EXHIBITION ON THE WEB #09 端材捨材のこころ
  ■ 出品 No.01 「 木鳥 」

森は木鳥でいっぱいだ
木々の枝という枝 森は木鳥でいっぱいだ

ナンパ?
なんとせわしないこと
絶え間ない彼らの動きは 
森の小風となって葉々を揺らせ
木洩れ陽を踊らせる
そしてなんと騒々しいこと
うるさいまでの彼らのさえずりは
森の静寂となって
私たちに安らぎを与えてくれる
だけど
四駆で駆ける者には その声すら聞こえず
ゴミを捨て置くものには その姿すら感じない
木鳥は木の精 
木鳥は森の使い
きどり桜組

 今の工房に移って間もない頃、山沿いの道路脇に捨て置かれた木々の枝をみて・・・たぶん、傍を通る電線の邪魔にでもなったのでしょう、眺めてるうちにつながるものがありました。
 ちょうどその頃、暇つぶしに「木端鳥(こっぱどり)」というのをよくやっていました。家具材の小さな落し、つまり、木端をナイフワークで切り出してくちばしと目を付けたものです。手で握りやすく、くちばしで握った手の平を刺激するものにしようとしていました。目をつけたのは愛着をもたせるため。・・・手のリハビリ道具を夢見て試作していたんです。ただ、削りだすのは結構たいへんで手にマメができるほどでした。この木の枝がそこにつながったわけです。

 その後、リハビリ道具は頓挫しましたが、私はこの木鳥からモノの表情について随分と学びました。木鳥の表情は、樹形や樹種の他に約8つほどの要素から成り立っています。その中のいくつかの要素を織り交ぜて表情を出すわけです。そして、だいたいは幅広ノミ一本でその表情をつくります。また、デュエットかトリオのグループにするとその表情がまとめやすく、作っていて楽しくもあります。
 
 さて今、新たに木を切ってまで作ろうと思いませんが、道路端にまた、捨てられた魅力的な枝があったらやろうと思います。・・・木鳥は、殺された木で作るもの、木を殺して作るほどのものではないですから。




森のウワサ
異邦木鳥・・・異邦人?
みにくいみにくい木鳥の子
無題
ボケとツッコミ
悪ガキたち
森酒場
春を呼ぶポーズ
初代キドリ
木端鳥(こっぱどり)