可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

7月30日(日)

 高畑勲展に行った後、当日券狙いでこの舞台見に行った。

●舞台「二度目の夏」本多劇場

 本多劇場に入るのは何年ぶりだろう?少なくとも30歳過ぎてからは一度も行ってないので、20数年ぶりだろう。20代の頃は夢の遊民社とか、けっこう観に行ってたんだけど、観劇好きな友人と疎遠になってからは、演劇をほとんど見に行かなくなっていたからなあ。

 さて、この舞台は岩松了 作・監督・出演で、東出くんが主演だったので、少し気になっていたのだが、東出くんの舞台は見たことあったので「平日休みの時に当日券があったら行ってみようかな」程度だったので、ちょうどタイミングがあって良かった。
 幸運なことに、前から5列目の一番ハジの席が残っていたので、役者さんの表情もバッチリだったし、東出くんの他は片桐はいりや仲野太賀が出ていて、特に仲野太賀の芝居が生で見られたのが嬉しかった。

 ただ、この舞台、非常に感想書くのが難しいというか、岩松了の作品ってどれもそうらしいんだけど、ある意味「難解?」
 つーか、まずジャンルがわからんのだ。サスペンスなのか喜劇なのか悲劇なのか恋愛ものなのかよくわからないのだ。雰囲気的には坂元裕二っぽいのかも。

 よって、例によって「10年後の自分」に向けてどんな舞台だったのか書き残しておく。

 舞台は夏の避暑地の別荘の庭。
 東出くんは父親から継いだ染色工房みたいな会社の2代目社長で、結婚2年目の妻(水上京香)と夏はこの別荘で過ごすことにしたが、仕事の都合でちょくちょく不在になるので、古くからの知り合いというか「親友」である大学生の太賀にも別荘に滞在してもらっている。

 片桐はいりは、その別荘の管理人みたいな立場だが、父の代からの会社の社員なんだけど、英国風の執事みたいな役割なのかなあ?その英国の貴族の世界で言うところの執事兼家政婦みたいな片桐はいりは、妻と大学生が主人の留守中に仲良くしているのを見て「これはヤバいのでは?」と心配している。

 しかし、片桐はいりは表では「そんな心配はしていないし、そんな事実もない」と言い張るのだが、影では主人に「あの二人怪しいでっせ」と告げ口していて、「この人は、炎上させたいのか?」ってよくわからないんだけど、まあ、ああいう「心配だわ、心配だわ」って言って煽る人けっこういますからね。

 で、東出くんは「あはは、そんなの全然気にしてないよ」って感じだったのですが、話が進むにつれ「お前、かなり気にしてるだろ!」って感じになってきて「だったら、そもそも、なんで別荘に太賀呼んでんだよ?」
 たぶん、「試して」いたんでしょうね。
 妻のことも親友のことも。

 って、ここら辺までは夏目漱石の「こころ」をシェイクスピア喜劇風展開でわちゃわちゃやってみました、って感じだったんですよ。
 そしたら、先代社長の時にも、この別荘に「犬を連れた盲目の美女」が出入りしていて、その美女と先代社長が不倫していると先代社長夫人が疑っていて、先代社長夫妻の関係は冷え切っていたという展開に?

 東出くんがそう主張すると、片桐はいりは「いえ、そんなことはありません!お二人は仲睦まじかったです!」って全力否定するけど、現社長夫妻のことも「お二人はいいご夫婦です。でも、奥様と大学生は怪しい」って言ってるわけで、ん?結局、あんた、何がやりたいの?

 そして、大学生太賀はだんだん追い詰められていって、「あれ?オレってもしかして東出先輩に支配されてる?」って感じになってきて、さらに「あれ?オレってもしかして、奥さんのこと好き?」ってことに気が付いて、行方不明になる。

 太賀が湖で溺れたのかと、秘書とボートで捜索する東出くん。そこで、別荘の庭のセットが全て取り払われる大転換。
 湖の藻に何かが引っかかっていた。サングラス。かつて両親の関係を崩した「盲目の美女」はサングラスをしていた。

 終わり。

 んー、やっぱ夏目漱石の世界をシェイクスピアな手法でやってみまして、っていう作品なんだろうなあ。
 だから、話としてはスッキリしないんだけど、歩いてるだけで最高な東出くんと、「おまえ、ギター爪弾くとか反則だろう」な太賀が鑑賞できて満足しました。

 あと、「岩松了は大河ドラマ出演中だから、絶対に大河のキャスト見にきてるだろう」と超期待していたのですが、ロビーや客席で確認できたのは荒川良々と白石加代子でした。
 「いだてん」見ている会社の同僚にそれ話したら「えー、それ凄いじゃん」って言われたのですが、私が期待していたのは永山絢斗とか永山絢斗とか永山絢斗とかだったので、なんか「あ、地味」って思ってしまい、申し訳ございませんでした。

7月28日(土)

●国立近代美術館 高畑勲展

 朝ドラ「なつぞら」を楽しく見ていますが、アニメ制作のパートが、けっこう史実に忠実みたいで「えええ?そんな大河ドラマみたいな」と思っていたけど、高畑勲をモデルにした役をやっている中川大志が音声ガイド担当するこの展覧会に朝ドラファンとして見に行ってみました。

 朝ドラで展開している、アニメ制作作業のキャラ設定とかコンテとか作画の「本物」が並んでいたので、ほんと、朝ドラ関連展覧会みたいだった。
 しかし、去年「エヴァンゲリオン展」を観た時にも思ったが、「アニメ制作ってこんなに大変なんだ」というか、絵で表現できるから自由なんだけど、イチから全部作るのってこんなに大変なんだ、っていうことを改めて実感する。
 なんというか、「自由の不自由さ」?
 いや、違うな・・・・「自由の重さ」?

