可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました


7月31(金)

●ドラマ「竜の道」

 コロナ禍で、4月期のドラマが中断したり、延期したりしてボコボコになっていて、感想書く気分になれなかったが、やっと大本命だった「竜の道」が放送されました。すでに、クランクアップしたようで安心して見られます。

 それにしても、やはりドラマの撮影はけっこう影響受けているように思える。
 しばらく「過去の名作」ばかり見ていたので、その影響もあるんだろうけど、それにしても、ちょっと全体的に雑になっているように思う。

 でも、しょーがないよなあ。
 前と同じようには出来ないからねえ。そう考えると、けっこう頑張ってるように思えるし、演出的な制限が多いから、脚本のいいドラマのほうがコロナの影響が少ないような気がする。

 で、この玉木宏と高橋一生が双子の兄弟で復讐モノっていうのも、どういうテイストなのか直前までわからなかったのだが、番宣的には「ハードボイルド?」って感じだったんだけど、初回の冒頭で顔がボコボコで血反吐を吐く高橋一生が投入され、心の中の「政次」のウチワが立ち上がりました。

 ほほほほ、高橋一生は血を吐いてナンボでしょう。

 というわけで「このドラマの作者とは気が合うな」と思っていたら、タマキングが整形してブラジルに行って戻ってきて・・・・って「モンテ・クリスト伯」やんか!

 いや、ディーン様の最高傑作「モンテ・クリスト伯」は整形してないのに、かつての友人たちが全然それに気がつかないことをツッコまれていて「いや、そういう話じゃないから」ってことになっていたのですが、「竜の道」はちゃんと整形してるんで安心(?)

 いや、ツッコミどころ満載なんだけど、「あ、トンチキ枠なんだ」ってわかったので、科学的根拠とか、もはや、どーでもいー。焼死体の入れ替わりとか、今だとありえないんだけど(「アンナチュラル」でも学習したんだけど)、そんなのどーでもいーわけです。

 大事なのは、「玉木宏と高橋一生が復讐しようとしているのは遠藤憲一」ってところで、エンケンさんも久々の超悪役を楽しんでる感じがするが、それよりも、エンケンさんの妻が斉藤由貴、息子が細田善彦、娘が松本まりかって、最強デッキじゃないですか。
 松本まりかが高橋一生をロックオンって・・・超漲る。

 玉木宏の有能な部下には奈緒ちゃんが配置されてるし、これだけのキャスティングにカンテレのトンチキ魂がフル注入したら相当期待できますが、どうなるんでしょうね?

 ドラマの内容とは離れるが、番宣のインタビューで高橋一生が「妹役の松本穂香ちゃんが、なかなか喋ってくれなくて、やっと心を開いてくれたと思ったら、クランクアップでした」みたいなコメントを寄せていたが、「松本穂香は、(東出くんと不倫騒動になった)唐田えりかと同じ事務所で、共演俳優を超警戒中なところに、過去に何度も共演女優に手を出したオメーを超警戒してんだよ!」と思ったと、日記には書いておこう。


7月29(水)

●映画「劇場」

 コロナ禍がなければ、私にとって「肝試し案件」な映画だった。

 苦手な行定監督作だからである。
 「有村架純ちゃんが濡れ場頑張ったらしい」と聞いて「ナラタージュ」みて玉砕。
 そして、「吉沢亮スタンプラリー」で「リバーズ・エッジ」観て、また玉砕。

 さらに「若かりし頃の高橋一生が出てるから」ってDVDレンタルで「世界の中心で、愛をさけぶ」を観て・・・「この原作小説、どこで泣けるのかさっぱりわからなかったが、映画化されたのをみても、見所がさっぱりわからん」と頭を抱えた。

 こういう、圧倒的に相性の悪い作家というのは、けっこういるもので、たとえば岩井俊二とかは「予告編だけで、もう無理」と思って、全く見たことがないし、村上春樹の長編も読んだことがない。(そもそも邦画あまり見なかったし)

 こういうのは、食べ物の好き嫌いと同じで、「生の魚嫌いだったら、無理して寿司屋に行かなくてもいい」ってことだろう。昔、エビが苦手な友人がいて、ある時、得意先のお偉いさんが「エビが苦手?じゃあ、これだったら?」って高級寿司店に連れていってくれて、そこで「これなら、どうだ!」って出されたエビは食べられたんだけど、「特別に美味しいというわけでもなく、あんな値段だったら、その金で、もっと好きなものをいっぱい食べたかった」

 そんで、「劇場」ですが、又吉直樹の小説の映画化で、監督が行定勲で、山崎賢人と松岡茉優ですよ。ううう、コロナがなければ、すでに「窮鼠はチーズの夢を見る」っていう大倉忠義と成田凌のBLモノっていう踏み絵も用意されていたのですが・・・

 でも、コロナがなければ、フツーにシネコンでやっていたわけで、それは「ナラタージュ」や「リバーズ・エッジ」もそうだったんだけど、あれも、そんなに客入ってなかったし、でも「ナラタージュ」は松潤が出ていたので、興行的にはヒット作扱いだったんだっけ?

 「劇場」がコロナ禍で、世が世なら200館上映だったはずが、「ユーロスペースとかで全国20館上映だけど、ネット配信でやります」っていうのは、新しい試みだったみたいですが、「そもそも、こういう規模の映画」の今後を示したのかもしれない。

 政令指定都市でしか上映されない映画に、アクセス困難なお客さんを掘り起こせるのかもしれない。

 「劇場」はそういう事情があったのと、奇しくも「舞台の幕が長らく閉じている」という時期に公開されたことで、業界内でも注目度が高く、映画界や演劇界やその他のクリエーターの方々が「刺さる」と高評価を呟いていた。
 売れない劇作家がヒモ状態だけど、プライドだけは高くて・・・っていう設定は、今ではちゃんとその道で食えてる人たちも多少なりとも見に覚えがあるし、自分はそれほどでもなくても「こんな知り合い、いっぱいいた」のでしょう。

 そして、山崎賢人と松岡茉優の演技も大絶賛の嵐だった。
 私も「役者好き」として「このカップリングは是非見たい」んだけど、行定監督かあ・・・不安・・・という状態で見に行きました。
 週末の渋谷に行く勇気なかったし、ユーロスペースみたいな小さなハコじゃ満席必須だったので、平日の割引日ではない日を狙って行ったら、案の定、そんなに混んでなかった。まあ、ユーロライブを開けてるからなんだけど。
 未来の自分への覚書。ユーロライブは座席数が比較的多いが、画面は大きくないので、3列目くらいでOK。

 で、映画の感想ですが・・・・

 うーん、ダメってほどでもないけど、そもそも楽しい話じゃないんですよね。
 ただ、下北沢でけっこうロケしているので(スズナリ周辺とか特に)「あー、私がよく歩いているところを山崎賢人と松岡茉優が!」っていうあたりは堪能した。

 ただ、イマイチよくわからなかったポイントとしては「時間の流れがわからなかった」
 二人が同棲している部屋がずっと同じだし、二人のビジュアルにもあまり変化がなかったので、松岡茉優のセリフの「私、もう27だよ」っていうで、二人が出会ってから7年以上経過していることがわかった。

 松岡茉優は最初のころ、ミシンで課題を制作していたから服飾専門学校に通っていたんだけど、しばらくしたら、学校に行かなくなり、ただ生活費を稼ぐフリーターになって7年とか、そんな感じだったのかな?

 あと、一番わからなかったのは、「彼女は彼のどこが好きだったのか?」だった。
 そりゃ、顔は山崎賢人だし・・・で、いいのだが、雰囲気的にもかなり汚しているので、「山崎賢人だからしゃーねーな」って感じでもなかったのだ。
 だから「山崎賢人だからしゃーねーな」をほぼ封印した山崎賢人は凄いと思うんだけど、「だったら、山崎賢人にする意味なくね?」と捻くれ者の私は思ってしまった。

 まあ、ああいう役を美男じゃない役者にやらせると、ホラーになっちゃうしなあ(笑)

 なので、山崎賢人の演技は堪能したけど、私だったら池松壮亮とか菅田将暉だなあ・・・って、それ「セツウツミ」や!
 でも、それじゃドンピシャすぎて逆に白けるかも。

 ああでも、そうだ「ナラタージュ」の時も「これ、松潤じゃ美男すぎるじゃん」って思ったのだ。
 しかも撮影時期が嵐のツアーの合間だったらしいので、ビジュアルが落とせなかったようで、輝くばかりの松潤が地味な教師役をやっているので、けっこう頑張ってツヤ消ししていたけど、なんか物語の意図とは違う方向になっていたように思う。

 あと、よくわからなかったのは伊藤沙莉の役で、主人公・永田の劇団員だったが、永田の無茶苦茶ぶりについていけなくて退団したが、しばらくして演劇関係のライターになり、自分では受けきれない仕事を永田に回すようになるのだが、それって伊藤沙莉も山崎賢人のこと好きなんじゃ?って思うんだけど、そういうそぶりが全く感じられなかった。
 そういえば、山崎賢人の高校時代からの親友で一緒に劇団立ち上げた寛一郎(三國連太郎の孫です)の描写も薄かったなあ。

 ああ、そっか、この映画はあくまでも「永田」の視点で描かれているので、永田は伊藤沙莉にも寛一郎も、あまり興味が無いって描写なんだろう。
 山崎賢人がいない場面での松岡茉優の描写もほとんどなかったし。

 ギリギリの精神状態でなんとか生きていた山崎賢人の前に松岡茉優っていう女神が現れてしまい、それだけを支えに、てゆーか、彼女をジワジワと時間をかけて吸い尽くして生きながらえた、っていう話なんだろう。

 その閉塞感が私には楽しめなかったのだが、それは私がホラー映画が苦手だということと同じようなことなんだろう。

 あとね、これも意図的なんだろうけど、恋愛映画なのに、性愛描写が全くなかったんですよ。
 二人が同じベッドで寝ているシーンはいっぱいあるのに、全くエロくないのが逆に凄かった。
 映画見てる最中にも思ったんだけど「まるで演劇みたいだな」って。

 そしたら、やはりそういう結末だったので、「うーん」ってなった。

 こういう「演劇みたいな映画」に時々出会うけど、「だったら、演劇でやればいいじゃん」って、いつも思ってしまう。
 そういえば、去年見たケラの「ドクターホフマンのサナトリウム」っていう舞台は、「2時間の映画を舞台で再現・・・というか、2時間長回し1カットの映画だ!」って凄い感激して2回見てしまったが、私はああいうのが見たい。

 って、悪口ばかり書いてしまったが、8月中旬までユーロスペースでやってるみたいなので、時間があれば、もう一回チャレンジしたい。原作も読んでみようかな。(「影裏」パターン)

 あと、主人公・永田が初めて見た小劇団の芝居って場面で出てきたのが、奥田洋平だったのは、個人的に最高に盛り上がった。
 奥田洋平、一度舞台で見てみたくて、2018年のスズナリでやっと見られたんだけど、映像作品よりも生のほうが断然よかったから。
 「イキウメ」の浜田信也と並ぶ「この人、私と同じ空間で呼吸してるんですか?」って感じが堪らんかった。

7月27(月)

●映画「コンフィデンスマンJP プリンセス篇」

 テレビシリーズも、映画一作目も大好きで、この新作が公開されるのを楽しみにしていたのに、コロナの影響で延期になり、公開直前にジェシーこと三浦春馬の訃報があり、「ちゃんと楽しめるのかな」って不安があったのですが・・・楽しかった!

