可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

8月30日(土)

 部長は今日もまだお疲れ気味で体調良さそうではなかったが、私に何か言われるのを無意識に警戒しているのか、「ミヤノさん!◯◯の書類ってすぐ出せる?!」ってエラい大きな声で仕事の指示してくるので、「ミヤノさん!」って言われるたびにびっくりしちゃうじゃないの。土曜日なんだから、他にはM嬢しかいなくて、フロアは静まり返っているんだから。

 でも、普段なら体調が悪いと、その症状をくどくど語ってくれるのだが、それをしないというのはかなり心配である。やっぱ「男性ホルモンの低下」が良くなかったのかなあ?
 だったら、いつもみたいに「頭痛がする」→「脳腫瘍じゃないですか?」とか、「背中が痛い」→「脊椎カリエスかも?」とか大暴投をわざと投げていたほうが良かったかもしれない。

 夕方になって、M嬢の母方の実家がいかに田舎だったかっていう話になり・・・・なんでそんな話になったんだっけ?

 そうそう「ふなっしー」の話をしていたら、M嬢が「船橋って梨のイメージが無い」と言うので、「ああ、横浜の人はそう思うかもね。でも横浜市だって外からは海や港のイメージしかないけど、内陸部に入ると山や畑しかないのと同じで、船橋もそうなんだよ」と説明したら「なーるほど」という話の流れで「うちのお婆ちゃんちも、そういうや千葉のど真ん中でド田舎だった」という話になったのだ。
 なんと久留里線沿線だったらしく、そりゃ30年前は相当な田舎だったことでしょう。

 そしたら、部長が「あの辺はゴルフ場開発もあって、今じゃセレブなリゾート地だ」と言い始めたので「そりゃ、山は削られたけど、田んぼばかりの平地は今でも田舎だと思うけどなあ」なんて会話していたのだが、いつもみたいに強引に自分の話ばかりしないので、「やっぱかなり疲れてるなあ」とさらに心配になった。

 たぶん、軽く鬱状態になっていると思うで、要経過観察だな。つーか、自分の同僚や部下がああいう状態になっていたら上司に報告しておくくらいの状態なのだが、その上司が調子悪いんじゃねえ?

 まあ私のそういうの察知する感もなまくらなので、近年で3人くらい「ちょっと様子がおかしいぞ」と思った人たちの内2名は今のところ大丈夫のようなので、あ、でも、内2名の内1名は通院しているとの噂があるし、もう一人は過去に鬱病で休職しているので(だから、ちょっとヤバい感じになってくると再発を心配してしまう)ひょっとしたら、今も自分で少しヤバくなると医者に行ってるかもしれないな。自分で気が付かなくても配偶者が気がついているかもしれないし。

 でも、私が完全にノーマークだった人が、現在パニック障害で休職中である。
 その人の場合は別事務所にいるので、めったに顔合わせないので全然気が付かなかった。休職するずっと前に、「なんであの人の所属部署はこっちに移動してきたのに、あの人だけ残したんだろう?」と思ったので、ある時、部長に聞いてみたら「こっちの事務所に来ると、電車の中で軽いパニックになると訴えられた」と言うので「えええ?あの人が?そんなの、ただの方便では?」と驚いたが、たぶん、あの当時から診断書が出ていたのかもしれない。
 じゃないと、そんなワガママ受け入れられないだろうから。

 でも、外交的だし快活な人だと思っていたので、びっくりしたけど、パニック障害って別に内向的だからってわけでもないみたいだし、よくわからんね。

 もう一つ意外だったのは、その人がビョーキのせいだったのか、元々そういう性格だったのか、後輩がモタモタしていると、人格否定的な罵倒を本人や他人のいる前で平気でしていたらしいことだった。
 その後輩は確かにモタモタしている奴だが、ある時、また何かミスして、モタモタしていたら、誰かが「おい、それYがいたら、何て言われていたかわからないぞw」とからかっていたので「なんで、そこでYさんが出てくるのだ?」と思って聞いてみたら、その周辺ではその後輩に酷いこと言うYさんは有名だったようで、その罵詈雑言の一例を耳にしても「あの上品そうで爽やかないい人っぽいYさんが?」とびっくりしました。

 そういや、Yさんが休職する少し前に、外イベント仕事で一緒になったのだが、体調が悪くて朝は来てなかったのだが、昼前にやってきたことがあった。顔がムクんでいて、ほんと体調悪そうだった。
 実はもう一人、体調悪くて来なかった人がいて「ただでさえ人数少ない外イベント仕事で、二人もいないのキツくない?」と思っていたら、意外とそうでもなくて、その二人は元々「そういう体調だからあてにしない」という配置になっていたみたい。

 いかん、今日は違う話を書こうと思っていたのだった。

 ここ数日は涼しいが、少し前まで激暑かった時、休日になると冷房も無い部屋でゴロゴロしていたので食欲もなく、「とりあえず塩分とらないと」と実家で頂いた梅干しに命をあずけていたのだが、ふと「浅漬が食べたい」と思って、スーパーで出来合いのを買ってきたらあっという間にバリバリ食べてしまったので「これじゃ費用がかさむ」と思って、「浅漬のもと」で自分で漬けることにしてみた。

 これがまた美味しくて、ジャンジャンバリバリ食べていたのである。
 でも、今って野菜が高くてさ。
 台風の影響がまだ残ってるせいらしいが、きゅうりなんてどこのスーパー行っても福島産が並んでいるっていうのが微笑ましい。このチャンスに頑張れ福島の野菜と思う。

 会社の雑談で浅漬の話していたら、「うちの母親がミニトマト専用の浅漬の元を見つけて、ベランダで大量にミニトマトできるから、それに漬けてみたら、甘酸っぱくて美味しいんです」と教えてもらったので、近所のスーパーで探してみたのだが見つからないので、この間の平日の休みには下北沢のスーパーめぐりをしてみた。

 ダイエーにもピーコックにも無かった。
 つーか、ピーコックって少し前までは「やや高級感」を売りにしていたように記憶しているが(紀伊國屋と東急ストアの中間みたいな)、すっかり自社格安ブランド(なんとかバリューっていう)中心の展開になっていた。

 で、平日の4時くらいだったので、ダイエーもピーコックもガラガラだったのだが、その後にオオゼキに行ってみたら、とても賑わっていたので「オオゼキの一人勝ちかあ」と、知ってはいたけど、ここまであからさまにこうなんだと思った。

 スーパー業界も競争激しくて大変でしょうね。

8月29日(金)

●ごめんなさい部長

 部長の次男坊は中学入学直前にWBC観て感化されちゃって、中学では野球部に入部したのだが、あまり野球は得意になれなかったようで、高校に進学したら今度はバレー部に入部した。
 部長も高校の時はバレー部だったので、息子のバレー部入部をけっこう喜んでいるようであったが、次男が入学した高校は新設校だったので、部員数も少なく、そもそも先輩もほとんどいないのでまともに練習できる環境ではなかったようだ。

 会社に「球技だったらビリヤードまで好き」という私と同世代の女性がいて、彼女の本業はやはりバレーボールだったので、時々社内でも「ちょっと運動したい」って人を集めて社内部活動を企画していたりしていたが、最近は地元のバレーボールチーム(ママさんバレーの今風なやつ?)で活動しているらしかった。

 そのSさんに部長が「うちの息子がバレー部入ったんだけど、まだ部員が少なくて、試合形式の練習もできないらしんだよ」と雑談でこぼしたというか、自慢したら、「じゃあ、うちのサークルに来てくれればいいのに、若い男子なんて大歓迎ですよ」とS嬢は半分冗談で言ったのだが、部長は「マジ?」と乗り気になり、さらにご子息の仲間も「それ行きたい」と言い出したようで、ちょっと高校からは遠かったのだが、部長が車で息子と仲間を送り迎えして参加していた。

 そこそこレベルの高いサークルのようで、中核は女性だったようだが、男性もけっこういたようで、部長のバレー魂に火がついてしまい、一緒にやっていたらしい。
 そしたら、1ヶ月も経たないうちにミートバイバイ(肉離れ)やってしまったのだ。

 部長は私と同じ年だが(学年は向こうが一つ上。早生まれ)、運動神経は良さそうだし、全然太ってないし、何より気持が若いので、つい張り切ってしまったのだろう。

 肉離れした足は、一週間もしたら普通に歩行できるぐらいに回復したのだが、あれがきっかけだったのか結果だったのかわからないけど、それからちょっとお腹が出始めた。
 でも、あの程度だったら「30代の男性が気にする程度では?」って私は思ったし、私自身がびっくりするほど中年太りを実現中だったので、部長の腹がちょっと出てきたくらい全然気にしてなかったのだが、長年部長の部下だったE嬢が「TKさん、そのお腹ちょっと、ありえない」と頻繁に指摘するようになったのである。

 いや、同世代の男性なんて、みんなポンポコリンなんだから・・・・と思ったけど、E嬢は自分も痩せ型だったけど、さすがに30代半ばになってきたら服のサイズが替わってきたことに心を痛めていたので(私からすれば、未だにE嬢はモデルさんのように痩せてるように見えるが)、こういうのも「人によって同じものを見ていても感じ方が違う」という一例なのかもしれない。

 で、部長は肉離れのせいで、あまり激しい運動はできなくなったので、「ふくらはぎの筋肉が減った」と嘆いていた。どうやら、肉離れの後の定期健診で、ふくらはぎ周りを計ったたら、何センチか細くなっていたらしい。

 数ヶ月前から「ああ、足の筋肉が・・・・どうすりゃいいんだ?」と時々愚痴るので「運動するしかないでしょう」と聞き流していたのだが、ええ、例の「アイス・バケツ・チャレンジ」の流行で、「もしかして、ALSなのか?」と言い出したので、冗談なのはわかっているが、あまりいい冗談でもないし、部長は自分でそういう冗談を言って自分で思いつめていくタイプなので、私は兼ねてから「その症状はこっちだろ?」と思っていた病名を告知してみた。

 「筋肉量が低下するのは、男性ホルモンの低下・・・・要するに男の更年期障害じゃないでしょうか?」

 それ以前にも「普通の老化現象ですって」と言っていたのだが、そんなんじゃ全然スルーされるので、言い方を変えてみただけのつもりだった。

 予想通りに「でも、髪の毛増えないよ?」と反論されたので「男性ホルモンの低下では、頭髪は増えないようです。でも、体毛の減少はあるようです」と言ってみた。
 部長はハゲであるが、体毛が濃いタイプで、腕や指には未だに「きもーい」ってくらい立派な毛が生えているので、そこで私の言うことが冗談である、という結論になる筋書きだった。

 ところが、部長は真顔になり、「実は足がツルツルになってしまったのだ!」とズボンを捲って私とエビワカちゃんにスネを見せてくれたのだが「うわー、つるっつるじゃないですか!」とびっくり。

 つーか、若いエビワカちゃんは「更年期障害」っていう意味全然わかってないらしく、「な、なんで男性ホルモンが低下するんですか?何が原因なのですか?」と言うので、「年とるとみんな減るんです。だから女性はオバサン化してくるし、男性はオバサン化して、100歳くらいの年寄りになると、おじいさんだかおばあさんだか判別しにくくなるでしょ?」と説明したら「はあ、なるほど・・・」

 テキトーに言ったつもりの「男性ホルモンの低下」であるが、部長にはぴったりの診断になってしまった。
 男性ホルモンが多かったから、40歳過ぎても男子高校生のような体型や体力があったのに、さすがに落ちてきたので、老化の落差が激しくて、やや鬱状態って、ぴったりじゃないですか。

 あー、やべーこと言っちゃったな、と反省していたのだが、それが一昨日のことで、一昨日と昨日、部長はちょっと重めの接待みたいな仕事が続いて、精神的に凄く疲れていて、しかも元々気候の変化に弱いタイプなので、急に気温が下がったことも大きいのだが、それにしても、今日はめっきり老けこんでいて、顔は白っぽいし、シワも目立つし、全体的にハリがなく、なんだか一気におじいちゃんっぽくなってしまった!!!!!

 わーん、私が変なこと言ったから、自己暗示にかかってしまったか?

