「ボンベイ」

  <インド独立50周年記念映画>

1995年製作 2時間21分

脚本 監督 : マニラトナム

音楽 : A・R・ラフマーン

主演 : マニーシャー・ココイラ/アラヴィンドスワーミ

 

【あらすじ】

イスラム教徒の少女とヒンズー教徒の青年が恋に落ちる。当然のごとく、互いの両親は大反対し、青年は親子の縁を切られてしまう。少女は密かに夜汽車に乗って青年のいるボンベイに旅立ち、その日に二人は入籍する。双子の男の子が生まれ、幸せな日々が続くが、1992年アヨディア事件(ヒンズー教徒がモスクを破壊した)がおこり、イスラム教徒とヒンズー教徒の宗教暴動がボンベイを舞台に激化していく。

 

【感想】

インド映画を初めて観た。こんなにもワクワクドキドキし、その自然の緑やサリーの色彩の美しさに魅了されるとは思っていなかった。インドの雨は美しいのだ。そして、その美しい雨が、キラキラと緑を輝かせてくれる。その自然の美しい中に青、白、赤、黄色など色鮮やかなサリーがよく映える。その美しさがいっそう熱い感動を導いてくれる。ひさびさの名作に出会った。ヒロインのマニーシャー・ココイラはこの映画で一躍トップ女優の座を獲得したというだけあって、吸い込まれそうなぐらいに大きな瞳とまっすぐな眉、美しい黒髪等、東洋的な神秘的な美女だし、双子の男の子の笑顔もとても愛くるしい。インドの「ふたりっこ」という感じだ。

 

【心に残った台詞】

双子の男の子の一人カマルを助けたヒジュラの台詞

イスラム教とヒンズー教がどう違うのかと聞かれて

「神様にたどり着く道が違うのね。」

 

暴徒を前にセシールの言葉

「隣人を殺せと教典に書いてあったのか!」

インドは武器を持たずに独立した素晴らしい国。宗教の坩堝であるとともに、宗教の自由な国だと思う。私はカトリック信者であるが、プロテスタントの人、未信者の人とも親しい。仏教、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教等カルト教以外の宗教は共存できると思う。まだ信仰を持っていない人とも共存できると思う。中東和平も現実のものとなって欲しい。