香港旅行記

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2日目(2003年1月17日)

とりあえずビクトリア・ピークだろう

 「ホテルきょうみ」の朝は、子供たちが学校に行くときのドタバタで始まる。
 8時くらいに、アパートの下にスクールバスが迎えに来るらしいが、部屋を出るのがギリギリになってしまうようで、パパとママの「コラ!早くしなさい!」という怒号で軽く目が覚めるが、長女の私には関係ないので優雅に眠り、嵐が過ぎ去ってからモソモソと起床。
 
 今日の計画は、「午前中にピークに登ってから、いったんアパートに戻って、パパと一緒にイタリアンでランチ」

 きょうみさんが「徒歩で登ってトラムで降りる?それとも、トラムで上がって徒歩で降りる?」と聞いてくるので、「そりゃあ、登りはトラムでしょう」というわけで、朝食を食べてから出発。
 アパートのすぐ側をトラムが走っているので、さっそくまた2階に乗り込む。
 とにかく、他の人はどうだか知らないが、乗り物好きの私としては「2階」というのが嬉しくてしょうがない。トラムは昔の東京みたいに、街中を他の車と同じようにトロトロ進む。情緒ある乗り物だ。2階から見下ろす香港の街並みも見飽きない。トラムの2階席で半日潰してもいいくらいだ。

 30分弱くらいで、ピーク・トラムの側に到着。バスで行くともっと近くに停車するらしいが、私が「トラムに乗る」と意気込んでいたので、トラム・コースにしてくれたらしい。5分くらい歩くと、ピーク・トラム乗り場に到着。各国の旅行者がガイドブック片手に続々と改札に吸い込まれていく。

 香港経験者達から「ピーク・トラムは笑っちゃうくらい傾斜がきつい」と教わっていたが、たしかにこれは笑う。
 きょうみさんが子供を連れてきたときには、休日だったためか混雑していて、座席に座れず、「立ったまま乗るのはキツかった」と言っていたが、座っていても、どこに重心置いていいのか悩むくらいの角度なのである。

 でも、たしか高尾さんの登山ロープウェイもこんな角度だったと思うが、あっちはほんとに「登山」だが、こっちは高層アパートの間を縫うように登っていくのだ。こんな傾斜なのに、よくこんな高い建物建てるよな。
 「ここらへんも、バスは沢山通っているからね」とのことだったが、上の方に行くとバスもないので、乗用車を所有している富裕階級の住宅街になるようだ。
 ピークに着くと、そこは観光客向けのみやげ物屋やレストランが入っている建物。マダム・タッソーの蝋人形館もあり、東京タワーみたいだ。

 正しい観光客として、ここで写真を撮らねばなるまい。



 間近まで高層ビルが迫っているので、それほど高いところに登ったという気がしない。
 さて、いよいよ、歩いて下山である。ハイキング・コースがいくつかあるようで、そのルートの一つが、アパートのすぐ側まで繋がっているらしいのである。
 最初はほんとに山のハイキング・コースみたいだったし、車もけっこう通っていて、犬の散歩をする人や、ジョギングする人も見かけたが、しばらく自然満喫で歩いていると、視界が開けた。

海も青い、空も青い

 山の緑と、海の青さと空の青さがとても美しい。
 日差しはそれなりに強かったが、風がキモチいい。

ビルを背にしてポーズ

 ずっと下りなので、ちょっと膝が笑ってくるが、海が見下ろせて最高の気分である。このお散歩コースを毎日登り降りしていたら、相当足腰が鍛えられるなあ。

香港のぜんまい?   こんなの会社に置いてあるよ

 途中で観察した植物たち。
 勤めている会社では、レンタル鉢植えを置いてあって、2週間に一度、業者が交換に来るのだが、日本ではおなじみの「観葉植物」がここでは立派に自生しているのが面白い。きょうみさんと「これなんか東京では、5000円くらいで売ってるよ」「あ、これもよく見るよね」と値踏みしながら歩いていたのでありました。
 暖かいところですから、植生はずいぶん違いますが、以外なところで共通というか「東京のオフィスと、香港の山は植生が一緒」ということを発見したのでした。

 それでも、関東の野山と同じものも沢山見かけました。

ふたりは〜枯れススキ〜

 ススキの種類は豊富だった。3種類以上ありました。おかげで「今は一応、冬なんだ」と感じることができました。

 ピークから徒歩で下山して、1時間10分くらいでアパート到着。
 そこで、ダンナ氏と合流して「金鐘」から徒歩10分くらいの、裏通りにあるイタ飯屋で昼食。ポツネンとオシャレなお店がある不思議なところだった。港区の西麻布あたりの「知る人ぞ知るお店」みたいな感じです。
 客もスーツ着た、仕事中の人や、オシャレそうなギャル二人組みばかりで、「うちら、浮いてるね」とジーンズにシャツ姿の私たち。他の客は座ったとたんに、携帯電話をテーブルの上に置くので、ダンナ氏も「そういう決まりなのか?」と笑いながら真似してました。まあ、日本でもレストランでそういうことする人たち多いですもんね。香港は日本と同じくらいの「ケータイ天国」でした。電車やバスの中でも禁止されてないのですが、どうせ香港人は大声で喋るので、それが人間相手だろうが、携帯相手だろうが、あまり気にならなかったのでした。

