可燃物な日々

可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

2月26日(水)

 新型コロナの影響で、エンタメがことごとく中止になってしまい、軽く鬱状態になってしまった。
 ほんと、自分は時々びっくりするくらい繊細だ。

 この日記は26日の出来事を書いているけど、3月3日に書いてます。少し立ち直るまで一週間かかった。

 なんでこんなにダメージ受けているかというと、私が幸運にも「エンタメ自粛」に滑り込みセーフしてしまったからです。
 あれですね、「なんで私だけ生き残ってしまったんだろう?」って自分を責めてしまうヤツですね。
 そういう心理状態があることは、よーく存じてましたが、今回それの、ごく軽いのを経験して「あー、なるほどこれはキツいぜ」と、やっぱテレビや本で知るのと、自分が実際にその立場になった時は違うなあ、って、そんなのわかってるつもりだったけど、やっぱ違うなあって。

●舞台「天保十二年のシェイクスピア」@日生劇場

 高橋一生の4年ぶりくらいの舞台出演です。
 「あー、チケットとるの難しいんだろうな」と覚悟してましたが、予想通りチケットとれませんでした。

 なので、この舞台のことは、自分の中では「無かったこと」にしたかったんですが、たまたまこの26日に休みがとれて「水曜日だから映画でも見に行くか」と思っていたのですが、ふと「日生劇場って当日券出るんだろうか?」って調べたら、あるにはあるらしかった。

 ただ、普通の劇場だと当日券販売は「開演1時間前」がフツーですが、日生劇場は「当日朝10時」だったのです。
 しかも当日券が出るかどうかも、その「当日朝10時」にならないとわからないと。

 ここ最近、当日券狙いで何度か舞台鑑賞しましたが、コツは「初日から日が浅い方が席が空いている」なので、この舞台は29日が千秋楽なので26日の当日券は厳しいのではないか?
 ただ、この日は昼公演と夜公演があり、夜公演は「貸切」だったので、当日券が出る可能性があるのは昼公演だけだったので、もしかしたらチャンスあるかな?と思って、ダメ元で足を運んでみることにしました。

 すでに、コロナ感染の不安は広がっていたので、満員電車を避けようと、自宅から渋谷までは歩いて、渋谷から混雑のピークを過ぎた地下鉄で日比谷へ。
 ちょうど9時半くらいでした。
 ミッドタウン日比谷から地上に出て、日生劇場に向かうと、なんかいっぱい人が並んでいる!
 え?50人はいるぞ?なにこれ?

 宝塚劇場の当日券待ちの行列でした。

 すげーな、宝塚!って思いましたが、「こんなに当日券出るものなの?」って掲示物を確認したら、なるほどー、立見席が当日に出るんだ!
 朝10時前に、あのあたり通ることなかったので、「すげーな、毎日、この光景なんだ、さすが宝塚」と感激しつつも「ぜったいにこの沼に近づいてはいけない」と身を引き締めた。

 さて、宝塚劇場の先を曲がって日生劇場に到着すると、「我が沼」の当日券売り場らしきところにはオジサン?お兄さん?微妙な年齢の男性が一人ポツネンと立っていたので、その後ろにそっと並びました。
 10時少し前に、受付のスタッフが準備を始めて「本日は当日券が4枚あります」と告知。
 その頃には、私の後ろに3人くらい並んでいたけど、なんとか当日券ゲットできるらしい。

 ホントに、ダメ元で来ただけなので、「え?いいの?」って戸惑った。
 いや、ダメだったら、見に行く映画も決めていたので。

 そして10時になって、当日券販売が始まり、この日の当日券は4羽の白鳥みたいに横に並んでいた。
 私の前に並んでいた男性がその内の1枚を買っていたので残りは3枚。
 選択の余地はほぼ無い。


 選択の余地はなかったのだが・・・・・・・



 前から7列目だったのである。



 当日券の場合、「前だけど端っこ」の見切れ席みたいのが出ることもあるし、去年の山田裕貴主演のイキウメみたいに「最前列端の補助席」みたいなこともあるのだが、この前から7列目はド真ん中だった。

 たぶん、招待客用とか会員用の席なんだろう。
 これだから当日券稼業はやめられないのだが・・・・

 この舞台のチケットがとれなくて、どんだけ私が落ち込んでいたことか。
 「もう、一生、生高橋一生を見ることはできないのかも」と生生繰り返していたのか。

 それが、たまたま休みだったからってフラっと当日券並んでみたら、こんな良席って・・・・

 ヤバい、もしかして、私もう死ぬのかも、新型肺炎で?
 と、相当不安になったが、チケット確保してから、日比谷公園を散歩して、軽い昼食食べて、12時40分ごろ劇場に入った。
 平日のマチネだから高齢者ばかりだったが、ロビーでは数カ所の受付ブースがあり、日生劇場というか東宝を支えるシステムっていうの?なんかの会員になってる人が多いみたいだった。
 あー、だからイチゲンさんにはチケットとるの難しかったのねえ。

 夜公演だとまた違った雰囲気なのかもしれないが、昼公演はそういう理由からか、高齢男性が多かった。そういや、松田龍平目当てで紀伊国屋ホールの「こまつ座」公演に行った時もこんな客層だったっけ。

 さて、自分の席についたら「やっぱ、これは相当前方だ」と胸が高まる。
 隣に座った60代半ばのオバサマは連れに「ドラマ見てたらすっかりファンになっちゃって、ほんとステキよねえ」と語っていて、やはりタカハシ目当てらしい。

 13時。舞台が始まった。
 テレビドラマでも活躍している木場勝己が前口上を述べるが、その顔がはっきり見えたので「うわ、やっぱしこの距離ヤバいよ」と覚悟した。

 しかし、出だしは群舞が踊っていて、なかなか主演級が出てこなくて、「まだかな、まだかな」と思っていたら、きたーーーーーーーーーー!

 「ふわ、ふあああああ、ふああああああ」

 と「推しを目の前にして変な声が出てしまうオタク」だったのは隣のオバサマでした。
 その後もタカハシが登場するたびにヒーヒー言っていて、とても可愛らしかったです。

 そのオバサマのおかげで私はかなり冷静でいられて「ちょwwww、こんだけ至近距離ではっきり見えるはずなのに、タカハシのメイクがアレすぎて全然よく見えねーwww」

 「顔に火傷の跡がある悪役」ってことは知っていたのですが、ポスターのビジュアルとほぼ同じの「目の周りが黒い」ってメイクだったので、顔がよく見えなかった。
 さらに「ビッコでセムシ」って役でした。
 ただ、劇中では「びっこ」や「せむし」っていうセリフなかったんですけど、オリジナル台本にはあったけど現代風に改定されていたのでしょうか?

 それはいいとして、我が推しタカハシはその美しさを完全に封印されていたわけです。
 ビジュアルだけではなく、発声も「極悪人モード」で、最近だと近いのは「凪のお暇」で凪にパワハラしていた時の慎二の声のもっとシャガレたみたいな。

 さて、この舞台はシェイクスピアと江戸時代任侠モノの融合というか、「シェイクスピア要素をどれだけ大衆演劇に盛り込めるか」っていう高度な遊びみたいです。
 井上ひさしって、私にはちょっと掴みどろこがない作家で、俗を描く人のように思えるけど、インテリ臭さもあり、ちょっとよくわからない。
 この戯曲も下ネタ満載で、ちょっと引いてしまうくらいでしたが、シェイクスピアの下世話な感じってそもそもこういうもんだよなあ。

 話の発端は「リア王」でヤクザの親分が跡目を娘に継がせようとして、コーデリアスが離脱。
 残った二人の姉妹はそれぞれ「マクベス」(情夫をそそのかして夫を殺させる)、「ハムレット」(夫の兄弟が・・・)と展開して、そこに漁夫の利を目論んだ「醜い男」のリチャード三世が・・・って構成、客席から眺めていると実にベタな展開なんですが、こういう構成ってやろうと思ってもなかなか難しいぞと。

 しかし、舞台の本筋とは関係ないんだけど、私はタカハシが背中丸めて足引き摺って歩いているだけで、なんだか泣きそうになった。
 だって、あれはまさに「おんな城主直虎」の33話で処刑場に向かう政次じゃん(泣)

 そうなると、あの悪人モードの台詞回しも、槍ドンされて「おなご頼りの井伊に未来があると思うのか?やれるものならやってみよ!地獄の底から見届け・・・」みたいだったので、生タカハシを見たというより、生マサツグを見た感じでした。

 さて、舞台全体の感想としては、こういう登場人物が全員着物着ているような時代劇モノの舞台を見るのは久しぶりでしたが、演出的にも衣装的にも、あまり突飛なことはしてなくて、昔一度だけ見た明治座の舞台を思い出したくらい。
 そう思ったのはたぶん、タカハシの衣装やメイクなどが他と違ってアート系というか、「シェイクスピアを今上演するなら、役者をこういう造形にするよね」っていう国籍時代不明な感じだったのに、他のキャストは明治座みたいな時代劇定番衣装だったからです。

 この舞台のもう一人の目玉キャストは、ミュージカル王子の一人である浦井健治の「きじるしの王次」なのですが、2005年の蜷川版では藤原竜也が演じており、役名見ればシェイクスピア3級以上の人ならわかるハムレット役なのですが、リチャード三世なタカハシが奇抜な扮装なのに、ハムレットな浦井健治がわりとフツーの着流し姿だったのが、もったいなかったような・・・
 演出の藤田俊太郎は蜷川幸雄の弟子みたいな人らしいけど、あまり舞台美術には拘りが無いのだろうか?

 経歴調べたら、芸大卒だった!
 ということは、「あえて」大衆演劇というか商業演劇に寄せたのかね?

 まあ、長いし登場人物も多いんだけど、わかりやすい演出だったので、楽しく見られましたし。あの戯曲だともっとダークな演出になりそうなところを「おとぎ話」としてうまくまとめたのではないでしょうか?
 個人的には高橋一生や浦井健治にはもっとジャンジャカ歌って踊って欲しかったけど。

 そういえば、この戯曲はシェイクスピアの全作品を引用しているらしいのだが、「リア王」「ハムレット」「マクベス」「ロミオとジュリエット」はさすがにわかったが、見終わった後に「喜劇系の要素どこにあった?」と考えてたら「惚れ薬」が出てきたシーンがあったのであれが「真夏の夜の夢」だろうけど、他の喜劇モノ要素が全然わからなかった。ああ、そっか姉妹が入れ替わるとかあったな。
 セリフだけの引用もあるらしいので、よほどの上級者じゃないと全部わからないのかも。


 あと、休憩挟んで3時間半の舞台でしたが、腰が全然痛くならなかったので「さすがわ日生劇場」と褒め称えておく。

 終演後、そんなにテンション上がっていたつもりは無かったが、「まだ夕方だし」と渋谷まで歩いてしまい、渋谷で軽く夕食食べてから、三茶までさらに歩いてしまったので、けっこうテンション上がっていたのだろう。

 そして帰宅後、それまで見てなかったこの舞台の感想をツイッターで拾っていたら「明日はやるらしいけど、千秋楽までやれるのか?」って書き込みがあったので、「ん?なんか世間の潮目が変わった?」とニュースサイトを見てみたら、「パフュームの東京ドーム公演が直前で中止」だと?

 あああああ、こういう事態にはならないと予想していたのだが・・・・

 10年前の新型インフルエンザの時ってどうでしたっけ?
 あの時は「アメリカとか海外で流行ってるから」って海外渡航が自粛モードだったし、日本で感染が広がった時も関西が学校閉鎖になったくらいだったような?

 その後の東日本大震災の時は電力供給の問題があったので、プロ野球の開催が危ぶまれて、「ああああ野球がああああ」ってなっていたけど、コンサートや舞台ってどうだったんだっけ?

 もはや、そういう記憶が曖昧になっていることに驚くが、逆に記憶に新しいのは「昭和天皇が危篤状態」の時の「歌舞音曲の類は」って自粛モードの時で、あれから30年、「過度の自粛は経済に悪影響が」ってモードになっていたと思うし、だから大震災の後にも「自粛しないで、経済を回すのです」って雰囲気あったんだけど、なんか今回のはまた雰囲気違うぞ?

 そして、まず最初に大規模コンサートが次々と中止を発表して、「ああああ、せっかくチケットをゲットしたのに」とチケットを持ってない私までズドーンと落ち込んでいたのだが、日生劇場の「天保十二年のシェイクスピア」も27日で打ち切りになった。

 29日の千秋楽のチケットを持っていた人たちの多くは、もうすでに見てるだろうからいいとして、大阪公演が丸ごと中止になり、関西圏の人たちはどれだけ落胆しているだろうか。
 そして、地元の三軒茶屋のパブリックシアターで28日から始まる「お伊勢断行」も中止に。

 出演俳優の不祥事による映画の公開中止とか、たまにあるけど、舞台の中止っていうのも辛いですね。
 しかも、演者にも主催者にもいっさい非がないのに。

 舞台でもライブでも同じだろうけど、演者だけではなく、衣装をデザインした人や舞台セットをデザインした人や、さらにはそれを作った人・・・ほんと大勢の人が仕事しているのでしょう。
 照明や音響とかも・・・

 そして、劇場やコンサートホールの案内スタッフなんて、ほぼ全員、アルバイトみたいなもんだから、「しばらくの間、稼ぎゼロ」になってしまうのでは?

