可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

8月31日(月)

 えー、まだ8月31日なんだーって、急に秋になってしまったのでそう思ってしまうという近年稀に見る現象だ。

 それにしても、「若者の自殺の特異日は9月1日」という統計が発表されたため、メディアでは「自殺注意報」がじゃんじゃん発令されてるが、あれって逆効果になったりしないのだろうか?
 そりゃ「周囲の大人が注意しましょう」って声掛けあう気持もよーくわかるけど、なんだか「今が旬!」って宣伝しちゃってるようにも思えるので。

●サイン コサイン タンジェント

 九州の某県の知事が「女子に三角関数なんていらない」というような発言したので見事に炎上していたが、知事の発言を全部確認したわけではないので、その発言についてはどーでもいーのだが、おかげで私が拝見するネットのエリアでは「三角関数けっこう実社会でも使うだろう」ってコメントが多発していたし、「よくわかる三角関数」なんて情報もいっぱい出てきていたので、三角関数祭りになっていた。

 実は私が所属する部署では、三角関数の話題が年に1度くらい出てきていて、それはとある仕事が影響しているのだが、毎回、上司が「オレは三角関数は習ってない」と主張するのがお約束なのである。

 「えー、そんなはずないと思いますけど?」って私は反論するのだが、私も明確に三角関数の授業を受けた記憶があるわけでもなく、ただ、数学の教科書に「三角関数表」(が正式名称なのか知りませんが)が添付されていたような記憶があるし、なんかそういう問題解いたような微かな記憶があるので、それなりの高校だったらやってたはずだと思うんだけどなあ。

 ただ、ややこしいのは上司と私は一学年違いなので、そこで教科書の大幅な改定があったのでカリキュラムの違いはけっこうあるはずなので、そこで「やった」「やってない」って議論してても無駄なのだが、それよりも、周囲にいる他の社員達も「やったのか、やってないのかさっぱり記憶に無い」と言っていることの方が気になるし、たぶん、その中には「三角関数って何?」って感じの人も含まれているのだと思う。

 私は他の教科に比べると、圧倒的に数学や物理の成績が悪かったため、学校を卒業してからも時々発作的に「これで微分積分がよくわかる!」なんていうテキストを食い入るように読んでしまうが、10年経っても20年経っても、さっぱりわからないのが悔しい。
 いや、読んでる最中は「ああ、そういうことか」って理解しているつもりになるんだけど、それを応用できないんだよね。

 私が数学の概念で、自分で満足がいった応用は、数年前に社長や役員や部長と飲んでいた時、とある問題児社員のことが話題になった。
 その問題児社員は、身なりがかなりだらしなかったが、明るいおバカ系の性格で、「空気読めない」というのが欠点だったが、「空気読まない」のが長所でもあったし、ここぞという時にはがむしゃらにやるので評価できることもけっこうあったし、「いじられキャラ」として重用されることもあった。
 要するに、彼をとても評価する人もいる反面、「あいつと組むのは勘弁してください」と絶対に受け入れない人もいたようで、まさに劇薬というか「取り扱いを間違うと大変なことになるが、うまくハマるとすごくいい効果を生むこともたまにある」という社員だった。

 で、お偉方が「あいつどーよ?」と酒の席で話していて、誰かが「ミヤノさんはどう思う?」ってフって来たので、「うーん、彼は虚数みたいなもんで、プラス・マイナスの評価が難しいです」と言ったら、2名くらいに「あー、そんな感じだ!」とエラく受けたのだが、それが私が「数学の概念を日常で上手く応用できた」という数少ない事例として記憶に残っているのである。

 そういうノリで、私が「この事案はもっと微分して考えたほうがいいんじゃないでしょうか?」とか「この問題は帰納法じゃなくて演繹法でアプローチしたほうがいいんじゃないでしょうか?」なんて言えれば、「私は理解している」って胸張れるんですけどねえ。

 何度も書いているが、私が「数学すげー」と感動できたのは、ベクトルとかデカルト座標までで、中学校で習った数学は今でも好きだけど、高校で習ったのは、ほんと、よくわからなかった思い出しかなくて・・・・

 そんなことを思っていたら、土曜日にNHKをつけっぱなしにしていたら「SONGS」が井上陽水で、カヴァー曲を次々と歌っていた。
 そしたら「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌っていたので「これは中学校の時の合唱曲だったな」と思い出して、アルトのパートを口ずさんだが、全く音程が外れていた。

 数学と同じくらい音楽もダメだった・・・・・

 楽譜観て、周りの同じパートの生徒の音聴いて歌っていた時は、そんなに酷くなかったと思うが、「学校で習ったハモりのパートを全く再現できない」というのと「三角関数?なにそれ?」っていうのは同じような話だろう。

 下手だったけど、合唱は好きだった。ハモる喜びを教えてもらった。
 歌の上手い隣にいた子に「ミヤノちゃんが隣にいると音程見失う」と言われてヘコんだこともあったけど(彼女は親友だったので本当のことを言ってくれたのだ)、それでもちゃんと声出して歌っていた。

 物理の授業で、「振り子の数式」を学んだが、さっぱりわけわからなかったけど、「物体の動きはこうやって計算できるらしい」ってことはわかった。
 だからって、この間の「宇宙ステーションにこうのとりをドッキング」っていうのが、どのくらい複雑な計算しているのかわからないけど、野球の変化球だってまさにそういう物理学の世界なのに、投手は複雑な計算しているわけでもなく、体の感覚でやっているだけで。

 結局「歌上手いといいなあ」っていうのと「数学できるといいなあ」っていうのは同じだし、そういや体育の授業でもハードル飛んでみたり、走り高跳びをちょびっとやってみたけど(ベリーロールですわよ)、自分でやってみて「うわ、難しいじゃん」って体験したことで、「走り高跳びで自分の身長より高く跳ぶって?」ことの凄さがわかるので、いい授業だったと思う。

 そう思いだしてみると、学校ではほんと、いろんな経験させてもらえたんだな。
 誰かが呟いていたが「自転車のパンクを自分で修理できるようにした方がいい。それを習得したら、自転車屋に払う数百円が惜しくなくなる」と言うのは、ほんとその通りで、中学校の家庭科の実習でパジャマを縫ったのだが、採寸して型紙作って裁断して縫って・・・という過程で三ヶ月くらい要したのだが、「パジャマなんて買えば、2000円くらいじゃん」と中学生心にも思ったが、自分で実際に手間暇かけてみないと、他人の労働の対価がよくわからないのかもしれない。

 夏休みはもう終わりだから、時事問題を詰め込んでみよう。

 今日になって昼間にネットニュースを観ていたら「ああ、昨日が国会前デモの決起集会だったのか」と気がついた。

 でも、朝日新聞のヘリが撮った写真がなんだか変だ。
 http://www.asahi.com/articles/ASH8Z6HH6H8ZUTIL01W.html

 なんでこの角度なの?つーか、びっしり人が詰まっているのはほんの前の方だけで、フジロック的には「そこそこ」って感じだな?
 銀座でオリンピックのパレードがあった時には、鳥肌が立つくらい人が集まっていたけど、そういう感じじゃないみたい。

 他の画像や映像も探してみたが、せいぜい5万人程度だろう。主催者発表なのかわからんが、報道では「12万人」になってるけど、こういうチケット販売してないイベントだと実数を誰がどうカウントしているのか曖昧だし。

 あー、昨日、天気悪かったので、ずっと部屋でゴロゴロしていたので、知ってたら永田町近辺をお散歩したのになあ。ああいうのって、やっぱ現場観ないとわからないし。

 フジロックで、メーンステージであるグリーンステージが「満席状態」になった時の「すげえ」って感じはよく知っているし、さっきも言ったが「あの五輪パレードの銀座」とか「コミケの時のお台場」などの、「ほんとに凄い群集」の時には、カメラは「どこにカメラ向けてもいい絵になる」と、その全体像をどこで表現するかを悩むけど、昨日の「国会議事堂で12万人」の絵には、そこまでのパワー感じなかった。

 まあ、天気悪かったしね。(良すぎてもダメだっただろうけど)

 で、この騒動は、「三角関数」」よりも一般関心度がたぶん低くて、今日の会社の雑談でわかったのが、一番話題に登ったニュースは「にしこり君、USオープン頑張って」だったのだ。

 しかも、そんなん軽々しく言うのは、テニスに興味なかった人ばかりで「四大大会以外にもいっぱいやってるんだね」とか言うので、テニス好きの私と同僚M嬢は白目剥いてしまいますが、私とM嬢が共通して言うのは「20年前くらいには、日本人の男子が四大大会で優勝候補なんて、考えもしなかった!!!」

 今の時点で「日本人が100メートルで世界記録出すなんて想像もしなかった」っていうのと同じくらいの事なのです。
 ずっとテニスファンだった人は「え?このレベルに日本人が?」って戸惑っているのですが、「にわか」が「にしこり君 ちゃちゃちゃ」状態になってることに、さらに戸惑っています。

 テニス・ファンはずっとずっとずっと日の丸とは無縁の世界で楽しんでいたのに・・・

 つーか、そういうナショナリズムとは遠いところにあることを愛していたのに。
 テニスの凄い選手は、その選手が凄いだけで、国籍とか全然気にしてなかたのに。

 にしこり君の活躍は嬉しいですが、「日本人すごいね」な雰囲気は嫌だなあ、って思う自分の方が変なのか、よくわかりません。


8月26日(水)

●「今どきの若者は」の構造

 また部長のストレスが溜まったらしく、どういう話しの流れだか「昔、オレの弟はかなりの武闘派だった」という昔話しを始めた。
 それは初めて聞くエピソードだったので、「へー、そりゃ相当なもんですね」とノリノリで拝聴していた。

 エピソード その1
 弟が中学校3年の時に、教師と殴り合いのケンカして、弟が脳震盪起こして救急車で病院に運ばれた。相手の教師は格闘技系競技の心得のある体育教師だったので、普段は息子のヤンチャに慣れている呑気者の母親も「さすがに、これは酷い」と教師や学校側を問い詰める気で病院に向かったが、なんと、相手の教師も病院に搬送されていて、「先生と話しがしたい」と言ったら「集中治療室にいるので面会できません」って言われたので、「検査したけど異常ありませんでした」とピンピンしている弟を慌てて連れて帰った。

 教師もその後、意識が戻って無事回復したそうです。

 エピソード その2
 やはり弟が中学3年の時に、夜に駅前繁華街を男女の友人達とつるんでいたら、通りがかった酔っぱらいの大学生が、グループの女子中学生に「一緒に飲みにいこーよー」と居酒屋に拉致しようとした。
 大学生が本気でやったわけではなく、酒の勢いで、そんな時間(大学生が酔っ払って2次会に行く頃なんだから、9時くらいだろう)にたむろしている中学生グループをからかったつもりだったのだと思う。
 しかし、弟君はマジムカついたらしく、その居酒屋に乗り込んで、そこそこスポーツに力入れている大学の体育会系の学生をボコボコにしたらしく、居酒屋が警察呼んだので、あっという間に補導された。
 ボコボコにされた学生側も「中学生にやられて恥ずかしい」ということと、「女の子にちょっかい出したのが原因」ってことがあったので、不起訴?みたいなことで収まったらしい。

 で、そういう話しの続きで、「そういうカっとなると止まらない若者って今も昔もいますよね」っていう流れになり、「でも、今の方があまりガチで喧嘩してこなかった若者が多いから、喧嘩が下手なので、うっかりやりすぎちゃうっていう説もあるけど」って私が言ったら、部長は「今の子は、変に平等みたいなのが当たり前で育っているので、それがいけないんだ!」って言うので「え?どういう意味?」と思ったら・・・

 「オレはそういうの冷静だったから、絶対にヤバい奴は上手くスルーした」

 どうしてそうなるの?
 あ、でも前も例の「川崎で中一男子が不良グループに殺害された」って事件でも、「昔の不良はあんなことしなかった!」って言っていたけど、そりゃ、今だろうが昔だろうが、若者同士でボコボコにする事件はいっぱいあるんだろうけど、殺人事件にまで発展するケースは稀だってだけでしょう。

 で、部長がそういう「昔はそうじゃなかった」っていう根拠って「自分はそうじゃなかった」みたいなんだよな。

 「オレが若い頃はそんなんじゃなかったのに、今どきの若者は」って感じだが、あーた、さっきまで「今だったら新聞沙汰でしたね」ってくらいの「ヤバかった頃の弟エピソード」を披露してたじゃないですか。

 部長は川崎育ちだから、中学高校時代のエピソードを聞くと、ほんと凄いんですよ。
 学校でちょっとグレて、高校中退なんかすると、暴走族→暴力団なバージンロード的な。
 新興ベッドタウン育ちの私としては「そんな、テレビドラマみたいな世界ってほんとにあったんだ」と驚きます。

