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     ジャカルタに向かう

 出発と不安
インドネシアのジャワ島

 いつも私の外国旅行というと日本の旅行社の企画したパッケージツァーであったが、今回は一人旅。ジャカルタに日本の有力企業の重役として勤務し、メイドさんと住んでいる義兄を頼っての旅である。住まいも広いし、良いゴルフ場もあるから、ゴルフをしに来ないかと誘われていたのである。
 義兄が赴任した五年ほど前に、行こうと思ったが都合が悪くなって果たせなかった。

 その時に買った、ガイドブックを読んだり、人から聞いた話では、空港では入国スタンプをわざと違う日に押して、別室に連れ込まれる。バゲージのターンテーブル付近に、ポーターがカートを持ち待機していて、バゲッジをさっと載せる。裕福そうな日本人と見るとどこかコーナーに連れて行かれて、何人かに囲まれる。そこで、200$とか2万円とか法外な価格を請求される。何をされるか分からないので払わざるを得なくなる。置き引きなどは常態で荷物を体から離してはいけない。出口から出ると、タクシーに乗りませんかと声をかけられる。このようなタクシーに乗ると、日本人はおおむね法外な値段を取られる。などなど、心配なことは数多い。
 
 後で、義兄から聞いた話では、国際空港で起こる数々のトラブルについて、インドネシア大統領自らが「国の恥である」と発言、現在は大使館や警察や空港職員との連絡会があり、改善を図っていて、いくらかずつ良くなっているようだという。

 まあ、行ってみなければ分からないと不安を抱えつつも出発することにした。

 ガルーダ・インドネシア航空機GA881便は、バリ島のデンパサールに向かい出発、その後乗り継ぎでジャカルタに向かうことになった。「荷物はスルーで運ばれます」と事前に話があった。
 日本との時差はデンパサールで1時間、ジャカルタで2時間の遅れである。私の心細い気持ちとともに、機は成田を11時15分に離陸した。乗客は5割程度で機内は空いていた、バリは、以前ホテルの爆破事後があった。それがまだ、尾を引いているような気がする。

 ガルーダ・インドネシア航空で感心したサービスは離陸する前に、ジュースのサービスがあること。これは今までに、経験がなく良いことだ。機内食のサービスも悪くはなかった。

税関への申告書(上)と入出国カード
 私には、空港でのビザの取得入出国カード税関への申告書に不安があった。何か記入ミスがあり、トラブルになることを心配したためだ。直すための法外なリベートの要求があるのではないか?
 ガルーダインドネシア航空の成田発便には、インドネシア人のスチュアーデスは多い、しかし、1人くらいは日本人乗務員がいるのかと思ったらいない。日本語での機内の説明も、時々つかえるなど怪しげな日本語だ。
 カードが配られ、記入法について聞いたら,向こうも分からないらしく、解説を日本語で書いた本を持ってきてくれた。書き終わってチェックをしてもらったら自分のサインが一カ所抜けていた他は「OK.No problem.」と言われ、ほっとする。

 今になってみると、記入するのはたいした内容ではなく、取り越し苦労だったかも知れない。
デンバサールに付いたガルーダインドネシア航空機GA881便

 デンバサール

 機は順調に飛行を続け、デンパサールには16時55分に着陸した。デンパサールの空港は近代的でなかなか綺麗。日本の空港とほとんど変わらない。通路を進んでいくとバリの人はこちら、ジャカルタ方面はこちらの声。
 航空券を確認するコーナーで、航空券を渡すと、付いていたものを外して、新しい航空券をホチキスで留めて、返してくれる。インドネシア語で何か言っている。

 見ると便が変更され、時間が1時間半ほど早くなっている。時間が早くなったのはいいのだが、義兄との待ち合わせ時間を連絡し、変えなければならないので「これはまずい」と思う。「はぐれたら、マグドナルドの前で」ということにはなっているが、見知らぬ空港でスーツケースとゴルフバックを抱えたまま、ロビーで長時間待たなければならなくなるので危険だ。迎えに来ていることになっている義兄に電話をしなくては・・・・。私は携帯を持って来ているが、インドネシアではかからない。
 ガイドブックを読むと電話をかけるのは、ちょっと面倒なようである。おまけに今回は、あえてクレジットカードは持ってこなかった。現金は今、ドルと円だけでルピーは持っていない。不安が募る。こういう時には、パッケージツァーでは、添乗員がいて上手く処理してくれるのでありがたいとつくづく思う。
  とりあえず電話機を探す、すぐに見つかったのは、コレクトコールで国際電話をかける電話機。しかし、義兄の携帯電話にコレクトコールでつながるか分からないので別の電話を探す。そうしたら、そこから、離れた別の場所に人、一人が常駐しパソコンが隣に置いてある電話ボックスがあった。ボックスには小型の赤い電話機があり、ボタンを押すと上手く義兄につながった。「今デンパサールに着きました。GA421便からGA417便に変わったのでよろしく頼みます」と話すと到着時間はと聞かれる。
 