 正直、話としては前作の「ロマンス篇」の方が好きだったけど、「前作が大ヒットしたので、惜しみなく予算を使います」って感じが、このコロナ禍において「2時間の夢を買う」というか「2時間だけ現実を忘れる」という意味では本当に素敵だった。

 もうさ、長澤まさみがハイブランドの衣装着て歩いているだけで泣けるわけですよ。長澤まさみ信者としては。

 そこにさ。朝ドラ「エール」でお茶の間の人気者になった古川雄大が「母は英国人のハーフなので、青いカラコン入ってます」で、ほぼ英語セリフってどんだけ?

 さらに、ジェシー三浦春馬は予告編の時点ですでに面白かったが、長澤まさみとのダンスシーンはブルーレイ特典映像で2時間くらいやってもらいたいくらいだ。
 ネタバレになるが、今回ジェシーは渋々ダー子たちに協力することになり、難しいミッションをあっさり成功させ、ボクちゃんから「さすがジェシー」と棒読みで絶賛されるのである。

 ああ、ほんともったいない。このシリーズがまた映画化されるのなら、次回作でも絶対に出てくるキャラだったのに・・・
 ボクちゃんに恋愛詐欺指南するジェシーとか見たかった。

 そして、何よりも、「三浦春馬が出てくるだけで泣きそう」だと思っていたのに、出てきたら、そんなこと忘れてゲラゲラ笑っていられたのが、ほんと最高だった。
 ありがとう、三浦春馬。
 スクリーンの中で生きている君を見るために、また映画館に行くよ。

 ちなみにこの映画、カメオ出演的に出てきたデビ夫人が、一番美味しいとこ持っていきます。

 まあ、そういうとこ、2作目らしいっちゃ、らしいけど、悪ノリは悪ノリでしたね。
 ただ、本筋じゃないところで悪ノリ三昧なんだけど、テレビ版を含めて、シリーズ最高の「人情物」だったのでは?
 コンフィデンスマン・シリーズの好きなところが、「悪者にも、それぞれ抱えているものがある」っていうところで、善悪二元論じゃないところなんですよね。
 そう考えると、テレビ版と映画版通して「絶対的な悪役」だった江口洋介が今作では「憎さ余って可愛さ100倍」というか、ダー子たちを殺しておいて、ちょっと泣いちゃってるあたりに「次回作があるとしたら、なぜか全員で江口洋介を助ける」って感じもアリだったのかもしれない。

 それは置いておいて、今作は「偽物が本物になる」って話だったのは意外だったが、それを選んだのが柴田恭兵だったので、なんだか納得しちゃったけど、予算があるから、ああいう役を柴田恭兵にやってもらえたわけで、やっぱし、お金大事。

 一つだけ文句言わせていただけるのなら、あの役を古川雄大にしたのなら、彼にもぜひ、華麗なダンスシーンを披露してほしかった。それこそ、三浦春馬と張り合うくらいの。

7月26(日)

●映画「今日から俺は」

 平日の夜に映画見ると、この前みたいにボッチ鑑賞になってしまいそうだったので、あえて、週末のシネコンに行ってみました。
 平日の通勤時は電車内で会話している人が少ないんだけど、週末に電車乗ると大声で喋ってる家族(高齢者)が多くて、「やっぱこの連休中が潮目になるな」って思いましたけど、とにかく映画には課金したかったので・・・つーか、2月の高橋一生主演舞台のチケットをとるために東宝のアカウント登録したので、ポツポツと「舞台中止で払い戻しのお知らせ」も届くようになり、「大手の舞台もこの状況じゃ難しいな」ってため息しか出ない。

 それに比べると映画は「今更、出演者に感染者出たって、撮影は1年前だし」ということで、映画館内で感染しなければいいだけの話。
 だから、この間も書いたけど、シネコンは「今日から俺は」で劇場をフル回転させた。
 なので、一週目で「大ヒットスタート」になったわけだが、2周目の「あんまし流行らない郊外のシネコン」で、私が目撃したのは「小学生のお友達」でした。

 いや、映画館のロビーに大量に小学生がいるので「あれ?ドラえもんはまだ先だろう?」って思ったのですが、あいつら全員「今日から俺は」の客でした。
 小学生が見にくる映画の何が強いって、「親が同伴」ですよねー。

 6人くらい引率している当番ママもいたし、中学生の姉と小学生の妹を映画館でリリースして「じゃあまたね」って手を振っている「2時間の自由時間をゲットしたママ」もいたけど、一番多かったのは「幼児の付き添いのパパ」でした。

 私も幼女の頃、何度か父と一緒に映画見てて、今考えると「下の子の世話は期待できないから、とにかく、上の子の世話だけでもやって」ってことだったんでしょうけど、わたし、今でも覚えているのは、すっごく泣ける映画で、自分もけっこう泣いていたのが、ふと横にいる父を見たら、超ボロボロに泣いていて、「ああ、この人、あんまし感情表現しない人だけど、こんな風に泣いたりするんだなあ」って、今となってはいい思い出です。

 さて「今日から俺は」ですが、私は賀来賢人ファンなので渋々見てましたが、「ツッパリ物を今更?」って思っていたし、福田雄一テイストにもノれませんでしたが、「若者に大人気」っていうのはわかってましたが、「小学生にもバカ受け」(あえて昭和な表現をしてみました)って聞いて「え?そうなの?」って驚いていたのですが、映画館のこの客層見たら、「もはや、クレヨンしんちゃん的なものなんだな」と納得。

 だって、他には中学生のグループがいたくらいで、高校生や大学生の客いなかったんだもん。そういうハイティーン以上はもっと都心の映画館に行ったのかもしれないけど。
 そんで、キッズたちは、飛び蹴りや「うんこ!」でバカ受けしていたのである。
 映画の出来がどうのこうの、っていう以前に「こんなに子供達の笑い声で満たされた空間にいられて、超幸せです」って思った。

 ただ、キッズたち、後半でけっこうダレていたので、こういう客層なんだから、もうちょっと短い方が良かったと思う。佐藤二朗の見せ場を少しでも削ってさ・・・

 でも、私が一番ウケたのは、ムロツヨシ率いる「教師たちのシーン」で、ムロツヨシとシソンヌによる、かなり高度なシュールな掛け合いだったんだけど、そこに我が推し猪塚健太(イケメン教師役)が必死に食らいついて、カスタネット叩くのを「ガンバ」(だから昭和の言葉で・・・)って手に汗握って見ていた。

 ええ、猪塚君は多分、賀来賢人のバーターなんでしょうけどね。(アミューズ)

 でも、この間、「勇者ヨシヒコ」の傑作選がTVerにあがっていたので、暇だったから見ていたのだが「ヨシヒコがアイドルになる」ってエピソードで、同じアイドルグループで踊っていたので、それなりに福田組なんですよ。
 「斉木楠雄のΨ難」にも出ていたし(そっちはたぶん吉沢亮のバーター)。
 どっちかというと舞台で活躍している役者さんなので、一般的知名度は低いけど、映画「娼年」とドラマ「ポルノグラファー」はホント面白かったからなあ、というわけで応援しているのです。

 あと、この映画版「今日から俺は」では、今までもドラマで不気味系悪役をこなしていた栄信に「フランケンゴリラ」っていう、しょーもないけどわかりやすい肩書きを与えてくれたことが、後になって効いてくるかもしれない。
 ただ、その分、柳楽優弥が光らなかったかなあ?
 つーか、後半になって鈴木伸之と磯村勇斗がいきなり乱入してきて、豪華は豪華なんだけど、詰め込みすぎというか、ハイローみたいな感じになってきて、何を見ているのかわからなくなってきたのだが、まあ、別にテーマのある話でもないからなあ。

 あとテレビ版の時には「国宝級イケメンの伊藤健太郎が・・・」って思ったのだが、映画館で見たら、長ランがまるでデビッド・ボウイの衣装みたいに美しく、それで変な踊りを踊りながら駆け抜けていくシーンが超美しくて、福田雄一監督が伊藤健太郎のことどう思ってるのかわからないけど、どう撮られようと、あんだけ美しい伊藤健太郎はやっぱ未来の大スターなんだと思った。


7月25(土)

 検査したら陰性だったけど、仕事で何回か会った人が感染しちゃったから、またしばらくお会い出来ません、と親に電話したら、「この間、妹氏が久々に来たが、庭で立ち話して帰った」とのこと。
 おお、ちゃんとしてるなあ、って感心してたら、親のパソコンが調子悪くなったのでIT担当の弟氏が来てくれたらしい。

 弟は「オレはずっと在宅勤務だから(腐っても大手企業のIT部門)、大丈夫だ」と豪語していたらしいが、親曰く「あの子は外に出てないかもしれないけど、中学生と高校生の娘たちは学校に行ってるんだから・・・」
 まあ、それで、母に似てお喋りな弟だから、パソコン入れ替え作業中も食事中もベッラベラ喋っていて、作業が長引いたので泊まっていって、夜もテレビ見ながらベッラベラ喋っていたので「さすがに心配になった」らしい。

 こういうのって、ほんと、人によって温度差違うからなあ。

 いや、今回、近場で感染者が出て、けっこうパニック状態になってる人がいたので、「今後、もっと近いところで感染者出たら、もっと凄いことになりそう」と、ちょっと予習できてよかった。
 そして、パニック状態とは別で、「感染リスクの警戒レベルが高い人たち」がいることにも気がついた。

 だから、うちの会社には保健所から濃厚接触者に指定された社員はいなかったのだが、「一瞬でも同じ空間にいた」って人でも、その配偶者が医療従事者だった場合、即座に自宅待機になったらしい。
 あとで聞いたのだが、「医療従事者の配偶者」は、コロナ対応している病院の医師なので、そんな過剰反応になったみたいだ。つーか、コロナ対応している医療機関の逼迫ぶりを垣間見た心地である。

 今後、この程度で、そんな対応してたら立ち行かなくなると思うのだが、一度出たくらいのところの方が過敏になるみたいで、少し前に「子供が通っていた小学校で、児童の親が感染した」って事態になり、児童が検査して陰性の結果が出るまで学校が休校になったので(学校全体じゃなくてクラス単位だったかも)、今回のうちの会社付近での感染騒動でも、その人は子供の課外活動を速攻中止させていた。(学校を早退させることはしなかったが、その後の部活動や塾に行かせなかった)

 あー、やっぱ、こういう感じになるんだ、と思ったので、緊急時代宣言前にも上司に提案していた「コロナ特別休暇制度、やっぱやりましょうよ」と言ったら、「提案書作って」と言われたので、さっそく作ったが、さーて、どうなることでしょう?

 「政府は無策だ!」って毎日テレビの中の人がガナってるけど、「待てよ?休業補償だったら、私でも出来るぞ」と思っていて、「体調悪い人は休みましょう」って要請するんじゃなくて、「体調悪い人は休んでください。有給休暇にするんで」っていうのが「政策」ってヤツでしょ?

