可燃物な日々

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9月29日(金)

●映画「ミステリという勿れ」

 映画の感想も全然書いてなかった。「バービー」以降、そんなに見てないけど。「Gメン」とか、意外に面白かったっけ。

 さて、私は「ミステリという勿れ」は、原作漫画読んでなくて、ドラマ版で初めて触れたのだが、初回からけっこうキツい話しだったし、「児童虐待」が通底にある話しだったので、好きになれなかった。
 でも、映画化にあたり、こういう話しだとわかった上でドラマ版をちょこちょこ見直してみたが、落ちがわかった上で役者の演技を楽しむんだったら、けっこう極上のエンタメであった。
 「あれ?ジュードって誰だったんだっけ?」って後半のジュード回を確認したら「そうだ!北村匠海が女装してたんだよ!ヒュー!最高じゃん!」って感じで。

 で、この映画版は原作ではかなり最初の頃の話なんだが、尺やロケの都合でドラマ版ではやれなかったのをドラマ版の人気を踏まえて満を持しての映画化らしかった。

 それだけだったら別に見なくてもよかったんだが・・・・人気テレビドラマの映画化といえば「TOKYO MER」の映画版は見なかった。だって横浜ランドマークの火災なんて、フィクションでも辛かったんだもん。
 だから「ミステリと・・・」の映画版も、菅田将暉主演なだけなら、映画館で見なかったと思うのだが、松下洸平・町田啓太・萩原利久とズラリと並べられたので「なに、これ、超ピンポイントにお誘いされてるんですけど?」

 町田啓太がメガネ男子なだけでも見に行ったと思うが、そこに萩原利久くっつけてくるの腐女子ホイホイにも程がある。
 「チェリまほ」の黒沢と「美しい彼」の平良を並べるなんて、ああ、このコロナ下において、どれだけこの2作品に救われたことか!
 なので、「課金じゃ課金じゃ」と、どちらもブルーレイ版買ったら、見事映画化されましたわよ。

 深夜ドラマが映画化って凄いことだと思うが、やはり課金力がモノを言ったのだと思う。

 と、札束数枚振り回して調子に乗っていた自分に「こちらにも是非、ご課金を」と人質見せられたので張り切って見てきました。

 通称「広島編」は原作ファンにも人気が高いとのことで、「まあ、現代版の犬神家の一族みたいなもんなんじゃろう」と軽い気持ちで見てみましたが、事前の宣伝でもうっすら感じていたんですが、本編見ていたら、「あれ?松下洸平の役って、なんのためにいるの?」って思って、「まあ、そりゃ、犯人だからってことだよね?」って、キャスティングで犯人わかっちゃうのだが、でも、この話って犯人探しでもないわけで・・・・

 そもそも、本家の相続人を決めるのは、分家みたいな松下洸平の弁護士一族であるっていう設定だから、松下洸平がなんかしらの理由で本家の財産を狙ってるとか、そういう話なのかしら?と思いきや・・・・

 なんか、相続人候補の従兄弟たちも財産目当てで血で血を洗うって感じでは全然なくて、「あれ?この話の根幹はどこにあるんだろう?」と思っていたら・・・・・ここからネタバレ書きますが、「ミステリという勿れ」に全然興味の無い人が、このネタバレ踏んでも「???」って感じだと思うのですが、この一族には代々「天パは殺す」という掟があったのです。

 天パの私が超がっかりしたキモチ、わかっていただけますでしょうか?

 「なんだそりゃ?」

 天パだったから殺された、ヒロインの父役の滝藤賢一もきっとそう思ったことでしょう。

 すっごい酷い話だったんだけど、これが「人気の広島編」なの?

 いや、百歩譲って「戦前そういう風習があった」のを利用して、現代でそれを装った殺人がっていうのならわからんでもないけど、松下洸平は完全に「天パを殺すのが自分の使命である」って感じだったからな。

 話はひどかったけど「ヒロインにとって、ずっと優しいお兄さん的な初恋の人」だった松下洸平が、悪習に洗脳されたサイコパスだったって演技は素晴らしかったです。

 そして、この話もやはり「子供の頃、刷り込まれたことは消えない」という話なので、かなり辛かったが、町田啓太と萩原利久の広島弁は楽しかったです。
 だから、2回見たけど、やっぱりあんま楽しくなかった。