 でも心身共に疲れていることは事実なので、夕方になって「今日は顔色悪いから早く帰ったほうがいいですよ?」と意見したら「オレって顔色悪いの?」って、そうなると、ムキになって仕事しはじめるので、扱いに困るなあ。

 なんか、「永遠の中二病」みたいな感じで、ほんと難しいです。
 でも、それを面白がってるんだけどね。


8月28日(木)

 精神科医のブログを読んでいたら、北杜夫の著書についての記述があり、「あー、北杜夫の本なんて、もう20年以上も読んでないなあ」とふと思い出したのであるが、そしたら急に「楡家の人びと」が読みたくなってきた。

 あれを読んだのは何歳の時だっただろう?
 高校2年生くらいの時か、大学1年生の頃かね?(高3の時には「受験に役に立つ本読もう」と円地文子訳の源氏物語とか読破していたので)
 大学1年の時には、入学直後にすでに授業がつまらなくなり、授業をサボりまくっていたので「これじゃあ学費の元がとれないな」と、図書館に入り浸っていたのである。
 当時、あの大学には「普通の大学図書館」とは別に「街の図書館」みたいなのがあり、文庫本が沢山揃っていたので、片っ端から読んでいた。細雪を読んで感激した記憶があるが、他に何読んでいたのかよく覚えてないけど、確か、そうだ、急に思い出したんだけど「図書館の本で学費の元がとれるだろうか?」と真剣に考えていたので、借りて読んだ本のリストに金額もメモっていたのだ。
 あのメモ帳、どっかにまだありそうだから、今度探してみよう。

 で「楡家の人々」はいつ読んだのか覚えていないが「これは超おもしろいから、また何年か後にぜひ再読しよう」と思ったはずだが、あれから30年近い月日が流れてしまいました(笑)

 それにしても、最近は通勤中に全然本読んでなくて、ずっとスマホでツイッターとかブログ読んでいるので、「これ、いい加減に電子書籍にしたほうがいいのかしら?」と思うのだが、新しいモノを買うのを極端に面倒くさがる性格のため、「思いたってから5年後にやっと実現」っていうのが普通なため、電子書籍導入などいつになることやら・・・・

 あれほど携帯電話を持つことを渋っていたのに、けっこうあっさりとスマホを買ったのは、沖縄に行く直前だったっけ。ネットが無いとバスの時間とか全部事前に用意しなければいけないのがすごく面倒になり、「だったらスマホあればいいじゃん」ってことになったのである。

 たぶん、今からインドなどへ長期で旅行しようと思っていたら、「本何冊も持っていくの重いし」と電子書籍を買おうとするかもしれない。あ、でも充電はどうするんだ?変圧器も用意すればいいのか。

 さて、この間は「人によって同じ物を観ていても感じ方が全く違う」という話を書いたが、それで芋づる式に思い出したのは「人の視界は狭い」という話。

 これ日記に書いたのか覚えていないのだが、何年か前、会社のイントラ掲示板に社内設備メンテンナンス担当者が「工事のお知らせ」を上げていた。
 その少し前に非常口誘導灯(あの人が走ってる絵の緑色のやつ)が古くなっていたので、交換する工事をしたのだが、今度の工事は「新しい誘導灯が前のよりサイズが小さくなっていたため、壁に跡が残ってしまったので、その跡を修正する工事」らしかった。

 その告知読んで「そうなの?」と思って、非常口誘導灯を確認してみたら「うわ、ほんとだ!」とびっくりした。
 最新型のは旧型の3分の1くらいしか横幅がなく、上下もちょっと小さくなっているようで、「旧型を外した跡」が醜く残っていたのだ。

 全然気が付かなかった・・・・・

 自分がほとんど見ない位置にあるのならともかく、よく通るところにあったのに・・・・

 それは私だけではなく、ほとんどの人がその告知を読んで「え?あの非常口のって替わっていたんですか?気が付かなかった」と言っていた。

 非常口誘導灯なんて、電車内や図書館で鼻くそほじるオジサンよりも、「見えてるけど、見えてない」存在だったらしい。

 それの前なのか後なのか覚えていないが、ビョーキになってしまったM嬢を実家に強制連行した後、たびたび残された部屋を掃除しに行っていたのだが(まず冷蔵庫を空にしたりとか)、ある時、ふと窓際の天井付近にあるエアコンがおかしなことになっているのに気がついてギョッとした。

 フィルターがちゃんとハマってなくて、半分くらいニョッキリとはみ出していたのである。
 一瞬、ゾっとして立ちすくんでしまった。
 だって、友人が「自分の留守中に侵入犯が入っていて、いろいろ嫌がらせをされている」って言っていた部屋なので、「も、も、も、もしかして、本当だったのか?」って一瞬思ったのだ。
 だって、もう何度も掃除に入っていたのに、全然気が付かなかったし。
 でも、気がついてみれば、そのエアコンの状態は玄関からも台所からもはっきり見える位置だったので、「これを見落とすはずがない」と思えたのである。

 しかし、冷静になって考えてみれば「もし、誰かが本当に侵入して嫌がらせをしていたとしても、エアコンのフィルターを半分出しておくなんて独創的なことは絶対に思いつかない」と確信できた。

 友人が劇症化したきっかけの一つに「夜中に棚が落ちた。あれはわざとビスをゆるめていたのに違いない」という事件があったが、私はその時も「もし、本当に嫌がらせだとしても、ずいぶん高度というか、普通はそんなの絶対に思いつかないよ」と思った。
 後で調べてみたら、その棚のビスは他の段もかなり劣化していて、4箇所揃ってない段が他にもあったので、それは私が外して下ろしておいた。
 普通、ああいう棚のビスは劣化しないよう出来ているはずだが、オシャレな店で買ったデザイン性の高い棚だったので、エレクターみたいに丈夫じゃなかったようで、もう寿命だったんだろう。(そのビスも一般的な形ではなかったし)
 しかも、外れやすくなっていたことに加えて、引っ越しが重なったので緩んじゃったんだろうね。

 で、エアコンの話に戻ると、いつからその状態になっていたのかわからないけど、たぶん、節約を頑張っていた友人は「エアコンのフィルタはこまめに掃除しましょう」ってテレビかなんかでやっていたので、洗って干して戻そうとしたが、ちゃんと元に戻すことがができなかったのだろう。

 そういう状態だと、他にもいろいろ自らやらかしていそうで、そういうのを後で自分で発見して「こんなの有り得ない!きっと誰かが侵入してやってるんだ!」ってなっていたんだろうね。

 私が他に発見した「なにこれ、有り得ない!」は、電子レンジの中にガッチガチのシュウマイが入っていたことでした。チンして忘れたんだろうけど、いったいどのくらい放置すれば、あんなプラスチックみたいに硬くなるものなのかよくわからなかったけど、あれも、友人本人が発見したら立派な嫌がらせとして認定されていたでしょう。

 でも、そういや、その割に、友人がその後送ってきたメールに書いてあった「被害に遭っていた」と訴えるメールがとても地味だったんだよね。


・継続して部屋に入られていた
・PC見られて、たぶん何か仕込まれている(私としては根拠もあるのです)
・嫌がらせが急に激しくなった。
・留守番電話再生したら電話機からビープ音
・留守番電話の録音を消されること2回
・外泊した間に部屋を漁られていた(様子が違った)
・個人情報の入った書類が奥から出されてきている
・傷んだもの、ゴキブリ(ヘアゴムにつけられてた)などを置いて行かれている(出かける前はなかった)
・ドアノブにくもの巣つけられてる
・細かいものが無くなっている その他もろもろ
・盗聴・盗撮されてたかも(鍵の場所が重要なのはそれもある、って言っても全くわかってもらえなさそうだけど、理由があるのです)

 ああ、でも、このメール探してみたら、2010年の10月のメールでした。
 この頃は、けっこうこういう長文のメール送ってきたんだよな。

 最近のメールは、ほんと短いし、まー君のことだけしか書いてない。

 私が「マー君がリハビリしている間に岩隈さんが追いついてきましたわよ。」とメールしたら「ヂ道に勝っているよね。まー君早く投げないかな。ネイマールがもう復帰してすごいと思った。」ってこんだけです。

 えらくタイプミスが多いのが気になっているんだけど、今回のは「ヂ道」が変なだけで、いつもみたいにローマ字混じりではありませんでした。

 というわけで、頭おかしい女友達からしかメールが来ないので「こっちまでおかしくなりそうだよ!」と日記さんにストレス発散してしまうのでありました。

 ごめんねー

8月26日(火)

 昨日の続きになるが、M嬢が周囲にいる人達のマナーの悪さを酷評することは、「はあ、そういう捉え方もあるんだな」と思って「リアル小町っているんだ」程度に興味を持って拝聴していたが、一つだけ「その話はもうやめて」と何度も言いかけた話がある。

 それは「オッサンはなんであんな公共の場で堂々と鼻をほじるのか?」という話だった。
 それについては特に否定する気もなかったので「ああ、鼻ほじる癖のある人はけっこういるよね」と軽い相槌を打ったのだが、「いや、あれはそんな程度のもんじゃないよ!」と「いかに酷いか」って滔々と説明しれくれたのだが・・・

 無職のM嬢は図書館を頻繁に利用していたので、「図書館の子連れママや、子供だけで遊んでる子達のマナーの悪さ」はよく聞かされていたんだけど、M嬢が明らかに異常な感じになってきた頃に繰り返し聞かされたのは「新聞コーナーで鼻くそほじるジジイども」の話であった。

 「新聞が塞がってるから待ってる間に観察していると、ほぼ全員が鼻ほじっていて、しかもねちゃーてなると、それを持ってる新聞にびとーってなすりつけるんだよ?信じらんない。超ばっちい。だから図書館の新聞読むのが嫌で嫌で」と愚痴るので、「それは嫌だよね」と相槌打つしか無いのだが、「ねちゃー」とか「びとー」とかの擬音もリアルすぎて、「電車の中でする話ではないというか、聞いてる私も不愉快になってるんだから、隣の見知らぬ人も不愉快になってるのでは?」と思った。

 ある時、一緒に電車に乗っていたら、「さっきまで前に座って新聞読んでたオヤジがまた鼻くそびよーんな奴で、びよーんってなったのとねちゃーっと新聞にくっつけてて、ほんと観ていて吐き気がするから人前でああいうことやめてほしい」と訴えるので「ううう、また鼻くそびよーんの話か・・・」とうんざりした。

 「話題逸らしたいなあ」と思って気のない返事する私にさらに苛立つのか、もっと汚い擬音を使って、「いかに汚い行為か」って細部まで描写しはじめるので、どうしていいのかわからなかった。
 しかも、平日の午後だというのに、激しく語ると酒臭い息を振り撒くし、M嬢のすぐとなりに座っている品のいいOLさんは鼻くその話が止まらないし、酒臭いM嬢のことをどう思っているだろうかと心配になったりした。

 でも、それで、私は電車の中でオジサンなんて全く気に留めてない、ということに気がついた。
 電車の中で新聞読んでるオジサンなんて、椅子やつり革などの社内設備の一つくらいの認識なんだろう。よほど、オシャレでカッコいいとか、よほど、変な服装しているとか、それこと逆立ちしているとか泥酔して椅子を独占しているくらいのことやってくれないとその存在に目がいかないと思う。

 そのように、同じ場所にいても、人によって全く別の風景を眺めてるんだな、っていうのはなかなか興味深いし、「事実とは何か?」というちょっと哲学的な話にもなってしまう。

 私の経験だと、ビョーキだったり、ビョーキ気味だったりする人は、必死にそういう「自分にとって苦痛な存在」を誰かにわかってもらいたいと説明していたような気がする。

 話は変わるが、私が「へー、人によって感じ方に差があるんだな」と感心したのは、会社でのある出来事だった。

 うちの会社の隣のビルはけっこう中規模のテナントビルであるが、何年か前から禁煙が進み、ビルの外で喫煙する人が目立つようになっていた。
 最初は、入り口付近で喫煙していたのだが、ある時、「エントランス付近での喫煙はご遠慮ください」という張り紙が貼られるようになって、喫煙者達は構造上、うちの敷地に隣接するあたりに偏ってきたのである。