 でも、これも世間と同じ流れになるのだが、「そうなるとズル休みする人が出てくる」とか言うのですが、「ズルでも休める人がいたら、会社来ないでもらえたら、感染リスク下がるじゃないんですか」

 これから、こういう「配偶者の職場や子供の学校で感染者が出たが、うちの家族は濃厚接触者ではないけど、出社してもいいですか?」みたいな相談いっぱい上がってくると思うので「心配だったら、休めば?」もしくは「こっちが気にするから休んで」って、ジャンジャカ有給休暇カード切ろうよ。って話。

 で、私が思うに「コロナ休暇制度あります」って言うと、意外とみんなそれを温存すると思うのだ。
 「本当の濃厚接触者になって2週間の自宅待機になった時にはこれが使えますよ」って提示しておけば、「家族の職場で感染者出たけど、家族は濃厚接触者ではなかった」って時は「有給で自粛します」ってなるだろう。

 って、緊急事態宣言下でも、「これは、申請した人が得するという制度じゃなくて、会社がちゃんと対策してますっていうのをアピールする制度なんです」って飛沫飛ばしまくって力説してたんだけど、全然真面目に聞いてもらえねー。

 そして、私には全然意味がわからないのだが、なぜか会社の空気清浄機が増えていて、ガーガー稼働してるんだが、「あのお、換気した方が」って言ったら、マジ怖いメンチ切られて、「先の戦争で、バケツリレーで焼夷弾対策」に苦言を呈した人の気持ちがよーーーーーくわかった。


7月24(金)

 仕事関係で感染者が出て、私もその人とは軽く接触があったけど、会話した時間や距離を考えると「あんなんで感染するなら、感染防止策なんて無意味だろう」って思ったけど、でも、絶対に感染してないとも言えず、でも、保健所の判断は当然「うちの会社には濃厚接触者なし」でした。そりゃそうだろう。

 だが、うちの会社の偉い人も、感染者と接触があったので、付き合いのある病院に依頼して「少しでも接触のあった社員」に簡易検査受けさせた。
 私もそのメンバーに選ばれて唾液を検体するPCR検査受けて、今日その結果が出たのだが、全員陰性だった。

 まあ、あの検査の精度がどのくらいのもんか怪しいが、「陰性」って言われると、やはりホっとする。
 やっと「コンフィデンスマンJP」が公開されたが、「映画館に行くのも自粛しないといけないかしら・・・てゆーか、もし陽性になったら、見られないじゃん」って悲観していたのだが、別に発熱しているわけじゃないし、これからも慎重に映画館に行こう。

 夏休みだっていうのに、アメリカがまだ状況改善していないので、ハリウッド映画がほぼ公開延期になってしまったが、「今日から俺は」と「コンフィデンスマンJP」の客足が、かなり好調なので、これで少しでも映画業界が潤うとまでは言えないけど、当座の運転資金になればいいなあ。

 さて、私も一応「陰性」だったが、横浜流星の舞台やドラマの共演者やスタッフに陽性者が出なかったようで、運が良かったのか、それだけ対策を講じていたのかわからないけど、とりあえず、良かった。

 そして私は、けっこうバリバリに三浦春馬の訃報を引きずっており、ユーチューブで「在りし日の・・・」って動画ばかり見てしまう。
 いや、正直、「好きな顔」ではないのだが、何年か前に会社に納品される「ホットペッパー」みたいな広報誌の表紙が三浦春馬だったことがあり、私はその頃、三浦春馬をよく知らなかったので「この、物凄い綺麗な子、誰?」って会社の若い女子に聞いたら「ミウラハルマくんですよー」って教えてもらって「これが、三浦春馬か!」ってやっと認識した。

 最近の「これが吉沢亮か!」とか「これが横浜流星か!」と同じ流れ。

 えーと、何が言いたいかというと、この間、ぼんやり考えていたんだけど、もし、今、目の前に神様が現れて「コロナでパンデミックしてない世界と、三浦春馬が生きてる世界のどっちかに転生させてあげる」って言われたら、けっこう悩むけど、三浦春馬がいる世界選ぶなあ。

 そうだ、これ書くの忘れたが、この最中に「ビワハヤヒデ」の訃報も届いて、「うわー、ビワハヤヒデとか超懐かしい、つーか競走馬で30歳で老衰とか珍しいのでは?」って思ったけど、三浦春馬30歳の若すぎる死と、競走馬ビワハヤヒデが30歳で大往生が並ぶと、不謹慎ながら苦笑してしまった。

 そして、なんでビワハヤヒデのことよく覚えていたのか考えたんだけど、「芦毛」だったんですね。
 オグリキャップ以降、芦毛の馬が好きで、私が最も好きだった芦毛の馬は「ケリー・バッグ」です。

 うん、天国に一緒に旅立つ、ビワハヤヒデと三浦春馬って、いい感じじゃないか。
 いや、三浦春馬だったら、もっと凄い馬を与えてもいいんだけど、ビワハヤヒデを選ぶあたりが、三浦春馬らしい感じがして、私はそれでいいと思った。


7月22(水)

 うぎゃーーーー、横浜流星がコロナ陽性ですって!

 舞台の稽古で濃厚接触者が伊藤健太郎とか、うわー、私が予想していたよりも最悪の事態に。

 舞台の東京好演は中止になったけど、「横浜流星と伊藤健太郎の舞台」なんて、チケット取るの大変だったろうに、ファンの皆様のご落胆はどれほどのことでしょう。

 あー、やっぱ、こういうことがあるから、演劇は厳しいなあ。
 シアター・モリエールの件があるから、かなり過敏になってることもあるだろうし。
 東宝とか劇団四季の「スタッフに感染者が出たから中止」っていうのは、過剰な自粛行為とも言えるが、こうして主演に感染者が出ちゃうとねえ、どーしよーもないねえ。

 まあ、今までも冬の時期に「出演者がインフルエンザで」なんてことあったから、しょーがないんだけど、そういう場合、公演中止の金銭的なリスクって誰が負担するんだろうか?
 保険?

 そういう保険って、けっこう高いんだよね。
 うちの会社もイベントやることがあるから、「天災で中止になった時の保険」をかけることあるけど、「うわ、こんな高いの」ってびっくりするけど、なんかあったら物凄い損失が出るので、「利益を相当圧迫するなあ」って思っても、ちゃんと保険かけておかないと。あと、「イベント会場でお客さんが怪我した時」の保障とかも。

 しかし、主演級に感染者出ると、ほんとショックが大きいが、横浜流星は売れっ子だから、ドラマの撮影も進んでおり、共演は浜辺美波って・・・高杉真宙や山崎育三郎もいるし、オレの岡部たかしも!

 だから、売れっ子俳優は、あちこち掛け持ちしているので、例えば山崎育三郎に感染が拡大したら、朝ドラ「エール」にも影響が出るだろうし、それこそ帝劇にも影響ありまくりだし、ほんと壮大な芋づる式大会が開催されてしまうではないか。

 って、横浜流星の心配をしていたら、なんと、初めて自分の身近で感染者出てしまった・・・


7月20(月)

●映画「MOTHER マザー」

 長澤まさみのシモベなので、「あー、こんな映画見たくないが、コンフィデンスマンの前に見ておかなくては」と映画館で見てきました。

 私はラブコメが一番好きなので、こういう「底辺の人々をリアルに」っていうのが苦手なのです。
 だから、カンヌとアカデミー賞を総なめにした「パラサイト」も、いい映画だとは思いましたが、好きな映画ベスト100には入らないし、「万引き家族」もそうだし、そもそも是枝作品では「誰も知らない」は記憶に残る名作ではあるが「好き」ではない。

 つーか、子役が不幸な役を達者に演じるのを見て、心から楽しめないのである。

 「誰も知らない」の柳楽優弥はほんとうに素晴らしかったが、演技が素晴らしかったから余計に「ちょっとなあ」って映画だった。
 そして「誰も知らない」は、男に走って子供を放棄してしまう母親をYOUが好演してて、結果、残された子供たちは悲惨な目にあったのだけど(現代版、ほたるの墓)、「邪魔ならいっそ、公的機関に丸投げしてください」っていうのが「MOTHER」であった。

 育児放棄と毒親のどっちがマシかという、「ウンコ味のカレー」みたいな話である。

 しっかし、この母親は、「顔が長澤まさみという以外、なにひとついいところがない」という最低の女で、私は実生活で、ここまで酷い人に会ったことがないのだが「実話」を元にしている映画なので、これでもまだ映画的な許容範囲として描いているのかね?

 事実はどうだか知らんが、映画内では木野花の母親や土村芳の妹役はフツーの人として描かれているので、家庭環境に問題があるようにも見えなかったのだが、そっち視点だと「家庭内に突如出現したサイコパスをどうすりゃいいのだ?」って話だ。
 とにかく、金をせびりに来る。怖い。
 まともに働いたことがないし、働く気もないのだが、金に困ると幼い息子を使って集金させる。怖い。

 そんで、一番怖いのは、この女は、野生の勘が鋭く、自分に気のある男は瞬時に察知するのだが、「長澤まさみのルックスなんだから、高級娼婦になる手段アリアリなのに、なんで手近の底辺男に秋波送る?」ってところであろう。ズル賢いくせに、圧倒的に頭悪いのって絶望的。

 そんな底辺から這い上がってきたのが「コンフィデンスマンJP」のダー子だとしたら、「MOTHER」は「こんな頭悪そうな阿部サダヲがイマドキ、逆に新鮮」っていうくらいの阿部サダヲに純愛(なのか?)を捧げる長澤まさみって・・・

 フツーだと、多少は道場の余地もあるような描き方するんだろうけど、そういうのがほぼなかった。
 最大限、この人寄りに解釈してみると「愛情に飢えているのに、愛し方を知らないから、常に他人を試してしまうんだろうなあ」って感じだろうか?

 まあ、そんな安っぽいレベルではないのだが・・・

 そして息子への執着が凄まじく、福祉の手が差し伸べられても、絶対に息子を手放さないのである。
 息子の方も「もしかしたら、母と離れた方がいいのでは?」って思うこともあったが、土壇場でやはり逃げられない。まあ、劇中でもセリフになっていたけど「共依存」の最悪なサンプル。

 そして、実話を元にしているからネタバレではないと思うが、母が息子に「実家で金せびって来い。ダメなら、ジジババ殺して金奪って来い」と命令して、実際に息子が祖父母を惨殺したという結末なのである。
 母親としては「殺すつもりで徹底的に脅して来い」くらいの気持ちで言ったのかもしれないが、息子が逮捕されると「私はそんなことは言っていない。それに、証拠なんてないでしょ?」ってバッくれて、強盗罪で懲役5年だから、もう刑務所出てるんですね。
 で、息子の方は懲役15年って、あれ?少年法は?

 というわけで、大変胸糞悪い映画だったが、上半身は脱がないけど太ももだけで濡れ場を演じる長澤まさみの太ももは本当に素晴らしかった。
 そして腐臭を放つ食虫植物のように男をひきつける感じも。

 少年を演じた奥平大兼は新人らしいが、容姿が菅田将暉系で、今後が楽しみです。

 以上。って感じだが、この映画を見て「よかった」と思う点は、よく「行政は何やってんだ?」ってニュースになるじゃないですか。児童相談所がなぜ保護できなかったのかって。
 でも、日本の制度上、強制執行ができないのなら、こういう結末になることもしょーがないんだよな、ってあらためて思う。
 そして、少年の立場で考えてみると、取り返しのつかない罪を犯してしまったが、そのことによりやっと警察が介入できて司法の手で、「毒親から逃れることができた」とも言える。
 児童虐待が「子供の死」で終わることを考えれば、これはまだマシなケースなのではないか?

 日本はまだまだ「子供は親の所有物」という感じなんだけど、少子化の時代なんだし、子供は貴重な国の宝なんだから、公共物として、もっとちゃんと守れる仕組みができるといいなあ。
 それこそ、動物園だと、育児放棄した親がいたら、飼育員さんが子供守って替わりに育てるのに、人間だと簡単にそれができないのは「やはり子供は、母親が育てるべき」っていう思い込みが強いのだろう。

 なので「こんな母性はいらない」という意味では、とてもいい映画でした。


7月19(日)

●映画「のぼる小寺さん」

 予告編には何度か接していたが、あまり積極的に見たいような作品には思えなくて、でも、伊藤健太郎と鈴木仁が出ているので「暇だったら」と思っていたら、私の観察範囲では非常に評判が良かったので、「三浦春馬の訃報で動揺しているし、心のケアとして、どう予想しても、いい話だろうから」って見に行きました。

 つーか、日曜日に渋谷なんかに行きたくないが、近場だと新宿と渋谷でしかやってないんです。

 久々に渋谷に出たが、例の宮下公園の再開発商業施設がオープン目前だというのはテレビで知っていたが、「うわー、こんな規模なんだ」と、コロナなければ「みんな、また渋谷にすごいの出来たよ!」って大集合だったんだろうなあ。

 そんで「のぼる小寺さん」なんですが、渋谷ヒューマントラストシネマではすでに、初回9時半に大きい劇場で上映しているけど、その後が午後2時の小さい劇場で、本来なら60席あるのですが、コロナ・シフトで半分の30席になってるので、私は昼前にチケット買ってから、昼食食べて、付近を散歩して戻ってきたら満席になっていた。
 たぶん、あちこちで評判いいので、それなりに集客しているのだろう。
 なんか、年齢層高いのだが、新聞でいい評が出たとか?

