可燃物な日々

可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

9月30日(月)

 そうだ、観た映画の感想書いてなかった。
 いや、別に無理して書かなくてもいいんだけど、ほんと最近短期記憶がダメになってるので、どんどん忘れちゃうから・・・・

●映画「いなくなれ、群青」

 けっこう話題になったドラマ「あなたの番です」は前半はちゃんと観てなかったんだけど、後半は横浜流星が投入されたので「どんなもんでひょ?」と観てみたら、横浜流星が理系コミュ障的な役だったし、それが黒島ちゃんこと乃木坂の西野七瀬とラブコメ展開になっていたので、それを楽しみに後半はけっこうちゃんと観ていたので、黒島ちゃんがサイコパスだった落ちも、全然気にならなかったです。

 それよりも、「私が過去二回ほど、横浜流星と街で接近遭遇したことを自慢しようとしても、誰も横浜流星を知らない」という小さな悩みがこれですっぱり解消されたということが大きかった。
 なので、この映画にはあまり興味がなかったけど、なんか横浜流星に課金したい気分だったので観に行きました。

 ファンタジーでミステリー?
 ちょっと、何を主眼にすればいいのか戸惑ったが、絶賛売り出し中の飯豊まりえのキャラが一番よくわからなかったけど、それでも、なんだか強引に引っ張っていけるのって、やはり飯豊まりえは強いのかも。ガッキーや深キョンの次世代版であることを今一度思い知った。

 この話は、今現在、熱烈中二病な若者には刺さるのかもしれないが、オバサンにはちょっとなあ。
 結局「現世では訳あって封印した人格が生きる異世界」ってことで、じゃあ、この人格を捨てた本体は現世でどうしてるのよ?
 なんかよくわからないけど拗れてる横浜流星はいいとして、ウザい正義感バリバリの飯豊まりえは現実世界ではどうなっちゃってるの?ただのリア充実、インスタ女子?

 というわけで、世界観がイマイチよくわからなかったが、ネクストブレイクが期待される若手俳優大集合のなかなかの佳作であった。舞台となる「階段島」も美しく、だから話がイマイチよくわからなかったけど、それでムカつくこともなかったので、それってけっこうすごいことだと思う。

 いや、嫌味で言っているのではなく、「フツーに面白い」っていうか「そんなに面白くなかったけど、嫌いではない」って実はけっこう難易度高いのではないかとホンキで思っているのです。

●映画「記憶にございません」

 三谷幸喜のドラマは大好きだが、映画は当たり外れがあるらしいというか、映画全部見てるわけでもないが、この映画は「ええええ?三谷幸喜にディーン様が???」っていう珍品だったので、楽しみにしてました。
 つーか、その発想はなかったよなあ。三谷作品におディーン様って。

 で、見る前からわかっていたが、この映画は物凄い「真田丸キャスト」で、堺雅人も大泉洋も出ていないんだけど、真田丸ファンが見たら「真田丸スピンオフ?」って感じにしか思えないのだ。
 その悪ノリをきちんと受け止めたというか、やっぱりきちんと運営する中井貴一はさすがだったが、そんな「大河ドラマ悪ふざけ」的なノリの中で、淡々と自分の役割をこなしたディーン様もさすがであった。

 いや、フツーなら・・・・っていうか、もし私がディーン様の立場だったら、三谷幸喜作品で、主演が中井貴一でその敵対役が草刈正雄で、そこに外様の自分が参加するのなら、がっつりその世界に絡みに行くじゃないですか?

 いや、私もよくわからないけど、漠然と「三谷幸喜の世界」ってゆーのあるじゃないですか?
 だから「真田丸」では、主演の堺雅人はその文脈をがっつり理解して、「三谷幸喜の世界」を作り上げて我々に提示してくれたことに感激しましたが、ディーン様はいい意味でそういう空気読まないのが魅力なんだなあ、と再確認した。
 なので、いい意味で浮きまくってるディーン様を堪能できたので楽しかったです。三谷幸喜が彼をあの役に置いたのもたぶんそういう意図だったと思うし。敵対役になってる草刈正雄と対比させるためにも、いいキャスティングだったと思う。

 そんで、映画というか脚本の出来自体はイマイチだったのだが、平日の昼間に行ったので、おばちゃん客が多くて、くっだらねーギャグでドッカンドッカン笑うから、なんかすごい楽しい映画見たような気になって満足感割増でした(笑)

