可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

1月31日(金)

 映画「his」が期待を遥かに上回る面白さだったので、熱く語ってしまったし、もう一度見に行く気満々なのですが上映館少ないのがね・・・って、逆に最寄りの映画館でやっていたら、激しくリピートしてそう(笑)
 佐藤健と高橋一生の「億男」は、映画としてはイマイチだったが「BLモノだと思って見ると超萌える」と、最寄りでやっていたから3回も見ちゃったし。あれ?4回だったっけ?

 さて、「his」があまりにも素晴らしかったので先に感想書いてしまったが、その前にこんな映画も見てました。

●映画「パラサイト 半地下の家族」

 カンヌ受賞作なので、公開前から話題になっていたため、公開後しばらくはシネコンでいい席とれなかったので「そのうち空くでしょ」と公開2週目にやっと見た。
 同じく「カンヌ系」の万引き家族が引き合いに出されていたけど、すでに見た人の感想だと「万引き家族とは方向性が違う」とのことだった。「万引き家族」がそれほど刺さらなかった自分には朗報である。

 私が、この映画の宣伝を見て真っ先に思い出したのは、ずいぶん昔に読んだ「料理人」という小説。
 昔すぎて詳細は忘れたが、「金持ちの家に料理人として雇われた男が、やがて全てを支配する」って話だったと思う。
 ブラックユーモア系?うーん、なんかあのゾクっとする感じは、私の脳内では「ある人殺しの物語 香水 」と同じ「極上サイコパス系」に分類されてるんだけど。

 なので、「パラサイト」の宣伝見て、「貧乏人が金持ち家庭に入り込む」って印象だけで「料理人」を連想していたんだけど、見てみたらちょっと・・・・いや、全然違った。

 導入部はけっこう、かったるかった。
 半地下家族の「現状」が丁寧に描かれているのだが、健康な大人が4人もいて(父母息子娘)なんで誰一人もコンビニや警備員のバイトすらしていないのかが理解不能だった。
 日本だと「ワーキングプア」って描写になるんだろうけど、韓国の経済状況ってピザ屋のバイトにすら就けないような状況なの?

 そこはよくわからなかったんだけど、リアルだったのは「まともな食事もとれないような生活だけど、スマホは必須」というところで、近所のWi-Fiを必死に拾ってるっていうのは日本でもシャレにならない話である。
 そして、主人公が棚ぼたで「金持ち家庭の家庭教師」の職を得てからは、「キタぜ、キタ、キタ〜〜〜〜」と半地下家族の高い知能で、グイグイと食い込んでいく過程にカタルシスがあった。

 去年のアカデミー賞に食い込んだ「女王陛下のお気に入り」を思い出した。
 没落貴族の娘が、ツテを頼って王宮の侍女として潜り込み、女王の側近を蹴落として、その地位に上り詰めるという話。(それだけじゃないドロドロ愛憎劇だったんだが)

 よーし、よし、これで金持ち家族を支配して、好き勝手やるんだろ?

 と期待していたら、話はブラック・コメディじゃなくなって、「はーい、カンヌですから、タランティーノっぽくなりまーす」

 聞いてねーし。
 いや、だからタランティーノ映画は、タランティーノだから覚悟してるので、この間の「ワンス・アポンなハリウッド」(違います)でも、終盤になって「はーい、残虐シーンきました!」って覚悟していたよりも、黒焦げだったので「シャロン・テートの殺され方よりも酷いのでは?」って思ってしまった。

 で、カンヌで評価される作品って、平たく言えば「正義VS悪みたいなわかりやすいのはダメ」って感じで、だから「ハリウッド大作」とは違う枠組みにあることはわかるのだが、カンヌ系の映画ばかり見ていると「もっとシンプルにテーマがわかる作品を何も考えずに見たいなあ」って思うんだよね、

 話が逸れたが、だから「パラサイト」は金持ちの豪邸の画が素晴らしかったし、それに対する半地下の家のしょんべん臭さもリアルで、映像的には大変満足したのだが、うーん、でも、やっぱりなあ・・・・
 何が受け入れ難かったというと、あの金持ち家族には何の非もなかったということだ。

 特に、あの金持ち家族の男の子。
 幼児期にある体験がトラウマになっていて(ネタバレ案件)、やや情緒不安定だが、頭もいいし、芸術的才能もありそうだし、この子はきっと将来大物になるのだろう的な描写がされていたのに、トドメを刺すような、あんな悲惨な体験するとか酷すぎる。

 うん、わかるんだよ。
 この映画の主人公である、「貧乏家族の元に生まれたので才能を発揮できなかった」若者との対比であることは。

 なんで、こうなっちゃったんだろうなあ?
 いや、現実世界がっていうより、物語世界が。

 少し昔・・・20年前とか30年前だったら、底辺家族出身の若者が成り上がる話だっただろう。
 つーか、今もBSで「おしん」が再放送されてるが、「東北の極貧小作農家から成り上がった話」であり、「まともな教育受けてなくても、賢い子は出世する」っていう話である。大雑把ですが。

 ところがこの「2020年最初の話題作」である「パラサイト」においては、「多少、賢くても全然ダメでした」っていうことが丁寧に描かれてるって、なに?
 そう考えると「多少賢いとか、多少金持ちの家に生まれたとか、そういうのを全否定される映画」だとすると、超怖いんですけど。

 そして、それがわかっていてカンヌで評価されたんなら、ほんと怖い。

 というわけで、「パラサイト」は面白かったけど、「こういう話なのに、ハッピーエンドじゃないんだ」っていう意味で好きにはなれない作品でした。
 ただ、映像的には、大雨の日に半地下家族が金持ち家族の家から脱出して、半地下の自宅に戻るシーンが「どんだけ下に降りるんだよ!」って延々と階段や坂を降っていて、行き着いた自宅が壮絶な床上浸水って、あそこまで容赦ないのは素晴らしかったが、「こういう素晴らしいシーンいらない」とも思いました。

 いやあ、映画としての出来は最高なんだけど、「そういうリアルさは、凄いけど、私が見たい夢はこれじゃないんだよ」って感じ、なんて説明すればいいんだろう。「究極の料理をご用意しました。人肉です」みたいな?