 これ、私は全然知らない子なんだけど、主演が工藤遥という元モー娘で、その相手役が伊藤健太郎なんだから、ターゲットは10代女子とハロプロ・ヲタなんじゃないの?
 一組みだけ「小学生幼女先輩と、そのお父さん」がいて、渋谷ヒューマントラストシネマで小学生見たの初めてだったので、「これは、本来、シネコンにかかるような映画なんじゃないの?」と思った。

 さて、映画の内容は、「ボルダリングに熱中する、ちょっと天然な女子高生・小寺さんのこと気になってしまう級友たちの群像劇」なんだけど、ちょwwwww、国宝級イケメンの伊藤健太郎も、現在ゼクシィCMの花婿役でメンズノンノ・モデルの鈴木仁が「クラスに馴染めない陰キャラ」ってwwwwww

 さらに、子役から一度引退したけど、また復活して、その高い演技力には定評のある吉川愛が「学校サボりがちなギャル」っていうのも手堅いキャスティングだ。
 プライムタイムでも十分通用するこのキャストで、なんで、こんな地味な映画作っていて、地味に「30人で満席」な小さい劇場で上映しているの?

 まあ、地味なんですよ。
 正直、あまりにも淡々と進むので中盤でちょっと眠くなってしまった。

 特に何も起こらない話だし。

 雰囲気的には、私がすごく好きだった「殺さない彼と死なない彼女」みたいな、高校生の淡々とした日常が描かれていて、その中でも、恋愛とか友情の機微があり、先のことなんてわからないけど、それなりに皆、自分の立ち位置というか「ゆっくりだけど、だんだん地に足がついてくる」って感じの映画なんだけど、「殺さない彼と死なない彼女」は、そうは言ってもけっこう劇的な展開多かったのだが、「小寺さん」はほんと最後まで淡々としていた。

 そういえば、登場人物の家庭環境の描写がほとんどなかったなあ。親とか出てこなかったし。
 「自分は何がしたいのか?」という自問すらしない高校生4人が、ただひたすら上に登る小寺さんが気になって見ていたら、「自分も、今やりたいこと、今できることをやればいいんだ」ってことに気がつくだけ・・・という話。

 で、それだけじゃ、さすがに地味すぎるので、「どちらかというとイジめられっ子」な男子を鈴木仁、「なにごとにも醒めているので、他人をバカにしているように見えてしまうらしい」男子を伊藤健太郎が演じていて、彼らがちょっとづつカッコよくなっていくのを「贅沢だ」とニヤニヤしながら眺めている時間がとても心地よかった。

 どなたかが呟いていたが、少し前は、こういう学園モノはスクールカーストが主題になることが多かったけど、小寺さんみたいに、スクールカーストは全く描かないのが最近の流行りになってる感じがする。
 空気読まない運動というか、小寺さんはほんとマイペースなんだけど、接した相手にネガティブなことを全く言わないし、心から「それ、いいね」と思ったことだけを発言するので、見ていてとても気持ちがいいのだが、「これがフツーだろう」という気にもなる。

 「世の中、これでいいじゃん」と思うのだが、それがなかなか難しいんだけど、でも、本当はとても簡単なことなんだよなあ。
 とは、思うけど、クラスメートに伊藤健太郎がいるわけないので、やはりこれは日常を描いているようで、相当なファンタジーなんだけど、「でも、なんか、こういう同級生いたような気がするなあ」って、自分の都合のいいように過去を美化できたりするので、この映画に惹かれた中高年の口コミで細々と上映期間が伸びるタイプの映画だと思う。


7月18(土)

 ソフトウエアのアップデートをかけてから散歩に出かけたのだが、帰宅して確認したら途中でエラーになっていたので、また挑戦していたので、パソコンが使えず、珍しく夕方のニュースを見ていた。

 そしたら、「俳優の三浦春馬さんが」って写真が出てきたので、一瞬「?????」となったが、たぶん、0、1秒くらいの中で「え、まさかの不祥事?いや、そうだ、コロナに感染したんだ!」と考えたんだと思うが、「・・・亡くなりました」って続いて、久々にテレビに向かって「え?」って声出たよ。

 そういえば、最近はこういうニュースはほとんどネットで第一報を知るから、テレビニュースで「え?」ってなることがほとんどなかったんだよなあ。

 そして、この訃報に接した多くのドラマや映画ファンがそうなったと思うんだけど、いわゆる「脳がバグる」っていうか、文章は理解してるんだけど内容が頭に入ってこないというか、甘いお菓子だと思って口にしたら、しょっぱかった時に味がわからなくなる、みたいなことになった。

 そして、やっと「意味がわかった」時に、久々で脳内にLEMONが流れた。♪夢ならばどれほど良かったでしょう・・・
 緊急事態宣言が下りた時、毎日家から出ると、脳内に流れていたLEMONが。

 いやあ、ショックというよりも、「あまりにもイメージとかけ離れているので、現実として受け入れがたい」って感じですねえ。新井浩文が婦女暴行(婉曲表現)やらかした時には「あまりにもイメージ通りなのヤメれ」って思ったけど。(そういう役をけっこうやっているので)

 それにしても、ついこの間、9月ドラマで「松岡茉優主演、相手役は三浦春馬で、共演は三浦翔平」って発表されて、「ミウラミウラキター!」って盛り上がっていたのに・・・
 そんで、コンフィデンスマンJPもやっと来週公開になるので、今日は前作を地上波放送するのに?

 やっぱ、これ、超悪趣味な番宣なんじゃないの?
 そもそも「コンフィデンスマンJP」が「全部嘘でしたー」って話だし、もはや電通が巨悪になっている現在において、このくらいの悪趣味プロモーションやっても、もう驚かないよ。まあ炎上するだろうけど。

 つーか、「コンフィデンスマンJP」は東出くんが不倫騒動やらかしたので、このコロナ禍がなければ、宣伝活動に相当支障をきたしたと思うが、アンジャッシュ渡部が「本当のゲスい不倫をお見せしましょう。しかも妻の美人度はトップクラス」っていうのを投下したため、世間的には東出くんの不倫騒動は遠い過去の話になっているようだ。
 あと小手伸也も不倫騒動起こしているが、あれは元々どーでもよかったらしい。

 で、本来なら5月に公開する予定だったのが、コロナで延期になって、「下手すると来年になるのかなあ?」と思っていたら、7月下旬に公開することになり、とても楽しみにしていたら、三浦春馬の訃報って・・・

 映画「コンフィデンスマンJP」での三浦春馬の役って「ルックス最上級の上流向け恋愛詐欺師」という超美味しい役で、ほんと面白いし、大好きなのに、もう出てくるだけで泣いちゃうじゃん!

 さて、私はかねてから「クスリで一発退場するくらいなら、いっそ死んでくれ」と言ってましたが、不祥事で消えると過去作も抹殺されるので「まだ死んだほうがマシ」なんですよね。
 だから、フジテレビも夕方の訃報を受けても、テロップ入れただけで放送した。

 覚悟はしていたんだけど、冒頭で長澤まさみと三浦春馬の「ニューヨーク恋物語」なコッテコテのプロモーションビデオみたいのが出てきた瞬間、どわああああああああって泣いた。
 いや、これ、笑うところだから。三浦春馬がなんぜ裸で陶芸教えてるんだとか、なんで窓辺で銃の打ち方教えてるんだとか、「舞台がニューヨークなので、ニューヨークを舞台にした有名映画をパクりました」って「ゴースト」とか「レオン」の名シーンを意味不明にやってるだけなんですよ。

 さらに後半になると、竹内結子と三浦春馬の「ローマの休日」再現ドラマも出てくるし、ああああああああ。

 三浦春馬の身長って、ほんと高過ぎず低過ぎずで、160センチ越えの比較的高身長な女優さんにすごくマッチするし、かといって155センチくらいの比較的小柄な女優さんも子供みたいに見せない、ほんと使い勝手良かったなあって。

 あのサイズ感が欲しかった同業者はいっぱいいると思うんですよ。
 同じアミューズだったら、佐藤健にしても吉沢亮にしても、長澤まさみの相手役は難しい。

 それを最大限に生かしたのが「おんな城主直虎」で、輝くばかりの美勢年である三浦春馬と比べると、高橋一生は華奢で小柄な陰キャラで、三浦春馬は1年続く大河ドラマなのに、3月くらいで死んじゃうのですが、死んでもなお物語の太陽として存在していて、「三浦春馬さすがです」って思った。

 って、私は実は、三浦春馬が出てるドラマをちゃんと見たのが「おんな城主直虎」だったんですが、あれで初めて「うわー、ただ顔がいいだけじゃないんだ」とよーくわかったし、その後「オトナ高校」で童貞エリート役をやって、「顔は三浦春馬だが、たしかにコイツはモテない」っていう説得力が凄まじく、「三浦春馬おもしろーい」と楽しんでいたのです。

 ミュージカル俳優としても評価高かったのですが、「オトナ高校」の短いオープニング映像でも「あ、この子が踊るの見たいわ」と思った。
 両手をフワっと上げる振り付けに「ふわっ?」ってなったのって、三浦春馬と、最近だと古川雄大くらいですね。

 だから、私の最近の「目標」には「三浦春馬の舞台を見る」が入ってました。
 人気舞台のチケットって、ほんとよくわかなくて苦戦しているのですが、2月後半に高橋一生主演の舞台を当日券で見ることが出来て、ひとつ学んだ。「平日のマチネを狙うと、けっこうイケる」
 日生劇場は、その高橋一生主演舞台の次が三浦春馬のミュージカルだったので「よし、これはイケそうだ」って挑戦する気満々だったのに、コロナのバカあああああああ!

 コンフィデンスマンJPに話を戻すと、映画館で2回見た映画だが、こうしてテレビでまた見直すと、三浦春馬登場シーンがほんと多いし、人気キャラだったから、新作にも登場するわけで、「悪い三浦春馬」の代表作なんだろうし、30代になる三浦春馬の可能性は無限大であることを予感させる作品だと思うので、それがこんな形で有限になるとは夢にも思わなかった。

 というわけで、訃報からしばらくしてからの私の感想は「もったいない」の一言に尽きる。

 あんな完璧に美しいものが、もう動かないなんて・・・・

 もちろん、あの肢体も笑顔も、ただ持って生まれただけではなく、自らの体を使った精巧な彫刻であることはわかっているけど、その努力がわかるからこそ「もったいない」としか言えない。

 不謹慎を承知で書くが、死ぬつもりだったのなら、私と1日だけでも体を入れ替えて欲しかった。

 私が三浦春馬になって、青山通りをスキップしながら、あの笑顔振りまいて、通りすがりの人たちを発狂させたかった。
 そして、私が「中の人」になった三浦春馬は精神病院に送られて、私の「中の人」になった三浦春馬は「こんな小太りに耐えられない」って真面目にダイエットしてくれて・・・・

 冗談は置いておいて、「また芸能界で大物の犠牲者が出るかも」と前に書いたが、三浦春馬も、もしかしたらコロナの犠牲者なのかもしれないなあ。
 芸能人は緊急事態宣言下で、一般人よりもかなり強力に自粛していたと思う。
 それに、ドラマや映画の撮影もストップしていたので、売れっ子ほど「こんなに休んだの初めて」って感じで、自宅で体型維持とかに勤めていたのではないだろうか。

 そして、飲み会や会食も自粛になると、ストレス発散もできないし、実家にも帰れないので、独身の人はホント孤独になる。
 それが長く続いた後に、「はーい、再開です」っていうのに順応できない人はけっこう多いだろう。

 うちの会社で「息子が発熱してPCR検査受けたけど陰性だった」って人も、「ずっと学校が休校でリモート授業だったのが、やっと再開したら、微熱が続いて」って話だった。慣れない電車通学とか、慣れない学校での集団生活がストレスになってるんだろうね?

