[ 花入れのこと ]


 花も草も木も、野に山にあるがままが美しい。人のするどんな飾り方も、そんなあるがままにはかなわないと分かってるんですが、ふと自分のそばにおきたくなるのも人情でしょうか、野に出るたびに、一輪だけ・・・と花に詫びながらもって帰ってきてしまう次第です。

 ところで、人の空間にどれくらいの量の花と緑が必要なのでしょうか。ベルサイユの宮殿的には百万本のバラ、茶室的には桔梗一輪なんてのが相場なのかもしれませんが、それじゃ、われわれの日常生活にはどれくらい? とふられると、ん〜結構難しい。私的には1枚の板の上に緑の葉っぱ1枚おいて満足するほうなので、まずはこれを基本にして私流の花入れの方法をのばしていこうとおもいます。いつか一輪一葉で一つの住空間をビシッと決める、それが夢です。

 それでは、皆様のそばにも、いつも一輪の花、一葉の緑がありますように・・・
西 文和