 厚化粧した、なんちゃって滝川クリステル風の有働アナが挿入されるニュースのキャスターとして何度も登場するんだけど、後半になっておばちゃんの誰かが「あ、この人、NHKの?」「・・・そうだ、有働さんよ、もうNHKじゃないわよ」と喋り始めたら、それが伝線して場内のあちらこちらで「NHKの人よ」「有働さんだ」というざわめきが巻き起こったのも「映画を映画館で見る楽しみ」の一つでした。


9月26日(木)

●谷川岳に行ってきました

 母からずっと「ミヤノと一緒に温泉行きたい」と言われていたが、面倒くさいからのらりくらりと「なかなかまとまった休み取れないし」と逃げていたんだけど、そろそろちゃんと親孝行しておかないとなあ、と思って・・・あと、母もかなり衰えてきたので、「このくらいだったら、振り回されないで丁度いいのかも」と思ってね。

 そんで「9月23日から、3日間休みがとれるからどっか温泉に行こう」と持ちかけたら、案の定「格安バス送迎付きの高齢者が大好きな格安温泉チェーン」を提案された。
 同僚M嬢のご両親もアレが大好きみたいで「一度、一緒に行ったんだけど、とにかく食事が美味しくなかった」と言っていた。「もう二度とゴメンだ」なニュアンスで。

 母もずっと「あんたも一度行ってみる?でも、食事はイマイチよ」と言っていたので、うちの親がそう言うくらいなんだから、よっぽどイマイチなんだろうと覚悟はしていたんだが・・・・いや、なんて言うのだろう、別に不味いわけじゃないんだけど、安いビジネスホテルの朝食ビュッフェの感じが夕食バイキングで展開されるとこうなるんだ?っていうのがとても勉強になりました。

 バイキングの魅力って「好きなものだけ選んでいい」ことだと思うのですが、例えば、メイン的な肉料理がイマイチでもスモークサーモンは美味しいのでそれだけひたすら食べてるとか、全部が美味しくなくても「あ、これが美味しいからいいや」ってことよくあるのですが、「特にこれといって目玉がない。というより、ほとんど冷凍食品。刺身は近所の安いスーパーの方がよっぽど美味しい。つーか、こんな水っぽい刺身久々に出会った」って感じで、フツーのバイキングでは絶対にそんなことしないのに、締めにカレー食べちゃいましたよ。だって、レトルトだったらカレーが一番外さないじゃないですか、っていうか、今時カレーなんてどこでもほぼレトルトじゃないですか。

 カレーはフツーに美味しかったです。

 地獄だったのは、二泊したので、朝晩を二回そのバイキングで過ごしたことで、「確かにフツーの旅館の料理を出さないから安いんだろうけど、金なら出すから、あと2千円とか3千円出せば、地元の美味しいもの出るなら、金ならあるんだから」とほんとに思った。

 話戻るが、なぜ谷川岳になったかというと、両親がそのチェーンの他の宿に泊まった時に、バス送迎が谷川岳に近い宿と同じコースで「あ、あっちもそのうち行きたいなあ」と思っていたらしい。
 谷川岳というと、水上温泉が有名だけど、そのチェーンの宿は湯檜曽温泉で、ミヤノ家は40年ほど前に家族旅行で何故か湯檜曽温泉の小さな旅館に泊まって、谷川岳を訪れていたのだ。

 今みたいにネットで検索できない時代に、なぜそんなこじんまりした旅館を予約したのか、母も全く覚えていないらしい。
 私も当時中学生だったと思うが、記憶は朧だけど、そもそも温泉宿に泊まるのが初めてだったので、家族風呂みたいな小さな風呂しかなかったその宿のことはけっこう覚えている。
 男女で大浴場が分かれているシステムではなく、「家族風呂、早いもの勝ち」というか、入った家族が内側から鍵閉めて貸切にしていたのだ。部屋数も数室しかなかったので、それで回っていたのだろう。

 その宿、今でもあって、後で検索してみたら(湯檜曽温泉 永楽荘)、そっちはちゃんと自家製の漬物とか、川で釣ってきた鮎とかが供されているではないか!!!
 そうだよ、あんな川沿いの温泉地に行ったら、川魚食べるのがフツーだろうよ!