 でも、今日の会話でふと気がついたんだけど、部長の世界観って、友人M嬢(マー君オタク。40代で妄想が発症。現在音信無し)と似てるなあ。
 友人Mは「イマドキは子供のしつけがなってない」と言うことでよく怒っていたけど、私が「えー、私もそのくらいやってたなあ」と「今も昔もそんなに子供はちゃんとしつけられてない」というようなことを言うと「私はそうじゃなかった!」ってムキになって反論してきたので、「ん?結局、今と昔の比較じゃなくて、自分が基準なの?」って戸惑った。

 友人Mとの会話の中で、小町的に「他人の家の敷地に入る子供はけしからん」っていう話しになった時、私は「缶けりの時とか、他人の家の庭にもよく侵入した」と言ったら、「そんな子はうちの近所にはいなかった」とM嬢が主張するので、「そっか、私の地域の子供ってしつけがなってなかったのか」と小さく反省したのだが、そしたらM嬢が「全くいないというわけでもなかった」と言い出した。

 M嬢の家の塀の上を歩く悪ガキがいたらしい。
 M嬢の家の家長である祖母が、その悪ガキをよく注意していたのだが、ある時、その悪ガキが塀から落ちて怪我をしたので、そこのバカ親が「お宅の敷地で遊んでいたら怪我をした」と怒鳴りこんできたらしく、祖母は毅然として「他人の敷地で遊んでる方が悪い。それに何度も危ないと注意した」と反論したのでバカ親は引き下がったらし。

 ・・・それ、ものすごーく小町に典型的なDQNなエピソードじゃないですか・・・

 うちの近所にはそんなバカ親はいませんでした。

 それ以外にも、M嬢はいつも「今の子供はしつけがなってない。ちゃんとしつけない親が多い」という具体例を上げるも、私が「うーん、私の近所だとそのくらいは許容範囲だったなあ」と思い出し、M嬢が「私はそうじゃなかった!」と言うから「へー、すごくいい地域だったんだね」と持ち上げると「いや、酷いのはいっぱいいた」と言うループはよくありました。

 そっか、書いてて気がついたけど、ど田舎の旧家に育ち厳しくしつけられたが、近隣に漁港があったため、昭和40年代の漁師さん達は、今よりも相当荒っぽかっただろうから、そういう環境で育ったM嬢と、昭和末期の川崎で底辺と新興セレブが入り交じる(住宅地としての立地は田園調布から多摩川越えたらっていう好立地だったわけで)環境で育った部長は「育ち」が似ているのかもね。

 で、「ご近所のほとんどが善良なサラリーマン」っていうかなり均一な地域で育ってしまった私は、そういう「そこそこ歴史のある地域」で育った人の話が面白くてしょーがないから、興味津々で聞いてしまうので、いっぱい話してくれるのだろう。


8月25日(火)

 パパンは月曜日に「水曜日に退院してください」と告知されたそうです。

 ママンは「まだ熱もあるし、心配だからもう少し入院していてほしいのに」と私にボヤきメール送ってきたので「点滴もしてなくて普通に食事とれる患者なんて、すでに患者とは呼べないし、とっととベッドを空けないと緊急で入院したい人に迷惑になるし、それに、ほぼ最短で退院できるなんて、順調ですっていう話なので良かったじゃん」と説いた。まあ、ママンもわかってる感じだったけど。

 ところで、寝屋川の中一男女殺害事件は、容疑者は黙秘しているようだが、防犯カメラなどの情報から足取りがだんだん明らかになってきたけど、「子供のくせに外で夜明かししていたから、巻き込まれるべくして起こった事件」という当初の印象から、「外うろうろしている子供にも、その保護者にも問題があったかもしれないが、それよりも、それでも明け方5時までは大丈夫だったのに、あともう少しで駅周辺に通勤する人が通る時間だったのに、その一瞬の隙が魔の時間になってしまったのだなあ」と思った。

 殺害された中学生達が、どのくらい頻繁に夜中うろうろしていたのか知らないけど、容疑者がお盆休みでその周辺にいた期間はとても短かったので、ほんと、些細な偶然が最悪の結果を生んだような感じがする。(捜査にひっかからないようにすぐに大阪を離れたのかもしれないけど)

 ふと思い出したが、真冬に天文部で天体観測していた時、一番寒さを感じるのが「日が上がった直後」だったっけ。
 明け方は当然すごく冷え込むのだが、それは午前1時も午前4時も変わらなくて、でも、辺りが明るくなってくると、「あ、やっと気温が上がる」って期待してしまうせいなのか、それとも気温が実際そうなのか測ったことないけど、真っ暗の時よりも少し日が登った時の方が冷気がキツイと思ったことが何度もあった。

 寝屋川の子達も、終電が終わって始発が動くまで、「夜中に外にいる」という緊張感を保ってきたのだろうけど、夜が明けて、そろそろ始発電車に乗る人達が駅に集まってくる時間になったら警戒心が下がってしまったんだろうなあ。

 あと、男子がいたということも、「男子と二人だったら大丈夫」って思っただろうなあ。

 あの容疑者の容疑が確定したわけでもないけど、彼が10年前くらいに起こした事件っていうのが「高校生を二人拉致」だったらしく、それも普通だったら考えられないような話しだ。男子高校生一人でも拉致するの難しいじゃない?

 その時の高校生だって、「一人だったらちょっと不安だけど、友達と二人だったら」って思って、道案内を頼まれた車に乗り込んでしまったんだろう。30代男性一人に高校生男子二人だったら、まず不安は感じないだろう。

 その時、被害に遭った男子達の友人がテレビ取材に応じてたけど、前の座席倒して、後部座席の二人を動けなくするって、ほんとに可能なんだろうか?
 車に詳しくないからわからないけど、でも、4ドアじゃなくて2ドアだったら、後部座席から逃れる手段が限られるので刃物で脅せばできるのかもしれなけど、たぶん、容疑者は力学的なことよりも、心理学的な力を発揮する才能があったのかも。

 シロート心に想像しても「片方が逃げたら、もう片方殺すぞ」ってだけでも、両すくみになりそうだし。

 それにしても、今回の事件でテレビの中の人でも「防犯カメラって犯罪抑止力にならない?」って言っていた人がいたけど、前からその指摘はあったが、今回の事件はほんと「防犯カメラの凄さと無意味さ」がはっきり出て事件だったように思う。

 って、会社でリサーチのためにそう呟いたら「防犯カメラ役に立ってるじゃん」って言われたんだけど、容疑者が逮捕されても、殺された子供は生き返らないわけだし。
 超前向きに考えると、防犯カメラがなければ逮捕されなかった犯人が、また数年後に同じような事件を起こしたとしたら、その再犯は阻止できたという意味はあるかもしれなけどさ。

 とあるニュースショーで「防犯カメラをネットワークでリアルタイム化すれば」って話しが出ていたが、犯罪を阻止するために、無数にある防犯カメラ映像を誰がチェックするの?

 新宿の歌舞伎町とか渋谷のセンター街では、そういうことやってるのかもしれないけど、寝屋川駅周辺みたいなところは全国にいっぱいあるわけで、それ全部監視できるわけがないし。

 そっか、車載カメラの事故映像っていうのが一般化しているけど、今後、子供に車載カメラみたいなの取り付けることになったりするのかな?
 車載カメラが捉えた事故映像は「うっわー」って凄いのも多いけど、自動車事故って、誰だって好きでやってるわけでもなくて、「あー、車が交差点でスピンしたところにバイクが突っ込んできて、あー」っていう感じだが、「児童車載カメラ」が普及すると、犯人が言葉巧みに児童を誘い出し、児童車載カメラの電源をオフにするという、いやーな感じの映像が・・・

 つーか、サイバーパンク的に人体に防犯カメラ埋め込まれるようになったら、まずそこ狙うよね。水晶体だか視床だか。

8月22日(土)

●パパンの手術

 経緯のおさらい。
 春頃でしたっけ?うちのパパンはサークルの飲み会で泥酔してしまい、救急車で搬送されるという失態をやらかしましたが、その対応してくれた救急医(ほんと、ただの泥酔だったのに、ご迷惑おかけしてスイマセンでした)が「首に腫れがあるので甲状腺の専門医に行ったほうがいい」と指摘してくれたので、専門医に行ったところ「腫瘍があるので手術が必要」ということになった。

 で、そこの専門病院では「12月に手術予定」とされたのだが、それを知らされた私は「ああ、緊急要するような病状じゃないってことだな」と安心したのだが、両親としては「そんな先だと気持が落ち着かない」と思っていたようで、そしたら、その専門病院に非常勤で来ている医者が「ボクが行ってる他の病院だったらもっと早く手術できますよ」と紹介してくれたので、8月中にその総合病院で手術を受けることになった。

 で、手術は金曜日だったのだが、私も立ち会おうかなあって思って、別に立ち会いは不要なのだが、手術待ってる間のママンの話し相手してやろうかなって思って、少し前に電話したら「Y子(妹)が、もう仕事の休みとって、立ち会うって」と言うので、だったら別に難しい手術でもなさそうなので、大勢待機してても大げさだと思って「じゃあ、術後に見舞いに行くよ」と言っておいた。

 ところが、「さすが子供!」と思ったが、息子を保育園に入れてパート仕事している妹であるが、事前に休みとったことを子供の超能力で察したらしく「今日はママが休みとってなんか大事な用事があるみたい。じゃあ、ボクは熱出しちゃおうかな」と見事に発熱して、せっかくの妹の「子供は保育園だし、仕事は真っ当な理由で休めたし、父親の手術の立会で白い巨塔ごっこ」という計画をあっさり潰した。

 金曜日、手術の予定時間は午後1時だったけど「前の手術が長引く場合もあるから、あくまでも予定」だったらしいが、3時にメールが入って「手術終わって戻ってきた。もう意識がある」って書いてあったので「ずいぶん早いんだなあ」と思っていたら、なんと手術開始が12時に前倒しになっていたそうだ。

 さて、翌日の土曜日に見舞いに行こうと前日夜に母に電話したら「面会時間は12時からだから私はそのくらいに行くので、現地集合」と病室の番号などをメモって、今日は朝ドラ観てからもテレビを観てのんびりしていたのだが、9時にママンから電話があり「私、今起きたとこー」

 寝坊の理由。(聞いてないのにダーダー話し出した)
 「手術前にお父さんがずっと新聞のパズル(数独?名称わからないが、マス目に数字埋めてくやつ)をやっていたから、昨日、また次の新聞のやつを書き写してあげようとしてたんだけど、お父さんがやらない簡単そうなやつをやってみたら、ハマっちゃって夜中の2時までやってたの。だから、昨日、あんたから例の犯人捕まった(寝屋川の中学生殺人事件)って聞いたからニュース観なくちゃって思っていたのに全然テレビも観てない」

 (ゲームに夢中で夜更かしする夏休み中の中学生か?????)←心の中でツッコミ

 そして、これから洗濯などをして病院に向かっても、12時には間に合わないので、私のほうが先に着いてしまうかもしれない、と言われたが、私も別に12時に行くつもりじゃなくて「1時くらいに行けばいいか」くらいに思っていたし、ママンも「私も遅れるから、あんたも遅めでいいわよー」と言うのだが、「そうだ、お父さんに日経新聞買っていってあげて」と言われたので「だったら、あんま遅くに行くのもアレだな」って思っていた。

 じゃあ、当初の予定だと11時くらいに家出て、途中で軽くサンドイッチでも食べて、病院へ迎えば1時前には着くだろう、と思っていたのだが、10時半くらいに出ればいいかなあ・・・などと考えながらシャワー浴びて出てきたら、またママンから電話があり「今、お父さんから電話があったのー」

 えらいかすれ声だったらしいが、病室は電話禁止なので、もう歩ける状態らしい。それで「お父さんが日経新聞買ってきてって」と言うので、(それさっきも言われたし、もしうっかり忘れても、総合病院なんだから売店くらいありそうだし、なかったらすぐ近所にコンビニがあるでしょーよ)と思ったが、「はいはい、日経新聞ですね」と言っておいた。

 二度も「日経新聞買ってこい」と指令を受けたので、なんだか急かされてる気分になってしまい、「ええい、早めに家出て、ゆっくり朝ごはん食べよう」と支度が出来たらすぐに家を出たが、なんだか電車の乗り継ぎも良く、10時半には病院の最寄り駅に着いてしまった。
 コーヒー屋でサンドイッチを食べてもまだ11時。

 しょーがないから、12時すぎまで付近をたっぷり散歩した。暑かったけど、万歩計貯金が2万切っていたので(2日分)、少し貯金を増やさないと。

 12時15分くらいにやっと病院に入って、病室に入ると父はベッドのへりに座ってテレビ観ていた。
 「はい、新聞」と渡したら、「ああ、買ってきてくれたのか」っていう声が見事にしゃがれていたので「なんで声がしゃがれるの?」と素朴な疑問。

