可燃物な日々

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3月31日(水)

 町田啓太が聖火ランナーにエントリーされていることは知っていたんだけど、「今のこの人気で大丈夫なんだろうか?」って思ったけど、辞退はしてないみたいなので「やるんか?」って心配していたら、今日走った。

 ネットで見たけど、「おお、橋の上って、沿道の応援は封じられるからよく考えたなあ」って感心したが、なんか、「もったいない」としか言えない。
 もっとも、コロナがなければ去年の今頃走っていたはずなので、その時だったら町田啓太が聖火ランナーやることなんて私も知らなかっただろう。

 だから、この時空の歪みをどう解釈すればいいのかわからないが、とにかく今は町田啓太を至近距離で拝謁できるのなら金は惜しまん、な女子がアジア圏に大量発生しているはずなので、もし、今、ふっと「コロナの無い世界」になったら、八ッ場ダムに大量集結していただろうなあって。

 そして、地元の経済効果も相当あっただろうに、ああ、もったいない。

 いや、マジで金動いてんだろうなあって思うのは、フツーはドラマや映画の宣伝のために主演俳優が雑誌に出まくるものですが、ブルーレイ発売のためのメディア取材にこんな殺到してるの初めて見た。
 あまりにも雑誌に出ているので、私はもうついていけなくなりました(笑)

 でも、次はこのタイミングでAERAの表紙とか、みんな群がるなあ。

 三茶のTSUTAYAは赤楚くん表紙の雑誌もの凄い数積んでて「度重なる売り切れ対応にとうとうブチ切れたらしい」と思った。

 というわけで、久々に私がハマったものがそこそこメジャーな扱い受けているので気分がいいのですが、それよりも、町田啓太の聖火ランナー姿が「まじ、王子?」ってくらい美しかった。
 赤いタスキを掛けたデザインの白いジャージ姿なのですが、王子様ってなんかああいうタスキみたいの掛けてますよね?

 それに、本人だかスタッフがよくわかってるらしく、髪型が黒沢仕様というか、何の役のためか最近髪伸ばしてるんだけど、分け目が黒沢。
 そして、本人もたぶん黒沢っぽく走ってる。

 30歳で自分の一番ウケる見せ方習得しちゃったまさに魔法使い。

 いやでも、私、ここまで書いておきながら、別に町田啓太にそれほど夢中なわけではないんですよ。黒沢には夢中だったけど(笑)

 佐藤健の時と似ていて「半分、青い。で、あれだけ楽しませていただいたので、課金課金」ってだけで。

 佐藤健といえば「るろうに剣士」がやっと公開されるようだが、制作が発表された頃「これにも付き合わないといけないのかな?」とは思っていた。
 「るとうに剣士」シリーズ、ちゃんと見たことなかったから。

 でも、高橋一生に釣られて大友監督の映画はけっこう見たし、なんかその流れで「るろうに剣士」も見ないといけないような気になっていたけど、私の中の佐藤健感謝週間は終わりかけていたので、その存在を忘れかけていたら、「高橋一生が出ます」って、ああああああ、やっぱなあああああああ。

 ぜったいにキープされてると思っていたよ。

 ええと、町田啓太の話でしたね。

 八ッ場ダムの橋の上を華麗にお手振りしながら走る町田啓太を見て、この品の良さというか、育ちの良さ感はピカイチだなあと思ったし(本当のお育ちは知りません)、もう、いっそ本当に皇族になっていただいたほうがよくね?

 女性皇族どうすんの?っていうのかまた話題になっていたが、女性宮家作るんだったら、町田啓太が独身の今しかなくね?

 ビジュアル的には満点でしょう。
 体格的には鈴木亮平くらいあったほうが、ブータン国王にも負けないのかもしれないけど、まず英国のヘンリー王子と並べた場合を考えると、ちょっと華奢な町田啓太のほうがフィットしそう。
 ほら、だから「花子とアン」で鈴木亮平と並んだ感じとか、「チェリまほ」で鈴之助と並んだ感じとか、劇団エグザイルで鈴木伸之と並んだ感じですよ。

 そういや、いつ出るのかわからないけど、大河ドラマで吉沢亮と並ぶんだっけ。
 「国宝級」でありながら、庶民的な役が得意な吉沢亮と、現在国宝級ランキング急上昇中で王子様みたいな役でセカンド・ブレイク中の町田啓太の共演は楽しみだ。

3月30日(火)

 有給休暇消化のため休みだったので、またこの映画見てみた。

 そうそう、映画見る前にニコタマで遅い昼食を食べたんだけど、春休みだから平日でも混んでいたのはいいとして、私くらいの年代の中年女性4人組がランチ会開いていて、ビール飲んで盛り上がっていたので「今までは、家族でお食事しか見たことなかったけど、何かが解放されている」とキョーフを感じた。

 首都圏よりも先に解放された大阪や仙台が「あー、やっぱし」っていう感じの見事な指数関数グラフを描いているけど、東京もこれだど絶対に同じ道を歩むのだろうなあ。
 やだなあ・・・・

 去年の今頃くらいだったか「規制を緩めれば感染者が増えるので、また規制して緩めてを繰り返す」みたいな学者さんの説を読んで「ああ、そうなりそう」と思っていたんだけど、やっぱそうなったらしい。

 それにしても、ほんとうにちゃんとオリンピックやるのかなあ?
 悲観論者の私には、聖火リレー始まりましたってニュースは「どこのパラレルワールドの話?」としか思えません。

●映画「まともじゃないのは君も一緒」2回目

 最初見た後、思ったようなラブコメじゃなかったので「へ?」って感じになりましたが、ネットで他人の評判をボツボツ見ていたらけっこう高評価だし、もう一回見てみることにした。

 まあ高評価なのは、成田凌と清原果耶の演技力がとにかく凄まじいからで、私もそこは評価してるんですけどね。
 ただ、その成田凌が清原果耶にそそのかされて泉里香を口説くんだけど、その二人のシーンの出来が良すぎて、なんかバランス悪いなあ、って思ったわけで。
 だから、あくまでも成田凌は、清原果耶のためを思って、あと清原果耶が主張する「あの女は、小泉孝太郎と結婚して幸せなわけがない」っていう説に乗っかってみただけだと解釈すれば、なかなか良くできたラブコメになるわけで。

 2回見て確信したが、やはりこれはラブコメじゃないね。
 成田凌もインタビューで「ジャンル不明」と言っていたが、そこを完璧に理解してしまった成田凌の働きによって、ほんと不思議な作品に仕上がったようだ。

 たぶん、一番描きたかったところは「フツーとは?」ってことで、この映画で一番ヤバいのは実は清原果耶なんだけど、そこを責めるわけでもなく、ただひたすら「フツー」の梯子を外していくような・・・

 で、薄々気がついていたんだけど、冒頭で「フツーじゃない」成田凌って、常日頃から「あり?私ってフツーじゃないの?」を繰り返してる私からすれば非常にイタいキャラである。

 あああああ、思い出してしまったではないか。
 「もっと、こうすればモテると思うよ?」と散々言われた20代の頃を!
 もっと化粧しろとか、セクシーな服着ろとか、「好き好き!って態度をとれ」とか・・・

 いや、私、モテたかったわけじゃなくて、好きな人に振り向いてもらいたかっただけなんですが・・・

 後になって気がついたのですが、私に「もっと、こうすればモテると思うよ?」と言ってくれた異性って、たぶん、私のことがけっこう好きだったんですよね。
 でも私が「バーカ、お前の趣味なんか知らんわ」って態度だったので、何も始まりませんでした。すみません。

 なので、この映画は清原果耶が成田凌に「顔もスタイルもいいんだから、もっとフツーにすればモテると思うよ?」って言った冒頭から恋が始まってるし、「それなら、君の言うフツーっていうのを教えてくれ」って成田凌が言った瞬間に恋は成就しているのですが、そこに全然フツーじゃないというか「自分のファンをホテルに連れ込む」っていう最低最悪の小泉孝太郎と、「彼がそういう人だってわかってるけど、別れるわけにはいかない」っていうよくわからない泉里香をブツけてきたので、何度も言うが、この小泉孝太郎と泉里香カップルが重すぎて、ラブコメにならないんだよなあ。

 笑えないレベルで酷いっつーか。

 でもまあ、現・朝ドラのヒロインの夫役VS次のヒロインの掛け合いは本当に素晴らしいし、清原果耶が2年後か3年後なのか、プライムタイムで本格的ラブコメに挑戦する日を楽しみにしています。

 その時には、また「透明なゆりかご」をお浚いしてギャンギャン泣きたい。


3月28日(日)

●映画「騙し絵の牙」

 この映画も、公開がずっと先送りになっていたので、けっこう延々と予告編見せられていたし、「中村倫也と宮沢氷魚が出てるのなら付き合うかあ」って感じでした。

 なんか、どんでん返しがあるような予告編だったが、そういうのじゃなかったような?

