台北旅行記

2002年1月14日〜1月17日
 
  決算業務も終ってやっと一息。今年から社員になったので有給休暇とは別に、年に一回連続6日間の休暇をとることができるようになりました。ボーナスも貰ったのでお金もあるし、ここはいっちょ久しぶりに旅行に行こうと思ったのですが、さて、それほど長い期間でもないので欧州などに行くのには無理があるし、やはりアジアかな?韓国も行ってみたいけど、今だと寒そうだし、東南アジアだと暑いだろうし、ビーチリゾートもいいけど一人で行くのも空しいし、と色々思案した結果、台湾に行ってみることにしました。台湾は沖縄よりもう少し南。暑くもなく寒くもない、絶好の気候だと思ったのでした。

1月14日

初めての羽田発
台北駅と天成飯店
牛肉麺街
迪化街

初めての羽田発

 羽田空港には子供のころ見学に行ったことがあります。でも、それ以来、足を踏み入れたことがありませんでした。国内旅行にもあまり行かないし、その昔、北海道を旅行したときには、♪上野発の夜行列車・・・・・で、津軽海峡景色を眺めつつ、青函連絡船で行ったのでした。
 
 朝、5時半に起床して6時半ごろ家を出て、浜松町からモノレールで羽田空港を目指しました。モノレールは何回か利用したことがありますが、たいてい天王洲まででしたので、「羽田空港まで470円」という表示を見て、一瞬「往復料金?」と思いましたが、片道料金でした。高い!
 羽田に着くと、大きくてきれいなターミナルビルのようです。「これが、ビッグバードってやつかぁ。私もとうとうここから飛行機に乗るんだ」とわくわくしましたが、「国際線」という表示をたどると、そこには「構内循環バス」というバス乗り場があって、どうやら国際線はこのターミナルビルから離れたところにあるようです。ちょっとがっかりしましたが、100円均一のバスに乗り込み、走ること5分ほどで国際線ターミナルに到着。こじんまりしたターミナルでした。地方の空港のような雰囲気で、海外旅行に行くぜ!という気合がイマイチ入りません。
 気合入れたからってどうなるもんでもありませんが、羽田発の国際便は数少ないからしょうがないのでしょう。団体集合場所でチケットを受け取り、すぐ目の前のカウンターでチェックインしました。
 
 

 カウンターでは何も言わなかったのに、係員が「もう通路側の席が一杯ですので、窓側の席をご用意いたしました」と言います。どうせたったの3時間半だから席なんてなんでもいいし、それに離着陸時の景色を見るのが好きなので窓側の方がいいのです。係員はさらに「でも、前の方の広いお席をご用意しましたから」と言い訳してました。

 「広い席」っちゅうのは、「スクリーンの一番前」か「出入り口のそば」のことか?「前の方」っていうから、やっぱりスクリーン前ってことなのかな?と考えつつ、出国手続きを済ませ、搭乗ゲートでぼんやり30分ほどコーヒーを飲みながら時間を潰して、いざ搭乗すると、入り口のところにいた係員が私の搭乗券を見て階段を指差しました。

 「へ?2階席?」

 期せずして、生まれて初めての2階席!やった!一度座ってみたかったのよ。そっか、「前の方」というのはこういうことだったのか、と思いつつ、わくわくしながら足取りも軽く階段を上がると、「あれ?ここってアッパークラス?」、座席が広くていい椅子です。不安になって、もう一度自分の搭乗券を見たら番号は一桁でした。どうやら、勝手にアップグレードしてくれたみたいです。ラッキー!
 席はトイレが目の前でしたが、そんなの気にしない。トイレが近くて便利だとご満悦。