 だって甲状腺って喉に張り付いてるのかもしれないけど、別に声帯に影響ないでしょ?外から手術してるんだろうし。
 そしたら、どうやら胃の内容物が逆流というか嘔吐したら手術に影響があるので、太いチューブを差し込むのでそれが喉を擦ってしまうらしい。へー、なるほどー。

 ところで「いかん、早く着きすぎた。あまり母より前に来ても、パパンと二人っきりじゃ会話が続かない」と思っていたし、父は声も枯れているから喋るのが大変なのだが、なんかいつもより早口で、手術の話とか、点滴の話とか、これから昼食なんだけどまだお粥らしいとか、喋りまくるので「ん?なんだかテンション高いなあ、やっぱ手術が無事に終わるか、それなりに不安だったのかなあ?」って思っていた。

 そしたら、12時半に昼食が来て、パパンが「このテーブル、こっちに向けたい」と言うので、私があれこれ動かしていたら、ママン登場。

 そしたらパパンが「食べてる間に携帯のメールに返信してくれ」とママンにお願いしている。パパンはパソコンのメールは打てるが、携帯メールは普段は使用してないので、うまくできなかったらしい。
 サークルの仲間が入院中だからって携帯メールで「お見舞いに行きたい」とかメールしてくるらしいが「お見舞い無用」って返事したいらしい。

 ママンに「あんた、やってあげれば?」って言われたが、「私、ガラケー使ったことないんだもん」と拒否。私がスマホを導入した大きな理由は「ローマ字でキーボードっぽい入力ができる」ことなんだもん。あの「あ行、か行、さ行」のやつ苦手。

 で、しばらく老夫婦であーでもない、こーでもない言い合ってるので「お父さん、先にご飯食べたら?」って堪りかねて言ってしまいました。

 それにしても、まだ患部は麻酔が聞いているのか痛みは無いようだし、手術の翌日の昼から食事がとれるので、点滴ももうすぐ外れるようだし、他の手術に比べたら、ずいぶんラクそうな手術なんですね。
 特に具合も悪くないから、本人は暇を持て余しているらしく、ワシャワシャ喋りまくるので、ママンに「お父さん、声がそんなんなんだから少し黙ってなさい」と言われて「じゃあ、持ってきてくれたパズルやる」と黙ってパズルやりはじめたが、私とママンがヒソヒソと喋っていると(個室じゃないから)こっちの会話にすぐ入ってくるから、「静かに休んでないと予後が良くないわよ!」と叱られていた。

 ほんと、いつもは私とママンの雑談など聞き流しているというか耳に入ってない感じなのに、なんだったんだろう?あれでも麻酔で少しラリってたのかね?でも、普段は酒飲むと余計に喋らなくなるタイプなんだが。

 そういや、「新聞の数字パズルを書き写す」って意味がよくわからなかったんだが、あの数字パズルって書いちゃ消しするから、新聞紙に直接記入するとすぐに紙が傷むので、消しゴムに強そうなチラシの裏に定規でマス目書いて、問題を転記してることがわかった。

 病室にお見舞いに行くことが久々だったが、看護師さんが点滴を替える時には、パパンの腕に巻いてあるバーコードにピってやってから点滴にピっとやっていて、医療ミス防止もあるだろうし、それが電子カルテにも連動してるんだろうけど、めったにこういう病院に来ないから、来るたびにいろいろ進化してて驚きます。

 20年後くらいに私が入院した時には看護師じゃなくてロボットが点滴交換しに来てくれたりして。

 あと、大部屋に空きが無かったので、二人部屋の「差額ベッド」になってしまったらしく、ママンはそれが不満なので、今日も検温の看護師さんが来た時に席を外したのだが、その時、他の大部屋をチェックして「今なら空いてるじゃない!じゃあ、こっちに移動させてもらおう」と言ってました。

 3時ごろ病室出て、外でママンとコーヒー飲んでから解散。

 ママンが寂しそうだったら泊まりに行こうかと、宿泊できる準備はしていたんだが、「あんた帰るの?それともうちに泊まって行く?」と言われたが、なんだかママンもテンションあがってて忙しなさそうだったので、「いや、今日は帰るよ」と行っら、「そお?いや、私もお父さんいない隙にあちこち片付けようと思ってたんだけど、なんだかんだでなーんにも出来てないどころか、逆に散らかってるのよ」と言うので「そーゆーもんだよね」と言っておきました。

 つーか「お父さんいない隙に」って、パパンは家にいるときには居間のテーブルでじっと新聞読んでるかパズルやってるだけで、全然手がかからないんですけどね。食事に文句言うわけでもないし。

 というわけで、老親たちは変なテンションにになってましたが、手術は順当に行ったようだし(甲状腺は全摘じゃなくて半摘にしたらしい)、父は元気そうだったし、予定通り来週中には退院できるんじゃないでしょうか?


8月21日(金)

 この間「会社休むのに理由なんてどうでもいいじゃん」って書いたが、ちょうど、今日の昼休みにヤフーでそういう話題が取り上げられていた。
 有給休暇に「マナー」は必要? 識者の指摘に「だから取得率が上がらない」とネット疑問視
 ほんと、くだらないマナーを流布しないでほしい。
 うちの会社ではこういう風潮無いからいいんだけど。でも、うちの会社の場合は定休日が無いため、平日に定休をとる人が多いので、有給取りやすいだけなんだけどね。

 それでふと考えたのだが、よく日記にも書いているけど、私が20代前半の頃と、それから四半世紀経過した今では一般常識にもけっこう変化がある。
 よく言ってるのが、結婚式の服装。
 25年くらい前は、「新婦の友人はなるべく華やかな服装をすべし」っていうのが常識というかマナーとされていた。そして、20代女性の最上級の正装とは振り袖だったので、「成人式用に少々お高い振り袖を買っても、その後の友人の結婚式で着られるからお得」と言われていた。

 私は成人式でも着物着なかったし(そもそも成人式をサボった)、友人の結婚式にも振り袖を着たことが無いが、ちゃんと振り袖着てきた友人もけっこう多かった。振袖着て披露宴に出席するためには着付け料などもかかるので、新婦の親から「式を華やかにしてくれてありがとう」と1万円くらい包んだのを渡された、という話も聞いたことがある。

 あと、逆に葬式の話であるが、25年くらい前は「通夜に喪服着ていくのは失礼」と言われていた。なんか準備万端な感じがいけないらしい。
 なので、当時のサラリーマンは通夜に行く時には普通にグレーや紺のスーツにネクタイだけ黒にして出席してました。

 同じ理由で「香典袋に新札は入れてはいけない」っていうのは、今でも常識なんでしょうか?最近、あんまり聞かなくなったけど。
 それに関しては、私はずっと「どっちでもいい、てゆーか、香典って受付で開封されちゃうから、その心遣いは遺族には届かない。一番困るのがお金が入ってないことだから、絶対に入れ忘れるな」と言ってますが、お札入れ忘れってけっこうあるんですよ。
 個人だったら「うっかりさん」って思うけど、それが法人だと「香典持ってきた代理の社員が抜いたんじゃないか?」って疑惑もあるので、いろいろ気持悪い。

 そうそう、香典マナーといえば、もう10年以上前だったけど、その時経理にいた若い女性がビジネスマナー研修に行ってきたら、上司に「香典は新札だめだって教わったけど、それってマナー違反だったんですよ!」と報告していた。
 どうやら、そのマナー講座では「香典にも新札を入れるのがマナー。でも、完全に新札だとダメなので、お札の端をちょっとだけ折るのが正しい」って教えたらしいのです。

 そんな馬鹿げたマナーを堂々と教えるほうもアホですが、真に受ける方も・・・・って悲しい気持になりましたが、私がいくら「香典の中身なんてねー」って説明しても、香典集計やった事ない人には想像つかなかったらしく、全然無視されましたが、その後、この会社でも総務部が香典担当やる機会が何度かあって、それで皆「新札だろうが旧札だろうが・・・」って理解してくれたらしい。

 さらにああいう金封って「金弐拾萬円也」とか書くのがマナーと思ってる人もいるけど、結婚式ならともかく、葬式だったら他人が事務的にやってるんだから、下っ端事務員にも読みやすいように普通の数字で書いてほしい。あと、住所も漢数字やめて。

 いや、普段から毛筆に慣れていて、自然とそうしてしまう人はいいんだけど、「あれ?5千円ってこういう時どう書くんだっけ?」って人には「5,000円って書いてください。お願いします」と指導しています。(伍阡圓とか無理して書かれるほうが読み難いんだよ)

 そして、なんとも理解しがたいのが「筆ペンの薄墨」である。
 私も前の職場で散々香典集計係をやったから、「薄墨で名前を書いてくる人がいるんだな」ってことは知っていたが、そういう人はちゃんと毛筆で薄墨具合も絶妙に調節していた。
 なるほど、日本らしい弔慰の表現だと思った。
 喪服や新札と同じ発想で「急なことで取り急ぎ用意したので、ちゃんと墨をすれませんでした」って意味と淡い墨の色が悲しみを表現してるらしい。

 でも、今の会社では「薄墨筆ペン」があって、「こういうのあるんだ?」と驚いたが、しばらくそれで会社の不祝儀袋も用意していたが、なんか文字が貧相になってしまうし、会社として出すのなら、薄墨使ってるほうがマナー違反なのではないだろうか?

 それでネットで検索してみたら、やはり「香典は薄墨という決まりではなく『本来は薄墨はダメなのだが、急な訃報で慌てていたからということで、薄墨でも失礼にならない』というのが本来の意味」となっていた。
 まあ、地方によっては「薄墨の方が主流」という所もあるらしいが、どっちにしろ、ちゃんと墨すってっていう話であって、筆ペンでわざと薄くするのってなんだかダサい。

 そもそも筆ペンで書く必要も全くないのである。

 「急なことで慌てて用意しました」という趣旨を演出するのなら、手持ちのボールペンやサインペンでもいいだろう。愛用の万年筆だったらカッコいいけど、っていう程度。

 前に葬式の受付をしていたら、故人の大学生の息子さんの友人が数名遅い時間にやってきて、受付で香典の用意を始めた。
 コンビニで買ってきた香典袋と筆ペンを広げて「ど、どーやって連名で名前書けばいいの?」ってワーワーやっていたのだが、すでにお経あげてる御尊師の退場時間が迫っていて、受付してたスタッフも順番に焼香済ませた後だったので、「ええい、おまえら、香典はいいから先に焼香してこい!」と送り出してから、後でゆっくりと「香典袋に無理して筆ペンで書こうとするな。このサインペンで書け」と指導して「え?それでいいんすか?」とか言われたけど、20歳くらいの男子が慣れない筆ペンで書いた住所氏名など解読する時間が無駄なので、いいからちゃんとはっきり書いて、お清めの席で、若くして父親を亡くした友達を励ましてやれって。あんたらが体に合わない父親から借りてきたような喪服着て駆けつけて着た様子に、すでにオバちゃん涙ぐんでるんだからさ。

 というわけで、香典集計係を多数やってきた経験から言わせてもらうと、一番大事なのは住所や氏名をはっきりと書くことと、ご遺族に面識が無い場合は、例えば「◯◯大学 同級生」とか、故人との縁をできるだけ具体的に書いてもらったほうが、香典袋のランクや毛筆書きだの薄墨だのってことよりも、よほどご遺族にメリットがあるので(こちらから招待する結婚式と違い、葬式は誰が来るのかわからないので、どういう繋がりの方が弔問に来てくれたのかっていう情報はご遺族にとってとても重要なことだ)そっち重視してほしいな。

 もちろん、そういう経験している人は多いので、香典袋開けてても、きちんと故人との関係を書いてくれる人がほとんどだが、大きい葬儀だと、いつも数名「これって誰?」って人が出てくるので、もっと普及してほしい「マナー」である。


8月20日(木)

 甲子園の決勝は、東海大相模が優勝しちゃいました。

 もし仙台育英が勝てば「甲子園の歴史100年で、初めて優勝旗が東北に渡りました!」ってことになったのだが。
 でも、テレビ観てなかったけど、パソコンで経過を追っていたが、「エース小笠原がホームラン」で大爆笑しちゃいました。すげーよね、結局、決勝打になったわけだし。

 眠気覚ましに毎日のように夕方になるとマスオさんをイジりに来る社員が、昼食をとっていた店でもテレビで高校野球中継を流していたらしいが、彼の隣の席に座っていた母娘がにわかファンだったらしく、「わー、今のゴールインしたの?」とはしゃいていたそうだ。

 「サッカーのゴールと混同してるんでしょうね」
 「ってゆーか、結婚してどうする?www」

 でも、野球ファンとしては、ホームインとゴールインを間違えるような人が注目してくれていたことが単純に嬉しいのであった。
 ハンカチ王子フィーバーの時だって、六大学の神宮球場に野球に興味の無かったおばちゃん達が詰めかけたが、おかげで、朝のニュースショーで毎日、日ハムのキャンプ地が生中継されてて、私は「わー、武田勝がさりげないふりをしながらちゃっかり祐ちゃんの前を歩いて見切れてる」などと、その生中継をとても楽しみにしてました。