 まあ、フツーに面白かったです。
 豪華キャストだし。
 佐藤浩市と佐野史郎が対立してるってだけで見応えありました。

 あと、宮沢氷魚は登場した時点で「これはフェイクだろ」と、なんとなく先が読めてしまったのですが、意外な収穫だったのは池田エライザが、「池田エライザって本来、こういう役どころがメインになるような子だよな?」って思うほどの王道エライザで、ここまで王道なの見たことなかったので「なんで、変な役ばかりやってるのだろう?」

 またチェリまほの話で申し訳ないですが、チャリまほの町田啓太が王道すぎて「なんで今までこういう役が来なかったんだろう?」って逆に不思議に思ったのですが、そんな感じ。

 それはいいとして、この話は「斜陽産業である出版業界」がテーマなので、そこが妙にリアルで見ていて辛かった。
 佐藤浩市が推進していたプロジェクトが「もう古い」と御曹司・中村倫也がジャジャジャーンと登場して一蹴されたんだけど「あ、やっぱ、そこなのか」って、話としては「大逆転」なのかもしれないけど、「あ、やっぱ、そうなるのか」って・・・

 雑誌、好きだったんだけどなあ。
 高校生の頃も、少ないお小塚で好きな雑誌買っていたけど、大学生になってバイト代入るようになって、「流行通信」とか毎月買っていたよなあ。
 あと、あの頃は「ぴあ」も欠かさず買っていて、見たいライブとか芝居をチェックしていた。

 漫画雑誌だって、スピリッツとかモーニングは自分で買わなくても、部室に転がっていていつも回し読みしていたし、私もアンアンとか「花とゆめ」を時々買って補充していた。

 今はそういうの「サブスク」になってるんだっけ?
 でも、昭和後期の「あの頃」は、担当雑誌がなんとなく決まっていて、一人の負担は月数百円だけど、回し読みすることで、色んな雑誌が読めていたんだよなあ。

 最近、サブスク文化について語る人が目について、「サブスクによって、音楽も漫画も自由に大量に摂取できているが、サービスが終わると何も残らないのでは?」という視点に「それな!」と思った。

 ここ数年で、俳優の不祥事が起こると動画配信が消えてしまって「円盤買うのが一番強い」というかTSUTAYAのありがたみを実感したというか、それがまだ俳優の不祥事だったらしょーがない部分があるけど、例えば「キスシーンなんて全部不謹慎だ」ってことになったら、どれだけの映像作品が瞬時に消えるのかって・・・

 子供の頃から「焚書って恐ろしいな」って思っていたけど、自分ちの本棚にある本が摘発される恐怖は感じたことなかったんだけど、まさか自分が不惑の年を過ぎてから「焚書マジ恐ろしい」って思うことになるとは。

 話が逸れたが、「騙し絵の牙」は、そこそこ面白かったんだけど、「映画としの絵」が無かったのが残念だった。いや、話は面白かったんだけど、じゃあ、それを映画でやる意味は?

 たぶん私は「この絵が撮りたかったんです」っていうのに弱いんだと思う。

 話の整合性とかどーでもいーから、「絵」をください。

 そう考えると、よくある「海辺でキャッキャ」とか「自転車二人乗り」とか、「はいはい、また出ました!」って、けっこう白けた気分で見ているんだけど、ああいうシーンってやっぱ大事なんだな、って思った。
 もちろん、それが素晴らしいシーンだったら最高ですが・・・

 あと、やたらとロケ地が美しかったりね。
 話がイマイチでも、なんかいいものを見た的な満足感は残る。
 あと、電車が駅に向かってカーブしてくるとか、そんなんでも(笑)

 しかし、私は元々ラブコメ好きだったけど、「チェリまほ」に溺れてからその傾向がさらに強くなってきたのかもしれないなあ。と、「奥様は・・・」と「騙し絵の牙」と「一般向け娯楽作」を見てそう思った。

 そういう意味では、「あのこは貴族」はラブコメでも恋愛ものでも無いんだけど、登場人物の心情が丁寧に綴られていて、ロケシーンも美しく、音楽もオシャレで、そして女二人で自転車二人乗りしてるし、私の「チェリまほ基準」にとてもぴったりないい映画だった。3回見たし。


3月27日(土)

●映画「奥様は取扱注意」

 このドラマ版は、それほど好きじゃなかったんだけど、ちょうど「天国と地獄」で綾瀬はるかには十分に楽しませていただいたし、その綾瀬はるかが映画でアクション・シーンふんだんにやってくれるのなら見てみましょうか・・・あと、西島秀俊もアクションやるみたいだし・・・という程度の軽い気持ちというか、たぶん、その程度だろうから、全然期待しないというか、ハードルぐっと下げて「どーせ暇だし、映画に課金する気満々だし」という気持ちで見に行った。

 そう、去年の初夏に「給付金10万円」を手にした時に誓ったのである。「あたし、このコロナでも給料下がってないし、それどころか金の使い道なくて余ってるくらいなので10万円なんて要らないけど、この金を推しジャンルにつぎ込もう」って。
 10万円を映画代に使うとしたら、50本くらい見ないといけないので、それまで年間どれくらい映画見てるのか数えたことが無いけど、20から30くらいだと思うので「よし、倍くらい見ればいいのだな」と思って、今まではパスしていたようなのまで頑張って見ているし、だから、舞台も野球も見に行けてないし、美術館も博物館にも行ってないので、映画しか出かける場所が無いのです。

 そして映画もレイトショーやってないので、仕事かえりに映画見られなくなり、休日にわざわざ繁華街に電車乗って行くのが辛いけど、まあ、とにかく課金大事だから。

 というわけで、「たぶん、あんま趣味じゃないし、平時だったら絶対に避けるタイプの映画だが、平時じゃないので頑張りましょう」という気持ちで見たんだけど・・・・・

 久々に脳死した。

 年に一度か、2年に一度くらいこういう経験するんですよねえ。

 「あー、クソ退屈だから途中退場しちゃおうかな?つーか、早送りボタンが欲しい」って。

 近年のヒット作だと「君の名は」とか「検察側の証人」とか・・・・あ、違った。「検察側の罪人です」www

 映画版「奥様は取扱注意」のどこが脳死案件かというと、奥様が記憶喪失になっていて、前半はほんとに平穏に専業主婦業やってるからです。
 制作側も、それじゃ話が持たないとわかってるみたいで、コスプレで戦う岡田健史とか入れてきたけど、「いや、そういうの大丈夫です」と言うか、たぶん、この映画が撮影されたのは随分前なんだろうから、その当時の岡田くんの使い方としては良かったのかもしれないけど、もはやこういう扱いの子じゃないから。

 とにかく綾瀬はるかが覚醒というか、記憶が戻ってドンパチやるまでの時間が長すぎて、ほんと退屈だったんだけど、周囲の客も、ゴトンとなんか落としたり、けっこう騒々しかったので、私と同じように飽きていたんじゃないかなあ?

 そんで、やっと終盤になってドンパチしてくれたのでホっとしたけど、だからそこまでが長いんだって。

 せめて、「記憶失っていても、なんだか身体能力が高い?」みたいなことで笑いとってもらわないと。

 あー、面白い映画やドラマの感想は、けっこうあっさりなのに、つまらないの見ちゃうと愚痴が止まらないのって、ほんとヤーね。

 帰宅して、チェリまほブルーレイをまた激しくリピートした。


3月26日(金)

●「俺の家の話」最終回

 だから私は、クドカンにも長瀬にもそれほど思い入れがないので、このドラマもそれほど熱心に見ていたわけではないのだが、最終回でいきなり「主人公が死んだ?」って展開に「うわああああああああああ」って超驚いた。

 つーか、冒頭から「あれ?」って違和感があり、「なんだろう、これ?」と見守っていたら、「うわあああああ、シックスセンスだった!」
 「シックスセンス」も、最初見た時(てゆーか、一回しか見てないけど)「あれ?なんか変だな?」と違和感だらけで、「なんでこの先生は親とちゃんと話さないんだろう?」とか「なんでこの奥さんは結婚式のビデオを繰り返し見てるんだろう?」と思っていたら、子役の「僕は死んだ人が見えるんだ」ってセリフで「うわああああああ」ってネタがわかったので、わりかしネタがわかったの早い方だと思うんだけど、「俺の家の話」は、まさかそう来ると全然思ってなかったので、ほんとびっくりした。

 でも、「なんで、親を看取る話なのに、子供が死んだ話の能をやってるの?」ということには違和感を感じていた。が、「まさか、子供が死んじゃうの?」って警戒していただけで、まさか主人公が・・・

 そして、これを最後に表舞台から去るらしい長瀬智也自身にも重なるという、なんという構成。

 素晴らしすぎて、もう「何もいえねー」状態に陥った。

 そういえば、最初の頃「桐谷健太と永山絢斗ってキャラ被りじゃね?」って思っていたんだけど、それは「実は腹違いの兄弟でした」で回収されたし、「桐谷健太と永山絢斗の配役逆じゃね?」って思っていたんだけど、並んで舞うならやっぱ桐谷健太で正解だった。

 あと阿部サダヲの「潤沢」もキョーレツだったし、ムロツヨシのワンポイント出演も気が利いていた。(戸田恵梨香との恋愛モノのイメージがまだ色濃く残っているので。10年後には「なんで?」ってなるのかもしれないが)

 私はずっとクドカンの悪ふざけが苦手だったんだけど、向こうが丸くなってきたのか、私が慣れてきたのか、けっこう好きになってきたようだ。
 それに、落語という古典芸能を題材にした「タイガー&ドラゴン」の時には「三谷幸喜だったら、もっと面白かっただろうに」って思ったけど、「俺の家の話」は能とプロレスの共通点(四角い舞台だとか、マスクと能面だとか)を存分に使っての見事な落とし込み方に唸ったので、クドカン2級くらいにはなったような気がする。


3月24日(水)

●「チェリまほ」ブルーレイ到着!