 褒めてんのか、貶してるのか、自分でもわからない。

●映画「ロマンスドール」

 この映画、ピエール瀧がやらかしてくれちゃったので、公開が危ぶまれたが、なんとか公開中止じゃなくて公開延期になって、今頃ぽつねんと公開しました、
 で、こっちとしては、「教祖タカハシの空白期間に、ありがとうございます」ってことになり、あ、そうそう舞台挨拶にも申し込んだけど全部外れて「私、死ぬ前に生・タカハシを拝めるのだろうか?」と軽い絶望感に包まれたというか、いっそ不倫騒動でも起こして倍率下げてもらってもいいのだが、その前に、だからガナっているけど、この2月にタカハシの久々の舞台があるのだが、抽選で外れてしまい「金はあるのに見に行けない」という悲しさよ。

 ですから、ここ2年くらい?タカハシの供給がほぼ途絶えなかったので「水と空気とタカハシはタダ」みたいに思っていたら、急に途絶えたので「死ぬかも」と思っていたのですが、意外と死なないもんですね。

 さて、この映画はタナダユキ監督作品して期待してました。
 資生堂「スノービューティー」では、「ゆるふわ美しいが超うさんくさい高橋一生」を撮ってましたし「昭和元禄落語心中」とか「東京独身男子」とかファンタジー設定が上手い監督さんという印象。

 その監督が「ラブドール職人の夫とその妻」の物語を描くというのでかなり期待していたのですが、ピエール瀧事件で公開が遅くなって大変残念でしたが、公開されただけでもヨシとしましょう。

 しかし残園ながら、面白くなかった。

 つーか、映画始まった時に「PG12」のレイティングだとわかり「え?この題材で?」と驚いたのだが、その不安が的中。
 こんな映画、中学生は見たいと思わないだろうから、R15でやればいいと思うが、そうできなかった大人の事情があったのだろうか?

 いや、別に蒼井優の裸が見たいとか全然思ってませんが(そもそも、あまり好きじゃない)あんなに必死に隠さなくても・・・
 私は蒼井優が出ている映画は見た記憶が無いけど、こんなに脱げない女優さんなんだっけ?
 検索するとエロサイトばかりでてくるのでよくわかりませんが、雰囲気的に「脱ぎ済み」みたい?

 あと、仕事が忙しくなってしまったタカハシが夜の営みの最中に奥さんの胸に顔をうずめたまま寝てしまうっていうの、10年以上前の「マリッジリング」という映画と同じで「おい、またか!」と思ってしまった。「マリッジリング」では主人公の彼氏役だったんだけど、ブラック企業みたいなところで酷使されていたため、彼女に愛想をつかされる可哀想な役でした。その後、主人公が上司と不倫するのがメインの映画。
 そんなことを思い出していたら、この映画でも仕事が忙しくて妻を放ったらかしていたら、妻にプチ家出されていたので「ほら、またかよ!」

 と、なかなか映画の内容に集中できないでいたのですが、観た後で「なんだったんだこれ?」とよーく考えてみたら、これって、すごく気色悪い話なんですよね。
 雰囲気的に「いい話」になってるんだけど・・・・

 予告編でも匂わせていたけど、ラブドール職人が妻をモデルに人形作る話なわけで、いや、それが「自分用」だったらわかるんですが、売り物として量産するのって気持ち悪くない?
 もし、この話を男性監督が作っていたら、「キモっ」って思ったことでしょう。
 でも、キモいけど、そっちの方が面白かったかも。

 だから、よくわからないんだけど、エロが題材の話だし、主人公夫婦のベッドシーンもふんだんにあるのに、全然エロくない映画なんですよねえ?
 前半なんて、コメディタッチだったし。

 でも、タナダ監督のタカハシの撮り方は非常に良かった。
 まず、イケメン扱いしてないし、顔もがんがんアップで撮っていて、肌のそのままの質感(美肌じゃない)が生々しかった。
 どんぐりのようになったり、アーモンドのようになったり、カマボコのようになる、高橋一生の目の表情の多彩なバリエーションが存分に堪能できました。

 そして蒼井優もそういうミリ単位の芝居が上手いので、主人公夫婦の会話シーンは非常に見応えがあったし、たぶん、そこが一番の見所だったんでしょうねえ。

 まあ、「美味しいタカハシをごちそうさまでした」でいいんだけど、私は、映画としてはかなり消化不良だったので、もう一度見てみましょう。


1月29日(水)

 休みだったから映画見に行った。
 TOHOシネマズ日本橋に向かったのだが、前に一度行ったことがあったので場所をちゃんと確認しないでいたら、ついうっかり日本橋駅で下車。
 以下、あのあたりの土地勘の無い人には意味不明だろうが、日本橋駅で下車して目の前のコレド日本橋を確認。しかし、TOHOシネマズの案内が発見できない。

 「あり?前来た時には、とにかくコレドにたどり着けばすぐわかったのに?」としばしうろうろするが見つからない。
 しょーがないから、立ち止まってスマホで検索したら「コレドはコレドでも三越前駅にある、コレド室町の方だった!!!」
 ああ、ややこしい。つーか、徒歩5分くらいの距離なんですが、ほんと焦ったよ。時間に余裕あったので良かった。