 隣のビルもうちのビルも歩道より少し引っ込んだところが入り口になっており、歩道とビルの間は平らな遊んだ場所になっているし、うちのビルの場合、そこが駐車スペースになっている。
 そして、敷地の境目には低い塀があって、それが丁度いいベンチになってしまうのだ。
 それ以前にも、たまたま通りがかった営業マンが、携帯電話とメモ帳片手に、その塀に座って長電話していたり、道に迷った営業マンがそのベンチを机変わりに「えーと、今、見えるコンビニはローソンなんですが?ファミマ?ファミマは見当たらないんですが・・・・」なんて言っていたり、まあ、歩道とビルの間の敷地って、うちのビルに無関係の人が入りこむことはけっこうあるし、邪魔にならなければいいだろう。

 つーか、都心のオフィス街なんて、ビルの周りの敷地なんてほぼ「公共の場所」って感じになってると思う。歩道の延長線っていうのか。

 ところが隣のビルの喫煙者が我が社寄りに集まるようになってくると、その低い塀に腰掛けて喫煙する人もちらほらいたし、中には、うちの敷地側に腰掛ける人と、その人と話しているので、うちの敷地に立つ人も出てきた。

 でも、私はそんなの気にしてなかったんだけど、総務部にわざわざ「隣のビルの人たちが国境を超えているのが目に余る」と訴えてくる人がけっこういたのである。訴えっていうか「あれって、会社として注意したほうがいいんじゃない?」程度だったが、中には「目に余ったので注意しておきました」と報告というか自慢しに来る人もいて、「注意しなくていいの?」って言いに来る人よりも「自分は注意しておきました」って報告しに来る人のほうがいくらか好感が持てたけど、そんなに大事というか、重大なマナー違反なのか?と戸惑った。

 塀に座ってのんびり缶ジュース飲みながら喫煙していた人もいたので、もし缶や吸い殻が放置されているのなら、隣のビルにクレーム入れると思うが、ゴミを残すようなマナーの悪い人はいなかったし、うちの敷地に侵犯していたとしても、たかだか5分以内のことだし、常にそこに座っている人がいるという状態でもなかったのである。

 しかし、意外なことに総務部の同僚K嬢も、「ちょっと、あの隣のビルの人たち、どうにかしないといけないんじゃない?てゆーか、うちの敷地に入るなんて、なんでそれでいいと思ってるのか不思議なんだけど?」と言っていたので、驚いた。K嬢は典型的ひとりっ子気質で、比較的他人のすることに無関心なんだが、でもそれは「自分のテリトリー外には無関心」なだけで、うちの会社の前の敷地はK嬢にとってはテリトリー内だったようです。

 というわけで「うちの会社のテリトリーが侵害されてる」と言う人達に全く関連性がなかったので、非常に興味深い出来事だった。人間は奥深い。

 ただ、テリトリー意識が強い約2名が、領海侵犯している隣のビルの人達に随意警告を発していたのが効いたらしく、その後、ほとんどいなくなったんだよね。
 たぶん、そういう無神経な人(テリトリー意識の高い人から見て)は少数だったし、「隣のビルの人に注意されちゃった」っていう噂がすぐに駆け巡ったからではないかと思うが、この場合、互いに「無神経/神経質」という少数派の戦いであったし、互いに大人で普通に会社で働いてる程度には一般常識があったので、なんとなく収束したけど、小町によく上がるような「隣の家の子供がうちの駐車場で遊んでいるのだが、なんでうちの敷地に侵入してくるの?信じられない!」っていう問題の一面を垣間見たような気がした。

 敷地侵入問題で思い出したが、これも「捉え方は人それぞれ」の一例っていう話しだろう。

 これも何度か日記に書いたお気に入りの話で、私がこの話に題名を付けるのなら「我が身に起こることとして想像できるか否か?」って感じになると思う。

 千葉の実家の同じ区画の並びで、私が中学生だか高校生の頃、やっと空き地に家の建った区画があった。一番端の「角地」だった。
 その家が建っていく様子を日々眺めていたのだが、庭の造作が始まると、コンクリでできた小さなプールみたいのが出来ていたので「あれは、どうするんだろう?」と母親と話していたのだが、家が完成し住民が越してきたら「鯉の池だった」ということがわかった。

 新婚夫婦が転居してきたのだが、旦那さんが動物好きだったようで、柴犬も飼っていたが、鯉の飼育も趣味だったようだ。
 しかし、その池がけっこう深いのは水の無い状態を見ていたから知っていたので、うちの母は「あれ、小さい子供が落ちたら危ないわよね」とずっと言っていた。たしかに、1メートルくらいの水深はあっただろう。

 しかもその家は、庭に塀もつくらず、その池に網も張ってなかったので、その家の若い奥さんと少しずつ立ち話の機会を得ていたうちのおせっかいな母親は「この池、危なくない?」と何度か意見していたらしい。

 我が家の家の前の道路は、その区画の人か、一つ奥の区画の人しか通らないので人通りは限られていたが、その角地はずっと奥の隣の町会(うちが一丁目だとしたら、四丁目くらいまで)の人が駅に向かう通りだったので、車の通行量こそ少なかったが、人通りはけっこう多かったのである。

 なので、池に水を循環させる音を聞いて、立ち止まって覗き込む人もいたし、塀も無いので小さい子供がうっかり池に興味を持って庭に入ってしまう危険が予想できた。
 しかし、いくらうちの母が「危ないと思うのよー」と言っても、網すら掛ける気はなかったようなのだが、1年後くらいにそこの奥さんが妊娠したら「あっという間に柵と網作った」とうちの母が半分自慢ゲに、半分呆れ気味に私に報告してくれた。

 なので、私はそのエピソードを「あなたが所有する池は子供には危険です」といくら警告してもスルーしていた人が、自分に子供ができたら、すぐに対処したという、「自分に子供ができないとわからないものよねー」な話だと思っていたのだが、それをある時、まだそんな状態の悪くない時のM嬢にしたら・・・・

 「他人の敷地に入る子供が悪い」と言われて「え?」

 「で、でも、3歳くらいのけっこうパタパタ歩いちゃう子とか、幼稚園児くらいでも池に興味持って近づいちゃう子いるかもしれないし」と言っても「そんな、他人の敷地に入るような無責任な躾けしている親が悪い」と譲らない。

 でも、たまに貯水池とかで、柵がしてあったけどそれが壊れた隙間から子供が入りこんで水難事故とかあるじゃん・・・と言ってみたら「立入禁止なのに入り込む子が躾けがなってない」と言われると、「まあ、そうなのかも」と思うのですが、それで「はあ、なるほど」と思ったのは、そのM嬢の世界観をうちのご近所さんも持っていたとすると、うちの母親がいくら「子供がうっかり侵入したら危なくない?」って言っても「だって、ここうちの庭なのに、なんで侵入してくるの?」って思うだけでしょ。

 ただ、そりゃ法的には、もしなんかあっても、個人の邸宅の庭に勝手に侵入して溺れた子供に対して、そのお宅は責任持つこと無いのかもしれないけど、でも自分ちの庭で子供が溺死したらいやじゃん、って思ったのだが・・・・

 あのお宅の住人は、M嬢と似たような世界観を持っており、「他所の子が庭に侵入してくる可能性」には全く思い当たらなかったけど、自分ちに子供ができたら、そこは「自分の子供のテリトリー」だったので、網で防御したってことだったのでしょう。という解釈もできる。

 そう考えるとM嬢の言う「なんで、自分ちの庭に侵入してくるような躾けのなってない子のために、うちが金かけて防御柵を作らないといけないわけ?」っていうのも、まあ、そのとおりだし・・・・

 なんにせよ、テリトリーの意識というか感覚って人によって随分違うので、いろいろ難しいですなあ、って話でございました。

8月25日(月)

 岩隈さんがとうとう、マー君と並ぶ12勝目を挙げていたので「マー君が復帰する前に差をつけておこーぜ」と思っていたのだが、今日は残念ながら炎上しちゃったそうです。でも、チームは勝ったけど。
 (日本のMLB報道は日本人選手の活躍だけを取り上げるので、その所属チームの勝ち負けにはあまり関心が無いようだ)

 プロ野球といえば、先日ついに広島の堂林君の熱愛報道があったが、なんだか女子アナとの交際報道が続いてますね。
 いいことだ。
 いや、マジで私はプロ野球選手が女子アナと交際するのを応援しているのだ。
 だって特にキー局の女子アナなんて、もしかしたら一軍登録されてるプロ野球選手よりも人数が少ないかもしれない。なによりも上昇志向の強い女子のトップに君臨する勝ち組だろうし、中には「???」な人もいるけど、「知性と美貌を兼ね揃えました」って人材が集まってるわけで、タレントやモデルとは格が違うような気がするのである。

 なので、そんな高嶺の花を「わが息子たち」がゲットすると、「よーし、よくやった」と心の中で高々とガッツポーズしてしまうのである。
 「ほーら、やっぱりプロ野球は今でも人気スポーツでしょ?」と安心するし。

 しかし、残念なことに私は女子アナにほとんど興味が無いので、熱愛報道があっても、お相手が誰だかよくわからないことが多い。ミタパンって誰だったっけ?とか。アヤパンくらいになるとさすがにわかるが・・・つーか、「パン」がつくのって誰が初代だったっけ?

 野球といえば、昨日は甲子園を眺めていた後、巨人-中日にチャンネルを替えたのだが、「けっ、巨人が追いついてきた。もー、川井はだから信用できん。そんなだから登録名がコロコロ変わるんだろうが。雄太って誰?新人?って戸惑ったじゃないか」と思っていたら、巨人の中継ぎで出てきた久保がまさかの三人連続四球で押し出しっていうのを観てしまったのである。

 連続四球記録と言えば、楽天の長谷部が何年か前に(2010年だそうです)「四球-四球-四球-四球-本塁打-三振-三振-三振」という「なにその凄い役満みたいなの」っていうのも記憶に新しいので「連続押し出し」っていうのも他でも観たことあったような気がしたが「日曜日のデイゲームとはいえ、地上波放送」で観るのは衝撃的だった。なんか、この間のワールドカップでの「ブラジルふるボッコ」に通じるような「観てはいけないものを観てしまった」というか。

 さて、先日「美しいものばかり目に入るビョーキ」についてちらりと書いたが、40歳過ぎたあたりから「醜いもの、辛いもの、嫌なもの」に対する感受性が低下してきたのを自覚していたので「なんか生きるのがラクになってきた」と思っていた。
 元々、どっちかというと「いいこと探し」が得意で、誰かに「ポリアンナみたい」と言われたこともあるが、ポリアンナは観てなかったので、それが褒められてるのか笑われているのかわからなかったんだけど。

 はっきり意識するようになったのは友人M嬢が明らかに「悪いこと探し」するようになってきてからである。
 同じ場所で同じモノを観ているのに、きっぱり正反対の感情を持っていたのだ。

 これも何度か日記に書いているけど、まだ西武ドームのビジター側が3塁側だった頃、たぶん夏休み中の平日に内野自由席で楽天戦を観戦していた時、少し前の席に40歳くらいの父親と、小学校低学年と幼稚園児くらいの息子二人の家族連れが座っていた。
 試合半ばに、父親が席を外して通路を上がっていったのだが、トイレに行ったのかタバコ吸いに行ったのか知らないけど、父親はなかなか戻って来なかった。
 子供だけを席に残しておくとファールボールの危険もあるので、あまりいいこととは思えなかったが、小学生のお兄ちゃんがいるから少しくらい大丈夫だと父親は判断したのだろう。

 しかし1イニングが経過しても父親は戻ってこないので、幼い兄弟は試合よりも「パパ、まだかな?」と背後をじっと眺めるようになっていたので「ファール飛んできたら危ないなあ」と私は思った。でも、もしファールボールが飛んできたら、私が注意してあげればいいや、と思っていたのである。

 そして、せっかく球場で試合観ているのに、試合よりも「パパ、まだかなあ?」と肩寄せ合ってチラチラ後ろを不安そうに眺める幼い兄弟の様子が可愛くて、横にいる友人Mに「うふふ、あんなにパパまだかなあって振り向かれて、パパが戻ってきたらいじらしくてしょーがないだろうね」と言ったら、「えー?放置されてて、可愛そうじゃん」と言われたので、びっくりした。