 本放送が12月で終わっても、TSUTAYA TV契約していたから、スマホで激しくリピートしまくっていたが(PCでは見られなかったので)、ここ最近はやっと少し再生頻度が少なくなっていたこのタイミングで予約していたブルーレイが到着してしまった。

 録画環境が無いので、放送時にリアタイした時しか高画質で見たことがなく、何回もTVerで再生したし、その後はスマホ画面で何度も何度も何度も再生していたが、久々に高画質で見たら「ああああ、このシーンで安達が、黒沢がこんな些細な表情を!」とか新たな発見ありすぎて、それにメイキングでの町田啓太や浅香航大の「素の喋り」が当たり前だが役柄と全然違くて、あと六角役の草川くんも、素だとけっこう暗めなのね、とか見所満載すぎて、これはしばらく浮上できないの決定。


3月23日(火)

 そういえば「天国と地獄」で、何が一番嬉しかったって、「政次が死なない世界線」だったから。

 そう考えると、森下さんは今主流の「警察組織の闇」ではなく、「法治国家やるじゃん?」ってことを描いたのかもしれない。ある意味、相当な捻くれ者である。綾瀬はるかが警察学校に異動になって「教場じゃんwww」って時にも「ほんと、この人、冗談がキツいな、好き」って思ったけど。
 あと、クドカンの「11もいる」では、刑務所で下らないこと(つけ麺の美味しい食べ方?)で暴れていた高橋一生が中尾くんの挑発に乗らなかったのが「大人になったなあ」って勝手に感慨深かった。

 つーか、中尾くんがチラリと出てきた時に「これは後半で出てくるな」と思っていたんだけど、中盤で「え?こういう感じ?」って活躍してからの最終回でのあの使用法、ほんともったいなすぎて笑う。
 まあ一番もったいなかったのは田口浩正の「免許証の写真だけ出演」だったんだけど。
 あれでギャラいくらだったのか教えてほしい(笑)

 あー、その昔、ドラマのギャラ支払う仕事していたんだけど「遺影だけ」の役者にいくらくらい支払ったっけなあ?全然覚えてないや。

 そうだ、覚えているのは、そのドラマに関係してない脚本家のジジイに「遺影だけ」をお願いしたことがあって、そしたら「遺影で出ると長生きするらしいって縁起物なんだ」って快く顔貸してくれたなあ。

 さて、気分いいから愚痴書いちゃおうかな。

 金曜日の「俺の家の話」は、時間が経過して2021年の12月になった設定だったんだけど、みんなしっかりマスクしていて「ですよねえ?」って思った。
 コロナの今後の経過はよくわからないが、私みたいな一般の人が予防接種を受けられるのは夏以降になりそうだし、たぶん、今年の冬もマスク必須になるだろう。

 逆に、どのくらいの時期に「マスクいらないんじゃね?」になるのか全然予想ができない。

 てゆーか、今現在感染者数が微増していて「これ、第4波来るんじゃないの?」と、すでに仙台とかそんな感じだけど、ほんとやっかいなんですよね。
 南半球のオーストラリアとかニュージーランドはけっこう頑張って押さえ込んでいるんだけど、それでもなかなかゼロにはならない。

 希望の星が予防接種率が高いイスラエルなんだけど、それでも、東京よりはまだ全然感染者多い。
 同じく、予防接種率が高いチリとか、逆に緩んじゃったらしく、感染者数が減らないらしいし。

 なので、私は「あー、また1年はこんな感じか」と思っているのですが、会社で作った「濃厚接触者になったら、特別休暇扱いにする」っていう制度が3月末までにしていたので「延長どうしましょ?」って上にお伺いを立てたら「でも、インドの占い師が、10月で収束するって言ってるらしいじゃん」って言われて「は?・・・・・・・・」

 このコロナ禍で学んだことの一つは「みんなの正常化バイアス強すぎ」ってことで、去年も散々「日本人は感染しにくいらしいじゃん」みたいな楽観的観測と散々ブツかった。

 去年の春頃、「これはヤバい」って雰囲気になって、「会社として、ちゃんとフローを考えておこう」ということになったのです。
 新型インフルエンザの時にも「家族が海外旅行から帰ってきたんですが、私も出社しないほうがいいでしょうか?」みたいな判断に困るような相談がけっこうあったので、会社としてのガイドラインを作る必要があったのです。

 ところが、その話し合いでまず出てきたのは「厚生労働書のガイドライン」でした。

 「うちの会社で判断することではないから、これに従うしか・・・」って、ええええええ?

 いや、濃厚接触者かどうか決めるとか、発熱しててもPCR検査するのかしないとか、そーゆーのはもちろん、うちの会社で決めることじゃないから、だから、「社員が濃厚接触者になった場合、自宅待機期間の給料はどうするのか?」っていう話してるんじゃないの?

 「有給つかって休めばいいいんじゃないの?」
 「2週間も有給使わせるんですか?」

 でも、保健所から「濃厚接触者なんで2週間自宅待機」と言われた人はまだいい。

 問題なのは、「妻の職場で感染者が出て、妻は濃厚接触者ではないと保健所には判断されましたが、会社からは自宅待機を命令されました。ボクはどうすればいいでしょう?」っていうケースだ。

 あたし、あの時、法廷ドラマの弁護士みたいに、「私は同居している家族がいないのでわかりませんが、みなさん、配偶者や子供の職場で感染者が出たって場合にどうするつもりなんですか?」って、超うっざく語り倒しました。

 驚くことに、そこまで具体的に言っても、私が提案した「コロナの疑いがある社員を出勤停止にするための特別有給制度」が承認されなかったんですよね。
 やっと施行されたのが9月で、上司が「これの期限が、9月末になってるけど?」って言われた時にはブチっときて「だって、私がこの案出したの、3月だったんですよ?」

 その後、「忘年会やれそうなら、やろうよ」事件もあり、「どうしてみんなこんなに楽観的なんだろう?」って思っていたのだが、この間、3月末が期限になっていたコロナ特別休暇措置を延長しますか、どうしますか?ってお伺いを立てたら、それはあっさり承認されたんだけど、期限を来年の3月までの1年間にしたら(私は先が不明なので、もっと刻む案を出したのだが、「めんどうくさいだろ?」って言われたので1年にした)、「ただし、期間は変更になることがあります」って一文が添えられた。

 「あのー、それって、年内にコロナが収束しちゃったら、制度打ち切りになるよ、ってニュアンスですよね?」って上司に確認したら「そういうことだろうね」と言うので、「もしかして、マジにインドの占い師の言うこと信じてるんじゃないでしょうね?」って言ったら「ハハハ、アレはないよね?」って流されたので、それ以上問い詰める気にもならなかった。

 まあ、他人のことはいいや。

 この1年間、私はけっこう頑張った。

 「コロナ対策があああああ」って政府を批判している雰囲気の時にハタと気が付いたのだ。
 「私が所属する部門は、会社内での厚労省的な部門なので、社員が安心できる制度を作るべきでは?」って。

 それに上だって「そういう志を持って提案しろ」といつも言っていたので、「いい会社にするために」って意味で提案したのに、あんま評価されないの寂しかったけど、こういう時、自分の承認欲求の低さが効く。
 さらに延長案を出したら、「まあ、いい会社だって思われればいんでしょ?」みたいな嫌味なことを言われて、「なんでそんな塩対応されるの?」と唖然としたけど、まあ、通ったんだからいいです。

 たぶん、私と他の人との差は「想像力」なんだと思うんだけど・・・

 
3月22日(月)

●「天国と地獄」最終回

 視聴率20パー超えたんですって?
 まあ、昨日は天気悪かったから在宅率高かったんだろうけど、それにしても「今年一番」をゲットできてうれしいです。
 森下佳子と高橋一生の組み合わせだった「おんな城主直虎」はあまり数字が良くなかったので、「援軍を実弾で!」ってジャンジャンバリバリ・ツイートしたりNHKにメール送ったりしたからなあ。

 なので、私がなーんもしなくても世間の評判がいいので、ほんとラク。

 それに、今後、森下佳子にオリジナル脚本お願いしようという流れになると思うので、その時はそういうお調子者をしっかり地獄に落としましょうね(はーと)

 それにしても、坂元裕二脚本映画「花束みたいな・・・」が30億円超えに続き、いい傾向である。

 4月ドラマもけっこう期待できるのが揃っているので楽しみだ。

3月21日(日)

●映画「まともじゃないのは君も一緒」

 緊急事態宣言のため、仕事帰りに映画見られなくてストレスが溜まるが、解除後もやはりレイトショーは復活しないので、ほんと困ります。首都圏以外の上映スケジュール眺めては「はあ・・・羨ましい」と嘆いてます。

 というわけで、休日しか映画館に行けないから、公開されたらすぐに見にいっておかないといけないので、こういう「本来だったら、暇な平日の夜にでも見るような映画」を日曜日に見ることになってしまうわけです。
 公開直後の週末の客筋がわかって面白いんだけどさ。
 ちなみにこの映画は、カップル中心だったけど、男子高校生二人組も見かけた。

 さて、成田凌が数学トンチキ予備校教師役ということで、それなりに期待していた。

 成田凌のトンチキぶりは大変素晴らしかったし、彼に恋愛指南する清原果耶も大変良かったし・・・てゆーか、今まで成田凌も清原果耶もハズレを掴んだことないから、もう、二人で喋ってるだけで最高なんだけど、それにしても、説明セリフが多くなかったか?

 説明セリフっていうか、例えば、ターゲットにした女性と知り合うために、その女性と親しい人が経営する食器店に行くことにしたのだが、店の外で延々と作戦会議していて、「そこはフツーは店内に入ってから、ナレーションでやるのでは?」と思ってしまった。
 「コンフィデンスマンJP」だと、作戦はそういう風に演出されるよね?