●映画「his」

 「愛がなんだ」で私はこの監督、今泉力哉の作品を初めて見たけど、この手の映画ファンの間ではすでに注目されてた人らしい。
 先週、通勤途中にあるシネコンの割引デーで、同じ監督の「mellow」も見たけど、「久々にこんなフツーの好青年役の田中圭を見たな」と、それなりに楽しかったけど、あまりクドクドと感想書けるほどのインパクトはなかった。まあ、そういう映画なんだけど。
 なので「mellow」はたまたま時間が合ったから見ただけだけど、こっちの「his」には無茶苦茶気合い入ってました。

 だって宮沢氷魚と藤原季節がゲイのカップルって、それは福田雄一監督作品でも見るわ(笑)

 というわけで、上映館が少ないのでレディースデイだから新宿武蔵野館は混みそうだったので日本橋まで行ったのですが、けっこうお客さん入ってました。
 しかも、高齢女性が多い。お母さんたちレディースデー関係なくね?エブリデ割引じゃね?

 ああ、そっか。「上映館が少ない」のではなくて、本来なら単館系でしかやらないけど、人気上昇中の宮沢氷魚主演だからシネコンでも掛かるのか。「mellow」も田中圭主演だったから。なるほど。
 それにしても年齢層が高かったので、新聞とかで高評価だったのかもね。

 さて、映画の冒頭でいきなり宮沢氷魚と藤原季節がいわゆる「朝チュン」で上半身裸でベットに並んで寝ているのだが、宮沢氷魚の肌色と藤原季節の肌色の違いが衝撃的だった。
 宮沢氷魚がクウォーターなのは知ってるけど、テレビドラマだと目の色がやや薄いくらいで、ベッキーやウェンツほどの異人さん顔だとは思っていなかったのだが、あの肌の白さはまさに「白人」というか、藤原季節の肌が本当に黄色に見えた。

 わざとそういう感じで撮影したのかもしれないが(照明が暗いので陰影が際立つ)、「これ、今後、宮沢氷魚が順調に出世して、こういうシーンを主演女優とやることになったら大変かも」と少しだけ心配になった。
 撮影技術には疎いんだけど、そうなったら強い光当ててどっちも真っ白に飛ばしちゃえばいいのか?

 話は予告編通りであった。
 いや、フツーは予告編通りであるべきだが、最近「予告編と全然ちゃうじゃん!」ってゆーの多かったので(笑)

 田舎で仙人のように暮らしている主人公の元に、かつて自分を捨てた恋人が子供を連れて訪ねてくる。
 藤原季節は旅先で知り合った女性と意気投合して、それで女性が妊娠したので「自分はゲイだから子供なんて持てるわけないと思っていたので嬉しかったし、これでもしかしたらフツーの人生歩めるかも?」と勢いで結婚したが、やっぱダメでした。という話。

 そういや、「昨日、何食べた?」でも、シロさんが昔女性と付き合ってみたけど、やっぱダメだったっていうエピソードあったけど、そういうことってけっこうあるんだろうなあ?
 「腐女子うっかりゲイに告る」では、谷原章介が妻も子供もいる「隠れゲイ」を演じていたし。

 そういう経験したことないので、想像もできないのだが、つーか浮気された経験すらないのでほんと全然わからないのだが、夫が実はゲイでしたって、どんな感じなんでしょうね?

 さて、この映画は元になったメーテレのドラマはあるんですが、映画内では主人公カップルの生い立ちやら家庭環境やらを描いていないので、「ただ、好きだから一緒に暮らしたい」って気持ちが濃く伝わってきて、今泉監督って、この「ただ、好きだから」を描くのが本当に上手いなあと。

 で、「愛がなんだ」での成田凌の造形は恐ろしいほどだったのですが、この「his」での宮沢氷魚は、そういうヤバさではなく、とにかく「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」で、とにかく全編「動くメンズノンノかよ!」ってくらいスタイリッシュ。
 スタイリストさんがいい仕事してました。
 キメキメのおしゃれじゃなくて「メンズノンノ風な普段着」的な。

 少し気になったのは、宮沢氷魚がちょっと東出昌大っぽい芝居していたところかな?
 いや、ただ単に下手なだけかもしれないが(笑)

 でも、この映画って、主演はもちろん宮沢氷魚なんだけど、話の核は藤原季節の方にあるので「宮沢氷魚の在り方」ってけっこう難しいと思うのですが、それをギリギリ妖精化せずに「一人の人間」として、まとめたのってけっこう凄いことだと思います。
 この監督の一番の魅力は、そういうバランス感覚なのかも。

 そして「愛がなんだ」も、この「his」も性愛がきちんと描かれてるのにファンタジーってところが私は好きなのかも。「mellow」は完全ファンタジーだったから、ちょっとノリきれなかった。

 って、感想まとまらないんだけど、まず圧倒的に子役が良かった。
 外村紗玖良ちゃんって出演履歴見ても、そこそこ出演してるけど、これだけ大きい役は初めてみたいだけど、この映画は、この子の演技にかかってるシーンがとても多いし、そもそも、この子が愛されキャラじゃないと成り立たない話だったので、ほんと素晴らしかったです。

 そして、藤原季節!
 儲け役だったのではないでしょうか?
 「宮沢氷魚初主演映画」で、こんな「いい役」

 だって、宮沢氷魚の「別れても好きな人」であり、妻役の松本若菜からすれば、「自分を利用した男だけど・・・」って、すごい重要な役というか、実質主役。

 ドラマではちらほら出ていましたが、これだけ重要な役やるの初めて見たので、正直「大丈夫なのかなあ?」って思っていましたが、完璧でしたね。
 うちの会社の同僚たちに名前知ってもらえるのは3年先かもしれないけど、高橋一生・中村倫也・田中圭ラインに一歩踏み込んだなあっていう作品でした。