 さて、台風の影響で天気が心配だったが、なんとか晴れていたので、谷川岳ロープウェイを上がり、そこからまたスキーリフトで天神尾根の出発地点に言ったが、なるほど、見晴らしが良く、「全く登山せずに行ける山」としての観光価値が高いことがよーくわかった。

 40年前のことを思い出す。
 「ハイヒールで登れる山」というキャッチコピーに乗せられて、中学生の私、小学校高学年の弟、低学年の妹を連れて谷川岳にやってきたのである。同居している祖母も連れてきた。

 今だとよくわかる。
 ハイヒールだったり、赤ちゃん連れだったりしてもOKなのは、リフトで行ける展望台までなのだ。

 しかし、そこから谷川岳山頂が「すぐそこ」に見えるのである。尾根伝いに散歩気分というか、ハイキング気分で行けそうに見える。
 よく覚えてないが、40年前のミヤノ家は「せっかくだから、ちょっと行ってみようか」と山頂を目指したのだ。

 私は今でも恨みに思っているが、「ハイヒールでも登れる山なんだって」って母が言っていたのは、だからリフト終点の展望台のところまでだったのに、自分で調べてないからよくわかってなくて「山頂までハイヒールで登れる山なんだ」って勘違いして、ほいほい付いていったら、賽の河原みたいな岩ゴロゴロの山頂付近を登らされて「なにこれ、ハイヒールどころが、運動靴の小・中学生でもかなりキツいんすけど」

 山頂に到達しても、ちっとも嬉しくなかった。
 だって「あの道をまた戻るのか」ってがっかりしていたから。

 そのあたり、記憶が混濁していて、中学校の林間学校で磐梯山登った時も「なんで、せっかく登ったのにまた下るんだ」という尾根伝いの登山に辟易していたら、「うわ、これまた同じルート戻るんかい!」って絶望的な気分になったなあ。
 あと、筑波山に登った時は、雨上がりで足元がスベって、「あああ、なんでケーブルカーで登らなかったんだ」って激しく後悔した。(体調悪い生徒はケーブルカーで、って言われていたんだけど、別に体調悪くなかったし、大したことない山だと思っていたんだよ)

 そう考えると、私は中学校の時の登山体験で登山が嫌いになったんだなあ。
 なので富士登山とか全く興味が無い。

 それでも、今回久々に山の景色を眺めて「ああ、これが好きな人の気持ちはよーくわかる」と納得できたので、少し嬉しかったから、またいつか谷川岳には行きたいと思う。
 あと、今まで全然気がつかなかったんだけど、谷川岳の隣が苗場なんですね。地図でみるとほんと「隣」でした。

 そして、ロープウェイでまた降りたら・・・・そうそう、ロープウェイの上にある展望レストランで昼食食べたのですが、けっこう良心的な値段で(1000円以内)でカレーも普通に美味しくて「あ、ここ好き」って思った。
 そして、ロープウェイでまた降りて、電気自動車で一ノ倉沢へ。
 母は何度か来ているらしく、私にも一ノ倉沢を見せたかったみたい。

 ええ、私もタカハシ沼に落ちたため、NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」を見ているので、よく存じておりましたよ、一ノ倉沢。衝立ですよね。佐藤浩市と高橋一生がロッククライミングしてました。ロケ地が一ノ倉沢だったのかどうかは知らんけど。

 というわけで、初めて生で見た一ノ倉沢は「ここ、登ろうとする人、どうかしてるよ」としか言いようがなく、高所恐怖症の私には、あそこに挑戦することの何が楽しいのかさっぱりわかりませんが、多くの若者があそこに挑戦して、累計800名の死者を出しているのです。
 谷川岳が面白いのは、ロープウェイを使えば家族連れが軽装で登れる山なのに、ルートによっては最難関なところなのでしょう。

 昔、本格的登山をする方々と話していたら、「嫁が山に詳しく無い方がいい。(もしくは一緒に行くような嫁)」と言っていて、山に詳しくない嫁は「谷川岳に行く」と言うと高尾山みたいなハイキング的なものだと思って快く「いってらっしゃい」してくれるが、半端に山に詳しい嫁だと「谷川岳?ゼッタイだめええええええ」ってなるかららしい。

 一の倉沢を眺めるビューポイントから少し離れたところにある道沿いの岩盤には、遺族や仲間が岩盤に打ち付けた「追悼プレート」が点在していて「●●君 19歳」とか「25歳」とかそんなんばっかりで、まるで知覧の特攻隊のよう。(行ったことないけど。あんなとこ私は絶対ムリ。)
 いや、特攻隊は「自ら志願した体裁」なんだろうけど、一ノ倉沢に関しては、お国のためでもなんでもなかったはずだが、でもきっと、こっちでも「自ら志願した体」はあったんだろうな・・・・つーか、せっかく20歳くらいまで育てた息子を山で失うのも辛すぎる。