 たぶん、多くの人がそういうストレス抱えていて、「緊急事態宣言終わって、フツーに仕事が再開したけど、また感染者増えてて、自己責任みたいなことになってるけど、どーすればいーの?」って戸惑ってるのだと思うし、「これだけ感染者が増えたら、いつ自分も感染するかわかない」という不安を抱えているのと思うが、もやは自分だけの努力だけではどうしようもないという無力感でホント「どうすりゃいいんだ?」って感じなので、メンタルやられるよなあ、って思う。

 緊急事態宣言下では、毎日、会社と自宅の往復だけで、「あれ?私ってなんのために生きてるのだろう?」って思ったし、このまま、こんな生活が続いたら死にたくなりそうだって思ったけど、続々と再放送される過去の名作ドラマが心の支えだったので、そういうエンタメには感謝しているし、だからこそ、エンタメの世界で光り輝いていた俳優の悲報に自分でもびっくりするくらい心が痛む。


7月17(金)

●映画「私がモテてどうすんだ」

 この映画、先週末から公開されて、まだ1週目だから港北のシネコンでは一番大きい劇場で上映していたのだが、平日のレイトショーとはいえ、300人収容の大劇場で、「ぼっち鑑賞」だったの初めてだよ!
 「なんて、贅沢なホームシアター状態」って思ったけど、かなり寂しかったです。

 まあ、あそこのシネコンは全体的に客が入らないのでヤバいのだが、会社帰りに寄れる貴重なシネコンなので、頑張ってほしい。
 そして、今日からいよいよ「今日から俺は!」が公開で、人気テレビドラマの映画化なので、各シネコンが劇場3つづつフル回転なのが泣ける。
 かつてのスターウォーズの第1週目みたいなことに・・・

 いや、泣けるのは「座席が半分しか使えないから」こうなってるっていうのがわかるから・・・
 そして、家族連れやカップル客が見込める人気作だから、映画館が「一人でも多くのお客さんを」という気持ちが伝わる上映回数だし、「ここで少しでも稼いでおかないと後が無い」って感じなので泣けるのです。

 話が逸れた。
 「私がモテてどうすんだ」は、「これ、大丈夫なのか?」と良識ある映画ファンに心配されていた作品だった。
 ぽっちゃり体型腐女子の富田望生ちゃんが、激やせしたら(好きなアニメの推しキャラが劇中で死んだため)、美少女になり、今まで「おかず」にしていたイケメンから熱烈アタックされるという話なのだ。

 この映画を見る前に職場で「こういう映画を見るつもり」と説明したら、「え?富田望生ちゃん、超可愛いじゃん?」って言われて、「私もそう思うけど」としか、言いようがなかった。
 それでも、先に見た人たちの感想では「奇跡的にギリギリセーフ」ということだったので、何がセーフだったのか確認しに行ったのである。

 この映画はエグザイル映画なんだが、ハイローでも富田望生はヒロインを担当していて、「さすが、エグザイルは大手だけあって、よくわかっているな」って感心したのだが、この「わたモテ」はハイローというよりも王子が大渋滞なプリレジェの系譜みたいだが、非常によく出来てました。

 まず、富田望生が圧倒的に可愛い。
 そんで、腐女子演技が圧倒的に上手い。

 最近、腐女子モノけっこうあって、今、再放送している「腐女子うっかりゲイに告る」とかコロナの影響を受けてしまった福田雄一作品の「ヲタクに恋は難しい」とか、それぞれ面白かったし、腐女子役の女優も大変素晴らしかったが、「あれも富田望生でやったら・・・」と想像するとブッチギリのハイレベルだ。

 「わたモテ」は、痩せて美人になった主人公(だけど、主演はエグザイル村の吉野北人なんだけど)が、リバウンドして富田望生に戻るのだが、「また痩せてキレいになる!」ってダイエット頑張るのだが、そのご褒美が「イケメンたちがBL絡みを再現してくれる」っていうので「え?2キロ痩せたら、壁ドンしてくれるの?じゃあ、さらに3キロ痩せたら?」ってニンジン作戦になるところでは、大きい劇場のたった一人の客だったのに、声出して笑った。

 これ、ラブコメとして斬新なのは、「イケメンが私に壁ドンしてくれる」じゃなくて「イケメン同士で絡んでくれる」のを性癖としているところで、イケメン同士が絡んでくれると、マジ尊いのですが、そのイケメンたちに「ボクと付き合ってよ」と言われても困るわけです。

 わかるー(笑)

 昔、遊び仲間だった年下男子で、今で言うところの横浜流星みたいな小柄だけどピリリと美少年みたいな子がいて、私が知り合った頃はもう20歳過ぎていたので、その美貌は衰えかけていたけど、「オレ、高校生の頃、別のクラスの女子に急に告白されて・・・」って話をしてくれたのですが、その告白というが「●●くんは一生、女の子と付き合わないでください!」だったらしい。

 わかるー(笑)

 これ、わかる人にはわかるんだけど、わからない人には全く理解不能らしい。

 だから逆にエグザイル村が、なぜこんな話を映画化したのか、謎である。
 まあ、吉野北人を売り出したかったのだとすると、合点がいくが。
 主演の吉野北人だけが、主人公が太ってても痩せてても気にしないキャラだったので、「エグザイル王国はそういう国ですよ」ってアピールだとしたら、それは十分伝わった。

 でも、あんま集客してないような気もするが、エグザイル王国は、すでに年内のライブは全て中止にしたくらい、企業としてちゃんとしているところだし、財政的にも比較的余裕があるのだろうし、こんなご時世の中、地味にポリコレ的にギリギリセーフな姿勢見せておくのもいいのかもしれない。

 でも、私はやっぱり、富田望生ちゃんが、富田望生のまま「モテまくり」の話が見たい。
 それをやってくれるのは、きっとエグザイル王国なんだろうと、期待してます。

 王子が富田望生ちゃんに大渋滞!超見たい!



 蛇足だが、私はエグザイル王国に疎いので、恋愛映画の2番手男子に「知らない子」が出てくるとかなり高い確率でエブザイル系だったりする。
 そして、エグザイル王国と顔の趣味が合わないらしく、全然顔が覚えられないのだ。ハイローも主演の顔が覚えられなかった。
 私がエグザイル王国で好きなのは、長年、町田啓太だけだったが、最近になってさすがにガンちゃんはわかるようになった。ガンちゃん主演映画を「音楽が上野耕路」だからと見に行って「こんだけメジャー配給されてる映画で、主演俳優のこと全く知らないって逆に凄い」って感心したのも懐かしい。

 でも、今回で吉野北人はたぶん覚えた。
 まあ、かなり作り込んだ役だったので、違うビジュアルで出てきたら、わからないのかもしれないが。

 あと、仁科役で出てきた中山咲月がボーイッシュで超素敵だった。女子校の王子様だ。後で調べたら、今やってるカメンライダーゼロワンの「亡」だった。

7月16(木)

 シアターモリエールの感染者が島根で出たということを知り「やっぱ、イベント再開はこういうことがあるからなあ」と思っていたんだけそ、そしたら、川崎市の看護師も感染していたというニュースが飛び込んできて、「5日間通っていた」って書かれていた。

 えー、勤務していた病院が職員の感染を公表するのは当然だが、「舞台クラスター」だと発表する必要あるの?
 そんなところで個人情報晒されて、社会的制裁を受けるのなら、みんな感染経路をますます言わなくなるよ?

 それよりも、舞台ファンとしては「どういう状況でこれだけの感染者が出たのか」っていうメカニズムを知りたいのだ。
 感染した観客の職業など、どうでもいい。
 丁度、宝塚とか四季だとか歌舞伎だとか業界大手が再開するタイミングでもあるし、小劇場はすでに再開しているので「こういう状態だとダメなのでは?」という検証をしっかりやってほしい。

 もはや、人体実験のフェーズだと思うので、失敗はちゃんと共有しないと。

 いや、もう、そういう問題じゃないのかもしれないなあ。
 「感染対策がきちんと出来ていたかどうか」ではなくて「たまたま感染者がいたかどうか」というサイコロ状態なんだと思う。
 うちの会社では幸いにもまだ感染者出ていないが、この間、初めて「家族が発熱してPCR検査受けたが陰性だった」って社員がいたけど、もし陽性だったら大騒ぎだったろう。
 でも、今のところ、「会社内で集団感染」っていうのをほとんど聞かないのが救いか。あっても、オフィス内で感染したというよりも、「飲み会」が原因になってるようだし。

 しかし、飲食店も辛いよね。
 緊急事態宣言下でも、なんとか耐えていたけど、いざ再開してみたら、今度は本当の意味での「自粛」に晒させるのだから。もう、休業補償もされない。
 ほんとうに恐ろしいのはこれからなんだろう。今まで耐えていたのが一斉にボキっと折れるのが。

 と、緊急事態宣言前も私は相当ネガティブで「ああ、東京がニューヨークみたいなことになる」と嘆いていたのですが、なんか思ってたように感染者が増えなくて「あれ?」って戸惑いつつも「予想が外れてよかった!」と心から喜んでいたのですが、なんかまたヤバくなってきたようだ。

 4月に始まるはずだったドラマも始まって「うわー、企画が流れなくて良かったなあ」って思ってましたが、この間も書いたけど、こうなると芸能界って一番ヤバいんですよね。
 シアターモリエールの集団感染では、「体調不良を訴えた出演者がいたのに続行した」ってことが槍玉に上がっていますが、新型コロナは「発症前に感染させる」ってケースが多いみたいなので、発熱してからでは遅いのかもしれないし、これから多分、「客席数千人規模の大劇場」に関わる人が直面するのかもしれませんが、「主演クラスが37.2度の微熱があったら、舞台を閉めるのか?」

 コロナ前だったら、そんなんで中止になることはなかったはず。
 なんなら、39度の高熱が出ても舞台に出たはず。
 点滴だとか注射だとか、そういう処置してくれる「芸能界御用達の医師」っていうのがいるのです。
 あと「ニキビを応急処置で消してくれる神皮膚科」とか。

 そういや、「熱が出てヘロヘロなんだけど、注射打てばなんとなる」って、あの注射なんだったんだろう?
 私は熱出たら、速攻休む人だったけど、ある時「どうしても今日中にやらなければならない仕事がある」って時に「あ、ヤバい、風邪ひいた、熱あるかも」って状態になり、上司が「だったら、あの先生のところに行きなさい」と教えらえて行ったら、「風邪ですね。早退して休んだほうがいいとは思いますが、そうできないのなら、注射します?」って言われて「ほんとに、そういう先生なんだ」と驚いたが、注射してもらったら、確かになんとか仕事を終えることができた。

 今だと保険適用外なのかね?(笑)

 そんで、私が不安に思うのは、7月になって、うちの会社でも急に来客が増えたのだが、そうなるとほんと「他人との接触」が劇的に増えるというか、エレベータのボタンにしても、それに接触した人数が増えてるわけで、「当選確率」がジワジワ上がる。

 そんで、私が危惧する「芸能界でまた犠牲者が出るのではないか」って話ですが、あの世界は現場ごとにスタッフが変わるので、非常に「人との接触」が多い世界なのです。

 ドラマや映画の撮影でも、大勢のスタッフと接触するし、その合間に「次の映画の宣伝で、グラビアとインタビュー」ってことになるし、CMの撮影もあるし、舞台を掛け持ちしたりするし、そのスタッフ達もいろいろな現場に出入りしているので、フツーの会社員に比べると、接触人数が桁違いどころか、下手したら2桁くらい違うんではないか?