 そういう意味では、松本若菜も「いい役」だった。
 この女優さん、私は「僕らは奇跡でできている」で子育てに悩んでいるお母さん役で初めて認識したけど、ニチアサ勢は「仮面ライダー電王」で知ってたみたいです。
 私のイメージでは「30代後半」なので、20代後半な藤原季節の妻役としては、やや年上すぎるような気がしたけど、映画の中では登場人物の年齢が明確じゃなかったんだけど、同級生である宮沢氷魚と藤原季節が「30歳くらい」の設定で(別れたのは大学卒業の頃で22歳。その後、藤原季節は子供を授かり現在6歳)、その妻は少し年上の36歳くらいの設定なんでしょうか?

 すごく上手いなと思ったのは、宮沢氷魚や藤原季節の親は出てこないのに、松本若菜の親だけ登場していて、娘が通訳としてバリバリ活躍しているというのに「お前は親の思い通りに素直に育たなかった」とボヤくのです。

 見終わった後、つらつらと松本若菜目線で物語を再構築してしまった。
 会社員としてバリバリ働いていたが、20代後半でフリーの通訳として独立して必死に働いていたら、仕事の出張先で知り合ったフラフラしてる若者と知り合い、うっかり妊娠。
 それをフラフラしてる若者に告げると「お願い!産んで!俺が育児して支えるから!」って必死の形相なので「この機会逃したら、自分も一生子供持てないかも」と思って出産。
 年下夫が専業主婦やってくれたので、出産後は仕事復帰してバリバリ働いて家計を支えて、それなりに高収入で経済的には上手く行っていたが、夫の浮気が発覚し、しかも「実はゲイでした」

 そんで、「離婚だ!」ってなったけど、自分は海外出張多いから、その間は子供を夫に預けるしかなくて、長期海外出張に出かけていたら、夫は岐阜にいる男のところに娘連れて転がり込んでるって、なにそれ???

 って流れ、映画の中では断片的に出てくるだけなのですが、ちゃんと「彼女が主役で映画作ってもいいくらいじゃ?」って描いているあたりが、素晴らしかった。

 そして「his」の後半の見所は離婚裁判で、双方の弁護士である堀部圭亮と戸田恵子が「離婚が得意な優秀な弁護士」として火花散らすのだが、ちょっとした刑事裁判ドラマみたいに相手を追い詰めていくのが無茶苦茶怖かった。
 でも、二人の弁護士は別に悪い人ではなく、「依頼人が親権とれるように真面目に仕事しているだけ」なんですよね。
 結果的に大岡裁判みたいな雰囲気になり、耐えきれなくなった藤原季節が脱落。

 そこの流れがベタなんだけど、非常に感動的で、「ああ、こういう人だから、宮沢氷魚も松本若菜も、藤原季節のことを心から愛してたんだ」って納得しました。
 現実世界では、私自身は経験ないけど、友人や知人が泥沼離婚劇に陥ったことがあり、それこそ親権争いとか他人事でも非常に辛かった。
 結婚して、子供ができて・・・ってあたりまでは、あんなに幸せそうだったのに、なんでこんな第三次世界大戦みたいなことに・・・って。

 というわけで、この映画の結末は「こんなん、ねーよ」なファンタジーなのですが、松本若菜はいきなり親権を放棄した藤原季節と、彼を慰める美しきパートナーである宮沢氷魚を見て「あ、ダメだこりゃ」って冷静になって、「対立」よりも「共存」を選択します。

 松本若菜の母親が「毒親」的に描かれているのが効いていて、「自分が世話できないときは、自分の親より、元夫カップルに預けたほうが、娘にとってはいいことだろう。だって、元夫の今のパートナーは宮沢氷魚だぜ?」っていうの、ほんと現実的にはあり得ないんだけど、私は心の中で「ガッテン、ガッテン、ガッテン」と激しくボタンを押した。

 ほんと、今泉監督はリアルとファンタジーのバランスがホントに上手い。
 もしかしたら本人は単純にリアルを追求しているのかもしれないけど、根っこにある「性善説」が私にはとても心地よいのだ。
 そして、もしかしたら藤原季節は「こんないい人の役」をやったことがないのでビビったのか、「動くメンズノンノみたいな素敵カジュアルな衣装の宮沢氷魚」に対して、対照的な「なぜ、こんな服を着ている?」ってチャラ男衣装で、いやー、スタイリストさんは本当にいい仕事してました。


1月22日(水)

 どわあああああああ、先日、ベッキーの不倫騒動について書いていたら、「東出昌大が不倫で杏と別居」っていう文春砲がキタ!
 不倫相手が唐田えりかって映画「寝ても覚めても」じゃねーか!

 私は、それなりに東出ファンだけど、「爽やかそうに見えても目の奥が笑ってない東出くん」をこよなく愛しているので、「お?私のイメージに寄ってきた?」って密かに喜んでいるというか、「私が勝手に抱いているイメージだと、この人、結婚向いてない」と思っていたので、軽くガッツポーズしているのですが、「世間の皆さんは、そうじゃないですよね?」って、朝ドラ・クラスタさんを巡回すると「好きな朝ドラだった、ごちそうさんをもう二度と同じ気持ちで鑑賞できないじゃん!」と激怒されてました。

 まあ、そうなりますよねえ?

 しかし、CMはダメだろうけど、ドラマは映画の公開にはたぶん支障が無いだろうから一安心していいのか?