 子供たちが学校から帰るのが3時くらいなので、それまでにアパートに戻り、きょうみさんが「学校に行って先生と面談がある」とのことでしたので、また一緒にバスで出かけました。

楼梯街-Ladder Street

 学校の近くのバス停に着くと「ここを下ると、文武廟っていう古いお寺とキャット・ストリートっていう古物商が並ぶ通りがあって、けっこう観光スポット」と説明され、学校の面談が終わる時間に集合することにしたのですが、きょうみさんと別れて、階段を下りると・・・・・・降りても降りても文武なんちゃらまで着かない!
 心細くなって(つーか、こんなに降りると、登りがキツいじゃん!)上を見上げると、

ジェイコブス・ラダーーーーー

 こーんな階段を3つだか4つくらい下って、やっとその文武のお寺。中に入ったが、線香がワンワンと焚かれていて、「バルサンで退散する害虫」の気分満喫で、すぐに外に出てしまった。
 縦方向は、どこもこんな階段だけど、横方向は平らなので、古物商を冷やかす。
 博物館にあるようなものを扱っている古美術商も多いが、ただのガラクタを並べているようなお店も多い。「マオちゃん専門店」もあった。毛沢東バッチがいっぱい並んでいて、ちょっと欲しくなったが「こういうものは、あとで冷静になると、全然いらなかったりするんだよな」と思いとどまったが、マオちゃんが、金日成みたいに、バシっと指差しポーズしているお人形などは、じっと見ているとうっかり欲しくなる。
 指差しポーズは共産圏共通ポーズなのだろうか?いや、待てよ、羊が丘のクラーク像も指差してたような・・・・・・けっこう、決めのボーズとして世界中に氾濫しているような気がする。とか、なんとか、考えながら、うろうろしていたら発見したのがコレ。

香港のガウディ

 モザイクを剥がして改装中のグエル公演?
 かなりガウディです。

 あと、こんなのもありました。

わんちゃん専用トイレ

 ここで、しろっていわれてもねえ(笑)

北京ダック食べたらスターフェリーだ

 さて、またアパートに戻り、きょうみさんが前から行ってみたかったという「北京からダックを直輸入している北京ダックレストラン」に行く。
 湾仔(ワンチャイ)の中心部にあるビルの2階。
 早い時間だったので、広い店内に客は私たちだけ。6時すぎると、予約していた団体さんが入ってきた。
 香港の北京ダックは皮だけでなく、肉もついている。どうも香港人は「皮だけ」だと食べた気がしないらしい。
 北京に2年滞在していたきょうみさん曰く「北京のほうが調理方法が繊細」。北京のほうが、宮廷料理の伝統が生きているのか、北の民族だからか、仕事が丁寧のようで、それが香港になると南国だし、食事に疎い英国人に統治されちゃったし、わりと全体的にアバウトになってしまうらしい。
 もっとも超高級店だとまた違うのかもしれないが、家族連れでいけるようなお店だと、そういうかんじになってしまうのかもしれない。

 食事の後、会社の人へのお礼の品を購入するとのことで、対岸の尖沙咀に行った。待望のスター・フェリーに乗るのだ。
 セントラルからのフェリーは「上層・下層」で料金が違うようだが、湾仔からのフェリーは上下の区別無しだった。

 夜の風は少し寒かったけど、夜景を見ながらのクルーズは最高。海に面した建物は、ネオンも工夫されていて華やかだったが「クリスマスのころはもっと凄かった」そうだけど、クリスマス・ネオンの後、ぼちぼち「正月モード」に変更しているようで、干支の羊がチカチカ光るデザインのものもあった。
 ペニンシュラの地下アーケードで買い物してから、またフェリーに乗って今度は中環(セントラル)へ戻る。行きとはまた違う夜景が堪能できた。

 というわけで、この日は、トラムとピーク・トラムとスター・フェリーに乗ったので至極満足。
 香港はいろいろな乗り物があるので楽しい。
 海沿いには、巨大なショッピングセンターも多いので、なんとなく「巨大なお台場」というかんじがした。

 さて、マカオに行く日はいつにしようかと思っていたのだが、月曜日にきょうみさんが昼間出かけてしまうので、その日に一人で行こうと思ったら、「パパも行きたいって」とのことで、明日の土曜日に家族と供にマカオに行くことになった。てゆーか、休日の家族小旅行にお相伴?(笑)

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