 とか思っていたら、学校が全国的に休校になり、図書館も美術館も閉まり、ねずみ王国も休園とか、ちょっともう、こんなに何もかもやってないのって初めてなのでは?つーか、太平洋戦争以来なのでは?

 なのに、なんで私は毎日出勤しないといけないの?
 会社も閉鎖してほしいんですけど?

 というわけで、大震災の時も「生きてると、いろんなことがあるなあ」って経験値積んだつもりになっていたけど、今の状況の方が震災の時よりも悪いような気がして震えているのです。
 震災の時には「ナイターは電力使うから難しいかもしれないけど、デーゲームなら」とか「関西は影響無いんだから自粛しないで」とか逃げ道いっぱいあったのに。

 話をタカハシに戻します。
 3月上旬の大阪公演が中止になって、こういうのって役者さんは、ごっそり暇になるもんなんですかね?
 超売れっ子は、舞台の休演日にドラマや映画の撮影してるみたいで舞台がキャンセルになっても完全オフにはならないんだろうけど、それでも地方公演となると他のスケジュールを入れるのは難しいので、「もしかして、タカハシは数年ぶりにまとまった休暇とれているのかもしれない」と、想像するのはちょっとだけ楽しい。

 しかし、すぐに4月期ドラマでタマキングとダブル主演が発表されたので「どのスケジュールで撮影するつもりだったんだよ」と過密スケジュールに呆れますが。
 
2月24日(月)

●映画「スマホを落としただけなのにー囚われの殺人鬼」

 この映画の予告編は何度も見ていたので「成田凌がレクター博士みたいなことに」と思っていたけ・・・・あ、この映画見るつもりの人は読んでないと思うけど、ジャンジャカねたバレします・・・・見てみたら、ほんとに「羊たちの沈黙」でした。

 しかし、私の観測範囲ではそういうい感想書いている人がいなくて、「もしかして、レクター博士の知名度が思っているよりも低いのか?」
 たしかに、もう30年も前の映画だから、若い人は見たことないんだろうなあ・・・

 さて、私は大ヒットした前作見てないんだけど、この続編は「千葉雄大主演だし、成田凌がキャッハーになってるし、暇だったらチェックしてみるか」って程度に興味はあったんだけど、あれだけ何度も、最低でも10回は予告編見ていたのに、鈴木拡樹が出てるの知らなかったよ。

 鈴木拡樹が出ていることを急に知り、「え?予告編に出てた?」ってネットで確認したら、一瞬だけ出てるんですよね。

 鈴木拡樹が出ているのに、あの扱いって・・・・・・犯人確定じゃないですか!!!!!!

 日曜の「テセウスの船」は当初から「フツーなら安藤政信が犯人」と言われてましたが、事件当日の31年前のキャストではなく、現代パートのキャストだと途中でわかり「なんだ、じゃあ、違うのか」って思っていたら、昨日の回でジャジャジャーンと真犯人でしたーーーーーーってなって「ほーら、やっぱり」ってなりましたが、まあ、まだ一捻りありそうですけど。

 というわけで、鈴木拡樹目当てで見に行ったのに、登場シーンがずいぶん軽かった。
 つーか、「もうちょっと美しく撮っていただけませんかね?」って。
 いや、わかりますよ、「意外な真犯人」だから目立たないようにサラっとやったんですよね。
 だからって、華奢で弱々しい感じを強調することないじゃないですか。

 全然イケてないので逆にびっくりしたが、「鈴木拡樹が全力でツヤ消ししているっちゅーことは、やはり彼が真犯人なんだ」と確信しつつ「きっと後半で豹変するんだ」と期待していたのですが、なんかそこもサラっとやった?

 まあ、だからこの話は「成田凌がレクター博士やります」って話で、千葉雄大がクラリスだから真犯人はどうでもいいのかもしれないけど、そこに鈴木拡樹を引っ張ってきて特に見せ場無しって酷くね?
 だいたい、こういう映画見るような客は鈴木拡樹知ってるんだろうか?

 おかげさまでフツーなら見ないタイプの映画を見てしまったが、それなりに楽しめた。
 井浦新がフェイクなのは最初からわかっていたが、「なるほど、そういうことか」って納得したし。
 千葉雄大のキャラは、もう少し闇属性強調したほうが良かったんじゃないかなあ?
 前作との流れがあるから、ああなったのかもしれないけど、今作で闇落ちしたって設定でもよかったと思う。

 いや、ちょっとだけ「ツインピークスやりたいんか?」な感じがしたので、それだったらもっとちゃんとやれと。あと看守(じゃないけど)が死刑囚に嫌がらせする雰囲気とか「グリーンマイルやりたいんか?」と思ったんだけど、なるほど脚本担当の大石哲也は同世代なので、「同じようなもの見てたな」感がありましたね。

 だから、脚本はいいと思ったけど、成田凌のキャッハー演技はお約束だとしても、千葉雄大にしても鈴木拡樹にしても、ちょっと雑な感じで撮られているのが気になったが、さらに気になったのが白石麻衣の扱い。

 部屋でブラジャー外すシーンがあって、もちろん背中しか映さないけど、アイドル女優にしてはけっこう艶かしいなと思ったけど、ブラジャー外した時に背中に少し跡が残っているのをきちんと映していたので、「おや?」って思っていたんですよ。

 そしたら後半の山場で白石麻衣が音尾琢真に乱暴されそうになるシーンが妙にちゃんとしていて、パンスト破られるとか、ブラウスをガバっとやられてブラ丸見えとか「こういう映画でこんな真面目にやる?」って思ったのですが、あれは誰に対するサービスなんですかね?
 つーか、白石麻衣があんなに頑張ってくれるのなら、乱暴するのは音尾さんじゃなくて、鈴木拡樹でもよろしかったのよ?ストッキングをビリビリする鈴木拡樹が見たかった。

●月9「絶対零度」

 やっと今日の8話で、推しの上杉柊平がやっと活躍した。
 美しかったよ。よく頑張った。
 月9で爪痕残せて嬉しい。
 いや、「モデル系で、成田凌の次はこの子かな?ポスト綾野剛になりそう」と思っていたんだけど、あっさりノーマークだった清原翔に抜かれたので、けっこう悔しかったので、応援しているのです。
 いや、清原翔は出来不出来のバラつきが今のところ大きいけど、平均としては上出来だし、好きなんだけどさ。

 あ、推しといえば、最近よく流れている滝藤賢一の求人サイトのCM「グリーン」ってやつで、滝藤賢一の隣にいるのが竹財輝之助で、この人もちょっと癖のあるモデル系なので「滝藤賢一の隣が無茶苦茶しっくりくる!」と喜んでおります。

2月23日(日)

●映画「RED」

 久々の三連休なので実家に帰ろうかと思っていたけど、新型コロナ問題もあり、老親が感染して死んじゃったらヤダなと思って、やめました。
 部屋にこもって掃除でもしようかと思ったけど、なんか気が乗らなくて、暇だったから映画でも見に行くか・・・・いろいろイベントも中止になってるし、映画館ももしかしたら避けられているのかもしれない。だから、この私が少しでもお金を落とさないと!

 (汚部屋と向き合いたくないだけです)

 あ、そうだ。今日、老眼鏡が死んだ。
 少し前に枝の部分が折れて「あー、老眼鏡壊れやすいって聞いてたけど、ほんとだな」とわかったのですが、セロテープで補修して「みっともないけど、まあ、いいや」とやり過ごしていたのです。

 老眼鏡デビューだったから、デパートの小洒落た雑貨屋で買った、けっこうお高いヤツだったんですよ。
 去年の消費税アップの時、「えーと、消費税増税前になんか買っとくものあったっけ?」って考えても、元々あまり物欲がないので、トイレットペーパーとかシャンプーとかトリートメントとか「多少買いだめしても、どーせ使うもの」を買い込んでしまい「こんなことしても、お得になる金額は微々たるもの」と・・・もうちょっと高額なもの買おうぜ、と考えたら「あ、老眼鏡」

 しばらく前からスマホも本も読みづらくなっていて「そろそろ老眼鏡が必要かな」と思ってはいたのですが、老眼鏡ってどこでどう買えばいいのかわからなかったので躊躇していたのですが消費税増税をきっかけに買ってみたのです。だから、デパートで買ったので、4000円くらいのけっこういいやつ。

 それが半年で「セロハンテープで補修」という情けない姿になったのが軽くショックでしたが、今日はさらにトイレで床に落としたら、根元から折れていて「さようなら」でした。
 だいたいさあ、コンタクトレンズ入れているのに、近くが見えないので老眼鏡ってわけわからん。

 あ、また話が逸れましたが、映画の話です。

 前から予告編で妻夫木くんと夏帆ちゃんが濃厚ベッドシーンな映画だということは知ってました。

 妻夫木くんは松坂世代というか、俳優だと「ディーン様・星野源・高橋一生」と同世代なんですけど、10年前に大河の主演やってから「上がり」って感じで、ドラマの仕事しなくなったよね。
 正月の箱根駅伝では、メインスポンサーのCMでいっぱい出てくるので「売れっ子」感は維持しつつ、映画がメインになっているようで、しかも、あまり大作には出ていないという、少し前の松田龍平みたいな感じになっている。(松田龍平はここ最近コンスタントにテレビドラマに出るようになった)

 だから私は妻夫木くんが主演の作品って見た記憶がなくて、だから彼がちゃんと演技しているのを見るのはこれが多分初めて。

 で、さすがのイケメンぶりでした。
 10年ぶりの偶然の再会で、夏帆が思わずその姿を追い求めるってゆーのに異常に説得力があった。
 「この妻夫木じゃあ、しゃーねーな」って。

 そんで、先日「ロマンスドール」見た時は「エロい話なんだから、せめてR15にしておけ」とボヤきましたが、「RED」は堂々のR15でしたので中途半端なことはしないだろうという安心感がありましたが、「そんなに濃厚キスシーンを延々とやらなくてもいいです」と思ったくらいでした。コロナ感染しそう(笑)

 ベッドシーンはほんとに生々しかったのですが、妻夫木聡と夏帆という個人的には明るく健全なイメージのある二人が濃厚に絡んでいるのを延々と見せられると「うーむ、こういうのが見たかったわけでは・・・」という気分になってしまいました。
 つーか、これってそういう話なの?

 どうやら原作小説では「母としての自分と、一人の女性としての自分との葛藤」がメインだったようですが、映画だと夏帆の問題というよりは「余命を覚悟した妻夫木聡に引きずられた」って感じになっている。
 そう、これ、たまたまなんだろうけど「ロマンスドール」が余命わずかな妻が死ぬ前に「死ぬほどセックスした」話で、「RED」では死ぬのが男の方という。

 よく、命の危険に晒されていると性欲が増すとか言われてますが、末期ガンでフラフラなのに、あんなにヤリまくる元気あるのでしょうか?

 というわけで、イマイチ登場人物に感情移入できなかったのですが、主人公二人の同僚で、夏帆にちょっと気があるので二人の関係を気にしている人物を柄本佑が演じていて、「この柄本佑と夏帆が不倫するのを見たかった」と思った。ほんとここ最近の柄本佑は絶好調だな。

 さて、私がこの映画を見た目的は「いくらなんでも、この役に間宮祥太朗は若すぎないか?」という疑問を検証するためでしたが、結論として大正解キャスティングでした。
 35歳のエリート商社マンにちゃんと見えた。
 そして、彼の若さが独特の潔癖感を漂わせていたし、マザコンであったり子育ては妻がするものと思い込んでいたり、いろいろダメな男なんだけど、あの完璧なビジュアルでやられると、彼が夏帆を家庭に閉じ込めたわけではなく、彼こそが夏帆が必死に築いた城であるように思える。

 さらに、不倫相手の妻夫木聡があれだけの美貌を振りまいているわけだから、夫役のビジュアルはあれに拮抗しないと成り立たないのだが、30代半ばであのクラスだと脇役出演は難しいし、私も他でパっと思い浮かぶのは松坂桃李とかになってしまう。

 あ、今だったら、夫役を柄本佑にやらせれば良かったのでは?(笑)
 どんだけ柄本佑好きなんだよ、って話ですが、たぶん、今現在そういう企画がいっぱい上がっていると思うので2年後くらいに期待大。

 そんで、ちょっと前までは変な高校生役ばかりやっていた間宮祥太朗が子持ちのエリート商社マン役を見事にキメてくれたので、「もう、間宮ったら、いつのまにこんな出来る子になっちゃったの?」とオバサンは嬉し泣きしているだけです。

 あと、間宮をエリートにするんならこの「RED」のビジュアルが正解なので、「ハムラアキラ」の警視役は前髪下ろした変な髪型しているので、やはりお坊ちゃん感を出しているのですね。

 話をまた「RED」に戻すと、主人公の心情表現が少し浅いような気がしたけど、夏帆の清楚感は素晴らしかったし、不倫相手である妻夫木聡の渋い美中年ぶりは最高だったし、柄本佑も間宮祥太朗もいい仕事していたので、役者好きには堪らない作品だったし、映像の雰囲気は超好みでした。酒向芳さんの佇まいも良かったし。

 原作と違うラストに関しては賛否両論というか、否定的な意見が多いようですが、原作未読組としては、あのラストで特に不満はない。
 ベッドシーンが目立ってしまったので、主人公が性愛に走っただけの話になってしまったように思えるが、妻夫木くんが演じた鞍田は「結婚前の仕事に打ち込んでいた頃の自分」を象徴する人物で、だからラブシーンよりも、二人で建築模型を作るシーンや鞍田が病気のため仕上げに立ち会えなかった現場を主人公が仕切るシーンのほうが生き生きと楽しそうだった。
 そんで、主人公が一番楽しそうだったのは柄本佑演じる小鷹とのデートシーンだったんだが、あれはいったい何だったんだろう?