 それよりも、絶賛売り出し中だった唐田えりかの方がダメージ大きいんじゃないか?
 地味めな美人なので、清純派なイメージが売りだったはずで、って事務所はフラームか・・・広末涼子とか戸田恵梨香とか・・・・あ、全然大丈夫かもしれませんね(笑)

 「泥棒猫」イメージでやればいいんじゃないでしょうか?
 「うちの推しが共演してるけど、食われるんじゃないか心配」ってドキドキ感が楽しめます。

 そんで、東出夫妻は、逆・樹木希林パターンというか、「浮気ばかりしてて三行半つきつけられたけど、すがる夫」みたいなのやってればいいんじゃね?
 私が杏ちゃんだったら「もう、どうしよーもないクズだから家から追い出したけど、今すぐ離婚することは無いし、子供の誕生日とか入学式には呼んでやる」って感じでやるかな?

 だから、このタイミングでNHKは夕方の朝ドラ再放送を「ごちそうさん」にすればいいし、民放は映画「寝ても覚めても」を地上波で流そうぜ。

 「寝ても覚めても」は、予告編見て「東出昌大に関西弁喋らすとは?」ってゆーのが衝撃的だったので、つい見に行ってしまったが、「あのダイコンな東出昌大を一人二役にした上に、関西弁とは、どんだけ難易度高いんだ」っていう気持ちをあっさりとかわすような、わりかし佳作でした。

 あの映画に関わった人は、密かにガッツポーズしてるのかもね?
 だって、単館系だったので、東京だと「テアトル新宿」くらいでしか上映してなかった作品だったのに、この事件で、「チェックしないと」って思った人多かったことでしょう。

 地上波は無理でもWOWOWあたりが流してくれるかな?
1月20日(月)

 1月クールのドラマ見るのに忙しくて、また全然日記書いてなかった。
 そうそう、1月スタートのだけではなく、去年から見ていた「ポルノグラファー」とかも見ていたし。
 「ポルノグラファー」は前半は美青年(猪塚健太)の妄想全開が超面白くてハマったけど、後半はシリアス展開になってしまったので、「えー?ずっとラブコメ調でやってほしかった」と思ったけど、「地上波ではこのレベルのラブシーンは男女でもやらないよね」ってくらい攻めていたので、機会があればまた最初から見てみたいものだ。(FOD入れよwww)
 最終回(6話)の攻守交代というか、攻めキャラだったはずの先生(竹財輝之助)が弱音を吐き美青年にもたれかかるところとか最高でした。5回見た(笑)

 というわけで、すっかり竹財輝之助に夢中なのだが、「この人、全然観た記憶無いんだけど、何に出ていたんだろう?」と過去作を調べてみたら「アンナチュラル」って出てきて、「あー、あのイケメン・エリート回かあ・・・」って、東海林(市川実日子)が容疑者になってしまって逃げ回る「息抜き回」ですよ。
 「なんか、どっかで観たことあるような?」って感じの30代前半のイケメン俳優が4人くらい出てたんだよね。それのどの役だ?顔が全然思い出せない。

 と、思っていたら、年末に一挙再放送だったので、ついうっかり観ていたのですが、「最初に死んだ男じゃないな」「次に路上で倒れ込んだ男でもない」とつらつら見ていたら「あ、犯人のあいつだった!」

 よし!「アンナチュラルに出ていた竹財輝之助」の記憶が上書きされました。
 系統としては中村倫也ですね。
 認識できた途端に、過去作見ても「なんで、これを見落としていたのだろう?」って不思議なくらい存在感ありまくりって感じが。
 まあ、だから、当たり役って大事なんですよねえ。

 そして、「ポルノグラファー」が終わってしまって寂しいが、次にTVerに上がってきたのが志尊淳版の「きみはペット」で、それの二番手?当て馬エリート役が竹財輝之助なので、ああ忙しい。

 そして、1月クールのドラマの感想書く前に、地上波で去年からやっていて年跨ぎしている変則クールなこのドラマのことも書いておこう。

●悪魔の弁護人-御子柴礼司(フジ オトナの土ドラ)

 この枠、けっこう癖が強いのが多いし、東海テレビ枠だし、あまりチェックしてなかったんだけど、「要潤が弁護士かあ」って軽い気持ちで見たら、「うわあああ、大映ドラマだ」
 つーか、要潤って最近「いい感じで二番手、三番手にハマってるなあ」って思っていたんですけど、久々の主演なんじゃないでしょうか?つーか、要潤の主演作って?「タイムスクープハンター」くらいしかパっと思い出せない(違う!そう!違う!)

 なので、たぶん、貴重な要潤主演ドラマなはずなのに、私の観測範囲である朝ドラクラスタや大河クラスタの間では全然話題になっていないのですが、これがけっこう面白かったのです。

 要潤演じる、御子柴弁護士は「どんな手を使っても裁判に勝つ」っていう弁護士だったんだけど、実はその少年時代に世間を震撼させた少年事件の犯人だった!
 モデルになっているのは「サレジオ事件」なのでしょう。あと「サカキバラ事件」

 私は、サレジオ事件の犯人だった少年が、のちに弁護士になったっていう話を知ったとき、それを「いい話」だと思っていたんですよ。

 ところが、随分前だけど実家に帰った時に母が、テレビだか週刊誌だかでその話を知って、「未成年の時に同級生を殺した子が弁護士になったんだって」と私に語ってくれたので「ああ、それ知ってる。だから、少年法っていうのがあるんだって納得したよ」と言ったら「はあ????」って反応されて驚いた。

 母曰く「自分の子供が殺されたっていうのに、殺した相手が罪を問われず、のうのうとエリート職業についているなんて・・・」

 まあ、遺族目線だとそうなんだろうって思うし、「子供がやったことですから」を許さない人がいることもわかっているけど、自分もけっこう中二病患ってたこともあり、「高校生の頃の自分と、今の大人な自分は別人格として認めてほしいです」って思ったのですが、そう思う人って少数派なの?