 オコエ君は日ハムがとらないかなあ。
 新庄→ひちょり→糸井→陽の系譜にピッタリでしょう。宇宙人→韓国人→宇宙人→台湾人(原住民の少数民族)→アフリカ系という美しい流れになるし、日ハムはダルで味しめて、インド人ハーフのダースも獲得したけど、ダースはモノにならなかったが、あれで「ハーフ収集する日ハム」のイメージが強くなったし。

 この、にわか主婦層までも取り込む、ハンカチ以降久々のワイドショー的な盛り上がりの中で、高校生の国際試合が日本で開催されるという美味しい展開だ。
 ハンカチとマー君の時は、アメリカで試合していたので、日本では大々的に報道されなかったが、あの高校生日本代表が結成されて、その時の監督が「急造チームなので、早く馴染めるようにお互いをニックネームで呼び合おう」というルールを作ったことで「マー君」という呼称ができたらしい。

 今日の決勝の後、その代表が発表されたが、清宮もオコエも入っているので、東京で開催されたなら、私も観戦したいところだが、大阪開催なので残念。
 少し前に、大学生日本代表の国際試合の壮行試合として「プロの二軍選手と大学代表」の試合があって、神宮に観戦に行ったが、満員に近い状態になっていて盛り上がったけど、その時にも「次回は、甲子園で大学代表と高校代表の試合」って告知されてて、周囲の客は「えー、そっちも面白そう。でも、甲子園かあ」って言ってたけど、清宮フィーバーのおかげで、その試合の注目度も急上昇ですね。

 で、高校代表がワイドショーレベルで注目されてるとなると、対する大学代表も「スカウトも報道陣もいっぱいキターーーーー!!!」って絶対張り切るので、ほんと面白そうです。

 それに、U18の試合会場が「舞洲ベースボールスタジアム」になっていたので「どこじゃそりゃ?」と思って調べたら、USJよりさらに先の埋立地でしたが、すげえな関西、さすが野球王国、そんな所にも天然芝球場作っちゃったんだ!

 「ほんまもんには金かける」っていう関西人魂を感じます。(この関西弁が正しいのかは自信ないけど)

 話は野球から離れますが、ここ数日のニュースショーのトップは「中1女子の惨殺死体が」ってやつですが、関東でも川崎での中1少年殺害事件が大きな話題になったのはつい最近なので、「またか」って気持になりますが、数日前のニュースで「40代女性経営者が、20代の従業員男性を暴行して死なせた」っていうのがありました。

 どうやら激しく蹴り入れたら死んじゃったようで、「そんなの、かなり無理そうなんだけど、女性の方がよほど武道の心得があったの?」って戸惑った、40代女性会社員のワタクシでした。

 そりゃ、20代の男子が私にビビっているのはよく感じますが、「お前、その態度はなんだ!」って手を出したら絶対こっちが負けますって。

 しかも、その事件があったのは午前4時くらいで「なんで女性上司と部下がその時間、一緒に車に乗ってるの?」って思ったので「よくわからないけど、男女関係のもつれなのか?」と思ったのだが・・・・

 別のニュースソース見たら、「女性は魚卸会社の経営者」になっており、「あー、だったら午前4時って普通に働いてる時間だ」となったし、「女性経営者」ってなってるけど、漁港周辺で働いている相当な肝っ玉かあさん系で、腕っ節も強かったのだろう。

 「午前4時に、40代女性経営者が、20代男性従業員を暴行死」って言われても、さっぱりどんな現場か想像できなかったが、漁業関係だと知ったら、全然イメージが違ってくる。
 漁業関係者を下に見ているわけでもなく、ただ「女性経営者」っていうのがスーツ着てハイヒール履いてるイメージではなく、漁港の魚市場で男性に混じってセリして魚運んでっていうイメージに置き換わるから、何が言いたいかというと、「ちょっとした設定の追加で、物事の印象が全然変わるんだなあ」ってことです。


8月19日(水)

 清宮君の早実も、オコエ君の関東一も大量失点で負けちゃいましたねえ。

 久々に高校野球に注目しているが、やっぱ、エース二枚いるチームが終盤になると強いよなあ。一枚看板だと、もう疲弊しちゃって、並のエースだとボコられちゃうようです。

●夏の珍事

 エビワカちゃんが暇だったので、溜まった納品書などを整理してくれていたのだが(どうでもいい書類ばかりだから、ファイルするばかりで処分してなかったので、酷いのだと10年分溜まっていた。文房具の発注書とか、宅配便の送付控えとか、エレベータの定期保守書類とか)、ずっとシュレッダーかけていたので、シュレッダーが詰まってしまった。

 それを治すのも騒ぎだったのだが、荒療治で治したので、電源オフにするだけでは心配だったのでコンセント抜いてやっていたらしいのだが、治ったようなのでコンセントを挿そうとしたら「ギャーーーーー!」と凄い悲鳴が・・・・

 「ゴキの死体が!!!!」と、どうやら電源タップが潜り込んでいたカーペットの継ぎ目の下にゴキの死体があったらしいので、「じゃ、私の出番だ」とティッシュ片手に颯爽と登場したら、修理を手伝ってくれていたシステム部社員氏が「え?ミヤノさん、そういうの平気なの??」って驚いていた。

 「うん、全然平気」
 「えー、じゃあパソコンの移動とかで、こういうことあったら呼ぶよ?」
 「いいよ、呼んでwww」

 と、得意満面でカーペットをめくると、「え?セミ?????」

 そこにあったのは、ゴキではなく、かなり粉砕されていたがしっかり蝉の羽は形を残していた。

 「なんで、こんなとこで蝉が?????」

 うーん、今年は蝉が鳴き始めてからは猛暑のため、ずっとエアコン付けているけど、震災以降かなり節電頑張っていたので、それほど猛暑じゃない時期にはエアコン使わず窓開けで対処していた時もあったので、入って来ちゃったんだろうなあ。
 でも、蜂とかカナブンが入ってくると、騒動になっていたので、死にかけの蝉が入ってきても大騒ぎになったはずだが、定時を過ぎて残業する人が一人だけ残っていて、その人が席を外していた時に入って来たら気が付かなかったんだろう。

 というわけで、少なくとも1年は経過しているご遺体だったので、ティッシュでつかもうとしてもボロボロと砕けてしまうので、最後は掃除機で吸ったけど、私が蝉のバラバタ死体を平然と処理するので、システム部社員氏が「え?もう、それって虫が平気とかそういう問題じゃないんじゃない?」と言うが、私には蝉の死骸は枯れ葉と同じようなもんだから、それが粉々になっていても、ただの粉々になった枯れ葉である。

 ただ毎回警告しているが「足が3本以上、8本以内」という条件があるので、ヘビ、ミミズ(0本)、人間(2本)、ムカデ、ケムシ(いっぱい)は私だってキャーって言います。
 あと生きてる哺乳類ならたいてい大丈夫だけど、死んでる四足は嫌だな、やっぱ。

●休む理由

 エビワカちゃんがとった電話だったけど、他部署の社員宛だったが(たぶん急なことだったので名刺がなくて、ネットで検索したホームページの代表電話に掛けてきたらしい)、うちの社員がまだ出社してなくて(フレックス制ですから)、その旨を伝えると「・・・・ええと、あの・・・」と口ごもっているので「出社したらお電話いたしましょうか?」って言っても、ごにょごにょ言っていたようだが、やっと「今日、ご訪問する予定でしたが、自分が急に行けなくなったので替りの者がお伺いすることをお伝えください」という話だったらしい。

 私はエビワカちゃんの対応を横で聞いていたのだが、けっこうそこまで聞き出すのに時間がかかっていて、電話が終わるとエビワカちゃんが失笑していたので「なんか、ややこしそうだったね」と声をかけたら、「なんか◯◯さんにアポとった営業マンらしいんですが、すっごくボソボソと暗い声で要領得なくて、あんな暗い営業マンでいいんですかね?」って言うので、「急に替りの人ってことは・・・風邪でもひいたか・・・・猫でも死んだかね?www」と言ったら、エビワカちゃんも「ああ、そういうこともありますね」と軽く流してくれた。

 その営業マンとしては、せっかくアポとったのに、当日になって自分が行けなくなったから事前にお詫びを入れたかったのだろうけど、その社員が不在だったので、しどろもどろになってしまったのかもしれない。

 そして、私が「猫でも死んだかね?」と軽口を言ったことをエビワカちゃんがクールにスルーしたのは、彼女の父親がガンの末期らしいので、「身内の不幸で突然休むこともあるよな」って想像したからであろう。
 私もそれを知っていたので、「身内のご不幸があったのかね?」と言いそうだったのをとっさに「猫でも死んだのかね?」と言い換えたのである。

 それで思い出したが、小町とかで時々「同僚が猫が死んだので会社休みましたが、それって非常識じゃないですか?」っていうのが出てくるが、猫派の人達は「まあ、ペットも家族の一員として許してあげてください」という意見が多いし、「それは会社休む理由にならない」という意見もあったりする。

 さらに「有給使うのに理由なんていらない」という正統派が登場するのもお約束だけど、私も「理由なんてどーでもいー」派である。
 職種にもよるだろうね。
 私のいる職場みたいに、ある程度個々が自分の仕事をやってるような事務職場だと、休みの人のフォローすることは少ないので、急に休む=迷惑ではないので、無断欠勤さえしなければ、「会社に行こうと思って家を出たけど、なんだか突然、海が見たくなったので」って理由でも「おー、思う存分リフレッシュしてください」ってだけだが、ほんとにそんな理由言われたら、「自殺でもするんじゃ?」って心配になるけどさ。

 で、もし同僚から「昨晩、猫が死んだので、今日は休ませてください」と言われたら、心よりご愁傷様って思うし、猫のご遺体を処分しないといけないから、「気分的なこと」だとは思わないだろう。

 店舗の店員とか、ギリギリの人数でシフト組んでいるような職場だと、当日急に休むのは職場に迷惑かかるかもしれないので「よほどの理由が無いと急に休めない」ってことなのかもしれないけど、そういう負担がなるべく少ない職場の方が居心地いいよなあ。自分の仕事でも年に数回ある外イベント仕事は人員配置に余裕が無いので、体調管理には気をつけているけど、たまに「親が倒れた」とか「本人がノロで倒れた」とかいうこともあるので、そういうのはもうしょーがないし、なんとかなるものだ。

 前にも日記に書いたかもしれないけど、私が自分で言った「休む理由」で一番おもしろかったのは、「昨日、女友だちが泊まりに来ていたんですけど、そしたらその子の友達の男の子が『彼女にふられた』って泣きながらウチに来て、その男子を明け方まで励ましていたので、一睡もしてないから、今日は会社休みます」っていうの。

 自分がなんとしてでも出勤しないと回らない仕事が無かったので、「発熱したので休みまーす」って仮病使っても良かったんだが、当時の上司はえらく勘のいい霊感中年女性だったので、変な嘘言うほうが面倒なことになると警戒して、本当のことを語ったのだが、上司は「なんだかわからないけど、その話、明日出社したら詳しく聞かせてwww」とウケてくれたので、翌日、滔々と事の経緯を語りました。

 小町に上がるのは、会社だけではなく「子供を学校休ませて、平日のディズニーランドに行くのって?」みたいなこともたまに上がりますが、私はそういうのも「別にいいんじゃね?」って思います。

 学校なんて、時々休んでもいいじゃん。
 だって、私は小学校の頃、なぜか病弱で、毎月発熱で休んでいたので、休むことにあまり抵抗が無い。
 なので中学校の時の仲良かった子が「今日は家の事情で午後早退するから部活も休むけど、実はお母さんと相撲観に行くんだ」って言われた時も「あら、楽しそう」と思った。

 そこんちのお母さんはかなりの相撲ファンで、国技館に行くからには幕下の取り組みから観ないと気がすまなかったらしく、娘を早退させてでも一緒に連れていってましたけど、そんなん年に1回か、せいぜい2回のことで、風邪で休むより少ないくらいなので、「そんな理由で学校休んでいいの?」とは思いませんでした。


8月18日(火)

 また池袋で自動車が歩道に突っ込む事件があり「池袋何なん?」と思ったが、また危険ドラッグなのかなあと思いきや、どうやら薬物反応やアルコール反応は無かったようなので「駐車場出た瞬間に居眠り運転?」と思っていたら、今日になって「てんかん持ち」ということが報道されてたので、会社の昼休みのそのニュースを見て「あー、やっぱ、てんかんかあ」と呟いた。

 そしたら隣の席のエビワカちゃんに「え?何の話ですか?」って反応されたので、「例の池袋の車暴走事件、てんかんだったらしいんだよ」と言ったら、「え?でも、てんかんの人って車運転しちゃいけないじゃ?」って言われたので、がっくりしながら「そんな可哀想なこと言わないでよー」とボヤいた。