 だから、ドラマ撮影とかでクラスター出るんじゃないかと心配してます。

7月13日(月)

 こんなに感染者出てるのに、GO TO キャンペーンとかマジでやるの?

 うーん、でもなんか「風俗業界」に罪をなすりつけてる感じがして、なんだかなあ?
 まあ、そういうところでクラスターが発生するのが、なんだか日本らしくて苦笑するけど。
 いや、欧米だと食肉加工工場でクラスターが、っていうのは、いわゆる3Kな仕事をして、狭いアパートに押し込まれているような移民が・・・って現実が透けて見えるのだが、日本だとそれが風俗業界ってゆーのがさ。

 「なんか詳しいですね」って会社で言われちゃったんだけど、ホストにしてもキャバにしても、トップは華やかだけど底辺は店が用意した社宅というか、相部屋に詰め込まれてるんだと思うので、「日雇いのドヤ街」とあんま変わらないと思うんですけどねえ。よく知らんけど。

 あと、アキバのメイドカフェでもクラスタ発生したけど、ああいう形態の店の弱点は「控え室」なのでは?
 工場とか病院でも控え室やロッカールームで感染が広がったって説があったし。
 そう考えるとライブハウスは小劇場でも楽屋が・・・

 と思っていたら、新宿モリエールで集団感染が出て、「うおー、先週あそこの前通ったよ」とびっくり。
 私がテアトル新宿で映画見た帰りに通った時は、クラスタ発生した舞台の千秋楽直後の月曜日だったので、ひっそりしていて「まだ再開できてないのかねえ』って思ったんですが、バリバリ営業してたんですね。

 モリエールって、私が高校生の時に行ったことがある。三宅裕司のスーパーエキセントリックシアターで(笑)
 私が生まれて初めて入った小劇場だったのかもしれない。
 その後、大学生になって、紀伊国屋ホールとか本多劇場で夢の遊民社だとか第三舞台を経て、モリエールみたいな「狭い場所に200人くらいの観客がギューギューに詰め込まれる」って世界をいっぱいいっぱい経験した。
 今はどうだか知らないが、あの頃は、前説で「さあ、みなさん、隣の人との間隔をあと1センチ詰めましょう!はーい!」って掛け声で、さらにギューっとなるのは「小劇団あるある」だったのだ。

 つい最近だって、下北沢の「スズナリ」で岡部たかしが出るから当日券で入った芝居で、最前列の土間に座って「うわ、足腰キツっ」と思ったが、あれも今思えば、役者の飛沫を真上から浴びていたなあ。いい時代だった。

 「こんなスペースにそんな人数入れるわけねーだろ」って毎回思った「新宿ロフトの動員記録達成」とかにも、よく付き合ったなあ。
 逆に渋谷クアトロとか「もっと効率的に詰めれば、あと50人くらい余裕じゃね?」と思ったりした。

 いつもギューギューだった、ギューギューだけど頑張ってる自分凄いとか、こんだけギューギューにしないと採算とれないんだな、とか、なんでいつも、こんなにギューギューなのか、たまに疑問に思うこともあったが、ギューギューなのが若者文化なんだと思って、ギューギューしてました。

 それが急にダメってねえ?

 フジロックが中止になったのは「観客の安全」よりも、そもそも海外アーティストが来られないってことだと思っていたら、「冬コミ」も中止になって「こういう事態になると、意外とオタクの方が冷静に対処してるなあ」って感じです。

 でもね、なんかそろそろ「次なる生贄」は誰かって感じになってないか?

 新宿モリエールの集団感染で思ったんだけど、「私がよく知らなない場所で活発に活動している若い人たちがいる」ってことで、そう考えると、そももそ、私が芸能界にいた30年前でも「女優だけでは生活できないから、ホステスのバイトやってます」って子、いっぱいいたなあ。
 芸能界の一番のリスクはそこなのかもしれない。
 底辺がバイト掛け持ちっていう。


7月12日(日)

 ツイッターで黒木先生をフォローしているので「#超算数」は、ぼんやり眺めていたのだが、この間、なんか暇だったので「きはじ」だか「はじき」だかについて調べてみたら、全然頭に入ってこなかった。

 えーと、距離と速さと時間の関係なんですよね?

 私の頃は、そういう教えられ方してなかったけど、じゃあ、どうやって教えてもらっていたのだろう?

 ただ、こういう割合とか比例の問題で強烈に覚えていることがあり、小学校何年生だか忘れたが、風邪で何日か休んでいる時に「割合」の授業が終わっていて、「10個に分けたケーキの内、2個を食べたが、それは全体の何 パーセントでしょう」っていうのは「2÷10」で計算するらしいことがわかった。

 うん、答えが0.2だから20パーセントっていうのは、わかった。
 たぶん、その頃の自分は新聞をスラスラ読んでいるつもりだったので、「割合」っていう概念はすでに知っていて、例えば世論調査での支持政党の割合っていうのも理解してたのだろう。あと、野球の打率も!(笑)

 だから、5割というのが2分の1だっていうことを知っていたのだが、それを導き出すための公式が、5割る10だってことがよくわからなかった。
 「なんで割るの?」って同級生に聞いても「さあ?」って感じで、ほんとよくわからなかったんだけど、頭良かったから、納得できなくても公式に当てはめられたので「なんで、こうなるのか、わからんけど、こうすると、なぜか答えが出るらしい」と思って問題を解いていた。

 その疑問が払拭されたのは、分数を教わった時だった。
 「5分の1」とか「10分の2」って概念を知って初めて「あー、だから割り算だったのかってわかってすきりした。最初から分数で教えてくれれば良かったのに。

 今でも、割合を計算する時には「どっちを割るんだっけ?」って迷ってしまうので、分数を頭の中に浮かべる。

 それとは少し違う話だけど、30数年前は消費税がなかったので、よく「ギャラは1並びで」って言っていた時代があった。
 所得税源泉が10パーセントだったので、100万円のギャラを支払うと、10万円源泉されて手取り90万円になるのだが「手取り100万円で」という場合には「1,111,111円で」ことになっていた。
 私がテレビ番組制作会社で働き始めた当初は、それが蔓延していて下っ端のギャラも「33,333円」とかだった。

 ところが、消費税が導入されると、例えば100万円の場合、当時は3パーだったから、額面が103万円で、源泉は消費税抜きの金額から計算したので、103万円-10万円で、93万円が振り込まれることになる。
 今もまだ、そういう業界残ってるらしいけど、当時の芸能界も仕事を受けるときに明確な金額は決めないで、払った時のお楽しみみたいなことが多かったので、入金されてから初めてギャラがわかることがけっこうあった。

 そんで、私が経理を担当していた会社の関連会社に「俳優マネージメント会社」があって、そこのマネージャーさんは俳優個人名義の通帳を持っていて、そこにギャラが入ると、会社の手数料を引いて、俳優さんの本当の個人口座に振込するという仕事をしていた。(本人確認が厳しくなる前の話だなあ)

 だから、振り込まれた金額から、元の金額を計算しなくてはいけなくて、それが「1並びの時代」だった時は簡単だった。10パー引かれてるんだから、9で割って10掛ければいいだけだし、そんな計算しなくても、「振込金額が500,000だから5並びか」ってことがほとんどだったのである。
 それに、長年その仕事をしているので、振込金額が45000円だったら元は5万、63000円だったあ元は7万と、暗記してしまうし。

 なので、消費税が導入されると、「振込金額がこれなんですけど、元の金額わかります?」ってよく聞かれるようになった。
 私はその都度「103-10で93だから、振込金額を93で割って100掛ける」って説明したんだけど、その人は全然それを覚える気が無いようで、メモすらとらないから、その後も何度も聞いてきた。たぶん「聞いた方が早い」と思っていたんだろう。もしくは、「面倒な計算だから経理担当者に確認すべき」とか。

 ちなみに、今は消費税も上がったけど、源泉が10・21パーセントになってしまったので、さらに計算が面倒になったが、イマドキはそんな「お代は後で決めてね」っていうような仕事してないだろうなあ。

 そういえば、速さの話に戻るが、やはり子供の頃に「マラソン選手は時速何キロで走っているのか」って話になったことがある。
 今とは記録が違うけど、ざっくり考えると、あの人たちは2時間ちょいで、で40キロちょい走っているわけで、時速20キロに近い速さだ。
 でも、20キロって、自動車だと相当なノロノロ運転だよな?
 でも、自転車で20キロだったら、けっこうなスピードなんじゃないか?

 では、時速20キロって、100メートルを何秒で走るのか?
 一時間は60分×60秒で3600秒、20キロは、1000メートルの20倍・・・・わあああ、暗算難しい・・・30分で10キロ、3分で1キロと考えた時点で「1キロを3分ってかなり速いぞ?」と気がつく。

 1000メートルを180秒で走るのなら、100メートルは18秒!

 面白いのは、「100メートル18秒」っていうのは小学生高学年男子の平均タイムなんですよね。
 だから、平均より速い子は、100メートルくらいならマラソンのトップ選手よりも速く走れるのです。
 なので、マラソン中継では頻繁に「歩道をダッシュしてトップ選手に挑戦する子供」が現れますが、みんな途中で失速します。
 瞬間的にはトップ選手よりも速く走れるけど、それを持続することはできないのです。

 でも、相手が新幹線だったり競走馬だったりしたら、そもそも「並んで走ってみる」って行為に及ばないと思うので、マラソン選手の平均時速が10歳男子の平均時速とちょうど同じくらいってことが、あの「現れては消える並走する子供たち」を生んでいるんだと考えると楽しい。

 そういや、リオ五輪の時には、十分なスペースがあったので、ずっと自転車で伴走している人がけっこういて、あれも楽しそうだった。
 高橋尚子がベルリンで記録出した時に、選手の周囲を走っている自転車スタッフたちが「この子が1位?」って確認しながら、前に出たり後ろに下がったり、あの自転車部隊の役割がなんだかわからなかったけど、「人間よりも速さでは圧倒的に格上なモノ」がまるで神のように、自由に移動している姿を今でも覚えている。
 遊覧船を追って集まってくる海鳥みたいだった。(海鳥は遊覧船を追っているのではなく、かっぱえびせんを追っているのだが)


7月10日(金)

 コロナの感染拡大と、各地の洪水のニュースで暗い気分になる一週間だった。


 水害についてはねえ、九州の盆地とか平野部ってグーグルの航空写真見てみるとすぐわかるんだけど「元々、川が氾濫して出来た平地じゃん」ってことなんですよね。
 まあ、それ言ったら、日本全国どこだって「川が作った地形」なんですけど。

 そんで、「ナイルの恵み」みたいに、時々川が氾濫するから土壌が豊かで、いい田畑ができるから集落ができるし、交通の要所にもなって人口が増えて、農業以外の産業もできて、田んぼだったところが住宅街になって・・・っていうのが、ほんと航空写真でよーくわかる。