 っていう問題をこのドラマの原作小説ではどう描いていたのか知らないが、ドラマでは「悪魔のような弁護士」っていう描写は控えめで、「少年の時に重大な犯罪を犯した者は、じゃあ、どうすりゃいいのさ?」というテーマを大映ドラマらしいドロドロで・・・主演が要潤で・・・・濃い、濃すぎる。

 さらに、要潤弁護士を擁護する秘書役がベッキーなので、さらに濃い。

 ベッキーが失脚したのは「ただの不倫」なわけで、だから私は何度も書いているが「怒っていいのは、奥さんだけじゃないの?」なのだが、なんで、あんなに騒ぎになったのかかわからない。てゆーか、私の周囲では特に話題にもなってなかったので、バッシングされたというよりも「かなりのイメージダウン」ということがテレビ世論的に濃縮されちゃったのかもしれないし、確かにそれまでの「明るく健康的なイメージ」は損なわれたもんなあ。

 そのベッキーが真顔で「どう償えば納得してもらえるんですか?」とか叫ぶので、メタ的に面白いというか、そこも超ベタなんだけど、ここまで振り切ってると逆に面白いんだよな。
 というわけで、東海テレビで大映ドラマな「悪魔の弁護人」は、今週もう最終回ですけど、社会的なテーマを盛り込んでいるシリアス系なんだけど、もしこういうテーマをNHKでやったら、もっとド・シリアスになるんだろうけど(「サギデカ」みたいな)大映ドラマ独特のエンタメ感があり、何て言うんだろう「作り物だとわかっているから、重いテーマを受け入れられる」っていうのか、好感が持てるのは「マスコミが掲げる正義とは?」ってところもちゃんと描いていることです。

 あと、要潤の少年時代を演じるのが大西利空君で、この子は山崎賢人、岡田将生、向井理、坂口健太郎、 相葉雅紀、高橋一生など、錚々たるメンバーの「少年時代」を演じてるので注目しているのですが、いつのまにか、事務所がトップコートになっていたので将来が楽しみな13歳です。


1月9日(木)

●映画「屍人荘の殺人」

 浜辺美波目当てプラス中村倫也がホームズ役らしいから。

 ところで、最近の私の趣味はプロ野球の2軍マニアだった頃みたいに、「次にブレイクする俳優だれかしら?」なんだけど、その視線は若手イケメン俳優だけではなく、若手女優にも注がれている。
 20歳前後の若手女優も今、大激選区なんですよね。
 10年後に誰が、石原さとみや吉高由里子のポジションにつくのか、ワクワクしながら見守っているのですが、浜辺美波は事務所的には長澤まさみの後輩です。

 さて、この映画見に行く前に原作読んでいる人たちが「屍人荘の殺人とか、ネタバレどのくらい阻止できるんだろうか?」とザワザワしていて「まあ、ミステリーだから犯人ばらしはねえ?」って思っていたんだけど、映画始まってすぐに「え?ネタバレってこのこと?」とびっくりした。

 映画の予告編では「古典的山荘ミステリーのパロディ?」って感じだったのだが、いきなりゾンビが出てきたのである。

 「カメラを止めるな」はゾンビ映画だってことわかった上で観に行ったからいいけど、中村倫也と神木隆之介のホームズとワトソンものに、浜辺美波の天才探偵が乱入みたいなの想定して行ったら、ゾンビものってどういうこと?

 でも、この設定は斬新だ。
 山荘に閉じ込めらえるといえば、豪雪とか嵐で道路が封鎖とか離島で定期船が来ないとか、いろんなパターンがあるが、「山荘をゾンビが囲んでいるので出られない」って面白い。

 だから、きっと原作の小説は面白いんでしょうね。

 いや、ほんと、ゾンビを利用したトリックはほんと面白かった。

 しかしなあ、こういう感じ、すでにNHK深夜ドラマ「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」で見ちゃったからなあ。
 あのドラマはゾンビに襲撃されてるのに「親友が自分の夫と不倫していた」とかでゴチャゴチャやってる変な話だったけど、かなり面白かったからなあ。

 というわけで、いきなりのゾンビ展開には驚いたが、それは受け入れるとして、豪華キャストなのに人物造形が浅いなあ。
 柄本時生と古川雄輝のクズ男設定が浅いのはしょーがないとしても、「ゾンビ・オタク」らしい矢本悠馬に特に見せ場がないのってどーよ?
 なので「カツベン」に続いて「豪華キャストなのにこの無駄使い感」って感じでした。
 豪華キャストが次々とゾンビ化してくれるのは楽しかったけど。

 そういや、キムタクの「教場」も林遣都とか西畑大吾とか井之脇海という、イメージ的には「いい子」な若手人気俳優が次々と闇落ちするのが楽しくて、「あー、キムタク主演だと思っていたら、こっちだったか」という感じでしたが、「じゃあ、次は三浦翔平?」って期待していたけど肩透かしだったので「おい、きっちり全員闇落ちさせろ」と思ったので、続編ありそうな感じだったし、「20代後半の実力派でも参加できるデスノート的な・・・」ってシリーズ化してもいいと思いました。

 キムタクに刃向かう松坂桃李とか?