 あと、成田凌が泉里香を口説く流れがフツーに素晴らしく、なんかそっちがメインになってきて、清原果耶いなくてもいいのでは?って思ってしまったり。

 でも、たぶん、この映画はフツーのことやりたくなかったんじゃないのかな。
 どうやら、フツーのラブコメを目指したのではない、ということはわかった。
 でも、せめて、成田凌が急にノリノリで泉里香を口説いていたのは、清原果耶のためだった、というあたりは、きちんと強調してほしかった、というか、たぶん、そこはちゃんとそうなってたんだろうけど、泉里香パートが重すぎてバランスが悪くなっていたように思う。

 あと、同級生の美男美女カップルも、「二人はどうして付き合ってるの?」って聞いてからの馴れ初めがすべてセリフだったので、やはりちょっとムズムズしてしまった。

 たぶん、予算が限られていたんだと思うが・・・
 だったら、あの同級生カップル入れなくても良かったんじゃ?彼氏の方は、今の朝ドラでヒロインの弟役を好演した倉悠貴で、私は見てないけどヒット中の「樹海村」にも出てるし、次の今泉監督作「街の上で」にも出演するので、ネクスト・ブレイク候補上位の子なんだけどさ。

 この話って、よくある「モテない男がモテるよう指導していたが、だんだん自分の方が好きになっていた」って話なんだけど、清原果耶の気持ちの変化を丁寧に描写しないから、「あれ?いつのまにかそうなった?」って感じだったんだよなあ。
 そういうのはちゃんと絵で見せて欲しかった。そりゃ、成田凌がお高いスーツ着たら、「あれ?」って思うけど、その前だって、教室で白衣着てたって、成田凌だったぞ?それに、最初から「あんた顔もスタイルもいいんだから、もっとフツーの性格だったらモテるよ?」って言ってたじゃん。

 そうなんですよね。この話「二人は最初から好き同士だった」ので、恋愛指南を口実に分かりにくデートしていただけなんですよね。

 二人の冒頭のやりとりで、清原果耶が「人の言うこと、そのまま繰り返さないでよ!」っていうセリフがあって、確かに成田凌はそういう話し方をしていたんだけど、それは「具体的にはどういう?」って質問していただけのように思えた。
 それに、相手の言うことを繰り返すってミラーリングってやつじゃん。

 てゆーことは、やっぱりこの話、成田凌が最初から清原果耶を落とそうとしてる話ですよね?
 「コンフィデンスマンJP」だったら、最初からお浚いで「え?そこから?」でしょうよ。

 というわけで、なんかモヤモヤするから長々と書きなぐったが、ほんとスッキリしない不思議な映画だった。
 一番面白かったのは、成田凌のキモい笑い方で、あれは最高だった。

 あ、でも、そう考えると、清原果耶の見せ場が無かったなあ。この子も結局、というかよほどフツーじゃないんだけど、でも魅力的な子である、って場面あった?
 あと、予備校(というか個別指導塾)に通う受験生なのに、あんな遊びまくってていいのか?っていうのがどうしても気になって・・・

 以上、ラブコメ好きなので、「ラブコメだと思って見に行ったら、全然違うの見せられた」ので盛大に愚痴りました。

 ちなみに終演後の他のお客さんの反応は「面白かったねえ」と上々でした。


3月19日(金)

●「西荻窪 三ツ星洋酒堂」ドラマ特区

 東京が地上波圏外だったので、TVerで見てましたが、6話で終わってしまったので、あっという間だった。

 原作漫画よりも、軽い感じのドラマだったけど、低予算の深夜ドラマにうまく落とし込んだと思う。
 そして、何よりも、チェリまほで発見された町田啓太の絵画的美貌が引き継がれたので、とてもいいクールダウンになった。

 ここまで畳み掛けておけば、しばらく「町田啓太はこういう髪型」が固定されるだろう。
 もっとロン毛にしても面白いと思うが、まあ、次はどうなるか楽しみにしています。先に大河ドラマの土方歳三が入るのかな?(それはそれで、極上のコスプレ)

 と、美しき町田啓太が堪能できたし、終盤とか「町田啓太を雨で濡らすとか反則だろ」とか思いましたが、それよりも、共演した藤原季節と森崎ウィンの知名度が上がったことが嬉しい。
 いや、二人ともけっこうな売れっ子なんだけど、一般的にはそんなに注目されることなかったので、町田啓太に吊られて来た人たちに「あら、すてき」と思ってもらえることが大事だと思うので。

 ほんと、顔と名前覚えてもらうの大事だから。
 「あのドラマの、あの役やった子」ってだけで全然違うから。

 例えば、会社の同僚は「恋つづに出てた、あの子、気になったんだよねえ」って言うから誰だ?と考えていたら「MIUにも出てた、あの髪の長い子」っていうから「ウォズだ!」ってわかったけど、そんな感じなんですよ。
 もっと驚いたのは「半沢直樹の親友の人」って言われて「ミッチー?」「ちがう、えーと、なんとかイチ」って言われて、ググって調べたら「滝藤賢一のこと?」「あ、そうそれ!」って滝藤賢一のこと説明するのに、未だに半沢直樹なのかよ・・・とか。

 俳優オタじゃない人の認識なんてそんなもんなので「菅田将暉」とか「長谷川博己」みたいになるまでは大変なんだけど、だから「西荻窪・・・」で今の町田啓太人気にちょっぴり便乗できた藤原季節は超ラッキーだったな、と。

 そういや、赤楚くんがウェイボー開設してるんだけど、誕生日にライブしてたらしいのだが、100万ビューくらいあったらしく、中国市場の桁違いぶりを見せつけられた。

 それと、もしかして前からそうだったのかもしれないが、もう、そろそろ、地上波と有料配信の立場が逆転してる?
 TVerが動画配信の宣伝だったみたいに、地上波がすでに、動画配信のCMみたいなことになってないか?

 なんか、最近「そもそも地上波で放送しない」っていうのが増えてきて、そっちの方が魅力的だったりするので。

 地デジ化になった10年前に、すでに「もう地上波の時代じゃないでしょ」と言われてきたが、ほんと、そんな感じになってきたなあ。

3月18日(木)

 町田啓太主演でドラマ化されている「西荻窪三ツ星洋酒堂」の単行本がやっと出たので、さっそく買って読んでみたのだが、雨宮くんの御曹司ぶりに「そーよ、こーゆーのよ!」と膝を打った。

 ドラマでも「運転手付き」が描写されたけど、でも、なんかフツーの車だったことが不満だったが、「あんま派手な車で乗り付けると目立つから、所有している車の中でも一番地味なのにしたのだろう」と前向きに解釈したけけど、プライムタイムのドラマだったら、きっと高級車だったはず。

 それはいいとして、原作漫画では「婚約者が子供の頃から家で同居してる」って設定になっていて、「やっぱ、そうこなくっちゃ」と思ったわけです。
 少女漫画が描く上流社会って、こういう設定けっこうあったはず。
 たぶん、なんか元ネタがあるんだろう。

 だから、やっぱし「あのこは貴族」でベイエリアのタワマンで新婚生活送ることができた主人公は相当自由にさせてもらってるのだと思うのだけど、同時に「跡継ぎの嫁」としてはあまり期待されてないという意味でもあり、なかなか難しいねえ。

3月17日(水)

 いつも番組改編期になると、TVerに過去の名作ドラマが大量にアップされるのだが、今回はちょっと異常。
 それだけ、春ドラマの出演者が豪華ってことなんだろうけど(春ドラマの主演俳優の過去作が主に上がるので)、放送中のドラマが埋もれちゃって探すの大変なのです。

 それでも、ついうっかり「ギルティ」と「わたし夫をシェアしてた」を見ちゃってるのですが・・・もろチェリまほ脳(笑)
 「ギルティ」は、放送時にも見ていて「ぎええええ、とうとう町田啓太を三浦翔平みたいにするつもりなのか?」って思っていたんだけど、蓋を開けてみたら町田啓太はずっと爽やかイケメンだったので、拍子抜けした。てっきりダブル不倫モノなのかと思っていたので。
 と、去年の春頃の私は、それなりに町田啓太好きだったんだなあ、ということがわかるドラマなのです。
 でも、あの髪型、去年も「あんま好きじゃない」って思ったんだよなあ。でも、漫画原作なので原作に寄せてるのかもしれないのだが。
 というわけで、「花子とアン」や「美女と男子」や「女子的生活」などもお浚いしてみて、「やっぱ、私、けっこう町田啓太好きだったな」ってわかるのですが、まさか、写真集とか雑誌とかを買い漁る未来が待っているとは想像もしてなかったです。

 このセカンド・ブレイクの期に、どうしても黒木華とちゃんと付き合う話やってほしい。
 (花子とアンのトラウマをなんとか昇華したい)
 コロナの影響なのか、ラブコメ最盛期になってる今こそ最大のチャンスだろう。

 これを逃すと次のチャンスが20年後の「へー、朝ドラの主人公の両親が、黒木華と町田啓太かあ・・・・・私も年取ったものだ、って、は!?こ、これは・・・」みたいなことになりそう。

 そして「旦那をシェア」は赤楚くん目当てですが、けっこうストーリー的に重要な役で出番も多いからスキップできないので見るのに時間がかかるんだけど、ドラマ自体も放送中も興味あったんだけど時間がなくて見られなかったけど、けっこう面白いのね。

 そういえば、火曜日は「ボス恋」が最終回だったけど、私にはあまり刺さらないドラマだった。
 前にも書いたと思うが、この「ボス恋」も水曜日の「うちむす」も登場人物というか恋愛軸が多すぎるんだと思う。

 でも、10時代のラブコメってこんなだったのかも・・・

 だから、私がチェリまほ脳だから、当て馬多すぎについていけないだけなんだろう。
 だって、一昔前のラブコメの王道って言ったら、男女三人づつがワチャワチャしてたし。

 そんで、「ボス恋」は「チェリまほ」がベースにしている「こんなイケメンが私のことを本当に好きなの?」って王道展開だったので、「やっぱ、こういうのをフツーに男女でやると、こうなるよなあ」って意味では非常に興味深かった。

 そんで、私が最近、深夜ドラマばかり見てしまうのは、30分という短さもあるし、予算も限られているので、登場人物がプライムタイムの半分以下なところが見やすいのかも。

 んーでも、チェリまほも、安達と黒沢のメインカップルと同時に柘植と湊も展開させていたので、それなりにボリュームあったんだけどなあ。
 結局、「ボス恋」も「うちむす」も、色んな男が出てきたけど、「あ、やっぱり私、この人が好き」っていうのが薄かったように思う。