 俳優使った映像作品だと、例えば「主演はジャニーズのこの子です」って決まった時点で、もうビジュアルは大体決まってしまうし、演技力もわかっているから、そりゃ演出やヘアメイクの力で演出家の意図にはできるだけ寄せるけど、「心の中で考えていたのと違う」ってことはあると思うんですよ。

 まあ、だから俳優使った実写だと「脚本家や演出家が想像したのより斜め上に振り切ったものができてしまう」って面白さもあり、だから私は「脚本家が頭の中で動かしていたイメージを裏切る」タイプの高橋一生をこよなく愛しているのですが、アニメだと、そういう暴走はないわけです。

 でも、だからこそ「イチから作る自由」と「イチから作る苦しみ」があるわけで、クリエーターってまさに神なんだなあ、と。

 原画や絵コンテは楽しめましたが、膨大な量の制作メモは目が悪いからほとんど読めなくて残念。

 まだこんなに目が悪くなる前に「若い時に展覧会とか行っておけ。年取ると目が悪くなるから」ってツイート読んで「ああ、それな」と思ったけど、うん、でも、もう、若い時みたいに詳細にわたって見られなくなってるけど、でも、私は若い頃から行きたい展覧会には行っていたし、海外の美術館にも積極的に行っていたので、そういう意味では後悔が無いというか、なんか二巡目に突入しているみたいで、高校生の時に観た絵が、また来日して「あー、これ、30年前に観たなあ」なんて感慨深かったりするわけです。

 って話が逸れたが、高畑勲展で私が一番食いついたのが「アルプスの少女ハイジ」のコーナーだった。

 オープニングの映像が流れていたので、ずっと眺めていられたし、そのオープニングのハイジとペーターが手をとりあってクルクル踊る場面の原画もずっと眺めていたし、ヨーゼフの原画とか、もう、ヨーゼフウウウウウウウヨーゼヒィィィィィって、ほんとヨーゼフ大好きなんだけど、あのヨーゼフも、誰かが描いた絵だったんだ、ってことが胸に迫る。

 で、その後「赤毛のアン」のコーナーに行ったら、私より少し年下な女性たちが食い入るように原画を見つめていたので「あー、わかる」というか、私は「赤毛のアン」の記憶全然なくて、もう中学生になっていたから、ほとんど見てなかったんでしょうね。

 会社でその話したら、5歳下の女性社員が「私は赤毛のアンめっちゃ見てた」と言うので、そういうことなんだと思ったけど、展覧会でも「赤毛のアンは、キャラ設定がちょっとかわゆくなかった」的なこと書いてあったけど、その女性社員も「赤毛のアンは、なんかブサイク設定なのが特殊だった」的なことを言っていたので、たぶん、彼女があの展覧会の「赤毛のアンコーナー」見たらめっちゃ食いつくと思います。

 あと、これは高畑勲アニメだけではなく、洋画の影響もあるんだろうけど、そういう映像作品で「欧州」というものを学習していたので、20歳の頃、初めてヨーロッパに行ったけど、「わー、ほんと、絵的にはそのまんまなんだ!」って感激したっけ。

 最近だと逆に、日本のアニメで日本を知った海外の若者が、実際に日本に来て「わー、これ本当にあるんだ!」って感激してるみたいだけど、わかるよ、それ。

 そして、「高畑勲展」を見て、あらためて、「私にとっての高畑勲はとにかくハイジだった」ということがよーくわかったし、他はけっこうどーでもよかったことがよーくわかった。

 でも、見てないけど「ホルス」の作り方はけっこう凄かったけどさ。
 図というか、データみたいなので指示するのね。すごく理論的に作っているのがよくわかって面白かったです。っていうか、「ほんと、イチから作るのって大変なんだなあ」と。でも、実写映画でもああいうアプローチで作っている監督もけっこういるのかもしれませんね。

7月27日(金)

●映画「アンダー・ユア・ベッド」@テアトル新宿

 テアトル新宿で「愛がなんだ」を観た時だったか、この「アンダー・ユア・ベッド」のポスターがロビーに貼ってあって「あー、これも観るわ」と一目惚れしたのだが、いつ公開するのかよく覚えてなかったけど、ネットニュースで高良健吾が「ストーカー役似合うと言われて苦笑」っていうのが目に入ったので「お?始まったんだ」と気が付いて、上映スケジュール確認したら「テアトル新宿の完全単館で、しかもレイトショーのみ」ということに気がついたので久々に事前にネット予約しました。

 高良健吾にはそれほど興味が無いのだが、「精霊の守り人」の時にはラウル王子に夢中だった。心の中でずっと「ラウル様、私を踏んで!」ってウチワ掲げて観てました。ドS王子のラウル様があまりにも美しかったし、あれだけ心底踏まれたいと思ったのも長い人生で初めてだったと思う。
 女王様にヒールで踏まれたいと思うM男なマインドがちょっとだけわかった。

 そして去年の冬に、NHKが断続的にやっている「満島ひかりで江戸川乱歩シリーズ」で、高良健吾は「新妻を放置して、土蔵で人形とイケないことやってる変態男」を演じていて、それも無茶苦茶気持ち悪くて美しかったので、私の中で高良健吾はキワモノ扱いになっていたのだが、そしたら今度は「ベッドの下に潜む変態ストーカー」なんですから、「いったい、なにやっちゃってんの?」と。

 そんで、チケット予約する時にやっと気がついたんですが、この映画、R18なのね。

 R18映画といえば去年、「え?松坂桃李がR18?でも、松坂桃李でしょ?ついこの間まで朝ドラヒロインの夫役だったし」って完全にナメてかかっていたら、「ちょwww、わたしwww、なにを観に来てしまったのwww」と全裸の松坂桃李が真面目な顔して腰振りまくり、あんな体位やこんな体位を次々と繰り広げるのにびっくりして、ずっと笑いが止まらずに、ずっと手ぬぐいを顔に押し付けて「ぐふっ ぐほっ」ってなってましたっけ。

 あれ以来、「R18ナメたらあかん」と心に誓っていたのですが、「アンダー・ユア・ベッド」の場合は、「高良健吾があんなことやこんなことを!」って感じでもなかったので、「エロというよりバイオレンス描写なんだろうか?私、バイオレンス苦手なんだけど」と超警戒してました。

 さて、映画館に着くと、松坂桃李の「娼年」と同じように、高良健吾ファンの20代前半の若いお嬢さんたちがいっぱいいて「あー、やっぱこういう客層なんだ」と思うと同時にエロ映画目当てのオジサンもいっぱいいるので、こういうイケメン俳優のR18映画の客席ほんと面白いんですよ。

 「愛がなんだ」の時もそうだったんだけど、20代前半の若いお嬢さんたちが「この映画館初めてきたー」ってロビーで喋ってるの聞いてるだけで、なんだか幸せな気分になれる。
 そして、このお嬢さんたちは、「推しが変態役やる」のをわかって見にきてるんですから、身なりは清楚な女子大生とかOLさんですが、けっこう肉食系なのが萌えますわよね。

