可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

12月30日(火)

 もう年末だが、今年のミヤノ家のお正月にはやや地殻変動が起きていて、妹んところの甥っ子が急遽、2日に夫の実家に招集されることになり、「うちは大晦日か元旦には撤収する」と言ったため、弟のところの姪っ子集団が、いつもは元旦に来襲するのだが、どうやら大晦日にやってくることになったらしい。

 私は29日まで出勤していたので、いつもどおり大晦日に実家に行く予定だったのだが、ママンから今日電話があって「妹一家も、弟一家(たぶん嫁は来てないと思うが)も、今日から来てるけど、あんたどーする?」って言われたが「いえ、明日の大晦日に行きます」と返事した。

 だって、今日は「プロ野球戦力外通告」と「仲居君のプロ野球バラエティ」があるんだもーん(笑)。

 好きなテレビ番組をゆっくり楽しめるのは、独身の数少ないメリットであるので、これは享受しないとね。

 さて、さきほど「プロ野球戦力外通告」を観たけど、いつもより悲壮感が少なかった。
 まあ、八木とか藤江だったら、オファーあるだろうと思っていたら、やっぱりありました。

 つーか八木とか、プロ野球がどうのこのっていうことより、イマドキ珍しい5人の子持ちなので、少子化対策的にって話のような気がしてみたり。

 藤江が楽天に入団したのも知らなかったので「へー」と思った。

 番組で取り上げた中で、元巨人の星野だけがオファーが無く引退の道を選んだというか、選ばざるをえなかったのだが、クビを宣言されてからの星野の結婚披露宴には、巨人のスター選手が勢揃いしていたのが「ほえー」と思った。
 名前紹介されてなかったけど、ざっと観たかぎり、長野や内海や西村がいたし、粗い映像だったけど、たぶん杉内もいたぞ?

 さて、そんなわけで、明日は昼間から実家に戻る予定なので、今年度の日記は最後になります。
 よいお年をお迎えください。


12月27日(土)

 今日は出勤だったけど、主な業務は忘年会だったし、疲れが溜まっていたので、いつもより1時間遅れでのんびり出社した。
 電車の中でツイッター眺めていたら「山本太郎が生活の党に入り、党名が『生活の党と山本太郎となかまたち』になった」という、つぶやきがタイムラインに上がっていたので「?????」と思ったが、その次に「ヤンキースの黒田が広島に復帰」っていうのもあったので、「え?今日ってエイプリルフールなのか?」って一瞬だけ真剣に悩んだくらいだ。

 どっちもホントでした。
 「山本太郎となかまたち」ってほんと、凄いセンスだなあ。
 つーか、それを受け入れるしかなかった小沢一郎の今の立場を想像するだに物悲しくなってくる。

 さて、昨日の話の続きだが「昔の人は鍛えられていた」という事例で「電車の座席」を思い出した。
 昔は長距離を走る特急電車にも「リクライニングシート」なんて無かったんだよね。
 少し前までは総武線や東海道線にも走っていた「ボックスシート」っていうの?4人掛けの対面式の固定シートだけしかなかった。
 あのシートで長時間乗っているのはけっこうキツかったと、子供ながらにも記憶に残っている。

 たしか最後にあのシートで長時間過ごしたのは、大学時代に青春18切符で京都まで行った時で、あれって何時間乗っていたんだっけ?東京駅を12時前に出発して、終点の大垣駅に着いた時には朝だったから、6時間くらい乗っていたのかね?

 私が子供の頃は、暖房は石油ストーブでマッチで添加していたし、風呂もガスをマッチで点火していた。
 あと、風呂や炊飯も自動じゃなかったので、風呂を沸かしすぎて沸騰してしまって入れなくなったり、ご飯を食べられないくらい焦がした事件も多発していた。
 今じゃ、風呂も炊飯もボタン一つでピッですからねえ。

 洗濯機だって二層式だったから、脱水とすすぎを手作業で繰り返していたし・・・

 もっとも、戦前はさらに風呂も炊飯も薪だった家も多かったんだろうけど。
 私が小学生の頃、茨城の祖母の実家に行ったら、まだ囲炉裏があり、長野の父の親類の家に行ったら五右衛門風呂でした。

 あと、子供時代にあって、今は絶滅したのは焚き火だな。
 年末のこの時期になると、ゴミの収集が終わってしまうが、大掃除でまだけっこうゴミが出るので、よく庭で焚き火しました。
 うちが焚き火しているとご近所さんが「うちのゴミもお願いします」と持ってくるので、焚き火番として大人が一人ついていたが、近所のガキどもも集合して、おやつに焼き芋焼いていたっけ。

 近所の空き地に家が建つ時には、大工さんが木材の端切れを焚き火していたりした。
 そうなると、また近所のガキが集まってきてが、大工さんの弟子の若い兄ちゃん達と仲良く焚き火番してました。
 焚き火で発泡スチロール溶かすのが大好きだったなあ。
 あの頃、相当な量のダイオキシンを摂取したと思う。プラモデルのゴミになる枠もせっせと溶かしていたし。

 体に害になるものと言えば、ファンタオレンジが鮮やかなオレンジ色では無くなったことを覚えているが、どうやら着色料が有害と認定されたようだったが、リニューアルされたファンタオレンジはあまり美味しそうじゃなかったし、なによりも「えー、あれ有害だったの?けっこう飲んでたんですが?」って子供心にも思いましたっけ。(誕生日とかクリスマスなどのハレの日しか飲めなかったので、そんなに頻繁に飲んでなかったけど)

 そもそも、私が中学校の頃まで、学校で出るゴミは学校にある焼却炉で燃やしていたんですよ。
 いつの頃か忘れたけど、ビニールごみを燃やすと有害物質が出るってことになったのか、牛乳瓶の蓋をくるんだビニールは焼却炉で燃やさないように、ってことになっていたが、その切替がいつだったのかはよく覚えてない。

 小学校低学年の頃までは、うちの自治体の水道は地下水汲み上げていたらしく、夏は冷たい水が水道から出てきて美味しかったのだが、人口増加のためか、地下水やめて川の水を浄水した水道水になったので、夏の水道水がぬるくなって、そのまま飲めなくなった。

 と、思い出をランダムに綴ってみたけど、要するに昭和40年代生まれの私って、たぶん「戦後生まれ」の範疇に入るのだろう。
 明確な線引は出来ないけど、私より10歳くらい下の昭和50年代生まれになると、私が10代後半から20代前半に体験した「大きな変化」をあまり覚えていないんだと思う。

 わかりやすい基準だと「ピンクレディーをリアルタイムで踊ったことがあるか無いか」ってあたり?


12月26日(金)

 世間的には今日が御用納めですが、私は明日も出勤で、月曜日が御用納めになります。(さすがに日曜日は休み。それでも今週はイベント仕事を挟んでの6日連続出勤なので、精神的にかなりキツい)

 ネットのニュースで「干支の動物の引き継ぎ式」を紹介していた。
 馬と羊が顔を寄せあっていたのだが、ふと「これ、ヘビの時にもやったのかなあ?」と思った。
 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥・・・・馬から羊、羊から猿、猿から鶏、鶏から犬、犬から豚、くらいだったらなんとなく想像が出来るが、ネズミ、牛、虎、兎、龍、蛇の流れはけっこう難しいような気がする。

 さっそくネットで検索してみたら「龍から蛇」は「イグアナから蛇」っていうがあった。爬虫類館で行われたのだろう。あと「蛇から馬」はヘビのぬいぐるみを使用した所があった。ぬいぐるみがアリなら、けっこう他のもできるよね。
 感心したのは、「龍からヘビ」の時に、ヘビは本物だったけど、龍は「辰年生まれで、名前にタツが付く子供」を公募したらしく、生後数ヶ月の赤ちゃんが龍役になっていた。そのくらいの赤ちゃんだと、ヘビを近づけても平然としていた。

 そういや、うちの母は多摩動物公園のライオンバスが大好きなので、孫のT君が動物園に行けるくらいの年になったらさっそく張り切って連れていったらしいが「Tちゃんにはまだ、ライオンが猛獣だって感覚がないので、イマイチだった」と言っていたっけ。

 それにしても、こうして「馬から羊は絵になるけど、他は?」って思ったら、あっさりと過去の事例を検索できるんだから、ほんとネット時代万歳である。
 ネットの無い時代だったら、そんなこと調べるのは膨大な時間と労力が必要だっただろう。


 話しは変わるが、精神科医kyupin先生のブログで、「ストレス耐性」ってエントリーがあった。
 頭のおかしい友人達からのメールばかり来るので(つーか、まともな友人からのメールはごく稀である)、ストレス解消に精神科医のブログばかり読んでいるのであった。

 前からなんとなく「自分より上の世代とは、育った環境がなんとなく近いように感じるが、10歳くらい下の世代になると、なんか明らかに違う感じがある」と思っていたが、私はそれを「上の世代は自分の親で慣れてるが、下の世代は自分に子供もいないし、慣れてないからだろう」と思っていたけど、やっぱなんか違うのかなあ?

 パっと思い当たるのは、私が20歳頃の大きな変化で、「冷房の普及」と「ビデオの普及」である。
 私が10代の頃には、冷房のある家は少なかったし、あっても「居間だけ」だった。
 エアコンが家中の部屋に設置されるようになったのって、私が成人して以降の事だったんじゃないかなあ?それまでは、子供の居室の暖房も電気ストーブなどの貧弱な物しか置いてなかったような気がする。

 それも今よりも夏の猛暑は酷くなかったけど、冷房ないから夜は寝苦しかったし、冬は今よりもっと寒かったので、子供の頃はいつも「しもやけ」に悩まされていた。

 今の30代の人達は、物心ついた時にはすでにエアコンが普及していたので、「私、体温調節が苦手なんです」って言う人が多いような気がする。

 それだけでも、少しの世代差で「気温の変化というストレスに耐える」という訓練を受けていないという差はけっこう大きいと思う。まさに温室育ちってやつですよね。

 「ビデオの普及」はそれほどの影響無いのかもしれないけど、「好きな番組はその時間にテレビの前にいないと見られない」っていうのは、今から考えると非常に大きな制約で、もっと大昔の話だが、ラジオドラマの「君の名は」が放送される時間は、銭湯の女湯が空いていたという逸話があるけど、うちの両親は大河ドラマをあまり観ない人たちであったが、ある時、来客があったのだが、「そろそろ失礼します」と言うので、「あら、もっとゆっくりしていけば」と言ったら「いえ、もう帰らないと大河ドラマが」と仰るので「見てる人は、毎週欠かさず見てるのねえ」と驚いたそうだ。

 あと、冷暖房もそうだが、「給湯システム」も進化したよね。
 私が子供の頃は、蛇口ひねるとお湯が出る家なんてなかった。
 台所用の給湯器は私が小学校の頃に一般的になったので、寒い冬は、台所で洗顔してました。
 それ以前は、ヤカンでお湯沸かしたのをタライに入れて洗顔してましたっけ。

 その過渡期には「朝は冷たい水で顔を洗ってシャキっとするのだ!」みたいな話よくあったような気がする。(その当時の老人たちが「イマドキの若いもんは!」みたいな感じで)

 いろいろ不便だったよなあ。もうあの時代に戻りたいとは思わない。

 ただ、今よりも不便だったから、いろいろ鍛えられたとは思う。

 この間、ふと思ったのだが、「アレルギーの人が多くなってて、学校給食のミスで死んだなんて事故もあるよなあ」って思って、「これって、現代病なんだろうか?」って思ったんだけど(悪文)、よくよく考えたら「蕎麦アレルギーで死んじゃうような小学生って、昔だったら、3歳くらいで死んでたな」と思いついた。

 昔は子供の死亡率高かったので、今の高齢者が元気なのは「そういう人が生き残ってるから」と言えなくもない。

 「今の若者は弱々しい」のではなく、「弱々しい個体でも生き残れる環境になった」と考えると、「ああ、そんな感じ」って納得してしまう。

 あとさ、団塊の世代が「オレたちが現役の頃はもっと忙しかった」とか言いますが、あの当時と今では仕事の質が全く違うんですよね。

 自分がやってる経理の仕事だと、私が20代前半のまだパソコンが普及してない時代って、経理ってひたすら電卓打ってる部署だったらしい。
 自分も実際、そういう時期ありましたから。

 それが、パソコンが普及して、経理ソフトが一般化したら、電卓いらなくなったんだよね。

 それまでは、「とにかく電卓が正確で速い」って人材が活躍していたんだけど、そういう人が不要になってしまった。

 それって、たぶん、他の業種でもそうで、例えばスーパーのレジ係なんかも、昔は電卓みたいに数字入力していたけど、いつのまにかバーコードをピっで、できるようになってしまったので「電卓の達人」の生きる場所が減った。

 そういう業種はもしかしたら、昔は発達障害とか自閉症系の人達が能力発揮して重宝されてた職種だったのかもしれないけど、今は機械がそれをやっちゃいますからねえ。

 営業の仕事でも、前に同世代の部長とそんな話になって、私はその頃、業界の事務職員でしたが、部長は自動車メーカーの子会社で営業職だったらしいが、「あの頃の提案書とかさあ、手作業で切り貼りしてたよなあ」って、やっとワープロ出てきた時代だったが、提案書の体裁は切り貼りするしかなかったようで、今よりもかなり工作度が高かったようです。

 パソコン普及前の会社の仕事って、ほんと手作業率高くて、頭よりも手を動かすことのほうが多かったと思う。

 誰の話だったか忘れたが、ある大企業では年賀状を大量に出すために、年末に学生バイトを雇って、ひたすら宛名書きをさせていたとか。

 なので、今の団塊の世代が20代だった頃と、今の20代ではやってる仕事の内容が全く違うので「今の若いやつらは甘えている」って言われてもね。甘いところも辛いところも、昔とは場所が違うってだけです。

 学校も違うよね。
 私の頃は体罰当たり前だったけど、私が通った小学校は若い教師がヒステリックに体罰やりまくっていたので、「きゃー、怖い」って思ったけど、他を知らないので「世間ってこんなもんか」と思っていた。

 中学校に進んだら、そんな理不尽な思いをすることがなくなって「ああ、ラクになった」と思っていたのだが、高校に進学したら、さらに緩くなったので、「年を経るごとに人生ラクになる」と思った。

 あの感覚はもしかしたら、私の祖父母の世代が「戦争で辛い思いをしたけど、下の世代には同じような思いをさせたくだい」って感じと似ていたのかも。

 なので、自分より若い世代が「夏は暑いし、冬は寒い!」ってブーブー言っているのを眺めているのは、けっこう幸せな光景なんだろう。

 そして、今ドキの若者も弱い個体はさっさと離脱してしまうが、強い個体は上司に堂々と「これ、絶対無理です」とか言ってるしね。

12月25日(木)

 出勤してみたら、マスオさんもK嬢もM嬢も休みなことに気がついた。

 思わず「欧米か?」って叫んじゃったぜ(笑)

 エビワカちゃんが「みんなクリスマスなのでデートなんでしょうか?」って言うので、「いや、火曜日はイベント仕事で、水曜日も全員出勤になってて、土曜日も出勤だから、今日しか休めないんでしょう。それに、自分のこの疲れ方を鑑みれば、デートする気力無し」と説明したら「ああ・・・」と納得していた。

 そして私が「部長は今日はどうするんだろう?昨日は夕方、元カノの話しを1時間くらいしてたからなあ」と言うと、みんな「だから?」って顔していたので、「ああいう話しが止まらない時は部長は非常に疲れてる。だって、正常な状態なら、あんな話し部下にするわけないじゃん」って言ったら「ああ、なるほど」