 友人Mは子供を短時間でも放置する親にとても厳しかったのであるが、まだその子たちは「可愛そう」というほど放置されていたわけでもなく、ただ3分くらいで戻ってくるはずの父親が15分くらい戻ってこなかっただけなのに・・・・

 結局、その父親はどこかでサボっていたわけではなくて、しばらくすると両手にかき氷持って戻ってきた。夏休みの球場は野球観に来たというよりも、かき氷食べにきたというお子さんが多いので、かき氷屋は長い行列が出来るのだ。

 もう一つ、別のエピソード。
 これもやはり野球絡みで、M嬢との思い出は野球絡みが多いのだが、それはM嬢の様子がちょっと変だったので、マー君ファンになっていたM嬢を私がよく球場に連れ出してリフレッシュさせているつもりだったからである。

 千葉マリン球場に向かう京葉線でのこと。
 ナイターの試合を練習から観ようとしていたので、午後3時台くらいだったので、電車は空いていた。
 あれも夏休みだったのかなあ?船橋あたりで、私らの向かいに座った家族連れがちょっと特殊な家族連れだった。

 30歳くらいの若い白人の父親が、5歳と3歳くらいの「やんちゃ盛の男子」を連れていた。
 そして、なぜか60歳くらいの日本人男性が付き添っていたのである。

 西洋人と結婚した娘が帰省してきて、なぜかお爺ちゃんと婿どので孫をどこかに遊びに連れていったのであろう。義父と婿殿はほとんど会話してなかったので、互いの英語力や日本語力がどの程度なのかわからなかったが、打ち解けた感じでもなかった。
 でも、最低限の意思疎通ができないと、あの組み合わせで放り出されたりしないと思うので、そこそこきちんとしたサラリーマンの休日風のあの義父は、その状況を受け入れられる程度には英語ができたのかもしれないし、婿殿の方も、ラフな服装はしていたが、髪型もきちんと整っていたし、刺青などもなかったので、「最低限でもベルリッツの教師」程度の仕事をしているように見えた。

 でも、子供のほうはお出かけが嬉しくて父親に戯れまくっていた。父親の膝に乗ったかと思えば、足元の床に転がって、という感じだった。日本人の義父の方も、行儀の悪い孫を叱るわけでもなく、穏やかに座っているだけだった。

 というわけで、私は「日本人の義父と、西洋人の婿殿とその孫だけ」っていう家族連れは大変めずらしいと思ったし、全く会話しないので、「この二人、どの程度、意思の疎通ができるんだろうか?つーか、全くできなかったら同行しないよなあ?」と思ったし、どういう経緯でこういう状況になったのか興味深いと思っていた。
 久々に実家に戻ってきた娘が、西洋人夫に「子供連れてどっか遊びに行ってよ」と追い出したけど、夫が「自分一人じゃ電車によう乗らへん」と言ったので、「じゃあ、お父さん道案内して」と押しつけたのだろうか?

 でも、今その光景を思い出してみると、その義父の寡黙な雰囲気はうちの父に似ており、もし私が外国人と結婚して香港あたりに住んでいて、久々に実家に帰って「お父さん、孫を昭和記念公園のキッズパークに連れていってあげて、旦那も一緒に!」って押し付けたら、私の父はあんな感じで付き添ってくれると思う。

 で、船橋あたりで乗ってきたその家族は、幕張より手前で下車したのだが、友人Mもその珍しい一家は注目していたのはわかったのだが、その家族がいなくなったとたん、「なに、あの山猿は!!」と怒り始めたのである。
 全く席につかずに、ずっとウロチョロしていたのが目障りだったらしい。
 しかも、それを全く注意することなく放置していた西洋人父と日本人祖父も。

 私が「でも、あのお爺ちゃん、もしかして英語全然ダメだったかもしれない」と言うと、その可能性はM嬢も感じていたようで、「でも、だからって・・・」とブツブツ言っていたが、それよりも、自分の子供が公共の場で、あれだけ行儀が悪いのを涼しい顔で放置していた西洋人男性のことがムカついているようだった。

 「あいつら、自分の国では絶対にそういうことしないのに、日本とか東南アジアを舐めているんだ!」と言う。
 M嬢は西欧諸国の公共マナーの良さが好きなんだけど、移民がそれを乱すの光景に心痛めている話は時々聞いたが、それよりも、「自国が堅苦しいからって、そっから逃げた人が東南アジアや日本で好き勝手にマナー違反する」っていうのが、なんだかすごーく許せないらしくて、特に「子供の躾けに緩い国だからいいじゃん」って、山猿を放置する西洋人の親が許せないらしい。

 あー、でも、5歳と3歳の男子なんて、あんなもんでしょー、って思ったのだが、M嬢にとっては正視に耐えないレベルだったらしい。


8月24日(日)

 広島の土砂災害はまだ長引きそうだけど、去年の大島の土砂災害とか、その前の奈良あたりの土砂災害などを思い出し「山って崩れるもの、というか崩れているから山なんだよなあ」って思う。
 会社で「山削って住宅地にしてるから、そうなっちゃうんですよね」って言ってる人がいたので「神奈川だってそういう住宅地多いと思うよ」と言ったら、「あ・・・確かに」と言っていたけど、首都圏の場合は「丘陵地帯全部開発しました」っていうのが多いから、裏山から土石流がっていうケースは少ないかもしれないけど、土台がヤバくなりそうな場所はいっぱいあるし、私の住んでる場所も沢に向かっての緩やかな傾斜地なので、大量の雨が降ったらどうなるかわからない。

 でも、大島の時もそうだったけど、真夜中に土石流が発生しても、周囲が暗いから気がつくのが遅れるし、気がついた時にはもう家の外に出られないんだよね。地震や津波の被害もそうだけど、起こった時間帯により、後の被害状況が違ってくるものなのだろう。

 あと、ニュースを観て思ったことと言えば、シリアでブイブイ言わせてる「イスラム国」っていう過激派組織が日本人を拘束したことで、日本でも「イスラム国?」って認知度が高まってますが、またインターネットに処刑動画上げてるようで、「やーねー」って思いますけど、「人道的に許しがたい卑劣な行為」って批判されてるのを見ると、ちょっと疑問に思ってしまう。

 だって、西洋でも日本でも公開処刑が行われてたのって、つい200年くらい前の話じゃないの?

 そして、映画も無かった時代、公開処刑は庶民の娯楽というか「見世物」だったみたいだし。
 フランス革命の時のギロチン処刑なんて、まさにそんな感じだったみたいだし。私は「えー、そんなの見に行くの趣味悪い」と思ったけど、よくよく考えれば「今日、太陽に吠えるの再放送でジーパンが死ぬよ」って友人宅に集合してみんなでテレビでジーパン刑事が死ぬところを真剣に観ていたのと同じようなことだと思えば、私も公開処刑が当たり前の時代に生きていたら、「今日、市中引き回しの刑やるってよ!」って友達誘って見物に行っていたかもしれない。

 それが、インターネット動画で公開されてるってあたりが、「やってることは同じだが、テクノロジーだけ発達しちゃって・・・」とすんなり理解できないけど、「人間の本質ってそう変わらない」っていう決まり文句で無理やり納得せざるをえないというか、なんというか。

 あと、例の代理出産量産問題も、相変わらずよくわからないまま「科学の発展に伴う新しい倫理観の必要性」みたいなことをテレビの中の人は訴えていたけど、「篤姫」を再見している途中だが、もし江戸幕府の時代に人工授精で代理母出産の技術があったら、どんなことになっていだろうか?
 そもそも「大奥」ってシステムが将軍に複数の妾をあてがい、跡継ぎをキープするっていう制度なんだろうけど、それだけでは危ういので、御三家みたいな傍系がサポートすることまで考えていたのは凄いが、もしまだ日本が徳川幕府の時代で鎖国していたら、じゃんじゃか代理母出差していたような気がする。

 つーか、今の宮内庁の中にはきっと「ああ、この手使えたらなあ」と妄想している人多いと思うな。

 いや、そういう高貴なお血筋を守るって話だけではなく、「日本がオリンピックでメダルをもっと獲得するのにはどうしたらいいのだろう?」って真剣に考えると、「育成を強化」も大事だが「遺伝子が大事じゃね?」っていう発想もあるだろう。

 昔、友人M嬢が「ダルビッシュと室伏の妹を掛けあわせてみたい」と冗談で言っていたが、どちらもハーフとして成功した遺伝子なので、それを掛け合わせるとどうなるのか、生物学的には非常に興味深い。
 私が大富豪だったら、そういう優秀な精子と卵子を収集して、代理母に産ませて実験したいくらいだ。

 でも、私は一般教養があるから、そんな無茶しないけど。だって、競走馬の世界では、そんなこと常にやっているが、駄馬も多いのである。実家の近所にある農工大の馬術部の厩舎には、サンデーサイレンスの子供もいたけど、そういうことなんだろう。国立大学の厩舎に払い下げられてるって、タダ同然だったと思うよ。つーか「3ヶ月分の餌代おまけするから引き取って」くらいのことだったのかもしれない。

 サンデーサイレンスほどの名種牡馬でも、どれくらいの子供がいて、その内どれくらいが、G1に出場できるクラスだったのかね?

 で、人間は、すでに家畜の品種改良でアナログな遺伝子操作を散々やっていたんだけど、それが科学の進歩で「人間でもできますけど?」ってなったら、どうしましょ?

 生命倫理がどうのって言っても、そんなの誰が決めるのって話だし。

 倫理って難しいよね。
 
8月23日(土)

 出勤。
 帰りの電車で多摩川の花火大会がちょい観できました。

 そういや、何年か前にも花火大会中に電車に乗っていたのだが、二子玉川駅でけっこう長く停車していいたので「乗客サービスなんだろうか?」って思ったんだけど、今日はあっさりと発車してしまったから、あの時はたまたま前の電車との間隔がどうのとかあったのだろう。

●最近の小さな悩み事

 前から鼻のあたりを掻く癖があり、特に目と鼻の間、ちょうど眼鏡の・・・・えーと、あの部品には名称があるのだろうか・・・・眼鏡かけていると跡がつきやすいあたりを集中的に掻いてしまうので、そこだけ軽く色素沈着しているのだが「ここの肌色が少し濃いと、ノーズシャドウみたいでいいじゃん」と得意のポジティブシンキングを発揮していたのであった。自分にはわかるけど、たぶん他人が観てもわからない程度だし。

 ところが、それを意識しはじめたからなのか、よく掻くので本当に皮膚炎になってきたのか、この夏からいっそう痒くなり、痒み止め軟膏を縫っているけど、いっこうに痒みは収まらず、色素沈着も他人が観てもわかる程度に目立ってきた。
 皮膚科に行こうか悩んだが、会社付近には適当な皮膚科がない。なんか美容外科みたいな感じの皮膚科しかないのだ。前に体中に湿疹できた時には家の近所の皮膚科に行ったのだが、朝、皮膚科に寄ってから出勤すると出勤時間が遅くなってしまうので、フレックス制だからそれでも構わないのだが、「この程度じゃあ」とついつい思ってしまうのであった。医者嫌いというか、医者に行くのが面倒なだけだ。

 あと、前に顔の吹き出物を悪化させて、ボコボコの醜い炎症になってしまったので「顔だし・・・」と皮膚科に行ったら、医師に「どうされましたか?」と決まり文句を言われたので、え?そんなの見りゃわかるじゃんと思ったが、「ここです」と顎に出来た十円玉二枚程度の面積の赤黒いボコボコを指さしたら、「え?ああ、はあ・・・・」と、まるで「こんなんで医者に来たの?」と言わんばかりの態度だったので、「あの時は塗り薬処方して、『これで良くならなければ1週間後に来てください』と言われたし、すぐに薬が効いて治ったが、あのまま放置してもキレイに治ったのかもしれない」と思ったっけ。