 でも、霧で山頂まで見えない一ノ倉沢には独特の怪しい魅力があり、谷川岳はほんと観光地としてのポテンシャル高いじゃん、てゆーか、昔はもっと人気観光地だったのが、今はちょっと落ちぶれているようなのがもったいない。
 平日だからなのかもしれないが、中国人観光客も1グループしか見なかったし、もっと外国人観光客が来ててもいい場所なのでは?だって、30年前にスイス行った時に、あんな感じの観光地に行ったよ?インターラーケンだったっけ?登山鉄道とか乗ったよ?

 そして、もぐら駅で有名な土合駅にも行きました。
 水上駅までバスで行って、水上から土合まで電車で行ってから「バスの時間がすぐだから」と休まずに約500段の階段を登りきりました。

 一の倉沢と土合駅が旅の目的だったので「観たいところ全部観られたね」と母も大満足で、いい親孝行になりましたが、それにしても、やっぱりうちの母はケチなのでサービスエリアで私がコーヒーを買おうとすると「自動販売機だったらもっと安い」とか「サービスエリアには無料お茶コーナーがある」とか、ほんとケチで。

 そもそも出発する日の朝に「昼はどこかのサービスエリアになるんだろうけど、ああいうところは高いから」ってコンビニでおにぎりを買わされて、サービスエリアでコンビニおにぎり食べていたんですけど、なんかそういうのって旅情がないじゃないですか旅情が。
 なので私が「せっかくだから上州肉コロッケでも」と買おうとしたら「なんでコロッケなんて食べるの?」って言われたが、上州肉なんて初めて聞いたが、「地元の名産でーす」って売ってるんだから、東京から来た観光客は「●●肉」と掲げてあったら「さぞかし名のある牛肉に違いない」と騙されて食べるまでが遠足でしょうよ。

 また機会があったら、親との旅行に付き合ってあげたいが、あのドケチ体質にどこまで我慢できるか・・・

 お金にはそれなりに余裕あるみたいなのになあ?
 まあ、あれだけケチだとそう簡単に詐欺に騙されないのかもしれないのでちょっと安心だけど。

 だから繰り返すけど、格安温泉旅館でずっと不味いご飯食べたおかげで、東京に戻ったら「まともな肉が食いたい」って(肉料理で唯一フツーに美味しかったのは、冷凍食品なシューマイだった)スーパーでちょっと高い豚肉買って鍋にしてペロリと200グラムくらい平らげたよ。

 ああ、そんでまだ恨み言になるけど、母は言うのですよ「フツーの旅館って、ちょっと量が多すぎるじゃない?」
 うん、それはわかる。
 よく最後に「お食事を」ってご飯と味噌汁出てくるけど「もうコメとか無理」ってことが多い。

 そして母は言う「そういう旅館の食事って、大人数分作ってるから、冷めてるし」
 ああ、そういうこともあるね。でも、旅館側も工夫しているから、その場で火をかける鍋物が多いし、冷めてて不味かったのは高校の修学旅行くらいで、大人になってから行った旅館の食事は、けっこう美味しかったですよ?

 とりあえず、夕食もバイキングの格安旅館チェーンはダメだってことがよーくわかった。

 今回は「伊東園」だったが、「おおるり」はもっと酷いらしいって、どんだけ???


9月19日(木)

●映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

 「台風家族」の後に邦画2本見てるんだけど、それはまた後日に回して、やっと観に行けたタランティーノ最新作である。
 なかなか観に行けなかったのは、近所のシネコンではIMAX上映がメインだったから、座席数が少なかったのだ。あと、こんな3時間近い映画、仕事帰りに見る気しなかったし。
 なので、祝日に出勤して、平日休みとって・・・・IMAXは高いから、レディースデーに観に行きました。

 この映画の予告編を見た時には「ブラピとディカプが共演?そんなの、私は全く引っかからねーよ」と思ったのですが、タランティーノ映画だとわかってびっくりしたよ。
 ブラピはそこそこ好きだけど、最後に見たのなんだろう?たぶん、「Mr.&Mrs. スミス」だ(笑)
 逆になんで私はあれを映画館で見てるんだ?アンジーとの夫婦共演が見たかったのだろうか?全く記憶にない。

 そして、ディカプーは「ギルバート・グレイプ」で終わっている(笑)

 というわけで、しばらく映画をほとんど見ない期間があったので、このハリウッド大スター二人の途中経過をほとんど知らないのだが、久々にスクリーンで・・・・しかもIMAXで見て「老けたなあ」と思ったが、ブラピは私と同世代だが、ディカプはアラフォーなので、この二人のオッサン具合も作り物なんですかね?