 ある意味、リアルではあるんだよな。
 ちょっと、今のジャニーズ騒動とかと重ねると。「だって、この家は、このルールでずっと栄えてきたんでしょ?」っていうの。

 いったん「こういうもの」って決まってしまうと、それを覆すのってすごく難しいのは、私もけっこう経験していて、「え?これ、継承する意味があるの?っていうか害しかないのでは?」って提言しても、「何か意味があるから続いているんだ」って思い込みになかなか勝てないんですよね。

 例えば、ずっと生贄を捧げていた儀式があって、「生贄とか意味ないんじゃね?」と言っても、「じゃあ、生贄を捧げなくて、何があったらお前が責任をとるのか!」とか言われたら、面倒くさいから生贄の儀式に従うけど、いざ、自分が当主になったら、生贄の儀式やめるほうが面倒くさそう。とか、そういう感じ。

 ちなみに、何で天パが殺されていたかというと、天パの人がこの家を乗っ取ったからで、それを知られないために自分に似た風貌の子を殺していた・・・・って、「えええええ?」って理由だったんですが、乗っ取られた一族の生き残りのことを恐れていたらしいが、そもそも乗っ取られたのを知っていたら、天パだろうが直毛だろうが、復讐しに来るんじゃね?

 というわけで、役者の演技は素晴らしかったが、話に全然納得できなかったです。
 これが大ヒット漫画で、映画も大ヒットっていうのもよーわからん。

 もちろん、「ミステリという勿れ」が人気があるのは、主人公の「語り」にあるのはわかっているのですが、あれも私にはツーマッチというか、自分も「自分の考え」をベラベラ語る方なので、整くんの語りに共感する部分もあるのだが、あまりにもしつこいと同族嫌悪みたくなっちゃうのだ。

 でも、繰り返すが町田啓太も萩原利久も松下洸平もほんと良かったし、こういうヒット作に推しが呼ばれるのほんと嬉しいので、ありがとうございますって思うけど、「やっぱ、こういう企画モノはよほどのことが無ければ見ないようにしよう」と思いました。


9月27日(水)

 いかん、日記書かないうちに9月が終わってまう。

 夏ドラマはほぼ終了したんだけど、季節の狭間恒例TVerの過去の名作祭りにハマってしまった。私の大好きな「俺の話は長い」が始まったし。
 もう4年前なのね。朝ドラヒロインになる前の17歳の清原果耶が15歳の生意気な中学生やってるのも良い。彼女は意外とこういう「ごくフツーの女子中高生」をやってないので。
 そして、主人公生田斗真の行きつけのバーの雇われ店長が杉野遥亮だったり、途中ゲストで出てくるサラリーマンが間宮祥太朗だったりしたのも、当時の私にとっても「見所」ではあったが、4年後の夏クールで二人ともプライム帯の主役張っていたので「うん、うん、順当に出世したね」と感慨深い。

 それにしても、やはり私はこういう会話劇というかハラハラしない話が好きなんだよなあ。
 だから今流行りの「考察もの」にほんと興味なくて、いいから先に犯人教えてほしい。

 ついでだから、私には「大当たり」だったこの夏クールのドラマの感想を書き残しておこう。

●月9「真夏のシンデレラ」

 話にはあまりハマらなかったけど、間宮祥太朗がエリート役って見た記憶が無い・・・いや、映画「RED」ではやっていたけど、それくらいしか見た記憶が無いので、スーツ姿の間宮祥太朗が見られただけでOKでした。
 あのビジュアルを印象付けたので、年齢的にも今後はビジネス系ドラマの出演増えるかもね。日曜劇場的な(笑)
 あと、萩原利久の白衣姿も眼福でした。もっと、病院でのシーン欲しかったけど。でも、彼は実年齢的にも研修医なので、今後「クソ生意気な研修医」の役が来るかもしれない。超期待。

 こんだけのメンツが揃っていたから、もっとトンデモ展開でもよかったと思うが、演出の意図なのか(リアリティー恋愛ショーに寄せているという説もあり)、それとも結末は未定という設定に俳優陣が警戒したのか、全体的に芝居がローテンションだったような気がする。

 でも、海のシーンが綺麗で、「ああ、海だ・・・」って、ゆったり見られたから、夏はやっぱ海ですよねえ?(と、海辺なんて最後に行ったのいつだろうか?)