 間宮祥太朗の2クール連続当て馬問題が一部で話題になってますが、何が一番の問題かって、2クール連続で、間宮はヒロインに全くヒットしてないんですよね。

 ちょうど北川悦吏子先生が「うちの本当の娘はアニメヲタなので、ドラマなんて見ないから、役者さんに全く興味がない」とボヤいた後で、「でも、間宮くんがうちに遊びに来た時には、いそいそとお茶を出してくれた」と書いており、「そりゃー、間宮が来たら、誰だか知らんが、近くで見たくなるでしょ。アニメ好きにもウケそうな濃い顔だし」と思ったし、「だったら、なぜ、間宮をあんな薄い扱いに?」って思ったんだけど、間宮が出ていたのは、北川悦吏子の方じゃなかった(笑)


3月15日(月)

●日曜劇場「天国と地獄」

 このドラマを熱心に見ている同僚が「高橋一生って演技上手いね」と言ったので、おもわず「ありがとうございます」と言ってしまった(笑)
 「あ、そっか、ファンだったっけ」と言われたが、何年か前、私が「高橋一生が好き」と言ったら「へー、ああいう美形が好きなんだ」と言われ「え?美形?」って困ったことを私は忘れていないが、彼女は覚えてないだろうね。

 つーわけで、推しの演技力が絶賛されててルンルンです。(死語)

 いやー、ほんと、視聴率も評判もいいと、ネガ記事が全然出てこないからほんと気分がいい。

 つーか、ネガ記事のほとんどが「お前、このドラマ見てねーだろう」な記者が書いているのがよーくわかるのだが、そういう駄記事をやはり「お前、このドラマ見てねーだろう」なオジサンが鵜呑みにするのです。

 この間も、なんでそんな話題になったのか「竹内涼真は女性問題で干されてるんだろ?」っていうオジサンがいて、「ヤフートピックスの見出ししか見てない人こええええ」と思った。
 だって、今、主演ドラマやってて、主演映画が公開されるので、それを知ってる人は「干されてる」って思うわけないじゃん。しかも、そのオジサンは、ちゃんとあのゾンビドラマ見ていて「あの小汚い無精髭が評判悪いらしいぞ?」とか言うので、「ゾンビに追われて、風呂にも入れてない設定なんだから、小綺麗なわけないじゃないですか!」と、別に竹内涼真ファンでもないのに、ビシバシ反論してしまったぜ。

 いや、ほんとにその俳優好きな人が「結婚してショック」と言うのならわかりますが、芸能ニュースの見出ししか見てないオッサンに「あの俳優は結婚して人気ガタ落ちらしいじゃん」って言われたら、「はああああ?」ってなりますよね?

 いや、ほんと、こういう「週刊誌の見出しを鵜呑みにする人」ってけっこういるみたいだから困ります。

 芸能人がどうのこうのだったら、まだいいのかもしれないけど「コロナのワクチンってけっこう副作用あるんだろ?」なんて言い出しそうだし。

 話が逸れたが、「天国と地獄」ですが、ずっと「この人が怪しいのでは?」と言われていた迫田孝也が「おや?やっぱりこの人なのか?」って感じになってきた時に「いやいや、この座組の中での迫田孝也の格を考えると、もう一捻りあるんじゃね?」って思っていたのですが、どうやら、真犯人は迫田さんで確定なのか?

 大河ドラマ「真田丸」で主人公の幼馴染家臣という重要な役をやったし、三谷幸喜ファンには知名度の高い俳優さんだけど、一般視聴者にはあまり馴染みが無いと思うので、すっごい、いい役だったなあと。高橋一生の兄で、柄本佑の師匠ですから。

 そして、まだ最終回迎えていないから、森下さんの真意はわからないけど、迫田孝也が演じる人物が「これでも自己責任なんですか?」な裏テーマを今のところ背負っているので、ほんと大抜擢である。

 そして、こんなに「最終回がどう決着するのか全く予想できない」ってドラマも珍しい。

 高橋一生ファンとしては、大事な人のために不憫に頑張る姿が「政次・・・」なので、たいへん美味しく頂いております。

 綾瀬はるかに槍ドンされてほしい。


3月14日(日)

●映画「ブレイブ 群青戦記」

 昨日も書いたけど、映画やドラマファンにはお馴染みだった、居酒屋「酔の助」の今のところ最後に出演(?)したのが「あのこは貴族」になっているが、おなじ時期にやはり閉店してしまった(あえて、こういう表現をさせていただく)三浦春馬はこれが最後なのだろうか?

 というわけで、こういう少年漫画原作のバトル物は趣味では無いのだが、三浦春馬をぶら下げられたら、見ないという選択肢はないし、他にもウォズこと渡邊圭祐や、濱田龍臣、鈴木仁とお気に入りを並べられ、主演は「なんか海外進出するって言ってるけど、怒涛の出演ラッシュで、いつ日本からいなくなるの?」っていう感じの新田真剣佑なんだもん。

 で、監督が「踊る大捜査線」で有名な本広克行なので、心のハードルをぐっと下げて見に行きました。

 予告編を何度も見ていたので「戦国時代にタイムスリップした高校生アスリートがああああ」っていうのはわかっていたので「なんか、戦国自衛隊みたいなのを予想する」と思ってましたが、予想は残念ながら当たってしまった。

 つーか、学校ごとタイムスリップしてしまうのだが、状況がよくわかってないのにいきなり雑兵みたいのに襲われて、何の罪もない高校生がグッシャグシャに殺されるホラー映画みたいな冒頭にびっくりしたよ。
 「悪の経典」の10倍は死んだぞ?

 うん、わかるんだよ、演出の意図は。
 現代とは全く価値観の違う世界に迷い込んだってことを強調したかったんだよね。

 それはいいとして、主人公である新田真剣佑が「自分に自信が無いからなのか、ちょっと冷めた男子」で、この主人公の成長物語が話の軸なんですが、国宝級美形のマッケンが「ちょい冴えない役」をやっていると、どうしても、こういう役が超得意な吉沢亮思い出しちゃって・・・

 別にマッケンがダメなわけじゃないけど、吉沢亮はやっぱ凄いんだなと思いました。別格っていうの?

 でも、吉沢亮には「体格があまり良くない」という武器があるのですが、マッケンはどうしても立ち姿が見栄えがしてしまうので、つや消し要因として鈴木伸之が配置されてた。
 鈴木伸之を横に立たせれば、もれなく、凡庸な雰囲気になりますからねえ。
 町田啓太もあのフィールドに守られていたのかもしれない。(あと、鈴木亮平からも)

 でも、やはり新田真剣佑と鈴木伸之の組み合わせって「影の実力者と、頭悪いけど身体能力だけ高い手下」みたいじゃね?

 そこは目を瞑って、前半は鈴木伸之がリーダーとして全員をまとめていて「こんなに好青年の鈴木伸之を初めて見たが、本来こういう使われ方されるべき役者なのに、なんでいつもスットコドッコイな役ばかりやってるんだろう?」と思いました。

 まあ、二番手としては王道で、鈴木伸之を失うことで、マッケンが覚醒という流れ。

 あと、鈴木仁がボクシング部というのも、超意外でしたが、あんな薄い顔して、熱血ボクサー役がんばってました。終盤まで生き残っていて、よく頑張った。

 そして、我が本命の三浦春馬ですが、今川家臣時代の徳川家康を堂々と好演。
 最近、大河ドラマに出てくる家康って、こういうイメージじゃなくて「臆病だからこそ、慎重に世渡りした」って感じなのですが、久々に「どうみても天下人」な家康だった。

 ネタバレですが、その家康があっけなく死んじゃって、マッケンがその身代わりになるって話だったんですが、「えー、三浦春馬の後継者はマッケンじゃないと思うんだけどな」っていうのは個人の感想です。

 というわけで、「あー、やっぱ趣味じゃなかった」な映画でしたが、渡邊圭祐が想定外に重要な役で、しかもラスボス的な!
 渡邊圭祐のウォズ目当てで「仮面ライダー・ジオウ」をけっこう見てたのよ。ジオウからは、奥野壮とか押田岳が売り出し中だけど、渡邊圭祐がプライムタイムのレギュラー役が続いていて、やはり一歩も十歩も抜きん出てるとは思うが、でも「ああ、渡邊圭祐も普通の人間なんだ」って感じになってしまうので、なんか少しガッカリしいたのですが、この映画では、とんでもサイコパス野郎だったので、「とにかく悪くて美しい渡邊圭祐キターーーーー!」って大喜びしました。

 後半は、マッケンと一騎打ちになり、そのシーンが妙に長かったのですが、私は「これで映画代の元はとったぜ」と大満足。

 なので、細かいことはどうでもいいのですが、あの学校、無事現代に戻って、フツーに営業(?)してたんですけど、生徒や教師が100人くらい死んでるはずなんですが、そこはどう落とし前つけたんでしょうか?