 それは、もはや映画版か(笑)

 いいよ、私観たいよ。
 生徒役が松坂桃李、菅田将暉、間宮祥太朗、佐藤健な「教場」
 女子は池田エライザと桜井日奈子あたりでどうでしょう?飯豊まりえでもいいなあ。

 けっこう応用きくコンテンツなので、ほんとぜひ。


1月6日(月)

●映画「カツベン」

 今年初の映画はこれ。
 周防監督作品は、昔からなんだか肌に合わないので最近は全然観てなかったのだが、ここんとこ「成田凌って、もしかしたら凄い役者なんじゃないか?」という仮説を検証中なので、観に行ってみました。

 やっぱダメでした(笑)

 何がダメなんだろうなあ?
 たぶん、周防監督の映画愛は、私の映画愛とは方向が違うんだろうなあ。

 あと、すごく役者に依存しているわりに、ステレオタイプな感じなところかなあ?特に竹中直人とか。
 出オチ的に使うので、キャラに深みが無いんだよね。池松壮亮の無駄遣い感も凄かったし。

 そういや、この映画を見ようと思ったのは「悪そうな高良健吾」が観たかったからというのもあったんだけど、悪くはなかったけど、高良健吾を使うんだったら、もうちょっと見せ場用意してほしかったなあ。
 かと言って、ちゃんと見せ場用意した竹野内豊があれでよかったのかも疑問だが。

 最大に疑問だったのは、特に目当てではなかった永瀬正敏の「落ちぶれた往年の名活弁士」が意外と良かったので「見どころはここか?」って身構えていたんだけど、特に回収されなかったような?

 すごく豪華キャストなのに、なんか、それこそテレビ放送した「マスカレードホテル」みたいに、新春隠し芸的な感じなんですよね。「出てくれてありがとう」ってだけで、特に意味はないって感じ。

 でも、井上真央は良かったな。
 主人公、成田凌が働く映画館を潰そうとする新興映画館というか、小日向文世演じるヤクザの親分の娘役だったので、いわゆる「悪いお嬢様」だったのだが、とても良かった。
 つーか、私はずっと井上真央の辛気臭い感じが苦手で、これだけ売れっ子なのに、なんでこんなに苦手なんだろうと長年悩んでいたのだが、「なるほど、こういうわかりやすい悪役やると輝くのだな」というのがわかったので、いろいろ納得した。

 そんで、映画終わって、タイトル眺めていたら、城田優とか細田善彦の名前が出ていて「えええええ???」って驚いたのだが、「昔の無声映画」の映像に出ていたようです。全然気がつかなかったよ。草刈民代やシャーロット・ケイト・フォックスは気がついてたけど。

 あー、もったいない。
 いや、たぶん、周防監督はすごく楽しかったと思うんですよ。
 これだけの役者使って、こういう話を構築するのは。

 だから、そこはよーくわかるんだけど「その楽しさを観ている私にも分けていただけないのかな?」って思うわけです。

 たぶん、私が周防監督が苦手なのは「見せたい絵から構築していくタイプ」じゃないからなんだろうなあ。
 私が思う「映像作家」じゃないんですよね。
 かと言って、三谷幸喜みたいな脚本家系でもない。

 もしかしたら、周防監督作品に一番似てるのって、年末の「絶対に笑ってはいけない」じゃないのかなあ?
 天海祐希が出てきて、天海祐希に期待される役割を果たして、さすがです。みたいな?

1月4日(土)

 妹は私とは全く違うドラマの見方をするのだが、(俳優には全く興味が無く、脚本というか物語至上主義)「グランメゾン東京」は完走したと言うので「あれの、どこが面白かった?」と聞いたら「キムタク主演ドラマは、絶対に失敗できないので脚本や構成、配役も美術も手が込んでいるから見ごたえがある」とのことで「なるほどー」

 たしかに、贅沢だったよな。
 フランスロケから始まって、鈴木京香・沢村一輝・及川光博と主演級が脇を固めていたので、近年のキムタクドラマとしては、一番ちゃんと観たかも。
 でも、天才料理人のドラマって天才外科医もそうなんだけど、画面でその天才ぶりが伝わらないんだよなあ。
 だから、第三者が「すごい・・・」とセリフでその凄さを表現せざるをえないところが、苦しい。
 それでも「グランメゾン東京」は一つのメニューを開発するために、どれだけ地味に試作品を作っているのかが丁寧に描かれていたので好感が持てたが、それにしても、今更あんな凝った料理を食べたいと思わないんだよなあ。
 つーか、三つ星レストランなんて行ったことないし、行きたいとも思わないし(笑)
 なので、あんまりハマらなかったけど、まあフツーに面白かったです。「いだてん」の後にそのままよく観ていたし。

 そういや、最初は違和感しかなかったんだよね。
 なぜなら、私の中でフレンチのシェフっていったら、我がタカハシの「グ・ラ・メ」での清沢料理長のイメージが強すぎて、キムタクが料理しているシーンを観ていると「ああ、これ、タカハシにやらせたら、最高に面白かったのに」って思ってしまい、キムタクのシェフぶりに全然馴染めなかったのだ。

 でも中盤になって、鈴木京香・沢村一輝・及川光博のキャラが立ってきたら違和感なくなったんだけど、それでもまた最初から見直したいかと言われると「別に?」って感じだったかな。
 ところで「グランメゾン東京」の話を会社でしていた時、私が「あの厨房の若い子が二世俳優だって知ってた?」って聞いたら「え?誰の?」と言われたのだが、とっさに親の名前が思い出せず、「えーと、えーと・・・・あ、親じゃなくて祖父の方の名前が出てきてしまったwww・・・三國連太郎の孫ですっ」って言ったらすぐに「え?じゃあ、佐藤浩市の息子なの?」って言ってもらえて恐縮でした。