 そして、さすがのハリウッド大作で、すぐに「ディカプとブラピの映画を見ている」という感覚を失っていた。
 ディカプの落ちぶれ感も素晴らしかったが、ギリギリにカッコよくないブラピも凄いと思った。

 「格」としてはディカプが上なんだろうけど(クレジットの順番的にも)、この映画の主役はブラピだったと思うのだが、どうだろう?
 だって、この映画の一番の見どころって「車社会なLAを車で移動するブラピ」だったような?
 ブラピの運転シーンってどうやって撮影してたんだろう?
 別になんてことないシーンなんだけど、どうも合成じゃないみたいだし、だったら、どう撮影していたのか気になるっていうか、ああいう日常的なシーンにけっこう莫大な金使ってそうな映画だった。ブラピが車で駆け抜けるLAの目抜き通りとか全部セットだったのかもしれない。いや、セットだよな、60年代が舞台なんだもん。

 ところで、この映画はシャロン・テート事件を扱っているということは知っていたが、見終わってみると「シャロン・テート事件のこと知らないで見たら、どうだったんだ?」と思った。
 こういう「史実」を扱った作品って史実知らなくても楽しめるかどうかがけっこう重要で、ほとんどの作品は初心者にもわかるように作ってある。はず。
 最近だと「関ヶ原」が史実知らない人に超不親切な映画だったが、大抵は「キングダム」みたいに史実も原作漫画も知らなくても楽しめるよう作ってある、はず。

 最近見た「アルキメデスの大戦」だって、戦艦大和も山本五十六も知らなくても楽しめるよう作ってあったし。ちゃんと冒頭で大和が無残に撃沈される様子が仰々しく描かれていたので、「ああなるのを主人公が阻止しようとするんだな」と先の大戦に全く興味が無いスダマ・ファンの女子にもわかるようになっていた。(別にスダマ・ファンの女子をバカにしているわけではなく、今の中高生の非オタな女子だと戦艦大和の存在を知らない可能性が高いだろうと思っただけです。だって私が大和のことそれなりに知ってるのは宇宙戦艦ヤマトの影響だろうし)

 で、「ワンス・アポン・・・」は「アルキメデス・・・」が冒頭で大和に起こった悲劇を説明しないような映画だった。
 私はシャロン・テート事件を知ってるから、劇中でシャロンが映画館で自分の映画をワクワクしながら見ているシーンで「うわああああああ」って半べそかいたが、あの事件を知らない人が見たら、どうだったんでしょうかね?
 って、日本でタランティーノ映画見るような人たちは、知らないはずないか・・・・そんで、本国アメリカでのチャールズ・マンソンの知名度がどうなってるのか知らないが、やっぱし、タランティーノ映画見るような人たちは知ってて当たり前なんだろうか?

 って、どうでもいいことが気になってしまったが、それよりも、IMAXを初体験したのが「2001年宇宙の旅」で「月まで行く旅客宇宙船がパンナムだよ!」ってところが一番刺さったというのに、「ワンス・アポン・・・」ではイタリアに行く旅客機がパンナムで、なにこのIMAX体験に漏れなくパンナムが出てくるの、なんなの?

 あと、やはり私はディカプが苦手なようだ。
 劇中の西部劇でディカプが「渾身の演技を!」ってシーンがあったけど、全く感動できなかった。
 それと対比するかのように、ブラピがマンソン・ファミリーが暮らす「元・西部劇のロケ地」に乗り込むシーンに漂う西部劇感には痺れたし、ブラピのアクションは終盤の見せ場はもちろんのこと、とても楽しませていただいたので、また10年くらいブラピの映画見なくても大丈夫そうです(笑)