 そんで、三浦春馬の最後の出演作がこれでよかったのか・・・・でも、敵対する織田信長役が松山ケンイチだったので良しとしましょう。

 そんで、この話はウォズが一人時間遡行軍だったので「なんか刀剣男士出てきそう」と思ったし「刀剣乱舞」の次の映画まだあ?(ある意味、新田真剣佑が刀剣男士だった。国宝級だし)


3月13日(土)

●映画「あのこは貴族」3回目

 2回目はコメンタリー付きで見ていたので、実質3回目。てゆーか、「少しでもリピートしてほしい」という術中にハマっています。

 ところで、現在のシネコンはエヴァ特需で沸いているはずなので、新宿や渋谷の単館系に行くつもりでいたが、天候が悪かったのでいつものニコタマのシネコンに行ったら、案の定、ドリンク買う列がごった返していた。
 でも、思ったより若い人が多いのね。

 さて、もうあんまし細かいこと気にしないで、映像と音楽に浸ってみようと、また観てみたのですが、やっぱいい映画だわ。この心地良さというか「何度観ても、同じ気持ちになる」っていうの、去年の「his」と同じだ。
 解釈とか考察とか関係なく、ただひたすら画面の中の人の人生を垣間見ているだけ・・・という感じ。

 どちらも、今の社会が抱える問題点を描いてはいるんだけど、説教臭くないんだよね。

 そして、とても地味な話なんだけど、主人公の着てる服が超オシャレだったり(笑)
 「his」の宮沢氷魚の着こなしは「動くメンズノンノかよ」ってくらい素敵だったけど「あのこは貴族」の門脇麦のお嬢様ファッションも最高でした。特に部屋着にアニエスベーが個人的にツボだったし、別荘でのトラッド風も良かったし、高良健吾のポール・スミス感も超良かった。

 あまり興行成績良くないみたいだけど、そもそも「his」だって、最初の頃だけちょびっとシネコンで上映されていたけど、新宿武蔵野館で上映されるような映画だったしなあ。

 それはいいとして、去年のコロナの影響もあり惜しくも閉店してしまった「酔の助」が使われていたので「もしかして、酔の助が出てくる最後の映画か?」と囁かれていますが、まだコロナの影響で延期されてる映画はけっこうあると思うので、これが最後になるかどうかわかりません。

 あと、コメンタリーで、華子と幸一郎の夫婦としての最後のシーンの時に、助監督が「この雰囲気なのに、別れちゃうんですか?」って疑問を呈して、撮影がストップして話し合いになったらしい。

 それは、こんなシーンだった。
 都内をタクシーで移動していた華子は、偶然、歩道を自転車で走っている美紀を見つけて声を掛ける。
 そして、美紀のアパートに上がり、「東京で一人暮らしする人の部屋」を初めて見て、そして美紀が「今度、企業する友達の仕事手伝うんだ」ってことを知り、さらに、「上とか下とか関係なく、今日あった出来事を話せる人がいるっていいよね」と言われて、いろいろ行き詰まっていた華子にしてみれば視野が大きく変わった重要な出来事だった。

 帰宅すると、珍しく幸一郎も家にいて(政治家見習い中なので地方の選挙区に行きっぱなしだった)、華子がいないのでソファでうたた寝していた。
 そっとブランケットを掛けると幸一郎が目を覚ます。
 その傍らで「ああ、疲れた」と華子。「でも、すごく今日、楽しかったの」

 ここ、すごくいい脚本だと思うのだが、華子は「今日あった出来事を話せる人がいるっていいよね」が念頭にあるので、ついうっかりそれを口に出してしまったのだ。夫の元カノに会った話なんて、正直に話せるわけがないのに。

 そんな妻の姿を間近にして、幸一郎は「そんなに、まつ毛長かったっけ?」と言うのだ。

 すごく甘いシーンなので、若い男子の助監督が「これで別れちゃうんですか?」って疑問に思うのもよーくわかるし、「いや、こんなだから別れちゃうんだよ!」って総スカン食ってびっくりしたでしょうね。

 そんなコメンタリーや原作読んだ後だと、華子って「自分では何もやりたいことが無いけど、人の世話は得意」な子で、それこそ政治家の妻やってくれって言われれば、ちゃんと出来る子なんですよ。

 そこに気づかなかった幸一郎、ほんとアホだったな。バーカ、バーカ、バーカと思いつつも、三度見て、毎回ラストシーンでなんか泣いちゃう、不思議な映画でした。

 「窮鼠はチーズの夢を見る」の原作漫画で、「先輩は花火が似合いますね」って言ったら、先輩はまんざらでもなさそうだったのを「ほめ言葉だと思ってるんだ。馬鹿な男・・・・・好き」ってシーン、すごく好きなんですが、なんかそんな感じ。

 って、また話逸れたが、2回目鑑賞で音楽の良さが十分堪能できて良かったです。

 私は物語に集中してしまうと音楽に意識がいかなくなってしまうので、初見の時にはテーマ曲が何度も流れていることに気がつかなかったのであった。

 そして、原作も読んで、改めてこの監督の脚本力に感心したので、またこの監督の映画見てみたいと思った。

 
3月10日(水)

●映画「あのこは貴族」2回目(オーディオコメンタリー付)

 原作読んでから、もう一回見ようと思っていたら、主要キャストの女優4人と監督のオーディオコメタンタリーの評判が無茶苦茶良かったので、挑戦してみた。
 スマホにダウンロードするの、オバサンにはちょっとややこしかったけど、なんとか事前に準備して「映画館でイヤホン付けるのちょっとドキドキする」と音漏れを気にして最小音量で聞いてました。

 いや、女性5人がずっと喋りっぱなしで超楽しかったけど、ドラマもそうだけど、コメンタリー付くと本編の音がほとんど聞こえないから、全くの別物になってしまんだよね。
 でも、撮影裏話が満載で、冒頭のタクシー運転手との会話シーンは「本当のタクシー運転手さんにセリフ喋ってもらった」とか(規則上、タクシーを資格の無い人が運転できないらしい)シロート受けする話をサービス精神たっぷりに話してくれた。

 特に高良健吾が不在なのに「青木幸一郎」へのダメ出しが辛辣で、まさに欠席裁判状態(笑)
 門脇麦ちゃんは「幸一郎と一緒のシーンは、ほんと楽しくなかった」とボヤき、さらに、「(水原)希子ちゃんと幸一郎のシーンが楽しそうで悔しい」みたいなこと話していて、女優さんが「芝居をしている自分」と「自分の役柄の気持ち」を行き来しながら楽しそうに語るのをこんなに長時間聞くの初めてだったので、ほんと面白かった。
 あと、噂の「お腹が空く時間だったらしく、みんなのお腹がグーグー鳴る」っていうのも、ほんと盛大に鳴っていて、本編だったら絶対にNGなのに、一発撮りだからそのまま流してるのって凄いなあ。
 女子校ノリというのか、なんなのか・・・

 「あの頃」の男子校ノリと、ほんと対比になってて面白い。

 さて、私が映画初見で一番疑問に思ったのは「なんで主人公の家は、三女を格上の青木家に嫁がせたのか?」ってことでしたが、原作読んでもそこはよくわからなかった。
 まあ、母親は「いい縁談じゃない?」って浮れてるだけだし、父親は「義理の息子が政治家になる?」ってことにやはり浮れているだけのようだった。

 そんで、私の中では「青木家ほどの家柄なら、後継の幸一郎の婚約者なんて、それこそ子供の頃から決まっているのでは?」って思うのだが、そこも原作では特に触れられていなかった。
 それこそ、幸一郎の従兄弟が女の子ばかりなので、現当主の次男の息子である幸一郎が後継者になるというなら、ひと昔前だったら従兄弟同士で結婚したでしょう。

 だからそこは作劇上の都合ということで、いいのでしょう。

 でも、映画ではサラリとセリフで描かれていた「相続による青木家の先細り感」は原作では詳細に書かれていて、私の仮説である「だから青木家は同じ上流から嫁を迎えられなかったのかも」の裏付けになった。

 そう考えると、やっぱ令和版「細雪」なんですよねえ。
 監督もそこは意識していたみたいだし。

 で、初見の時も思ったけど、主人公の華子は確かに結婚に焦っていたけど、結婚相手を選ぶ権利は華子にあるというか、そもそも三女だし自由な立場なんですよ。

 ただ、なに不自由なく育ってしまったので、逆に不自由になってるという。

 対比になってる地方出身の美紀も、家の事情でせっかく入った一流大学を中退してしまい、水商売に流れてしまったけど、水商売のコネを使ってIT企業に就職できたので、順風満帆ではないものの、その美貌と社交性があれば何だってできるのに、上手くレールに乗れなかったことに拘ってしまう。

 その対照的な二人を二股かけていたのが、高良健吾演じる青木幸一郎なのですが、初見でも私は幸一郎目線になってしまったのですが、幸一郎バッシングで猛々しいオーディオコメンタリーで見ても、やはり、「この話は幸一郎の話だなあ」って思ってしまった。

 コメンタリーで監督だったか「高良さんが演じる幸一郎は、いい意味で隙があるよね」と言っていたけど、一見完璧な男に見えるんだけど、全然ダメなんだよね。そのさじ加減を高良健吾はかなり完璧に表現していたと思う。

 監督も「このシーン、高良さんけっこうナーバスになってたなあ」と言っていたけど、結婚後、華子を放置してしまう幸一郎だけど、時折、ちょっと甘える隙を見せるのだが、ちゃんと甘えられない微妙な「硬さ」が絶品でした、
 幸一郎が本当にデキる奴だったら、華子をテキトーに大事にしてるフリして、さっさと後継の子供産んでもらえばいいだけなのに、それができないフツーの器なんだよねえ。
 美紀みたいな「自由な庶民」に惹かれても、「住む世界が違う女」を嫁にする度量も勇気もなく(政治家の妻にするのなら美紀の方が適任なのに)、「結婚して専業主婦になるくらいしか能のない中流家庭のお嬢様」をゲットして「ステージ3はクリア」しても後が続かないという。

 嫁はゲームのアイテムではない、ということがわかってない。

 でも、高良健吾の役の気持ちになると、わからなくもないんですよ。母も姉も強い女性だったから、女は放っておいても好き勝手やるんだろう、って思ってしまうの。
 そう考えると、幸一郎の周囲の女性は、家柄も能力もあったら青木家の嫁なんて御免だし、「素敵な奥様ライフ」送りたい上流女子からも敬遠されてしまうので、美貌も才能もあったのに家の事情で挫折した美紀と、おっとりしすぎて結婚を焦ってる中流階級の華子にしか相手にされてなかったって・・・・顔は高良健吾なのに(笑)

 高良健吾も「残念なイケメン」枠を疾走中のようですが、主役よりも脇役で光るっていうか、高良健吾の背格好のほどほどぶりって、ほんと絶妙なんですよね。
 今の大河ドラマで主役の吉沢亮の横に配置されてるし。