 中華航空107便は定刻どおりに9時5分に羽田を出発して、東京湾を見下ろしつつ、「あれがアクアラインかあ」などと眺めているうちにすぐに雲の上に出てしまいました。3時間半後に台北到着です。機体が高度を下げていくと、台湾北部の山々が現れました。雲に半分覆われた水墨画のような景色を楽しんでいるうちに中正国際空港に到着。時差が一時間あるので、11時45分着です。
 入国審査を通る前に両替所があったので、そこで少し並んで2万円両替してから、入国審査の列に並んで、荷物引取り所に行くと私の荷物はすでにコンベアの上を人気のない回転寿司ネタのように淋しく回っていました。

 荷物を抱えて、出口を出ると、外にはツアーなどの出迎えでごった返していましたが、そのすぐ横にバスのチケット売り場があり、台北駅までのバスのチケットを買い、外に出るとすでにバスは待っていましたので飛び乗りました。空港からはバスかタクシーで市内に行くことになるので、バスも頻繁に出ているようです。(15分おきくらいとガイドブックには書いてあった)

台北駅と天成飯店

  

 50分くらいで市内に入り、目の前にどでかい国技館みたいな建物が現れました。上にはデカデカと「台北車站」と看板があるので間違いようのない立派な「台北駅」です。周囲はまだ工事中でしたが、とにかくでかい敷地にでんと構えています。後で建物の中も見学してみましたが中は吹き抜けで、もったいなくらいの広さでした。
 でも、鉄道は台北市内では地下を走っているらしく、ホームや列車を見ることはできませんでした。ですから広大な敷地にボコんと巨大な駅が建っているという不思議な光景になっているのですが、「やはり中国人はでかいものが好きなんだな」と思いました。

 駅のお向かいにはジグラッドのように「新光三越」のタワービルがそびえています。台北市内にはあまり高層ビルがないようで、このビルはランドマークになっていて、方向を見失うことがなくて便利でした。
 私が宿泊予約をした天成飯店(COSMOS HOTEL)は、そのすぐ側のはずですが、探す間もなく目に飛び込んできました。(左の写真:右が台北駅、左のコニカの看板があるビルが天成ホテル)

 なんてわかりやすいんだ、と感激しましたが、近くに見えてもけっこう歩きました。この後も、台北駅周辺ではずいぶんいい運動させられることになります。
 ホテルの外見はボロっちかったですが、中は改装したばかりなのかとてもきれいだったし、フロントも日本語が堪能なので「外国に来たぜ」という感じもなく、地方のホテルに宿泊するみたいにスムーズにチェックインして、自分で荷物を持って部屋に入りました。

       

 お部屋もなかなかきれいでした。バスルームもピカピカ。これで一泊、1万円はまあまあじゃないでしょうか。私は1人だったのでこの値段でしたが、台湾では宿泊料は「部屋単位」らしくて、二人で泊まっても同じ値段だそうです。ベッドはあまり広くなかったので二人だとやや窮屈そうですが、これで一泊5000円だったら、お徳だと思います。でも、二人だったらもっと上のクラスのホテルに宿泊して一人1万円払ったほうがいいかもしれないけど。

 今回はたったの3泊だったので、金額的なことよりも、交通の便を考えてこのホテルにしてみました。たしかに、バスに乗っても帰りの停車場がすぐにわかって便利だし、地下鉄(MRT)の駅の入り口もすぐ脇にあるので自分でちょこまか動き回る人には便利なロケーションでした。後でいろいろ散策してわかったのですが、他のツーリストクラスのホテルもMRTの駅から徒歩5分くらいのところにあったし、そもそもMRTの駅はそれほど駅と駅の間隔が長くないので、台北は個人旅行者には便利な街だと思いました。

 さて、部屋のチェックも済んで、荷物もほどき、時刻はもう2時過ぎです。さっそく外に出て、食事をすることにしました。
 

牛肉麺街


 

行き先は、台北駅から西へ10分(台北駅の敷地を横切るのに5分以上かかるのだが)くらい行ったところにある、牛肉麺屋さんが並ぶ横丁です。
 大きな通りから、すぐにこんな歩道もない通りになり、左右には屋台がびっしり並んでいます。この道は、バイクの抜け道にもなっているらしく、信号が変わるたびに、大量のバイクがドドドっと通っていきます。