 そして、しばらくして部長が出勤してきたのだが、案の定、ほぼ無言で、むちゃ機嫌悪そうなので、私が言った通りであった。そりゃ、私だって同じくらい疲れてるんだからさ。

 ところで、イベント仕事の合間に部長が「取説のアンドロイドが出てくる車のCM」の話しをしたのだが、「取説とのび太が」と言うので「あれはのび太じゃありません」と言ったら「いや、だからのび太じゃなくて、えーと妻夫木くんだっけ?」と言うので「だから、あれは妻夫木くんじゃないって!」という不毛な言い合いになった。

 トヨタの「どらえもん実写版シリーズ」とごっちゃになっているのはわかるが、顔も雰囲気も全然違うだろうと思ったので「あれは長谷川博己です!私も最初よそ見しながら見た時は西島秀俊かと思っちゃいましたけど」と説明したのだが、部長に「長谷川博己」が通じなかったので「えーと、何に出ていた人って説明すればいいんだろう?」と考えたが、とっさに出てこなかった。

 なので、今日また蒸し返して「やっぱし、長谷川博己ってわかりません?」って言っても「わからない」と言っていたら、パート社員が「ああ、たしか家政婦のミタのお父さんだったっけ?」と言ってくれたのだが、それもわからないようなので「CMだったら、うなぎ犬と一緒にギター弾いてた」って説明したら、「ミヤノさん、すごい詳しいですね」って言われてしまった。

 そこまで説明しても、さらにネットで顔検索しても、エビワカちゃんなんて「あー、この人かあ、なんかピンと来ないなあ」って言うし・・・・

 とほほほ・・・・うちのフロア(3人はクリスマス休暇だったが)の長谷川博己認識率の低さに悲しくなってしまいましたとさ。

 まあ、私だって綾野剛とか長谷川博己は去年くらいにやっと認識したんだけどさ。
 どちらも最初見た時には「わー、爬虫類系すぎてイケメンに思えない」と思っていたんだけど、今では大ファンなんだけどさ。
 あの最初の違和感は剛力彩芽が出てきた時の違和感に似てましたね。剛力彩芽も最初の頃は「なんじゃこの、つのだじろうの漫画の登場人物みたいな子は?」って思ったんだけど、見慣れてきたら可愛いと思えるようになった。

 そういや昔、売れ始めた頃の堤真一も最初は違和感あったもんなあ。今じゃすっかり「いい男」として定着しているが、やっぱし普通のハンサムさんではない。

 そうそう、その長谷川博己と杏が次の月9らしく、久々にラブコメみたいです。

 それを知ったのが、大学の数学の先生のツイートだったっていうのが笑える。(主人公の杏ちゃんの設定が「東大数理学科大学院出て、政府の経済研究所でマクロ経済の専門家として働く超エリート女性」らしい。)

 予告編を観てみたら、長谷川博己が内野聖陽みたいだったが・・・・

 私は内野聖陽もけっこう好きなので、ま、いっか。(「不機嫌なジーン」はけっこう観ていたし)

 ともかく「長谷川博己のラブコメも観てみたい」とずっと思っていたので、楽しみにしております。

12月24日(水)

 クリスマス・イブなので、会社に業者さんからケーキの差し入れがあった。(毎年恒例)

 しかし、ホールケーキにしては箱のかさが高かったので箱を開けてみると、なんと二段ケーキだった。もしかしたら予約が無いとこれしか残っていなかったのかもしれない。
 だって、見るからに「これ、どうやって切り分ければいいの?」って感じだったから。

 私も年の瀬で忙しいので、あまりケーキ切りたくなかったが、他の人にやらせると「どうやって切ればいいの?何等分にすればいいの?」とワーワー煩いから、最初から私がやるつもりでいた。
 いざ切ろうとすると、やはり外野が「あれってどう切るの?」って言うので「知らん。やってみないとわからん」と無視。
 あれを美しく切るためには、そこそこの技術と、そこそこの道具が必要だろうけど、どっちも無いんだから最初から諦めていた。そして、出来ないことを平気で出来るのが私の長所である。って書くと「難しいことが出来てしまう」って意味になっちゃうか。
 最初から「これは絶対に上手くできなだろう」という案件があるが、それを上手くクリアするための技術も道具も無いし、それを手配するのも難しい場合があるが、それが人命がかかってるとかなら別だけど、そうじゃなければ平気で失敗できるわけです。

 この間の東京駅での記念スイカ発売の混乱みたいな仕事を例にしてみれば、最初から「あのー、整理人員がこれだけで、販売ブースがこれだけじゃ、絶対に無理です。超混乱しますよ?」ってわかっていたとしても、「人員はこれしかいないし、ブースもこれだけしか用意できない」と上から言われたら、しょーがないので「こんなの絶対に無理ですよ?」って一応言うけど、やってみたら案の定、行列が崩壊しても「ああ、やっぱりな」って思うだけで「どうやれば上手くできたのか?」ってことはあまり考えない。

 そういう時は上層部も最初から無理だってことわかってやっているので、後で「やっぱり無理でしたね」って言うと「やっぱり無理だったよね」って、「こだまでしょうか?」状態になる。
 もっとも、うちがやるイベントは多くても千人規模なので、「トイレが長蛇の列でクレームが!」って程度なので、失敗したとしても大したことないのである。

 そういや、前に「やっぱ無理だった」と思ったのは、ええと内容を別の物に例えると「1500人くらいの客を来た順番からバスに乗せる」という仕事だった。
 ただ、バスの停車場は二箇所に分かれており、早く到着した客から出発できるように、まずA駐車場に客を流し込み、そこに停めたバスが満席になったら100メートルほど離れたB駐車場に案内するというミッション。(と、書いてみたら「最初からABに分けて、埋まったバスから出発すればいいじゃん」と思ったが、この例では諸般の事情でそれができないこととする)

 駅から両駐車場の中間点に分岐点があるので、プロならそこで人数をカウントして、B駐車場への案内に切り替えるのだろうけど、うちの会社はそういう仕事のプロじゃないので、そういう技術のある人はいないし、カウンターも持っていなかった。

 私は最初から「これ、無理でしょ」と言っていたのだが、会場責任者は「大丈夫でしょう」と言うので、「いやー、たぶん無理だと思いますよ」となぜ難しいのか説明したんだけど、「いや、なんとかなるでしょう」と言うので、「まあ、別に、客が逆流するだけだからいいか」と本番当日を迎えたのだが、私の予想通りに、AからBへの切り替えるかなり前に客足のピークが来て、Aの入り口付近で「あと100人くらい!」ってわかった時点で、300人くらいの客が分岐点からAに向かっており、渋滞が起こっていたので、私はBの入り口の担当だったので、そこからBへ誘導したのだが、Aに入れなかった客が逆流しはじめたので、大混雑になってしまったが、私は「どれでもいいから好きなバスに乗ってください」と指示した。

 なので、どのバスも定員より少し少なく乗車していたけど、どうせ申し込み人数分の席はあるのだし、もしかして欠席者もいたので、バス1台分は余分だったのかもしれないけど、どっちにしろバス会社にはその分も払うんだから、いいじゃん、って話しであった。

 後で「やっぱり上手く行かなかった」と反省会が開かれていたが、だって、ちゃんとやるなら日本野鳥の会とか、初詣の参拝者数カウントなどができるような人材を分岐点に置かないと無理だし・・・・

 って話しが逸れたが、今日のケーキ入刀もそんな感じで最初から無理な案件だった。

 こんな二段重ねのケーキなんて、どう切るのがいいのか見当もつかない。
 ミヤノ家も昔ケーキを手作りしていた頃は、普通のスポンジの上にカステラでちょこんと二段目作ってみたりしたが、そういう中二階というかロフト・レベルではなかった。ほんとに2階建てレベルだったのである。

 しょうがないから、まず2分の一にしてみた。
 ほんとは、上段を外そうかと思ったんだけど、ホールのままでは外すのは難しそうだったから。(そういう道具が無いと、包丁だけでは無理)

 2階建のまま八等分くらいを切り取って皿に盛ったら、皿からはみ出たので、慌てて手で2階部分を切り離し、別の皿に盛った。
 この時点で、二段組ケーキの意味が全く無くなった。

 その後は、まず二階部分を四等分くらいにして取り分け、残った1階部分を切り分けていたら、なんとか形になったので、残り半分はその要領で、それなりに美しく分けることができた。

 私がズブズブと悲惨な状況でケーキを切り分けるのを同僚たちは非難することもなく、「あ、お皿足りないね」とあたふたと周りでフォローしてくれていました。
 あれはきっと「私だったらもっと上手くできたのに」って思う人が全くいなかったのでしょう。あれこれ言う人もいなかったし。

 「私失敗しませんから」が決め台詞のドクターXみたいに、私は無表情のまま淡々と大失敗したケーキの切り分けをこなしました。

 ケーキがぐちゃぐちゃになったって、別にどーでもいーし。それよりも、後半の半分は予想以上に上手く出来たことに満足しました。今後、二段ケーキ切ることがあったら、もう少しマシにやれると思う。まず、半分に切ってから、二階部分は多少ぐちゃっとなっても外したほうがいいようです。

 そういや、「ドクターX」のヒットの要因はいろんな人が分析してましたが、私が一番「ああ、なるほど」と思ったのは「西部劇の要素がある」っていう分析でした。
 混乱した村に流れ者の凄腕ガンマンがやってきて・・・って、ああ、なるほど。

 あと「日本人は失敗を恐れる人が多いので、『絶対に失敗しない』っていうキャラに憧れる」っていうのも「ああ、なるほど」って思った。

 (ちなみに私が前シリーズで2回くらい観た時の印象は「すげー、白い巨塔にブラック・ジャックを投入してるwww」でした)

 そんなことを思った後に、夕方の定時を過ぎて、部長が先日のイベント仕事の愚痴を言い始めた。
 部長はその会場の責任者だったのだが、えーと、これも喩え話だけど、「この商品がかなり売れているので、もっと品出しを早くしてくれ」と担当者に指示したらしい。要するに「多少、梱包が雑でもいいから早く出して」と言ったつもりなのだが、その担当者はマニュアルをきちっと守る真面目な人だったので、部長がそう指示しても梱包をいい加減にすることなく、きっちりやっていたので、部長はちょっとキーーーっとなってしまったという話し。

 だから、うちのイベント仕事は、その道のプロがやっているわけでもなく、普段は違う仕事をやっている社員の寄せ集めなので、けっこう個々の性格が浮き彫りになるのだが、私なんかは部長に「雑でもいいから早く」って言われると、部長の想定を下回る雑な作業してしまい「これじゃダメ!」って言われた経験があるので、「そういう曖昧な指示だとダメだから、部長自らやらないと」と言ったら「まあ、そうなんだけどねえ。でもさ・・・」と部長の愚痴がとまらないでいたら、横で傍受していたM嬢が「責任者によって指示は毎回違うし、いったいどうしたらいいんですか!」って急に攻め寄ってきた。

 いや、今回、部長とM嬢は別の会場にいたので、M嬢のことを非難したわけでもないのに?

 M嬢こそ「失敗したくない人」の代表格であり、だから常に失敗しないために、コツコツと細部に拘るし、だからちょっと完璧主義でウザいところもあるが、いい加減な私からしてみたら「おお、さすがM嬢」っていうことも多いので、私の中では「いい意味での典型的A型日本人」の見本みたいな人である。

 そして、M嬢としてもイベント仕事は本来の自分の仕事ではないし、毎回、配置される会場も責任者も違うので「ケース・バイ・ケース」を求められるので完璧主義者のM嬢としては非常にストレスのたまる仕事なのだろう。
 なので、部長が語る「今回のあの担当者がオレの意図をわかってくれなくて」って愚痴が、まるで自分のことを言われているように感じたらしく、「だったら、どうするのが正解なんですか?」っていきなり噛み付いてきたので、私も部長もびっくり。

 いや、M嬢とマインドが近い部長はびっくりもしてなかったのかも。

 すごい不思議な感じだったのだが、例えば、部長が「うちの嫁と姑の仲が悪いんだけど、嫁さんも、もう少しなんとかしてくれれば」って愚痴ったら、姑との関係に悩んでいるM嬢が「それのどこが悪いんですか!」って噛み付いてきたような感じでした。

部長「いや、だからうちの母はそんなのはいいからって言うのに、嫁さんが・・・」
M嬢「でも、いいからって放置していたら、それはそれでダメだって言われても」
部長「それはそうなんだけど、オレだって、それでいいって言ってるんだから」
M嬢「それで言いっていっておきながら、後でそうじゃなかったって言われるし」

 ・・・って感じの不毛な会話がしばらく展開されていた。
 M嬢が怒ると怖いが、なんで怒ってるかもよくわからないので、さらに怖い。

 「女の子らしくて可愛い」と評判のM嬢が30代後半になっても独身なのもよーくわかる。可愛い時と怒ってる時の落差が激しすぎる。そして、根底に流れているのが「私はちゃんと完璧にやろうとしているのに、あなたがちゃんとしてくれないから、私がちゃんとできないじゃない。いったい、どうすればいいいの?」なので、これはけっこう厄介だ。

 まあ、ワタクシ的には「Mさんって可愛いですよねー」っていう男は漏れ無くダメ男だという非常にわかりやすいリトマス紙になっているのですが。

 そういや、少し前に「検査入院します」ってメールを最後にしばらく途絶えていたN嬢であるが、退院したのかまたメールが来るようになった。

 検査入院?って思ったのだが、「うちの地域の病院は例の事件でまだ混乱してるらしい」とか書いていたので「ほんとに検査入院?」って思った。
 例の事件とは、数カ月前に世間を騒がせた殺人事件だが、あれで病院に影響与えたとは思えなかった。

 ただ、容疑者が精神鑑定受けるだろうとは思ったし、それよりも「人格障害」の疑いが強かったのだが、犯行前に精神科に通院したということでもないようだったので、「病院関係ナイじゃん?」と思ったので、そのままメールしたのだが、ホントに入院していたのか、しばらく返事なかったと思ったら、「でも、あの容疑者の親類は自殺したんだよ」と書いてあったので、「それはニュースで知ってますけど、もしかして、知り合い?」って返事したら、「母の知り合いだ」とのこと。

 それで「自分が行ってる病院は隣の自治体だから大丈夫だ」とか書いてあるけど、えーと、やっぱし精神病院なんですよね?