 私が勤務している新横浜だって、湿地帯だったから広大な土地が残っていたのを新幹線の駅ができて、日産スタジアムとか横浜アリーナができたが、古株の社員によると、30年くらい前まではよく大雨で冠水していたらしい。
 日産スタジアムが、今は巨大な貯水池になっているので、ここ20年くらいは冠水していないが、最近の「レベル5」の豪雨に見舞われたら、どうなるのかわからないだろう。
 今、自分が住んでる場所だって、暗渠になって上が遊歩道になっているけど目黒川の支流が近くて、あの暗渠になってるのが溢れるとどうなるのか知らないけど、ハザードマップ上は床下浸水になりそうな場所だ。私は2階に住んでいるから、さすがにここまでは浸水しないだろうけど。

 でも、去年の台風直撃で物凄い豪雨だった時にはさすがに恐怖を感じた。
 浸水よりも、住宅がびっしり建っているいる斜面の下の方に位置しているので「こんな場所でも土砂崩れとか起こるのでは?」と不安になったからだ。

 そういえば、去年の豪雨の時に狛江市の避難所がキャパオーバーになったと報道されているが、私は子供の頃にニュース映像で見た多摩川氾濫はよーく覚えているので、当時も狛江に住んでいた50歳以上の人たちは、実際の被害を目の当たりにしているはずなので、「これはヤバい」と避難するよね。

 そういえば、「いいこと」なんてほとんど無い今、微かな「いいこと」があった。

 駅付近を歩いていたら、前からモデルっぽい感じの男性が歩いてきて、そういう「なんかカッコいいの来た」って思っても、近づいてみるとハズレってことの方が多いというか、ほとんどなんですが、その時は滅多にないアタリで、上杉柊平でした。

 あれ?顔わかったってことはマスクしてなかったのかな?
 よく覚えてないけど、なんか不審な俯き加減で歩いていたんだよね。

 偶然だけど、劇団「イキウメ」の看板俳優の浜田信也とすれ違ったのと同じ場所で、人間じゃない役を得意とする浜田信也がフツーに人間として雑踏を歩いているのを見て感激したっけ。

 30年前、六本木で働いていたころは、同僚が芸能人見つけるのがとても上手くて、ランチで外出した時とかに「前歩いてるの、鷲尾いさ子」とか教えてもらい「えー、なんですぐわかるの?」って驚いたが、あの頃は、芸能関係の事務所で働いていたのにそーゆーのに全然興味あ無かったから、「なんで芸能人をすぐ見つけれるの?」って思ったのだが、ここ数年でそれなりの「ドラマオタク」になってみたら、けっこうすれ違うのが面白い。


7月9日(木)

 はあ、コロナ、収まりませんね。

 でも、海外の状況をチェックしても、やはり「そこそこ感染者出てるけど、経済を回す」って感じみたいなので、もう、こういう感じでやるしかないのかな?
 日曜日はイベント出勤だったので、月曜日が休みで映画見るために恐々と久しぶりに新宿に行ったんだけど、外国人観光客が全くいないし、全然、前の新宿よりも人通り少なかった。

●映画「アイネクライネナハトムジーク」@テアトル新宿

 「愛がなんだ」「mellow」「his」と追っかけている今泉力哉監督作品だが、この「アイネクライネナハトムジーク」は見逃してしまっていたのだが、テアトル新宿がリバイバル上映してくれていたので、見に行ってきました。

 三浦春馬と多部未華子のラブストーリーがメインだと思っていたら(そういう宣伝だから当然)、構造上、中心にいるのは矢本悠馬で、父・矢本悠馬と娘・恒松祐里の物語の方がメインっぽかった。
 私は恒松祐里を「散歩する侵略者」で知って、それ以来大好きなのだが、初めて「平凡な女子高生」やってるの見たような?
 でも、美人なんだけど美人すぎず(もちろん、ガっと盛れば超絶美少女にるだろうけど)、勝気で凛としている役だったので、それだけでも「見て良かった」と思ったし、そもそも矢本悠馬と親子役ってだけで萌えますわよ。

 この映画は、恒松祐里の役が子役で6歳くらいの設定の時代から、高校生になっている10年後にジャンプするんだけど、「するってえと?最初に出てくる三浦春馬と矢本悠馬は25歳くらいの設定で、後半は35歳くらい?」って推定されますが、そういう微妙な年齢設定なので、わかりやすい老けメイクとかしてないし、演技力には定評のある役者しか出てこないから、そういう時の流れは微妙な演技の違いで表現しているようだった。

 つーか、そこ大事じゃないから、って感じ(笑)
 たぶん、私は今泉監督の「そこはあまり重要じゃないので、低予算だし、ばっさり切ります。大事なところに予算使って丁寧に撮ります」って感じが好きなんだろう。

 恒松祐里も「美人だけど美人すぎない」だったけど、貫地谷しおりをあれだけ美しく撮っておきながら、はやり「美人すぎない」キャラに抑えたのも良かった。
 いい素材使ってる和食屋さんだけど、あえて平凡なメニューをお手頃な価格で出している店みたいな。

 そう。今泉作品に出てくる「平凡な食卓の料理」がまさにそんな感じなんだよな(笑)

 そして、特別な絵というか、奇抜な演出とか一切なくて、テレビドラマみたいな「ただ、人が喋ってるだけ」な映像が続くのだが、なんか他人の人生を覗き見しているような感じが心地いいのである。

 そうそう、この映画を見る前にキャストを確認したら藤原季節の名前があったけど、役名が「青年」だったので、「なんだそりゃ?」と思っていたのだが、この映画の一番のハイライトが藤原季節青年の登場シーンだたので、個人的には一番盛り上がった。

 以下、ネタバレですが、この映画の「10年前」の時空で、主人公・三浦春馬の元同級生である矢本悠馬夫妻の友人である貫地谷しおりの彼氏が「日本人初のヘビー級チャンピオン」になったボクサーで(と書くしかないのだが、このように矢本悠馬を中心として緩く繋がっている人たちの群像劇なので)、公園で同級生にいじめられていた難聴の少年を助けて励まし「君のためにも初防衛頑張るよ」とカッコいいこと言ったのだが、初防衛を失敗し、10年後にやっとチャンピオンに挑むチャンスを得る。

 その試合でも、ダウンしかけたのだが、そこで客席で立ち上がったのが藤原季節で、10年前にボクサーが少年の前で披露した「木の枝を折る」という仕草をして「あの少年が・・・」ってなる、感動的なシーンでした。
 短い出演シーンだったけど、藤原季節のちょっとすっとぼけた感じがとてもよくて「ああ、これがhisに繋がったのか・・・」と感慨深かった。

 それにしても、恋愛映画なのに、キスシーンの一つもなくて、「ちょっとダサい三浦春馬」というか、「ちょっとダサい三浦春馬にしているつもりなんだろうけど、三浦春馬はちょっとやそっとじゃ全然ダサくならないぞ」ということを思い知ったのだが、平凡な青年役の三浦春馬っていうのも珍しいと思うので楽しかった。

 今泉監督の次回作はコロナの影響で来年に延期になってしまって残念だが、次を楽しみにしています。


7月7日(火)

●笹の葉さーらさら

 「うちの子、短冊にプリキュアになりたいって書いたんですよ」

 と、会社の3児の母が言った。

 私はプリキュアに全く興味がないけど、プリキュアになりたいという幼児がこの世に大勢いることは知っている。
 だから、別にどうってことのない雑談だったんだけど、「このまま、うちの息子が、女の子になりたいって言ったら、どーしよ?」って続きを聞いて「は?」って顔を上げた。

 「プリキュアになりたいっていうのは、息子さんなの?」

 「そうなんですよー、でも、保育士さんが気がついてくれて、直してくれたんですよー」

 その息子さんには、姉が二人いるので、どっちかというと「女の子向け」で育ってしまっている4歳男子なわけで、だから仮面ライダーとか、なんとかレンジャーじゃなくてプリキュアをヒーローにしているのは自然だし、だから、なぜそれを「男の子だから、将来はプリキュアはダメ」って言われないといけないのだろう?

 最近のプリキュアでは男子キャラも出てきたらしく、「さすが」ってオタク母界隈では大絶賛されていたのに・・・

 イマドキは「男の子だから、女の子だからと区別しちゃダメ」っていう教育がフツーなのかと思っていたら、「他の人も見るんだから、プリキュアはやめておこうね」と指導する保育士がいるとこに驚いたが、まあ、でも時々そういうのツイッターでもバズっているし・・・だけど、母親が「保育士さん、適切な指導をありがとう」という態度なのが不思議なのだが・・・・・ああ、そっか、私がネットで覗いている界隈は、ほんの一部の私好みに偏った場所なんだよなあ。
 自分の周囲では小池百合子に投票する人なんていないのに!みたいな。

 さらに驚いたことに、その母親は「うちの息子、ピンク色が大好きなんですよお」と困ったように言うので「ピンクが好きで何が悪いんですか?」と食いついたら、「うちの子の園は大丈夫だけど、幼稚園の中には、男の子がピンクとか女の子色の服を着るのを禁止してるところもありますよ?」

 え?マジでそんな所あるの?
 つーか、それをサラっと「当たり前のこと」のように言うので、ピキっとなってしまい、「私が親だったら、ピンク禁止とか、プリキュアはダメとか言われたら、先生と殴り合になるね」と嫌味をカマしてしまったのだが、そしたら「おー、怖っ」って笑われた。

 怖いのはこっちだよ!

 いや、その後もしばらく考え込んでしまったのだが、男子が「プリキュアになりたい」って書いて、それを「他のにしようか」って指導する気持ちが全くわからない。
 たぶん、他の児童にからかわれるのを心配したんだろうけど、もし、そういうことになったら「なんで、笑うの?」って「なぜ男子がプリキュア目指してはいけないのか?」って問題提議すればいい。

 そうしないのは、彼らが「プリキュアは女子のモノ」って決めつけてるからなのだろうか?
 そういうの、ここ20年くらいで劇的に変わったと思っていたのにな。
 ランドセルの色が「黒は男子、赤は女子」っていうのが無くなって、女子が濃紺とか茶色の渋い色のランドセルを背負っているのを「いいなあ」って羨ましく眺めていた。

 ただ、女子がそういう「男子系の色」を背負っているのは見かけても、男子が赤やピンクっていうのはまだ見たことがないので、たぶん、女子が短冊に「仮面ライダーになりたい」って書いても、「他のにしたほうが」って指導されないのかもしれない。

 そういや、少し前に小学生女子の服装が水色ばかりになった時があり、「なんでみんな水色?」と思ったけど、昔は「男の子色」だった水色を女子が選んでも良くなったんだ、と感慨深かったが、「女子の解放」は認められても、男子は未だにピンク色やフリル・・・それこそ、女子が制服でパンツ姿を選ぶことは許されても、男子がスカートを履くことは想定外なんだよね。

 それでも、私が子供の頃よりはるかにマシになってきているわけで、こういうこと書いてて思い出してきたけど、私が幼稚園の頃とか、そういう短冊に「お嫁さんになりたい」って書く女子多かったからな。
 「花嫁」というイメージは、今のプリキュアみたいに、キラキラした存在だったのだ。

 私の記憶が確かなら、私は幼稚園児の頃から「将来なりたいのは、お嫁さん」っていうのに「バッカじゃない?」と思っていた。
 おさなごころにも「お嫁さん」というのは、最終形態ではなく、「ただの結婚式のコスプレ」だと気がついていたので、それが目標ということがよくわからなかったのだ。

 だから、私がローティーンの頃、「玉姫殿」とかが跋扈して、ゴンドラに乗った披露宴が流行った時には、「そんなの恥ずかしい」と思ったものだ。
 「一生に一度の晴れ舞台」みたいに言われていたが、そんなんで「一生に一度」を使うのか?人生のピークそこなのか?