  

 
 

 バイクの騒音と大音量のテレビの音をBGMにして、牛肉麺を食しました。麺は刀切麺で太くてシコシコしてました。スープはさっぱりした醤油味でした。これで40NT(日本円で約160円)ですから感激です。店によって味付けや麺の種類も違うようです。長期滞在だったら通い詰めて自分の好きな味を探す楽しみがありそうでした。
 
 お腹いっぱいになって、また歩き出しました。
 熱々の麺を食べて歩き出すと汗がふき出します。Tシャツの上にネルシャツを羽織っていたのですが、たまらずにネルシャツを脱いで腰に巻きました。
 でも、台北の人たちはわりと厚着をしています。Tシャツ姿の人はほとんど見かけなくて、タートルネックのセーターを着ている人もいるくらいでした。ほとんどの人が日本でいえば11月くらいの「コートはいらないけど・・・・」という服装でした。寒い日本から来た私にとっては、ブラウス一枚で十分な気温でしたが、南国の人にとってはこれでも寒いのでしょうか?
 

迪化街


 牛肉麺街をさらに北上して、歩くこと10分くらいで「迪化街」というアメ横のような通りに行きました。そこで「からすみ」を買おうと思ったのです。どの店の前にも乾物やら漢方の素材やらお茶やら乾燥させた花(お茶にする?)などが並んでいて、地元のおばちゃんたちが群がって買い物をしています。

 日本語で「からすみ」と書いた看板もよく見かけ、ここにからすみを買いに来る日本人も多いようですが、いかんせん相場がよくわかりません。値段が書いて置いてある店を探すと、安いもので200NTくらいから、400NTぐらいが普通みたいで、高いものは1200NTくらいしましたが、こういうものの値段って何がちがうのかもよくわからないのです。

 そもそも日本で「からすみ」なんて見たことも食べたこともありませんでした。前にやはり台湾を旅行した友達が「からすみ買ってきたから飲もう!」と誘ってくれたので「へええ、台湾ってからすみが安いんだ」と初めて知ったのでした。そのときごちそうになったからすみは、「身がシマってて、まったりとしたシシャモの卵」のようで、とても美味というか、それよりも「これがあったらいくらでも酒飲めるよねえ」というシロモノでした。(紹興酒一本とビール半ダースを二人で消費してしまった)

 店先で悩んでいたら、お店の爺さんが一生懸命なにやら講釈してくれましたが、さっぱり言葉がわからないので、とりあえず値段的に手頃そうな400NT(約1600円)を買ってから、「他にもなんかおもしろそうなもんあるかなあ」と、他の店も冷やかしてみましたが、おもしろいものは沢山あるのですが、それが何にするものなのかわからないものも多くて、結局冷やかすだけ冷やかしているうちに足が痛くなってきたので、「どこかにスタバかドトールはないか?」と探しだしました。

 ドトールもスタバもスタバもどきも、用がないときには沢山見かけるのですが、いざ探すとなかなか見当たりません。特にここはオフィス街でもないのでコーヒー屋は少ないようです。道端の屋台でもジュース屋さんやお茶屋さんはあるのですが、座る場所がありません。
 あきらめて、また台北駅まで、三越を目印に歩きはじめました。
 
 駅の近くまでたどり着いたら、ほんとにクタクタになってしまい、そのままホテルの部屋に帰り、「そういえば、今日は早起きしてたんだし、一日目から張り切ることもない。もう休もう」と思って、バスタブにお湯をためて、本を読みながら1時間ほど漬かり、ビール飲みながらベッドの上に寝転んで本を読み、9時ごろには寝てしまいました。

 ああ、夕飯食べてないや・・・・・旅行していると、とにかく歩き回ってしまうので、足がくたびれて食欲が減るのです。それに1人だとついつい食事がおろそかになりがち。


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