「友情の翼」(THE BRYLCREEM BOYS)

監督  テレンス・ライアン

1996年/イギリス映画/1時間47分

出演  ガブリエル・バーン/ビル・キャンベル/アンガス・マクファーデン/ジーン・バトラー

 

 

【あらすじ】

1941年9月第二次大戦下のヨーロッパの上空でドイツ軍と連合軍の戦闘機が撃ち合いとなり、墜ちたところは中立国アイルランドだった。ここで捕虜となった兵士たちは、敵味方の関係なく、陸・海・空軍に関係なく同じ収容所に収容されていた。そこは、外出許可証を発行してもらうと町に出て、競馬をしたり酒場に行くこともできた。そこで主人公の連合軍のカナダ人空軍兵士は自分たちを撃墜したドイツ軍空軍兵士と知り合う。最初は憎しみを抱き、恋のライバルともなるが次第に不思議な感情を抱くようになる。敵味方を越えた奇跡の友情の物語。

 

【感想】

つい昨日、自分の飛行機を撃墜し戦友を撃ち殺したドイツ軍兵士と鉄線をはさんで同じ収容所に入れられてしまう。そのドイツ軍兵士と固い友情を誓う。ドイツ軍といえば、ナチス、ヒトラー、ユダヤ人虐殺と極悪非道な暗いイメージがあるが、真の友人となったドイツ人は、実に紳士的で正義感が強く、イイ奴だということがすぐにわかった。

この友情はアイルランドの収容所だったからこそ、成り立ったものだった。第一次大戦直後、強国のイギリスから独立を果たしたばかりのアイルランドは第二次大戦では中立を守るためにアイルランドの領空、領海に入り込んでくる兵士を敵味方関係なく同じ収容所に捕虜として収容した。これはものすごいことだと思う。アイルランドに乾杯!とウイスキーをゴクリっと飲みたい気分だ。

アイルランドと日本は同じ小国であるには変わりないが、情けないぐらいに全く違う。伝統を重んじ誇り高きアイルランド人。もし、アジアで戦争が起きたとして、日本は中立の立場を取ることはできないだろう。長い物には巻かれろ式になるに違いない。

1年暗い前にもアイルランドを舞台にした映画を観たが、その時にもその自然の美しさに魅了された。ますますアイルランドのファンになった。いつかアイルランドを旅してみたい。