EXHIBITION ON THE WEB #06 みずき工房的 タタミズム
  ■ 出品 No.01 「 木 棒 」

 この「木棒」は、もともとはお客様からの「木製ぶら下がり健康器」のお問合せががきっかけでした。結果的に危険なものと判断して仕事にはならなかったんですが、その後も私はこのデザインに夢中になり、「木棒実験」と称してとうとうここまでやっちゃいました。
写真-1 木棒を分解したようす
 さて、この「木棒実験」は、当初お客様からのお話しで「別荘と自宅間をワゴン車に乗せて移動できるようにして欲しい」というご希望があり、それを第一の条件としてデザイン作業を進めました。
 まず姿形(すがたかたち)は二の次として、軽量化と組立分解機能の2点を中心に進行させ、(1)構造の工夫で全体強度を出す、(2)組立分解機能はその中に含める、の結果が写真ー1のようになりました。組み上がった状態で三角構造と準三角構造合わせて8つのトラスを含むなかなかの強構造でした。分解時の部品数は、木部8個とボルトが6個です。一応まとめてワゴン車の天井に乗せるくらいまでには分解させることができました。
 軽量化については、「木をボリュームとしてみないで、繊維の束としてみてそれを構造に生かす」ことで、とにかく余分な贅肉を省いていきました。中心になる支柱は繊維の目切れを避けて60×30mm程の太さです。これで大人の男性が一人で持ち運びできる程度の軽量化がはたせました。
写真-2 組立てた木棒に逆上がりしているところ
 強度も写真ー2のように、当時80kgの私の逆上がりを支えてくれて十分に余りあるほどでした。形については、私はもともと先に形を考えないモノ作りに徹していますのであまり問題ありませんでした。必要条件さえそろっていれば姿形は後からついてくるものです。
 ただどうしても解決できないことがありました。床、あるいは地面と接する所での不安定さです。簡易的にかつ安全に、どこにでも固定する方法が見つけられませんでした。それゆえ、仕事としてはお断りした次第です。
■ 木棒の各部詳細図

「 木 棒 」の仕様
組立時外寸 
W1620×D995×H2310
総重量 
25.2kg
主材料 ホワイトオーク
塗 装 ウレタンクリアー