9月13日

いよいよ潜ります。朝食を食べた後、水着を着てその上からTシャツと半ズボンをはきました。そして、ピンク色のワゴン車「Joy Joy」号で港まで送ってもらって、ボートに乗り込みました。港を出てしばらくすると、器材のセッティングをして、Tシャツを脱いで水着になり、ウエットスーツを腰まで着ます。そして、潜るポイントに着くと、ガイドさんが、そのポイントの説明をしてくれます。

私は1年ぶりのボートダイブでしたから、少し緊張気味でした。セッティグも一番遅くなってしまいました。でも、潜ってしまえばなんとかなるものだろうと思って、カメラを持って、ザブーンっと、バックロールエントリーで海に入りました。そして、アンカーロープを持って、ゆっくりと水底に向かいます。イソギンチャクに珊瑚礁、色彩豊かな魚たちを追いかけてシャッターを押しました。後で、とてもいい教訓になったのですが、魚を後ろから追いかけてシャッターを押しているので、その撮れた写真は魚の後ろ姿や白くなった珊瑚が大半でした。中性浮力を取りながら、動く魚の写真を撮ること、またツアーのみんなからはぐれないようについていくこと、1年ぶりのダイビングでは難しい。ついていくことだけで精一杯になってしまうと、魚や海の生物を見逃してしまいます。

午前中1本潜った後、ボートで無人島に到着。みんなで協力しながら、ボートからお弁当やお茶の入った水筒等の荷物をおろしました。お昼までには少し早いので、パラソルの下のビニールシートにどっしりと腰をおろして、お茶を飲んだり、横になったり、みんなそれぞれにしばらく休憩。そのビニールシートの周辺には小さな先客がたくさんいました。 貝を背負ったヤドカリ達があちらこちらにいました。私の小指ぐらいのから男の人の親指ぐらいのまでいて、みんな忙しそうに動き回っていました。

お弁当を食べた後、私のカメラにはまだ1本目のフィルムが10枚近く残っていたので、早速、フィンとマスクとシュノーケルを持って、その綺麗な海に入りました。とは言っても、私は泳ぎは得意な方ではないので、あまり遠くまで行けません。浜からあまり遠くなく、魚のいそうな岩の近くに行きました。

その前に、私にはどうしてもやらなければならないことがありました。やりたいけど、人前ではできないこと。無人島ですから、当然トイレという個室はありません。今まで和歌山の串本でしか潜ったことがなく、その串本にはダイビングパークといって、海のすぐ前にログハウスや食堂やシャワールームやロッカールーム、もちろんトイレがありました。だから、海の中でのおしっこは子供の頃の海水浴以来ずっとご無沙汰でした。だから、人にばれないようにと人目を気にしながらしようとするのですが、どうも慣れない海水の中のトイレはどうも緊張するのか、なかなかその気になれなくて困りました。

この日は午前中1本、午後1本、ナイトを1本の計3本潜りました。ナイトは最初予定していなかったので、ライトも荷物の中に入れていませんでした。でも、ツアーのみんなからもボートの上から見る星空はとてもきれいで感動するからと勧められて、ライトを「JoyJoy」で安価でレンタルしてもらって潜ることにしました。日が暮れてから、ウエットスーツを着てボートに乗って、すぐに器材のセッティグをして港から10分ぐらいのポイントにバックロールエントリーで入りました。ナイトといえば、夜光虫です。真っ暗な海の中でたくさんのオレンジ色の光を放っていました。ライトを動かすとそのオレンジ色も動きます。ガイドさんの案内で大きな根の周りをゆっくりと回りました。ここで初めて海蛇を見ました。岩の穴の中からニョロニョロと顔を出してきて、ふいにこっちに向かってきました。驚いて「きゃっ」と声をあげたけど、どうしたらいいのかわからずにいたら、スルスルーと私たちの体を通り抜けて逃げていきました。