 ああ、また話が逸れた。
 その顔の痒みと色素沈着であるが、鏡観ていると、その影がちょっといい感じなのである。
 なんだか、目の周りがブチの犬みたいでさ。

 この片側だけ茶色っぽくなってる感じが、昔、近所にいたお気に入りの犬を思い出すのだ。
 もう、相当な老犬で、目も濁っていたし、家の外の犬小屋の中でいつもじっと伏せていたのだが、とても優しい顔付きの犬で、痣のような目の周りのブチとか、ほくろのような濃くて小さい点々な模様が絶妙で、オスだかメスだかも確認してなかったが、「すごい可愛そうな感じだけど、それが逆に美しい未亡人のようだ」と思った。

 顔にうっすらと痣がある未亡人(美人)って、いいでしょ?(笑)

 というわけで、自分の想像力が豊かすぎて、痒くてボリボリ掻いてるから、目のあたりに痣みたいのが出来ちゃっただけなのに、「この可愛そうな感じがたまらん」と肯定しちゃってるんだから、ほんと、私ってバカである。

 それとはちょっと違うが、正月に実家帰った時、うちの母が「ちょっと白髪染めやめてみたの」と根本が3センチくらい白くなっていた。長年自分で白髪染めしていたが、さすがに面倒くさくなってきたのだろう。私もちょうど「今の自分の毛髪はどんな状態なんだろう?」とストレートパーマやめていたので、その気持は良くわかった。

 ところが、母の場合、地毛の白髪が現れたら、不思議と若く見えたので、そのまま正直にそう意見した。
 「たぶん、それくらい白髪だと、ほんとお婆ちゃんっぽいんだけど、イマドキってみんな染めてて、そんくらい白いと、すごい年寄りだって思うけど、その割には顔がそうじゃないな?って思うからかな?」

 この間、姪っ子達が来た時には、母の頭髪は半分以上真っ白になっていたので、孫達は「わー、おばあちゃん!急におばあちゃんになっちゃった!」と驚いていたらしい。
 でも、若い子が急に金髪にしたくらいの「イメチェン」にはなったので、本人も気に入っているようだし、私の言う「その分、顔が若く見える」という意見にも納得したようで、しばらくあのまま放置するんだろう。また気が変わったら染めればいいだけだし、そうなるとまたイメチェンになっていいと思う。

 結局、髪型だろうが化粧だろうが服装だろうが、他人はあまり関心が無いので、自分の好きにすればいいって話。
 他人に不快感与えなければ、どーだっていいみたい。男性なら、あまりにも散髪しないと長髪になってしまい見苦しくなるし、女性の場合は度を越した厚化粧はダメだけど、ほぼスッピンというは、意外と他人は気にしてない。

 話は変わるが、花火大会中の多摩川に近づいたら、ドドンと音がしてきて、私の前に座っていた若い男女が「きゃー、花火やってる!」と騒ぎ始めた。
 花火大会開催を知らずに渋谷方面に向かっているらしい。4人並んでいて、中心に男子が二人座っていて、その両脇に女子が座っていた。

 花火にはしゃぐ彼らを微笑ましく観ていたのだが、よくよく観てみると、その男子二人はなかなかのイケメン君だった。身長も180センチくらいありそうだったし、体格もしっかりしていたので「高校の時は運動部でした」って感じだった。東方神起の7掛けくらいって言うと褒めすぎだろうか?

 で、その二人がなかなかのイケメンだとういうことに気がつくと、その横に座っている女子は、10人並みというか、10人中3位くらいって感じだったけど、隣の男子との間に鉄のポールがあるのだが、それがまるでポールダンサーのポールのように巻き付いていて、しな作って媚を振りまいていた。
 もう一人の女子は、ほとんど喋らず、ちょっと内気で真面目そうなな子だし、化粧もほとんどしておらず、その子だけ見ると、まだ高校生なのかもしれないけど、土曜日とはいえ、6時過ぎに都心に向かってるってことは、この春高校を卒業したばかりな4人組なのかもね。

 あの媚び媚びの子が計画した「自分より地味なの誘ってのダブルデート」なのかもしれない。
 でも、男子のあのレベルだと高校ではモテた方だろうし、これからどんな夜を過ごすのだろうか?

 若い男女の恋の駆け引きの一部だけ眺めただけだが、「うふふ、いいね、楽しそうだね」と心底思えるあたりが、「ああ、自分も年取ったなあ」と苦笑しちゃうけど、だって、ほんとに「セミよ、頑張って鳴け!」って感じですもの。

 で、話が前後するが、その男女4人組に気がつく前に、その車両に乗った時、「ん?若くてキレいな男子が多いな?」と思ったのだ。沿線に日体大があるので、「うわ、体育会系ばかり」ってことはたまにあるが、美形が多いっていうのは珍しいので不思議に思っていたら、目の前にいた男子もイケメンなことがわかり、「ちょっと、となりに座ってるスマホから目を離さない子も、席が空いていてもドア付近に立ってる子も、顔面偏差値67くらいなんですけど、今日は沿線で何があった?」と不思議でした。

 でも、こういうこと、時々あるんだよな。
 これは、40歳過ぎてから気がついたのだが、「自分好みの美しいものばかり目に入る」っていう状態が時々起きるようなのだ。
 まあ、大したことでもなく、今日みたいに「同じ車両に乗ってるのが美形ばかり」ってこともあるし、通勤で駅に向かうと「え?今日はなんですれ違う人が皆美しいの?」ってこともある。

 この自分の性質に気がついたのは、ビョーキになってしまった友人M嬢が、私とは真逆に「醜いもの」ばかり目につくようになってしまったので、「美しいものばかり目につく」っていうのも、ビョーキの一種なんだろうなって自覚したからである。

 最近、私の中で人気急上昇中の美しいアイテムは「じいじと孫」である。
 夏休み中なので、実家に帰省した娘が子供の世話を父親に押し付けるらしく、じいじと孫がけっこう大量発生しているようだ。それに最初に気がついたのは、お盆休み初旬の頃、朝の通勤で駅に向かっていたら、60代のおじいちゃんと、小学校低学年の孫娘が二人並んで駅に向かっており、孫娘はロングヘアのなかなかの美少女で、あれはきっと祖父からすれば三井のリハウス級に見えているだろう。

 「じいじと孫」の図が興味深いのは、互いにちょっとだけ緊張感があるところだ。
 まだ、今の祖父世代は「イクメン」なんて言葉がなかった時代の人なので、「子供と二人だけで外出」っていうことに慣れててない雰囲気がある。

 で、私の少し前を歩いていた、その「つい最近、定年退職したばかり」のような祖父は、自分と二人っきりで外出する孫娘の緊張を解こうと思ったのか、ヒゲ・ダンスしてました・・・・
 孫娘はヒゲ・ダンスわかっていたのかわかりませんが、じいじが変な踊りするのがウケたらしく、真似して踊っていた。

 うううう、いい光景だなあ。と感激しつつ駅に向かいました。

 そういや、この間目撃した親子連れは判定が微妙だったなあ。
 最初に目についたのは、だらしなく足おっぴろげて座っている若い母親でした。仲里依紗みたいな雰囲気のけっこう美人の母親でしたが、とにかく疲れきっていて、横に座っている幼稚園児くらいの息子にも構わず、その息子はひたすらゲームに没頭っていう、イマドキだとありがちな光景でした。

 あれは会社から帰る途中だったので、「行楽帰りで疲れてるんだろうな」って思いましたが、それにしても、母親の子供への無関心な感じがちょっと気になっていたのですが、しばらくして、「あ、旦那が隣にいた」と気が付きました。
 最初、電車がそこそこ混んでいたので、母と息子、父と息子は別家族なのかと思っていたのですが、どうやら同じ家族だったようです。隣に座っていた若い父親も眠そうというか、ほぼ眠っていたのですが、3歳くらいの息子を抱っこしており、若い父親はその子に頬ずりするように、一緒にうとうとしていたのでした。

 さっきまで「行儀悪い若い母親とゲームに夢中の幼児」という、あまり見栄えのいい絵じゃなかったのに、横にいる「 男性版ピエタ」みたいに息子を抱きかかえる若い父親も同じフレームに入れてみたら「ちょっとやさぐれた印象だけど、でも、けっこう幸せな家族の図っていうか、親はもうちょっと余力残して帰宅したほうがいいよ」っていう構図になりました。

 そう思えると、やさぐれた感じの若い母親も、「わー、眠い、もう限界だけど、私が寝たら終わりだ」と必死に頑張っているので、ミニスカートなのに膝閉じる余裕もないのでしょう。
8月22日(金)

 松田翔太がキスするキシリッシュのCM、ヤバいっすね(笑)

 あれが流れるたびに、頭の中に住んでる女子が「キャー キャー キャー」と踊り出します。

 今日、たわむれにネットで検索してみたら、やはり多くの女性が「まじヤバい」と呟いていました。と、同時にネットでロングバージョンも流しているようだったので、鑑賞してみましたが、そっちは松田翔太がどうのというより、相手の女性のセリフが酷くて、「女子の妄想」っていう側面のほうが強くなり、素直に楽しめませんでした。

 それにしても松田翔太はライアー・ゲームで初めてちゃんと観てから「兄の龍平よりも、こっちのほうが好きだな」と思っていたけど、ライアー・ゲームは途中で設定に飽きちゃってあまり観てないし、松田翔太が演じる役にハマったことって不思議と無いなあ。あんまりドラマも映画も観てないせいもあるけど。

 「篤姫」で篤姫の義理の息子になる将軍・家茂は拍子抜けするほどの好青年だったので「もっとダークな役の方がいいのになあ」と思っていたが、そういや、あんまりちゃんと観てなかったけど「平清盛」ではライバル役の後白河天皇役で、なかなか良かったけど、個人的な趣味としては「もっと清盛と後白河をモーホーすれすれで描けよ」と思った。

 キシリッシュのCMは「松田翔太にこんな役をやってほしい」という願いがドンピシャに叶った感じで嬉しいのだが、「ほーら、ほーら、おめーらこういうの大好きだろ?」という雰囲気も濃厚なので、「ああ、あざといけど、やっぱり好き」と悶てしまう感じがたまりませんが、ドラマ制作者が「なるほど、こういうのツボなのか」と気がついて、ベタベタな企画作ってほしいものです。スポンサーは明治で。

 そういや、龍平よりも翔太の方がいいとずっと思っていたのに、「あまちゃん」で龍平が演じたミズタクにはしっかり萌えました(笑)
 あれも狙ったのか、偶然の産物なのかわかりませんが、アイドル周辺に生息するキモオタを龍平にやらせてみたらドッピンシャン抜けたらドンドコショって感じでした。(どんな感じよ?)

 あの役は普通だったら、ブサカワ系にやらせると思うのですが、それをイケメンの龍平がキモいところはちゃんとキモく演じたのが、とても違和感ありまくりで良かったです。

 ところで、私は「太陽に吠えろ」で松田優作演じるジーパンの殉職シーンは再放送で何度も観たけど「探偵物語」などは全然観てなくて、あまり松田優作に思い入れがありません。
 10代の頃の私の「お耽美趣味」とは合わなかったようで。

 でも、松田翔太の美貌には「お耽美趣味」を非常にくすぐられるので、なんか、もっとガーーっとやってほしいものです。その「ガーーーっ」っていうのが具体的にどういうものなのかは、わかんないんだけど、それわかってれば、業界に君臨していますよ、今頃。

 今クールのドラマはどれもイマイチですけど(全部観たわけでもないが)、作ってる人達は一生懸命やってるのでしょうけど、観ているこっちとしては「もう刑事物飽きた」としか言いようがなく、じゃあ、何が観たいんだと言われてもね。

 そういや腰痛で寝込んでいた時に「独身貴族」が再放送していたので初めて観たが(本放送時には全く興味なかったので)ツヨポン演じる兄が映画会社の天才的プロデューサーだけど、それ故にコミュニケーション能力が低いというか「人間嫌い」な人物設定で、その弟が伊藤英明で、そっちは病的に人心掌握能力に長けている社交的な人物で、映画観てないけど、伊藤英明が演じたサイコパス教師もちょっと観てみたいかもと思わせた。

 で、その性格が全く違う兄弟が北川景子を巡ってすったもんだするのだが、北川景子があまりにも美しいので、ある意味ミスキャストなのだが(だってちょっと天然な駆け出しの冴えない脚本家っていう役柄なのに)、兄ツヨポンがその内面に惹かれ、弟伊藤英明は先に外見の美しさに惹かれて・・・っていう難しい設定なのだが(たぶん、柴崎コウが得意とする役柄)、「そんなややこしいの難しいから、最初からドーンと誰もが納得する美人置いておけばいいんだろ」という力技がけっこう心地良かった。

 ああいう破壊力のある美男美女は、演技が下手でも、うっかり役柄にハマることもあるので、調子に乗って使い続けてみてほしいものである。

8月21日(木)

 昨日はN嬢のことをつらつら考えていたのだが、それで人格障害についてさらに読んでいたら自己愛性なんちゃらっていうのも当てはまるような気がしてきて、どーでもよくなってきた(笑)

 でも、境界性なんちゃらな女性には魅力的な人が多く、びっくりするくらい献身的な夫がいたりするケースが多いらしい。
 っていうことは、私はN嬢にとって、なにかしらのそういう魅力があるんでしょうかね?