 ってあんま褒めてませんが、私はタランティーノ作品は好きだが、あまり手放しで絶賛できない感じは、国内で言うならちょっとクドカンみたいなところがあるのだろうなあ。

 そういや、この映画で最も良かったのは、ブラピが飼ってる犬でしたね。
 いやあ、あの演技凄かった。
 あれも「どうやって撮影してるんだろう?」って感心したけど、そもそもこんなに頻繁に「どうやって撮影したんだ?」って思ってること自体、物語に没頭してなかった証拠なのかもしれないが、いっそ全部CGだとわかってる作品の方がこういう邪念を抱く余地がなくて逆にいいのかも。


9月14日(土)

●映画「台風家族」

 ですから、ピエール瀧と新井浩文という売れっ子バイプレーヤーの不祥事が続いて、ほんと勘弁してほしかったんですけど、ピエール瀧にはそれほど思い入れがないので「ぐあああ、推しが出ている作品の公開に暗雲が!」ってことだったんだけど、先日「引っ越し大名」が公開されて「ロマンス・ドール」は延期になったけど来年に公開予定が発表されて「まあ、麻薬ゼッタイダメとはいえ、直接的被害者がいないから、この程度で済んだか」でしたけど、新井浩文の方はねえ?

 って、思っていたら、「台風家族」も公開が延期されたけど、こっそり公開してるみたいだったので、香典気分で見に行きました。

 そもそもこの映画って草なぎくん主演なのでビミョーな立ち位置だったのにさあ。

 って、改めて見てみると、妻役は尾野真千子だし、これって去年公開していた「クソ野郎と美しき世界」とキャストほぼ同じじゃん。「クソ野郎・・・」も「課金・・・元SMAPを応援するには、これに課金すればいいのね」って見に行ったけど。
 あの映画で、尾野真千子と新井浩文のツーショットシーン見て、「あ、このカップルで朝ドラのヒロインの両親あるかも」と幻視したんですよね。

 朝ドラ「半分、青い。」で、ヒロインの父親が滝藤賢一になった時、すっごく驚いて、滝藤賢一ってちょっと前までは刑事ドラマで犯人役ゲストばっかりやってたイメージがあったのに?って。
 だから、滝藤賢一がオッケーなら、新井浩文だってアリだろうと。
 波岡一喜と新井浩文のどっちが先に朝ドラのお父さんやるのか楽しみにしていたのに。

 そして、世間では「好きな男性タレントが結婚したので、今日は会社休みます」みたいなのがたまに話題になるが、結婚しようが離婚しようが不倫しようが二股かけようが、そういうのはファンとしてはどうでもいいことで、一番辛いのは「不祥事で一発退場」であるとずっと言っていたし、「だったら、いっそ、死んでくれ。そしたら追悼特集組まれるだけマシ」とまで言っていたが、新井ぱいせんの不祥事で「あああああ、だから、不祥事レッドカードが一番重い」って・・・

 いや、本当に申し訳ないので、私が彼に課金したら、その半分くらい被害者女性に流れる仕組みとかないんだろうか?って本当に真剣に考えました。まあ、もはや金の問題じゃないから、こうなってるんだろうけど。

 だから、もし私が被害者女性の友人だったら「いい金づるつかまえたな」って、巨額の口止め料を請求して、新井ぱいせんに「おまえら、クズだな」って真顔で言われて昇天していたと思うのですが、「そんな性癖の人ばかりの世の中ではないのだな」と逆に真顔になったのでありました。

 で、この「台風家族」ですが、けっこう作家性が強い作品というか、「銀行強盗したけど、その後逮捕されないまま逃げ切った親の遺産相続に集まった兄弟の話」ということで、映画というより舞台劇みたいな話だった。

 長男・草なぎくん、長女・MEGUMI、次男・新井浩文ってだけでも強いが、三男の中村倫也の破壊力よ。

 中村倫也も急にイケメン扱いになってしまったが、映画だと撮影時期に時間差があるせいか「これぞ、正しい中村倫也の使用法」という感じでした。
 「台風家族」は両親の葬儀に集まった兄弟たちの話なので、なんとなく斎藤工の「blank13」みたいだったんですが、こういう「クズ親父が、実は・・・」っていう話は定番モノなんだろうなあ。
 「blank13」では佐藤二朗を筆頭にイロモノ芸人たちのアドリブで「亡き父」を偲ぶ(?)というトンデモ演出だったけど、そもそもタカハシがブレイクしなければ、新宿の単館でひそっり上映されてたような映画だったが、「台風家族」も主演は元SMAPとはいえ、内容的には新宿単館モノだったぞ?