 たぶん、主人公が家庭に収まるタイプの女性ではなかったっていうことなんだろう。
 人には向き不向きがあって、苦手なことを無理してやるよりも、好きなことや得意なことをやったらいいよ、って感じの映画でした。

 あと夫も不倫相手もあまりにも美男なので「この主人公、どんだけ面食いなの?」って感じになってしまうので、柄本佑を配置したのかもしれないけど、今だとそれが逆効果になってしまっているのが地味に面白かったです。

2月22日(土)

●ドラマ「ホームルーム」MBSドラマ特区

 山田裕貴は今同時に2本の深夜ドラマで主演なのだが、「SEDAI WARS」では気弱な青年役だけど、こっちの「ホームルーム」は変態サイコパス教師役。
 漫画原作だけど、最初見たとき「これは・・・なかなか・・・相当エグいな」って思った。

 悪質なイタズラ(椅子に接着剤が塗ってあったり、弁当に虫が入れられていたり)を受けている女子高生を担任の教師がなんとか守ろうとするのだが、実はイタズラを仕掛けているのは教師で、「彼女を守るヒーローになる」ために自作自演しているのだ。
 しかし、そのうち、教師が仕掛けてないのに女子高生が被害に遭い「オレ以外に誰がそんなこと!」って犯人を探すのだが、実は女子高生が「こうすれば先生が私に構ってくれるから」という自作自演だったという、なかなか業が深い話である。

 さらに、教師はその女子高生の部屋に毎晩忍び込み、全裸でベッドの下に潜んでいるのである。

 先週の4話では、教え子桜井の部屋で収集したキモいコレクションで埋め尽くされた超キモいラブリン先生の部屋が出てきて、ほんとキモかったし、今週の5話では、停学から復帰した不良グループの女子がベッドの下に潜むラブリンを偶然発見して・・・
 不良グループたちは、ラブリンにヤキいれようとあれこれ画策していて、まずラブリンの家を突き止めようと尾行していたのですが、ラブリンが夜に入っていったアパートは教え子桜井の部屋だったのです。
 不良グループはそれを知らないから、桜井の部屋をラブリンの部屋だと誤解していたわけ。脇が甘いぞ、ラブリン!

 それにしても、全然笑えないような話なんですが、ギリギリ笑ってしまうのは、山田裕貴が本来持つ「キモさ」・・・いや「本来」って言うのは違うか・・・山田裕貴が得意とするキモさの表現というべきか。
 なんか昔の北村一輝っぽいですよね。イケメンというよりは不気味系みたいな。

 それにしても、せっかく朝ドラで全国区になったのに、深夜ドラマとはいえ、こんなキワモノ役ってどーよ?と思いますが、爽やか系も出来る人なので・・・いや、やはりちょっと癖のある爽やかさだけど、この「ホームルーム」では変態教師ぶりに振り切ってはいるものの、表の顔は人気イケメン教師なので、時折ドキっとするくらい魅力的な表情も出てくるので、今の時点の山田裕貴の振り幅というか表現力を堪能できるので「山田裕貴がエランドール賞もらうのはいつかなあ?」と楽しみにしているオバサンファンとしては堪りません。


2月21日(金)

●小説「影裏」

 こうやって映画で消化不良を起こすと原作買って読んでしまうのって「制作側の思う壺じゃん」っていつも思うのですが(笑)
 それにしても芥川賞受賞作品を読むのなんて超久しぶりだ。

 さて、予想はしていたが、原作の方が映画よりずっと意味不明だった。
 ただ、小説の方が二人の格差を描いているのね。
 今野(綾野剛)は盛岡の子会社に飛ばされてはいるんだけど(なんかやらかしたっぽい)、首都圏に本社がある全国展開しているようなそこそこ大きい企業の正社員だし、通例だと3年で本社に戻れるらしい。
 対する日浅(松田龍平)は今野と同じ会社の社員だが、子会社のプロパーだし事務職ではなく物流部門にいて出世の道も閉ざされているらしい。もしかしたら、契約社員なのかもしれない。

 日浅は今野に黙って会社を辞めてしまい、連絡先もわかららないので交流が途絶えるのだが、数ヶ月後に突然アパートを訪ねてきて「互助会の営業に転職した。営業成績トップなんだ」と自慢する。
 物流の仕事していた時は身なりに構わなかった日浅が髪を短くしてスーツ着ている姿に今野は違和感というか、寂しさを感じる。

 そして、またしばらくしてから日浅がやってきて「ノルマが足らないから契約してくれ」と頭を下げる。
 今野は、「そっか、前もこの用事だったんだ。オレって鈍感」と心の中で反省しつつ、契約に応じる。

 なるほど、はっきりは書いてないんだけど、今野は小説でもゲイであることは明確なので、「ゲイであることを隠して友人として付き合ってること」に疚しさを感じているというか、盛岡にまだ馴染めない孤独な自分や過去の恋愛の失敗や仕事での失敗を引きずっている自分の方が「弱者」だと思っているので、日浅のコンプレックスがわからないんですね。

 そこも、ほんと「his」と似た話で、いや、ちょうど同じ時期に見たからそう思ってしまうだけかもしれないけど・・・
 だから、小説での「焚き火のシーン」は、ただ日浅のコンプレックスが爆発しただけと解釈することができる。

 久々の釣りの誘いに浮かれた今野は、オシャレしてアウトドアグッズや輸入物のおつまみを買い揃えてくるのですが、スーツ姿で現れた日浅は、そんな今野の支度を端からこき下ろす。
 このシーンは小説でも映画でも、日浅がなぜそんなに不機嫌なのか全くわからないのですが、小説の方を超深読みすると、日浅は今野がゲイだということに気がついており、それを仄めかして叩いているようにも解釈できる。
 だから今野は居たたまれなくなり、「もう、今までと同じようには付き合えないのだ」と気がつく。

 その後、震災が起こり、日浅が行方不明になってることを知った後の展開は映画は小説をほぼなぞっていました。
 父親の語る「絶縁した息子」の話は映画も小説もちょっと難解なんだけど、小説の方が屈折した愛情をより表現していたのかも。
 「あんないい子が死ぬわけがない」の反対で「あんな奴は殺しても簡単に死なないはず」って?
 その辺はもはやどうでもいいのですが、原作読んでみて「映画はよくぞ、ああいう話に構築したなあ」と感心した。

 映画では「二人の格差」はかなり抑えられていた。
 今野は営業職だが、倉庫で品物を選んでいることが多いし、事務仕事はパソコン使ってはいるが、古臭い紙の伝票を処理していたりと「地方の古臭い子会社でショボく働いている」というイメージになっていた。
 そして、ノルマ抱えている営業スタイルではなく、ルートセールスっていうの?取引先の病院に薬品を卸す仕事だから、「地方に飛ばされて退屈な仕事を淡々とこなしている」って感じ。

 そして今野の住むアパートは全然オシャレではない古いアパートだし、インテリアはそれなりに洗練されているが、やはりオシャレというほどでもないギリギリを作っていると思った。
 まあ、それでカルバン・クラインのパンツ姿で部屋の中をウロウロする綾野剛はお色気ムンムン(笑)で、不穏な空気の中で怪しいお色気を振りまいているので、私が「あれ?そっちの話?」と戸惑ったように、「そういう意味のサスペンス」になっているのだ。
 なので、小説にはない、今野が思わず日浅にキスするシーンで「やっぱしぃぃぃぃ?」となるし、さらに今野にハガキやメールを送ってきていた東京の友人らしき男性がいたのだが、そいつが出張で近くに来ていたので会いに行くと、そこに見事な女装の中村倫也が座ってるという・・・・

 小説だと電話で話すだけなんだけど、映画だとそりゃ、実際に会わないとね。
 そんで、小説でも映画でも、この二人の過去は詳しくは語られないんだけど、綾野剛はゲイで、中村倫也は性同一障害だったので、中村倫也が女性を選択してしまったから別れるしかなかったんだよね。

 それで、やはり映画版は「もしかしたら松田龍平も、まんざらではなかったのかも」って描き方しているように思えた。
 そこまでいかなくても愛情を試してしまう人のように思えた。

「お前が見てんのは、ほんの一瞬光が当たったとこだけってこと。人を見る時は、影の一番濃いとこを見んだよ。」

 ってセリフは映画独自のもので、予告編ではミステリアスな彼の裏側を暗示していたが、本編を見てみたら、そんなんじゃなくて、ってゆーか、私の解釈だと、このセリフは「もっと本当の私を見て」ってことになる。

 日浅は、自分を見限らない今野に苛立っているのだ。
 そして、もっと深読み(というか勝手な解釈)するなら、今野が自分を見限らないのは、そこに性愛が絡んでいるということがわかっているので、それをどう処理すればいいのか戸惑っているのだ。

 原作を読んで、「ああ、だから映画はこういう脚本にしたんだな」っていう箇所があり、それは父親が語る日浅の少年時代の話だった。
 小学校時代の日浅は常に一人としか付き合わなかったらしい。そして、頻繁にパートナーチェンジをしていたようだ。
 それを父親は禍々しいことのように語るが、それほど変なことだと私は思わなかったけど、田舎の1学年1クラスしかない小学校で、複数でツルまないって確かにちょっと変だけど。

 素直に解釈すると、幼くして母を失い、父親からは生理的に疎まれていた日浅は愛情に飢えているので、友人を常に試していたのではないか?
 だから、仲良くなっても長続きせずに、また違う友人をタラしこみ、また愛想つかされて次をタラしこむことを繰り返していたのではないか?

 そう考えると映画の日浅と今野の出会いは、日浅の方から積極的に攻めていて、今野は完全に受け身なんですよね。
 今野はゲイだから、日浅とは適度な距離とりたかったんだけど、日浅がドカドカ踏み込んでくるから困惑しながらも、その孤独を埋めてくれる友情に縋ってしまう。

 って、つらつら書いてて、まとまらないが、すごーく難解というか渋いBL設定になっているので、来週あたりもう一度見て見ましょうか?

 で、何が言いたいかというと、「愛がなんだ」の脚本家の手腕も光るけど、この映画を・・・というか、確かに原作がゲイが主人公の小説だけど、原作のキモはそこではないような気がするので、こういう映画にしたのは、やはり大友監督なのかと。
 いや、思い返せば「億男」も原作は全然そんなんじゃなかったのに、映画はBLで、いや、フツーに鑑賞すれば、佐藤健が主人公なんですけど、腐った心で鑑賞すると「学生時代からずっと佐藤健のことが好きだった高橋一生の物語」なんですよ。

 なので、「億男」といい「影裏」といい、大友監督はなぜこういう路線に?って不思議なんだけど、本人はそこにあまり気がついてない雰囲気なのも不思議。
 そんで、「his」と「影裏」が同じ時期に公開されてるというのも不思議。
 だから、「影裏」が「裏his」みたいなことになってるし。
 いや、フツー逆でしょ。「綾野剛×松田龍平」が表で裏が「宮沢氷魚×藤原季節」ならわかるけど。(名前の順番は攻め受けとは関係がありません)

 とにかく、大友監督みたいなメジャーな監督が「なんか、こっちに来たぞ?なんで?」ってことは、今後もこっち方面に予算を引き入れてくれる可能性があるかもしれないので期待しております。

 それにしても、やはりこの映画の製作過程を知ったら、「地元全面協力」というか、全部岩手ロケなんですね。
 綾野剛のアパートの部屋はセットなのかと思っていたら、あれも本当のアパートの一室だったのでメイキング見て驚いた。

 勤務先の会社も「営業中だけど、社員もエキストラ参加で全面協力」らしく、本当に地元愛に溢れる映画だってことは本編みてわかっていたけど、本当にそうだったんですね。

 いや、だからこそ、撮影にボランティア的に関わった大勢の人たちが「岩手初の芥川賞を岩手出身の有名監督が!」って期待して見た映画が、「腐女子歴40年近い私にも超難解な文芸作品BL」っていうので、よかったんですかね?
 まあ、原作読んでいた盛岡市民は「難しい小説なんで、よぐわがんねけど」って感じで「映画だったらわがるがど思ったけど、やっぱわがらんかった」でよかったのかもしれないけど。

 いや、東京もんのオレもわがらなかったし。

 それでも、テレビドラマ主演級のトップ俳優二人が、岩手の美しい渓流の中で釣りしているシーンが一番分量があるので、地元の人にはそれだけでも見応えがあったのでは?
 私も「これ、要するにリバーランズスルーイットなんだよな?」と思ったので、サスペンスを装う宣伝よりも、そっちを全面に出していたほうが正直でよかったような気がするし、その方が、この映画がもっと評価されたのではないかと思う。

2月20日(木)

 昨日はまた「ヲタ恋」について長々と書いてしまったが、ほんとはこっちの感想書くつもりだった。

●映画「影裏」

 前から予告編流れていて「へー、松田龍平と綾野剛かあ」って、かなり食指が動いていたのだが、予告編の雰囲気と「大友啓史監督」っていうのが合致しなかった。
 って、私は「るろうに剣心」をちゃんと見たことがないのですが、「3月のライオン」と「億男」は劇場で見ているので、昨日書いた福田雄一とは対極の「予算きっちり使う」タイプのエンタメ系監督だと思っていたので、ちょっとイメージが違う映画のように感じたのだ。

 でも、音楽は大友良英だし、撮影は「散歩する侵略者」「羊の木」「海を駆ける」って近作を私はなぜか全部見てるんだけど(笑)、そういう不穏系が得意らしい芦澤明子で、脚本がなんと「愛がなんだ」の澤井香織って、なにそれ、すっごく見たいんですけど?

