甲状腺機能亢進症(バセドウ病)って?2
 

・甲状腺の検査


 甲状腺の病気は30種類ほどありますが、患者さんの話を良く聞き甲状腺を触診すればだいたいどのような病気かわかってきます。ですがそれだけで判断せずに甲状腺の機能検査や画像診断をすることによって正確な診断ができます。

・採血
甲状腺の病気を疑ったときに行うもっとも一般的な検査です。血液中のT4、T3、TSHの値を測定します。(他にTRab、TSab、TBG、Tgなどの検査をすることもあります。)
・甲状腺エコー
解像力がよいのでわずかな構造の変化もわかります。この検査は超音波を首にあててはね返ってくる音波を目に見えるようにしたものです。検査時間は20分程度。首にジェルをぬって検査をします。検査は全く痛くなく、放射線をあびることもないので何回も繰り返して検査することが出来ます。
・CTスキャン
触診とエコーが主流ですが、甲状腺の腫瘍やその転移などを調べるのに最適な検査方法です。検査は造影剤を点滴で入れ、CTで甲状腺の状態を調べます。(CTは輪切りのレントゲンのようなものでドーム状の検査の機械に寝たまま出入りして画像をとります。)
・シンチグラフィー
放射線ヨードを少量服用するか、注射して調べます。体内(甲状腺)に吸収された放射線の分布を特殊なカメラで写します。10分くらい寝るか座るかしているだけで、使用する放射線ヨードもわずかなので心配はありません。バセドウ病のときはヨードの取り込みが全体(びまん性)にみられます。バセドウ病と初期の亜急性甲状腺炎、プランマー病、腺腫様甲状腺腫、無痛性甲状腺炎などを見極めるときなどに有効な検査です。
・細胞診
甲状腺エコーの検査で結節が不規則なかたちをしていたり、リンパ節が腫れて大きくなっているときに検査します。エコーを見ながら結節内に細い針を刺して細胞を吸引し細胞の状態を調べます。時間は針を刺してから2分程度で出血などはほとんどありません。針を刺したところをテーピングし、その日のうちに帰ることが出来ます。
 

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・バセドウ病のいろいろな数値(平均値)


 バセドウ病と診断されるときやそれからの治療時に採血で出る検査の数値です。

正常値 亢進症のときは?
T4 5〜11μg/dl
フリーT4(FT4) 1〜2ng/dl
T3 90〜170ng/dl
フリーT3(FT3) 2.5pg/ml
TSH(刺激ホルモン) 0.4〜4μU/dl
TRab(TSH受容体抗体) -15〜15% バセドウ病で↑
TSab 180%以下 バセドウ病で↑
TBG(サイロキシン結合グロブリン) 15〜29μg/ml
Tg(サイログロブリン) <35ng/ml
 

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・バセドウ病の一般的なお薬

メルカゾール(チアマゾール)

概説 甲状腺ホルモンの合成をおさえるお薬です。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療に用います。
作用 甲状腺ホルモンが過剰になると、体の基礎代謝が亢進し、心臓がドキドキしたり、汗、微熱、やせる、イライラするといったいろいろな症状があらわれます。このお薬は、甲状腺ホルモンの生合成を抑え、そのような甲状腺機能亢進症(バセドウ病)に伴う症状を改善します。
効能 甲状腺機能亢進症
注意 指示された期間は、きちんと飲み続けること。発疹ができたら早めに受診。
副作用 発疹、かゆみ、血液成分の異常(発熱、のどの痛み、皮下出血)、関節痛、筋肉痛、肝臓の異常(だるい、吐き気、皮膚や白目が黄色くなる)

プロパジール・チウラジール(プロピルチオウラシル)

概説 甲状腺ホルモンの合成をおさえるお薬です。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療に用います。
作用 甲状腺ホルモンが過剰になると、体の基礎代謝が亢進し、心臓がドキドキしたり、汗、微熱、やせる、イライラするといったいろいろな症状があらわれます。このお薬は、甲状腺ホルモンの生合成を抑え、そのような甲状腺機能亢進症(バセドウ病)に伴う症状を改善します。
効能 甲状腺機能亢進症
注意 指示された期間は、きちんと飲み続けること。発疹ができたら早めに受診。
副作用 発疹、かゆみ、血液成分の異常(発熱、のどの痛み、皮下出血)、関節痛、筋肉痛、肝臓の異常(だるい、吐き気、皮膚や白目が黄色くなる)

インデラル(塩酸プロプラノロール)

概説 血圧を下げるお薬です。また、狭心症や不整脈の治療にも使用します。
効能 本態性高血圧症(軽症〜中等症)。
狭心症。期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防。褐色細胞腫手術時。
注意 喘息など持病のある人は、医師に報告。自分だけの判断で急に中止しない。めまいや立ちくらみを起こすことがあるので、車の運転など危険作業に注意。
副作用 めまい、ふらつき、徐脈(脈が1分間50以下)、心不全(息苦しい、むくみ)、喘息発作、目の乾燥(目がしょぼつく)、抑うつ、悪夢

チラージン・チラジン(サイロキシン)

概説 甲状腺ホルモンです。甲状腺ホルモンを補うときに使用します。
効能 甲状腺ホルモン(T4)です。抗甲状腺剤の効きすぎのときや、多めに抗甲状腺剤を使用しているときに数値を平均値に保ちやすくするために使用します。甲状腺機能低下症に使用します。
注意 指示された期間は、きちんと飲み続けること。飲みすぎると甲状腺機能亢進症の症状が出ます。(頻脈、動悸など)亢進症の症状が出たら早めに受診。
副作用 特になし
*他にも精神症状によって安定剤や睡眠導入剤などを処方されることがあります。お薬は担当医師の指示に従い用法、用量をきちんと守って服用してください。服用中に何らかの症状があらわれた場合は次回通院日まで待たずになるべく早めに診察を受けてください。

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