[ オーダー家具について #1]


 さて、家具をオーダーする時ってどんな場合かな?…と自分も生活者の一人として考えてみました。気まぐれ、とか、お金が有り余ってるからというのはかつての狂ったバブル時じゃあるまいしまず有り得ない。そうすると、どうしてもオーダーしなけりゃいけない理由があるんだということになるわけですが、思い付くところをピックアップしてみました。
 1. 自分のイメージ通りの住空間を作りたい。
 2. 自分流のセンスでまとめたい。(1と同じ?)
 2. 無駄のない収納スペースが欲しい。
 3. 自分にあった機能性、利便性が欲しい。
 4. 趣味の置き場がほしい。
 5. 既製品では間に合わない。
 その他、人それぞれで理由はいっぱいあるでしょうし、ひとつだけでなくて複数の理由が重なる場合も多いと思います。でも、単に贅沢がしたいからとかいうような理由だけは、まずないような気がします。

 というわけで、その辺のところをふまえながら、今度は自分がつくる側に戻った時、お客さまが要求しているものが何か、と同時に、何故か、も考えるようにしていますが、少なくともオーダー家具に限っては、もの作りの理由がオーダーする側にあり、作り手にはないわけですから、作り手だけのイメージということは有り得ない。それで、お客さまには少しでも多くの情報を提供していただくよう接しています。要するにオーダー家具というのは、使う人と作る者が一体になって作り上げる家具ということがいえると思います。

 みずき工房の日々の仕事の7割方は、オーダー家具のデザインと制作ですが、それらの中から当EXHIBITION で3回に分けて紹介させていただきたいと思います。今後オーダー家具を検討されている方の何かのお役に立てばと思います。

 第一話 身近なオーダー家具
 第二話 大きなオーダー家具
 第三話 その他のオーダー家具

 
 今回、「第一話 身近なオーダー家具」で紹介させていただいたのは、オーダー家具といっても日々の生活の中にすぐに溶け込んでいくような家具ばかりです。確かに個別製作されるため、量産の既製品よりははるかに高価になりますが、オーダー家具というものが決して特別なものではなく、日々の暮らしのなかにあってこそ価値ある家具になるということを感じていただければうれしいです。

 オーダー家具の一品一品には、かならずその家具がオーダーされるに至るまでのお話があります。私たち作る側は作りながらそれを感じていますが、さて、次にどんなお話に巡り会えるか・・・



みずき工房/西 文和