●火10「18/40」TBS

 月9では萩原利久は女子に向かって「ちんくしゃ」と言うような超ダメな奴で、こっちの「18/40」では八木勇征が18歳の彼女の妊娠が発覚したらバックレるというトンデモ彼氏で、「美しい彼」ファンの本気が試される夏でした。
 つーか、八木勇征というかエグザイル村はよくこんな役のオファー受けたな。

 でも、エグザイル村は前よりもドラマ出演に積極的になっているような気がするし、ジャニーズが弱ってるタイミングでもあるから、ドラマ制作班との絆を深めているような印象がある。
 なので、ここはTBSプライム帯に挨拶代りというか、「次があったら、鈴鹿央士くんの役はエグザイル村から是非」ってことなんじゃないかと思ったりしたけど、ダンサー目指している設定の鈴鹿くんのダンスはさすがに「それじゃ、プロになれねーだろ」と思ったので、エグザイル村はああいう役をゲットできるよう育成するべきだと思った。

 それにしても、このドラマは18歳で妊娠して出産した子はいいとして、「この先、子供持てるかわからない」ってアラフォーの役をアラフォーの深キョンがやるの、けっこうキツかった。
 ドラマと役者本人は分離して見られるほうだけど、つい「こういうセリフ言ってる本人はどう思ってるんだろうな」って考えちゃって。

 と言うほど、あまり真面目に見てなくて、個人的な見所は「オレの上杉柊平が深キョンの相手役だと?」でした。

 正直、大抜擢すぎて「これ、誰かの代役だろ」と本気で思っていた。元プロ野球選手って設定だったので、鈴木伸之あたりだったのでは?(週刊誌スキャンダルでたぶん謹慎中)

 それでも、プライム帯で我が推しが深キョン様の相手役って嬉しすぎたのですが、これ、世間的にはどのくらいアピールできたんだろう?
 深キョンの相手役と言えば、横浜流星があれで一気にトップに登ったけど、ああいう勢いは全く感じられなかったので、「まあ、こんなもんか」って思いました。

●水10「ばらかもん」と「こっち向いてよ向井くん」が被り問題

 元々は日テレドラマ枠だったところに、フジが「若い男性向け」をブツけていたのだが、杉野遥亮と赤楚衛二がブツかるって、杉野遥亮が好きな人は赤楚衛二も大好きでしょーが!!!

 それにしても、坂口健太郎の「Dr.チョコレート」の時にも思ったのだが「イケメン俳優と幼女の組み合わせ最高だわ」が「ばらかもん」でも発揮されていて、なんか、あの「この幼女が成人女性だったら、絶対にベストカップルなのに!」って感じが堪らないらしい。

 私はずっと「恋愛ドラマに必要なのは障壁」と言っていて、「家同士が対立している」っていうロミオとジュリエットを元祖として、身分の差とか人種や文化の違いとか、いろいろパターンがあるんだけど、今の日本って「この二人が結婚できない理由」を作るのが難しくて、だから30年前くらいから「男同士だと悲恋になります。うへへへ」と提唱していた。

 時代が私に追いついてきて、BLドラマ全盛ですが、もはや「禁じられた恋愛」ではなくて、「昭和の時代の少女漫画を男度同士でやってみたら、けっこう面白かった」ってターンになってました。

 だから、今、密かに流行ってるのが「幼女とイケメン」で、「そこに恋愛要素は全く無い」という描写に密かに萌えてます。

 「ばらかもん」もとにかく「海!」で、大した事件が起こるわけでもなく、島の人間関係も美化されていたけど、若き芸術家の苦悩と美しい海の背景を眺めているだけで楽しかった。続編希望。原作はスピンオフ含めてけっこう量があるみたいなので。

 そして「向井くん」であるが、冒頭では「男女それぞれの視点」が描かれていたので、そういう話なのかと思っていたら、そういう話でもなくて、全体的に「ちゃんと話をしましょう」って感じだった。
 同時に原作者の結婚観というか、今の時代の婚活の難しさが浮き彫りになっていたので、その世代の人たちにはかなり刺さったのではないだろうか?
 ただ、もはや婚活よりも終活のほうが現実的な世代の一人としては、前半のピリ辛ラブコメ路線のままでいてほしかった。

 それでも、あの一歩間違えたらトンデモ野郎の向井くんを赤楚衛二がその持ち前の魅力で見事に「憎めないヤツ」にまとめたので、「やっぱ凄いな」と思った。
 トントン拍子に出世するだけのことはある。
 そして、この言葉は好きじゃないんだけど、杉野遥亮も赤楚衛二も「ピュア」なイメージがあって、その二人がこうして裏表で「ピュアな主人公」をやっているということは、今の若い女性が求めているのはこういう清潔感であるとマーケティングされているということなんだろうなあ。と、思った。まあ、昔からそうだったのかも。