 まあ、「てんかん」が話題になるのって、こういう大きい交通事故の時ばかりだから、悪目立ちしちゃうんだろうけど、わりとありふれた病気なんだよなあ。
 この前、やはりてんかん患者が人身事故起こした時も、「てんかん患者の免許証を取り上げろ」という意見もネット上では散見したが、ほとんどのてんかん患者が投薬で症状抑えられていて、発作起こすこと無く日常生活を送れているらしいのに。

 実は私もてんかんに関しては「点滅する光見ると気を失うこともある」って程度のことしか知らなかったのだが、数年前にてんかん持ちの社員が入って来たので、その社員のいる部署の責任者と総務部の古株にだけ「もし発作起こした時の対処法」が告知された。

 「もし、失神ても、そのまま見守っていてください。普通は数分で意識が戻るので、慌てて救急車を呼ばないように。ただ、10分くらい意識が戻らなかったら救急車を呼んでください」

 ただ、その社員は定期的に通院して投薬されており、ここ10年くらいは発作起こしたことが無いらしいし、実際、入社してから会社で発作起こしたこともないので、その人がてんかん持ちだってことを忘れてる人も多いだろう。

 てんかんと運転のリスクについては、こういう事故が起こるたびに議論が巻き起こるけど、「交通事故のほとんどが、てんかん患者じゃない人が起こしている」ってことを考えると、てんかん患者よりも飲酒運転取り締まったほうがいいような気もするし、てんかん患者に厳しくするなら、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクの高い・・・例えば高血圧の人からも免許取り上げろって話にもなりそうだし。

 並べるのは不謹慎なのかもしれないけど、精神病で妄想を抱えた人が、妄想が原因で殺人を犯す事件もたまにあるけど、そうなるとやっぱし「キ◯ガイはどっかに閉じ込めておけ」って話になるが、ほとんどの精神障害者が他人に危害を加えたりしないのだ。
 最近見かけなくなったが、一時期、家の周辺には複数の「見えない敵と大声で戦いながら徘徊する人」がいたけど、ずっと見えない敵と戦っているだけで、すれ違う生身の人間の姿は彼らには見えてないようだった。
 一人の男性は、よく近所の小学校の付近もウロウロしていたので、「通報されそうだなあ」と思っていたけど、下校時のガキ共も彼を遠巻きにしていたので「変な刺激を与えなければたぶん安全」と判断されて、しばらく放置されていたのかもしれない。
 最近見かけないのは適切な治療を受けられているか、ちゃんといい病院で保護されてるかだったらいいんだけれど。

 それにしても、「てんかん患者から運転免許を取り上げろ」という意見も、どうなのかって思うけど、それよりも「てんかんの人って運転しちゃいけいないんじゃ?」って平然と言う善良な一般市民の方がなんだか怖いなあ。

 差別むき出しの人よりも「差別しているという意識も無い人」のほうが、けっこう多いのである。身近なサンプルのエビワカちゃんは、マスオさんがデンゼル・ワシントンに似ているという話を受けて、「それって誰ですか?」と言ってのけて、私を絶望の縁に突き落としたが、さらにググってみて「えー、黒人じゃないですか!」って、あっけらかんと言ったことで、私をさらに奈落の底に突き落としたことがある。

 この間も「甲子園でオコエが凄い」という話していたら、エビワカちゃんは当然知らなかったので「オコエは最近流行りの(陸上選手でもお笑い芸人でも)アフリカ系ハーフなんだよ」と言ったら、さっそくググって、「えー、これじゃ全然黒人じゃないですかー」って言ってました。


8月17日(月)

 すごいね、今年の甲子園。
 話題の清宮もオコエも準決勝に残ったよ。

 100年の記念大会なので、「早実VS鳥羽の決勝だったりしてwww」なーんて思っていたのだが(どちらも第一回出場校)、鳥羽は敗退しちゃったけど、早実残ってるだけでも充分だし、清宮が話題を引っ張っているし。

 私が「100年記念大会盛り上げ責任者」だったら、今の時点で甲子園魔物神社にお礼参りしている。(そんな神社ありません)
 お供えは何にしよう?中京大中京のエースとか?(オコエのいる関東一を完璧に押さえていたのに、最終回のホームランで涙した。いい投手だったので、ドラフトに掛かる可能性もありそうだが、できれば六大学に来てほしい)


8月15日(土)

 「火垂るの墓」を久々に観て思ったけど、あの映画もジブリ作品によくある「色んな解釈ができる」映画なんだなあ。
 今回感じたのは、「主人公の少年がまるで当時の大日本帝国そのもの」ってことで、親戚の家に疎開したが、海軍将校の家の子というプライドから疎開先で上手く大人に甘えることができず、疎開先を飛び出してしまった結果、罪もない妹を餓死させてしまったわけで、「もっと早く降伏していれば、広島や長崎の原爆投下はなかったのに」っていうのと重なる。

 ただ、原作は読んでないけど、原作者の野坂昭如は映画の主人公のように亡くなっていないどころか、一時期は元気に暴れまわってた小説家だったので、「火垂るの墓」が野坂にとっての自虐史観というか、実際に衰弱死させてしまった妹への贖罪というか鎮魂の意味のあるストーリーなので、最初観た時には「ずいぶん周りの大人が冷たいなあ」って戸惑ったけど、大人達が放置したからああなったわけでもないってことが丁寧に描かれて・・・・ないんだけど、行間から漂う感じがいいのかもしれない。

 そして、頻繁に虫たちの営みが挿入されるけど、主人公がジタバタしている間も、アリや蝶などの虫たちは、淡々と生きており、命を繋いでいた。
 そして物語の後半に終戦を迎えると、疎開先から戻ってきた人達が喜びに満ちた日常生活を取り戻している影で、主人公は野垂れ死んでしまうわけだが、「あー、人間も虫も変わらないなあ」って思った。

 戦争で親を失った子達には辛い戦後だったかもしれないけど、親や財産があった子達にとってはそうでもなかったはずだ。

 子育て中のペンギンが餌を捕るため海に出るが、親がなんらかの事情で戻って来れなければ、子ペンギンはすぐさま餓死みたいな話である。
 うちも、祖父母が誰も戦死してないから、運が良かった部類になる。
 父は福井の伯父の家に疎開していたらしいが、その伯父が父のことをとても可愛がってくれたらしく、疎開先で嫌な思いしたことがなかったどころか、伯父のことを実の父親のように慕っており、福井の伯父さんが危篤状態になるたびにすっ飛んでった。で、伯父さんの方も父が見舞いに行くとなんだか元気になってしまうようで、けっこう長生きされたらしい。

 父は数年前まで非常勤で仕事していたが、そういう仕事も退職したら、「元気な今のうちに親戚巡りツアー」と思ったらしく、もう伯父さんも伯母さんも亡くなっていたのかもしれないけど、福井も訪れていた。

 福井は農家だったので、毎年、米や餅を送ってくれたのだが、母曰く「福井の米はイマイチなのよねえ」、あまり品質のいい米がとれる地域では無かったらしい。だから、私の祖父は東京に出て来たんだろうけど。そういや、もう一人の兄弟は大阪にいた。大阪のオジサンは何やってた人だったんだろう?でも、枚方市の一軒家に住んでいたから、暮らしぶりはほんと実に平凡な感じだった。

 で、何が言いたいかと言うと「やっぱ運って大きいな」ってことで、そもそも父の実家は東京下町にあったのに、ギリギリ空襲で焼けてなかったらしいし、そういう偶然の上に今の私がいるわけだ。

 そういや、安倍首相の戦後70年談話がどーのこーのってニュースでやってるのをちゃんと観ていないけど、中国の街頭でインタビューしたら「日本はちゃんと謝罪しろ」とおっしゃってるオバサマがいたけど、うーん、ああいうの私にはよくわからんなあ。

 つーか、逆の立場で「アメリカは広島や長崎市民にちゃんと謝罪しろ」って、あんま思わないもんなあ。
 てゆーか、「国が謝罪する」っていうのが漠然としすぎててよくわからないのである。

 それは企業レベルでも同じで、ずらりと並んだ社長や役員が「申し訳ございませんでした」って頭を下げるのが謝罪なの?

 企業の場合は、今現在の責任者なんだから、それが謝罪になるのはわかるけど、戦後70年たって「日本は謝罪しろ」と言われても、祖父や曽祖父の代でやらかしたことを私に謝れってこと?
 今度、24時間テレビでマラソン走るらしいDAIGOに「祖父である竹下元首相がやらかしたこを謝れ」って言うみたいな・・・
 で、竹下元首相の替りにDAIGOに謝罪してもらえば気が済むの?って感じ。

 ちょうど時期が被る日航機事故にしても、下っ端の日本航空の社員達が遺族担当を命ぜされて、激しく罵倒されながらも土下座して・・・っていうのは「沈まぬ太陽」でもお馴染みの描写だが、先日、当時の遺体鑑定っていうのか、遺族にちゃんとご遺体を返す係を命ぜられた元警察官の人が「遺体安置所では日航の社員達が遺族に飛び蹴りとかされて」と語っていたので、「ああ、ほんと壮絶だったんだろうなあ」と、飛び蹴りされた社員に深い同情を寄せた。

 私も人命に関わることではなかったけど、会社がやらかしちゃって、クレームの電話がじゃんじゃん掛かってきた時には、「申し訳ございません」って言っても「申し訳ござませんじゃねーんだよ!」とか言われて、「このお客様、どのくらい怒鳴っていれば気が済むのだろう?」と気が遠くなったが、もっと重大なトラブルがあったら、ほんとあんなもんじゃ済まないんだろうなあ。

 まあ日航機の慰霊祭は毎年粛々と進んでいるようなので、中国や韓国の人達が求めていることも、日本の政治家が靖国に参拝しないで、中国や韓国で大勢が犠牲になった所にちゃんとお参りに行くことなのかもしれないけど、日航は社長が代替わりしてもそれをやってるけど・・・

 と、まとまらないけど、国家や企業を連続している生命体みたいに捉えることが私にはよくわからんなあ、ってだけの話です。


8月14日(金)

 昨日は休みだったので、一日中高校野球観ちゃってぐったりだったのでパソコン開かなかったので一日遅れですが、

 岩隈さんノーノー達成おめでとう!!!

 マー君やダルに比べると日本では地味な扱いだったので、久々に大きく取り上げられて超嬉しいです。まあ、清宮の方が扱い派手だったけどさ(笑)
 (10年後の自分に解説。清宮君とは、早実の1年生で久々の甲子園の注目株。父親はラクビーの清宮氏。って言うと思い出した?つーか、10年後にはもしかして余計な解説だったかもしれないけど。「キヨ」と言ったららこっちに上書きされてたりしてwww)

 さて、さっき(7時半ごろ)帰宅したのだが、三茶の駅で妙に外人さんとすれ違った。
 ずいぶん、外人さん・・・・それも白人の若い人が多かったんだが、なんか普段見かける外国人観光客と雰囲気が違うのだが、4人ぐらいのグループがいて、全員かなりふくよかで、しかも一人は髪の毛を青系に染めていたので、「ん?もしかして、オタク外人なんだろうか?」って思った。だってコミケやってるし。

 三茶には、外国人観光客によく利用されてるリーズナブルなビジネスホテルがあるし、あと、「日本の友人宅に泊めてもらう」ってパターンもあるのかな?
 まあ、コミケが原因じゃないのかもしれないけど。

 話しは変わるが、今朝の朝ドラのすぐ後は、甲子園が始まるまで時間が空いていたので「団地ともお」の特別編をやっていて、それがなんと「戦争を考える」っていう長編(45分。普段の団地ともをってサザエさんみたいな30分に三本立てだか二本立てなので)だった。

 途中でシャワー浴びたり、着替えや化粧していたので、じっくり観ていたわけではないのだが、それでも、今シーズン(8月の戦争特番のシーズンっていう意味)観たNHKの戦争特番の中で一番出来が良かった。
 オンデマンドに上がったら、もう一回ちゃんと観てみたい。

 NHKで昨日やっていた従軍看護婦のインタビューもけっこう良かった。つーか、フィリピンなどの激戦地にそんなに大勢の看護婦が派遣されていて、戦況が悪化したら、軍の保護も無くジャングルをひたすら逃走していたなんて知りませんでした。
 そして、ロクな物資も無い中で、為す術もなく亡くなっていく兵士達を目の当たりにして、ほんとキツかっただろうな。
 すっごくゾっとしたのは、ご遺体をちゃんと火葬することができなくなり(燃料などの問題か?)でも、遺骨はなんとか遺族に戻したいので、ご遺体の腕だけを切断しろってことになったらしいが、昨日まで生きてて、必死に看護していた兵士の遺体の腕を切断するなんて出来なくて、「衛生兵さん、お願い」と言ったとか。