 たしかにちょっとビョーキの人に甘いところはあると思いますけど・・・・

 でも、よくよく考えてみたら、私はちゃんと働いて自立しているけど、独身で子供もいない、ってあたりが取っつきやすいのかもしれないな。とほほ

 そういや、N嬢にしてもM嬢にしても、共通するのは「父親が働いてない」ってことで、首都圏のサラリーマン家庭で育った私には「それで、なんで東京の私立大学に進学できたの?すごい資産家なの?」と不思議ですが、N嬢んちは母親が公務員だったようなので、それなりに収入あったんだろうけど、M嬢んちは謎だった。

 ある時、「Mちゃんの実家って何が収入源なの?」って聞いたことがあったが、その時の答えが「遺族年金」だった。その頃は祖母がまだご存命だったので、戦没者だった祖父の戦没者遺族年金がけっこう手厚くあったらしい。

 でも、その祖母もとっくに亡くなっているし、今はどうしてるんでしょうね?父や弟はちゃんと働いているんだろうか?

 うちの家系にも働かない男がいて、私の父の従兄弟が今で言うところの引き篭もりみたいだったらしい。
 詳しくは知らないけど、うちの祖母の弟は神童扱いされた頭のいい子だったらしいし、姉妹ばかりの中の唯一の男子だったので、たいそう可愛がられていたようだが、長じて呑んだくれになり、その当時の「大企業の支店長クラス」だったらしい曽祖父が集めた骨董品を全て飲み代に売ってしまったらしい。骨董品はどうでもいいけど「曽祖父が日本画家に依頼した娘達の美人画」なんて、拝見してみたかったです。

 でも、どういういきさつか知らないけど、その嫁は看護師さんで、定職に就かなかったらしい夫を支え、男子を一人授かり、それが私の父の従兄弟だった。互いに一人っ子で、都内に住んでいたので、兄弟のように仲良かったらしい。

 その看護師さん目線で考えると、頭はいいけど呑んだくれの夫は、定職にも就かず、放浪癖もあり、全く頼りにならなかったが、そんなだったから肝臓壊したんだかなんだか知らないけど、けっこう早くに亡くなったようで、その後、女手一つで息子を育てていたようだが、その看護師さんが定年を迎えてしばらくして、そのバカ息子はバイクで事故死しちゃったのである。

 私が高校生の頃の話で、その父の従兄弟は40歳くらいだったと聞いた。

 そんな遠方の親族でもないのに、私が彼に関する記憶がほとんどないのは、引き篭もりだったという事情もあるが、後になって聞いたのだが、「電磁波が入る」とか言って自宅のあちこちを金属製のテープで防御しているような人だったらしく、看護師さんだったその人の母親も退職してからは一緒になって電磁波防御していたらしい。

 そういう、ヤバ人に献身的な人ってけっこういるんでしょうね。

 でも、その看護師さんの人生を考えると、若いころはトンデモない夫に振り回されつつも、なんとか子供を育てて、夫を看取って、仕事しながら息子の世話をしていたんだろうけど、やっと恩給で生活できるようになった頃、息子が事故死って・・・・・状況的に一種の自殺みたいな事故だったと聞いた。なんてことない道路で中央分離帯に突っ込んだのだ。

 その人のことを考えると、今は孫に襲撃されてヒーヒー言ってるうちの母の愚痴なんて「収入が多すぎて税金いっぱい払っていてムカつく!」程度のことのように恵まれておりますな。

 ただ、その看護師さんは「自分がいないとダメな夫」を支えていたけど、その夫を失うと「自分がいないとダメな息子」を設定していたのかもしれない。

 N嬢の母親がダメ夫に尽くしたあげくに、今はダメ娘と仲良く暮らしてるみたいに。

 自分よりダメな人を支えるっていうのは、けっこう普遍的なことのようで、私もこうして「自分よりダメだと思われる人」に関心が高いけど、うちの母や祖母は「お父さんはだからダメなのよ」っていうのが口癖というか、自分の配偶者がいかにどーしよーもなくて、でもそれを支えているのは自分っていう自負がすごく強かった。

 でも誰だって「他人から必要とされてる」って気持は最重要事項なんだろうね。

8月20日(水)

 精神科医のブログ読んでいると時折、境界性パーソナリティ障害の話が出てくるが、「あー、もしかしてN嬢はこれなのかも」と思えてきた。

 N嬢っていうのは、20代後半に体調を崩して実家に帰り、それ以降、一回しか会ったことないけど、メールや手紙を時々寄越す友人です。

 7月頃まで私に「今年もフジロック行くの?羨ましい。ぜひレポートしてね」と繰り返しメールしてきていたので、フジロックから戻ってきてから数日後に「今年はこんなでした」と簡単に感想述べた後、「若者の金遣いが前より派手になってるような気がしました。景気回復してバイト代も上がっているのかね?」って書いたら、返事が夏バテで体調崩していたという記述の後に「フジロックも終わり次の楽しみは?賃金上がっても食料品等の物価上がってますよ。値段変えずに量減らしたりとか」だったので、あ、そう・・・・と返事書いてません。

 なんか、地味にカチンと来る感じなんだよな。
 こっちを必要以上に持ち上げておいて、自分を必要以上に下げておいて、時々こうして「なんで上から目線?」って思うのですが、まあ相手する義理もないので、気が向いた時だけテキトーに返事書いてるだけなのだが・・・

 でも、N嬢の病歴を思い起こしてみると、10代や20代の頃はきっと境界性なんちゃらの診断受けていたように思える。

 10代の頃に旧帝大付属病院の閉鎖病棟に入院したことがあると言っていた。本人は摂食障害でって言っていたけど、それが客観的事実だったのかは知らないし、そもそも入院していたことも本当の話だったのかもわからない。
 一種の自慢話みたいに聴こえたから。

 彼女は地方都市のたぶんそこそこ旧家というか資産のある家に育ったようで、父親は緑内障だかなんだかで視力を徐々に失っていたらしく、家計はたぶん公務員だった母が支えていたようで、そんな状況の中「一家の主」としての威厳を保つために、「我こそは教養人」みたいな虚勢を張っていたようで、N嬢はそんな父親を憎みつつも尊敬していたようだった。

 その父親に会ったこともないので、それも本当なのかわからないが「本当なのかもな」と思ったのは、N嬢は長子で、下に弟が二人いたのだが、3人とも都内のそこそこ有名私立大に入学し、卒業後誰一人としてまともに就職しなかったのである。
 すぐ下の弟は大学院に進んで研究職を目指していたようだが、確か専攻が史学とかで「その学科で大学に残る人は珍しい」と思ったっけ。その弟には会ったことがなかったが、長女のN嬢に似た「プライドが高くて性格がキツいタイプ」と末っ子が言っていた。

 末っ子には会ったことがあるのだ。
 つーか、N嬢が体調不良で実家に戻る直前に「私は東京で夢破れたけど、弟のことはよろしく」と親しい友人らに合わせており、ある友人がその弟君のことを気に入り、一時期よく連れ歩いていたからである。恋愛関係ではなく、その末の弟君はヤワっとした優しそうな男子だったし、その割には高い志を持っていたので、その友人もまた志だけは高い子だったから、その弟君に共感し応援したいと思っていたようだ。

 ほんと、あのN嬢の弟とは思えないほど、ナヨっとした心優しげな男子であった。
 私が「姉に全然似てないね」と言ったら「兄が姉にそっくりです」と微笑んでいたが、あんな強烈な姉や兄がいても全然気にしてないあたりが大物っぽかったが、同時に「この子も自分の立場を全然わかってないタイプというのは同じかも」と思った。

 だって、その当時、その弟君は姉や兄よりはランクがやや落ちる1.5流私立大をすでに卒業していたが、「イギリスの大学に留学するつもりなんです」と言っていたからである。

 26歳の姉が病気で実家に戻り、24歳の兄は文系のオーバードクターみたいな状態で、さらにその頃はほとんど盲人となっていた父が実家にいたわけで、「東京の私立大学に進学しただけでも相当の出費だろうに、さらに英国留学??」とびっくりしました。

 あの当時はその一家のことを「父を立てようとするあまりに、就職せずに学問に没頭することをよしとし、たぶん、その根底には母からの仕送り額で愛情を競っているかのような」と思いましたが、まあ母親もそれだけの収入があったから出来たことだろうけど、なんで兄弟の誰も「お母さんにラクさせたい」って思わないのかが不思議でした。

 結局、その末っ子は英国のけっこう名門大学の「留学予備英会話コース」みたいなところには行って頑張ったようですが、入学は許可されなかったようで、1年後に帰国しましたが、「それって、ただの大学附属の英会話スクールに行っただけで終わったのでは?」と思いましたが、その後、東京で家電量販店の売り子のバイトとかしていたみたいですが、その後どうなったか知りません。いい子だったから、ヒモにでもなれたかもね。(私はその子をあまり好きにはなれなかったが、私の友人らの間では「素直ないい子」と妙に評判よかったので)

 さて、私がN嬢と知り合った頃は、N嬢はフリーターで叔父の家に居候していた。
 大学在学時代は可愛いしエキセントリックだし、非常に目立った学生だったようだが、卒業しても定職に就くこともなく、夜遊びばかりしていたので、叔父宅でも持て余していたのであろう、だんだん体調が悪くなり「持病の喘息がひどくなったので、実家に戻る」ということになった。

 ただその頃には、大学時代にとても仲の良かった子分みたいな友達を延々と口頭で攻撃したり、かと思えば、私のことを異常に持ち上げたりしていたので、「喘息も精神的なものなんだろうな」って思っていた。

 精神的なストレスが身体症状に出る例としては、N嬢とも共通の友人であった英国からの帰国子女だったB嬢が思い出される。
 B嬢も10代で精神病的症状になったようだが、それはたぶん、高齢でやっと子供を授かった親からの過度の愛情にプレッシャーを感じていたからのように思えた。
 そして、大学1年の夏休みだかに短期留学で英国に渡ったら、親のプレッシャーから解き放たれて、そのまま日本に戻ってこなかったのである。

 そして英国の大学を卒業して、ほんとは帰国しないといけないはずだったが、色々ラッキーなことが重なって、しばらく英国で働くことができたらしい。
 しかし、永住権までは取得できなかったのであるが、仲が良かった日本人留学生にも明暗がついてきていた。ボーイフレンドが結婚してくれたら、英国に残れたのである。

 B嬢にも数年付き合っているボーイフレンドがいたんだけど、結婚しようとは言ってくれないようだった。
 B嬢はビザの問題だったのか知らないが、本人的には「老齢の両親のことも心配だし、日本にはたまに帰る」という認識だったが、その状態で英国に戻っても、労働ビザ取るのも難しいし、日本での短期滞在で「英語もできるしITの知識もある「」ということで、ゲーム制作会社に派遣されてけっこう高級貰っていたのだが、英国に戻るとその資金もすぐに底をつく。

 そうやって日本と英国を往復するうちに、「ロンドンにいるとアトピーが出る」という状態になってしまったようだ。
 本当はロンドンで生活したいのに、アトピーが酷くなるので、泣く泣く日本に帰国した、と彼女は言っていたが、「逆だろ」と私は思っていた。

