台北旅行記
2002年1月14日〜1月17日
1月16日
・淡水
・西門町
・全身マッサージ
淡水
台北周辺には何箇所か「日帰り旅行」ができる観光スポットがあります。MRTの淡水線で40分ほど北上すると、「新北投」という温泉地があり、さらに先の終点は「淡水」という、台北市内を流れている淡水川の河口になります。
船が交通の要だった時代には、台北に向かう船はみなこの淡水を通過したわけで、台湾を征服した欧州諸国や日本もこの地を拠点にしたらしく、歴史ある街のようなので行ってみることにしました。
駅前はこんなでした。「歴史のある小さな港町」を想像していたので、「え?ここ?」と思いましたが、そういえば日本だって「横浜」は東京と変わらないし、それにこの駅前の風景はどことなく「鎌倉」駅前を思い出させます。
台北駅まで電車一本で40分なわけですから、遠くに高層マンションがそびえたっているのもうなずけます。さすがに河側は公園として整備されていて、子供の集団も多くみかけましたし、台北市民の憩いの場って雰囲気です。そのあたりの雰囲気も「鎌倉」ってかんじ。スケボーに興じる若者の姿も見かけました。やっぱりズボンをずり下げていてパンツが見えてました。
あとでわかったのですが、大学も何校かあるみたいで、若者の姿も多く、彼らと観光客目当てのおしゃれなカフェも多かったです。河岸に面して、おしゃれな南ヨーロッパ風のカフェが並んでました。天気が良ければテラス席からは河が見渡せてデートには最適そうです。残念ながらこの日は曇天で見晴らしが悪く、それに1人でこんなしゃれたカフェに入るのも気恥ずかしかったのでパスしました。
表通りは、江ノ島のように両側に商店が建ち並び、みやげ物屋や飲食店がたくさんありましたが、しばらく歩くと役所などの建物ばかりになって、人通りも少なくなりました。
「あれ?お城はこの辺なのでは?」
と、きょろきょろしながら歩いていると、丘の上に赤い城壁が姿を現しました。
スペイン人が建てたという「紅毛城」です。
小さな赤いお城の中は、資料館のようになっていました。
順路にそって歩いていると、いきなりこんな空間に出ました。
なんだろう?中庭にしては無愛想なかんじです。
奥にあった看板に近寄ってみると。
この空間のお隣には、小さな牢獄が4つ並んでました。
どうもこのお城は、「刑務所」のような役割をしていたようです。「城」=「お姫様が住んでいた」
というものではないようでした。
「10NT支払って、牢獄を見学させられたのか?」
と、がっかりしつつも、さらに順路をたどっていくと、奥には私好みの洋館が現れました。
しかも、遠目にも白く輝いて見えるアレは!
ガイドブックによると、この元領事館の庭は、「結婚アルバムの撮影場所として人気がある」とのことで、たしかに純白の婚礼衣装がひきたつロケーションです。
「わ〜い、花嫁さんだ〜!」
と浮かれて写真を撮ってしまいましたが、なんとなく「気分はもう明治記念館」です。
さて、お城も見学したし、昼飯にするべと、また河岸に戻りました。
河岸には、対岸までのフェリー乗り場があります。船に乗ってみようかと思いましたが、対岸も高層マンションが立ち並ぶ普通の町に見えたし、あいにく天気が悪いので、景色もどんよりと霞んでいるのでやめましたが、乗り場の周りには、屋台が並んでいてなかなか賑やかでしたので、ここで食べることにしました。
名物の「魚丸湯スープ」とビーフン。セルフサービス式の屋台で、アルミのお盆が学校給食みたいです。オレンジ色の食器もなかなか鮮やか。
フェリー乗り場と、淡水駅の間の河原もそのうちきれいな遊歩道になるのでしょうか?大規模な工事中でした。
河に浮かんだ、ショベルカーがなんだかいい雰囲気でした。
お腹も一杯になったので、また台北市内に戻ることにしました。
さて、次はどこに行きましょうか?
