[ みずき工房的タタミズム ]の背景


 “イズム”をつけるほどたいそうなことではないんですが、語呂がいいのでつい・・・

 さて、ある一つのものが完成された姿と分解された姿二通りを持つ場合、そのどちらを目的とするのかで言い方が変わってくるわけですが、・・・要するに「組み立て式XXX」と「分解式XXX」ですが、みずき工房の場合は、どちらかというと「組み立て式XXX」でしょうか。・・・いや、「分解式XXX」も結構入ってますね。さらにその他の要素も含むみます。ま、どの場合も畳む(仕舞う、あるいは、コンパクトにまとめる)という過程があるわけで、それが必要なら積極的に畳んでいこうという心意気をタタミズムということにしています。もちろん、その必要性を提起してくれるのはお客様の場合がほとんどです。
 たとえば、マンションにお住まいのお客様が、どうしても無垢の大きなテーブルが欲しいといわれた場合、完成された姿で玄関から搬入することはまず無理、というかその前にエレベーターが無理、階段はちょっと腰に自信ないし・・・、窓からリフトはそれはもう大変・・・。 でも、お客様はそんなテーブルが欲しいわけだし、我々は何としても仕事がほしいわけですから、最後に考えるのは、現場で組み立てよう! ということになるわけです。そのうち余計な気を回して、もしかしたら、そのうち引っ越すかもしれないからきちんと分解できるようにしとこう・・・分解できるんだったら、分解した状態で別の使い方ができないか? 大きすぎて収納場所がないから、かっこよく見せるようにして仕舞うことはできないか?、などといろいろな要素が絡んできて、我がタタミズムもどんどん広がってきます。
 そんなわけで今では、本来の組立式や分解式の他に箱もののノックダウンや椅子のスタッキングもこれに含めるようになってきました。考えることは、どんな家具にも共通してだいたい同じです。お客様の都合にできるだけ合わせようとすること、なるべく簡単に分解・組立ができるようにすること、畳んだときに格好よくすること、別の用途、あるいは、その可能性をもたせること、等々。ということで、これらのこと楽しみながら家具作りする工房であり続けたいと思っております。


みずき工房/西 文和