 さて、この映画の宣伝は「失踪した同僚の裏の顔を知ることになる」って感じで、てっきりサスペンス系なのかと思いきや、全然違った!!!!
 まーた「予告編と全然違うじゃん」って映画見ちゃったよ(笑)

 いや、まあ、「震災映画」って宣伝するよりも、あの予告編の方が客の興味を引くのはわかるのですが、「そういうつもり」で見てしまうと「え?なんなのいったい?」って頭がついていけないんだよなあ。
 キャストやスタッフは調べていたのに、肝心の原作小説のこと全く知らないで見た自分も悪いのだが・・・つーか完全に予告編に釣られてしまってちょっと悔しい。

 見終わった後に原作のこと調べたら、芥川賞選考会でも「何を言いたいのかわからない」と賛否が分かれた作品だったらしい。
 この映画は、本来ならテアトル新宿とかで上映する映画なんだけど、テレビ岩手開局50周年記念として「盛岡を舞台した芥川賞作品」を「盛岡出身の大友啓史が監督」にしてみたら、シネコンにかかることになっちゃったのかね?
 いや、岩手の美しい自然の情景は素晴らしかったし、地元の人もエキストラで大勢出ているだろうし、盛岡の人が誇れるような映画に仕上がっているけど、非常にわかりにく作品なので、「自分らも協力したから」「お馴染みのあの場所がロケ地になっているから」とこの映画を見たフツーな人々はどう思ったのだろう?

 いや、つまらなかったわけではない。
 大友監督作なんだけど、雰囲気は黒沢清で冒頭から不穏、とにかく不穏、ずっと不穏。
 そして主演の二人は、この映画のテーマをわかりすぎており、一瞬たりとも「わかりやすい」演技しないのだ。
 いや、テーマっていうか「文芸作品であります」てゆーか。

 だから感想書くの難しいのだが、とりあえず言っておきたいのは「BLならBLだと先に教えてくれ」

 いや、私、「そういう」映画じゃないと思い込んでいたので、最初のシーンの妙に艶かしい綾野剛を見て「あれ?」って思ったし、さらにはずっとそんな感じだったし、それで、綾野剛が松田龍平と出会って部屋で飲んだり、一緒に釣りに行ったり、映画に行ったりっていうのを延々と見せられて「これはデートにしか見えない。というか、もはや付き合ってるんじゃ?」と思っていて、だんだん「いつ、松田龍平は綾野剛にキスするんだろう?」と勝手に手に汗握ってしまったのだが「いやいや、そういんじゃなくて(笑)」と己の邪心と戦っていたら、ほんとにキスした!!!!!!!!!!!

 いや、私の邪心だと松田龍平が綾野剛にキスする予定だったのですが、逆だった。
 つーか、綾野剛はずっと「そう」なんだけど、ずっと自制していて、それが、ふとしたきっかけでヒョイと松田龍平が接近してきたから自制が効かなくなってしまったんですね。
 しかし、悲しいことに(私が)、松田龍平は本気で嫌がり、カップル誕生ならず。

 ああ、とってもわかりやすかった「his」が恋しいよ。

 そんで、その後も二人は一緒に釣りに出かけたりするのですが、よくわからない感じに気まずくなって連絡取り合わなくなり、その後、震災で松田龍平が行方不明になっていることがわかる。
 綾野剛は松田龍平の実家に行くが「あいつとは縁を切ってる」と父親に言われる。

 という展開でやっと松田龍平の「闇」が明かされるのかと思いきや、「東京の大学卒業するまで仕送りしていたのに、実は大学に通っていなかった」とか「営業ノルマ達成するために何度も契約させられたし、さらに30万円貸している」とかいう程度の「闇」だった。

 結局、松田龍平のキャラが最初から最後までイマイチよくわからないまま終わってしまったので、「いったい、なんだったんだ?」って感じだったのですが、帰宅して寝ながらつらつら考えていたら、大事なことを思い出した。脚本家が「愛がなんだ」の人だから、「愛がなんだ」的に捉えれば良かったのでは?

 「愛がなんだ」の岸井ゆきのが綾野剛で、成田凌が松田龍平だと解釈すると、そういう話だったのかも。
 いや、原作がどうなってるのかわからないけど、たぶん脚本家はそういう話として構築しているはず。

 だから、松田龍平は綾野剛がゲイだとわかっても、すぐに逃げたりしなくて、それまでの「友達以上恋人未満」な関係を続けようとする・・・っていうか、「愛がなんだ」もそうだったんだけど、「私のこと嫌いじゃないみたいだけど、好きってわけでもない?」という非常に曖昧な関係なんですよね。

 「愛がなんだ」は、そういうのをラブコメとして描いてましたけど、「影裏」は不穏なサスペンスタッチで描いているので非常にわかりにくいけど、たぶん、同じ話なんだと思う。

 二人が最後に会う場面がまた意味不明で、松田龍平が綾野剛を夜釣りに誘う。
 綾野剛はウキウキでアウトドアセット準備して指定された川辺に行くのですが、松田龍平は遅れてやってきて、しかもスーツ姿???
 松田龍平から誘ったのに、なぜか不機嫌で、綾野剛の車を停めた場所がダメだとか、毛糸の帽子がダサいとか、アウトドアセットがシロートくさいとか、意味不明のダメ出しを連発する。

 そして、「乾燥させた流木の焚き火は最高なんだ」となぜか自慢げ。
 「なんなん、この男?」とイラっとしたのですが、焚き火を用意しながら「こういうのはじっくりジラして、前戯みたいなもんだ」とかなんとか正確には忘れちゃったけど、私には、松田龍平が綾野剛に「お前みたいにガバっと突然遅いかかるのは上手いやり方じゃない。焚き火みたいに種火からゆっくり火を回していってパっと燃え上がるのを待つんだ」って言ってるように思えたんだけど、綾野剛にはそれが伝わらなくて「明日、仕事だから酒は飲まない」と無粋なことを言う。要するに不機嫌になった彼女が「私、もう帰る」的な。

 なので、私の解釈では「松田龍平は綾野剛を試していた」のですが、私の解釈が正しいといわけでもなく、「見る人によって、それぞれの物語がある」って感じの映画だったし、そういう原作なんでしょう。

2月19日(水)

 中国人観光客が激減して、観光業は大打撃のようですが、そういや、私が大学生の時って2月の京都はオフシーズンだったので学生向けに格安プランがあったんだよな。
 だからサークルで毎年行っていたのよ。
 金額は忘れたけど、けっこうちゃんとした旅館で、一部屋に6人くらい詰め込まれたけど、団体旅行がフツーな時代はそれが当たり前だったし、あれで2泊でいくらくらいだったのかなあ?
 1万円以下だったような気がする。1泊につき4千円くらいだったような記憶がある。
 そして、二日目の夕飯は関西風すき焼きで大学生男子が満足する味とボリュームだったような。
 そして、青春18切符で行けば往復の交通費も数千円だったし、3万円くらいで二泊三日の京都の旅が楽しめたんだよねえ。
 そして、どこ行ってもガラガラで快適だった。超寒かったけど。

 そういえば、日曜日に映画見に新宿に行ったが、フツーにごった返していて拍子抜けしたが、やはり中国人は少ない印象だった。
 1月に都心に行った時には「欧米人までマスクつけてる!」って驚いたのだが、日曜日の新宿ではあまりマスクしている欧米人観光客を見かけなかったので、単にマスクが品薄だからだろうか?
 まあでも、いろんなイベントが中止になってきているので、ライブのチケット持ってる人は気が気じゃないよね。
 イベント主催者も・・・・

 さて、月曜日は月9をリアタイしたが、推しの上杉柊平は冒頭で水野美紀に資料を持ってきただけだったので「そんだけ?」と超がっかり(笑)

●「ヲタクに恋は難しい」(2回目)

 火曜日は最寄りのシネコンの割引デーだったのでこの映画をもう一度見てみた。
 評判悪いせいか、コロナ肺炎の影響かわからないけど、割引デーなのに空いていたけど、他の映画もあまり入ってない感じだったので、2月の閑散期であることと、やはりコロナの影響か?

 最初に見た時に、「ああ、こういうただ楽しいだけの映画が見たかった」と大満足していたのだが、SNS上でボロクソに言う人がかなり多いことを知り「福田雄一作品をボロクソに言うのもなあ?」って思ったけど、私は元々福田雄一作品が苦手なので、最初からものすっごくハードル下げているから大丈夫だったんだけど、そうじゃない人にはやはりキツい映画だったのかもなあ?

 と思いつつ、2回目見てみたら、まあ、アンチ勢の言いたいことは全部わかるわ(笑)

 それを踏まえてみても、鷺巣詩郎の楽曲が素晴らしく、一度聞いたくらいではメロディ覚えられない私でも「これ、カラオケで歌えるんじゃないか?」と思うくらい、わかりやすいメロディで、多くの批判が「歌唱シーンが多すぎ」であったが、私はもっと歌があってもいいと思ったくらいだ。
 いっそ、冒頭の佐藤二朗も歌えば良かったのに。

 まあ必然的に高畑充希が心情を歌い上げるシーンが多いので、そこが気に入らない人も多いんだろうけど、私は「ごちそうさん」以来の高畑充希ファンなので、彼女の歌唱シーンだけでも映画代を払う価値があると思った。
 もう1曲くらい山崎賢人とデキュエットしてくれたらなあ・・・

 そうそう、これ最初に見た時も「え?」って思ったんだけど、山崎賢人が歌うシーンって、ファミレスで座ったままなんですよ。
 この映画は登場人物がロクな物を食べていないというのも印象的で、それが「オタクは食事に関心がない」という描写なのかどうかよくわかりませんが、山崎賢人がバラード歌うシーンが「座ったまま」って?

 本気であれでいいと思っているのなら、違う意味で天才ですが、山崎賢人には「ヲタ芸シーン」と「オペラ座の怪人シーン」という大事な見せ場があったので、あれ以上躍らせるのは難しかったのかなあ?
 それで勝手ながら思ったんだけど、福田雄一がこれだけの人気監督なのは・・・この規模で公開される映画にしては、なんて言うんだろう?ゴージャス感が無いような気がする・・・要するに、予算が低そうな感じがするのだ。
 もちろん「ロケとかセットが贅沢だなあ」って「だけ」の映画もいっぱいあるんだけど。

 そういうわけで、確かに映画全体としては私も「なんだかなあ?」とは思うけど、それでも、ムロツヨシと菜々緒の掛け合いとか2回見ても絶妙ですごく良かったし、みっともなく泣く斎藤工とか、「ここでしか見られない」というレア感もあって最高だったし、そして、そこから一転して、優しそうな笑顔で踊る斎藤工を見てたら、ついうっかり泣いてしまったので、私はやっぱしこの映画が好きだなあ。

 さて、苦手といえば、福田雄一以上に苦手な行定監督の「劇場」の公開が控えているが、山崎賢人と松岡茉優なら、また挑戦してみましょうか。
 行定監督は、6月には「窮鼠はチーズの夢を見る」も控えていて、そっちはなんと、大倉忠義と成田凌なんだが、予告編ですでに焦げ臭いのであるが、まあ「劇場」見てから考えるよ。

 私はいったい何に挑んでいるのだろうか?