 たぶん、伯母さんが亡くなってまた状態が悪くなったのかな?
 なので、お母さんが「検査入院」と説得して入院したのかも。
 そして、彼女にとっては病院が異常な雰囲気に思えたので「ほら、あの事件があったから」ってことになってるのかも。

 なんか状態悪そうだなと思うのは、「あの事件のおかげで地元の病院が混乱してるけど、私が受診しているのはその隣の地域だから大丈夫」ってメールの最後に「H子ちゃんがダウントン品が、っていってるけど、確かに。ミヤノちゃんの好きな映画は。」

 とか、途切れ途切れの記述があったから。
 「品が」って品が無いとかってことだろうか?
 N嬢は前から「ダウントン・アビーが面白い」とメールしてきたので、そういうのをH嬢(N嬢の大学時代からの唯一の友人。私とも共通の友人であるがもう15年くらい会ってない)にもメールしていたんだろうね。

 で、けっこうじわじわ来るのは「ミヤノちゃんの好きな映画は」である。

 どうやらN嬢の中では、映画といえば私になっているようなのだが、だから一緒に映画観た記憶も無いし、そんなに映画の話しした記憶も無いんだけど、何か、彼女の中で「ミヤノさん=映画」になるようなエピソードがあったらしく(もしかしたら、N嬢が好きなレオス・カラックスを私が片っ端からこき下ろしたとか)、なんか食い下がってくるのだが・・・

 ああ、でも、N嬢の言う「あの事件の影響で、うち周辺の精神病院は混雑してます」(とは書いてないけど)っていうのも、よく考えれば、あの事件は「容疑者は人格障害があったのでは?」っていうのが話題になったので、「もしかしてうちの子も?」って心配になった不登校とか学習障害みたいな人たちが精神科に押しかけたので、あの地域の精神病院は混雑しているのかもれないなあ。

12月22日(月)

 この間、エビワカちゃんと「芸能人の離婚」の話しになって、私が武田久美子のことを思い出したので「アメリカでは離婚調停が大変らしい」とテレビの情報番組で仕入れた話しをしてみた。
 詳細は忘れたが、アメリカでは「協議離婚」っていう制度が無いらしく、日本だったらどっちかの条件が悪くても「お互い納得していればいい」っていうのがけっこう普通だけど、アメリカではたぶん、公平性が求められるので司法の元に徹底的に詳細を決めないと離婚できないようで、だから欧米人と結婚した芸能人の離婚手続きは長引いても普通だということらしかった。

 エビワカちゃんが「へー、大変なんですね」と言うので「たぶん、アメリカでは離婚が多いし、人種や文化も異なっているので、離婚手続きが発達しちゃったんだろう」とテキトーなこと言ったら「へー、アメリカって離婚が多いんですか?」って真顔で言われたので、びっくらした。

 うーむ、私が子供だった頃、「欧米では離婚率が高いが、いずれ日本もそうなるだろう」とよく言われていたが、日本でもかなり離婚率上がってきたので、もうそういう雰囲気ではないのだろうか?

●夫婦喧嘩疑似体験

 独身の私は離婚には無縁であるが、今の上司とは年が近いこともあって、時々夫婦げんかみたいなことになる。

 先日もこんなことがあった。

 震災直後の「大節電令」の時、親会社は接客業でもあるので「クールビズをいつもより邁進する」という方向に行ったが、当時の環境省みたいに「スーパー・クールビズでアロハおっけー!」みたいなノリにはさすがに乗れなかったし、なんだか知らないけど、どーしても開襟シャツは許せなかったようなので、「夏用の制服シャツ」を作った。

 制服と言っても全員に御仕着せになったわけでもなく、「希望者は購入してください」という、なんだか踏み絵状態ギリギリのシロモノだったが、その夏用制服シャツはアロハみたいな半袖開襟だったので、けっこう購入して着ている人も多かった。

 子会社のうちでは、顧客に触れる機会も少ないので、購入者はほとんどいなかったが、上司は「これを買わないと踏み絵が・・・」と思ったのか、数着を経費で購入していた。そして、親会社に行くときには着替えて着ていったりしていた。

 そのシャツがずっと、フロアの片隅の「上着やコート掛け」にぶら下がっており、邪魔に思っていたのだが、今年になってコートの時期になったら、ハンガーが足りなくなってきたので、3枚ほどかかっていたその夏用シャツを仕舞おうとしたら・・・・「うわ、これ洗濯もしてないんだよな」って状態だった。

 2年前までは部長が着ていることもあったが、今年は一度も着てないし、たまにしか羽織ってないにせよ、ずっとぶら下がっているのでホコリも被っていたけど、首や袖の部分が汗で茶色く変色していたのである。

 そのまま捨てようかと思ったが、一応、部長に「捨てますよ」と声をかけようと思い、部長の机の上にグチャっとわざと汚らしく置いておいたら、「うわ!これはなんだ!」と叫ぶので、「放置されててバッチくなっていたので・・・」と説明すると「洗えばいいじゃないか?」って誰が洗うのさ?

 「クリーニングに出せばきれいになるよ、ぜったい」と部長は言うが「私はそんなバッチいのクリーニング屋に持っていく勇気ありません」ときっぱり。つーか、まだ着るつもりだったらクリーニングする意味もあるけど、もう絶対に着ないでしょ?

 そしたら、親会社に出向しているAさんがこれを着ているから、彼にあげると言うので「どうぞ?」と放っていたら、翌日にAさんがこっちに着たので、部長が「これ、着ない?」と言うと「なにこれ?超汚いじゃん?つーか、オレが着てるのもけっこう黄ばんできたけどね」と言っていて、彼も自分が買ったものがダメになったらもういいや、と思っていたようで、「いらない」ときっぱり。

 しかし部長は「えー、もったいないから着なよ」としつこいので、私が「Aさんも要らないんなら、捨てますから」とシャシャリ出たら、「いや、だめだ、もったいない!」と捨てさせてくれないのだ。

 いや、だから部長が着るのなら全然構わないのだが、あんた、オシャレさんだから、こんなダサいの絶対に着ないでしょ?つーか、クールビズ邁進中でも上着が無いと落ち着かないし、どーしてもネクタイが無いと落ち着かないんだから・・・・

 で、部長はそのシャツを畳んで紙袋に入れて、自分の足元に置いてあるのだが、たぶん、あのまま、また2年くらい経過しそうである。

 そんなだったら黙って捨てていれば、部長はその存在を忘れていたのに・・・と、後悔したし、明らかに不要なモノなのに「もったいない!」と捨てさせてくれない部長に、私がもし妻だったら、大げんかになるところだったが、部下だから「好きにしてください」と引き下がった。

 独身でよかったとしみじみと思ったが、会社では「なんでも思い切って捨ててしまう」私なのに、自分の部屋は整理できずに年々ゴミ屋敷化しているので、捨てる捨てないで上司と夫婦げんかするより、もっと他にやることあるだろう、と本気で思う。

 そういや、金曜日に地方に出張した部長は土曜日の朝に「やっぱ泊まりになってしまった」と出勤してきたが、なぜか部長がハマっているドラマの話しになり「ドクターX」に出ている端役の子の元々のファンだったので、それで観ているのは知っていたが、私が「私はちょびっとしか観てないのですが、北大路欣也は結局何がやりたかったんですか?」って聞いてみたら、ガーーーーっとあらずじを説明され、わかったような、わかんないような、って感じだったが、その流れで「Nのために」の話しもされ、そっちが全く観てなかったのだが「ああ、配役が朝ドラ配役で・・・」(「花子とアン」の主人公の兄と幼馴染がメイン)と言ったら「ああ、そうだったんだ!」って知らなかったようだったが、その後、1時間にわたり、延々と「Nのために」のあらすじを語られた。

 部長はたまにそういう状態になるが、そういう「自分が興味のあることを全て詳細に語る」という様子がうちのママンと似ているので、そっちはわりと大丈夫です。

 自分がしたい話しだけ、ガーーーーーっと語るのは、けっこう大丈夫というか、けっこう好きだったりするのですが、どっちかというと苦手なのは、「オレって出来る営業マンなのさ」タイプの人の「客に話しをさせて、よりお近づきになろう」って手法が見え見えな時。

 営業マニュアルにあるのかもしれないけど、自分から「話しのタネ」をちょびっとだけ振ってみて「ミヤノさんはそういうことありませんか?」って振ってくるので、「ええ、まあ、なくもないかな」とか「なんで私がそんな自分語りをしないといけないんだ?」って思って、相手の顔見ながら重々しく語ると、相手はたいてい妙な笑顔で「うん、うん」って、オレってあなたの話しをいくらでも聞いてあげますよっていう気味の悪い笑顔を浮かべているのだ。

 あれ、嫌いなんだけどなあ。
 「なんで、売り込みに来たお前に、私のことを話さないといけないのだ?そっちが面白い話しでもしろよ」って思うのだが、部長とかうちのママンみたいな「自分のこと喋りたい」人には有効なのかもしれないし、私もそういうタイプだと思われているらしいけど、私は人見知りなんだよ、こう見えても。

 そして、自分の語りたいことはこうして日記さんにぼそぼそ語っていて満足しているんだから。


12月18日(木)

 昨日は休みだったので、また部屋に篭ってゴロゴロしていたので、ずっとテレビばかり観てしまったが、例の大韓航空の元副社長が検察に出頭したというニュースを何度も見たけど、ニュースショーはどこも「そんなに吊るし上げなくても・・・」という雰囲気だった。

 日本で同じような事件が起こったら、やっぱり同じように吊るしあげられると思うのですが・・・

 人の振りみて・・・っていうのが出来てないのは自分も同じなのかも・・・と謙虚なつもりもワタクシは一人で反省してしまいました。

 そういや、アメリカというかオバマ大統領がキューバとの国交正常化を目指すっていうニュースにはびっくらした。
 それよりも「カストロ議長」の映像に出てきた人が私の思っているカストロとかなり違っていたので「え?カストロってこんなだったっけ?老けてこんなになったの?」と戸惑ったが、私の知らない内に弟のカストロさんに代替わりしていたらしい。

 しかし、そのニュースでも簡単に「キューバとアメリカの確執の歴史」をお浚いしていたけど、キューバってアメリカにとって、日本と北朝鮮みたいな「お隣のならず者国家が怖い」って存在だったんだよなあ。

 しかし、去年から、グリエルとかアンダーソンとかキューバ代表野球選手が「国家的レンタル移籍」っぽい扱いで日本のプロ野球に来たので、「キューバも随分くだけてきたなあ。ってゆーか、アメリカに亡命されるよりはずっといんだろうけど」と思っていたが、あれも一つの布石だったのかもしれない。

 私もこの間のWBCの時には「チケット代は高いけど(7000円くらいだった?)、生キューバ選手を観られる機会は滅多にないから」と東京ドームに行ったけど、ほんといい選手ばかりで「楽天の選手を全部キューバ人に入れ替えてもいい」と思ったっけ。

 私はキューバにそれほど興味が無かったけど、何年か前に友人T嬢がキューバに旅行に行って、その話しを熱く語ってくれたのだが、それで初めて彼女が「ゲバラ・ファン」であることがわかり「そうだったんだ?」と驚いた。

 私の若い頃は(・・・って書くの憂鬱ですが)、シド・ヴィシャスと、チェ・ゲバラが周期的に「若者に人気のTシャツのプリント」になっていたのですが、最近そういうの流行らないね、そういえば。

 チャールズ・マンソンTシャツが流行った時もあって、「チャールズ・マンソンが何をやった人物だったのか、わかって着てるのかね?」っていう話しを友人とした記憶もある。

 ああいうパンク系なファッションって、また流行ることがあるのだろうか?
 モッズ系はたまに密かにリバイバルされてる感じがあるけど。

 ファッションと言えば、先日、エビワカちゃんがいつもアップにしていた髪を下ろして、ロン毛になり、ミニスカート(でもないけど、ひざ上の)にブーツ(じゃなくて長靴だったらしいけど。雨だったので)という組み合わせだったので「なんだか、アムラーを思い出す」と言ったら「ええええええ????」と爆笑していた。

 「全然違いますよ!」っていうから、「でも、雰囲気的にそんな感じ」と言ったら、フロアにいた他の人も「ああ、なんかわかる」と同意してくれたのだが、エビワカちゃんは「アムラーのブーツは厚底だった」と言うので、今度はこっちが「そうだったっけ?」

 エビワカちゃんもかつて、あの歩きにくい厚底ブーツを我慢して履いた経験があるようで、「あれって危ないですよね」と言うので「でも、あれこそ、周期的に流行するんだよね。たぶん、一番古いのって私よりも少し上の世代で、あの頃は、ロンドンブーツって言ったのよ」と言ったら、私と同世代のパート社員が盛大にケタケタと笑ってくれました。

 そしたら、エビワカちゃんは「ロンドンブーツ?」ってマジ知らないようだったので「そっか・・・ロンブーって言ったら、もはやお笑い芸人なんだ」って、遠い目になってしまいました。

 私が20代の頃の厚底ブームの時には年配の人たちは「これは、ロンドン・ブーツだ!」って騒いだが、「いえ、今はプラットフォーム・シューズって言います」ってことになっていた。

 厚底靴20年周期の法則で、1970年代と1990年代に大流行したが、数年前にもチョコっと流行ったような気がするけど、それほど目立ったブームじゃなかったようだけど、服の流行がここ20年くらい若者主導じゃなくなってるからなあ。

 私が記憶する「最後の若者だけのファッション」は20年くらい前の「シュミーズ・ドレス」の流行だったのでは?

 あれ?「シュミーズ・ドレス」で検索しても思ったような画像が出てこないので、当時は違う名称だったのかもしれないけど、要するに肩紐だけの心許ない感じのワンピースが流行して、当時は「あんな下着みたいな格好して満員列車に乗って、痴漢に遭ったって訴えてもさー」って論調があったと思う。

 若い女性のファッションは「オバサンが真似するようになったら流行の終焉」と言われていたが、あの下着みたいなワンピは、さすがにオバサンは着られなかった。

 その後、景気が悪くなり、若者が洋服に金かけられなくなったのか、最近のファストファッションは「オバサンの小太りな体型がごまかせる」というのが主流で、チュニックの流行が数年続き、「40代の母親と10代の娘が同じラインの服を着られる」というが当たり前になった。

 ほんと、ここ最近「若者の服装に中高年が顔をしかめる」ってこと、ほとんど無くなったよなあ。腰パンが最後か?その前までは、ガングロとかヤマンバとかいろいろあったけど。

 腰パンも今や希少種になっていると思う。エスカレータに乗ってて「お前のパンツなど見たくないのだが」と思うことがほとんど無くなった。

 と、話しは逸れまくったが、今の若者はチェ・ゲバラどころかカストロもよく知らないだろうけど、アメリカとキューバの国交正常化の動きが加速したら、テレビでももっと取り上げられるだろうから、またゲバラ・ブームが再燃したりするかなあ?

 「イスラム国」に刺激されちゃった若者が世界中でやらかしているので、ニーズはありそうだ。
 ただ、ファッションとしての流行だったら無害だけど、「革命」って本気でやると、ダサいことになりがちだからなあ。東洋だと「北朝鮮の金さんファミリー」みたいなことになりがちだ。
 日本だと、「日本赤軍」とか「よど号事件」とか、もっと記憶に新しいのはオウム真理教だったり。
 おシャレ度が低すぎる。

 うーん、だから私はあまりゲバラに詳しくないのだが、やっぱゲバラの強みは顔?

 うーん、でも一時期、民主党は「顔が命」って感じで、ルックスのいいオジサン揃えたけど・・・・・
 あそこも、いつのまにか海江田万里が党首になっていたが、海江田万里って私の世代だと「野末陳平のイケメンの弟子」っていうイメージが強すぎて・・・へー、野末陳平でググったら、82歳でご健在だったんだ。

 なまじっか若い頃の海江田万里が記憶に残っているので、今の劣化した姿を見るにつけ「ああ、自分だってそうだよなあ」って鏡観てがっかりするだけ、海江田万里を「党の顔」にするのは無理があったと思う。

 しかし、維新の橋下氏も、なんだか思うように結果出せてないし、かつてのテレビ番組共演者が羨ましがっていた「テレビ映りの良さ」も落ち着いて来ちゃっているので、あんま伸びしろないような気がする。

 でも、こういう状況で、小泉純一郎的ポテンシャルを持った人物が投下されたら、ガーっとオセロゲームになりそうな予感もある。
 小泉進次郎の存在は怖いけど、まだ若いというのが救いだけど、兄の孝太郎の存在もあり「平成の石原兄弟」になりうる土台はある。

 進次郎がうっかり首相になってしまうと「小泉純一郎と石原慎太郎を足して二で割ったような」政治家が登場する危険もあるけど、それを制御するのが公明党だっていうのもなんか受け入れがたいけど、私が期待するシナリオは、進次郎がイケイケで危ない方向に躍進したら、兄の孝太郎が捨て身で麻薬にでも溺れて、弟を失脚させたら、ステキだわ。


12月16日(火)

 会社帰りにスマホでネットを見ていたら、こんな記事を発見した。

 カープ女子聖地は「ドケチ経営」でできている 第1回 マツダスタジアム広島の魅力とは?