 ほんとは「自分の能力が足らないのと、彼氏が結婚してくれないからロンドンに永住できない」のだが、それを自分で認めるのが辛いからアトピーが悪者になってくれているのだろう。

 でも、本人に面と向かって「アトピーに逃げてない?」と言うつもりもなく「へー、ロンドンアレルギーねえ、やっぱ水が硬水だとかそういうことかね?」としらばっくれていたのだが、B嬢がロンドンに渡航できなくなると、彼氏が半年に一回くらい東京に来ていたようなので「そんなに想っているのなら結婚してやれよ」と思ったけど、なんでだかわからなかったが彼氏は結婚してくれなかった。

 これはB嬢のロンドン留学仲間が言っていたことだが、B嬢の彼氏はアジア系女性を彼女にする男を軽蔑していたフシがあり、そして永住権欲しさに男に媚びるアジア系女性のことも軽蔑していたようなのだが、うっかりB嬢と恋愛関係になってしまい「オレはそういうのじゃないんだ!」って悪あがきしているようなのである。

 そんな最中、ある時B嬢とどっかのクラブで会ったら「今日の昼間は英国留学時代の友人宅に遊びに行ったの」と言うから「どこに?」と聞いたら「品川」って言うから、「品川?」と思って詳細を聞いたら、友人宅は最寄り駅こそ品川だったが、たぶん高輪の一軒家でした。

 「プリンスホテルの裏のあたり」と言うから「ぎえええ、高輪の一軒家ってどんだけお嬢様?」と思いきや、そのご友人はサラリーマン家庭の出であったが、英国留学中の夜遊びで、いつも同じシャツ着ているような冴えない英国人男性と知り合って恋愛関係になったらしい。

 ルックスも住まいも服装も地味だったので、あまり期待していなかったのだが、実はけっこうな上流階級で、大学卒業後に世界的な金融会社にアナリストとして就職して、彼女とも結婚したのだが、日本人妻が妊娠したら「東京勤務希望」を出したら、すぐに叶って、身重の妻と一緒に高輪の一軒家に引っ越してきたらしい。

 その英国セレブ妻は、「ロンドンだったら女性がベビーカーひいていたら、すぐに荷物持ってくれる男性がワラワラ寄ってくるんだけど、日本はそうじゃなかったので、最初は不便に思ったけど、そういう文化の違いってしょーがないわよね」と余裕の発言していたらしい。

 恵まれた境遇の人って「日本はだからダメ」って言わないんだなあ、と感慨深かった。

 「英国に比べると日本は!!!」って言ってる人って、英国でもダメだった人なんだよね。N嬢みたいに。

 えっとB嬢の話でした。
 B嬢は日本ではそこそこ稼ぎのいい職につけていたが、でもやっぱり「ロンドンで暮らしたい」と思っていたが、アレルギー症状のため、ロンドン滞在が苦しくなっていたので、彼氏がたまに東京に来ていたが、そのうち「彼氏と接触するとアレルギー症状が出るようになった」と言っていた。

 B嬢の言い方では「彼氏が運んでくるロンドンの空気に反応する」だったが、それ最初から違うから・・・・

 周りの友人は「あの彼氏、なんとかならんかねえ」と言っていたけど、B嬢本人は彼氏を攻撃することもなく「私、ロンドンアレルギーが酷くなって」って話になってました。

 で、それはN嬢が「東京にいると喘息が悪化して」っていうのと同じなんだろうな、って思いました。

 そのN嬢ですが、その後の話はN嬢と親しくしていた他の友人から聞いた話なので、どこまでホントなのかわかりませんが、実家に戻ってしばらくしたら、盲目になっていた父親が急死して(餅を喉につまらせて説もあった)、「私が世の中で上手く生きていけないのは、この父親のせいなのよ」と父親に深く依存していたN嬢はそのショックで呼吸困難みたいな症状を起こし、しばらく入院していたらしいのですが、たぶん、精神病院でしょうね。

 その後、一度だけ東京で会ったが、なんだかぼんやりした印象で「こりゃ、薬飲んでるな」と思った。

 そうそう、そのN嬢は、喘息を理由に地元に帰った時に悪あがきして、見合いしまくったのだ。20代後半で、就職歴はなぜないけど、地方の旧家出身で、東京の有名私立大に進学した際には親戚の家に下宿しておりました、っていう経歴はそこそこ効力あったし、その当時のN嬢には色白控えめ美人みたいな効力もあったので、関東近郊の真面目な地方公務員をお見合いで引っ掛けたのだが、挙式直前で破談にしちゃったのである。

 N嬢のほうから「やっぱ無理」と破談にしたそうだが、今から考えると新郎側は命拾いしただろう。

 なので、少し前にN嬢が「母も年老いてるし、やっぱり婚活だ」というメールを受けた時には心配になったが、その後「大事な客に出すサンドイッチの具はなんだろう?」という質問にすったもんだしたが、その後の結果報告は全くないので、お相手もまともな判断できる人だったのかもしれない。

 その後しばらく「高齢の伯母の見舞いしかしてない日々」という愚痴が続いたが、N嬢の場合、たぶん共依存みたいなことになっている老母がちゃんと世話しているから小康状態が続いているけど、お母さんになんかあったらマジやばいだろうなあ。
8月19日(火)

 最近のニュースで、是非真相というか「何しようとしたのか知りたい」のはタイでの大量代理母出産の話で、最初は「人身売買ビジネス?」を疑われていたけど、どうやら首謀者は資産家らしいので、「新手の相続対策?」と言われているけど、ホントは何やりたかったのでしょうか?

 思い出したのはコニー・ウィリスの短編SFで、ちょっとフェミニスト的な問題作として一部では名高い作品だったが、えーと題名なんだったっけ?「わが愛しき娘たちよ」でした。
 この小説の主人公の少女は未来社会の全寮制学校におり、父親はいるけど、父親には会ったことがないっていう設定だったと思う。なぜなら、資産家の父親は少女を単なる「資産と遺伝子を継ぐもの」として人工授精サービスみたいなものでもうけただけなので少女自身には全く興味が無いからだ。

 って随分前に一度読んだだけなので詳細は忘れているけど、この小説の肝心の所は「家族という概念無しに子供が作られる時代」ではないのだが、これ読んだ時に「自分の子供に接しないでいられるものかなあ?」とちょっと思ったっけ。

 私は20代半ばまで自分は子供嫌いだと思い込んでいたが、友人が出産して、その子供を眺めていたら「おもしろいじゃん」と思えるようになり、それから子供嫌いを公言することは辞めたが、その時に気がついたのは「私が嫌いだったのは子供自体ではなく、『子供は天使』と必要以上に子供を持ち上げる人が嫌いだったのだ」ということである。

 自分がちょっと捻くれた子供であった記憶が鮮明だったので、「子供って可愛いよね」という強引な定義付けが気に食わないというか、たぶん「私はそういう誰からも可愛いといわれる子供ではなかった」というコンプレックスを刺激されていたように思う。

 そして、自分の子供時代の記憶を辿れば、「天使のように純粋無垢な子」なんて一人もいなかったと確信していたので、「子供って可愛いよね」っていうどーでもいい一言に、どうしても同意できなかったのだ。
 今から考えてみれば「犬かわいい」「猫かわいい」と同じことだと思えるが、犬や猫にはなったことがないけど、子供だったことはあったので、「かわいい?ご冗談をwww」って思っていたのである。

 20代になって子供嫌いから卒業したけど、「だって子供ってやっぱ可愛いんだもーん」という境地になったわけでもなく、子供の相手するのが意外と面白かったので、「ほー、この反復を好む感じおもしろい」とか思って、友人の子が同じ絵本を何度も読んでとせがんでくるのに挑んで、向こうが飽きるまで何度も何十回も読んでやったっけ。

 ああいうのって、毎日子供と接している人はうんざりするんだろうけど、たまに半日くらいしか子供の相手しないんだから、徹底的に反復に付き合うから、一時的にものすごーく子供に好かれるのだが、半年後に同じ子と再会しても、あっちがもう反復期を卒業しちゃっていて、しかも私のことなんて覚えてなかったりしてがっかりすることもあったが、そういうもんだとわかってからは、まさにプレイボーイが行きずりの女性と濃厚な一夜を過ごすかのように、私とその一時だけ遊んでくれる子供とはべったりと濃厚な時を過ごしたのである。

 話が逸れたが、友人や知人の子供とは、そう頻繁に会うこともなく、「あー、今日は子供といい遊びができた」という程度だったけど、姪っ子が誕生したら、けっこう定期的に会えるので、その成長を見守ることもできたし、なによりも、遺伝的な類似点があるのが心地良かった。

 つーか、弟のところの姪っ子達は、三人とも(内二人は一卵性双生児だが)、ちっとも可愛くないところが、まるで自分の幼少期のようで、超かわいいじゃん(笑)

 なによりも、自分の幼少期の欠点が、自分の不徳の致すところでもなく、親の教育や生育環境にも関係なく、「単なる遺伝だったんだ!」と実感できるところがステキです。

 これが自分の子供だったら「私の子育てが悪いのかも」って思ってしまいそうですが、年に2回くらいしか合わない姪っ子の気難しさが「あー、私もこうだった」って思えることの幸せよ。(その理屈から言うと弟の子育てに問題があるのかもしれないけど、仕事が忙しい弟が育児に直接関わった時間は専業主婦である弟の妻とは比較にならないと思うし)

 そして、私が気むずかしい姪っ子達を盲愛すること自体が、この言葉はあまり使いたくないが「癒やし」になっているようで、「私は子供時代の自分を肯定することがどうしてもできないけど、私の時にも、きっとこうやって肯定してくれた人がいたに違いない」と思えるようになると「そういえば?」と、困ったちゃんだった自分のことを認めてくれていた大人の存在を思い出し、嬉しくなります。

 で、笑えるのは、うちの母と弟(姪っ子にとっては祖母と父)が揃って姪っ子達を「性格が悪い」と言うところ。
 母と弟は性格がそっくりなんですが、私の祖母ともよく似ている。
 彼らは自己批判をほとんどしないタイプなんですよね。いわゆる「自分のことは棚上げして、他人を正直に批判する」ってタイプです。

 だから姪っ子達のことを「誰に似たんだろう?」とか本気で言うので「????」って思いますが、自分が子供の頃どうだったかってきれいさっぱり忘れている人は多いようです。もちろん、私も自分の記憶が確かだという自信もないのですが。

 興味深いのは、私の妹は「誰に似たんだろう?」「いや、私に似ているわ」という文脈には乗らずに、きっぱりと「育児は技術です」みたいなところに降り立っており、ネットの影響もあるんだろうけど、この間も夏合宿に来ていたけど全然宿題をやらない姪っ子達に、私なんかは「そーよ、宿題なんてやりたくないわよね?」とシンクロしちゃっていたけど、妹は「今は辛いかもしれないけど、これをやらないと後でもっと辛くなるよ。だったら今頑張って、後で楽しく遊ぼうよ」と滔々と語りきかせ、とうとう宿題をやらせたので、「うちの妹は、私とは違う子供時代を送ったんだろうな」と感慨深かった。

 妹は「後に生まれた子ほど弱くなるんだよ」と語ったことがあるけど、私や弟はほとんど無縁だったアレルギー体質で悩んでいたので、「姉や兄は体が丈夫なだけでずるい」という思いを抱いていたようである。
 さらに学力も、姉は偏差値70くらいで、弟65くらいだったのに、末の妹は55くらいだったから、妹の存在は「兄弟の中で一番病院にお世話になった」って感じだった。
 ただ、妹にとって幸いだったのは、我が家は学力軽視の傾向があったので、私や弟がそこそこの大学に進学していても、妹にもそういうことが特に期待されてなかったし、それでも妹はいろいろ不自由さを感じていたんだろうけど、姉48歳、妹42歳の現在では、子供産んだ妹のほうが断然格上なんだけど、妹がそこでエバるわけでもないあたりが、今さらながら「ああ、うちって色々問題あったように感じていた時期もあるけど、今こうだってことは、結果としていい家族だったな」思えることが幸せですね。