 実際、「娼年」の時にも、上映後に「え?これってエロっていうより、笑うやつだったよね?」って話していたり、この「アンダー・ユア・ベッド」の時も「あのシーン笑うところだと思ったのに、誰も笑ってなかった?」とか喋っていたので、お嬢さんたち、けっこうなツワモノなのです。

 そんで、この映画のヒロインは、学生時代に「誰からも認識されない超地味で根暗な高良健吾」というSF設定な主人公に唯一「三井くん」って名前を読んだ女子大生で、特に美人でもないけどリア充で輝いていて・・・っていう感じの女子がいっぱい客席にいる映画館って、なんか凄かった。

 というわけで、映画始まる前からなんかクラクラしていたんだけど、映画始まったら「あれ?思っていたのと違う?」

 なんか、江戸川乱歩的というか、猟奇的というか、もっと妖しい感じを想像していたんですけど、そういや高良健吾のビジュアルが可愛い系だったので「???」って思っていたんだけど、どうやらキモカワ系だったようです。

 だから、けっこう笑いそうになるんだけど、ギリギリ笑わせないというあたりが絶妙。

 つーか、途中でこれは、「ただしイケメンに限る」って文言の非常に優れた映像化では?と思ったくらいで、高良健吾が真面目な顔してやってるからヘラヘラ眺めているけど、そうじゃなかったら地獄だぞ?と。

 DV描写が徹底していて、「ああ、だからR18か」と納得したんだけど、そこはそんなにR18じゃなかったんですよね。まあ、高校生にはあまり見せたくないなあ、くらいな。
 だから「愛がなんだ」は高校生の客が多かったみたいだけど、同じようにヒリヒリする恋愛映画だけど、こっちは「高校生は見ちゃだめよ」っていう感じ。

 そして、何が凄かったかって、普通だったら「変態ストーカー男VSヒロイン」になるはずのところをヒロインは夫から酷いDV受けているので、「なんか、家に誰かに侵入されてる気配あるんだけど、もしかして、その侵入犯が私を救ってくれるの?」って感じになるところが、完全に狂ってるんだけど、DVする夫も、DVされる妻も、それをベッドの下に侵入して監視する高良健吾も、全員狂ってるので、「悲恋で美談なんだけど、それ違うだろう」って、どこにツッコミ入れていいのか、わからないのだ。

 だからさっきも書いたけど、けっこう笑いたくなるシーンも多いのだが、滑稽だけど笑えないのである。
 そして、DV夫の暴力はエスカレートしていき、生死に関わるレベルになってくるので、その緊張感は凄まじく、サスペンス映画としても素晴らしかった。

 そして、何よりも「音」が素晴らしく、映画館で観る価値のある映画だった。
 万人受けする映画ではないけど(そもそもR18だし)、主演の高良健吾以外は無名キャストなんだけど、ヒロインの西川可奈子は本当に素晴らしかった。

 脱ぎっぷりはもちろんだけど、「リア充女子大生」と「DVで憔悴する妻」のギャップが凄かったし、なによりも高良健吾の「運命の女」としての「声」が素晴らしかった。
 私はただのオバサンですが、あの声で人生が狂うの、わかるよ。

 こういう映画だと「あー、脱げる女優は演技がなあ?」ってことけっこうあるんだけど、この映画は前半は「はいはい、だからR18ね」って感じの全裸ご披露があったんだけど、中盤から「そーゆー問題じゃねーから」感がすごかった。
 たぶん、エロ目的で来たオジサンたちは全員撃沈していただろうし、だからこそ終映後に高良健吾ファンのお嬢さんたちの不敵な微笑みというか「やべー、笑いそうになっちゃったけど、これ笑う映画じゃなかったよね?」があったのだと思う。

 面白い映画だと思うので、テアトル新宿で集客しているから今後全国展開するらしいけど、こういう映画がきちんと黒字になると、さらに面白くなるだろうから、広まってほしいな。


7月23日(火)

 吉本の社長が記者会見したらしいけど、最悪だったんですって?

 うーん、吉本なんて優秀な弁護士雇ってるのかと勝手に思っていたけど、いったいどうしてこんな事態に・・・って謎だが、あまり興味がないのでちゃんと追っかけてないのであった。
 でも、その影響で参院選の影が薄くなってしまったことは問題だけど、京アニの被害者家族追っかけ回すマスコミが減っているのなら少しだけ良かったのかも。
 それでも京アニ事件の続報は目に入ってくるけど「数日前に現地に入り、入念に下見をしていた」らしく、「確かに病的だが、ビョーキじゃないよなあ」と思った。

 自分の友人がビョーキになった時に「ああ、こういう感じなんだ」と思ったんだけど、「誰かに狙われている」っていう恐怖心はあるんだけど、指向性が全然無いというか、本人も「そういう催眠にかけられている」と言っていたけど、まるで夢の話みたいに、あっちだと思えばあっちに走り、そっちだと思えばそっちに場面転換して、彼女が医師にどう診断されたのか知らないけど「統合が失調しちゃうのってこーゆーこと?」って少しわかった気がした。

 だから、「親の遺産の定期預金がハッキングされてしまう」と考えて、それを阻止しようと都心にある地銀の東京支店に行こうとしたのに、「そうだ、やはり携帯電話がないと不便だ」と携帯電話ショップに入っていろいろ説明してもらうが全然頭に入ってこないので、申し訳ないけど保留にして店を出たら「そうだ、図書館に行かないと」と思って電車に乗ったら頭真っ白になって何時間電車に乗っていたのかわからなかったとか、本人の言うことだからどこまで本当だかわからなかったが、夜遅くなって我が家に戻ってきたので「そういや、朝は銀行に行くって言ってなかった?」って私が言ったら「あああああ」って崩れ落ちたんだけど、「大事な預金が盗まれる」という危機感すら、全く維持できなかったのだから、もし彼女が「敵」を絞っていても、それを攻撃することは難しかっただろう。

 なにせ、私が無理やり、近畿某県の県庁所在地の駅まで連れていったが、「もう時間が遅いし、もし付いてきてもうちには泊まってもらえる部屋もないから、ここで帰れ」と言われて、私は渋々そこで彼女と別れたのだが、新大阪から1時間くらいの駅だったし、ここで夜明かししてから、東京に戻って来ちゃうかもなあ、って思ったのだが、戻ってこなかった。戻れなかったのだろう。