 友人で一番早く結婚した子は、20歳で結婚したのだが、私は二次会から参加したんだけど、昼間の挙式のあとオープンカーで青山通りを凱旋したらしく、挙式から参加した友人は「素敵だったー」って感激していたけど、私には理解不能だった。って他人がやるのは構わないが、自分だったら絶対に無理というだけの話で、ただ「そういうのが当たり前」ってなるのが嫌だっただけだ。

 その後、なぜか突然、「地味婚」の時代になった。
 これも、私の記憶が確かなら、小泉今日子が永瀬正敏と結婚した時に「挙式しません」って選択をしたあたりからだと思う。
 それまで、有名芸能人の結婚式中継っていうのは、高収益コンテンツだったのに、「結婚はするけど、花嫁衣装は別に」っていう風が流れたら、「披露宴しないのがフツー」みたいなことになった。
 それも、どうかと思うけど。
 やりたい人は、とことん豪華にやればいいし、やりたくない人は書類上の入籍だけでいいし、「みんな、好きにすれば」ってだけの話だ。

 そう考えると、「夫婦別姓」を頑なに阻止する人たちの気持ちもわからなくもない。
 「別に、みんな別姓にしろって言ってるわけでなく、それを選びたい人だけが選べばいいだけの話」と思うのだが、うちの会社で「結婚後に、システム上の名前どうします?」って制度にしたら、全員「旧姓のままで」を選んだのですよ。
 確かに社員証とかメアドが変更になるのは面倒だし、社内結婚の場合は名前が被ると不便なので職場では旧姓使用の方がラクなんですよね。

 だから、実際に夫婦別姓が施行されたら「そっちの方がラクだから」っていうのもあるし、「みんなそうしてるから」ってことになるのかもしれない。
 いつも書いているが、最近は葬式も「家族葬」が多数派になってるので、同僚の親の葬儀に行く機会がめっきり減ったが、このコロナ禍で地方でも家族葬が増えているらしいが、あれって一度やってしまうと「葬式ってこれで別によくね?」って思うんだよね。

 そりゃ、若い人が亡くなったのなら本当に葬儀に参列したい人も多いので、従来通りの葬儀でいいのだろうけど、うちの祖母みたいに、ずっと老人ホームにいて、親しい親類や友人もすでに先に亡くなっているような人だったら、もう大きな葬式挙げる意味は無いわけで。

 だから、このコロナ禍で「義理で葬儀に行かない」って風潮が続くと、たぶん、そっちがフツーってことになると思う。
 また話が逸れたが、50年も生きていると「あの頃のフツーが、今では・・」ってことがホント多くて面白い。
 私は、だから「女の子はみんなお嫁さんになるもの」というのがフツーだった子供時代を過ごしたんだけど、ちょうど大学を卒業した頃に(私は卒業してないけど)、「女子の総合職」が政策的に出現して、クリスマスケーキに例えられた結婚適齢期(25歳が賞味期限)が自分の加齢と共に「除夜の鐘」まで後退し、もはや「子供欲しいのなら、30代後半に結婚したほうがいいのかも」ってあたりまで後退しているわけだが、自分の祖母の世代だと、「戦前まで選挙権なかった」から始まってるんだよなあ。

7月5日(日)

●東京都知事選選挙

 まあ、小池百合子が強いんだとわかっていたけど、こんなご時世なのに投票率も特に上がらず、小池圧勝に終わるとは・・・

 かと言って、他の候補者も相当なもんだったので、「小池百合子の方が百万倍マシ」ってキモチ、よーくわかるんですが、だからって百合子ちゃんも相当ヤバいと思うので「ちょっと脅しておかないと」と思って投票したのですが、この圧勝ぶりじゃあ、全然脅しになってねえ!

 まあ、良かったこととしては、立花孝志の票が伸びなかったことだが(同じ党から、3人も立候補したので、なんで?と思っていたら、ポスター掲示で目立つためだとわかり、ほんと、このわけわからなさは、昔のオウム真理教っぽくて地味に怖い)、桜井誠が意外と票とっていたりして、なんか、やーな感じの選挙でした。

 まあ、東京都知事選って、魑魅魍魎が跋扈する祭りだからね。

 それはそれで、表現の自由というか「こんなダメダメな表現するような奴が、それなりの金持ってるの?(供託金問題)」と思うけど、そこに貴賎など無いのだ。

 そして、いつも言われているけど「自分の知り合いで小池支持者など、一人もいないのだが?」ってゆーのは、永遠の課題なのだが、その昔、25年くらい前かな?テクノ村の友人が「私の知り合いにはビーズが好きだって人が一人もいないのに、なんで何百万枚も売れているのだろう?」という素朴な疑問を抱いていた。

 しかし、彼女が派遣社員として働いていた会社では、数十名の派遣社員がいて、皆で会議室で昼食休憩をとる習わしになっていたようだが、ある日の昼食時に誰かが「あ、今日はビーズの新譜の発売日だ」と言ったら、「あ、そーだね、帰りにレコード屋寄らないと」と数人がリアクションしたので、そこでやっとテクノ村の彼女は「20代女性の約3割がビーズに関心を持っている」という事実を体感したのである。

 いや、ビーズが大人気なのは別にどーでもよくて、「あ、やっぱ人気あるんだ」ってだけの話だが、石原慎太郎とか小池百合子とか、私は嫌いなのに、これだけ圧倒的支持されてるのってなんで?
 でも、このままだと、小池百合子が首相になるんだろうなあ。
 いや、都知事になった時に「そっちから攻めてきたか」って思ったんだけど、確かにコロナが無くて、東京五輪を卒なく成功させていたら、「次は小池百合子首相で」って流れになっていたのかもしれないけど、難しい流れだなあ。

 あ、でも、あの百合子ちゃんが「勝算アリ」と思って、都知事2期を選んだのなら、もしかしたらコロナ収束の算段できてるのかも?
 この現状で、来年ちゃんと五輪開催できたら、凄いことなので、小池百合子がそっちに張ったのなら、未来は明るいのかもしれないが、なんか、そう考えるのも、なんか、騙されてるような気がしなくもないのであった。


7月2日(木)

●映画「風の谷のナウシカ」

 先週末の映画興行収入ランキングのトップスリーがジブリ旧作になってしまい「やっぱし・・・:となったけど、これでシネコンが延命できるのならしゃーないか。
 私にとって意外だったのは、1位が「千と千尋の神隠し」2位が「もののけ姫」で、ナウシカが3位だったことだ。
 てっきり、ナウシカがトップだと思っていたので・・・

 そう思っていた私ですら、ナウシカをたぶん劇場で見たことがない。
 最初に見たのはテレビ放映だったのか、ビデオを借りて見たのか、それすらも覚えていない。

 なので、こんなチャンス滅多にないので、映画館で見てみました。(先週も今週も日曜出勤のため平日休みだった)
 木曜日の昼の回だったけど、かなりお客さん入っていて(って言っても、満席でも半分なんだけど、中央から後方の席はほぼ埋まっていた)「映画館にこんなにお客さん入ってるのって、2月以降で初めてみた」ってレベル。

 さて、この映画は1984年公開なので、ワタクシが18歳の頃なわけで、バブル前だしソ連崩壊前なので「冷戦時代の核戦争のイメージ」が色濃いんだけど、フクシマの原発事故を経験してしまったこともあり、この映画の中での「環境問題」が全く古びていないことが素晴らしいと言っていいのかちょっと困る。
 でも「不朽の名作」ってそういうことなんだろうなあ。今のアメリカの黒人差別問題の煽りを受けて「風と共に去ぬ」が一瞬だけ動画配信をストップしたとかいう話も、そういうことなんだろう。

 それにしても、「腐海」の設定が秀逸で、人間にとって害のある「腐海」を焼き払おうとしても、大量の虫たちに守られているから、攻撃すると逆に腐海を広げてしまうっていう設定は「大自然相手に人間は無力である」っていう、災害大国である日本が得意とする設定である。
 そこに巨神兵という、核兵器のメタファーみたいのが出てきて・・・・

 映画版だけだと、トルメキアとかベジデの設定があまり描かれてないから、ちょっとよくわからない部分も多いのだが、「細かい設定は原作漫画で」ってことだし、あれ?私あの漫画って全部読んだことあったっけ?
 全然覚えてない(笑)

 てゆーか、ナウシカって、今の「親子で楽しめるジブリ映画」の前の時代の「オタク向け作品」なんだよね、たぶん。
 喜国雅彦の4コマ漫画で、テレビでナウシカ放送中に「核戦争が始まりました」っていうようなニュース速報のテロップが入ったら、「録画の邪魔になる」とテレビ局にジャンジャカ苦情が入って、テレビ局の人が「オタクが・・・」って泣いてるっていうのがあったと記憶しているんだけど、そういうイメージが強い。

 というわけで、初めて映画館でちゃんと見たのですが、やはりナウシカのキャラが最強だなあ。
 クラリスとか、それこそメーテルみたいな・・・

 ただ、昔見た時は「虫愛づる姫君じゃん!」って思ったのですが、やっぱしそこが個人的には一番の共感ポイントでした。
 あと、これは前から言ってるけど、私が宮崎駿作品にイマいちハマれないのは、空を飛ぶシーンが苦手だから・・・高所恐怖症なのでアニメでも「飛行機から落ちそう」という描写が苦手なのですが、ナウシカがサーフボードみたいなので風を読んで空を飛ぶって設定がやはり生理的に好きになれない。

 あと、ネガティブポイントとしては「ナウシカのスカートの中どうなってんの?」でした。
 ノーパンに見えた。

 あとでネットで調べたら、そういう疑問を抱く人は多かったのだが、正解は「肌色に近いスパッツを履いている」そうだが、そうは見えなかったぞ?お尻がむき出しになってるように見えた。
 一説によると「昔はビデオの解像度が低かったので、そう勘違いした人が多かった」そうだが、こうして、映画館で見ても「お尻丸見えなのは、Tバックでも履いてるのか?」って感じでした。

 だから、クライマックスで異国の少女と服を交換して、インドのパンジャビードレスみたいな衣装になり、「ちゃんとズボン履いてる」ってことになったら安心して見てられたので「最初から、こういう衣装にしろよ」と思った。
 いや、だって、スパッツみたいなのを履いてるなら、ちゃんとシワを描くとかフツーやるじゃん?
 それに時代的にも「ミニスカの下にブーツみたいな」っていうアムラーな衣装なので、太もも部分は生足だと脳が勝手に解釈しちゃうんですよ。

 だから、ナウシカの「スカートの下」って、たぶん、狙って作ってるんだと思うので、「悪趣味だなあ」と思ってしまった。

 と、良くない点を書いてしまったけど、巨神兵がドロドロになるシーンとか、のちの「千と千尋」でも出てきたけど、今更見ると「シン・ゴジラのカマタくんみたい」
 最初にカマタくん見た時は「なにこのキモくて、ドロドロして可愛い生きもの」と思いましたが、あのドロドロ感の元ネタはここなんですかね?

 そして、ナウシカではカマタくん状態で力尽きた巨神兵が、「シン・ゴジラ」では見事に進化して、東京を破壊し尽くしたというのも感慨深い。
 そう考えるとナウシカの世界って、シン・ゴジラを凍結するのを失敗した後の世界なんだよなあ。(それは、シン・ゴジラのラスト・シーンでいろいろ言われていた)

 そして、「震災映画だったはずのシン・ゴジラをコロナ禍でまた見てみた」って後に、ナウシカ見てみたら、「マスクしてないと肺が腐る世界」の話で、「あーーーーー、マスクがすっとんでしまったーーーー、どうするの?」とハラハラドキドキできて、「なーんか、震災の時にも、世界の見え方が変わったって思っていたけど、今度のコロナでもいろいろ変わって・・・そして、そういう変化を予言していたかのようなエンタメ作品ってすげえな」って思いました。

 でも、そーゆーのはいいので、次はトトロを映画館でやってくれないかに?
 ああいう、時代の変化とは無縁の位置にいるような作品も映画館で楽しみたい。



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