 東洋経済の金融・経済記者がプロ野球の本拠地を全て巡った記事であった。

 しかもその記者は、わりと私とスペックが近い。「52歳既婚で子供なし」とか「一応ライトなヤクルトファンを20年以上やっているので、比較の基準が神宮球場やヤクルトになりがち」とか「チームよりも選手個人への関心の方が強く、見たい選手は全球団にいる」とか「指向は判官贔屓でマニアック。人気球団よりも弱小球団、派手なスター選手よりも地味で守備がうまい選手が好き。従って大味な打撃戦よりも緊迫した投手戦の方が好き」とか「ゲームがよく見えない上に体力を使うので外野席での観戦はパス、といういわゆる根性なし」とか。

 私もうっかりプロ野球ファンに戻ってしまってから、数年かけてプロ野球本拠地を巡礼し、今は残すところ広島だけである。
 あ、でも甲子園では阪神戦観たことないのが、ちょっとダウトですけど・・・・

 というわけで、「同じくらいの中年女性目線から観たプロ野球球場評」ということで全部読んでみましたが、やっぱ、こういうのって個人差ありますね。

 いや要所はほとんど同じで、「神宮は設備はしょぼいけど、とにかく空いて快適。でも、カープファン多すぎ」とか「神戸ほっともっとはトイレ最悪だけど、グランドの美しさが素晴らしい。何度でも訪れたい」とか。

 でも、ネットでのチケット購入の比較とか、私にはどーでもいーことも書いてあるので(基本的に当日券狙い)そこは読み飛ばしたが、コインロッカーの利便性っていうも、私には不要な部分であった。遠征に出掛けても、持って邪魔になるような荷物持っていかないから。

 そして、最も「えー?そうなの?」って思ったのは「西武ドームの女子トイレ数は比較的少ない方」という記述であった。
 えー、充分あるし、松坂マネーで綺麗になってるし、私は首都圏では一番女子トイレがいいと思っているんだけどなあ、と思ったんだけど、そっか・・・・私はいつも空いてるビジター側しか利用しないんだよな。(後で、よくよく考えてみれば東京ドームのトイレが一番綺麗かも)

 結局「東京ドームは基本、日ハム戦しか行かない」って「自分に居心地がいい」というシチュエーションじゃないと球場に行かないので、私の体験は「12球団本拠地を公平に評価」っていうのとはほど遠いのである。

 この記事の筆者は、私の友人M嬢に似た、わりと神経質な人のようで、だから「混んでる球場だと隣人が嫌でも移動できないので、つい神宮みたいな空いてて移動できる球場が好き」というような事を書いていたが、私もその通りだと思う。
 だから私は指定席よりも自由席の方が好きだし、自由席がある球場の方が好きだし、指定席があっても席移り放題の緩い球場の方が好きだ。

 そして外野席も応援団が集まるエリアから外れると、けっこうゆっくり座ってられる場合が多い。
 最近はあんまし行ってないけど、神宮のライト側の外れの方とか「応援よりも酒重視のサラリーマン」が多く、私としては非常に落ち着く場所だった。

 外野席で意外な光景としては、西武ドームのビジター側の外野席(席は無いんだけど。人工芝が敷き詰めてある)のバックスクリーン寄りに赤ちゃん連れママが数人陣取っていたことがあった。
 ビジター応援団は数も少なく、中央に固まるので、隅っこは空いているのを知っているので、そこで赤ちゃんをブランケットの上に並べて寝かせて、ママ達はピクニック気分で楽しそうに喋っていた。
 「たしかに、この場所だと滅多にホームランも入らないからなあ」と思った。
 西武ドームならではの赤ちゃん連れの楽しみ方であろう。

 神宮もライト側のバックスクリーン寄りというかバックスクリーンの裏になってしまう場所は座席が置けないので、階段が広くなっているのだが、その緩い傾斜の階段が小さい子供たちの遊び場になっていたことがある。

 最初、そこで遊んでいた兄弟だか一緒に連れてこられた仲間なのか、二人くらいがそこでジャレてたのだが、試合観戦に飽きた(つーか、元々全く興味ない)お子様達が、だんだんそこに集結してきて勝手に遊び初めて、10人くらいがジャレあうプチ託児所みたいな様子になっていた。

 友人M嬢だったら「放し飼いにされてる」と怒っていただろうけど、私が少し迷惑に思ったのは、試合よりもお子様達のじゃれ合いを観察している方が面白くなってしまったことであった。
 そして、なんかケンカになったらしく、一人がビービー泣き叫んだら、その子を連れていた親集団もマメにチェックしていたらしく、すぐにその子の父親が飛んできて、抱き上げてあやしながら席に戻していた。

 東京に住んでいると、複数の球場に行くことが可能だが、東京ドームと神宮球場はあんなに距離が近くてもあらゆる意味で雰囲気が全然違うのも面白いけど、西武とロッテと横浜も客層が違っているのが興味深い。

 私がいつも驚くのが幕張のロッテの球場で、平日のナイトゲームなのに、小学生男子3人組などが子供だけでチケット売り場に並んでいるのをよく見かけるのである。
 中学生くらいだったらわかるけど、小学生だけでナイトゲームっていうのは珍しいと思う。というか、他では見たことがない。
 もしかしたら、外野応援席で仕事帰りのお父さんと合流するのかもしれないけど、幕張は球場から自転車圏内にマンションが多いので、自転車客の多さはもしかしたら日本一なのかもしれないが、小学生でも夜に塾に行くような感覚で友達同士で来ているのかもしれない。

 楽天の本拠地球場は、メジャー仕様で席種が多いのが特徴だが、テーブルがある座席の多さに驚いた。
 そして、そういう「ちょっと高めの座席」がけっこう埋まっているということにも。

 私の勝手な想像だが、仙台クラスの地方都市って、富裕層が金使って遊ぶところが限られているのではないか?
 歌舞伎も帝国劇場も劇団四季も無いもんねえ?

 逆にホークスの本拠地である福岡は「ここって同伴にちょうど良くないか?」って思った。
 中洲のホステスさんとボックス席で野球観戦して、試合終る前の9時くらいにタクシーで店に向かえばちょうど良さそう。(私は球場から中洲を通過して福岡駅まで歩いてしまった)

 札幌ドームはあまりにもジャニーズのコンサートっぽくて「同伴」って発想は起こらなかった。(距離的にも繁華街とは遠いし)

 さて、来年こそ広島に行ってみようかね?

12月15日(月)

 あー、超あせったーーーー

 風呂場の換気扇がキュンキュンと異音がするようになったので「ネジが緩んだか?」と思って、いったん外していたら、小さい部品が外れて落ちてしまった!
 そして、どうやらバランス釜の下に入り込んでしまったようだ。

 長めの定規であちこち突いてみたが、奥まで手が届かないので、部品が見つからなかった。

 どうしよう・・・・
 部品だけ手に入らないかな?

 いや、絶対無理でしょ?だって、20年以上経過してるよ?(私が入居した当時、すでに新品ではなかったので、下手すると30年以上経過しているかもしれない)

 うーむ、こうなったら換気扇ごと交換かあ、いくらくらいするのだろう?

 調べてみると換気扇自体は安いのだと5000円もしなかったのだが、取り付けはどうしよう・・・・
 でも、それも調べてみると、多少の手間で自分で出来てしまうらしい。

 でも、待てよ?浴室についてる換気扇なので、普通にコンセントが壁に無いけど、どういう配線になってるんだろう?
 でも、配線確認するためには、換気扇本体を外さないといけないなあ・・・でも、本体自体はわりといい加減にハマってるだけなのね・・・・と、何度も浴室に換気扇を確認しに行ったのだが(まあ、数歩の距離ですけど)そしたら、足元になにか光るものを発見!

 最初からそこに転がっていたのか、何度かバランス釜の下や浴槽との間をつついたからなのか、水道管(が変なところを通過しているのですが。後付の風呂なのか、かなり無理な感じの風呂場なのです)の影にいました!

 さっそくそれをはめてみたら、無事、換気扇が復活しました。

 よかった。別に換気扇回ってなくても風呂には入れるけど、冬はともかく夏とかカビだらけになってしまうだろうから。

 しかし、このボロい部屋もいよいよガタが来たかなあ。
 風呂釜もそろそろ限界だろうしなあ。

 でもさ、一番ガタが来てるのは自分なんだけどさ(笑)

 さて、昨日は選挙だったので一応投票には行きましたが、開票結果が思った通りだったので、「やっぱしね」としか言いようがありませんでした。

 うーん、次回に期待かな?
 現状だと、自民党は嫌いでも、他を応援する気にもならないって感じですから。

 ところでテレ朝の朝のニュースショーは「羽生君復活劇!」を延々とやっていて「こりゃ、選挙が無かったことになってるなwww」ととても微笑ましい感じでした。よかったね、グランプリ・ファイナルの放映権持ってて。

 昨日の夜は選挙特番ばかりだったので、またNHKオンデマンドで「世界ネコ歩き」とか「世界一入りにくい居酒屋」などを鑑賞していたのだが、そういえば、少し前に、ふと「父の詫び状」を発見して「おお、懐かしい」と観てみました。

 向田邦子原作、ジェームズ三木脚本、杉浦直樹主演です。
 1986年、私が20歳の時にドラマ化された。

 放送当時、観ていたのか記憶にないけど、うちの母は向田邦子大好きだったから、たぶん観たんじゃないかなあ?ああ、でも11月1日に放送ということだったので、20歳の頃の私は学祭の準備で家にいなかったかも。

 で、今さら観てみたら、ぶっ飛びました(笑)

 「戦前の父親」っていうが、こんなしょーもないものだったのか?ってことに。

 昭和の父親像というと「巨人の星」の星一徹などが思い浮かびますが、星一徹だって、あの頃だったから許されるキャラだけど、現存したら酷いDVオヤジですよねえ?
 まあ、昔はあそこまではいかなくても「あんな感じのお父さん」は珍しくなかったようですが、「父の詫び状」の父親役は、星一徹と漫画「ダメおやじ」を足して二で割ったようなキャラで、「ちっちぇえ男なのに家長として君臨している?」ってことが気味悪い。

 そして、たぶん、私が20歳の頃は、うちの両親は「ああ、昔ってこうだったよね」と懐かしく観ていたんでしょうし、私もそんなに違和感感じなかったのかもしれないけど、女性が働くのが当たり前になり、夫も「イクメン」とかいう時代になってから観てみると「なんじゃこりゃ?」って思いました。

 当時、このドラマを作ったスタッフは、これでも「古き良き時代」だと思っていたのかもしれない。
 でも、平成に入ってからの昭和を美化した描写と違うんですよね。

 「今は家族の絆が薄い。昭和の頃はもっと家族の絆は深かったし、人情があった」とか言いますが、「父の詫び状」の一家の一員になりたいと憧れる人は、もういないだろう。

 今だったら、あのドラマの父って、母子家庭で育って貧しいまま独身で・・・という境遇になりそうなのだが、時代の波に乗ったのと、本人の「ちっちぇー男ぶり」が会社で評価されて、ペコペコと世渡りしてそれなりに出世したけど、そのストレスを家族にぶつけまくったのだが、家族はじっと我慢したって話でした。

 今だったら娘はグレていたと思うのだが、当時は「グレる」という選択肢が無かっただけである。
 嫁だって今だったら、あんな旦那に我慢できなかったと思うが、当時は「そんなのフツーよー」って風潮だっただろうし、離婚したってその後どうやって生活するのか手段がないし、我慢するのが仕事です、って感じだったのだろう。

 「日本の家庭が崩壊した」とか言うけど、ありゃ普通崩壊するっしょ?

 「昭和の家庭」というのがどんだけの人の我慢と忍耐の上に成り立ってきたのか。

 そんで、今は「ブラック企業」とか言われているけど、昭和の企業がどんだけの人の我慢と忍耐の上に成り立ってきたのか?

 昭和の時代は「男子たるもの一家を構えるのが当たり前」だったし、「女子はそんな男子に使えるのが当たり前」だったので、そうやってきたのだが、私が成人した頃には「なんで、そうしなきゃいけないわけ?」って風向きになり、非婚率が上がったり、少子化になったりしてますけど、「男子たるもの、結婚して子供は5人くらいいて、その生計を維持するの超大変だけど、まあストレス溜まったら、家族を殴ってストレス発散してもよくてよ」っていう時代と「オレ、そういうのゼッテー無理」とか「あたし、そんなの耐えられない」って今の時代と、どっちがいいんだろう?

 時代によって「型」は変わっていくし、「型」が強かった時代のほうが、型にハマっていればよかったのかもしれない。
 現代社会は「型は押しつけないから、自分で考えてね。自己責任で」って感じなのかな?

 なので、戦前なら家長として君臨していたような人が、平成の世では「引き篭もり」として君臨しているのかもしれない。戦前の父親と平成の引き篭もりは、やってることは、けっこう同じだったりする。

 平成の引き篭もりのほうが、女性に迷惑かけてないだけマシかもしれない。(自分の母親には迷惑かけまくりだろうけど)
 「父の詫び状」の父は、母や妻や娘に自分の理想を強要していたから、けっこう迷惑だったから。
 あれだったら無害な二次元萌えの人のほうが、好感が持てる。


12月11日(木)

 昨日は日記に「研究テーマ」を明記したので、それで深層心理に書き込まれたようで、今日は朝夕の通勤列車で乗客の様子を観察してみた。

 しかし、やはり新聞読んでいる人が圧倒的に少ないのである。
 気がついたのは、スーツ着てない70歳前後の仕事を引退したおじいちゃん達は意外と新聞読んでいないということだ。何も持たずに、ただボンヤリと座っていることが多い。

 そんで、新聞読んでる数少ない人はバーンと広げることもなく、半分っていうか、本みたいに広げることなく、背表紙の(?)折り目に添って畳んでるっていうか、要するに「新聞の一面の横幅はキープ」っていうことで、肩幅以上の場所を占拠してなかった。

 そして、今日一日だけの観察であるが、スポーツ紙も夕刊紙も見つけられなかった!

