■ 出品 NO.06 宝石箱
山梨県デザインセンター

  14年くらい前に県デザインセンターの依頼で試作製作したものです。デザインは当センターです。 指輪からネックレス、イヤリング、ブレスレットまで一揃い飾り収納します。
 最初、3Dのコンピューター画像を見せていただいたとき、・・・このとき私はパソコンのパの字も自分の生活環境にはなく3D画像を目の当たりにするのも初めてだったのですが・・・、その感動的な立体画像を見てるうちにすでに完成した気になってこの仕事を簡単に引き受けてしまいましたが、後でほんとに四苦八苦した思い出の仕事です。 また、他デザイナーの作品を試作するというのは今でも結構好きなのですが、最初にその面白さに気づかされた仕事でした。

 普通は、箱物の場合、まず本体である箱を作ってからそれに合わせて、扉や引き出しを作るのが順序なんですが、この宝石箱の場合は全く逆で、扉の合わせのギザギザ部分から先に作って、本体は最後です。ギザギザ部分は小さな木部材を組んで作るわけですが、一つ一つ鉋をかけたり研いだりすることででる微妙な誤差の集合が、結果的に大きな誤差となり、なかなか思い通りの寸法になってくれないためです。本体の箱も含めて何回かやり直した記憶があります。
 また、構造を考えるとき随分と頭を抱えたことですが、ガラスも通常とは違う方法で嵌め込むようになっています。側面にあるギザギザ小窓も含めて、ガラスの交換は可能です。
 その他、ガラスのギザギザカットは、通常のガラスカットでは割れてしまうため、宝石研磨の業者にお願いしました。

 さて、これが今どこにあるのかはわかりませんが、多分再会すると涙を流してしまうと思います。 会いたいものです・・・
「宝石箱」
デザイン  山梨県デザインセンター
サイズ 
W250x H400x D1500
材 料 
ナラ
塗 装 アクリル塗装(外注)