2月16日(日)

 せっかくだからドラマの感想書いておこうと張り切ったら、いっぱい書いてなんか疲れた。

 えーと、結局、今クールは何見てるんだ?
 月9、火10、水10、木9、金10はNHKの方、土はNHK9時と日テレ10、日曜日が大河とテセウス。
 あと深夜ドラマがコタキ兄弟と山田裕貴主演作2本。
 さらにTVerで上がっている「コンフィデンスマンJP」と「きみはペット」

 こんだけ見るのけっこう大変なわけです。
 感想書くのも大変だが・・・

●「ハムラアキラ」NHK 金10

 これが始まるまではTBSの「病室で念仏を」を見てたんだけど、シシド・カフカ様主演作なのでこっちに乗り換えました。
 このドラマ、ちょっと難解なところもあるし、スッキリしないタイプの話なんだけど、とにもかくにもカフカ様が美しいので、それだけで星5つなのだが、さらに「正統派美青年モードの間宮祥太朗」が絡んでくるから、美の重量オーバー感がたまりません。
 先週は松本まりかがゲストだったので、濃厚さがさらに増して飽和状態だったし、今週は「不気味モードの野間口徹」がゲストでミステリーじゃなくてホラーだったし。
 原作をけっこう改変しているらしく、原作ファンは一喜一憂しているようですがなかなか不思議な味わいのドラマです。

 間宮祥太朗の役はドラマオリジナルらしいけど、いつも三揃いスーツビシっと着ていて、エリート警察官で「警視で管理官」って、そんなのいるの?
 間宮は実年齢26歳だし、私がそれを知ってるせいか、30代に見えないんだけど、あの若さで管理官って実際にいるの?刑事ドラマに出てくる管理官って、もっとおじさんじゃない?
 あ、そっかキャリア組なのか!調べたら、キャリア組は警視のすぐ下の警部補スタートらしいので、20代後半で警視で管理官って別に珍しくもないのね。

 それにしても、いつも突然現れ、淡々と主人公の相談に乗っている間宮は「主人公の脳内にしか存在しないのでは?」っていう謎キャラだが、前回は他の刑事と絡んでいたので、実在するのか?

 それにしても、間宮祥太朗は最近急にクールビューティーな役が増えたような気がする。
 いや元々そういう顔だから、そういう役ばかりやっててもおかしくはないのだが、なぜかイケメンじゃない役が多いし、そっちの方の印象が強い。
 出世作が「ニーチェ先生」だしなあ(笑)、あと「お前はまだグンマを知らない」だったり、そういうイメージが強いから、やってないことは無いんだろうけど、「フツーにカッコいいイケメン役」を観た記憶がなかった。キラキラ恋愛映画にもほとんど出てないようだし。

 だいたい、去年やっていたドラマ「べしゃり暮らし」では、序盤は高校生役で、「それはそろそろ無理があるのでは」と思っていたが、渡辺大知と矢本悠馬が同級生役で上手くアシストしてくれて、それほど変ではなかった。
 そうそう、それで、去年の11月に「殺さない彼と死なない彼女」という映画をやっていて、当時月9の「シャーロック」に出ていた「ゆうたろう」をはじめ、金子大地、恒松祐里、中尾暢樹などのお気に入りが揃っていたので、見に行ったのである。
 そして主演は間宮祥太朗と桜井日奈子だったので「また、間宮の制服姿か・・・だから、そろそろ限界だって」と思いつつ、映画の最初のシーンが「教室の窓辺の席でダルそうにしている間宮祥太朗」だったのですが、その美しさに口が半開きになった(笑)
 映画見た後に原作の漫画を読んでみたのですが、原作のあのキャラを間宮祥太朗にやらせる発想は私には皆無だと思った。
 私だったらもう少し軽め・・・というか華奢な役者にするなあ。誰ってすぐには思い浮かばないけど、23歳くらいの頃の菅田将暉みたいな、って菅田将暉みたいなのそうそういないけど(笑)
 葉山奨之とか?

 ただ、ゆうたろうパートが超かわゆい系だったので、主人公パートの「コロス」が口癖の彼は大人っぽいほうがバランスとれると思ったのかもしれないけど、大人すぎだろう。
 しかし、制服を適度にだらしなく着て、常にスマホから目を離さず、常にダルそうな間宮祥太朗は「こんな高校生いないよ」と思う反面「あまりにも美しいから、ずっと学ラン着ていてください」と土下座してお願いしたくなる出来栄えであった。

 そして気がついた。
 シリアスでアンニュイな間宮祥太朗って池田理代子作画の黒髪キャラだ!
 ベルバラのアランとかベルナールじゃん?

 それにしても、なんで20代半ばになって少女漫画系ではないにせよ、漫画原作の高校生恋愛映画に正統派イケメン役で出るわけ?どういうマネジメント方針なんだろ?と素朴な疑問が湧いた。
 そしたら、「ハムラアキラ」で20代後半エリートイケメンで登場したから「え?ほんと、いきなりどうしちゃったの?」って感じなのだが、さらにもうすぐ公開する「RED」って映画で、夏帆と妻夫木聡が不倫する話らしいが、夏帆の夫役が間宮なのだ。

 結婚して子供もいる設定なので、夏帆はアラサー設定なんだろうけど、そのエリート夫だったら35歳くらいが想定されるので、間宮では若すぎるような気がするが、どうしても間宮がいい理由があるのだろうか?(時間があれば検証しに行く気満々)

 話脱線しまくってますが「殺さない彼と死なない彼女」は、すごく良かった。
 ただ、登場人物の独特の台詞回しに最初はすごく違和感覚えたのだが「たぶん、こういう原作なんだろうな」と思っていたらその通りだったし、映画でも途中から気にならなくなっていた。
 ああいう映画って、どう言葉で表現すればいいのかわからないけど、同じ頃見た短編映画「正しいバスの見分けかた」もそうだったけど、インディーズ系恋愛映画の今の流行スタイルなのか、それとも私がそういうの見てないだけで、インディーズ系ではああいうの多いのかわからないけど、ちなみに私は初回は間宮が美しすぎて話が頭にちゃんと入ってなかったような気がしたので、もう一度見ました。

2月15日(土)

 そうだ、今週は野村克也氏の訃報がありました。

 野村克也氏に関しては、私は「もしかして、プロ野球をつまらなくした一人かも」という疑いをずっと持っているのですが、当時の楽天ファンとしては「マー君ダシにして、楽天を人気球団というか、常に報道される球団にしたのは凄かった」と、あのやり方に素直に賛同はできないんだけど、凄い人であるとは思っていた。

 そういえば、野村夫妻って「好感度」にこだわりがなかったような?
 お二人とも現役バリバリの頃は「好感度を上げることが下手な人たち」だと思っていたけど、お二人とも亡くなられた今、ふと思い出してみると、あえて、ああいうキャラ設定していたのかなあ?とも思う。
 私が思っていた以上に賢いご夫妻だったのかもしれない。

 映画「パラサイト」では高い能力があっても貧困から安易に抜け出せない人々が描かれていたけど、野村夫妻は「才能と努力で成り上がった」という一時代前の「物語」のモデルの一つだったのかも。
 有名な話だが、野村克也はドラフト制度ができる前にプロ野球に潜り込んだ選手で、確かご本人も「今の時代だったら自分はプロ野球選手になれなかった」と言っていたはず。

 そんなわけで、なんとなく「そういう時代」の終わりを・・・いや、それがすごく昔のことだったことを・・・そういえば最近「成り上がり」って言葉聞かなくなったなっていうことに気が付いた、野村克也氏の訃報であった。
 心よりご冥福をお祈りいたします。

 そっか、楽天ファンだったのに、野村監督にあまり思い入れがないのは、私が岩隈ファンだったからだ(笑)

●映画「his」(2回目)

 上映館少ないから、なかなか見に行けなかったが新宿武蔵野館でネット予約してやっと行けた、満席でした。
 せめて、渋谷でやってくれないかなあ?

 1回目はシネコンのそこそこ大きい画面で見たので、新宿武蔵野館の小さいスクリーンに違和感というか不満を感じたが、まあしょーがないし、映像美がどうのっていう映画でもないので、それこそ家のテレビで見ても映画としての劣化は少ないだろう。
 そして、これだけ1回目と2回目の印象が変わらない映画も珍しい。

 普通、結末わかった上で2回目を観ると「あ、役者は最初からそういう表情してたんだ」とか「このシーンは伏線だったのか」とか1回目とは違う楽しみ方ができるのだが、「his」はそういう仕掛けがほとんど無い映画のようだ。
 たぶん「何を考えてるのかよくわからない人」が出てこないからだろう。

 いや、田舎で隠遁生活を送っている宮沢氷魚のところに、子連れで押しかけてくる藤原季節は「何考えてんじゃコイツ?」って役なんだが、二度目でも「何考えてんじゃコイツ?」って感じでヘラヘラしていた。
 そして説明セリフは少ないけど、ちゃんと絵で丁寧に説明っていうか表現してくれるし、そのセリフではなく映像でっていう表現もとてもわかりやすいので、ゆったり安心して見ていられる。

 奇抜な演出も、意味深なカットも全然無い、すごくわかりやすくて「そのまんま」な映画なんだよなあ。

 田舎の演出もステレオタイプだし。
 その辺は、ああいう地域に住んでいる人の感想を聞きたいが、そういう地域に住んでいる人はこの映画を見る機会が無いな(笑)

 あと、上手いなと思ったのは、「同性愛者に対する世間からの偏見」を離婚裁判場面で炸裂させたことである。
 「ゲイのカップルが親権とるなんてフツーじゃない」ことを印象づけるために弁護士がガンガン攻めてくるのだが、弁護士はあくまでも作戦としてやっているので、「同性愛者を差別する悪い人」ではない。でも、それを悪顔美男な堀部圭亮が演じてるから「敵はこいつか?」って思うけど、本当の敵はそいつではない。

 さらに、藤原季節側の弁護士は(戸田恵子が好演)妻側が仕事優先のバリキャリであるために家事育児がおろそかになっていることをガンガン攻めて反撃するのも超怖いんだけど、「世間の目」っていうのを二人の弁護士の戦いに凝縮した構成は、2度目鑑賞でも「上手いなあ」って唸った。

 この映画はもっと評価されていいと思うが、人にお薦めするのが難しいなあ。
 でも、離婚裁判が本当にあんなもんなのか、私にはわからないけど、よくある「親権争い」というものがどういうものなのか妙に丁寧に解説しているので「ほほー、なるほど」と勉強になった気になる(笑)

 そう、この映画は「ゲイのカップル」がやってるからつい誤魔化されてしまうんだけど、宮沢氷魚の役が女性だったら、ただの泥沼不倫の話なんだよね。
 主夫やっていた夫が浮気ばかりするので離婚することになり、親権を巡って調停中に夫は元カノの元に転がり込んで、「娘の親権は譲れない。元カノと一緒に娘を育てる」って(笑)

 だから、多くの人が指摘しているけど、「ゲイだから可哀想」ってついうっかりこの酷い話を「優しいいい話」だと思っていると、「あれ?そもそもそれが偏見なのでは?」と気づかされるのだ。
 脚本が非常に練られていて無駄がないので、重いテーマを隠し持っているけど、「いや、そんなんじゃなくて、恋愛映画なんですよ」って雰囲気なところも素晴らしい。

 こういう映画こそ、外国でどう評価されるのか興味あるので、カンヌとかに掛けてみれば良かったのに。

●ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」テレ東 金12

 「逃げ恥」「アンナチュラル」の脚本家・野木亜紀子がテレ東深夜ドラマ初挑戦ということでドラマ好きには多いに話題になってるのですが、期待通りに面白い。
 「四苦八苦」を題材の短編集みたいな感じですが、ちょうど昨日の回が「世間縛苦」だったので、その後「his」を見たら「あ、これ同じ話じゃん」と気がついた。

 「his」はフリーの通訳と結婚した藤原季節が専業主夫として家事育児を担当していたが、離婚をつきつけられ、元カレの宮沢氷魚のところに居候する話。
 「コタキ兄弟」は高校教師と結婚した滝藤賢一が専業主夫として家事育児を担当していたが、離婚をつきつけられ、実家に一人で住む兄の古舘寛治のところに居候する話。

 そして、「世間縛苦」では、まさに「男が専業主夫なんてフツーじゃないよね?」って妻の友人であるエリート集団からネチネチ責められる地獄を描いていて面白かったんだけど、「his」もそうなんだけど「男女入れ替えてみる」と本質的なものが見えてくるからエンタメとして単純に面白いのだ。
 それとはちょっと違うのかもしれないが、昔、ミステリ小説の「検死官スカーペッタ」シリーズにハマってたんだけど、同じくパトリシア・コーンウェルが書いた「警察官アンディ・ブラジル シリーズ」っていうのもあって勢いでそれも読んだんだけど、「警察署長が女性で、敏腕刑事も女性で、そこにくっついていく金髪可愛子ちゃん男子」という設定なので「すごくこれみよがしな設定だけどフツーにオモシロい」って感激したっけ。

 最近は日本のドラマでも、そういうの多くなってて、天海祐希主演の「緊急取調室シリーズ」なんかは、刑事ドラマにありがちな「可愛い婦警さん」の代わりに、速水もこみちが配置されててフフっとなった。

 でも、こういう設定も今だと面白いけど、50年後にはどうなってるんだろうね?