 戦後70年で、ご存命の看護婦さん達は若い人でも86歳くらいで、95歳くらいの人は戦争当時、そこそこ中堅というか主任クラスだったのだろうけど、今現在、ちゃんと喋れる人(認知症などになってない)からのインタビューを集めたのは当然としても、皆さんとてもしっかりと喋っており、番組中でも語られていたが、当時の赤十字の看護婦養成所はかなりの難関で、その中でも外地に派遣された看護婦はエリート中のエリートだったらしく、とても淡々と当時の記憶を語っていて、ほんと聴き応えがありました。

 あー、今日の日テレのジブリは「火垂るの墓」かあ。
 これって、大人達がクール過ぎて、観てて辛いから、全編通して観たことないんだよね。今日も時々観てみよう。


8月12日(水)

 昨日の続きだが、最近もう一つ「上の人間に説教」をしたことがある。

 某非常勤役員の団塊世代のジイサンが、なんとトイレで隠れてタバコを吸っていたのだ。

 前々からそのトイレでは「なんだかタバコ臭い」と話題になっていて、そのフロアの部長が喫煙者を片っ端から尋問してみたのだが、皆「心当たりがない」と言うし、嘘ついているようにも思えなかったし、そもそも、そういうことしそうな人がいなかったので、「不思議だなあ」と思っていたら、ある時、20代半ばの若手社員がトイレに行くと喫煙中の役員氏と鉢合わせしたらしい。

 もちろん、その若手社員は40歳以上年上の役員氏に何も言えなかったが、彼も喫煙者だったので部長に尋問されていたので、部長に「あの・・・喫煙してたの、F役員でした・・・」と報告だけした。
 そして、その部長も「Fさんだったら、オレからも何も言えねー」と、総務に愚痴っただけだった。そしたら、うちの総務部長も「Fさんじゃ、しょーがない」と言うので、「じゃあ、私が言います」って宣言したのである。

私「Fさん、トイレで喫煙してるの見つかったんですって?」
F「ああ、だって屋外の喫煙所暑いじゃん」
私「だからって、トイレで吸わないでくださいよー。不良の高校生じゃあるまいし」
F「でも、ちゃんと窓開けて、窓の外に顔出してたんだぞ?」
私「臭いが残ってて、問題になってたんですよ?」
F「ああ、消す時に中でやるから多少残っちゃうんだろうなあ。でも、そんなに気にすることでも・・・」
私「喫煙しない人は気にするし、それにトイレで喫煙って飛行機でもよく問題になってるじゃないですか。」
F「ああ、あれ、物凄い勢いで怒られるんだよね。なんか世の中、おかしな方向に行ってるよなあ。昔は電車の中でだって吸えたのになあ?」

 私の言い方がいけなかったのだろうか?
 一応、指導したつもりなのだが、相手は全然気にしてないのである。
 まあ、世の中には電車の優先席付近でケータイをいじっていた人に殴りかかるような「過剰な正義感に生きがいを見出だす」タイプの老人もいるようだが、F氏の場合は鈍感力に磨きかけてるタイプのようで、10年くらい前までは、けっこう血の気が多い人だったが、予想外にすごくおっとりしたなーんも気にしない好々爺っぽくなってきたが、他人のことも気にしないけど、自分がしでかすマナー違反も気にしないとは・・・

 そういや、前にうちの母が近所の大学のフリーマーケットで、「売り物のカバンの中に売り物の洋服詰めちゃえば、カバンの代金だけで買える」と自慢していたので、「おかーさん、それは万引きという犯罪です」と説教したのだが、母は「だって、あんなのご近所からの放出品だし、余ったら捨てちゃうのよ」って全く反省の色がなかったので、心底呆れたけど、自分がフリーマーケットに出店していた時にも、ほんと堂々と万引きする人が多くてびっくりしたが、「だってどうせ捨てるもんだろ?」って意識があるんでしょうね。

 で、そういうふうに「え?別に悪いことしてないよ?」って心底思ってる人に「それはダメです」って説得するのがいかに難しいか。


8月11日(火)

 昨日の話しを引きずるが、自分より立場が上の人達が「えー、それって?」なことをやらかそうとしている時に、なんとか阻止しようとしても、なかなか阻止することは難しいのである。
 私も長い会社員人生の中で何度も「えー?」って思って、私に出来る限り反対したけど、その思いが通った事のほうが少ない。ああいう場合の対処法ってほんと難しく、だからこそ「安保法案反対デモ」に対しても「それじゃダメだろう」って思うのです。たぶん、デモって私が会社で「えー?それダメでしょ?」ってギャースカ言ってるくらいの効力というか、全く効力ないし・・・

 たぶん、一番有効な手立ては「自分がそいつらよりも上の立場に立つ」ってことなんだろうけど、それが出来たら苦労しない、ってことよりも「私が上の立場になったら、もっとアホなことやらかしそう」と思ってしまうが、それは自分がけっこう「いいじゃん、いいじゃん」な人間だからで、最近だとマイナンバーの準備で真面目な人達が「法令にしたがってキッチリ」と責め立ててきますが、「えー?20年来の付き合いのある税理士さんからも本人確認のため身分証明書の提示っているの?つーか、あのジーサンに免許証提出しろとか言うの嫌だなあ」なんて言っちゃいますから。

 話し逸れたが、前にも日記に嘆いたことがあったけど、うちの役員連中って「出張費の飛行機代がかさむ」とか言うと「だったら航空会社の株買えば?優待券あるじゃん?」ってマジに言うような人達なのです。

 株主優待券って会社に利益もたらすほどのもんじゃないのですが・・・・

 個人株主でしたら、「定期預金の利息よりはマシ」っていうのはあると思うんですよ。
 うちも両親供に株が趣味だった時期があって(父は未だに日経新聞片手に鉛筆で毎日なにやら数字を収集している)、母は特に「定期預金の利息よりはマシ」って考え方で投資していたようで、母が当時自慢していたのは、大手菓子メーカーの株を持っていたのだが、それを売却する時に増資分が売却されずに残ってしまったので、変な「一株だけの株主」になってしまった時期があって(ああいうのって後でどう処理したんだろう?売買単位は普通、百株とか千株だったはず)その一株のために、毎年、株主あてにお菓子の詰めわせが送られてきていて、内容的にはせいぜい市販価格で3000円程度の菓子だが、出資金額ほぼゼロだったので、超コスパ良かったので、しばらくあのまま放置していたようだ。

 あと、洗剤の詰め合わせが送られてきたこともあり、「数十万円の投資で、毎年数千円相当の洗剤がもらえるなら、定期預金よりいいでしょ」と言っていた。

 株主優待ってそういうレベルの話しでしょ?

 新聞屋と契約すると洗剤貰えるけど、会社で新聞取る時に洗剤の話しなかったし。

 しかし、先日もまた某役員氏と「関西の得意先への出張経費がかさむ」って話しを部長がしていたたら「だったらJRの株買えばいいじゃん?みんなそれ目当てで株買ってるよ?」と言う。

 JR東海の株主になるためには100万円くらい必要で、それで得られる株主優待券って「1割引券を一枚」なんですよ。
 東京-大阪間だったら1500円くらいお得?
 そりゃ、たしかに定期預金よりはお得でしょーよ。

 この間、株やってる友人と飲んだ時に、「うちの会社の偉い人たちって」と愚痴ったら「ミヤノさんの会社の人ってピュアなんだね」と言われて、「ああ、その言い回し、まさにそれ!」って飲み屋のテーブルをゴンゴン叩くほど納得したのですが、ほんと、それほど頭悪いわけでも無いし、ほんといい人達なんですけど、なぜ株主優待をそれほど過信しているのかが全然わからないのです。

 そしたらさ・・・事態は急展開して、メインバンクの若造が、その系列の証券会社を連れてきたのだが、その証券マンはけっこう優秀みたいで、うちみたいな中小企業に「長年塩漬けになっているバブル崩壊前の株式投資」があることに目をつけていたみたいで、部長が「そういうのある?」って聞いてきたから「ありますよー」って書類渡したら、今だと、買った当時の値段に戻っているようで、超売り時らしかった。

 1千万円くらいなんだけど、部長はそれを売却して、新たに別の投資する気マンマンになってしまった。
 個人で株なんてやったことない人なのに、何このテンション?
 それほどギャンブル好きでもないはずだが、私と同じ世代なので、そこそこパチンコとか競馬とか麻雀は経験しているが、「株式投資」なんて毛嫌いしているのかと思っていたが(バブル世代だし)なーんかスイッチ入っちゃったようです。

 で、1千万の株というか投資信託を売って、新しくやってきた証券会社に新たに口座作って、株式投資で儲ける気のようですが、「さーて、何の株買おうかな」って意気込みはいいのですが「やっぱ、優待券がいいのがいいね」って「え?」

 で、今日は半日つぎ込んで、巻き込んだマスオさんと(マスオさんはFPの資格を持っているので巻き込んだのが、FPってそういう資格じゃないと思うのだが)嬉々として「お得な株主優待」を調べていたのだが、やっぱし「せいぜい、数千円?」ってことに気がついて、「うーん、あんまいいのないね?」とかやっていたので、「いいかげん、うちのオカンの優待券で賢い節約主婦みたいなの、マジでやるのやめてください!!!」って叫んじゃったわよ。

 でも、部長もマスオさんも、アホなことやってるって意識は全くないようで、「ああ、こういう空気の下で、若くして亡くなった特攻隊員とかいっぱいいたんだろうなあ」と思った。

 自分の貯金1千万円を投資するとなると、全然空気が違うと思うのだが、「会社で長らく塩漬けになっていた1千万円」だと「よっし、ちょっと運用してやろうか」って気持になるらしい。
 そうなると、儲かるイメージしか抱けなくなるようである。

 特攻も、きっとこういう「いいじゃん、儲かればいいんでしょ?」という中間管理職の思惑と、上層部の「いいじゃん、結果出てるじゃん。もっとやれ」なバブリーな感じだったのかもね。
8月10日(月)

 今日はやっと雨が降って午前中は涼しく感じたほどだったが、もっと降ってくれてもよかったのに。

 さて、広島や長崎の原爆の日や終戦記念日があるから、8月に入ったらテレビが戦争特集ばかりになり、あんまテレビ観なくなってしまった。

 戦後70年になるから、当時を知る人って言っても、当時せいぜい20代前半の人しかご存命じゃないので、「責任者」とか「中間管理職」だった人はほとんどいないわけだから、なんか偏ってる感じは否めないが、昔っからそういう被害者の立場の人は多くを語っていたが、戦争中に中年だった人の話しってあまり聞いたことが無いような気がする。

 そんな中、NHKでやっていた番組で、陸軍のそこそこ上の地位にいた人が戦後20年頃語った録音を流していて、音声もとても鮮明だったけど「自分は軍人の立場として、そうするしかできなかった」と、終戦の時期を見極められなくて、目指せ本土決戦まで引っ張ってしまったことを言い訳していたけど、その口調が「オレは悪くない!」ってジタバタするイマドキの管理職オジサンがムキになってる感じと全く同じだったので、「へー」って思った。

 今の世の中でも、例えばマタハラをやった会社の責任者がテレビの取材を受けたら「だって、出産で休み復帰しても子育て中心になってしまう社員を他の社員と同じ待遇にしたら、他の社員から不満が出ますよ。だから、いいことだとは思わないけど、しょーがない一面もあるかと」とか堂々と発言するような雰囲気で「あの時はああするしかなかった」と堂々と語っていました。

 あ、そうそう、その番組は「なぜ特攻は拡大したのか」って番組で、フィリピンでやった特攻作戦がちょびっと成果を上げたら、後に引けなくなり、さらに成果も粉飾されて報道されて、そこに海軍と陸軍のライバル心あり・・・・・っていう、なんだかこの間の東芝の粉飾決算みたいな話しだった。

 ああいう感じって、私が属しているような中小企業でもよくあるので、「日本軍の暴走」っていうのも、他人事とは思えません。
 ああいう「そこそこ幹部だった人の証言」ってけっこうあるのかしらね?
 戦後20年に録音したっていうことは、その人たちは「そこそこ幹部」だったけどA級戦犯にはならなかったのかもしれないけど、その後どういう人生送ったのかまでは紹介してくれなかったが、ああいう立場の人達の証言をもっと収集しておくべきだったと思う。

 そういや、ちょっと話しは違うけど、「昔のイジメは陰湿じゃなかった」と「パンツ脱がして落書きしたオレは健全なイジメ」みたいなこと語った議員さんが叩かれていたけど、ああいうの、すぐ叩くんじゃなくて、もっと泳がせておけばよかったのに。
 いじめの被害者は多くを語るが、加害者は悪いことをやったという自覚が無い人も、自覚のある人も、あまり多くを語らないけど、ちょっとつつくと自慢話しとして語り出すので、そのきっかけとして面白かったと思うんだけど。

 「オレって昔は悪かったんだぜ」って自慢話に「それ、マジ犯罪です」と水を差すと、そこで話しが終わっちゃうから、もっとエピソードが出てくるようにじっと見守るというか「へー、それは凄いですねー」って持ち上げないと。

 私もね、記憶が曖昧なんだけど、いじめられたことがあるような気もするし(無視されたーとか)、いじめたことがあるような気もするけど(無視したーとか)、「いじめる側の心理」っていうのは、イマイチ収集されてないので、そっちがちゃんとわからないと今後の対処のしようが無いじゃん?