 そういや、この映画では「主人公がお相手の親族と初顔合わせするシーン」が、和室シーンで、襖開けてからご挨拶して、立ち上がらずに手でにじりにじりと前進して末席に座るのって、作法としてああいうのがあるのは知っていたが、すごい緊張感のあるシーンで、コメンタリーでも皆んな「これ、絶対にムリー」って叫んでいた。

 しっかし、今どき、こんな状況作らないだろう、と思っていたけど、原作ではフツーにダイニングテーブルで親族も洋装だった。
 そうなんだよね、明治時代に財を築いた家ほど洋間なんだよね。東京だと。

 それをあえて、和室のシーンにしたのは映像作品としては正解だし、一般庶民のイメージする「上流家庭」っていうのが、「京都の旧家」みたいなものだということだろうし、監督の岨手由貴子が金沢在住らしいので、そっちのイメージに引っ張られてるのかもしれない。

 そういや、大河ドラマ「西郷どん」では日本家屋を西欧風に転用しているので「え?ここを土足で?」ってシーンがけっこうあったと記憶しているけど、あれは最新の時代考証なんだろうか。

 そもそも、椅子を知ってしまうと、もう、正座なんでしてられないんだよね。
 それでも庶民は、食べる部屋と寝る部屋が同じだったから、ダイニングセットなんて置けなくて、つい最近まで・・・・・私の祖父母の家には洋室なんて無かった。

 なので、広い家に住む上流階級がずっと先に「寝室にはベッド、食堂にはテーブルと椅子」って生活様式を取り入れて、今もその名残があるような気がする。

 そういえば、漫画だけど、「のだめカンタービレ」の千秋様は和室の無い家で育ったので、のだめの部屋のコタツにハマってしまったし、「高台家の人々」では、庶民の嫁が広大な屋敷に馴染めずにリビングの片隅に作ってしまった「ちゃぶ台スペース」に、なぜか家族全員が集合してしまうというシーンがあって、西原りえこが「おしゃれな豪邸を建てたのに、自分の仕事場にした和室スペースが一番落ち着くし、家族全員がそこに集まってしまう」というエピソードを思い出した。

 というわけで「あのこは貴族」は、格差を描いた話なんだろうけど、私にはあまりそういう話には思えなくて、「日本の格差って、せいぜいこんなもの」という認識を改めてしまったが、そこをちゃんと描いたという意味で、面白い映画だと思った。

 これ、海外の映画祭に出したら、「お嬢様なのにタクシーに乗ってるの?」ってツッコまれると思う。

 そういや、前に散歩してて松濤のあたりを通りがかったら、ちょうど幼稚園のお迎え時間だったらしく、「ええええ?幼稚園のお迎えにそんなオシャレしないといけないの?」って感じの、ジャケットにフリフリなブラウス着て、膝上スカートに5センチヒール履いた「丸の内のOLファッションじゃん?」なママさんたちを見かけて、「このエリアでは、こんなきちんとした格好しないと外出できないんだ」ということを瞬時に悟った。

 でもさ。

 幼稚園に自分でお迎えに行く時点で「中流」じゃん。

 いや、海外で「あの服装レベル」だったら、子供の世話は使用人の仕事ですよね。
 そして、移動はタクシーじゃなくて、運転手付きの自家用車でしょう。

 というわけで、今の日本人が思う「上流」を描いた作品として非常に興味深い映画だし、階層を描いているようで、結果としてそうなってないところが非常に面白いと思った。
 「パラサイト」を見て「韓国人はこれを描けるんだ」って感心したけど、日本人にはアレがほんとに難しいんだよね。

 もちろん「あのこは貴族」も、恵まれた人しか出てこない話ではあるのですが、「生きづらい世の中」を描いているように見えて、「ちょっと視点変えれば、私たちはこんなに自由じゃない」っていう話だと私は思いました。

 映像も音楽も役者の演技も極上だったので、次回はコメンタリー無しで、見てみたい。

3月8日(月)

 昨日は早朝出勤のイベント仕事で疲れていたので、つい愚痴っぽくなったらしい。

 しかし、自分の意見を述べると、なんか不思議な反応なんだよねえ。
 たぶん、私の話し方も悪いんだろうとは思うけど。

 なんか、責めてるみたいに受け取られるらしい。

 この話も日記に書いたか忘れたが、最近はあまり職場の具体的なこと日記には書かないようにしているんだけど、もう半年前の話だからいいや、って適当に時効扱いして書いてみるが、我が社は毎年忘年会を「ほぼ全社員」でやっているのです。

 そこそこ大規模宴会なので、場所の予約も10月くらいにしているのだが、去年の10月ごろには「忘年会どころじゃないでしょう」という雰囲気だったので、場所予約係の同僚が「今年はどうしましょう?」って関係者にメールを投げたが、その内容は「フツー、やりませんよね?」ってニュアンスだった。

 ところが、その直後に行われた役員会で「できそうだったら、やりましょう。とりあえず場所は仮予約しておいて」ってことになり、え?ええええええええ?ってなった。

 「これ、うちらが、こういう状況下でも感染予防しながら開催できるよう、あれこれ考えろって話?」になると思ったので、「そもそも強行するのには、どうしてもやりたい理由があるのだろうし、だったらそれを確認しないと優先事項がわからない」と思って、役員会の一員である専務に「どういうイメージでやろうと思ってるんですか?」って聞きに行った。

 そしたら、「いつもよりも広い会場で、席間空ければいいんじゃね?ビュッフェはダメだろうけど」って言うので、「え?それだけ?」

 いや、映画館じゃねーし、いつもみんな自由に移動してるじゃん。
 だいたい、酒の飲み方が豪快な方なのである。

 なので「いや、そもそも、大人数の飲み会というか、5人以上は控えてほしいって政府の指針が出てるのに、数十名が集合するのって無理があると思うんですが、それでも全員集合して、何か話がしたいというなら、宴会形式じゃなくてセミナー形式でやるとか?」って言ったら、「いや、別に大事な話があるわけでもない」

 だとしたら、相当制限をした宴会になるわけで、それでもやりたい理由って何かあるはずでは?

 と、私が食い下がってる後ろでは、みんなキャハハハハと笑っているのです。なんで?私、すごいマジなんですけど?

 そしたら、専務が「オレがやりたいって言ったわけではないからね!」

 なにそれ?意味がわからないんですけど?

 とりあえず、何か確たる志があって「いつも通り忘年会やりましょ」となったわけではないことは察したので、これは「上がやるって言ったから」という負のドミノ倒しだけは阻止しようと、直属の役員氏に「なんで、忘年会やろうなんて話になったんですか?」って聞いてみたら、「え?それって、そんなこと言うのは非常識だって言いたいのか?」って、なにその「お前、オレに喧嘩売ってんのか?」な防御スタイル?

 だから私は「いつもと同じに出来ないのは明確なので、それでもやりたい理由と、どういう方法でやりたいと思ってるのかイメージだけでも教えてほしい」って言ってるだけなのに、なんか一人でキャンキャン噛み付いてるみたいになってしまい、疲れた。

 後でわかったのだが、「12月に感染状況が好転したらやろうよ。とりあえず場所だけは押さえておこう」ってだけの話だったみたいです。
 だったら、そう説明してくれればいいだけだったのに、「やれたら、やろうよ」っていうニュアンスを誰も私に説明してくれなかった。

 あれですね、「なんか面白いことしましょーよ」って言われて「面白いことってなんですか?」ってマジウケしちゃったみたいな話ですよね。
 空気読めなくて申し訳ございませんでした。

 私も担当者じゃなければ、全然スルーしていたような話で、忘年会に出たくなければいくらだってズル休みできるのですが、企画担当者の一人だったので、「じゃあ、やる方向で」って言われて「はーい、承知いたしました」って言えなかったんですよ。

 今ちょうど、オリンピックに関わってる人たちはこんな気持ちなんでしょうね。

 「そう簡単に中止なんて言うなよ、もっと頑張ろうよ」とか言われても、何をどう頑張ればいいの?

 いや、そういう話じゃなくて、だから、私が役員たちに「本気でやろうとしてるんですか?」って詰め寄っていても誰も味方してくれなかったけど、偉い人がいない時に「みんなはどう思ってる?」って聞いてみると「ミヤノさんの言うことがもっともだと思うよ?」って言ってくれるんだけど、味方はしてくれないのだった。

 そもそも、上の人たちは「活発な意見交換が大事」とか言うけど、いざ意見言うと「俺が悪いわけじゃないし」って態度になるし、だからって明確なポリシー持ってやってるわけでもなさそうで、ほんと、わけわからない。
 そして下の人たちは「意見言うだけマイナス」って感じで、ひたすら「ウケるー」って面白がるフリをすることが議論に参加するマナーみたいなことになっており、どっちの気持ちにも共感できない私は本当に困る。

 そんな、50代おばさん・・・つーか、そろそろアラカンも目前だが、話題の動画「うっせえわ」を聞いて「わかりみしかない」とかマジ思ってるウザい大人に成り上がったらしい。(そっと中指を立てる)

 ちなみに会社で「あたし、マジ、パンクスなんで」と言ってみたが、誰もパンクなんて知らない。泣く。


3月7日(日)

 映画「あのこは貴族」がツボったので、「詳細は映画ではわからなかったので原作本読んでみよ」とさっそく買ってみて、「やっぱ、思った通りで映画だと短いセリフでサラっと表現されていたけど、先細りしている上流家庭と中流家庭の話だった」と、まだ途中だけど、ブランド名が羅列される小説なので「アメリカン・サイコみたい」ってけっこう楽しく読んでます。

 で、ふと、気がついてしまった。

 そういえば、自分は精神的に「中流」だと。

 偏差値60くらいなんだろう。

 たぶん、偏差値68以上が上流なんじゃないでしょうか?
 その昔、派遣で上場企業で短期で仕事した時に「うわああああ、偏差値60以下がいない会社ってこんななんだ」って新鮮な驚きでした。