昨日は夜市に行きましたが、友達に「おバカなTシャツ」をリクエストされていたので探したのですが、台北でも今は冬物が主流のようです。私は、日中はTシャツで歩いていましたが、道行く市民たちは、セーターやダウン・ジャケットを着ている人も多かったのです。それなのに、お店やホテルやMRTや博物館の中はガンガンに冷房がきいていて、「これじゃあ、寒いよなあ」という不思議な状況でした。というわけで、Tシャツを探すために、西門町に行ってみることにしました。
西門町
映画館と洋品店が建ち並び、若者の姿も多い西門は、「人通りがやや少なくて、ゴミのあまり落ちていない渋谷」という感じでした。
台北では四六時中、掃除係りがせっせと掃除をしているので、公共の場はどこもきれいです。
小さなブティックはどの店もテクノを大音量でかけていて、渋谷109ビルの中の店をそのまま道沿いに広げたような雰囲気です。置いてある服飾品も、原宿系という感じで、私の興味を引くものはありませんでした。それでもうろうろ歩いていたら、喉が渇いてきたので、またタピオカティーを飲みながら店の前のベンチに座っていると、横の店は、大勢の客が麺を立ち食いしてました。カウンターもないところで、スチロール製のカップを持って食べているのです。
「う、なんかすごく流行っているみたい。美味しいんだろうな・・・・しまった、タピオカの前に食べるんだった」と、とても後悔しましたが、後の祭りでした。
全身マッサージ
買い物は諦めました。
今日もけっこう歩きまわったので、夕方にはまたぐったりしてきたましたので「また、マッサージやろうかな?足裏はやったけど、背中に乗っかってくれる台湾式マッサージにも挑戦したいし」と、連チャンでマッサージを受けるのがいいのかどうかわかりませんが、もう明日には帰らなければならないので、今日のうちに行ってしまおうと思い立ち、ガイドブックにも載っていた「ウィンザー理容店」に向かいました。台湾では、「理容店」がマッサージ屋さんに進化しているみたいです。MRTの中山駅で降りて、ROYAL HOTELの前の通りに出ると、そこは表参道のような通りでした。きれいなファッション・ブランド店や美容院が立ち並びます。ヴィトンもこの通りにありました。ヴィトンの次の通りを入って50メートルくらいのところに「ウィンザー理容店」はありました。
ホテルのロビーのような入り口の自動ドアが開くと、「いらっしゃいませ」と日本語でスタッフが迎えてくれます。ここは日本人目当ての高級マッサージ店なのだそうです。
すぐに、個室に案内されました。都心のカラオケ店だと、6人くらいこの部屋に詰め込むくらいの広さの中に、美容院のシャンプーするときに座る椅子のようなベッドが置いてありました。まず、日本語で書いてある料金表を見せられて、コースを決めます。
「今まであんましお金も遣ってないから、ここらでデーンと贅沢しよう」
と腹をくくって、「2時間全身マッサージ」コースを選択しました。オイルマッサージや蒸しタオルが付いて、2000NT。それに、同時進行するオプションが選べます。せっかくだから「フェイシャル」700NTもやることにしました。前に北京で「美顔」をやってもらったらけっこう気持ちよかったので、海外に行ったときくらい贅沢してみようというわけです。私の担当になったマッサージ師は、40歳くらいの女性でした。パジャマに着替え、横になると「テレビみる?」と言われてたので、部屋に付いているテレビの音をBGMにマッサージが始まりました。
まず、蒸しタオルを首筋に置かれて「ほわあ」となったところで、首や肩を揉みほぐしてくれます。すっごく気持ちいい。来てよかったといきなり感激。
そして、次は腕を丁寧に揉んでくれます。腕をマッサージしてもらいながら、別のマッサージ師が「しつれいしま〜す」と入ってきて、顔のマッサージをはじめます。かなり女王様気分を満喫できます。ただ、台湾式フェイシャルは、仕上げ前に、なにかピンセットのようなもので、毛穴に溜まった油や吹き出物をつついて取り出すので、これがチクチクとかなり痛い。しかも、終ったあと、ティッシュになすりつけた油を見せてくれます。これは、「韓国垢すりで、とれた垢を集めてみせてくれる」というのと同じです。「成果をきちんと客に見せる」というサービス精神なのでしょうか?日本で流行した「毛穴すっきりパック」もそういえば、なにが面白かったって「うわあ、油がこんなに!」というのが楽しかったので、「とれた老廃物を見てみたい」というのは普遍的な願望なのかもしれません。
フェイシャルが終ると、仕上げの顔の形のパック剤とかけられて、それをしたまま全身のほうは続行です。腕が終わり、お次は足。やはり、かなりむくんでいるので、かなり痛かったです。そして、「うつぶせ」と言われて、待望の足踏みが始まるのかな?と思いきや、マッサージ師はいったん部屋を出て行き、しばらくしてから戻ってきました。背中にまた「もわっ」と蒸しタオルがかけられます。それが一枚や二枚ではなくて、数えませんでしたが十枚くらい乗せられたかもしれません。タオルの重みを背中に感じます。
そのまま、足踏みマッサージが始まりました。ベッドと違って、その椅子ベッドはかなり軋むので、体重をかけられる衝撃はそれで吸収される仕組みのようでした。「ギシ、ギシっ」という音を聴きながらも、やはり他人に背中や足を踏んでもらうのはとても気持ちがいい。特に足の裏は極楽でした。2時間コースですから、かなり入念に踏んでもらって、「もうこのまま、ここで潰れていたい」と思いました。足踏みが終ると、手で全身の裏側を丁寧にマッサージしてくれて、最後に頭もやってもらって、マッサージ終了。きっちり2時間やってくれました。
「また、来ます〜!再見!」と、ご機嫌でお店を出ました。
時刻はもう8時くらいで、もうあまり歩き回る気分でもなかったので、台北駅に戻って三越の食堂(いろいろな屋台が入っているカフェテリア方式)で麺を食べましたが、あんまり美味しくなかった。街中のお店のほうが安くて美味しいと思いました。
あまりお腹がいっぱいにならなかったので、ホテルの隣にある「苦茶之家」で、雪蛙の油と蓮の実の入ったカキ氷という漢方デザートを食しました。150NTとお高いものですが「美肌に絶大な効果」があるらしく、たしかに、クジラのベーコンをやわらかくしたような、プリプリした物体が入っており、それがユキガエルの油なのかどうかわかりませんでしたが、「コラーゲンたっぷり」なかんじはしたので、フェイシャル・マッサージとの相乗効果で「明日は素肌美人?」
ちなみに、けっこう甘さ控えめでおいしかったです。この店は市内に何軒かあるようですが、「百草茶」とか「パパイヤ牛乳」とか、日本女性の弱点をつく「ヘルシーで美容によい」デザートを揃えてあるので、私が青年実業家だったら、日本でフランチャイズ展開を狙いますね。内装もそのままでいけると思います。でも、すでに鈴木兄弟(サザビーズ。スタバもこいつらが日本に持ち込んだ)あたりのツバがついているような気もするが。
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