 だから、本当にビョーキの人は、どこかに勝手に敵意を抱いて、攻撃しようとしていたも、そこまでたどり着けないんだと思う。
 と思っていたら、数年前にペルー人の熊谷連続殺人事件が起こり、まさに「誰かに狙われてる」という妄想を抱えた犯人が起こした最悪の事件だったけど、あの状態であれだけやらかしたのって、あの犯人は相当身体能力が高かったのでは?と思った。

 もはや放送禁止用語だけど「キチガイに刃物」という言葉があるが、本当のキチガイの多くは刃物なんて上手に扱えないのである。
 ただ、ごく稀に、攻撃対象と反撃方法がマッチしてしまう、こういう不幸な事件が発生するんだろうなあ。なんか間違った表現方法だけど、オリンピックで金メダル獲るような選手は身体能力と精神力が奇跡のマッチングな上に時の運的なことも作用してくるんだと思うけど、10年に一度くらいの大犯罪もそういう奇跡が生んだようなもので、なんつーか、天才の出現率と同じなのかなあと。


7月21日(日)

 吉本興業の芸人が闇営業で云々って話は知っていたけど、その後の経過はあまり把握してなかったので(それほど重大な不祥事だと思っていなかったし)、昨日の雨上がり宮迫とロンブー田村の自主記者会見が大きな話題になっていたので「なんで、そんなに拗れたの?」とびっくりした。

 つーか、ジャニーズ周辺も最近雲行きが怪しいが、今度は吉本って、多くの人が指摘しているけど「テレビの時代」の大きな転換期を迎えているのかもしれない。
 それにしても、芸人が涙の記者会見を開いたり、それを受けて芸人が真面目な意見を交わすのってねえ?
 私はバラエティ番組ほとんど見ないけど、芸人さんの真顔ってあまり見たくないよね?

 さて、昨日書き忘れたが、「凪のお暇」の初回に一瞬だけ出てきた女優さん(高橋一生とすれ違うだけ)に見覚えがあったので調べたら唐田えりかだった。東出くんが一人二役やるので見に行った映画「寝ても覚めても」のヒロイン役だったし、NHKの「デジタル・タトゥー」でもけっこう大きい役だったし、MOREの専属モデルらしいけど女優としても売り出し中みたいだけど、どうやら慎二の同僚として絡んでくるみたいだから期待大。だけど年齢差ありすぎだが(笑)

 そんで、とうとう原作漫画2巻まで買ってみた。
 ドラマ始まるまでに読んでみようかと思ったけど、ドラマが外れだとがっかりするから、始まってから考えようと思っていたんだけど、大当たりがほぼ決定したので(私の心の中で。視聴率はどうでもいいです)「よっし!課金だ!」ってなった。
 いや、よくわかってないけど、ドラマ化されてコミックスがさらに売れたなら、それもドラマの評価の一つになるのかと思って。過去にはそれで「昭和元禄落語心中」とか「きのう何食べた」の原作本を購入している。

 それと、まだ初回だけだけど、脚本も非常に良いと思ったのでドラマのオリジナルの部分がどこだか確認したかったのである。
 原作漫画は現在5巻までなので、ドラマオリジナルエピソードがけっこう入ってそうだから。

 そしたらなんと、ドラマの最後でゴン(中村倫也)が凪(黒木華)をハグするシーンは、ドラマオリジナルだった!!!!!
 原作漫画は絵柄が・・・なんと表現すればいいんだろう、写実的じゃないタイプの可愛らしい絵なので、絵はフワフワしているのに話がエグいところが魅力なんだろうけど、だから漫画の慎二は「酷い言動だけど、どこか憎めないキャラ」として成り立っているが、脚本家はもしかしたら、そういう軽いタッチだと思ってセリフを書いていたのかもしれない。

 大島里見脚本の珠玉のラブコメ「わた恋」は女心に疎いIT社長が、男性経験は少ないがその妄想力で恋愛ゲームのシナリオを作っている女性クリエーターを「恋愛の師匠」と勘違いして、ヘンテコな指南を受けているうちに師匠が弟子のことを好きになっていくというピグマリオン系(マイ・フェア・レディ)ストーリー且つ、IT社長のツンデレぶりがタカハシ信者の心を鷲掴みしたけど、「凪のお暇」でも、あんな感じでやることも可能だったはずだ。

 演出スタッフも「カルテット」の家森のヤバイ版くらいを想定していたのかもしれないなあ。
 どっちなんだろう?最初から、こういうシリアスな雰囲気になると思っていたのか、実際に役者に演じさせてみたら思っていたよりシリアスになってしまったのか。
 ただ、結果的に「漫画を実写化するのなら、雰囲気だけなぞるのではなく、このくらい本質を突け」って感じになったことが、良かったんだと思う。「きのう何食べた」もそうだったんだけど。

 あと、これは梅雨時の撮影だから偶然なのか作っているのかわからないけど、やたらと雨のシーンが多く、それが漫画には無いシリアス度をさらに上げていて効果的だった。
 2巻までしか読んでないけど、たぶんこの作品はラブコメを装った文芸作品で、ドラマもそういうテイストで進むのだろう。雰囲気的にはコメディ・タッチだったのにドシリアス・エピソード満載だった「カルテット」に近くなるだろうし、今後あるだろう吉田羊の回や市川実日子の回も「それぞれの人生」として見応えありそう。

 そういや、漫画原作といえば・・・

●水10「偽装不倫」日テレ

 原作だと面白いセリフが、実写化するとなんかなあ?という原作ファンの意見が多いようだが、原作未読の私としては「そもそも設定がよくわからんのだが?」
 杏ちゃん大好きなので、なんとなく見てるけど、「人妻と嘘をついてイケメン君と不倫ごっこ」してる意味がどうも納得できない。

