EXHIBITION ON THE WEB #09 端材捨材のこころ
  ■ 出品 No.03 「 スツールマキ 」

 私は家具作りの仕事をしていく中で、多くの材料を使っているわけですが、同時にその材料からたくさんの端材を出しています。だけど、それらのほとんどは中途半端なサイズで単独では使い物にならず日々たまっていくばかりです。いつか使おうと思いながらもなかなかチャンスが巡ってこなくて、結局冬のストーブの燃料になるのがほとんどです。
 一枚の板の何分の一かはオガ屑になり、さらに、残りの何分の一かは使い道のない捨て材として処分されていく。私はいったい、一個の家具を作るためにどれだけ多くの材料を屑としてむだに捨てているんだろう? そんなことをホントに真剣に考えたことがありました。その時にこの端材をまともな家具の材料として見直すところから始め、端材としての長所も活かしたデザインを模索したのがこのスツールです。
 
 樹種の色の違いを楽しむ。長さ、幅、厚みの不揃いを味とする。そんな家具になればと思って形にしました。構造的には、もちろん、無理が出ないよう十分手を尽くしています。タイトルは、薪のように束ねる、からつけました。

 写真のスツールで、約7,8種類の樹種が混じっています。そのサイズや色や種種はその時にある端材次第です。とくにこれを作るためにわざわざ端材を作ることはしていません。




サイズ/W600×D400×H400