 あと、最終回でライバル店を崩壊させたのが馬場徹だったのが超笑えたが(もはや、彼こそが日曜劇場の顔みたいな?手塚とおるもそうだけど)、その超胡散臭い相方として登場したのが、上杉柊平だったので、星ひとつ追加(笑)

 上杉柊平は、「成田凌の次のモデル系はこの子かなあ」と目をつけていたのに、宮沢氷魚は想定内として、清原翔にあっさり抜かれている感じだったので「なかなか当たり役が来ないな」と思っていたけど、深夜枠「チート」で胡散臭い路線で頑張っており「お、こっちになった?」って思っていたら、「グランメゾン東京」で、出番少なかったけどいい味だしていたので今後に期待が持てそう。

 で、話が戻るが(どこに?)、だからグランメゾンでキムタクのシェフ役に「ああ、タカハシだったらなあ」って思ったんだけど、新春特別ドラマ「教場」での「白髪アンド義眼なキムタク」観て、また「ああ、タカハシだったら超おもろかったのに」と思ってしまい、要するに深刻なタカハシ不足なようです。

 2月の舞台も抽選で外れたし。

 舞台はほんと、チケットとるのが大変なのがねえ?
 いつもボヤいているけど、そう考えると映画ってなんて公平なんだろうと思う。
 そりゃ、映画館に行くのにも1時間以上かかるって地域はいっぱいあることは知っているけど、日本全国、県庁所在地だったら都会と同じ作品を同じ条件で見ることができるし、人気作品は封切直後は席が取りにくいけど、我慢して待っていれば「チケットがとれない」ってことは絶対にないし、なにより安い。

 今はそこそこの収入があるから、1万円の舞台を観に行くこともできるが、この先、年金生活になったらそういう贅沢はできなくなるかもしれないけど、高齢者割引で1200円の映画なら月に一度か二度くらい見にいくことができそうな気がするので、私の老後のささやかな楽しみとして映画には頑張っていてほしい。


1月3日(金)

 年末年始がどうだったか書いておくのは最重要事項である。

 今年というか去年は最終出勤日が土曜日の28日だった。
 29日にダラダラしていたら、ママンから電話があり「姪っ子軍団も甥っ子も30日に来襲するから援軍たのむ」と言われて、慌てて支度したが、30日早朝にうっかり「アンナチュラル一挙再放送」を見てしまい、昼までずっと見てしまった。

 いやあ、「アンナチュラル」ほんと凄い。
 何度見ても面白いし、今のところ(日本の)検死官モノとしては最高峰なので、向こう10年くらいこれを上回る話は出てこないだろう。実際、あれ以降、似たような設定のドラマ見ると「アンナチュラルならなあ」って毎回思うし。
 というわけで、すっかりアンナチュラル廃人になったまま実家に行ったが、そこで待ち構えていたのは、スマホ依存な姪っ子や甥っ子たちだった。

 いや、ほんと酷いね。あいつら、ずっとユーチューブをスマホで見てるから。
 もしくは、高校生姪っ子が持ってるニンテンドースイッチってやつ。

 まあでも、自分も子供の頃こういう環境だったら、ああなるだろうって想像に難くないけど、それにしても酷い。
 なので「これ、どうにかせんと」と大晦日の昼間に「はーい、みんなで公園でバドミントンしましょう」と連れ出したら、なんか絶好の無風好転で「こんなバドミントン日和、自分の生涯でも珍しい」と思ったんだけど、あれだけスマホにかじりついていた姪っ子甥っ子たちがバドミントンに夢中で「ああ、なんかいいことしてる」って感激した。
 31日の昼は子供連れてサイゼリヤで食べて、夜は紅白歌合戦と「絶対に笑ってはいけない」のチャンネル争いの末に紅白見てた。

 今年の紅白の個人的なキモは「中村倫也がああああああ」でした。

 3年くらい前に「中村倫也の演技が凄い」との噂をききつけチェックしていたが、あまりのカメレオンぶりに「どれが中村倫也なのかわからない」と困っていた自分に「紅白で歌うよ」と教えてあげたい。


 つーか、菅田将暉と中村倫也が紅白出演ってトップコートどんだけ????
 (松坂桃李はきっと実家で遊戯王やってるんだろうけど)

 しかし、最大に衝撃的だったのは、MISIAのバックにDJ EMMAが!!!!
 「EMMAくんが?」と呆然としていたら、妹がその状況を察したらしく、「おねーちゃん、良かったね」と労われたが、ええ、「30年前の自分に教えたら、言ってる意味がわからないと言われるシリーズ」にDJ EMMAが紅白のトリを飾るよ、と付け加えたいと思います。
 いや、ほんと、たぶん、別にEMMAとは友達でもなんでもなかったのですが、たぶん、彼が下北沢ZOOでプレイしていた頃から知ってるので・・・

 紅白自体は去年はすごく面白かったんだけど、今年は去年の踏襲という感じだったのと別撮りが多すぎたので「NHKホールでのお祭り感」がイマイチだったように思う。

 さて、だから今年の年末年始は、30日から甥っ子姪っ子、31日から弟と妹夫妻、元旦に弟嫁が来て、義弟と甥っ子は元旦夕方に義弟の実家(北陸新幹線沿線)に向かい、弟一家も夕飯食べてから帰り、元旦夜は妹と飲みながら録画していた大晦日分の「アンナチュラル」を見つつ、母に「北村有起哉って北村和夫の息子なんだよ」と豆知識を披露していた。
 妹は北村和夫がわからなったが、ググったら「花へんろのおとうさんだ!」と意外なところで記憶していた。

 そして最重要メモ。(1年後、これを必ず自分で確認する)
 お年玉は、高校2年生姪っ子に8千円、中1双子に5千円づつ、小2甥っ子に2千円。


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