 新聞をお行儀良く読んでいる人は日経か、大手一般紙だけだったのである。

 時代は変わったんだな・・・・
 そういや、電車内はそんな状態なのに、テレビは「今日の新聞の一面トップは!」なんて並べていたりして、最近の新聞の一番の収入はテレビのニュースショーへの記事提供なのでは?なーんて勘ぐってしまう。

 前にも日記に書いたが、うちの役員氏が「とこで、なんでうちの会社でとってる新聞は朝日、日経、産経なの?」って聞いてきたので「えー?そうした理由知りませんけど、私は日経は外せないとしても、朝日と産経っていうのは左右のバランスを取った面白いセレクトだなあって思ってました」と答えたら、「ああ、そういや、それに決めたのオレだった」と笑っていた。(当時の総務部長であった)

 その質問の意味は「なんで読売にしなかったんだっけ?」ということだったし、私も「なんで朝日と産経?」ってあの頃思ったんだけど「たぶん、そういう意図なんだろう」と思ったことを忘れてなかったのでした。

 で、その会話の意味を他の少し下の世代の社員が全く解っていないことに驚いたのである。
 彼らはたぶん、右と左という概念も薄いと思う。
 右翼の街宣車もあまり見かけなくなったし、日教組っていう言葉もあまり目立たなくなってるし、「社会党」の存在なんて、私ですら忘れそうになっているんだから、今の30代の「あまり社会情勢に関心が無い人達」に左右の概念を理解しろと言っても無理な話しだろう。

 そういや「アカ」って単語についても聞いてみたことがあるが、皆よくわかってなかった。

 そもそも、20歳くらいの時の自分に「私は未来から来ましたが、公明党が与党です」って言ったら、相当びっくりしただろうね。
 あと「日本の観光地は中国人ばっかりですよー」とかもね。

 まあでも、中国人観光客については、日本が世界の主要観光地をジャックしていた時に「いずれは中国がこうなるんだろうなあ?」って思っていたので「思った通りになった」という現象かも。

 今の日本が、かつての香港みたいな買い物天国になっているが、そのうち中国に有名ブランド店がじゃんじゃん進出するんだろうなあ。今の日本人が海外までブランド品買いあさりに行かなくなったみたいに。

 そして、たぶん中国人のマナーもだんだん向上して行くのだろう。

 日本だって、かつては農協ツアーみたいなのが世界中を荒らしまわったのですから。

 私はそれより下の世代ですが、海外旅行が一般的になって、パリのブランド店で日本人が買い漁るようになり、プライドの高い店員が実に不愉快そうに接客していたという話しはよく友人から聞きました。(私はそういうブランド店に足を踏み入れる勇気がなかったので)

 たぶん、今の銀座あたりでは「このバッグ、2個ちょうだい」とか言ってる中国人相手に笑顔で接客しつつも、影で「けっ」て悪態ついてる店員さんがいるんでしょうね。

 逆にそういう黒船襲来を商機にしてぼったくりまくった経営者もいるようで、もう5年以上前かなあ?社員旅行で韓国ツアーがあって、今の部長も韓国に行ったのですが、まだ韓流ブームが続いていた頃だったと思うので、日本人観光客も多かったはずな時期。

 自由日程の時、おじさん達数名でつるんで、ガイドブックに載ってるような有名役肉店にランチに入ったら、女将がジャーンと登場して、「えー、他の客はなんか普通のランチセット食べてるのに?」という中、勝手に高級そうな肉をオーダーして、女将自ら笑顔で焼いて振る舞い、結果、お会計がランチだっていうのに、一人1万円近かったという。

 部長は「あれは、すげー、ぼったくられた」と怒っていたけど、「あー、それ多分、先人たちが散々やらかした後だから」と私が言ったら「いや、オレらは真面目に普通にソウル観光してたぞ?」と言うが、だから「先人たち」って1980年代とか90年代くらいにソウル駐在してたサラリーマンのオジサン達のことだから。

 私が大学生だった90年頃に、若者にも韓国ブームが到来して、「皮製品とかソウルで買えば飛行機代差し引いてもお得」と当時ブームだった革ジャンとか革パンツを買い出しに出掛けていたのだ。

 たぶん、それ以前の韓国っていうのは、日本人駐在員のオジサンたちが荒らしまわっていたのだと思う。
 私はマスコミ界の片隅にいたけど、当時の韓国駐在員(●●新聞 ソウル支局長 とか ●●テレビ ソウル支局長などの)の豪遊ぶりはよく風の噂で耳にした。

 なので、ソウルの高級飲食店では、日本人のオッサンの団体客には、今も脊髄反射的に特別メニューを出してしまうのだろう。と想像できる。
 特に日本人のオッサンは見栄っ張りなのに小心者だから「いい酒持ってこい!」ってエバった後に「一番いい酒であるロマネ・コンティをご用意したので、お会計は80万円になります」って言われても「お・・・・おう!ロマネのくせに80万円とは安いな!」とかいう展開になるのをよくわかっていたのだろう。

 高級料理店に散財するだけでなく、女性を食うことも・・・

 東南アジア売春ツアーとか、けっこう話題になってましたからね。

 って、私はそういうこと、なんとなく覚えているのですが、「日本人はマナーがいい国民だ」とか当然のことのように言われると、なんだかなーって思うのですが・・・

 そういや、朝のニュースショーはこれと言って話題が無いようで(選挙関連はいろいろ制約があるし)「ノーベル賞受賞者密着」ばかりやってましたが、日本人受賞者はスウェーデン国王夫妻に近い、いい位置を与えられていたけど「だって、こんなに晩餐会のこと報道してくるの日本だけだろうからなあ」と思った。

 日本のメディアの取材に協力すれば、タダでスウェーデン観光情報も流してくれるので、いい宣伝だ、くらいに思われてるのではないかと思う。

 あれ見て「日本人研究者の業績が高く評価されているのだ!」と思う人がいるのか知らんが、私の友人C嬢(放射脳の人)なんかはマジでそう思ってそうだが、いつもC嬢に説教しているのだが、「水泳の北島が金メダルとったことなんて、世界の人はほとんど興味ないと思うよ?つーか、じゃあ、あなたはバタフライとか背泳ぎの金メダリストが誰だか知ってるの?」って話しで、「日本人がノーベル賞!」を喜ぶのはいいけど、じゃあ、物理学賞とかどこの国の誰が受賞したか知ってますか?って話し。

 ハルキさんがノーベル文学賞に選ばれなかったって話題も毎年やってるが、あーた、ノーベル文学賞受賞者の著作を読んだことあんのよかよ?って話し。
 せめて「百年の孤独」読んでから出直してください、って思う。

 逆に錦織君の今年の大活躍はマジ凄いと思った。
 テニスの場合、世界ランク10位以内に入るのがいかに凄いかわかっているし、その中に東洋人が入るのはいかに大変なことかもわかっているので、世界中のテニスファンが「マイケル・チャン以来?つーか、チャンがコーチなんだ、すげー」って思っていると確信している。

 もはや錦織君が何人でもいいのだ。東洋人が世界ランキングに絡むってことが重要。
 女子ではウィリアムズ姉妹が黄金期を迎えたが、男子ではアフリカ系が台頭してこないっていうのも、いろいろ難しいよな。

 で、私は中学生の頃からテニス鑑賞が好きだったので、あの世界はオリンピックみたいに「国別」な概念が全く無くて、「ボルグとマッケンロー」とか「アガシとサンプラス」みたいな個人と個人の戦いだったので、だから、テニスがオリンピック競技になった時に「え?」って思ったんだけどなあ。

 テニスにも国別競技のデビスカップっていうのが昔からあったけど、格としては低かったと思うんだけどな。グランドスラム大会に比べて。

 そして、やはり別格はウィンブルドンなのだが、テレビ的には「錦織選手にもぜひ、ウィンブルドンで優勝してほしいですよね」とか軽く言いやがるが、それって・・・ほんと超難しいというか、コーチのマイケル・チャンもウィンブルドンでは散々な成績だったような。

 私もテニスなんてほとんどやったことの無いシロートですけど、ウィンブルドンの難しさは「レンドルの悲哀」とか「ノボトナの涙」などでよく知っているので、たぶん「東洋人でのウィンブルドンの覇者」っていうのと「東洋人での初のアメリカ大統領」のどっちが難しいかと言ったら断然「東洋人でのウィンブルドンの覇者」なんだろう。

 たぶん・・・

 この私の予想を覆すようなことが起こったら未来において喜んで土下座いたします。


12月10日(水)

●研究テーマと研究の壁

 私は下り通勤なので、時間帯によっては電車でゆっくり座れるのだが、先日、残業した帰りに「あざみ野」で地下鉄降りて東急線に乗換える時、私が降りた電車に乗ってきて、ゆったり座っていた中年サラリーマンがいた。

 終点駅だから、そこで折り返しのため停車時間が長いから、しばらくすると東急線から吐出されてきた客でそこそこ埋まるはずだが、その時点では客はまばらだった。
 なのに、そのサラリーマン氏は誰も座っていない長いシートの真ん中にちょこんと座り、きちっと足を揃えて背筋を伸ばし、肘を畳んで顔の前に持ってきたスマホをじっと見つめていたのであった。

 両手でスマホ持っているので、まるで何かの小動物のようであったが(ひまわりの種を齧るハムちゃんとか)それで、ふと「あれ?」と思ったのである。

 そのサラリーマン氏の異常にお行儀の良い姿勢はさすがに珍しいけど、最近、足をバーンって広げたオヤジってあまり見ないような?

 それって、もしかして新聞広げないから?

 という仮説が思い浮かんだ。

 うーん、よく覚えてないけど、確かに足バーンで新聞バーンなおっさん見なくなったような・・・

 東急線沿線にある某有名体育大学の学生さんの中にはたまに、下り電車で空いているから、けっこう足バーン、デカいスポーツバックバーンって感じで、ふんぞり返ってスマホいじっている人がいるけど、逆にそういう人が悪目立ちするくらいない、他にそういう人が少なくなったってこと?

 元々、電車内で新聞や雑誌読む人の激減は感じていたが、本を読んでいる人は減ってないようだし、新聞や雑誌読んでた人たちがそのままケータイやスマホやゲーム機に移行しているだけのようだが、団塊世代のリタイヤの影響か、近年、ほんと新聞読んでる人を見かけなくなった。1車両にほんと、一人いるかいないかって感じなのだ。

 もちろん、上り通勤だと違うのかもしれないけど、でも、最後にけっこう新聞を車内で観たのって大震災直後のゲンダイとかが「メルトダウンだ!」と騒ぎ立ててる時で、あの頃は、うちの会社の団塊世代の非常勤役員氏も「大手新聞は嘘ばっかりだな。ゲンダイとかのほうがホントだぞ?」って言っていたので、「ああ、世間のオッサン達もそういうムードらしいっすね」と可愛くない返事していたのだが、いつのまにか夕刊紙を広げるオッサンも見かけなくなった。

 そんで仮説としては、「オッサンとは足をバーンって広げる生き物だと思っていたが、もしかして新聞がその行動を後押ししていたのではないか?」なのだが、新聞を広げて読むには横幅が必要なので、その場所を足でキープしていたのかもしれないし、新聞を広げる行為が、人間工学的というか生理的になんとなく足を広げさせてしまったのかもしれないのかもしれない?

 たしかに、自分でやってみると足をお行儀良く閉じたまま新聞広げるとバランスが悪い。

 逆にスマホを見ながら、足を広げようとすると、なんだか前屈みになってしまう。
 そういうや、若い男性でスマホのゲームに夢中になっている人は、よく前屈みになってるなあ。

 というわけで、「スマホの定着率と足おっぴろげ率は関連があるのか?」っていう研究テーマが与えられたので、車内で熱心にフィールドワークに励もうと思ったのであるが・・・・

 自分も電車の中ではスマホや文庫分に夢中なので、車内の他の客なんて全然観察しないのであった。ましては、オッサンなんて完全に不可視。

 すっかり研究のこと忘れてしまうのですが、今朝の通勤途中というか、会社の最寄り駅が近づいてきた時にやっと「研究テーマが」と思い出し、車内を見回してみたら、やっぱり足バーンしている人全然いない!
 いや、いた。
 一人だけいた。
 で、でも、その人、スマホも新聞も持ってなくて、バーンと足広げて腕組んで寝てました。
 服装もスーツじゃなかったし、ちょっとカタギじゃない雰囲気でした。

 というわけで、この研究はちゃんと続くのか、全然自信がありません。

●育成選手Hさんの憂鬱

 ほんとにHさんってば「真面目でいい人」と誰もが言うし、私もそう思うのだが、仕事頼む側としては「え?えええええ?」っていう、ド天然をたまにやらかすので「この、真面目ないい人に対してイラっとしてしまった自分」を責めてしまうことになるので、私はなんとなく「あまり積極的に絡まない」という安全策に逃げております。

 ただ、Hさんがほぼ暇であることに心を痛めているのが私だけでなく、マスオさんも気がついてるらしく、マスオさんのほうが多少難しい仕事もHさんにお願いしているから偉いと思う。
 まあ、わかってやってるのか、なんとなくそうしているのかはわからないけど。

 元々はエビワカちゃんにお願いしていた入力などをHさんにやってもらって、エビワカちゃんにチェックしてもらってるようだが、ほとんどエビワカちゃんが修正しているような入力もあり、エビワカちゃんとしては「びみょー」って所なのかもしれない。

 もう一歩、私の勝手な想像で踏み込んでみると、マスオさんは弟さんが数年前の事故で「軽度の障害」を抱えたようで、あまり詳しく話さないからそれ以上はわからないんだけど、身内にそういう人がいるから「障害者雇用」に関しても少し思うところがあるのかもしれない。
 そして、エビワカちゃんも、小学生の長女が「もしかして学習障害?」って疑いがあるので、現在はグレーゾーンとして「学習支援教室」にいるみたいで、(昔で言うところの特殊学級のことらしい)いろいろ悩ましい時期なのである。

 さて、この時期、マスオさんがHさんに毎年お願いしている仕事がある。
 それは、あるパーティーの出欠確認のハガキが戻ってくるので、その出欠チェックである。

 そして、その返信ハガキのピークも超えたので、主催者としては、現時点での出席者数や「出席するはずの人が返信をよこさないので電話で確認」などをするので、明日、別会社の幹事さんとその打ち合わせをする予定だった。(幹事はその人で、うちは事務方って雰囲気。要するに町内会の役員みたいなもん)

 そして、マスオさんの予定としては打ち合わせの前にその幹事さんに「現時点での出席者リスト」を事前にデータで送っておきたいと思ったらしく、昨日からHさんに「明日、いったんまとめますけど、チェック表はどこまでいってます?」って確認していた。

 Hさんは「今日までの分は入力終わってます」っていう意味のことを返事していたと思う。

 なぜなら、私はHさんに「来週の火曜日くらいまででお願い」という毎月ルーティンな仕事をお願いしようと思っていたが、マスオさんの依頼している仕事がけっこう分量が多そうだったので「あっちが一段落つくまで待とう」と思っていたのである。

 今日の昼ごろ、マスオさんは「あの返信ハガキって今日も来ましたか?」って確認したら、Hさんが「えーと、10枚から20枚はあったと思います」と言っていたので「ああ、そんなもんか」と思って、午後になって「この入力よろしく」と私が依頼している仕事を渡した。

 ところが今日の午後3時前にマスオさんが「あのデータ、今日の分も入力終わりました?」と聞いたら、Hさんは「え?終わってませんよ?」

 マスオさんは、4時に幹事に送信するつもりで、「そろそろチェックしようかな」と思っていたらしいのだが、まさかの「え?終わってませんよ?」にびっくりしていた。
 「え?昨日確認した時は、昨日までの分は終わったって言ってたじゃないですか?」
 「いえ?終わってませんよ?」

 「え?でも、終わったって言ってたじゃないですか?」
 「いえ?終わってませんよ?」

 マスオさんはこれ以上、無駄な問答しててもしょうがないと断念して「じゃあ、残ってるハガキはオレがやります」と言うと、Hさんは「ああ、なんかすいません」と言っていたけど、彼も何が起こったのかよくわかってないんだろうなあ。

 マスオさんに非は無いと思う。
 私もHさんのその入力はほぼ終わったと理解していたのだから。

 ただ、Hさんはマスオさんがなぜ何度も進捗を確認するのか全然わかってなかったので、マスオさんがもう少し丁寧に「明日、出席者人数を仮集計します」と説明していれば、Hさんも「まだ、そこまでは終わってません」って気がついたのかもしれない。

 なんでそういうことになるのか、私にもさっぱりわからないが、Hさんはたまにそういう「え?」な状態になることがあり、普段は「真面目でちゃんとやるし、こんなこといちいち確認してきてウゼーってくらい確認してくる」のに、一番大事なはずのことを全く確認せずに、自分の思い込みでやってしまうのだ。