 で、戦争反対!犠牲者はこれだけの地獄を観たのだ!っていうアピールも重要だけど、犠牲者の証言だけ拾ってもさ。
 現代の犯罪でも同じでしょ。犠牲者の証言だけとって「こういう犯罪を未然に防ぐのにはどうしたらいいのでしょう?」って言ってもさ。

 そっか、今書いててふと思ったんだけど、少し前に酒鬼薔薇君が書いた本が物議を呼んでいたけど、テレビのニュースショーなんかはいつも「加害者の心の闇の究明に」とか言ってるのに、加害者がほんとに心の闇を発表すると「いや、こういうのじゃなくて」という態度をとるが、加害者が一般庶民にとって都合のいい「心の闇」を開示してくれるわけないので、そのブサイクさを晒していることも「ありがたい」と思わないといけないのかも。

 何言ってんのかわからなくなってきた。

 話しは変わるが、サッカー日本代表が惨敗したので、朝のニュースショーでは全く前日の試合結果が無視されていたりするあたりが面白いけど、そういうあたり大本営の発表と全く同じって意識あるんですかね?

 あ、でも、最近興味深かったのは、例の「新国立競技場の設計変更」の事案で、私は「すげーなこんなのほんとに作れるのかよ」と思っていたのですが、やっぱし予算的に無理だったようです。

 ものづくり大国ニッポンが・・・・・って事態だったのですが、おかげさまで、「次のオリンピックのリオでは色々な問題が」とか「北京が冬のオリンピック決定しましたが?」な報道も「いやー、これ大変ですよね、ってうちの東京五輪もそんななんで他人事じゃないんですがwww」ってテイストが加わったので、「そういう気持って大事ですよね」と上から目線になってしまいますが、「人の振り見て我が振り直せ」って大事だよなあ。


8月6日(木)

 しっかし暑いけど、それよりも、これだけ雨の降らない夏も久々なのではないか?

 ここ数年はゲリラ豪雨のおかげ様で「ダムが渇水」ってことがほとんど無いけど、今年は平野部こそ全然夕立が降らないけど、山沿いはかなり豪雨が降ってるからダムは大丈夫なのかしらね?

 さて、今朝は7時半に鳴った目覚ましを消してから、珍しくたっぷり二度寝してしまい、ハっと気がついたら8時19分で「うわ、朝ドラ終わってる!」って朝ドラ寝過ごしたのは、「まれ」が始まって初めてだったのだが、ふと「そっか、今日は時間が変わってるんだ」ということを思い出した。昨日の放送時に「明日は8時35分からです」ってテロップ出てたので「ああ、明日は8月6日かあ」って知っていたのである。

 人間って凄いねえ。
 寝る時も二度寝した時も、そんなことさっぱり忘れていたのに、頭の片隅に「今日の朝ドラは時間が遅いよ」って情報が流れていたんだろうねえ。

 そういや先日、銀行が「夏のご挨拶に」と粗品を持ってきたのだが、その中に「麦茶パック」があって、「子供いる家はこういうのいくらあってもいいでしょ?」ってエビワカちゃんに押し付けようとしたら「え?他の人はいいんですか?」って言うので、独身独居K嬢が「水出しタイプって、一人だと傷んじゃうんだよね。沸かせばいいんだろうけど、それは面倒だし」と言うので、「あー、私もそれで水出しやめたんだよ」と言ったのだが、水出し麦茶のポットが一日に二回転以上するようなエビワカ家には「???」という話しだったようだ。

 なので具体例を挙げようと、私が「冷蔵庫の麦茶飲もうとしたら『これ、いつ作ったやつだったっけ?』と思ったんだけど、口につけてみたらそれほどヤバそうでもなかったので、コップ一杯分飲んだんだけど、きっかり1時間後に胃がキリキリとしてきて、なんでだろう?と思っていたら、すぐにムカムカしてきて、トイレに駆け込んで全部吐いたらすっきりして、その後なんともなかった」と言ったら皆に大爆笑された。

 あの時「へー、人間の体って凄いなあ」と思ったのは、舌や鼻が異常を感知できなくて胃に入れてしまったが、胃は1時間かけてなんとかしようとしたが、なんともならなかったので「これは毒です」と判断して吐き戻させたことである。

 高校生の時、バイト先で喉が乾いたので台所で水を飲もうとしたら、シンクの横によく昔、運動部が試合に持っていくような飲み物サーバがあって(炊飯器みたいにズドーンとしてて、ちゃちい蛇口がついてて、ゲータレードなんかを冷やしてベンチに置いておくみたいな)何気なくそれひねったら麦茶らしきものが出てきたので「じゃ、これいただこう」と口に含んだ瞬間、マーライオンみたいに吐き出したことがある。

 どうやら昨日今日作ったものじゃなかったらしく、完全に腐っていたのだ。
 でも、匂いや味が!って頭で判断するより前に、反射的にブホーってなった。熱いお湯に手を入れたら反射的に手を戻すみたいな感じだった。

 そういや小学生の時、近所の幼なじみのSちゃんのお誘いで那須の別荘に一週間くらい滞在したことがある。
 Sちゃんちのお母さんは浅草の老舗装飾品屋のお嬢さんだった。
 その家は千葉の九十九里海岸にも海の別荘を持っており、何度も行ったことがあるけど、那須の別荘に行ったのはその一度きりだった。

 Sちゃんと、Sちゃんのママと、ママの叔父さんという老人というメンバーだったが、そのご老人がたぶん、その当時の社長で、社長の恒例の夏の避暑にSママがその年はお供というかお世話する係になり(Sママの両親はすでに亡くなっていたけど、兄弟は多かった)、Sちゃんを連れて行くことにしたが、一人じゃ寂しいからと私もお相伴に預かったのである。

 別荘ではSママが料理を作ってくれたが、別荘地だから頻繁に買い物ができないので、買い溜めした食材を使用していたのだが、ある日「この豆腐大丈夫かなあ?」と悩んでいたら、社長のオジサンが「オレはそういうの得意だから」とクンクンと匂い嗅いで「うん、これくらいだったら大丈夫」と自信満々だったので、それでも火を通さないとちょっと心配だったから味噌汁の具にした。

 その時にオジサンがどういうことを言ったのか詳しくは憶えていないが「戦中戦後の食糧難の頃を生きてきたから、腐りかけの食材が、ほんとにヤバいかヤバくないかっていうのは、経験でよーくわかってるんだ」というようなことを言っていて、そういう人が「これは大丈夫」と判断したんだから絶対大丈夫なんだろう、という安心感があった。

 そして、その当時は商売もそこそこ順調な老舗中小企業のトップとして、夏は毎年、那須の別荘でゆっくり夏休みっていう生活ができているご老人が、若い頃は腐りかけの食材にガッツいて酷い目にあったことも多かったんだろうなあ。

 その後、その別荘に行くことはなかったし、夏に避暑地に行くことはあっても、せいぜい2泊3日くらいだったので、あんな一週間も過ごす贅沢したことはなかった。

 何もない別荘地だったけど、不思議と退屈しなかったんだよなあ。
 子供の足で歩いて20分くらいの所に小さい池があって、毎日そこまで歩いて、ずっと石切に・・・あれ?違うか・・・・水切りって言うの?石を水面にぴょんぴょんさせるのをやっていたり、一日だけオジサンが「子供が退屈するだろうから、どっか連れて行ってあげなさい」と言って、オジサンは留守番してて、Sママがニジマス釣りに連れていってくれて、私はなぜか一人でニジマスじゃんじゃん釣っちゃって、釣った分は料金払わないといけなかったのだが、4人しか食べる人いないのに、7匹くらい釣ってしまったのだが、私は自分で釣ったニジマスが美味しくて、3匹ぺろりと平らげたりとか、那須の別荘にはいい思い出しかない。

 あの社長のオジサンも私らに優しかったし。
 後で、Sママが親戚と話しているのを漏れ聞いたら、昔はなかなか難しい人だったらしいが、老いて丸くなった頃だったらしい。

 後になって思ったのだが、あの頃の私はひどく人見知りで、けっこう難しい子供だったので、そんな知らないオジサンと一緒の別荘暮らしを平穏に過ごすのは難しい子だったと思うのだが、いい思い出しか残っていないのは、はやり、あのオジサンに経営者としての資質があり、生意気な新入社員みたいな私を上手くコントロールしたような気がする。

 そうだ、思い出した。
 あのオジサンは障害者手帳を持っていた。
 歩くのには不自由はそれほどなかったけど、足の指が数本無かったのだ。
 なんでだったのかは聞いてない。もしかしたら、戦争に行って凍傷で、だったのかもしれない。

 ある時、さりげなく靴下を脱いで、その不自由な足を拭いていて、それに気がついた私とSちゃんが、ちょっとビビっていると「ああ、ごめんな、驚かせて」とか言っていたけど、足を手入れするその様子から「このジジイただものじゃねーな」って雰囲気があった。

 そして、自分が今、そのジジイの年齢の方が近くなってみると、可愛がっていた姪に元気な小学生の子供がいて、そういう人達と夏のひとときを過ごすのを心から楽しんでいたんだろうなあ。
 自分に置き換えてみると、クソ生意気な中学生になった姪っ子Nちゃんは「ははは、のんちゃんの背を抜いたぜ」と自慢げでムカつくけど、20年後にNちゃんとその子供と一緒に避暑地で過ごしたら、どんなに幸せだろう。

8月5日(水)

●一般常識?

 私は一般常識について語るのがどうも苦手である。
 なぜなら、私が「これって一般常識じゃないの?」と驚く案件は、たいてい「そんなん、一般常識じゃねーよ」と一蹴されてしまうからである。

 知識と教養に満ち溢れててスイマセン・・・・(笑)

 いや、私だって「レッド・ツェッペリン」とか「フェルマーの最終定理」とか「テニスの四大大会」などが一般常識ではないとわかってますが、「ローリング・ストーンズ」とか「連立方程式」とか「ウィンブルドンは芝生のコート」くらいになると一般常識なのかと思ってしまうんですけどね。

 まあ「一般」というのも難しくて、芸能人に対する情報って、世代によってすごく偏ってしまうし、アニメや漫画もそうだろうし、「ドラゴン・ボール」は老人以外には通用するけど、「ドクター・スランプ」は若者には全く通用しなかったりとか、なかなか難しい。私だって「アイカツ」とか「妖怪ウォッチ」って名前と雰囲気だけしか知らないですし。

 そういや、前にどなたかがツイッターで呟いていたが、その人が子供の頃「ポケモンって言ったらピカチュウしか知らない大人をなんてバカなんだろうって思っていたけど、最近、妖怪ウォッチが流行ってるけど、ジバニャンしか知らない・・・」っていう心境はよーくわかります。

 さて、前からよく言ってるけど、ヌーベルバーグやアングラ、サブカルな青春を送ってしまった私には「フツーって何?」ですし、周囲の人もそんな感じの人が多かったので、「テレビのワイドショーが想定しているフツーの人って実在するの?」と思っていたのだが、今の会社に転職したら「ああ・・・なんか・・・こういう人達は実在したのだ」とだんだんとわかってきたのですが、中でも部下であるエビワカちゃんは「この人こそ、偏差値50なのでは?」っていう、素晴らしい人材でした。

 「池上彰の解説ってほんとわかりやすいですよねー」って堂々と言うタイプの、ほんと善良な二児の母です。震災直後には「もっと放射能のこと気にした方がいいんでしょうか?」って真面目に聞いてきましたっけ。

 エビワカちゃんみたいな人が「日本人の主流」では無いと思いますが、テレビ番組の多くがターゲットにしてるのは彼女みたいな人でしょう。平たくいえば「バカと秀才の中間にいる人達」

 少し前でしたが、関西の大学の話になって、同志社がどうのこうのって話しになったのですが、エビワカちゃんは同志社知りませんでした。
 「関東の六大学みたいなもんなんだけど」と言っても、たぶん彼女は「六大学を挙げよ」と言われても詰まると思うが、そんな彼女に「えーと、同志社大って、雰囲気的には慶應だけど、宗教的には青学に近いかな」と説明しても「へー」って聞き流されてしまいました。

 同志社の国民的知名度ってどれくらいなんだろう?
 私は「八重の桜」はかなり観ていたので「同志社を知らない?」ってけっこう衝撃的だったのですが、関西以外では知名度低いんですかね?立教と同志社の比較データとか無いんだろうか?