 宮沢氷魚は大抜擢なので楽しみにしていたが、だから原作知らないのでわからないけど、この謎のイケメン君はキラキラ男子ではなくて、もっと闇キャラっぽくしたほうが良かったのでは?
 映画「賭ケグルイ」では、途中まで寝そうになっていた私を一瞬で覚醒させた極上ビジュアルの宮沢氷魚だったのに、このドラマのキラキラで唇ピンク色男子はイケメンに見えないのだが、そう思ってるのは私だけではないらしい。
 つーか、あれだと「彼は私が人妻だから惹かれてるし、そういう遊びだと思っている」っていう主人公の思い込みに説得力が無いのだが。
 杏の姉が仲間由紀恵なので、そのツーショットシーンは眼福だし、仲間由紀恵の夫が谷原章介っていうのも素晴らしいし、優しくて気が利く素敵な夫がいるのに、年下ボクサーと不倫している仲間由紀恵っていうのも理解不能だが、谷原章介が「俺全部知ってるよ。そのうち豹変するよ」って気配を漂わせているので、それはそれで楽しみだけど、それよりも私の脳内では、「谷原章介は男子高校生と不倫してるよ、ふふ」っていう別ドラマのストーリーが混線してくるので困る。

●「コーヒー&バニラ」

 いつどこで放送しているのか知らないが、TVerにあったので「桜田通くんが・・・」と思って暇だったから見てみたら、「これ、漫画で読んでも超絶恥ずかしい感じだろうに、それをそのまんま実写化するなんて!!!」って腰抜かすというか、腹筋崩壊する。

 平凡な女子大生が、イケメン青年実業家に惚れられて、徹底的に溺愛される話。
 なんだそりゃ?って感じだが、こういう設定、昔から少女漫画では定番設定だから。

 まあ、だから乙女ゲーの実写版みたいな感じで、背筋が凍るというか、鳥肌が立つような甘い甘いあまーーーーいセリフを金持ちイケメンが真顔で言うのだが、それを桜田通くんがやってるので「大丈夫なのか?」
 テニミュ出身だから、こういうクサいの得意なのかもしれないけど、私が彼を認識したのは「わたし、定時で帰ります」の向井理の引きこもりの弟役だったので。

 つーか、このドラマの見所はたぶん「よく、こんなクサいセリフ、笑わずに真顔で言えるな」ってところだと思う。
 主演の福原遥は「まいんちゃん」で女優としてはやはり売り出し中。

 そうそう漫画原作で思い出したが、「動物のお医者さん」の佐々木倫子の「Heaven?」も今更ドラマ化されたが、やっぱ、イマイチなんだよなあ。
 たぶん、東村アキコ(「偽装不倫」「東京タラレバ娘」「海月姫」)原作のドラマ化がイマイチなのとは別の理由なんだろうけど、佐々木倫子の絵って、そもそも写実的なので、ドラマ化しても全然違和感無いというか、「Heaven?」でも福士蒼汰のビジュアルとか完璧なんですよ。

 でも、「動物のお医者さん」の時もそうだったんだけど、「役者がどれだけビジュアル寄せてくるか」が全てになってしまうのはなぜなんだろう?
 「動物のお医者さん」も「Heaven?」も一話完結で、漫画は抜群に面白いんだけど、たぶんドラマ化すると弱いのは「各キャラのバックグラウンドというか、軸が無い」ってことなのかなあ?
 いや、ちゃんと各々のバックグラウンドはあるんですよ。ただ、話のキモが全然そこじゃないので難しいのかも。
 つーか、漫画がすでにドラマとして完成しちゃっているので、それを実写でやる意味が全然わからなくなるんですよね。すでに、志尊淳の回がどうなるか脳内で描けるし、岸部一徳の回がどうなるのかも想像できるので、あとは「どのエピソードが実写化されるのかなあ?」くらいしか見所が無いっていう。

 これが佐々木倫子原作だと知らないで見ていた同僚が「なんか変な感じだと思ったら、佐々木倫子だったんだ。どうりで妙に淡々としてた」ってすぐに気がついたくらい。

 豪勢なことに舘ひろしがナレーションやってるんだけど、そこも原作ファンとしては「まあ、落ちなんだけど、そこどうでもいいから」って感じです。
 「Heaven?」に関しては、製作陣が「漫画原作である」ってことにこだわってしまい、漫画チックな演出にしてしまったのが「なんかなあ?」って感じなのかも。思い切ってどシリアスな演出にしたほうがまだマシだったのかもしれないけど、佐々木倫子原作の正しい実写化の方法を私は思い浮かばないし、それはたぶん、楳図かずお作品の実写化の難しさとか、大友克洋作品の実写化の難しさに通じるものがあるのかもしれない。
 「絵」として完成されてしまったものを実写化する意味がわからないから。

 「Heaven?」はたぶん、福士蒼汰の役の「覚醒」回をやりそうだけど、あれも「忙しすぎてテンパった福士蒼汰がゾーンに入った」ってだけの話で、漫画で読むとすっごく面白いんだけど、あれを実写化しても漫画を上回るのは難しいと思う。
 そっか、だから「動物のお医者さん」にしろ「Heaven?」にしろ、人間関係の描写はすごく薄いので、生身の人間でやっても面白みが増すわけではないんですよね。
 例えて言うなら浮世絵を実写化しても「別に?」ってなるような。って自分で書いてて意味不明ですが。

 そう考えると「凪のお暇」の実写化って、漫画だと、けっこうさらりと読める話だけど「これ、生身が言うと、こういうふうになりませんよ?」っていう恐ろしさを突きつけてくるあたりが面白いのかも。
 そして、漫画の実写化というのは、ほんと難しいんだな、ということを今更ながら考えてしまう。

●「ボイス」2話

 今日は選挙特番でドラマやってないので、暇だったらから、2話も見てみました。

 このドラマには安井順平と田村健太郎っていう癒し系メガネが二人も投入されているので、彼らが出てくるまでは見届けようかと(笑)

 そしたらさあ、1話で殺されそうになってた女子を救出する話が続いていて、唐沢寿明がやっと犯行現場突き止めて、犯人と死闘を繰り広げる・・・・って、もうお腹いっぱいだったのですが、ここからが凄かった。

 この話のメインストーリーは「妻を殺害された唐沢寿明」と、「その妻からの110番通報を受けた真木よう子」が主人公で、真木よう子が逮捕された容疑者の声が「違う」と証言したため、唐沢寿明は真木よう子を「あの女」呼ばわりするほど憎んでいるのです。
 それも、どうなの?って思いますが、まあそれで、今回の事件で、真木よう子の能力を認めざるを得なくなった唐沢寿明が自分の妻殺害事件のことをあらためて真木よう子に問いただすのですが、そこで驚愕の事実が!