 それでも、新井ぱいせんのことさえなければ、今をトキメク中村倫也がああいう役だし、もっとがっつり宣伝できただろうし、もったいなかった。

 つーか、もしかしたら、これが新井浩文の遺作になるのかもしれないが、この映画でのクズ役は主演の草なぎくんなので、新井ぱいせんは比較的まともな人をやっており、「クズい兄にげんなりしている弟」に新井浩文ってけっこう珍しいと思うんだけど、私は「兄より弟の方が身長がデカい」(兄貴分と弟分でも)という設定が好きなので、ほんと嬉しかった。

 ほんと、新井浩文の魅力って、スラっとしたスタイルなのに絶妙なモッサリ感なんだよなあ。
 井浦新もちょっとそんな感じなんだけど、井浦新はどうしてもカッコイイ系になってしまうけど、新井浩文はカッコイイ要素を完全に消すのがたまらんかったのであって・・・
 というわけで、新井ぱいせんの見せ場になると「ぐほっ」って泣きそうになりながら見ていたので、なんだかどんな映画だったのかわからなくなってきた。

 失踪した父の藤竜也がめちゃくちゃ渋くて良かったけど、結末はトンデモだったな(笑)
 でも、ちゃんと意味のあるトンデモだったし、「映画なんてこういうんでいいんだよ」と思ったので、なかなかの佳作だったと思います。あと、コメディ担当の若葉竜也がめっちゃ良くて、なんか最近、この子の出ている作品に当たるのだが、地はけっこうイケメンなのに、かなり濃い印象の役をこなしていて、なんか少し前までの中村倫也みたいな扱いだから、そのうちブレイクするのかも。(いや、十分に売れっ子なのはわかってますが、タカハシだって田中圭だって中村倫也だってそうだったから)


9月12日(木)

 9月は見たい映画が続々と公開されるので「どれだけ消化できるだろうか?」と嬉しい悲鳴をあげているのだが、とりあえず、さっさと消化した映画の感想を書いておこう。

●映画「引っ越し大名」

 なんか最近、角川映画ばかり見てるような気がする。前はそんなことなかったんだけど、小説原作映画ってカドカワが多いのかね?よー知らんけど。
 30年前の私は角川映画なんてバカにしくさっていたのに、あの頃の自分に教えてあげたい。「あんた、一ヶ月に3本も角川映画見てるよ」って。
 だいたい、こんなに邦画ばかり見てることが30年前には全く想像してなかった。

 さて、この映画は高橋一生が出ているので、夏休みのラジオ体操に参加するようなことなのだが、監督が犬童一心というところに一抹の・・・・いや千抹くらいの不安があった。
 「吉沢亮スタンプラリー」活動をしているので、「猫は抱くもの」を見たのだが、自分史上一番苦手な映画だったからである。「君の名は」で脳死していたり、「検察側の罪人」では「退屈だから途中で帰ろうかなあ」と思ったりしたけど、「猫は抱くもの」は上映中に立ち上がってギャーーーーーーっって叫びたくなるくらい苦痛だった。
 だってもう、これでもか、これでもか、って私の趣味じゃない演出されるから、「吉沢亮の無駄遣いも甚だしい」のは勿論だったけど、もう、なんて言うのか「つまらない」ってレベルじゃないんですよ。
 「美味しくない料理」って、美味しくないけど、まあ食べられるじゃないですか。
 逆に「イマドキ、こんなに美味しくないのも珍しいな」ってリピートしてみたりして(笑)

 いや、一時期、日比谷図書館の食堂の不味さにハマって「なんで、ただのカレーなのに、ご飯はベッタリしててカレーもイマイチなんだろう?」って驚いて、他のメニューも試してみたんだけど「どうして、どれも、美味しくないのだろうか?なんか、ここまで徹底していると、絶対にフツーに美味しいものを出さないという気概を感じる」と深読みするくらい美味しくなかったんです。今はどうか知らんけど。
 だから真剣に「この立地で、この値段で、うっかり美味しくしてしまうと大変なことになるから、微妙に不味いレシピがきちんと受け継がれているのでは?」って考えましたもん。

 話が逸れたが、だから「なんでご飯がベチャってしてるんだろう?」くらいだったら、我慢して食べますが、「なんじゃこの味は?」っていうことは滅多にないけどたまにある。
 私はほとんど好き嫌いがないので、食材の問題ではなく、味付けが苦手ということがたまにあって、一口食べたら「あ、これ無理」っていうの、ほんと滅多にないのですが、数年に一度くらいある。

 で、「猫は抱くもの」が「美味しくない」じゃなくて「苦手な味付け」だったので、「あー、推しが出るから絶対に見るけど、あの監督かあ」って超警戒していたのです。

 なので、心のハードル超下げたのが良かったのか、なかなか良い娯楽時代劇でした。
 平日の昼間に行ったので、シルバー客が多かったが、みなさんけっこうゲラゲラ笑っていて、そう、なんつーか、水戸黄門みたいに安心して見られる的な?