 で、Hさんは本当はどうだかわからないけど、そういう重大なミスをした時のほうが、けっこう平然と「え?終わってませんけど?」って感じで、あまり気にしてないような雰囲気なのも、こっちをイラっとさせるのである。

 「真面目でいい人」って、けっこう最終兵器なんだよね。

 Hさんの前任者だったたS氏は、今は親会社に栄転になっているが、彼は「いい人」のH氏と違って、歴然と「性格が悪い人」だったので、あっちではいろいろトラブル起こしているらしい。

 で、親会社の方は自分の方がラクしようとして「Hさんとチェンジしたいなあ」って酒の席などで言われるのだが、私は実は性悪なSさんのほうがやりやすかったので、親会社のためを思って「Hさんは、いい人なだけに、イラっとすると自分に返ってきますよ」と本当のことを言ってあげてるのだが、「いい人なんだから、いいに決まってるじゃん」って思うようで、そう言うんならチェンジしてもいいんだけどさ。

 親会社の人たち、ワガママだから、Sさんのこともチヤホヤしたあげくに、頭に乗っちゃったら「あの人、ちょっと」って持て余してるので「うちでは、誰も障害者だからってチヤホヤしなかったので、もっと大人しかったんですよ?」としか言いようがないけど、またHさんを送り込んだら、「いい人」なだけにチヤホヤしたあげくのダークサイド出現状態は、Sさん以上のダークさを私は予感しているのだが。

 Sさんは多分、障害者の世界でも「あいつは性格が悪い」と認定されるっぽいけど、Hさんの方はその世界でも「いい人」路線をまっしぐらなので、隠しているダークサイドの深さが違うと思うのだ。

 たぶん、S氏は自分の頭の悪さを自覚しているというか、前に飲み会でも「オレ、勉強嫌だったから養護学校に進学したけど、養護学校では扱いに困っていた」と言っていた。

 そりゃそうだろう。
 あの当時、バリアフリーじゃなかったので、知能は普通でも車いすの生徒は泣く泣く養護学校に進学したのかしれなけど、Sさんは「一人で階段登れる」レベルなので、養護学校としては「おめー、ここに何しに来た?」って感じだったでしょう。

 Sさんが他の生徒のように普通に履修できないのは、体育とか音楽とか美術とか、あと化学の実験は自分だけでは出来なかったのかもしれないけど、そんなもんだったでしょう。

 Sさんは自分で語っていたが、そういう状態で養護学校の高校レベルに進んでみたら、「頭は正常だけど身体障害抱えてます」クラスは「勉強だけは健常者にゼッテー負けない」という雰囲気で、Sさんは、しょーがないから知的障害者クラスでぬくぬくとやっていたようです。

 Hさんが、なんで中学高校レベルまで養護学校にいたのかは不明だが、Sさんとは別の意味で頭悪かったからなんですけね?
 Hさんの世界観がイマイチよくわかりません。
 私やマスオさんは、Hさんに仕事割り振ることが多いので、Hさんにとっては「エサくれる親鳥」のような存在みたいなのですが、その親を裏切るようなミスしても、平然としてるしなあ。
12月9日(火)

 今日は世界が少しだけ明るくなった。

 風邪の症状がかなり緩和したこともあるし、仕事も一山超えたから。

 しかし他部署のT氏は先週から毎日のように総務部に所用で現れるが、日にちが全く経過してないようなゲッホゲッホゼーゼー状態なので、毎日「あれ?デ・ジャブ?」って思う。

 「今日も調子最悪ですね」と声掛けたら「おお」と低く呟いてゲホゲホしながら去っていった。Tさんに幸あれ。

 そのTさん、夕方になったら総務部にある常備薬箱から絆創膏を取り出して、マスオさんに「すまんが貼ってくれ」とお願いしていた。

 自分じゃ貼りにくい場所なのかな?と思ってボヤーっと眺めていたら、なんとTさんの喉仏付近が患部だったのである。

 想像してください。

 マスオさんは身長180センチ超えの顔はワイルド系。私は以前「ドイツ代表のバラックに似ている」と評したこともある。

 そしてそのマスオさんより背はやや低いが、もうすっかり40代のオッサンだけど、20代の頃のT氏を初めて観た時に私は「まあ、ギリシア神話に登場する美青年みたい」とマジで思ったくらいの美青年だったのだ。
 浅黒い肌に彫りの深い顔立ちで、黒曜石の瞳には長い睫毛が深い影を落としている系の。
 系統として、パっと思い浮かぶのはキアヌ・リーブスとか要潤かな?要潤をもっと濃くして、もう少しガッチリさせた感じが近いかも。

 その二人が立ったまま、T氏が喉笛を差し出して、マスオさんが絆創膏持ってそれを見下ろし「この辺ですね?」ってやっているのは、凄まじいまでの腐女子受けする画でした。

 「ちょwww 傍から見ると、すごい光景なんですけどwww」と大きな声で突っ込んだのだが、本人達は全くそういう意識がないので私の戯言なんて完全無視だったので「カミソリ負けが出血しちゃったんですか?」と普通の質問してみたら「いや、ニキビ掻いちゃって」とのお返事でした。

 体調悪いから変な場所に吹き出物できて、うっかり掻いたら周囲の人から「首から血が・・・」って心配されたんで慌てて絆創膏を取りに来たけど、鏡見て貼るも面倒だから、マスオさんにお願いしたようです。
 女子に頼むのも恥ずかしいというか、セクハラまがいになると思ったのでしょうね。T氏には思春期のお嬢さんがいるし。

 ・・・って、セクハラ気質と「娘がいるかいないか」っていうのはあまり関係なかったな。
 そういや、今の職場周辺ではセクハラ問題って聞かないなあ。
 あんましニュースでも耳にしなくなったような・・・・
 世間的にもトレンドはパワハラとかブラック企業なんだろうか?


12月8日(月)

 ほんと、風邪治らないなあ。

 エビワカちゃんは咳が酷いタイプの風邪で週末に医者に行ったら「この程度の風邪にしては、一週間分の薬処方された」と言っていた。医者も「今年の風邪は長引く」ってことをわかっているのかもって話し。

 そんで、風邪でドンヨリしているのと、月曜日でどんよりしているのと、仕事が忙しくてどんよりしているのが累積して、今朝は久々に「かなーりな鬱状態」で出勤した。

 そういう状態の時って部屋の照明が暗く感じるんだよなあ。

 昨日は「風邪だから外出やめよう」と引きこもってしまったので、余計に悪循環って感じである。

 しかも、9時くらいに眠たくなったので、テレビでやっていた「霧の旗」(松本清張シリーズ)を流しながら寝ていたのだが、「あれ?主人公の弟って知的障害者だったっけ?」と出だしで思っていたのだが、あんまちゃんと観た記憶もなかったので(何度も映画化やドラマ化されているけど)、そのままうつらうつらしていたら、なんか後半になって目が覚めてしまい、堀北まいちゃんが椎名桔平に激しい恨みをブツけていたのだが、えーと、こんな怖い話だったんだっけ?
 山口百恵と三浦友和もやっていたのに?

 原作も読んでいないので、よくわからんが、「霧の旗」って映像化されるたびにいろいろ細かい設定が変化するようだ。
 松本清張のサスペンスは、古典的推理小説的な雰囲気があるのに(トリックを見破るとかそいういうとこが)、人間模様の要素が強いので、子供の頃(中学生とか高校生くらい)の時にはイマイチ掴みどころがなかったけど、大人になってから観てみると、けっこうジワジワと怖いんだよなあ。

 というわけで、怖い堀北まいちゃんですっかり目が覚めてしまい、その後、NHKでダウントン・アビーもしっかり観てからもまだ眠れず、浅い眠りのまま朝を迎えたので、そりゃ風邪治るわけないよな(笑)

 ふと、思い出したが、前に勤めていたテレビドラマ制作会社でも松本清張モノを作ったことがあった。
 その時に、プロデューサーは観たこともないほど真剣にあれこれ考えていて、独り言のように私ら事務職の女性たちにも「こういうのってわかるか?」とリサーチしていた。

 あれは何の話しだったっけなあ?歳の差結婚して、年老いた夫に使えていた美人若妻が、若い男(出入りの酒屋とか?)と恋に落ち、老夫を自然死に見せかけて殺害したとか、そういう話しだったっけ?

 で、20代だった私らに「おまえら、こういう心境わかるか?」って言われても、全然わかりませんでした。普通は夫を捨てて駆け落ちすればいいだけじゃん?

 でも、簡単にそうは出来ない、なにかジトっとした設定を松本清張は作るので、なんかヤーな感じがしたな。

 直近で「松本清張、なんかヤーだな」と思ったのはネットで調べてみたら2002年のドラマ「張込み」だった。

 うる覚えだけど、田辺誠一君が強盗事件の主犯で逃亡しているので、刑事たちはそれぞれ容疑者が立ち寄りそうな所を張込みする。
 なので主役は「容疑者が来る確率の低いところで、じっと張込みする刑事」なのだが、その刑事らが監視する相手は、容疑者の幼なじみの女性で、美人だけど足が不自由なため、あまり条件が良くない家に嫁いだという設定。

 鶴田真由がそんな薄幸の女性を淡々と演じていた。

 エアコンも無い時代、刑事たちは鶴田真由がいる家を覗ける近隣のアパートでじっと張り込むのだが、彼らのその辛い状況(この場でどんな辛い思いをしても犯人検挙に繋がる確率はほとんどないけど命令だからしょーがない)を上回るほど、鶴田真由は地獄のような「お舅さんの介護」を続けているのだ。

 鶴田真由は寝たきりの舅に捕らわれてほとんど自由の無い生活を送っているが、それを監視している刑事達にも自由がない。
 そんな状況で膠着していたら、ある日、鶴田真由がいつもと微妙に違う様子で外出したことに刑事が気が付き(腕時計してたとか、そんな些細なことだった)「これは、やはり容疑者と会うのか?」って後半になってドタバタと動いたけど、前半の「義父の介護している薄幸な嫁を見守る刑事」っていうのがずっと続いていて、その単調さに気が遠くなったのである。

 松本清張は、なんだかイラっとさせる作家だったよなあ。

 渡辺淳一と並べてみると「モテ系、非モテ系」って感じになるのも今さらながら興味深い。

 ただ、松本清張の設定って、今だと「放送禁止用語」もいっぱいあるけど、そういう細かい設定を調整すると、今の時代でも「超こわいんですけど」になりうるわけで、「耳なし芳一」くらいの破壊力あるようで、今の時代、まだ松本清張ドラマを作る意味というか意義はあるのかもしれない。
12月7日(日)

 朝ドラ「マッサン」は視聴率20%切ったりとか「やや低調」と報道されているようだ。

 あと、ネットでの意見は「展開が緩すぎる」とか「マッサンがダメすぎる」っていうのが多いらしい。

 って私もネットでの評価はチェックしてないので(もはやヤフーのテレビ評の掲示板は心の病を抱えているような人しか集まらなくなっているようだし)他人の評価はよくわからんが、私は楽しく毎日見てるんですけどねー。

 「ごちそうさん」以来「大阪制作面白いじゃん」と気が付き、名作と名高い「カーネーション」をNHKオンデマンドで全部見て「いや、マジ名作」と感激したので、すっかりBKファン(NHK東京はAKらしい)になっているのです。

 それに「花子とアン」が全然面白いと思えなかったので・・・・

 「マッサン」は夫婦のダブル主演であるが、初の外国人ヒロインであるエリー役の役者さんがとにかく芸達者で、あれにハマった人はけっこう多いと思う。
 そしてマッサンは今のところドン臭いけど、そういう構成になっているのだろう。モデルとなった竹鶴さんもあんな人だったという史実があるのかもしれないけど。

 大阪制作の朝ドラの魅力は「無名の役者が演じる脇役をきっちり描くところ」だと思う。
 「ごちそうさん」では、ムロツヨシとか山中崇がそれで全国区に羽ばたいた。

 「マッサン」の場合には、割りと脇役に有名な役者使ってるとは思うけど、居酒屋の主人とか、大工の職人とか、ウィスキー造りに欠かせないポットを作った銅職人などが「知らない役者さんだけど魅力的」ってことに今のところなっているようです。

 あと、脇役の使い回しというか、「カーネーション」にも「ごちそうさん」にも「マッサン」にも出てくるちょい役の役者さんがいるので、そういうのも面白いんだけどな。

 たしかに「マッサン」はなかなかウィスキー造りに入らなかったので、「展開が遅い」と思った人も多いと思うけど、前半でじっくりキャラ設定を固めた感じがするので、私は「伏線張りまくったな」って好感持ってるんですけどね。

 派手さはないけど、じっくりと詰めていく感じのいい脚本だと思います。
 こんな緩い展開って、民放じゃ絶対できないことなので、脚本家がいい意味で遊んでる感があるし。

 やっとサントリーの山崎工場が出来たところですが、来年になるとサントリーを辞めて、ニッカとして北海道余市になるんですかね?

 どうやらニシンの網元なども登場するようなので個人的には楽しみにしています。

 私は行ったことないのですが、うちの母が小樽を観光した時に「ニシン御殿」を観て、その豪華さにノックアウトされていました。
 その後、私は高村薫の「晴子情歌」でニシン漁の描写を読み「わー、こんなだったんだ」と感激。高村薫は取材の鬼なので、自分の想像だけでああいう描写は書かないから、情景描写などはほぼノンフィクションだと信じているから。(巻末には取材した老人の名前が多数列記されてるし)

 そっか「晴子情歌」の続編ももう完結したのかね?
 第二部だった「新リア王」とかウィキペディアでは「初出:『日本経済新聞』2003年3月1日号 - 2004年10月31日号・作品未完のまま打切り、単行本刊行時に加筆)」ってなってて、高村薫らしいなあ、って微笑んでしまいましたが。

 ほんと後から直す人だからなあ。
 「マークスの山」とか文庫版読んでみたら全然雰囲気違ったので、「私の記憶が間違ってるのか?」って図書館でハードカバーの借りて読みなおしてみたら「ほーら、全然違うし」とホっとしましたっけ。


12月6日(土)

 出勤。

 それにしても、風邪はピークを過ぎたようだが、しぶとく症状は残っているし、今日みたいに寒いと「熱出たかな?」ってくらいに悪寒感じたりしてしまう。
 月曜日から発症したのだが、こんなにバッチリと一週間調子悪いのも久しぶりだ。

 日記に書いておこうとして忘れたが、一昨日くらいに変な夢見たんだよね。

 なんだでだか知らんが、俳優の矢嶋智人と付き合っていた。

 目が覚めた後に「すげー渋いセレクションだな」と思っていたのだが、朝ドラ「マッサン」つけたら「ああ、そっか、これに出ていたか」と納得。

 それで、なんでだか知らんが二人でラブホらしき部屋にいたのだが、ラブホの割にはスイートルームくらい広かったんだけど、二人でいちゃいちゃしていたら、他人(知らない人)が乱入してきて「ここは、私達が先に予約した部屋だ!」と主張。

 「ああ、台無し」と騒動が治まるのを静観していたら、トイレに行きたくなったのでトイレを探したのだが、押入れの上の段にトイレがあり、階段もハシゴも無いので「どーやってよじ登るんだ?」と戸惑ったし、トイレの洋式便器の周りにはゴチャゴチャと物が置かれていたので「ここじゃ無理」と思っていたら、廊下の先に洋式のバスルームみたいなのが見つかり「ああ、ここにもトイレあった」とホっとしたのだが、まともな仕切りもなく、シャワーカーテンで仕切られたトイレがあった。

 私は尿意を抱えながら夢を観ると「ありえないトイレ」の夢をよく見るのである。他の人もそうなんだろうか?