 いつも書いているけど、たかだか30年前の私が20代前半だった頃には「女性は結婚したら会社辞めるのが当たり前」だったのが、すっかり絶滅したので、もし、今のドラマで寿退社が描かれたら、古臭いどころか、若い世代には意味がわからないのではないか?
 「オールド・ミス」も死語の世界だしなあ。

 男性側においても「結婚してこそ一人前だぞ」なんてセリフ聞かなくなったもんなあ。
 だから少子化加速してるんだろうけど・・・

 そういや、「看護師」や「保育士」になったのって、けっこう最近のことだと思うけど、今期とか医療ドラマが乱立してるが、男性看護師なんて当たり前に出てくるようになったよなあ。

●ドラマ「トップナイフ」日テレ 土10

 医療ドラマは基本的に苦手なんだけど、これはオレの福士誠治が看護師役なので見ないという選択がなかったけど、珍しい脳の病気の話がいっぱい出てくるので、オリバー・サックス先生の著作を読んでるような気分になるので、けっこう面白い。
 さらに、そういう珍しい症例を毎回二つずつぶっこんでくるのが贅沢。
 根暗な永山絢斗がツボる。
 でも、天海祐希主演なのに、主要登場人物がそれぞれ質量的に重いので、天海祐希の出番が少ないのが気になるけど、私は天海祐希目当てじゃないので別にいいんだけど・・・
 そんで、最初の頃、福士誠治の出番が少なかったので「そこそこ視聴率出そうなドラマなのに、この扱いでは」とガッカリしていたが、だんだんと「職場の潤滑油」としてあちこちに絡むようになったから良かったけど、これでは彼のことを知らない視聴者にアピールしないよなあ。

 そして、このドラマで「キュンキュン担当男子」として配置されてるのが古川雄大で、ミュージカル界でのご活躍で名前だけ知っていたけど、今後、朝ドラ「エール」や映画「コンフィデンスマンJP」に出演予定なので、映像作品へ絶賛売り出し中らしい。
 ミュージカルでは山崎育三郎とダブルキャストやってるくらいだけど、一般的知名度を上げにかかってるのか?

 ダンサーの大貫勇輔もコンスタントにドラマ出演するようになり「グランメゾン東京」にも敵役として出ていたけど「踊るシーンがないともったいないな」って思っていたけど、この間「知らなくていいコト」に天才ダンサー役としてゲスト出演していて踊りまくっていたので「やっぱ、踊らないとwww」とあらためて思った。

 そういや、同じく舞台をメインに活躍している新納慎也も今期「絶対零度」と「知らなくていいコト」にゲスト出演していて、どっちも悪役だったのがちょっと不思議。

 さて、他にも「推しが出てくるから・・・」というのがありまして、

●月9「絶対零度」

 これこそ私の苦手なSF設定刑事ドラマなので、見るつもりなかったんだが、水野美紀にひっついているイケメン秘書役が上杉柊平だという情報が入り、我慢して見ることにした。
 飄々とした沢村一樹は悪くないけど、抱えた過去が重すぎでは?さらに、最終回に超バッド・エンドが展開するだろう(まあ、ひっくり返るんだろうけど)映像が毎回挿入されるんだけど、それも重すぎる。

 さらに、上杉柊平はほとんどセリフねえし。
 なにこれ?ただのお飾りなの?水野美紀一人だと威厳がないから?
 それにしては、表情とかちゃんと抜くから、なんかあるんだろうな・・・・

 というわけで、我慢して見てますが、森永悠希が「元天才子役」って設定なのが救い。
 そもそも森永悠希が生意気なエリート役っていうのも珍しいので、目当てがそこにすり替わっている。

●「ケイジとケンジ」テレ朝 木9

 悪い意味で話題のドラマであるが、この枠は「ドクターX」と「キントリ」の枠だから数字が出やすいし、「まんぷく」の福田靖脚本だし、だからこそあえてデコボコにせず桐谷健太と東出昌大の高感度も身長も高い二人で固めたのだと思っていた。

 そしたら東出くん演じる検事は、自分勝手でライバルと出世争いしている人物で、高感度が低いキャラだった。
 対する桐谷健太の刑事も元熱血教師でウザ系キャラ。
 要するにどっちもスベっているというコメディ警察モノだったのである。

 初回は二人が担当する事件が「空き巣」だったので、事件モノとしてはショボすぎないか?と思ったが、2回目も傷害事件だったので戸惑ったが、このドラマは事件の重大さというか、事件そのものを描くのではなくて、「起訴するということ」がテーマなんですね。
 検察官のドラマはキムタクの「HERO」が有名だけど、あれは「検事なのに、こんなに捜査するの?」ってびっくりしたけど・・・あ、そっか、福田靖って「HERO」の脚本家か!
 だから「HERO」では、現実には現場の捜査に関わることがない検事が現場に出るのが面白かったわけだが、この「ケイジとケンジ」はキムタクの役を刑事と検事に分解しているんですね。

 さらに、二人とも新米なので、「逮捕して起訴するということ」を共に学んでいき成長していく話のようです。
 当たり前の話なんだけど「警察が取り調べで自供させても、物証がなければ起訴しても有罪にならない」わけで、警察の捜査っていうのは容疑者を逮捕するだけではなく、起訴するための証拠を集めることで、そんなこと知ってるつもりだったが、あらためてこういう角度で描くと私が苦手な定番刑事ドラマとは別物になるので、なかなか興味深い。

 コメディパートもけっこう面白くて、2話で映像証拠を所持している可能性のある引きこもり青年に情報提供をお願いするのだが、引きこもり青年は話に応じない。
 元熱血教師である刑事が「オレの得意分野だ」と説得するが全然ダメ。

 結局ヒッキー青年が部屋のドアを開けたのは、非礼を詫びた検察官事務官の比嘉愛未が「許して」とヒッキー君の推しキャラと同じセリフを偶然言ったからでした。ヒッキー君は、窓から捜査の様子を監視していたので、比嘉愛未が美人だということをちゃんとチェックしていたので、その美人が萌えキャラのセリフ言ったもんだから、その尊いお姿を間近で拝見したくなったんですね。わかります。

 というわけで、このドラマは比嘉愛未を中心とする豪華トロイカ体制(違う)を眼福だと思える人はきっと楽しんでいるはずです。
 あと、容疑者役のゲストが初回が馬場徹で2話が稲葉友で、大変私好みだったのですが、3話はなんと薬丸翔じゃないか!
 劇団「イキウメ」の公演で「誰このステキな感じにミステリアスで可愛い子」と思ったら、なんとヤッくんの息子だと知り「そんなんいたんだ?」と驚きましたが、テレビで見るの初めてだったけど、正統派美男子ではないんだけど、なんか独特の雰囲気があるんですよね。

 もおおおお、東出くんの不倫がらみでこのドラマをマスコミが取り上げてくれるのはいいんだけど、薬丸翔くんのことにも触れてあげてくださいよぉぉぉぉ。
 そして4話は阿部純子が容疑者で、その元彼で被害者が大東俊介。
 5話は、容疑者が深水元基で被害者が池岡亮介と、ほんとゲストのキャスティングがとてもいいです。

 そんで、主題になってる「1から学ぶ警察と検察のお仕事」ですが、初回がだから「物証が大事なんです」で、「空き巣犯が家人と遭遇して突き倒したのが、家人の死因かもしれない」という疑いがあっても、その死因を証明できなければその容疑では起訴できないという話。
 2話では、「だから証拠が大事なんです」と上から目線の検事に、「じゃー、お前も現場来てみろよ!」という話。
 3話が刑事と検事の「はじめての殺人事件」

 3話も好きだったんだけど、刑事は初めての殺人事件に張り切るんだけど、捜査の実権は県警本部の捜査一課が握っているので、捜査本部を設置するのは所轄だけど、所轄の刑事は捜査一課の使いっぱという、まあ、それもよくある話なんだけど、初心者向けにとても丁寧にわかりやすく面白おかしくやってくれました。
 同じ新米なのに、検事は捜査一課を指揮命令できる立場で、所轄の新米刑事はただの雑用係。
 検事の方は起訴できる証拠が固まらないまま、勾留期限を迎えてしまうため、無茶な決断を迫られる。
 殺人事件というシリアスな展開の裏で、みんなでドタバタやっている楽しい回でした。

 4話は「刑事事件と示談」

 というわけで、警察・検事モノとしては新しい切り口だし、不倫スキャンダルが発覚した東出くんが真顔で「堅実な家庭を築きたい」とか言う「おまいう」案件が頻発で違う意味で笑えるし、ほんと面白いので、そういうとこちゃんと評価されるといいんだけどなあ・・・・無理か(笑)

 次回の容疑者役は長谷川朝晴のようで、また楽しみ。


2月14日(金)

 新型コロナ肺炎で、まるでパニック映画みたいな事態になってる豪華客船の心配ばかりしていたら、今日になって全然関係の無いところで死亡者が出たり、感染者が出たりしたので「あ、やっぱ、すでに拡散してるんだな」とわかった。
 こういのって、「どう不安がるか」が難しくて、例えば「中国ではすでに死者が1000人」って言われると「多い」と思うが、どなたかがツイッターで「日本の正月にモチで窒息して死ぬ人は毎年1000人」って言われると「モチってそんなに?」と驚くし、さらに現在アメリカではインフルエンザが猛威を振るっているらしいが、その死者数は1万超えているらしく「そんなに?」って思うけど、日本でもインフルエンザで年間それくらい死んでる説もあり、「え?交通事故よりも多いの?」ってわけわからなくなる。

 交通事故で死なないためには、交通ルールを守るしかないし(歩道に車が突っ込んでくることもあるが、それはレアケース)、インフルエンザで死なないように毎年ちゃんと予防接種は受けているし(自分だけではなく、周囲の人も守っているのだという気持ちで)、そんでちゃんと手を洗おう。

 同僚M嬢はわりと虚弱体質なのだが、「たぶん、成人してからインフルエンザには罹ったことがない」と言っていて、「へー、なんでなんだろうね?気をつけてるからなのかね?」なんて言っていたが、この間、私がツイッターで拾った「完璧に設計されている宝塚劇場のトイレの導線が、いつもより渋滞しているらしい。みんないつより入念に手を洗うかららしい」って話をしたら、M嬢は「私はトイレの後は常に石鹸で入念に手を洗う。たとえ混んでいようと」と言っていたので、「ああ、だからインフルエンザに罹らないのか」と納得。

 なので、石鹸がある手洗い場ではとにかく石鹸使って手洗いしてます。

 さーて、こうなってくると「検査してないだけで、感染している人はかなり多いのでは?」って感じになっていて、10年くらい前の新型インフルエンザ狂想曲を思い出しますが、さて、どうなるでしょうか?

 さて、映画の感想書くのに忙しかったから、久々にドラマの感想でも書くか。

 映画の感想も、見た映画を全部書けてなかったりするが、記憶力が年々衰えているので、ふと「去年の今頃何してたっけ?」と自分の日記を読み返すと「あー、そうそう、あの映画見たんだ、つまんなかったなあ」と思い出すので、「未来の自分に向けてちゃんと書き残しておかないと」と兜の緒を締めているのです。

 さて、どれから書こう?
 やっぱ、これが一番のトピックか?

●「知らなくていいコト」日テレ 水10

 私は吉高由里子はそれほど好きじゃないのですが、うちの妹が「キムタク主演のドラマは絶対に失敗できないので予算つぎ込んでるから見応えがある」と言っていたのを「なるほどー」って感心したのですが、吉高由里子主演ドラマも、そういう意味では、ある程度の「質」が保証されているような気がする。
 去年けっこう話題になった「わたし、定時で帰ります」も。私としては、あまり好きな話ではなかったけど、それなりに見応えがあった。

 で、このドラマは最近だと「ムロツヨシで恋愛モノ?」っていう驚きを「やべー、ムロでキュンキュンしてるよ、私」という、さらなる驚きに昇華させた「大恋愛」の大石静脚本なのでそれなりに期待していた。
 それに相手役が柄本佑だったので「すげーな、柄本佑キテるなあ」って。

 しかし、始まってみると、週刊誌記者がスクープを追う話だとはわかっていたが、主人公が殺人犯の娘らしいという伏線があり、さらに今カレは重岡大毅だし「お仕事ドラマ」なのか「ラブコメ」なのか「ミステリー」なのか方向性がよくわからなかった。
 それに、柄本佑が相手役だと思っていたら、元カレだったので「殺人犯の娘疑惑をサポートするだけの存在かあ」とガッカリしていたのですが、殺人犯の娘だということがわかったら重岡大毅にあっさりフラれたので、「あれ?やっぱ柄本佑ルートになるの?」

 そしたら回を追うごとに存在感を増してきて、ネットでは「柄本佑がイケメンに見える」と話題になっていましたが、今週、ついに「テロップ流れてからいきなりキス」の技をかけてきました!