 で、タカハシ信者としては、「脳筋の高橋一生」という珍しいものが見られました。
 この映画のキャスティングがどういう時期にされたのはわかりませんが、20代の頃ならともかく、30代前半のブレイク前の高橋一生を見て、脳筋にする発想って珍しいというか、フツーしないじゃないですか。ガタイ良くないし、どっちかというと華奢だし。

 主演が星野源だから、その親友役は星野源を小さく見せない配慮をしたのかもしれないが、星野源にそういう配慮いらないでしょ?
 でも、濱田岳も投入されてるので、そういう遠近法を利用したのかもしれないけど、だったらその軍師官兵衛家臣シフトするなら、速水もこみちと濱田岳を並べて、岡田准一の身長が撹乱される(小さいのが誤魔化される)っていうのがフツーだと思うんだけど、なんだろう?速水もこみちのスケジュールが合わなかったのか、高橋一生のスケジュールがたまたま空いていたのか?

 まあ、ひたすら声がデカい高橋一生が見られて面白かったですが、「これはフツーに体格のいい俳優でよかったのでは?」と思いました。
 あと、タカハシが後半で振り回す「松平家の家宝」の槍が「御手杵」って有名な槍だそうで、刀剣乱舞にもあるそうで、刀剣女子の間で盛り上がってました。
 これで私は、映画「刀剣乱舞」の日本号と、大河ドラマ「真田丸」に出てきた蜻蛉切とに続いて「御手杵」も学習したので、天下三名槍は押さえた。

 そういえば、この映画、中盤になってピエール瀧が出てきたので「あ!」って思った。
 そうだよ、この映画も「公開大丈夫か?」って心配されていたんだけど、出番がそれほど多くないのをいいことにけっこう重要な役なんだけど、「そんな人いましたっけ?」って感じでそのまま公開したのね。

 あと、この映画は、高橋一生と濱田岳がとにかくずっとイチャイチャしているのでファンとしては嬉しかった。
 俳優陣も豪華だし、娯楽作としてはほんと楽しめたけど、やっぱこの監督のテイストが合わないみたい・・・いつもならタカハシが出てる映画はリピートするんだけど、これはたぶん、よっぽど暇じゃないともう一度見ないだろう。

●映画「おっさんずラブ」

 同じ平日に見たんだけど、こっちを後にしたから女子高生客がけっこういて「こういう子たちもファンなんだ」と驚いた。そんで、終映後に前を歩いていたJKが「マキが超かわいかった」とずっとマキマキ言っていた。
 映画館でこんだけびっしり客入ってるのを見て、改めてドラマの人気がわかり、自分の周囲では見てる人がいなくて寂しかった気持ちが吹っ飛んだ。

 内容としては、大規模開発プロジェクトの進め方とか全くリアリティなかったけど、これそういう話じゃないし、可愛い担当・志尊淳とセクスィ担当・沢村一樹を投入しての「恋のライバル出現」の流れは大変よろしかったし、さらに吉田鋼太郎が記憶喪失になって、「はるたんラブ」を最初からやり直す展開は上手かった。

 全体的に「映画版コンフィデンスマンJP」と雰囲気が似てて、非常に安心して見られる娯楽作になっていたけど、それよりも、なによりも、客席のリアクションが非常に良くて「映画館で見る幸せ」を十分に味わった。「え?ここで笑ってしまったの、私だけ?」ということが全くなくて、人気コンテンツってこういうことなんだってことがやっとわかった。

 そして、終盤になって「あれ?せっかくの映画化なのに、キスシーンもなかったな」って思っていたら、最後の最後で観客全員が「ひゃあああああああ」ってなるのぶっこんでくれて、大興奮のまま映画館を後にしたので、これは、激しくリピートする人多いでしょう。

 ほんと、幸せな気分になれる映画だった。が、ドラマ見てなかった人があの映画見てどう感じるかは全くわかりません(笑)

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