 冬ソナのブームの時、友人が「ヨン様の何がいいって、清潔感があるところ。ああいう、1日に3回シャワー浴びているような男がいい」って言っていたので、「そんなに汗臭い男が嫌なのか?」って驚いたけど、清潔感イコール生活感と考えると、「現実には絶対にいないキラキラ王子様」を求める気持ちはわからなくもないし、アイドルってそういうもんだし、ただ、それが、ただ画面上にある非現実であることはわかった上で楽しもうね、とは思った。

●木9「ハヤブサ消防団」

 これも男主人公だったね。中村倫也が池井戸潤原作ということで注目度も高かったが、ミステリー要素も強かったのでどうなるかと思ったが、脇役というか消防団メンツが大河ドラマ級だったし、それがけっこうワチャワチャしていたので見応えがあった。
 あと、これもロケーションというか「田舎町」の風景が美しかったので、やっぱ夏ドラマは風景重視がいいね。

 ですから、犯人探しに興味がないので、「中村倫也やっぱ上手いなあ」って感じで見ていたのですが、小林涼子が写真だけの出演だったけど「重要な鍵」になっていたので、「これは、小林涼子のブレイク・ポイントになるのでは?」と思っていた。
 ポスト「不憫系女優」と言われてますが、たぶん、松本若菜の次が小林涼子。あ、すでにそのジャンルで大御所になってるのが木村多江です。

 というわけで、けっこう生温い目で見ていたのですが、後半になって新興宗教のスタッフで劇団イキウメの看板役者の浜田信也が出てきたので、「ちょwwwww、テレビドラマでこんなにガッツり出るの初めてでは?」って食いつきました。

 登場当初は「怪しげだけど、本当はいい人」的な出番でしたけど、そのヤバい新興宗教(誰が見てもオウムがモデル)が過疎の村を侵食してくるあたりでは出演シーンも多く、なんといっても「浜田信也が地方ロケに参加していて、マジ太陽光の下で芝居している!」

 舞台俳優があんなに自然光浴びてると、なんか興奮するんですよね(笑)

 太陽光浴びていると、持ち前の怪しさが半減するんだけど(笑)

 そんで、舞台のスタッフは「浜田信也にはこういう照明を当てると、お客様にここでしか摂取できない栄養を与えられます」って熟知してるんだけど、ドラマのスタッフはそれをわかってないだろう!

 それでも、ミュージカル王子の古川雄大と、イキウメの浜田信也と、今でも舞台にしっかり軸足を置いている中村倫也が同じ画面にいたのは、演劇ファンには奇跡の共演だったと思う。演劇ファンの端くれの私としても「この3人は絶対に同じ舞台に立たないのに!」って思ったから。

 あと、岡部たかしですよ。
 ちょっと前までは「岡部たかしが突然出てくるドラマは秀作」って自分なりの法則があったけど、いつのまにか、こんな「豪華バイプレーヤー」の一員になって。
 次の朝ドラ「ブギウギ」」では、とうとう「事前に出演が告知される」ところまで登ってきました。いや、それ、ほんとうに凄いことなのよ。

 とか語ってると、夜が明けてしまうので、次いきます。

●金10「トリリオン・ゲーム」

 目黒連ファンにも「ハルが大金稼ぎたい動機がわからない」と言われていましたが、動機って必要?

 「ウェーイ!成り上がるぜーい!」で私には十分面白かったです。

 私は「silent」で「声を出さない目黒連最高だな」と思ってましたが、映画「わたしの幸せな結婚」では彼のつたない台詞回しが逆に口下手キャラに合っていて素晴らしかったのですが、大声張るシーンがやはりイマイチだと思っていたのです。
 バラエティ番組に出ているのを見ていると、どうやら、かなりおっとりした性格のようで、大声で怒鳴り散らす演技は苦手っぽかった。

 なので、目黒連はまだ芝居経験も浅いので、今後、発生技術を習得していったら最強なのではと思っているので、このドラマで「ウェーイ!」なセリフを喋るのもその訓練だと思って見てました。