 で、今日、エビワカちゃんに聞かれたのが「能楽師ってなんですか?」

 うちの役員がなんの目的か知らないが、交際費の伝票に「能楽師と会食」って書いてあったのである。

 「えっと、能楽師って能をやる人で・・・えーと、有名どころだと野村萬斎?」と言ったら「ああ、あの人」と野村萬斎は知ってたようだが、しばらくして私が「あ、野村萬斎は狂言だった!」と言ったら「はあ?」

 雰囲気的にエビワカちゃんは能も狂言もどんなもんだか知らないんだろうなあ、ってことが伝わってきた。
 たぶん、歌舞伎ですら、よくわかってないだろう。

 それでちょっと考えたのだが、私が能とか狂言を「一般常識程度」に知っているのは、たぶん、漫画とか小説の影響で、特に能は「能の宗家」というのは、漫画の題材でもよくあったけど、2時間サスペンス・ドラマでもよくあったような気がする。

 その後、こっそりと能楽師についてググってみたら「狂言師も能楽師に含まれる」となっていたので、野村萬斎も能楽師と言って良かったようだったが、それをエビワカちゃんに説明してもウザがられそうだったので黙っていました。


8月4日(火)

 そういや、九州在住のN嬢は時々間が空いてもせいぜい2週間くらいでメールを送ってくるけど、関西在住のM嬢はずいぶんメールが途絶えてるなあ。
 プロ野球開幕前のキャンプの頃は「マー君がヤンキースの開幕投手になるかも、楽しみ」とかメール来てたのだが、シーズン始まったらぶっつり途切れたままだ。
 この5年間で、何度か何ヶ月も途絶えていたことがあったので、また突然何事もなかったかのように最後に私が送ったメールに返信してきたりするかもしれないけど、あー、それにしても、あれからもう5年かあ・・・

 メールでしか交流が無いので実際のところどうなってんのか全然わからないけど、メールの文面からすると、ちっとも良くなってないのだけはわかるので、切ないなあ。
 N嬢なんかは、それで20年もそういう状態なわけだが、N嬢の場合は母親が面倒みているので母親が健在であるかぎりなんとかなりそうだが(N嬢の母は教職を勤めあげた人らしく、社会性もあるだろうし、何より年金暮らしにも余裕があるだろう)、M嬢んちは「ヒモみたいな婿養子の父親」と「引き篭もりの弟」って家族構成らしいからなあ。

 ずいぶん前に、「父も弟も働いてない」って話しを聞いたので「その実家って、何で生計立ててるの?」って聞いたら、「遺族年金」と言われて納得したが、その頃はまだ祖母が生きていたので、戦死した祖父の遺族年金を祖母が受け取っていたのだろうけど、その祖母が亡くなってもまだ支給されるものなんだろうか?(ちらっと調べたら孫まで受給資格があるようだったが18歳までになってた)

 まあM嬢本人には、障害者年金が支給されてるんだろうけど、それも実際のところどうなってんのか知らないので、そのうち訪ねてみたいなあ、とは思っているのだが、M嬢がかつて語った故郷の集落は、なんだか横溝正史の世界のようで、恐ろしくて気軽に行けない。

 なにせ、M嬢が小学生くらいの時に「孤立した地域なので古来の言葉の名残があるかも」と大学の言語学調査団がやってきたくらいなのだ。
 地理的には三陸の漁村みたいで、内陸部とは山で隔離されているし、海岸線が険しいので横の繋がりも無いという、まさに「陸の孤島」状態。M嬢の祖母は戦争中、生活費や食料を賄うため、漁村で捕れた魚を背負って内陸部に行商に行っていたらしい。

 ネット地図で確認してみると、今は内陸部の鉄道が通っている所までトンネルがあるので車で行き来できるが、そういう道路が無かった時代はほんとに孤立していたのだろう。
 なので、今でも「よそ者」が通りがかるということが全くない地域なので、「ちょっとどんなとこなのか偵察してみようかな」って思っても、そんなの絶対無理そうな感じなのである。

 関東の新興住宅地育ちの私は、M嬢にはいつも「ミヤノは田舎の恐ろしさを知らない」と説教されていたが、今考えると「団地ニュータウン育ち」みたいな私と、横溝正史的な漁村で育ったM嬢では、育った環境がほんと真逆だったんだよね。


8月3日(月)

●人の振り見て

 最近、上司がストレスが溜まると時々ぶちまけてくる愚痴が母親の悪口なのだが、「デイケアへの外出とか、親戚の来客などがあると、とたんにあれこれ準備しないとって思うらしく、朝早くから起こされて、あれが無いこれが無いと振り回される」というのは、「えーと、部長って母親似だったんすね?」としか言いようが無いのだが、さらに上司が「そういう悪いところをちゃんと自覚しろ!」と母親に説教しているらしいのですが、えーと、えーと、えーと?

 さらに、母親がいつも親戚の悪口ばかり言うので、イライラした上司が「そんな人の悪口ばかり言ってると、コロスぞ!」と脅しているらしく、えーと、えーと、えーと?

 まあ、よくある話しですけどね。「私は人の悪口を言う人が嫌いだ!人の悪口ばかり言うのって最低だ!」ってガナってる人を前に「これは悪口では無いのだろうか?でも、そこ突っ込むと面倒だから黙っていよう」とうつむき加減に聞き流すってこと、長い人生には何度かあったと思います。

 で、部長がイラつく「くそババアの悪口大会」の片鱗が私の身近にもありまして、九州在住の友人N嬢は相変わらず返事しにくいメールを毎日のように送ってきますが、最近法事があったようで「住職が同級生なんだけど嫌な奴でお経聞くのが苦痛」だとか「亡くなった伯母には遺産なんてほとんどないって、従姉妹の夫が言っていたけど、実はけっこうあったらしい」とか「遺産はひたかくしにしてるくせに遺品は邪魔らしく、うちに送りつけてくるからムカつく」などと綴られていて「そういう情報を私に伝えて、なんかいいことあるのかなあ?」と思いますが、それで少しでもストレス発散できるのなら、まいっかとスルーしてます。

 部長のお母さんにしてもN嬢にしても「あの人達はけっこう相続した」と非難気味に言いますが、自分の親が亡くなって兄弟間で相続で揉めるのだったらまだしも、自分に全く相続権が無い傍系のことをとやかく言ってもねえ?

 ここで勝手に想像すると、N嬢はしばらく「伯母がかなり弱っているので、頻繁に介護の手伝いしている」とメールしていたので、N嬢の母上も、もう年金暮らしですから、姉の見舞いに頻繁に行って介護のお手伝いもしていたのでしょう。
 で、その伯母が亡くなったら、同居していた娘夫婦(N嬢の従姉妹)は「母が残した遺産はわずかでしたが、よかったら着物でも」と大量にあった着物は快く分けてくれたらしい。
 「伯母が残した着物がけっこうたくさんあって、どうすればいいんだろう?」ってメールが来て「さあ?」としか言いようが無かったので無視していたが、しばらくして「みやのちゃんはまだ野球に興味あるの?私はあれほど好きだった着物にさっぱり興味なくなっちゃって」というメールが来たので、「私の野球愛をバカにすんなぁぁぁっぁぁ」とばかりに「私は小学生の頃からの野球好きです」という長文メールを書き殴って送ったら「ごめん、それほどとは知らなかった」と謝られたが、「まだ野球に興味あるの?」ってけっこう最低なセリフだよね。

 「まだジャニーズ好きなの?」とか「まだ韓流ドラマ観てるの?」とか言うと、すごい刺があるじゃん。

 で、最初の頃は「伯母が遺した古い着物は仕立て直して自分で着ようかな」なんて張り切っていたが、だんだん着物に興味が無くなってきたところに「実は伯母はそこそこの遺産を遺したのだが、相続人である従姉妹の夫がそれを隠して上手いことやってる」って情報が入ってきたらしく、それを私にネチネチと教えてくれるのだが、知らんがな。

 というわけで、私もこうして他人の悪口書いているので、人が悪口言っているのも「最低」と切り捨てずに我慢して聞いてますけど、わかって言ってるのとわかってなくて言ってるの、どう違いがあるのかって考えると、どっちが良いとか悪いとかの話しでもないし、ただ、悪口は面白がって拝聴すると、無理やり「面白い話」になったりするので、「この悪口は面白い」と思ったら、とことん興味深く拝聴していると、それは悪口では無くなってくるので、積極的に面白がろうと思いました。

●今さら知って驚いたこと

 昨日の日曜日、テレ朝で甲子園特集をやっていて「伝説の名勝負」として、松坂が延長18回まで投げた試合が紹介されていたのだが、改めて見てみると「1点とったら、また1点とられて同点になって、ほんと、死闘だったんだな」と思ったが、松坂率いる横浜高校と対戦していたPL学園のエースがなんと上重君でした。
 現・日テレの人気アナウンサー上重氏が立教大学で野球やっていたことは知っていたのだが、PLのエースだったことを知りませんでした!つーか、あの伝説の試合で松坂と投げ合ったなんて・・・

 今日、会社でその番組の話題になって、部長と私とK嬢が観ていたんだけど(K嬢は実家にいたので野球好きの父に付き合っていたらしい)、「上重は甲子園で松坂と投げ合った投手」というのは私以外のほとんどの人が知っていた。「だって、テレビでよく自慢してるよ?」
 タレントの上地雄輔が自慢しているのはよく観ていたけど、私あんまり上重アナが出てる番組観てなかったんだよなあ。

 いや、しかし松坂の投球は凄まじかったけど、対する上重投手もかなりのもんで、「いいピッチャーじゃん」と上重株が急上昇した。
 あの頃、私は野球に全く無関心だったので、「松坂フィーバー」っていうのも「歴史的事実の一つ」としか思ってなかったけど、あの試合のダイジェスト観たら、「ハンカチ王子VSマー君より凄い」と、今更ながら松坂の凄さがわかってきた。

 しかし、それよりも凄かったというか、笑ってしまったのは「無名県立校が甲子園優勝しちゃいました」っていう珍事で、たった7年前くらいらしいが佐賀北高校が優勝しちゃったことがあったらしい。
 佐賀は激戦区じゃないだろうから、そこそこの強豪校に2回くらいうっかり勝つと甲子園出場できるのかもしれないが、決勝まで勝ち上がってしまうというのは異常事態だろう。

 で、一番笑った所は、決勝戦の相手が名門の広陵で、ピッチャー野村、キャッチャー小林だってwwwwwwww
 野村はその後、明治に進学して、「六大学1の投手」とドラフトの目玉になり、広島に入ったし、小林は今現在「阿部の後継者」として巨人の正捕手の地位を固め中なのである。
 野村が広陵出身だということは知っていたが、その時の捕手が小林だとは知らなかったので「なに、このヤサっとした色男バッテリーはwww」と笑い止まらず。

 その番組をたまたま観ていたK嬢も「その前に親が観てたからデイゲームの巨人戦観てたら、小林がスタメン捕手で、そのまま高校時代を見せられたから、え?また小林って思ったよ」と言っていたし、私が「優男バッテリーwww」と笑ったら「あー、わかるー」とウケてくれました。

 しかし、凄いよね。
 当時の広陵は、投手と捕手が現在1軍で活躍しているプロ野球選手になっているし、他にも2,3名プロになった選手がいるのだが、7回で少し疲れが出ていた所でコントロールが乱れたら、甲子園の大観衆が「名門対無名校」の戦いに無名校贔屓になり、六大学でもちょっと東大がリードするとそういう雰囲気になるけど、名門校の方にすごくプレッシャーがかかるのだ。

 野村もインタビューで「ああいう雰囲気経験したことが無かった」と語っていたが、満員の大観衆が、自分が投げたボールが「ボール」と判定されるとドっとどよめき、ストライクだとシーンとなる完全アウェーという空気にのまれてしまい、四球で塁を埋めてしまい、ストライク取りに投じたボールが逆転のホームラン!

 まさに「甲子園の魔物のお仕事」といった名シーンだった。

 そして、くどいようだが、やっぱし面白いのは、負けた広陵の方は「エースが広島の未来のエースだし、捕手は巨人の正捕手の切符を半分掴んでいる」っていう「あれから8年後」であるが、買った佐賀北の主力選手達は、佐賀銀行に就職してたり、教員になっていたりと、超堅実。というか、地元ではそこそこのエリートコースなんじゃない?

 さて、話しが戻るが「怪物・松坂」の当時の映像を観る度に「ゴトタケさんが・・・」っていうのが気になってしまう。
 松坂と同級生だったゴトタケさんは、その後、法政から西武ライオンズで活躍して、今はベイスターズに移籍したが、高校時代の松坂を観ると「ほそかったなあ」って思うが、高校時代のゴトタケさんがその映像に見きれると「今と全く変わらないなあ」って逆の意味で感慨深い。



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