふわしてつかみ所のないものなのだろうか。男は女のことを得体の知れないものだと思っているらしい。私は男ではないから、今の男達が女の事をどう思っているのかわからないが、もしかすると私の周りの男達は私の事をも得体の知れない、何を考えているか分からないものだと思っているのかもしれない。

 神式でもキリスト教式でも、結婚式の時に新郎新婦は、神の前で永遠の愛を誓いあうのだが、永遠の愛はあるのだろうか。ないのだろうか。この日本では、法律上では一夫一妻であるが、家制度や男尊女卑によって、ついこの前までお妾さんが公的に認められている時代だった。つまり、不倫は今も昔もあった。また、避妊の進んでいない昔であれば、婚外子はともすれば昔の方が多かったかも知れない。

 男と女の間のことは、足し算や引き算のように簡単ではない。損得勘定だけでは、結婚の継続はできない。私は今はまだ独身である。いつか、結婚する日がくるのかもしれない

し、来ないのかも知れない。ライフプランを考えると、結婚して子供を作ることにもう少し焦った方がいいのかもしれない。結婚は深く考えたらできないと言うが、私は深く考えなければ結婚はできない。

 Keine Bruecke fuhrt von Mensch zu Mensch.(人から人へ掛け渡す橋はない)

 Einsamkeit, du meine Heimat Einsamkeit!(孤独なるものよ、汝はわが住居なり)

「結婚は孤独だ」と言ったのは、ハイネだったか。

それでも、私は愛する人の笑顔を見て嬉しいと思いながら、人生を共に過ごしたいと思う。

98'7.