 なんと、唐沢寿明の妻の殺害現場に急行した交番の警察官が真木よう子の父親で、犯人を逮捕しようとしたら、殺されてしまったと。

 え?なんでそんな重要なこと、唐沢寿明が知らなかったの?って思っていたら、真木よう子の父親である警察官の死は「交通事故」として処理されたと。はあああああ??????

 全然ついていけないんだけど、唐沢寿明の妻を惨殺した犯人は、警察内部に権力を持っていて、証拠をもみ消しているって、え??????

 すごいな、法医学モノの「サイン」も法医学所見を全部捏造されていたけど、「ボイス」もこれってぜんぜん刑事モノですらないんだ。もはやSF。って言うとSFファンに叱られそう(笑)

 で、「殺人を犯しても逮捕されない権力を持つ怪物」に妻を殺された唐沢寿明と父を殺された真木よう子がタッグ組むって流れになったのですが、今度はチームにスカウトしていた五ヶ国語が喋れるエリート美人警察官の妹が拉致された!!!!!

 って、どんだけ警察官の親族が狙われるんだよ、って話ですが、あれ?さっき一瞬だけ、その拉致された妹の彼氏が出てきたとき「森永悠希?」って思ったんだけど、よくわかんなかったんだけど、次回予告で「警察官は苦手です」ってセリフは森永悠希の声だったから、やはり次回の犯人は森永悠希なの?

 森永悠希が殺人鬼やるなら、次回も見ちゃおうかな(笑)


7月20日(土)

 京都アニメーションの事件、最初は「あー、狂ったオタクが・・・」と思っていたけど、死者がだんだん増えてきて、「放火って言っても、ガソリンで放火するともはやテロみたいなことに」と思っていたら、死者30人越えの「放火事件としては平成以降最大らしいが、令和最初の重大事件じゃん」ってことになった。

 アメリカだと、銃乱射事件なんだろうけど、誰でも買えるガソリンであんなことになるんですね。

 私も最初の頃「これ、会社の防火設備の不備を問う展開になったりするのだろうか?」と思っていたんですが、一部報道でそういう雰囲気になったみたいだけど、「そもそも普通の火災ではないので、通常の防災設備では対応できない」という流れになったみたいね。

 ドラマ「アンナチュラル」では歌舞伎町雑居ビル火災事件をモデルにした「10数人の焼死体が持ち込まれて、身元特定が大変」って描写があったが、あれの三倍の被害者の身元特定やってらっしゃる人たちが、現実社会に存在することに目眩がする。
 まあ、それを言うなら、東日本大震災の時は・・・・って話になるわけで、「アンナチュラル」も、今の月9の「朝顔」も、そういう話になってるんだけど。

 えー、それで、何が怖いって、特殊な重火器なくても、ガソリンばら撒けば「一度で30人くらい」は平気で殺せてしまうことでしょう。
 容疑者も重体らしいが、これ容疑者が生存した方がいいのだろうか?

 全然想像もできないんだけど、もし自分が医者で、「30人殺した容疑のある患者」の治療にあたっていたら、「これは生かしたほうがいいんだろうか?それとも?」ってかなり悩むと思うし、同時に「自分のそういう考えが治療に影響してはいけない」ってことでほんと悩むだろうな。

 だってさ、死刑確定なくらいの犯罪者の延命治療って、やるだけ虚しくない?
 ニュースショーではよく「真相の究明を」とか「心の闇の究明を」とか言うけど、それ解析して、なんかいいことある?
 オウム事件みたいな、組織的犯罪だと、そういう構造をきちんと研究しておいたほうがいいとは思うけど・・・

 ちょうど朝ドラでアニメーターさんたちの物語をやっていて、「ああ、こういう感じの人たちが30人も亡くなったんだ」って想像できちゃって、かなり切ない気持ちになっているのであった。

●金10「凪のお暇」TBS

 今クールの大本命がついに始まった。
 高橋一生と中村倫也が初共演なので(厳密に言うと同じドラマに出たことはある)、ファンとしても「絶対に面白く無いと困る」というプレッシャーがかかっていた。
 それでも、最近ハズレの無い金10枠だし、スタッフも演出は「カルテット」チームだし、脚本は「わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた」の大島美里なので、これで外すはずが無いのだが、最高のキャストと最高のスタッフ揃えても絶対に面白いかどうかは始まってみないとわからないのがドラマの恐ろしさ・・・っていうか、何でもそうなんだろうけど(笑)

 そして、一抹の不安は「原作とキャストが合ってないのでは?」という意見が事前にちょこちょこ出てきたこと。私は原作読んでないけど、ちらほらネットにあがっている原作の絵柄見ると、高橋一生は年齢が上過ぎるような気がした。
 主演の黒木華の役年齢が28歳で・・・・って、あれ?黒木華の実年齢調べたら、もう29歳だったんだ!もっと若いと思っていたけど、するってえと、ほぼ実年齢の役なんだな。で、謎の隣人役の中村倫也が32歳なので、相手役としてはちょうどいいけど、元彼役の高橋一生は黒木華より10歳上だからなあ。
 まあでも、リアルに考えても35歳独身会社員なんてフツーにいっぱいいるし、高齢化が進んでいるうちの会社では、そのくらいの男性社員は「若手」と認識されているから、高橋一生が5歳くらい若作りすれば大丈夫だろうけど、けっこうヤンチャな役なので、原作の雰囲気壊さないか心配だ・・・と思っていたら・・・・

 さすがわ、黒木華、高橋一生、中村倫也という演技力には定評のあるのを揃えただけあって、素晴らしい初回だった。
 つーか、高橋一生と中村倫也って雰囲気イケメンというか、私は美形俳優だと思ってないんだけど、二人の雰囲気合戦のバランスが絶妙。今までも、松田龍平や三浦春馬や斎藤工や佐藤健などの人気イケメン俳優の横に置くと持ち前の2.5枚目が伸び伸びと発揮できて良かったけど、中村倫也が「今をトキメくゆるふわ男子」を振り切ってやってくれているので、ガチっとヒールに嵌った感じ。そうだ、「ヤバ妻」みたいだ。伊藤英明がお馬鹿マッチョ役だったので、小粒でピリリと謎の男役がよく嵌っていたっけ。

 なので「僕キセ」「みかづき」「東京独身男子」とここんとこ主演作が続いていたけど、どれも愛らしさを前面に出していたのが、「凪のお暇」では久々のモラハラ男役で、可愛さを封印しているのが素晴らしい。まさに「俺たちのタカハシが帰ってきた」である。