 「それ、先週、佐藤健がやったやつ!!!」

 いやあ、柄本佑がイケメンに見えてるのは自分だけなのかと思ってましたが、世間が私に追いついてきたぞ(笑)

 そういや、いつから柄本佑が気になっていたんだっけ?
 映画「きみの鳥はうたえる」2018年を見に行ったのは柄本佑目当てじゃなかったし(水間ロン目当てだったのに一瞬しか出てこなかったぜ)、あの映画の役としては、柄本佑は少し年上すぎるのでは?という違和感があった。親友役の染谷将太や恋人役の石橋静河が当時まだ20代前半だったので。

 なので、たぶん最初に「あれ?柄本佑よくね?」って思ったのはNHKでやっていた「平成細雪」2018年だったかも。
 そーだ、思い出した。決定的だったのは2019年3月のNHK「スローな武士にしてくれ」だ。
 「スローな武士にしてくれ」は単発2時間ドラマで、「NHKが東映時代劇の古参スタッフを使って時代劇を製作する」っていう話で、もちろんドラマだから監督やカメラマンも全部役者さんがやってるので「ドラマ撮影現場が舞台のドラマ」なんですが、このドラマがさらに面白いのは「ベテラン時代劇スタッフが最新技術機材を使用して撮影する」ってところ。
 なので「最新技術機材担当」の柄本佑がLIFEのコントみたいに「NHKですから!」って感じで登場するのである。
 しかも、このキャラは高性能カメラとかのエキスパートなのに、重度の時代劇オタクという大変楽しい役でとても美味しい役だったのだが、それを軽快に演じる柄本佑がとても素敵でした。

 そしたら、その後、朝ドラと大河の波状攻撃が来たんですよ。
 朝ドラ「なつぞら」では主人公の高校時代の演劇部の先生で、やはり、とても「いい役」だったし、大河ドラマでは「前半の影の主役」だったシマちゃん(杉咲花)の夫役で、関東大震災で行方不明になった妻を探す姿は悲しくも美しかった。

 私は「顔だけなら、賀来賢人が一番好き」と言っていたが、2019年は、柄本佑が猛チャージかけてきたのである。
 つーか、「あれ?賀来賢人と柄本佑って似たタイプ?あれ?」と軽く混乱していた。

 そして去年「柄本佑でR18映画だと?」って張り切って「火口のふたり」を見に言ったらロビーで義弟に出くわしてしまい気まずい思いをしたが、「火口のふたり」の柄本佑にはイマイチ萌えなかった。坊主頭だったからかもしれない。
 と、軽くガッカリしていたら、同じころ上映していた「アルキメデスの大戦」で主演菅田将暉のバディ的存在である柄本佑がいいとの情報が飛んできたので、さっそく見てみたら「菅田将暉に振り回される下っ端将校の柄本佑」は最高でした。
 「アルキメデスの大戦」は題材が戦艦大和だったし、宣伝もけっこう重厚な感じだったから「本来こういう映画を楽しむ層」にあまり届いてなかったような気がするが、大雑把に分類すると「帝一の國」でした。

 そして、今年になって「知らなくていいコト」で大人の色気ふりまいてますが、4話で終わってしまったけど、NHKの土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」の精神科役もほんと良かったんですよ。

 柄本佑に関しては確実に確変が起こっているようだが、この流れって少し前の中村倫也に似てますね。
 それまでほとんど「美男」扱いされてなかったのが、急に「色気がヤバい」ってイケメン枠になる感じ。

 こういうことが、たびたび起こるから、俳優ウォッチ面白い。


2月10日(月)

 おおお、「パラサイト」がアカデミー賞!!!!

 自分がアカデミー賞受賞前に作品見てるなんて、すごく久しぶりのような気がする。
 つーか、カンヌとアカデミー賞両方って、超レアなんじゃ?

 会社のテニスファンの同僚に「全仏優勝したあと、全英も優勝するようなもん」と説明しようか?

 でも、私はここ数年、あまりちゃんと洋画見てないのでアカデミー賞もカンヌもあまりよくわからないのですが、さらに「ジョーカー」見てないので何とも言えないのですが、世間での評判を鑑みると「ジョーカー」でも良かったように思えるのですが「アメコミだし」ってところが壁になったんでしょうか?
 さらに、Netflixはダメ、タランティーノもダメとなると、消去法で?

 いや、消去法だとしても外国語映画だし、なんか「女を大統領にするんだったら、黒人のほうがまだマシ」みたいな、よくわからない葛藤を勝手に感じてしまいます。
 どっちにしろ、私はアカデミー賞とあまり趣味が合わないのでいいんですけど。

 さて、私にしては珍しく公開直後の土曜日に見に行った映画がありました。
 (無料ポイントが溜まったので行使)

●映画「ヲタクに恋は難しい」

 福田雄一は、ほんと苦手なのだが、この映画は「無表情キャラの山崎賢人」が主演で、それって「斉木楠雄のΨ難」と同じ設定ですよね。
 「斉木楠雄・・・」は「山崎賢人がピンク頭で白いボンボンがついている?」「オレの賀来賢人がなんかすごい変な役?」「新井ぱいせんも出てる?」ということで映画館で見たのですが、橋本環奈演じる美少女役のクセが強すぎて辟易しましたけど、「無表情キャラ役の山崎賢人を全力で笑わせにかかる賀来賢人」がツボった。

 福田雄一監督のそーゆーところが苦手なんだが、「山崎賢人を全力で笑わせにかかる賀来賢人」を執拗に撮って、山崎賢人がつい笑ってしまうところを本編で使うのって、映画の作り方とては最低だと思うんだけど、この監督の魅力って、こういう楽屋落なんだろうから、それを楽しめるかどうかが試されるんだけど、そんなもん試されたく無いんですが、「銀魂」のヒットで「金になる楽屋落」ってことになってしまったんでしょうね。

 それがいいことだとは全く思ってないのですが、俳優陣はやってて楽しいらしくて、「福田組」の勢力拡大は着々と進行していて、うちの弟に「ねーちゃん、そのうち、福田雄一が朝ドラやるかもよ?」って言われた時は、「ああああああ、それはマジあるかも」と膝から崩れ落ちそうになりました。

 クドカンが朝ドラ?からーの、クドカンが大河?を経験した今、「私は福田雄一をサブカルと認めていないが、これをサブカルだと思う人を否定できない」という流れで、5年後、10年後にそういう事態になる可能性は非常に高い。
 「タモリ倶楽部」からーの、「ぶらタモリ」みたいな感じですよ。

 また前置きが長くなりましたが、とにかく私は福田雄一が苦手で、だけど「無表情で踊る山崎賢人」の誘惑に逆らえず、公開翌日に映画館で見たわけです。

 冒頭から、佐藤二朗のアドリブ演技炸裂で死にそうになった。
 いや、佐藤二朗は大好きなんだが、福田雄一に「はい、面白いのよろしく、頑張って」って延々やらさせる佐藤二朗はお約束だとわかっていても、けっこう辛いことが多い。

 だが、不覚にも笑ってしまったので、ほんと辛い。

 しかし、「地獄かよ」と思った後に、まさかの天国が現れた。
 ダンス得意じゃないのに一生懸命踊る山崎賢人が「控えめに言って最高」だったのである。

 いや、私、山崎賢人のこと、そんなに好きなわけでは・・・・
 ただ、朝ドラ「まれ」の時に一部ではボロクソに言われていたけど、私はただ「この子、超かわいいじゃん」って思っていただけで・・・

 私が「山崎賢人、いいじゃん」って思ったのは多分、「トドメの接吻」でクズホスト役やった時で、惜しみなく悪い顔する山崎賢人に、あれでハマりました。

 で、この「ヲタクに恋は難しい」では、無表情な重度なゲーオタ役なんですけど、この映画の山崎賢人は最初から腐女子の高畑充希のことがスゲー好きなんですよね。
 前の会社でオタバレして、居づらくなって転職してきた高畑充希に「じゃあ、オレでどう?」って、ちゃんと告白したつもりになったけど「あれ?好きって言ってねえ」流れ、ラブコメ好きとしては超ハマりました。

 「え?メガネ男子やってる山崎賢人にコクられて、おまえ何やってんの?」って感じでしたが、この映画のキモはそこではない。
 ウザそうなムロツヨシが投入されたが、意外とウザくなくて、菜々緒とん絡みが素晴らしすぎて「あれ?」って戸惑っていたら、賀来賢人が声優アイドルオタとしてサイリウム振り回しているシーンではいわゆる「ヲタ芸」が群舞として美しくて感動したし、「魔女菜々緒」に囚われた山崎賢人のシーンでは、「ダンスはイマイチだが、身体能力は高い山崎賢人」の本領発揮で延々と流すセンスに感服した。

 たしかに、ミュージカル映画としてはどうよ?と思ったけど、私は元々、ミュージカルあんま好きじゃないので、最初からハードル低かったようだ。

 なので、「うわー、全然頭使わないこういう娯楽作品超楽しいじゃん」と、今年一番楽しかった映画だと思ってルンルン(死語)だったのですが、どうやらネットというかツイッターでは酷評が目立っていたらしい。
 「オタクをバカにしてる」って。

 え?たしかに究極の「ただしイケメンに限る」だったけど、バカにはしてないような・・・

 つーか、私はこの映画に出てくるオタク・アイテムの元ネタがさっぱりわからなかったが、だから終盤で刀剣乱舞ネタが出てきたので「映画版で学習していたから(4回も見た)、ここだけわかるーーー」って大爆笑したので「山崎賢人が着てた、痛い感じのTシャツとか、ちゃんとわかっていたら、もっと楽しかったのかも」とか、思ってたんですが、わりとそういうとこが雑だったようで、本当のオタクの皆様が怒っているようです。

 まあ、たしかに原作とはかなり違ってるみたいだし、そもそもオタク向けの作品じゃないんだよね。
 私みたいな「アニメにもゲームにも疎い人」向けなんだろう。

 でも、映画館で隣に座っていた若い女性二人組は「あ、これ、あのシーンだ!」って原作ファンらしくて、好きなシーンが出てくるたびに囁き合って「わー、こうキタか!」って小声でキャッキャしていたので、「好きな作品が3次元展開される喜び」はあったのでしょう。

 というわけで、だから私は福田雄一が苦手なので、この映画が酷評されてても別に構わないのですが、たまたま、こういう「誰も死なないし、誰も大したことで悩んでない」っていう映画見たい気分だったようで、本当に楽しかったから、これはこれで「いい」と思ったわけです。
 恥ずかしそうにタップ踏む斎藤工とか最高だったし。
 出だしは強面色男だったのを完全に台無しにする斎藤工の酔っ払い演技も楽しかった。場内が一番笑ったシーンだった。

 まあ、わかるんですよ。
 イケメンだけど踊り苦手な山崎賢人とか、イケメンだけど踊り苦手な斎藤工とかが、楽しめない人には学芸会以下の出来でしょうけど、上手いからってそれでいいのか、ってゆーか、あー、なんか急に「ヘタウマ」って言葉思い出してしまったけど、「ダサいことを美男美女が真剣にやっている」というのは本当に楽しかったです。

 あ、ダサいって言っちゃった(笑)

 いや、だからヲタ芸がダサいとか思ってませんから!
 だって私にとってのヲタ芸って「高橋一生がCMで踊った」であり、この映画でダブル賢人が踊っているものであるので・・・


2月6日(木)

●映画「ロマンスドール」(2回目)

 最初見た時「ん?つまらなくはなかったけど、あまり面白くなかったぞ?」と思って、再度見てみたのだが、やっぱりなんか不思議な作品。
 でも、二度目だからストーリー追わなくていいから、ゆったりと画面眺めていたんだけど「高橋一生がこんなに出ずっぱりな映画って初めてでは?」と、その幸福に浸ってました。
 主演ドラマの時にも「ふぉーーーー、主演だと、こんなにずっと出てるんだ。当たり前か」って感激したけど、思い返せば沼にハマった時「見てない過去作もチェックしなくては」とDVDレンタル大会を開催したけど、早送りボタンばかり延々と押していたような気がする。
 チャプターつけて欲しかった(笑)

 さて、最初に見た時は夫婦間がギクシャクする流れがよくわからなかったんだけど、たぶんシンプルに「妻に職業を偽っっているから、仕事で煮詰まった時に仕事の話ができなかった」ってことでいいんですよね?
 なんでラブドール職人か妻に言えなかったかというと、最初の出会いが「乳房の型取り」だったからで、美術モデルで来た蒼井優に「医療用の人口乳房を作るから」って嘘ついてたのです。

 それは言えねーよな。
 映画の中でも、ピエール瀧社長が蒼井優の胸の型取りを使ったラブドールの胸を大変いやらしくモミモミするのを高橋一生が複雑な表情で眺めてるシーンがありましたが、「自分の妻の胸を不特定多数の男がこうやって・・・」と思うと、ほんと気色悪い話です。

 だから、前にも書いたけど、そもそも気持ち悪い話なんだから、もっと不穏な雰囲気で描いた方が面白いと思うんだけど、そう、例えば高良健吾主演の「アンダー・ユア・ベッド」とか、いくら気持ち的に純愛だとしても、夫婦の寝室のベッドの下に潜んでいるのって超キモチ悪いんだけど、その生理的嫌悪感と、それを大真面目に真剣にやってる哀れさが可笑しさになって、そもそもそれを高良健吾がやってるので、頭混乱しまくる感じが「エンタメ」でした。

 「ロマンスドール」に欠けていたのは、そういうサービス精神みたいなものかなあ?