 ああいう職場でずっと働いていたら、それはそれで「あたしが一番頭が悪い」ってコンプレックスと戦っていたのかもしれませんが、まあ、何度も書いているけど、今の職場は「偏差値50の世界」で、高校、大学と偏差値65の世界でヌクヌクしていたし、20代に勤めていた会社は「クリエイティブ業界で成り上がりたい」という野心を持った人が多くて、けっこう特殊な職場だったので「フツー」がなんなのか忘れていたんでしょうね。

 というわけで、30歳過ぎて転職した今の職場は、久々に「中学校時代のフツーな世界に戻った」わけです。

 偏差値55くらいの世界。

 この世界では、なぜか持論を述べると笑われます。

 これ、ほんと、未だによくわからないのですが、私が上司に逆らって「え?それはダメでしょ?」って噛み付くと手をパンパン叩いて笑われます。「超ウケるー」って感じ。

 「え?それ、私の意見に賛同してるの?それともバカにしてるの?」ってマジ顔で聞くと、さらに「アハハハハ」って笑うだけで、どっち推しだか全然わからないんですよ、私には。

 よくわからないだけど、今の30代くらいの人って「超ウケるー」っていうのが「議論に参加しているフリだけする」っていうか、自分の意見は絶対に言わないスタイルらしい。
 「間違うのを怖がる世代」と言われてますが、それはなんとなくわかるなあ。
 否定されるのを徹底的に避けてるんですよね。

 だから、私みたいな人が「それは違うと思います!」って上司に食ってかかっているのを見ていると、どっちを応援するわけでもなく「バトルが始まってしまいました!」ってことだけで「ウケるー」って笑って拍手してくれてるらしい。

 いや、こっちはプロレスの試合してるんじゃないし。

 勝ちたいわけでもなく「いや、それ、ダメなんじゃないですか?」って意見しているだけで、外野が「それはダメじゃないですよー」って言うのなら、みんなの意見も聞くつもりなのに。

3月4日(木)

●映画「あのこは貴族」

 ところで未だに「花束みたいな恋をした」が1位をキープしているのって、他に大物が投入されてないだけかもしれないけれど、すでに20億円超えって凄いなあ。
 私が見に行くような映画って、なかなか10億も超えないので。
 まあ、自分が好きな映画がリア充にもウケているのって、滅多にないことだから素直に喜んでます。

 で、この「あのこは貴族」ですが、予告編見た限りでは「お嬢様と庶民のガール・ミーツ・ガールですか」って言う以上でも以下でもない感じで、互いの不自由さと向き合うって話なんでしょうね、って感じで、それほど惹かれたわけではなかったのだが、門脇麦のお嬢様ぶりが素晴らしいと評判だったので、暇だったから見てみました。
 あと、お坊ちゃん役の高良健吾がどう料理されるのかも興味があった。(二股かけてるっぽいし)

 いい映画だった。
 すごく丁寧に計算して作られた映画って感じで、他人の感想でも小津安二郎の名前を挙げてる人がいたけど、言いたいことはなんとなくわかる。

 でも、これって、門脇麦の役って、上流なの?
 なんか、「本来の意味での中流」に見えた。

 イギリス好きなので、ジェーン・オースティンとか、ジェイムズ・アイボリーが描く中流を思い出した。
 「眺めのいい部屋」とか、中流の主人公が上流の貴公子(ダニエル・デイ・ルイス)に見初められるけど、結局反故にする話だったし、「ハワーズ・エンド」も中流と上流の結婚の話だったし、「高慢と偏見」もそうだったんじゃなかったっけ?

 そもそも医者とか弁護士って中流なんだよね。
 日本はサラリーマン家庭の中流意識が高くなってしまったので、欧米的階級社会の「中流」の意味が変わってしまったんだと思っているのだが、この映画が私が「本当の中流」だと思っているところを丁寧に映画いていたので、かなり感激した。

 てゆーか、原作読んでないからわからないけど、映画だけ見ると、かなり意図的に中流を描いているように思えた。

 主人公の華子(門脇麦)は、27歳で婚約者に逃げられ、婚活モードに入る。
 「どういう人がタイプなの?」って家族に聞かれて、「フツーの人がいい」って言うのだが「フツーの人っていうのが一番やっかいなんだよね?」のリアリティよ(笑)

 そもそも、この家族、三姉妹の三女の結婚なんて実はどーでもいーんですよね。世間体として「そろそろ嫁にいかないと」ってだけで。
 長女はもう婿養子迎えてるし、次女はバツイチだけど医者だし、ただ、父親が整形外科の院長なので、「できたら、整形外科医と結婚してくれたらラッキー」程度だったので、知人の紹介で整形外科医とお見合いするのだが、医者である次女が「見合いする医師なんて闇物件しかないよ」的なことを言っていたが、想定をジワジワと上回る闇物件でした、

 で、そこでたっぷり「フツーがいいって言ってんのに、フツーって何?どこにいるのフツーの人?」と溜め込んだところで、ジャジャジャーンと「フツーに素敵なレストランで、フツーに相談しながらメニュー選んでくれる高良健吾」という、全然フツーじゃないのが現れて、めっちゃ笑った。

 そうそう、これがフツーってもんですよ。文句あっか!

 主人公が面食いだというシーンもあって・・・そうそう、この映画が素晴らしかったのは、モノローグが一切なくて、芝居だけで「心境」を紡いでいったところです。
 いや、モノローグが無ければいいという言うわけではなくて、ただ、こういう割と淡々とした話にモノローグ付けちゃうと朗読劇になってしまうから、モノローグ無しが面白かった。

 逆に「花束みたいな・・・」は朗読劇的な面白さがあったわけだし。

 そっか、そういう意味でも「花束・・・」とこの映画は面白い対比になってるわけだ。

 「花束・・・」は趣味が一致して恋に落ちたわけだが、「あのこは貴族」は生活レベルが一緒というのが大事だったわけで。

 ところが、高良健吾はずっと上の階層というか、だから本当の「上流」だったんです。

 だから、そこ、見終わった後、すごく違和感があって、華子の家は上流社会へのコネクションを必要としてないみたいだったので、フツーは自由な立場の三女をそんな家に嫁がせないでしょう。
 そりゃ、紹介した義兄(長女の婿養子)はそんなこと知らなくて、ただ「会社の顧問弁護士事務所の若手弁護士で、そこそこお育ちが良さそう」ってだけだったのかもしれないが、ちょっと調べればわかることだし。

 なので、ちょっと深読みすると、長女の婿養子(山中崇)が、自分の地位を守るために、三女を超セレブ家庭に追い出そうとしたのかな・・・って思ってしまうのですが、そういうキャラでもなかったんですよねえ。

 で、イケメンだし上品だし優しいし、すっかりラブラブの主人公華子は、だんだんと自分が嫁ぐ家が、自分の家より格上であり、夫が政治家である伯父の後継だということを知るのです。

 たぶん、この映画は多くの女性が共感できて・・・っていう作りなんでしょうけど、私はなんでか知らんが、高良健吾目線になってしまった。

 高良健吾が「貴族」じゃないですか。

 でも、映画では描かれてないけど、こいつも散々、中流の女に逃げられてるんだろうな。
 つーか、こっちこそ、上流の嫁をゲットしろよ、と思うのですが、政治家地盤はキープしているものの、事業は親戚が継いでいて、微妙に斜陽している家なので、上流からは敬遠されてるんでしょうね。

 それでも家の存続が一番大事であると刷り込まれているので、「格下だけど、嫁としては最上」である華子と婚約するんだけど、セフレになってる水原希子との関係も大事なの、わかります。

 で、その高良健吾を通して、中流の門脇麦と、庶民の水原希子が出会うんだけど、それを仲介する石橋静河が押し付けがましくなくナチュラルで、お嬢様育ちだけど自分の力で生きていこうとしてる女性をすごく淡々とやっていて、石橋静河本人の「七光り度」と「でも実力あるから引く手数多なんだよなあ」って言う、虚構とリアルの融合がツボでした。

 原作がどうだか知りませんが、映画のラストは、離婚してしまったけど、門脇麦も高良健吾もまだ互いのことが好きっていう、素敵なラストシーンでした。
 まあ、「好き」だけでは上手くいかないって話でもあったけど。

 弟の嫁の実家が「地方都市の名士」みたいな家柄で、弟夫婦の結婚式で、ビシっと着物着て挨拶して回る「長男の嫁」がねえ、「好きな男と結婚できるなら、覚悟を決めました」って感じで可愛かったのよ。
 老舗旅館の若女将もあんな感じなんだろうけど、そういう意味でも、この映画の高良健吾は水原希子の方を嫁にするべきだったのに、「世間体のいい両家の子女でおっとりした門脇麦」を選んじゃうあたりが地味にダメというか、門脇麦を大事に思ってるから、政治家活動から遠ざけて失敗してるあたりがねえ?

 でも、ちょっとドキっとしたのは高良健吾が門脇麦に「まつげ長いんだ」って言ったシーンで、また「チェリまほ」の世界にマッハで戻されました。

 ほんと、金魚鉢の中みたいな「何不自由ない暮らしをしている華子」の世界と、地方出身の優等生だったけど、経済的事情で大学を中退して、「あたし、何しに東京に出てきたんだっけ?」という美紀が没落しかかってる貴族階級の青木に二股かけられれたことがきっかけで一瞬だけ出会うという、なかなか面白い切り口の映画でした。
 そして、それぞれが家の事情に振り回されて、というか上流の青木も中流の華子も「こうあるべき」と洗脳されて育ってしまったんだけど、跡取りの青木は仕方がないとしても、華子は元々何にも縛られてないのに、あんま頭が良くないから、上にも下にも行けなくてファンタジーな「フツー」に拘っていたわけで、「フツーの幸せってなんですか?」って問いただされてる気がして、ほんと面白かった。

 こんな地味な映画、当たらないんだろうけど、さ。



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