 そういえば、航空券には、Boading Time(搭乗時間)は載っているが到着時間は一切載っていない。空港内にもそのような掲示はないので、義兄に調べてもらうことにする。
 それにしても、このように人が付いていて、後払いの電話機があったのは天の助けといわざるを得ない。おそらく、こうした電話ボックスは世界でも珍しいだろう。ドルで払うと言ったら、領収書なしで最初6$といいその後2$と言い換えた。電話機のディスプレイのルピーの表示とは、価格が違うような気がした。領収書を発行してもらえば良かったのだが、あえてそのままにすることにした。

 あとで聞いた話では、義兄はガルーダインドネシアの数多い番号の中から、Customor Serviceを探しだしたが、そこには英語の話せる人がおらず、19時に到着という言葉だけで迎えに来てくれたという。

 ジャカルタ到着

 デンパサールからは、ほぼ1時間40分でジャカルタに到着。心配していた入国手続きに入る。まずはビザの購入、7day's stay は10$である。並んで支払うと証明書をくれる。そのまま、その紙を持って入国審査のコーナーに向かおうとしたら、直前で大きな声でストップと言う。2人が近づいてきて、一人が手に持っていたバスポート他、書類一式を取り上げる。そして、名前は何というかと言いながら、先ほどのビザ購入コーナーに向かう。後ろにもう一人付いて来る。私は、そこに窓口が2つあったことを思い出し、そこでビザを張ってもらうのだと直感したので、パスポート他一式を返してくれるよう強く要求した。そうしたら返してくれて、戻っていったが、そのまま、任せたら、態度と雰囲気からリベートを要求されたような気がする。
 入国審査手続きの前に空港職員何人かが、たむろしているのが、そもそもおかしい。私のような人間がどの便にも何人かいるのではないか。ビザの発給は窓口を一つにすればいい。たかがビザをパスポートに貼り付けることだけなのだから、料金を払って、支払い証明書を持って、また隣の窓口へなどというのは、あるまじきことであると思う。また、すぐ改善可能だ。

 その後の入国審査はうまくいき、バゲッジコーナーでもすぐにスーツケースとゴルフバックが出てきたので、カートに乗せる。税関への申告書を提出し、X 線のセキュリティチェックを受けて、いよいよ出でようとすると、カートに乗せるのをポーターが手伝おうとする。わたしはそこで、はっきり「NO」と言って、ゲートの外へ出た。外に出て、辺りを見回すと義兄が見あたらない。 その時、すぐ寄ってきたのはタクシーの手配士、「タクシーはどうですか」、それを断りあたりを見渡すこと1分弱。義兄の笑顔が見えた。闇に光明を見いだしたような安堵の気分がどっと広がった。

 空港から義兄のアパートまでは、20分程度。高速道路をひた走る。ジャカルタの市内には行ったら、義兄がこのあたり、数日前に大雨があり、交通止めになって大混雑を生じたという。少々水はけが悪いようだ。しかし、今日はスムーズに交通は流れ、すんなりとアパートに付いた。

 アパートはインドネシアでは一流のホテルの上層部。ホテルからも入れ、また、ホテルの裏にはアパート専用の入り口がある。 専用の入り口に行くとセキュリティチェックが行われていて、まずはトランクを開け、車内には金属探知器が入れられる。3〜4人で行われていて、一人は長い銃を持っていた。数年前にジャカルタでホテルが爆破されたことがあり、それからチェックが厳しくなったそうだ。

 アパートに到着したら、ホテルで言えば、超とは言わないまでも、一流といえる部屋に通された。一面、大理石?である。一つ一つの部屋には清潔な洗面所とトイレと、シャワー室が付いている。なるほど、海外勤務の有力企業の重役の社宅?と感心した。

 居酒屋

 少し休んで、居酒屋に行こうと義兄が言う。内部の様子もメニューも日本の居酒屋チェーンと何ら変わりがない。 ただし、従業員、経営者ともすべてインドネシア人と言うことである。 
 地元ビンタンビールの他、注文したのは、揚げ出し豆腐、いかの丸焼き、銀だらの照り焼き。お酒は日本の生酒。味も日本にいるようだ。銀だらの照り焼きは特別に美味しい味がした。
 ほっとした気分で生酒を沢山飲んでしまった。価格は日本の1.5〜2倍くらい。義兄に負担をかけたかも知れない。
 壁に大きな日本企業の社員の名刺が入っている額がいくつもかかっていて、一つの額には名刺が何十枚と貼ってある。「自分の名刺も貼って欲しい」という人がいるのだろうか?プライバシーのこともあり、日本国内ではあり得ない。ちょっと違和感を感じた。