 しかも、凪にフラれて泣きじゃくるとか、かなり難しい役なんだけど、なるほどー、こういう話にしたから、高橋一生にやらせたのかと納得。ギリギリの「キモ可愛さ」である。
 しかも、モラハラは置いておいて、「好きな子についつい意地悪なことを言ってしまう」っていう設定に政次クラスタがワラワラと湧いてきたので笑った。
 政次の場合は味方を欺くために意地悪ばかりしていたのだが、でも、なんとなくそれを楽しんでやってるフシもあり、その曖昧さが大量の政次解析班を生んだのだが、この慎二って役も、モラハラを擁護するわけではないけど、いろいろ解釈の余地があるようで、番組終了後、タカハシ信者たちが盛んにあーでもないこーでもないと意見交換しているのを眺めるのが楽しかった。

 原作ファンの方々の評判も良いみたいで、ひと安心である。

 それにしても、三田佳子がこういう役で出てきたことに驚いたが、初回ではちらりとしか出てこなかった吉田羊とか、まだ出てきてない市川実日子とか、なかなか凄いキャスティングである。あと凪の母親役が片平なぎさになってるのだが、どの程度出てくるのかわからないけど、たぶん毒親だろうから、すげー楽しみ。


7月16日(火)

 今クールのドラマはまだ出揃ってないんだけど韓流ドラマが原作のが多いみたいで、それが私が観察する範囲では評判悪かったのでチェックしてみた。

●木9 テレ朝「サイン」

 大森南朋が法医学者で、松雪泰子がエリート刑事で、我が推し淵上泰史も出ているのだが、「また法医学モノかあ」って感じ。
 昔から人気のあるジャンルだけど、ちょっと大量発生しすぎでは?月9の上野樹里もソレでしょ?
 そして、あまり好きなジャンルではないけど「アンナチュラル」が最高に面白かったので、あれが基準になってしまったため、ますますハードルが上がってしまったのです。

 でも、この「サイン」は死因がどーのこーのという技術的な話ではなくて、「巨悪と戦う」って話みたいだけど、それにしても、技術そっちのけというか、「こんなに微量な毒物では死因にならないが、被害者に肺の疾患の既往歴があるので、それだったら死因になりうる」という設定だというのに、肺の疾患(結核だったっけ?)の証拠が無いのってどーなの?

 そりゃ「アンナチュラル」だって、けっこうツッコミどころあったけど、「物語を作るために多少の齟齬はしょーがない」と思っていたけど、死因判定で一番重要な所でこういう適当なことされると、リアリティなさすぎでついていけなくなる。
 いや別にドラマにリアリティだけを求めているわけではないけど、シリアスな話だったらやっぱり最低限の科学的根拠は置いておいてもらいたい。
 まあドクターX的なもんだと思えばいいんだろうけど、だから私はドクターXも苦手だし(笑)

 というわけで、大森南朋も特に好きじゃないので、「これはいいや」と思っていたら・・・・

●土10「ボイス」日テレ

 この枠は、少し前まではジャニーズ枠だったけど、最近はちょっと様子が変わってきたのだが、唐沢寿明と真木よう子ダブル主演の韓流シリアス刑事モノって、方向転換しすぎだろ。

 そんで、冒頭が「殺人鬼に狙われ、110番に助けを求めるが惨殺される唐沢寿明の妻(菊池桃子)」という、やーな感じの出だしで、しかも長い。
 土曜日の夜にハンマーで顔ボコボコにされて殺される話なんて、見たいもの?いや、水曜日でも私は見ないけどさ。
 で妻がピンチの時に唐沢寿明は犯人検挙のために長めのアクショーンシーン披露していたのだが、「唐沢寿明のアクションって需要あるの?」
 つーか、唐沢寿明が「狂犬」ってアダ名の武闘派刑事って設定に需要があるの?

 100歩譲って、「サイン」の大森南朋(巨悪に陥れられた法医学者)と「ボイス」の唐沢寿明(妻を殺害された恨みを抱える武闘派刑事)をチェンジでは?

 そんで、話の核は聴覚になんか特殊能力があるらしい真木よう子が「110番通報で助けを求めてくる被害者を救出できるように」って、そういうシステム立ち上げるんだけど、そしたら、また「助けて!殺される!」って拉致監禁された女子大生から通報があって、ハラハラドキドキの展開になるんだけど、1時間の中で二人も「変質者に殺されそうになり逃げ惑う女性」を丁寧に描写するって、こういうの見るのが好きな人っているの?

 ホラー映画好きは多いから、こういうの好きな人は好きなんでしょうね。
 逆にこういう緊迫した話こそがエンタメだと思っている人はラブコメ好きな人のことなんて理解できないのだろう。

 私は医療モノも刑事モノも基本苦手なので、そこに韓流テイスト足されるとほんと無理だってことがわかりましたが、さーて、そうなるともう一つの韓流モノが心配になってきた。

●火9「TWO WEEKS」関テレ

 三浦春馬主演。
 どうやら父親役は初めてらしい。(孕ませたことはあったので厳密に言うと初めてじゃないが)

 話はよくある「濡れ衣を着せられた逃亡犯」なので、それほど期待はしていなかったが、その前に見た韓流原作モノが全く趣味じゃなかったので不安になったのだが、これは大丈夫で良かった!
 三浦春馬のビジュアルが良かったので「これは面白いといいなあ」って思っていたので、ホっとしました。

 私は三浦春馬をちゃんと見たのって「おんな城主直虎」で、それまでも存在は知っていたので「キレイな顔の子ね」って思っていたけど、「おんな城主直虎」でやっと「タダもんじゃねーな」ってことに気がつきました。
 だって、5話で登場して、11話で死んじゃったんですよ。1年間やってる大河ドラマなのに、出番が2ヶ月も無かったんですよ、それなのに、あの大河ドラマは最後まで三浦春馬の支配下にあったんですよ。

 私は高橋一生ファンだけど、あのドラマで高橋一生が「不憫キャラ」としてブレイクしたのは、三浦春馬の「陽キャラ」がきちんと確立していたからだと思っています。
 その後はできる限り三浦春馬をチェックしているけど「オトナ高校」は最高だったし、この間の「コンフィデンスマン映画版」の結婚詐欺師役も最高だった。