 さて、あまりにも開放的なトイレに唖然としながらも、向こうの部屋では「ここは自分らの部屋だ!」と暴れる客をホテルの従業員がなだめている状態だったので「ま、いっか」と座って用を足そうとしたら、シャワーカーテンが開かれた。

 おい、おい、困るなあ・・・・と思ったら、シャワーカーテンを開いた人に見覚えがあり、「あれ?誰だっけ?」と一瞬フリーズしたのだが、なんと、数年前に亡くなったK役員氏であった。

 夢の中ながら、「あ、見えてはいけないものが見えたしまった」と思った。
 でも、K氏は普通に私に話しかけてくるので「自分が死んでることに気がついてないんだな」と気が付き、極めて冷静に相手していたのだが、でもトイレの中なんだけど(笑)

 そして、K氏は、騒いでる客の方を指さし「オレ、あの騒いでる客に保険の勧誘してもいい?」って言うので「どーぞー?」と言った。あの人にあなたが見えるのかなあ?
 そして、私に背を向けたK氏のYシャツ着た背中は血が滲んでおり、「おお、さすが死人」と感心したけど、後で思い出してみると、別にK氏は刺殺されたわけじゃないんですけど(笑)

 つーか、保険の勧誘って何よ??????

 夢ってほんとシュールすぎる。

 で、次に覚えているのは、ホテルから出た(騒動がどう収束したのかは覚えてないが、なんかうんざりしたので外出したような雰囲気)私と矢嶋君は、レコード屋を冷やかしていたのだが、そしたら、私の好きなアーティストが来日するという張り紙があった。たぶん、ジェイミー・カラムだったのだと思う。

 11月に六本木のビルボードでライブやっていたが「えー、1万円以上するの?」ってパスしたのだが、「わー、また来るんだ」と喜んだのだが、どうやら今回のは2万円だった。

 しかも外タレの来日公演って、普通は「東京、大阪、福岡」くらいじゃないですか。
 あと名古屋とかも入るのかな?

 ところが夢の中のジェイミー君の日本ツアーは「水戸」くらいしか知ってる地名が無かったのです。
 「他の地名は聞いたことないぞ?」と戸惑っていたら、レコード屋店主が「今回は特別なツアーで地方の温泉旅館の広間とかでやるんです」と説明してくれた。だから、「ぴあ」などではチケットを扱っていないので、こういう通が集まるレコード屋がチケットを売っているようだ。

 「えー、それだったら高くても行きたいよねー、でも水戸は遠いなあ?どうする?」って矢嶋君と相談していたら、そこに「よお、久しぶりだね」ってフミヤが現れた。

 かつて福山雅治を夢に登場させた実績のある私だが、今度は藤井フミヤですか・・・・

 フミヤが出てきちゃったよ、と夢の中の自分も超冷静だった。
 どうリアクションしていいのか困っていた。
 どうやら矢嶋君と仲がいいようで、「ああ、オレもこのライブ行きたいんだよねー」とかフミヤが言い、「じゃあ、どこでもいいから一緒に行こうよ、これチケット代」と2万円置いて去っていった。

 「どこでもいいから」ってスケジュールの都合とか無いですか?

 そして、なんで私がフミヤと一緒にジェイミーのライブ観に行かなくちゃいけないわけ?超めんどーとか思っていました。

 目が覚めてから「なんでフミヤ?つーか、矢嶋智人?あー、あと亡くなったKさんまで!」と「いったい何がどうなるとこういう夢を見るのだろう?」って考えたってわからないので「風邪の病原体の悪戯」ってことにしておきます。

 あと、K氏もフミヤと同じ夢に登場したんですから、きっとあの世で「えー、オレってミヤノさんの深層心理的にその位置だったんだ?」って喜んでくれているでしょう。

 しかしK氏が登場して「保険の勧誘してもいい?」っていうのは、ほんと夢の中でもこれ以上無いような脱力感で、「え?ああ、はい?」って感じだったのを妙に生々しく覚えていました。

 ああ、そうだ、今書いてて思い出したんだけど、K氏は生命保険に加入してなかったようで、「ちょっとヤバいかも」って病気して手術した後も「あー、もう保険にも入れないからなあ」って保険料をケチったことを悔やんでいたようだったので、そんなエピソードが深層心理に刻まれていたのだろうか?


12月5日(金)

 この時期、毎年悩ましいのが「学生アルバイトの扶養控除問題」である。

 103万超えちゃうので、もうシフトに入れませんっていう学生が出てきて、現場からは「なんとかならないんですか?」って相談してくるけど、なんともなりません・・・・

 10年くらい前はこんなんじゃなかったんだけどなあ。
 私だって、100万円超えるような時もあったはずだが気にしたことなかった。

 たぶん、昔は「学生は100万円超える時期がせいぜい3年生か4年生の時だけ」だったので、いい加減に見逃されていたのだろう。

 たぶん、父親が勤める企業がご子息の収入を厳しくチェックするようになったのは、バブル期にフリーターが隆盛を極めた頃からではないか?

 子供が就職もしないでブラブラしているので、そのまま扶養控除に入れっぱなしにしていたら、いつのまにか200万円も300万円も稼いでおり、その収入がバレて(子供の勤務先から役所に書類が回るので)、修正申告になるケースが多発したので、「子供の年収をきちんと確認しろ!」ってことになったのかもしれない。

 そして、就職難になると、就職しそびれて後ろ向きにバイト先に居残るフリーターも増えた。
 うちの会社にも3人くらいいて、大きな問題となっている。
 たまに「もう社員にしちゃおうよ」と雇用されるが、そういう「なんとなくズルズルと大学出てもアルバイト続けてる」って人は、重度のコミュ障だったり、超不思議ちゃんだったりするので、正社員にするのは難しいことが多いようだ。

 そういうコアな人はいいとしても、バイトが103万円の壁を抱えているということは、とても厄介な話しで、大学4年生だったり、大学院生だったりするベテランバイトさんはチーフ的な役割も担うので時給も高くなり、出勤してもらわないと困るのだが、「103万円超えちゃうんで」と言われると、もう、どうしようもないのです。

 これ、うちだけの問題じゃないと思うんだけどなあ。

 もう、いっそ大学生はいくら稼ごうとOKにしてくれればいいのに。
 ただ、卒業したら、ちゃんと扶養控除から外すってことで。

 まあ、そうなると「ブラックバイト」の問題も浮上しそうですが、でも、うちの会社だと問題になるのは「最近の学生は出席が厳しいので、バイトが揃わない時も多い」ってことです。

 前に7月末に「バイトが足らないので社員の応援おねがいします」って言ってきた時には「え?夏休み中なのに?」と思ったが、最近の大学は7月いっぱいまで授業やっているところが多いらしい。えー???って思った。

 さらに一時期、クリスマス応援(バイトがクリスマス時期には集まりが悪い)が無くなったので「ほー、最近の学生はクリスマスにデートしないのね」と思っていたが、最近になってまたクリスマス応援が復活してきたので「なんで?」と思っていたら、23日の祝日も授業やってる大学がけっこうあるんだとか?

 自分らの時代と全然違うので、びっくりするが、バブル世代としては「学生は授業サボってバイトばかりしていて、稼いだ金で豪遊」というのが経済を回してたような気もするので、なんか今のシステムは構造的に間違っているような気がしてしまう。

 で、いくら昔の大学より今の大学が出席に厳しくなり、授業時間も多くなり、みっちりやっているとしても、「学生なんてバカばっかり」というのは宇宙の法則なので、そんな小手先のことじゃレベル上がらないでしょ。

 それにしても、景気が上向いてきたら、人手不足というか、雇用統計は良くないのかもしれないけど、今後またバブル期のように「学生バイト争奪戦」が繰り広げられて、バイトの時給が上昇しそうで、さらに「103万円の扶養控除の壁」のコンプライアンスが行き渡ると、「すき家」みたいな「バイト足りないから店開けない」という店舗がさらに増えそうですねえ。

 そういや「ブラックバイト」っていうのが登場したのも、「大学が出席を厳しくチェックするようになった」っていう要素も大きいわけで、私の頃は「バイトばかりしてて荒稼ぎ」って学生が多くて、特に自宅住まいで20万円近く稼いでいると、全部可処分所得になるから、「クリスマスには彼女にティファニーをプレゼントしてフレンチでディナーしてから赤プリ」っていうのも平気で払えたのです。まあ、彼女がいればって話しでしたが(笑)

 緩い大学の緩い文系学部の男子とか、4年生になると、就職活動はちゃっちゃと済ませて後はバイト三昧でしたから、「毎月、お小遣い20万円」の生活を送っていたのですが、4月になって就職して、最初の給与明細を見て、皆ぎょーてんしてました。

 「え?額面が15万円?そこからあれこれ引かれて、13万円って何それ?13万円じゃ生活できないよ?」って。

 そういう現象が多発したので「バイトのままのほうが収入いいじゃん。しかも気楽だし」ってフリーターが大量発生したような気が・・・

 結局、今の方式って、高度成長期以前の「学生は卒業したらちゃんと就職するのは当たり前。女子は結婚したら専業主婦になるのは当たり前」って様式に沿った方式なので、バブル期やその後の氷河期などの様式に合ってないんですよね。

 さて、どうしたらいいのだろう?

 大学の学費が上がっているという話しもありますので、扶養控除じゃなくて「学費控除」とかにしてみれば?
 息子がいくらバイトで稼いでようが、上限のある学費控除があれば「学生さんを扶養していれば親は税金が軽減される」ってことで。学生証と学費の領収書のコピー添付くらいで済めば、大学関係者の事務手続きは無いし。

 で、学生本人は130万円くらいまでは(月10万円くらい)は非課税ってことで。

 130万円超えると健康保険の問題があるが、またそれは別の問題だからなあ。

 最近、大企業の組合健保の懐も厳しいらしく、そっちも扶養家族の収入証明出せって依頼がほんと多いのです。

 もう、世知辛い世の中でやーねって感じです。

 コンプライアンスでは幸せにはなれませんね。もっとアバウトでいいじゃん、って思うのですが、アバウトでいるのにも高い「いい加減能力」というか、「テキトーにやろうよ」っていうのを他人に説得する高いコミュニケーションスキルが求められているようなので、そこまでの志が無いのでついついコンプライアンスに流れてしまい「いやー、これ、別にいいと思うんですけど、絶対それでいい、とは言えないんですよね」ってあたりで、ほんと最近、こういう「そんなのテキトーでいいじゃん」ってことを確認されることが多くて・・・・

 なんて言ったらいいのかわからないけど、高度成長期とかバブル期って、「オレがそれでいいと思ってるからそれでいいんだよ」的な、がむしゃらにやってれば、他の大事な何かは後から着いてくる的な雰囲気ありましたけど、バブル崩壊してからは、やたらと「法令遵守」というか、何かやらかした人をどう罰するかっていう方向になった感じがする。


12月4日(木)

 仕事忙しいのに、月曜日から風邪ひいちゃって頭がボーっとしているため、余計に仕事が溜まってしまったので、今日は久々に2時間も残業。

 そもそも風邪が感染したのは日曜日のイベント仕事の時なので(月曜日の朝、目が覚めたら喉が痛かった)なんだか悔しいのであった。

 昨日がピークで、他の人がびっくりするくらい、鼻水ビービーかんで、ぐっしゃんぐしゃんいクシャミしていたのだが、同じく風邪ひきさんのエビワカちゃんが「でも、鼻水出るのって治りかけじゃないですか?」と言うので、「治りかけ?たしかに今、風邪の病原体は外に拡散することに重点を置いているので、そのミッションが完了したら私の体は用無しになるのかもしれないが・・・」と言ったら、困った顔をされてしまった。

 なので「治りかけっていうのは、白血球が優勢になってきて、鼻水が膿っぽく黄色くなってからだ」と言いたかったのを我慢したのだが(汚い表現だし)、やはり今朝になって、鼻水は黄色くなってきたし、クシャミも治まってきたので「ディアスポラが完了し、私の体内に残った老いた病原体が静かに粛清されている」と思った。

 エボラちゃんも早く人間との共存方法を学んでほしいものである。
 「人間が会社や学校を休まない程度の症状を起こす」っていうのが一番賢いんだよ?

 さて、今日は風邪の症状が少し落ち着いたので、ガシガシ仕事をしようとしていたのだが、いきなり「師走」がやってきて、一つの仕事に集中できなくて、あっちこっちにドタバタと振り回された。
 銀行の担当者がノンアポでカレンダー配りに来たとか、まさに師走現象である。

 でも、一つ「へー、こういうことか」って学んだことがありました。

 風邪で体調がイマイチなのに、いつもより忙しいのでドタバタしていると、周囲のことに全く無関心になるんですね。

 老化のため、前よりはかなり鈍感になってきたが、私は職場で他の人が電話や雑談などで、どういうことを話していて、どういう状況で困っていたり、イライラしていたり、などのことをなんとなく情報収集してしまうのですが、他の人はどーもあまりそーゆーアンテナを張ってないらしい。

 一番顕著なのが「暇な人が暇だってことを全く感知しない」ってことだろう。

 私は自分がこの会社に来てしばらくの間「超ヒマ」って時期があったせいもあるだろうけど、暇で困っている人の気配に敏感なので、すぐにお願いできるような仕事があると、お願いしたりするのだが、他の人はあまり感心が無いようだ。

 思えば、私が暇だった時、「手が空いているので何かお手伝いすることはありませんか?」って言えるような性格でもなかったため「暇だってことをわかりやすくアピールしよう」と堂々とネットでテキストサイトを閲覧しまくっていたのだが、しばらくしてから直属の上司に「ネット閲覧は控えるように」って注意されたので「えええ?」って思った。

 だって、それって上司が気がついたんじゃなくて、他の人(上司の上司。当時の部長)が気がついて上司に言ったらしいんだけど、その時点で「ああ、暇にさせちゃってるんだな」って何で気がついてくれないの?って思ったので、慌てて「あの、でも、やること無くて」と言い訳したらやっと、翌日新しい仕事を引き継いでくれたが、どう考えたって、それまでに与えた仕事量じゃ持たないって想像力ないの????

