甲状腺機能亢進症(バセドウ病)って?
 

・甲状腺ってなにもの?

 甲状腺とは一体何者なの?「バセドウ病」と診断されるまで気にもしなかった甲状腺の存在。甲状腺とは甲状腺ホルモンを作り出す内分泌の器官です。それは輪状軟骨(要は首の前のほう)にあります。ハート型のように右と左に分かれています。平均的な大きさは長さ4〜5センチ、幅2〜3センチ、厚さ1センチ、重さは15〜20グラムです。

 甲状腺はヨードを原料に甲状腺ホルモンを作ります。甲状腺ホルモンはアミノ酸2個「チロジン」と「ヨード」からなっています。ヨードを4個もつ甲状腺ホルモンをT4(サイロキシン)といい、ヨードを3個もつ甲状腺ホルモンをT3(トリヨードサイロニン)といいます。これらの甲状腺ホルモンを作って体の新陳代謝を促進しているのが「甲状腺」です。ちなみにT3のほうがT4より強力でその強力さは約10倍。甲状腺ホルモンは主にT4として分泌されています。甲状腺からじかに分泌されるT3は全体の約20%です。それとはべつに甲状腺から分泌されたT4が肝臓や腎臓にある酵素によって4個のヨードのうち外側にあるヨードが1個はずれてT3にかわります(脱ヨード反応)。これがT3全体の80%を占めています。また肝臓や腎臓、筋肉などの抹消組織でもT3は作られていますがこれは内側のヨードが1個はずれて作られているもので(リバースT3)甲状腺ホルモンの働きは全くありません。

 甲状腺のお仕事は要するに甲状腺ホルモンを作り出すことだけに専念しているので甲状腺ホルモンのお薬さえ飲んでいればなくてもダイジョウブ、と言われていますが視床下部・下垂体と関係があるのでそれだけでは割り切れないように思えてなりません。

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・甲状腺機能亢進症ってバセドウ病?

 甲状腺機能亢進症=バセドウ病ではありません。甲状腺機能亢進症の代表がバセドウ病で、ほかにも甲状腺機能亢進症をおこす病気(原因)があります。甲状腺の病気には大きくわけて「甲状腺機能亢進症」「甲状腺機能低下症」「結節」がありその中の「甲状腺機能亢進症」をおこす病気の1つがバセドウ病なのです。

 甲状腺機能亢進症をおこす病気としてバセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎の初期、その他に甲状腺ホルモンの飲みすぎ、絨毛性ゴナドトロピン産生腫瘍、下垂体の甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生腫瘍、下垂体性の甲状腺刺激ホルモン不応症などがあります。

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・バセドウ病の症状

 
症状には個人差があります。
治療(投薬など)開始後は少しずつ症状が緩和します。

甲状腺機能亢進症の主な症状

全身症状 微熱、易疲労感、全身倦怠感
循環器症状 頻脈、動悸、不整脈、心不全
皮膚症状 発汗亢進、皮膚の湿潤、白斑
消化器症状 食欲亢進、体重減少(ときに体重増加)、下痢
神経精神症状 早口、イライラ感、集中力の低下、落ち着きのなさ、躁病(またはうつ病)
筋骨格症状 筋萎縮、骨粗しょう症、脱力感、筋力低下、周期性四肢麻痺
眼球突出 眼裂の拡大、浮腫、二重視、眼球結末の充血、視力低下
前脛骨部 限局性粘液水腫
 

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・バセドウ病の治療


バセドウ病の治療は大きく分けて3つの方法があります。
それぞれに長所、短所または適正などがありますので担当医と
よく話し合った上で納得のいく治療をうけましょう。

内科的療法 外科的療法 放射線治療
内容 抗甲状腺剤の内服 甲状腺の亜全摘出 ヨードの内服
(アイソトープ)
適応 全員 手術に耐えられる人 医師の見解による
不適応 抗甲状腺剤に副作用 麻酔の出来ない人 妊婦、小児
長所 外来で可能 確実によくなる 容易、安価
容易 早く甲状腺機能が正常化 1回の経口投与で可
だれでも、どこでも 大きな甲状腺腫も可 外来で可能
短所 寛解率が不良 傷跡が残る 甲状腺機能低下症
副作用がある 手術の合併症あり 眼突が悪くなりやすい
長期の通院が必要 入院が必要 すぐに良くならない
再発 あり あり あり
 

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