 あと、今田美桜が素晴らしかった!
 今田美桜もデビューした頃は「顔はメチャクチャ可愛いけど、声が美少女声じゃないなあ」と思っていましたが、ちょっと鼻にかかった感じ声は吉高由里子みたいな個性になるのかもしれないなあと予想していたけど、今回の役はけっこう低めにドスをきかせていたので、こんな喋り方ができたのか!と驚きました。
 大手事務所所属じゃないのに、これだけ売れっ子なのも納得です。
 そして、彼女が着る主にドルガバのハイブランド衣装が素晴らしくて!
 ドラマでこんなに衣装に夢中だったの初めてです。

 もちろん、今田美桜はモデルなので、さすがの着こなしなんだけど、彼女はいわゆるモデル体型ではなくて身長も普通だし、モデルとしては胸がありすぎると思うのですが、その「ザ・モデル体型」じゃない子が着こなすハイブランドが素晴らしいと思った。比較して申し訳ないけど、例えば菜々緒様がハイブランド着てても、ファッション雑誌見てるみたいで「はい、そうですよね」って感じなのだが、今田美桜が着ていると「私でも、もう少し痩せたらイケるかも?」って思わせるんですよ。
 もちろん、顔もスタイルも全然敵わないのはわかってますが、今田美桜はギリギリこっち側に近いと感じてしまう。パリコレに出てるような殿上人じゃなくて、「学年で一番スタイルのいい子」くらいの身近な感じが堪らない。でも、顔は国宝級ですが(笑)

 というわけで、今田美桜に将来の大女優の可能性をビシバシ感じたのでありました。

 あと、佐野勇斗の「イケメンなのに、猫背とメガネでイケてない演技」も良かった。「トドメの接吻」の長谷部も出世したよなあ。
 そうだ、このドラマの目黒連見てたら「山崎賢人だったら、もっと上手くやっただろう」ってちょっと思った。「トドメの接吻」の山崎賢人のワルっぷり面白かったもん。

 そんで、あまりそういう言及見かけなかったけど、佐野勇斗はアイドル・グループ「M!LK」のメンバーなので、「この共演はアリなんだ?」とちょっと思ったりした。

●土10「最高の教師」

 「3年A組」チームの作品だというので、全然期待してなかったが、こういう学園ものは売り出し中の若手俳優大集結になるので、見ないという選択肢はなかったけど、やっぱ話がなあ?

 つーか、主演の松岡茉優が、まず阻止するのが芦田愛菜の自死っていうところが「三浦春馬のこと思い出して吐きそう」だった。
 ドラマ撮影中に三浦春馬に死なれて、ヒロインとしてどれほどショックを受けただろうかと心配していたが、この仕事受けてちゃんとやる松岡さんも凄いが、この仕事をオファーする制作側も心臓に毛がびっしり生えてますよね。

 前半、芦田愛菜プロの上手さに唸ったが、あれ?そもそも芦田愛菜は医学部目指すとか言ってなかったっけ?でも調べたら慶応の法学部に進学していて、女優業は継続するつもりなのかな?
 それはどうでもいいのだが、女優業続けるつもりなら、芦田愛菜、背が低すぎるなあ。

 元天才子役あるあるなんだけど、天才子役って「実年齢より幼く見える」っていうのが多く、7歳で幼稚園児役、12歳で小学校低学年役やれちゃうから「天才的演技力」になってる場合が多く、もちろん、演技力に嘘はないんだけど、大人になっても続けている元天才子役のほとんどが女子は150センチ以下、男子は170センチ以下なのよね。

 ほら、安達祐実ってちっちゃいじゃん。神木隆之介はそれでもギリギリ170センチくらいに成長した方。

 それはいいとして、このドラマの影の主役は松岡さんの夫役の松下洸平で出番は多くなかったが、「松下洸平の夫役、すげえな」とひたすら感服した。
 「こんなの現実には絶対に存在しない」ってわかっているのに、「もしかして、どこかには実在するのかも」ってまるでツチノコみたいでした。
 あの「ありえないのに、どこかにいるのかもしれない」っていう造形ができるのって、松下洸平の才能だよね。「最愛」の時も、俳優には興味ないけど、役柄には入れ込むタイプの同僚が夢中になっていた。

 俳優オタとしては、青木柚が悪役っぽく登場したのに萌えたが、ずっと中心から外れてウロチョロしていた奥平大兼が最終回で「私がヤリました!」になったので、「おおおおおおお!」って盛り上がったが、奥平大兼が松岡茉優を殺す理由が全然わからなかったんだけど、なんか二人で真面目に語りあっていたので、メタ的には満足したんだけど、話的にはなんだかわかんなかったな。

 あと、教師チームに犬飼貴丈と細田善彦という「共演NGってほどではないけど、なんかキャラがかぶるからフツーは並べないのになぜ?」っていうの並べていて、さらに長井短まで配置して「これは、ただでは済まされないぞ」という布陣だったのに「ただ、揃えただけです」で終わったの、なんだったんですか?超もったいなかったんですけど?スピオフ要員?って思ったけど、スピンオフは別にやっていたので、ほんと、なんだったんだろう?スペシャル版要員?