 というタイミングで、けっこう問題作というか実験作が多い火9関テレ枠での主演だったので「どうなんじゃろ?」と期待と不安が入り混じっていたのですが、一話の印象だと「韓流のクサ味がほどよい」って感じでした。

 そもそもリアリティのある設定じゃなくて、私の世代で言うなら「大映ドラマ」なわけで、クサい設定を徹底的にやるのがいいわけで、少し前だとディーン様の「モンテ・クリスト伯」がそういう感じでドハマリしたけど、ちょっとそれに似た感じです。

 クズ男が孕ませた女から逃げて、チンピラ生活送っていたら、「あの時妊娠した子を実は産んだのだが、白血病に罹っているので、もし適合したらドナーになってほしい」って元カノが比嘉愛未っていうのも良き。
 今の朝ドラの比嘉愛未の役柄も好きなんだけど、この人、こういうリアリティの無い話の方が活きるね。浮世離れしてるっていうか。

 そしてその「朝ドラと被ってます」な比嘉愛未の今の恋人が「大河ドラマ出演中です」っていう三浦貴大なのも面白いけど、脇役陣が神尾佑、久保田悠来、近藤公園、鈴木仁、あと森永悠希もいるし、2話で磯村勇斗も殺しや役で投入されるようで、キャスティングが通好みなのも痺れる。


7月15日(月)

 「カルテット」を全部見てから、「重版出来」も全部見てたら7月スタートのドラマ見るの忘れていたので、そっちもTVerで追いかけていたら、今度は映画版の宣伝で「おっさんずラブ」が全話上がっていたので、「おっさんずラブ」廃人になってしまった。
 私はいったい、何をやっているのだろうか?

●最近の出来事

 ベランダに小さなクモが見事な巣を張ってくれたのだが、繊細すぎて夜はよく見えないので、洗濯物干すときに引っかからないよう注意していた。
 小雨続きのためか、あまりエサがかかってないようだが、雨が当たる場所なのに、あんなに繊細なのによく耐えてるなあ、と毎日楽しく観察していたのに、昨日見たら消滅していた。
 どこかにお引越ししたのかなあ。死んでないといいんだけど。

 そして、たぶん飛蚊症になった。
 最初、コンタクトレンズに汚れがついたのかと思ったのだが、コンタクトレンズはずしても見えたので「ああ、これが噂の・・・」とがっかり。
 ネットで調べたら「加齢による」というお馴染みの文言が出てきたので、さらにがっかり。
 薄暗いところだとほとんど気にならないんだけど、明るくて白っぽいところにいるとほんと邪魔で悲しくなる。

●朝ドラ「なつぞら」のフォークダンス・シーン

 先週土曜日放送回で、フォークダンスの「コロブチカ」を踊るシーンがあり、「わー、懐かしい」と感激していたのだが、ツイッターのTLでは「テトリスwww」が目立った。あー、テトリスの音楽だったんですね。私は、ああいう追われるゲームが苦手というか、ほぼゲームをやらなかったので、そういう話題になると取り残された感じがするのですが、逆にテトリスを知らない若い人たちも「???」だったようで、「年がバレる」案件でもあったようです。
 テトリスはたぶん、私が20代前半の頃に流行ったゲームだが、あの当時のオジサンたちにも絶大な人気があった。あの頃、40代や50代のオジサンたちも「今まで出張で新幹線乗る時にはずっと本読んでたのに、最近はずっとこれやってる」って言ってる人けっこういたような?

 ところで「なつぞら」は実在の女性アニメーターがモデルになっているのだが、想像以上に「史実に忠実」になってるらしく、高畑勲がモデルの中川大志のキャラがかなり好きなのだが、宮崎駿がモデルの染谷将太は、宮崎駿ファンが唸るほど「本人に寄せてる」らしく、なんか大河ドラマみたいなことになってるらしい。
 染谷将太って、成人してからはあまりテレビドラマに出てなくて、映画中心だったから、うちの母親とか知らないだろうな?つーか、あれが宮崎駿モデルだということも知らずに見てるのかもしれない。

7月8日(月)

 ああ、またせっかく書いていたのに、消しちゃった。

 今まで出来ていたことがだんだん出来なくなるのが老化現象です。
 これ、ほんと辛いけど、たぶん35歳くらいがピークとして、これからゆっくり「高校生から中学生」くらいを降りていき、最終的には自分でトイレに行けない「おしめ」が待っているという・・・・うん、でも、そこに行くまでには、たぶんまだ30年くらいかかるから、ゆっくり下り坂を楽しもう。

 そんで、TVerで「アオイホノオ」全話見て、また廃人になっていたのだが、今日になってやっと「カルテット」の8話が配信されたので、「ああ、私の一番大好きな8話!!!!!!!」

 8話は、満島ひかりの魅力全開回で、「スズメちゃんの美しい片思い」が描かれてます。
 それは、かなり漫画チックな演出で、初めて軽井沢の別荘に行った日に、松田龍平がナポリタン作ってくれて「ナポリタンは危険です。白い綺麗なお洋服なんだから」って自分がしていたエプロンをかけてくれるんだけど、何度見ても、ここ健全にエロすぎで笑う。

 これは落ちる、女性のほぼ全員が落ちる、って異常な説得力があるのが、たぶん「カルテット」が後世に残る名作になるであろう確信ポイントの一つである。

 そして、この回は、高橋一生が「自分が好きな子の好きな人のために、なんか仕事させられている」というのが、大河ドラマのそういう設定と重なってしまったため、当時の高橋一生ファンは「え?週に二回、こういう高橋一生を消化しないといけないの?」とドツボにハマっていたのも記憶に新しい。

 そんで「SAJ」に久しぶりに笑っていたら、(「好きです」「ありがとう」「冗談です」です)、あああああ、出た岡部たかしの「駅前のタコ焼き屋さん!!!!」
 たぶん、ここから私の岡部たかしを追いかける旅が始まっている。

 そんで、だからカルテットの8話がすごいのは、「すずめちゃんの片思い」回かと思いきや、終盤で大倉孝二が出てきて「早乙女マキという人は誰?」って、これまで散々、松たか子が演じるマキさんというキャラが主役だったけど、そのマキさんの結婚生活の破綻がキモなのかと思っていたら、終盤になってまさかの「義父殺し疑惑」が浮上してきて「えええええええ?」ってなったし、さらにそこ、グレーなまま終わるから酷いんだけど、そのグレーさが最高なんです。


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