 小説版は未読なんですが、もしかして、先に小説として発表しちゃったのがよくなかったのかも。

 映画だと、この夫婦のバックグラウンドって全然描かれてなくて、さらに「高橋一生目線」で描かれているので、妻役の蒼井優がどういうキャラなのかよくわからないのです。
 美術モデル、要するにヌードモデルって、言葉選ばずに言うなら「いいとこのお嬢さんがやる仕事ではない」わけで、でも劇中では実家の母からの電話のシーンがあって「フツーの家庭育ちで両親とも円満」っぽいので、なんで美術モデルなんてやっていたんだろう?

 そりゃ、風俗の仕事とは違うけど、ある意味「体を売る仕事」なんですよね。

 で、蒼井優が「売った」乳房の形を使ったラブドールはヒット商品になり、新婚なのに高橋一生は大忙しで夕食時に帰宅できない生活が続いていたと。

 そのあたりが、とても爽やかにさらりと描かれているのですごく違和感あったんだけど、ほんと、この映画はいったい何をやりたかったんだろう?
 いろいろ考えて、ふと思ったのですが、主人公夫婦のバックグランドも全く不明だけど、他の登場人物も身元不明なんですよね。ピエール瀧だけが「今はこんな事業やってるけど、元警察官」っていうのがわかっているだけで、妻子持ちなのかもわからないし、渡辺えりも存在感抜群だがプライベートは全く見えない。
 いや、普通、脇役なんてそれでいいと思うのですが、なぜか、きたろうの過去だけは妙に詳細だったのが気になる。

 つーか、きたろうが一番重要な役で、前半は新人職人の高橋一生とのイチャコラが笑いを誘っていましたが、高橋一生と蒼井優が知り合うきっかけを作ったのはきたろうだし、さらには、きたろうが急死したことで、高橋一生は先輩職人を失って、会社の命運かけたプロジェクトを一人でこなさないといけなくなり、その重圧と激務で深夜帰宅あたり前状態になりますが、もう何でも相談に乗ってくれる先輩はいないし、妻には仕事の愚痴すら言えない。

 きたろうが構築した関係が、きたろうの死で崩壊するっていう話なんです。
 そして、きたろう先輩が作ろうとしていた「職人の夢である究極のラブドール」をタカハシ後輩が実現させるという話。
 しかも、自分の妻をモデルにして・・・

 あー、なるほど、やっとわかってきた。
 これ、高橋一生の話じゃなくて、きたろうの話なんだ。きたろうの妄想みたいな話。

 高橋一生も蒼井優も、きたろうのお人形なんですね。

 「夫婦のなんてことない日常が」とか言ってるから「???」だったけど、いや、監督もそういう意図で作っていたのかもしれないけど、私には全然そういう風に見えなかったので「なんだこりゃ?」って戸惑ったけど、「きたろうが主人公」として再構築すると、高橋一生はきたろうの着ぐるみであり、きたろうが目指す究極のラブドールの完成には、「妻を失う高橋一生」と「私はもう死ぬけど、私を人形として作ってください」って命削って夫のラブドールになろうとする・・・ガンの末期でも、ヤリまくろうとする蒼井優が必要だったのだ。

 最初に見た時、ラストシーンで高橋一生が海辺で中学生男子とワイ談するシーンが「????」だったんだけど、あのシーンの高橋一生が、それまでの主人公と別の人に見えたんだけど、あれも多分、「きたろうの人形であることから解放された」ってことなんだろう。

 まあ、違うと思うけどさ(笑)

 そんな深読みする話じゃないとは、わかってるんだけど、「じゃあ、何?」っていうのが、なかなかわかりにくい映画だったので、変態的解釈してしまいました。

 だから、何度も言うけど、かなり気色悪い話なので、高橋一生にやらせるのなら「キモイッセイ」でやれば良かっただけなのに、そうしなかったのはなぜなんだろう?って考えてしまうわけです。
 いっそ、脱げる枠で、池脇千鶴と、キモい枠で新井浩文(泣)でやったら、相当キモくてエロいR18映画ができたと思うのですが、そういうんじゃなかったんですよね?

 なので、私のこの映画への評価は「よく出来てるんだけど、何をやりたいのかよくわからなかった」なんですが、この映画の高橋一生は「平凡な男」を演じてるので、低音控えめで音量も控えめの「中くらい」で喋るのですが、映画が終わった瞬間のエンドロールとともに流れるのが実弟ネバヤンの曲なんですが、音域がほぼ同じなので、一瞬「高橋一生が歌ってるのか?」ってくらい声質がそっくりなんですよ。

 もちろん、高橋一生より10倍くらい歌上手いんですけどね(笑)

 私は星野源を山下達郎の後継者みたいに思っており、パプリカで米津玄師を井上陽水の後継者と仮認定してますが、前から「はっぴいえんどの系譜」と称されているネバヤンについては判定保留にしていたのですが、この映画のエンロドロールの曲は本当に素晴らしくて、「もう、はっぴいえんどで宜しい」ということに相成りました。

 ここ10年、いや20年くらい?
 J-POPが雑音とまでは言わなくても「音楽として認識できない」ってことが多くて、「なるほど、ビートルズを不良の音楽と認識していた当時の老害はこんな気持ちだったんだろうな」って思っていたのですが、最近は、私が「これだったらカラオケで歌えるかも」って曲が増えてきているような気がするので、なんだか嬉しい。

 紅白にも出ていたKing Gnuとか、すごく好きなわけではないが「あ、これが流行るのはわかるな」って感じで、彼らが朝ドラの主題歌を担当したら、凄く好きになるかもしれないなあ、とか思ってみたり。


2月5日(水)

●映画「サヨナラまでの30分」

 仕事が忙しくて・・・・いや、正確に言うと私は全然忙しくないのだが、他の人が忙しくて外出してしまうので、「お留守番」として自分の仕事は暇なんだけど休めない、みたいな状態で心が少し死にかけていた。
 ぶっちゃけ、久々の7連勤だったんですよ。
 久々にやって思い出したのは「体力は削られないが、確実に集中力が低下する」ってことで、どうってことのない書類作るのにも、いつもの3倍くらい時間がかかってしまうので、「なんかリフレッシュできる仕事しよ」と印鑑箱の掃除とかしてました。

 なので「なんか、また映画見に行こうかなあ」と思ったのですが、こういう状態で「ロンマンスドール」をリベンジしても、また消化不良起こしそうだし・・・と思っていたら、一部で好評価だったこの映画が最寄りのシネコンのレイトショーでやっていたので「イケメン・パラダイス映画だから、きっと癒されるだろう」と行ってみた。
 この映画、「新田真剣佑と北村匠海」ってことはわかっていたけど、よくよくキャストを確認してみると、バンド映画で、ボーカルが新田真剣佑、ギター葉山奨之、ベース清原翔、ドラムス上杉柊平っていう「なにそれ、贅沢すぎる」というキャスティングだったのです。

 朝ドラ「半分、青い。」で佐藤健の美しさを今さら知った私は、佐藤健の過去作の中でも意外と少ない恋愛ものである「彼女は嘘を愛しすぎてる」を見たのですが、映画の内容は置いておいて(笑)、登場するバンドが、ボーカル三浦翔平、ドラムス浅香航大も眼福でしたが、ベース窪田正孝に大興奮!
 2013年の作品ですが、吉沢亮がイケメン扱いされていない「主人公のただの友人役」で出ているのもチェックポイント。
 あ、そうだ。盛大に話それるけど、「彼女は嘘を愛しすぎてる」は正直、話の流れがよくわからなかったのですが(主人公が何に葛藤しているのか、とか。原作では描かれていたのかもしれないけど)、バンドのビジュアルは最高だったし、なんとなく見る分には心地よい青春バンド映画だったんですけど、ラストシーンが妙に最強だった。
 立ち去ったと思っていた佐藤健が、いつのまにか戻ってきて、ヌっと画面に現れ、グイっと主人公にキスするんですけど、自宅でDVDで鑑賞してても「ふぁ???」ってなったので、あの画像を映画館で見ていたら心停止していたかも。
 心に残る美しいというか、恐ろしいシーンでした。

 つーか、こんなんできるんなら、最初からやれよ(笑)と。
 その後、「ちはやふる」をヒットさせた小泉徳宏監督作なので、片鱗はあったということで。

 そんで、佐藤健は今クールで「恋はつづくよ」っていう医療モノというよりは貴重なラブコメに出ているので「ドSのたけるんをありがとうございます」と有り難く見させていただいておりますが・・・つーか、たけるんよりも毎熊さんが大抜擢すぎて震えるし、それよりも仮面ライダーのウォズがああああああ
 というわけで、楽しんで見てるのですが、前回のラストシーンで、トレンディドラマ定番の橋の上で、「じゃあな」と冷たく立ち去ったはずの佐藤健が、次の瞬間、画面の端からヌっと現れて主人公にキスするのって、彼女は嘘を愛しすぎてる」のラストシーンと同じで、「やっぱ、この恐ろしさって、佐藤健にしかできんな」と再確認した。

 でも、菅田将暉や山崎賢人だったら、また違う恐ろしさがあるかもしれないので、ぜひやってみてほしい。

 えーと、何の話だったっけ?
 「サヨナラまでの30分」ですね。

 ですから「仕事で心が死んでいるから、イケメンで補充しよう」って感じで見に行ったので、あらすじもあまり確認してなくて「カセットテープ再生している時だけ、新田真剣佑と北村匠海が入れ替わる」ってだけ確認して「はあ・・・また入れ替わりものかよ。つーか、カセットテープって?」くらいで見に行ったので、冒頭で新田真剣佑が死んじゃったので唖然とした。

 あれ?バンドもので主要メンバーが死んじゃうの最近見たな?
 「小さな恋のうた」っていう佐野勇斗主演映画。あれも、ボーカル佐野勇斗、ギター眞栄田郷敦、ベース鈴木仁、ドラムス森永悠希っていう極上布陣でした・・・・って、「小さな恋のうた」で交通事故死したのって、眞栄田郷敦じゃん!

 兄弟で似たような設定の映画に出ないでほしい(笑)
 まあ、同じ「バンドのメンバーが事故死してしまい、バンド存続の危機を迎えるが、なんとか再生」って話ですが、「小さな恋のうた」は眞栄田郷敦の妹役の山田杏奈が「オレが弾く!」って話でしたが、「サヨナラまでの30分」は偶然、新田真剣佑が落としたカセット再生機を拾った北村匠海が後釜になる話。

 死んでるのに超ポジティブな新田真剣佑が、私には新食感だった。
 そういの、私が見てないだけかもしれないけど、私が見た作品ではどれも「憂い」を感じさせる役だったから。
 この作品では「すでに死んでいる」という幽霊状態なわけだから、そこが「憂い」っちゃ憂いなんだけど、それでもあの顔でグイグイ行くのが、けっこう面白かった。
 対する北村匠海のほうは、友達一人もいない根暗系。

 私は北村匠海はそれほど好きじゃないんだけど、新田真剣佑に憑依される役なので、二役をこなしているのだが、気張らずにナチュラルな演技だったので好感が持てた。
 そして、この映画の面白いところは、北村匠海の体を使用してない時の新田真剣佑も、自分の体を使用されている時の北村匠海も幽体離脱した感じで、少し距離置いたところにポツネンと立っているのである。

 そもそも、北村匠海が新田真剣佑に時々体を使うのを許したのは、コミュ障の自分の替りに就活してもらうためで、だから、新田真剣佑が自分の体を使って元バンドメンバーたちに食い込んでいくことには興味がなかった。
 しかし、次第に人との関わりに楽しさを見出し、バンドメンバーたちも最初は不審者扱いしていた北村匠海のことを認めてきて、新しいボーカルとして迎え入れるのだが、そうなると、疎外感を感じるのは真剣佑の方になり、その立場が入れ替わる・・・・明と暗が逆転する展開の描写は見事だった。

 そして、真剣佑がボーカルだとバックが貧相だとバランスとれないから、モデル系の清原翔と上杉柊平を据えたんですね。納得。いや、少し年齢が上なので、その二人の「高校時代」にはちょっと笑いそうになってしまったが。

 というわけで、あまり期待しないで見に行ったせいもあるが、なかなか楽しめた良作だった。
 なにより、劇中で演奏される曲がどれも良くて、『J-POP苦手な私でも楽しめる楽曲なのって凄い」と思ったし、北村匠海も新田真剣佑も歌がちゃんとしてて聞き惚れた。

 映画終わってエンドロール眺めていたら、脚本が大島里美だった。最近だと「凪のお暇」の人で、3年前くらいから注目している脚本家なので、いい仕事してくれると嬉しい。



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