 そりゃ、「手が空きました」っていちいち言わない私も悪かったけどさ。

 で、今は立場が逆転しているため、パートさんや派遣社員さんから「手が空いたんですけど」っていちいち言われるのが辛い。
 こっちが困った顔をするので、みんな「ああ、仕事無いんだな」と言いに来なくなった。

 言いに来なくなったけど、暇そうな様子はわかってしまうので、「暇オーラが見えてしまう自分が辛い」と霊感強いって人もこんな感じなのかと同情してしまう。

 で、今日は自分のことだけに集中していたので、周囲が全く気にならないどろか、エビワカちゃんに急がせた仕事のチェックに取り掛かろうして「ところで、あれって出来た?」って言ったら「え?出来たっていいませんでしたっけ?」と言うので「あー、頭ボーっとして聞いてなかった」と反省したくらい。
 それも、まあ、エビワカちゃんがなんだか暇そうにしていたから「あれ?午前中にお願いした仕事ってもう終わったみたいなだ」って気がついたからなんだけどさ。

 というわけで、たまに体調が悪いと暇な人の背後霊が恨めしげにこっちを見てるのが見えなくなるので、「ほー、普通の人ってこういう世界観なんだ」と思ったわけです。

 そういや逆の経験もあったなあ。

 前の会社の12月も超忙しい年があった。
 明治座の舞台公演と大物歌手のクリスマス・ディナーショー・ツアーが重なり、毎週大量にギャラの支払いが発生していた。
 今と違って、振込は手書きだし、そもそもギャラの金額も消費税足して源泉徴収してっていうのも電卓で計算していたので、支払日にきちんと振込のが非常に手間だったのである。

 なので、昼休憩もまともにとれないような状況だったのだが、隣の部屋(仕切りは無い)にいるスタッフ達はなぜか暇で、テレビ見ながら雑談で盛り上がっていた。
 彼らとは仕事のペースが違うので仕方がないのだが、その中に元経理だったけど、あまりにも仕事が出来ないというかミスを連発して仕事を増やす天才だった女性は、そっちの電話番というか社長秘書にような役割に異動になったのだが(替りに私が経理に配属)、その彼女は雑談に夢中で全然電話に出てくれないのだ。

 こっちはガツガツと書類に記入したり電卓打っているのに、あっちは「そんでさー、キャハハハ!」とか楽しく雑談しているだけでもイライラするが、電話鳴っても取ろうとしないので「とれよ!」と思おうが、3コールくらい鳴ると耐えられなくなりついつい出てしまうのであった。

 しばらくそれを繰り返していたら、上司がとうとう「とらなくていいから!」と小声で怒鳴ったが、「でも、鳴りっぱなしも辛いんですぅ」

 こっちはそんなピリピリした状況なのに、隣の部屋にいる彼らがそういうことに全く気が付かないことに驚いたっけなあ。

 まあ、そんなわけで、多くの人が他人のやってることに興味が無いってことは学んできたが、私が感知していることだって、その他人からしたら的外れなのかもしれないけど、自分に余裕のある時には、たとえば客先とトラブってる同僚には「なんか、大変そうじゃん?」とか、声をかけるようにしている。
 手助けはできないかもしれないけど、「そーなの、もー、どーしよー!」って愚痴聞くだけでもいいと思うし、「あなたが今大変なのはわかってます」って気持だけでもありがたいと思うので。

 さて、明日も忙しいので早く寝よう。


12月3日(水)

●上司の戯言

 恒例の査定面談。
 毎回、部長が「特に何か言いたいことありますか?」と聞き、「言いたいことは、いつもその場で言っています」と私が答えるのが儀式化している。

 で、ここ数年、部長が毎回なんとなく語る「総務部の未来構想」をまた拝聴した。
 その構想は現実的な事なので、やろうと思えばいつでもできそうな気がするが、実際にやろうとすると、けっこう面倒なので、なかなか実現しない。
 喩えて言うなら、家のリフォームみたいなもんで「そろそろ古くなってきたので手を入れるか」って思っても、壊れてて使えないわけでもないので、「ま、いっか」になってしまうのである。

 そんな話をしていたら、部長が突然、とんでもないことを言い出した。
 「例の新規業務で分社化して、ベンチャー企業として上場目指すってことにしたい」

 「へ???」と思ったので、詳しく話を聞くと、「今のままじゃあの事業は伸びないから」と言われても、伸びない事業を分社化したからって伸びるもんなの?

 さらに「ああいう事業はライフスパンが短いから、せいぜい5年や10年だろうから、ベンチャーとしてガーってやらなきゃダメだと思う」と言うが、「上場する」っていうのと矛盾しているような気もするが・・・・

 さらに「上場ってどうするのか具体的にはわからないけど、オレやミヤノさんのそういうスキルも必要になるよね」とか言い出すので「いや、手続き上は確か、証券会社と一緒にやるらしいので、そういのが専門のコンサルとか付くんでしょうけど・・・」と言ったら「会計事務所じゃダメなの?」って、えーと、たぶん税理士さんはそういう仕事できないと思うんだけど・・・

 部長は「上場」っていうのを他の何かと勘違いしていないか?

 後で考えてみたのだが、たぶんITバブル時代の「ストック・オプションでイケイケだ!」みたいなノリじゃないと、あの事業は伸びないと思ったので「目指せ上場」っていうキーワードを思いついたのだろう。

 それにしても、どうして分社化すると上手く行くと思うのかが私には謎だ。
 すでに2社分社化したが、どっちもあまり上手く行ってない。
 つーか、分社化した経緯もアレなんだけどさ。

 で、「新規業務を独立させてベンチャーとしてパーっとやる」って部長が本気で思っているのだったら、自分でやれって話である。

 なので、部長の話の影には「上場を餌にあの部門担当役員をていよく追い出す」っていう魂胆が見え隠れするが、あの役員氏は脛かじり根性強いから、「営業経費(接待費)は湯水のように使って、赤字は出資元が補填」ってやるのは目に見えているのだが・・・

 そんで部長は「5年くらいパーっとやったら閉じちゃえばいいじゃん」と言うが、会社一つ閉鎖するのに、どんだけの金と労力いるか知ってます?

 って、私が呆れ顔でネガティブな相槌打っていたら、やっと「いや、これはオレの妄想っていうか戯言なんだけどさ」って言うが、そんな真面目に妄想語られてもなあ。

 いや、ですから、「あの事業はやりようによってはブレークするから、オレにやらせてください!オレに出資してくれれば新しい会社起こして、ゆくゆくは上場して、出資者を儲け覚ますから!」って言うんなら別にいいんだけどさ。

 何年か前、子会社の社長が「上場すれば儲かるから、これはいい投資だ」とそういうベンチャーに投資しちゃったので、私は怒り心頭だった。
 だって、その出資金って、あんたが稼いだ金じゃなくて、うちがあんたのために出資した金なのに、なんで他人から借りた金をギャンブルにつぎ込むのよー。

 で、私は「そんなの、信じられない!」と怒っていたのだが、部長やうちの社長は「でも、いい投資なんでしょ?」って言うので、「上場目指して頑張ってるベンチャー企業のうち、どのくらいが実際に上場してるんでしょうか?」って言ったら「うーん?」とか言っていたけど、でも「本気で信用してるんだ?」とびっくりしたのは、その出資から1年後くらいに、部長が「あの会社、まだ上場してないの?」と聞いてきたので「だってまだ、事業の元となる施設建設するために出資金集めてる段階じゃないですかー」

 ただ、そいつらはちゃんと頑張ってるらしく、ベンチャーキャピタルなどの出資者を地道に増やしてるようだったが、なかなか目標額には遠いようだ。
 部長は「こういのって何年くらいで上場するもんなの?」って聞いてきたが、メインとなる事業がまだ中途だし、そもそもネットで調べると「そーら、上場するぜ」ってくらいになってから、3年くらいかかるらしい。

 「え?そんなにかかるの?」

 って、だから、部長の頭の中の「上場」って何か違うものと勘違いしてませんか?

 上場企業って、東証とかJASDAQを合計しても、3500社しかないんですよ?

 そりゃ、有名企業でも上場してない企業はけっこうあるので、上場=大企業ってわけでもないのですが、私の認識としては「野球少年がプロ野球選手を目指すような物」なのですが、もしかしたら部長の目指していることもやはり「野球やるならプロ目指さないと」と言うことなのかもしれませんが、なんか温度差あるんだよなあ。


12月2日(火)

●あくまでも仮説

 ここ1年くらいでちょっと気になっている現象があって、平日が休みのことも多いから、昼ごろ「どこにランチ行こうかなあ、そのあとお散歩ね」とぶらぶら歩いてると、オバちゃんというか、おばーちゃん達に顔をじっと見つめられることが多くなった。

 元々、おじいちゃん受けするルックスなので、年配男性にジロジロ見られても「やーだ、私が美人だからしょーがないわよね」と華麗にスルーしてきたが、ここ最近、おばーちゃんがやたらと私の顔を覗きこむのはなぜ?

 「もしかして、近所に私と似た感じのおばちゃんがいるのかもなあ」って思っていた。

 昔からよく「あたなに似た人を知ってる」って知人に言われていたし。
 私のような顔立ちがボヤっとした人たちは同じカテゴリーになりやすいのだろう。

 今日も休みだったので、午後になってから外出したら、近所を歩いている腰が曲がったおばあちゃん2名にジロジロと見られ、「またか」と思ったが、ふと重大な仮説が頭に浮かんだ。

 私が彼女らのコミュニティーにいる誰かに似ているのではなくて、ただ、平日の昼ごろにここら辺の住宅街を歩いている「年齢的に近い人」っていうのは「もしかして知人かも」と思うので、「えーと、あなたは私の知り合いでしたっけ?」という意味でじっと顔を覗きこむのではないか?

 彼女らは、平日にぶらぶらしている若者はテリトリー外なので自然と無視するわけだし、私も数年前まではそういう範疇だったので、適度に無視さていたのだが、去年あたりから「えーと、こいつとすれ違う時にはハイ・ファイブするんだっけ?」と凝視されるようになってしまったようです。

 近所を歩いていても子連れママなんかは全く私に感心ないわけで、「仲間」として認識されてないようですが、どうやら、おばーちゃん達には「もしかして、仲間かも?」って認められてきたようです。

 たぶん、この仮説、90%くらい本当のようです。

 仮説なので、あくまでも仮説です。

 この仮説を実証する実験は行わないつもりなので、永遠に仮説のまま闇に葬りましょう。

 自分の中途半端な頭の良さがとことん憎たらしいです。


12月1日(月)

 師走突入。

 だだでさえ「はー、今日から12月ですか?」とフーっとため息混じりに囁かれる師走入ですが、それが月曜日だと、溜息がさらに深くなります。

 エビワカちゃんが「なんだか年々、年末年始が楽しくなるなる」と言うので「そりゃ、お年玉貰う方から払う方になったんだから当たり前」と私が言うと「おー、なるほどー」

 子供の頃は、クリスマスプレゼントで欲しかった物が貰えて、その一週間後にはお年玉の現金収入ですもん、「一年の稼ぎは年末年始にあり」って感じで、そりゃテンションあがりましたわよ。

 さて、先週は木曜日に休んで、土曜日出勤で、日曜日はイベント出勤という流れなので、今日もくたびれきっていたが、私だけがフロアの留守番で(正社員以外はいたけど)、他の社員はまた他部署の応援に駆り出されているという、師走にふさわしいドタバタ感満喫でした。

 それで、最近は私は電話を取ることほとんどなくて、それは私が出世したからではなく、電話を取るのが遅いので、他の人に負けてしまうので、最近はあえて電話とろうとしてないのですが、今日みたいに電話とれる人がエビワカちゃんしかいないと、彼女が席を外した時は私しかいないので、久々に電話を受けたのだが・・・・

 さっぱり馴染の無い単語を早口でまくしたてられて「すいません、もう一度お願いいたします」って言ったのだが、もう一度聞いても、単語認識できなかった。
 「しじょうなわてし」って言われたのだが、もう一度言っていただくと「しじょう」で区切ってくれたので「四条?」と脳内で漢字変換したのだが、その次が「なわて」だったのだが、「なわて」っていう意味がわからなかったので聞き間違いではないかと思って「なわて?ですか?」と自信なさげに鸚鵡返ししてみたら合っていたようだが、後で調べてみたら「四條畷市」ってすぐ漢字変換するのね。

 後でみんなが戻ってきた時にアンケートしたら6人中2人は知ってる地名だったり「駅があるなあ」って駅名で知ってたりしたようだが、私は初めて耳にしたので、何度も聞き返しちゃって冷や汗かいたぜ。

 って話をしていたら、上司が「オレが若い頃、苗場プリンスに宿泊予約したんだけど・・・」って話が始まった。

 苗場プリンスの話はけっこう色々聞いているので、その話も聞いた覚えがあるが、その当時はスキーブームの絶頂期で、週末の苗場プリンスの予約を取るのは難しかったが、友人がその近辺で働いていたので、コネをつかって部屋を押さえてくらたらしい。

 上司はそのコネで、友人(男)と二人で宿泊することにしたのだが、事前に宿泊者名を電話で伝えたのだが・・・・・えーと、個人情報保護のため、仮名にすると、どういう表記がいいのだろうか?

 「マサオとマユミ」?

 上司が真佐尾君で、友人男子が真弓君だったのである。
 ほんとは、もっと珍名さんな二人組だったんだけどさ。
 (真弓姓はけっこうメジャーだし)

 で、電話に出たフロント係の人が「では、お名前をお願いいたします」と言うので「マサオとマユミです」って言ったら、「・・・・え?」って対応、そりゃするよなあ。

 「私をスキーに連れてって」の頃の苗場プリンスなんて、今で言うところのバカップルの聖地であるので、スタッフもバカップル慣れしているだけに、「お名前は?」「太郎と花子でーす」なんて言われたら、「うわ、すごいの来たな」って思ってしまうのだろう。
 それがもし、帝国ホテルとかだったら「恐れ入りますが、漢字を教えていただけますか?」って普通に対応するんだろうけど。

 ほんと、上司とその友人の苗字は偶然にも「ワタルとミユキ」くらいの「そういう苗字が思いつかない」というレベルだったので、一流ホテルの受付も戸惑ったという話である。

 私だって「しじょうなわて」でフリーズしちゃったんだし、顧客に「お名前をお願いします」と言って「ワタルとミユキ」って言われたら、頭真っ白になるだろう。

 前にも書いたが、コンビニやスーパーでオッサンの名札が「みき」とか「ゆり」になってると失笑しちゃうけど、私が今までで一番インパクトを受けた「ひらがな名札」は「どうだぬき」でした。

 「たぬき?」「どう?」と混乱したが、帰宅してから検索したら、子連れ狼の主人公も持っていた名刀の名前(同田貫)だった。
 刀剣マニアや時代劇マニアには馴染のある名前なのかもしれないが、あの「どうだぬき」って名札つけてたバイト君も、電話では苦労するだろうなあ。「お名前頂戴いたします」「どうだぬきです」「は?」って。

 そんな珍しい名前じゃなくても、知人の中田さんは、クリーニング店や写真現像店などで「お名前は?」と言われて「ナカタです」と言うと「はあ?」って言われることが多かったらしい。「田中の逆です」って言うと、「あ、ああ」とわかってくれたとか。

 なので、現在旅人の肩書のサッカーの中田が有名になり、「ナカタ」と言って聞き返されることがなくなって大変うれしいと、15年くらい前に言っていた。

 話は戻るが、上司の「ワタルとミユキ」の話は、みんな昨日からのイレギュラー仕事で疲れきっていたので、いつもより大爆笑され(同僚K嬢いわく「いつもより、あちこち緩くなってるこのタイミングで!」)気を良くした上司が、その後も無駄話炸裂する中、早朝から他部署の応援に言っていた他の社員は6時前には帰りましたが、私は通常勤務だったので、「これも仕事の内」と思って、7時まで上司の雑談に付き合っていました。

 彼は疲れが溜まってくると、おばちゃんより凄い雑談放出してくるのですが、それがいいストレス発散なんだと理解しているので、たまに実家に帰るとうちの母が「この間の旅行で」とか「ご近所の動向」とか「お父さんがいかにボケてきたか」を2時間ノンストップで語るのを興味深く聞くのと同じように、上司のお喋りもちゃんと聞いてしまうので、どこでブッタ切るかが難しいんだよな。

 飲みに連れてってもらえれば延々と酒のつまみに拝聴してあげられるのだが(うちの母はそうしてる、酒とつまみがあれば娘は機嫌よく飲みながら、ずっと愚痴を聞く。「なんか、つまみもっといる?」っていうのは「もっと愚痴を聞け」ということと理解している)、酒を飲まない上司はそういう発想が無いようで・・・・でも、前に一度、二人で居酒屋に行ったら、なんか凄い過去の恋愛話を開示されて「うわ、リアルに柴門ふみの世界っすねー」としか言いようの無い濃い話されちゃったので、あれに凝りたのか(上司の方が)その後、二人だけで居酒屋に行ったことはない。



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