●日曜劇場「VIVANT」

 これで「半沢直樹」が上書きされた感があるが、うーむ、前半はドタバタ逃走劇についていけなくて、TVer再生で早送りしちゃったのだが、中盤になって「別班だったの?」あたりから真剣に見ていたし、モンゴル語で喋るから字幕見ないといけなくて「最近、みんなこういう仕掛けを覚えてしまったな」とか思ってるうちに終わってしまって、だけど、ドラムは可愛かったよ。

 堺雅人、阿部寛、役所広司、二宮和也という日曜劇場主演経験者を揃えて何するつもり?と思っていたが、「これに鈴木亮平を足したら、ロイヤルストレート・フラッシュだったのに」と思っていたら、鈴木亮平は次作なんですね。

 あと、やっと中盤になって登場した松坂桃李が堺雅人の若いバディだったが、美味しい役なので、もっと売り出し中の若手を抜擢してほしかったなあ、とか思っていたのですが、終盤で松坂桃李が堺雅人を壁ドン(違う)したので、10回以上そこだけリピートした。

 そして、私の脳内で「ホヤホヤ中年の堺雅人と、年下の超嫉妬深い恋人・松坂桃李のスパイ大作戦なコメディ系なBL」が流れたので、二階堂ふみのことを完全に忘れていた(笑)

 それにしても、久々に「みんな見てる」ってドラマだったけど、モンゴル・ロケでは盛大に予算使っていたが、後半はハッキングでピコピコとか、株の先物取引でピコピコとか、露骨に低予算に抑えてあったので「上手いなあ」と笑ってしまった。

 続編いくらでも作れそうな世界観を作ったし、どうせやるなら映画化かなあ?
 1クールのドラマだけで、どれだけ採算とれているのかはちょっと気になる。


 以上、ちゃんと見ていたプライム帯を並べてみましたが、このクールの私のイチオシは深夜帯の「ウソ婚」でした(笑)
 擬似結婚モノだったけど、ラブコメとしての出来がよかったし、菊池風磨はやっぱ上手いよ。

 あと、ちょっと外したタイミングで始まったので、まだ途中の野島伸司の「何曜日に生まれたの」は、あまり世間の話題になってないけど、野島伸司がなんか実験しているというか、自分なりの「連続ドラマの作り方」を提示していて面白い。
 まあ、基本っちゃ基本なんだけど、まず主人公の今を提示してからーの、脇役たちそれぞれの「お当番回」があって、過去の真実が暴かれていって「そうだったんだ!」ってなったら、主人公を客観的に見ていたはずの人気作家が一番闇を抱えてましたデデーンっていう。「え?そういう話だったの?」

 視聴者は「主役」が誰なのかだんだんわからなくなっていくのですが、面白いのは、野島伸司が「こういうのがウケるはずなんだよね」と教科書みたいに書いてくれてる時に「VIVANT」がまさにそれを荒っぽくやっていて、「VIVANT」の前半って、フツーだったら阿部寛を主役にするのに、あえて阿部寛が追っている謎の人物である堺雅人が主演なので、視聴者は阿部寛目線で堺雅人を眺めていたわけです。

 そして後半になったら、役所広司の物語になってきたし、それと同時に立ってきたのが役所広司が育てたノコルこと二宮和也の物語でもあって、その「それぞれの物語」というか、複数の視点が提示されると、ドラマとして非常に厚みが出て面白いわけです。

 だから「VIVANT」と「何曜日に生まれたの」は同じことやっているので、その予算の違いを噛み締めながら比較すると「予算じゃないんだよな」って感慨深いけど、予算の違いは歴然なんで(笑)

 ただ、そう考えると、低予算で、こんだけ話し作れる野島伸司ってやっぱ凄いなって思いました。

 けっこう「あざとい」んだけど、「あざとい」だけでどこまで引っ張れるかの実験している感じで面白いです。


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