 そういや、姪っ子達の夏合宿で実家に行ったら、小1の双子が「のんちゃんは、なんでまだ子供いないの?」とド直球投げてきて、アワワワと思ったとういか、「それ、あんたらのママ(弟の嫁)がいないところでの発言だからいいけど、もし、あんたらのママがいる時だったら超気まずいぞ」と思ったけど、姪っ子達はただ単純に、従姉妹である妹の息子と遊ぶのが楽しいので、「Yちゃんちの赤ちゃんかわいー、だったら、のんちゃんちにも赤ちゃんいればいいのに」って思っただけなんでしょうね。

 うちの母も妹も、私がアラフィフで独身なのは「趣味?」として認めているので、姪っ子の発言には苦笑していただけだけど、もし私が不妊治療中とかだったら、笑えませんよね。

 というわけで、私はそれなりに老後に向けて貯蓄をしているけど、もし、その貯蓄に手をつける前に死んだら、どう分けるかね?その時に両親がいなければ、弟と妹で折半かね?
 って何億円もあるわけでもないので(何百万って単位でもないけどさ。貯金が趣味なので)相続税に悩むこともないけど、もし分配するなら、姪と甥の人数割りにしたいな。

 今現在、姪っ子が3人、甥っ子が1人なので、4分の1づつ分ければ、大学の入学金くらいにはなるでしょう。もっと先なら、住宅ローンの頭金の一部くらいには。

 遺言状でも用意しておくかなあ、と、チラっと思うのですが、まだまだ先は長いので、私が優雅に遺産残すことよりも、迷惑かけるほうが現実的なのかもなあ。って、まだ、自分の両親も健在なので、そっちの将来のほうが問題ですけどね。


8月18日(月)

 土日はほぼ部屋でゴロゴロして過ごしました。

 カーテンの洗濯したけど、いつも日記に連呼しているが「洗濯したのは洗濯機」であり、私はカーテンを外したり干してまたフックを差し込んだりしただけです。それだけでも、びっちょり汗かいたけどな。

 今年のお盆休み雑感。

 天気悪すぎ。
 甲子園の開会式が2日間も順延って全く記憶になかったけど、やっぱり史上初だったらしい。
 でも、お盆気管に台風が直撃っていうのは10年くらい前にもあったらしいが「そんなの全然覚えてないなあ」と思ったけど、お盆に帰省したりしない(つーか、通勤よりも帰省のほうが移動時間が短かい)私には、お盆時期の気候の記憶なんてほどんど無いだけでしょう。

 しかし、また京都の福知山とかが水没していたが、去年も水没していた嵐山がまた水没寸前になっていたし、京都市内の鴨川も濁流状態で「こりゃ川床どころじゃないどころか、川床の造作が流されそう」と思ったけど、お盆時期のこの気候で、観光どころじゃなかった観光地多かっただろうから、どんだけ経済損失だったでしょうね。

 一方、比較的天気が良かった東京では、コミケが55万人の集客とか報道されていたが、やっぱし、島根県の人口に並ぶくらいっていうのが凄いと思います。コミケが凄いのか島根県が凄いのか、よくわからないんだけど。

 前から思っていたが(島根県の人口が60万人切ったという報道を知ってから)、コミケは島根県でやればいいのに。

 そして「今年のコミケは島根県の総人口に匹敵する55万人が来場しました」(延べ人数だけどさ)って報道に対して、「でも10月には神様が八百万も来場するんだけど?」って真顔でコメントしてほしい。(誰に?)

 そうか、「神無月/神在月より盛り上がろうぜプロジェクト」として、8月にコミケもサマソニもロックインジャパンもフジロックも、全部島根で開催してみませんか?
 それでも足りないなら、8月の花火大会は島根でしか開催できないとか、AKBもエグザイルも島根でしかライブできないとか、どのくらい頑張れば島根に八百万の人間を呼びこむことができるだろうか?

 妖怪ウォッチ関連グッズが島根でしか買えないとか?



 すいません、私は島根県に行ったことがありません。


8月15日(金)

 今日の総務部は私とエビワカちゃんと部長しかいなかったのだが、昼休みにネットニュースを眺めていたら「そっか、今日からコミケか」と呟いてみたら、部長は「え?新横浜でイベントあるの?」って言うし、エビワカちゃんは「コミケ?コミケってコミックなんとかでしたっけ?」と言うので、その場でのコミケの認知度は低かったんだけど、世間的にはそんなもんなんだろうか?

 一応エビワカちゃんは「コミケってオタクのやつですか?それで、コスプレとかするんですよね?」と言うので、大枠はわかっているようだが、そこで部長が「それで、結局、何やるもんなの?」と言うので「薄い本売るんでしょうが?」と言ってみたら、部長は少し思い出したようで「オレだって高校生の時、友達と同人誌作ったことがある」と言い出した。

 ところが部長は「今は女子が増えちゃってマイルドになっちゃったよな」と言うので「えー、私が大学の頃(部長は一学年上)は、すでに女子もいっぱいやってましたよ。私の友人はキャプつばで作ってましたよ」と言うと、部長は大学生の頃はそういうのに全く興味なかったようで、私の話は無視して「ああ、やっぱし漫画家になればよかった」と現実逃避しはじめた。

 「だって、漫画で一発当てればすごい収入でしょ?」っていうが、そりゃどの世界でもそうでしょうよ(笑)

 それに「目指せ億万長者」を夢見るのなら、漫画家って一番割に合わないような気がするのだ。
 もっとも部長は、昨日締め切りの仕事が終わらないために、今日は休みの予定だったのに出勤してきてドタバタと片付けていたので、「漫画家目指せばよかった」という話しで現実逃避していただけというのもわかっておりましたので、「だって北斗の拳の原作者なんて、ボロ儲けだったじゃん」とか言うのを聞き流しておきました。 

 その後、「これ、ブロンソンって読むんですか?」(武論尊)って言うエビワカちゃんに「昔、チャールズ・ブロンソンっていうハリウッドの大物俳優がおって、なぜか日本ではマンダムのCMで一世を風靡して」っていう昔話をしていたら、部長の現実逃避心も落ち着いたみたいで、無事、今日、仕事を終えたようです。


8月14日(木)

 明日は終戦記念日か・・・って話しを上司としていたら、上司が「今の若い子の戦争観って、必要悪じゃなくて絶対悪なのかもね」と言うので「は?????意味がよくわかりません」ってはっきり言ってしまいました。

 古い世代は「必要悪」だという戦争観で、若い世代が「絶対悪」だってことですか?と軽く問い詰めるというか確認したら、上司もただテキトーに呟いてみただけのようで「ええと・・・」と困っていたので、私が「それよりも、『えー?日本って昔アメリカと戦争したんですかぁ?』みたいな方が問題かと」と言うと「そんな子いるの?」と言われたが、そういう話しは私がまだ若い頃によく言われていたような・・・・実際そういう若い子がいるかどうかは知らない。

 ただ、私は「戦後69年目」と言われると「自分は47歳」という事実から鑑みて「先の戦争は意外と最近のことだったんだ」と思うようになったが、今現在20歳の若者にとっては遠い昔のことに思えるだろう。
 私だって自分が20歳の時に「戦後40年の節目」とか言われたいたので、それは遠い昔のことのように感じていた。うちの母がちょうど終戦の年に生まれていたので、「母が成長して私を産むまで」っていう時間はとてつもなく長い時間だと思っていた。もちろん、自分が生まれてから20歳になるまでの時間も。

 しかし、今、母が70歳ちょい前で、自分が50歳ちょい前になってみると、時間感覚が変わってしまった。20年前なんて、ほんと記憶に新しいし、ほんと、阪神大震災の時のことなんて昨日のことのように覚えていたりするし。

 でも、第二次大戦から70年も経つと、今の若い世代なんて湾岸戦争もロクに記憶にないというか生まれる前の話しだったりするわけで、東京大空襲だ原爆だっていう話しは、私が若いころの日露戦争とか日清戦争くらいにリアリティが無い話しだろう。

 そう思ったので上司に「そういや、今の大河ドラマはちょうどこの間、信長が死んだりしてましたが、戦国時代だって戦争じゃないですか?」って言ってみたら「あれは、違う」と言うのでびっくり。

 上司曰く「ああいうのは、近所の中学校のワル同士の抗争みたいなもんだ」そうで、「ここであそこの中学校シメておかないとうちらが駅前商店街を安全に歩けない」という程度のことと同じだと言うのだが、「それって、立派な国家間の戦争の動機と同じじゃないですかwww」としか言いようがなかった。

 私の最近の戦争観はというと、「人類は平和よりも戦争を好むのではないか?」という方に傾きつつある。
 それはたぶん、ずっと前からそう思っていたのだが、反戦教育受けていたので「戦争状態の方がデフォルトじゃね?」と言い難かったのだが、第二次大戦で心身ともに傷を受けた世代がもはやほとんどいなくなった今になってみると、「みんな戦争好きなんじゃね?」って言いやすくなった。

 ちょうど夏の高校野球のシーズンだが、私は自分が高校生になって以降、昔ほど(小中学生だった頃ほど)高校野球が好きではなくなってしまって今に至るのだが、その昔、大学生くらいの頃、それほど野球には興味ないけど、あの時代(巨人戦が毎日地上波で放送されていて好視聴率だったあの時代)だから、プロ野球もなんとなく観ていた友人が「高校野球観ちゃうとプロ野球がつまらなくなる」と言っていて、なんで?と思ったけど、どうやらプレーにかける真剣度の違いを言っているらしかった。

 後から「なるほどこういうことかね?」と想像したのだが、予選から一試合でも負けたら終わりの高校野球って、ローマ時代の奴隷の格闘技みたいな「負けたら死ぬ」って感じですよね。
 プロ野球は「今日負けても明日以降も試合があるし、10試合やって6試合勝てば優勝の可能性がある」っていう、負けても即死なないシステムになっているので、「生死をかけた戦い」が好きな人には物足らないのでしょう。

 かく言う私もサッカーでは「負けたら死ぬっていうのが修辞じゃなくて、ほんとに殺されることすらある」っていうワールドカップには夢中になりますし、超一流選手たちが敗退してまさに死んだような状態になっているのを鑑賞するのはスリリングですが、あれは「本当に死ぬわけではない」って思えるから楽しめるわけで・・・・

 あと、もし母国のサッカーチームが負けても、自分の生活にはあまり影響がないというか、自分の生死にはほどんと関係が無いっていうのもある。
 「日本がコロンビアに勝つ可能性はある!」って言って試合に望むのは別にどーでもいーが、もし、サッカーの実力を軍事力にそのまま転換していたとしたら「日本がコロンビアに宣戦布告するのは無謀だろ?」って話しで、もし、そんな戦争になって日本が敗けたら自分の命が危ないので「日本は平和憲法を守ってワールドカップに出るの禁止だ!」って叫ばないといけないけどさ。

 で、ゲームと戦争が違うことなんてみんなわかってますよ。
 戦闘ゲームが若者の精神に影響を与えるのなら、サッカーや野球だって「危険なゲーム」でしょう。

 えーと、また何の話ししているのかわからなくなりましたが、そうそう、私の岩隈さんが11勝目ですってよ。
 怪我で出足挫いたシーズンであったが、順当に勝ち星伸ばして、もう少しでマー君抜きますわよ。
 マー君も順調にリハビリしているようで、「日本製品」の名誉のためには是非頑張ってほしいのであるが、今年のマリナーズはイチロー在籍時より少しマシなようなので、プレーオフ目指して頑張ってほしいものである。

8月13日(水)

 最近また精神科医のブログにハマり、通勤電車で読みふけっている。これで三人目(笑)
 今読んでる精神科医のブログの過去ログは薬剤についてかなり詳細に書いているので、難解は難解なんだが、薬剤についての考え方というか「そっか、副作用への対応ってこういうことか」っていうのがシロートなりに多少わかるので、けっこう面白い。

 もちろん、知ってる薬のことになると俄然面白い。ハルシオンとか(笑)
 あれって、私が20代後半の頃には、今で言う脱法ドラッグみたいなもんで、闇市場では高値で売買されていたらしいが、精神科以外の医者も気軽に処方していたようで、合法的に処方されていた友人も多かった。

 ある友人は皮膚病で皮膚科を定期的に受診していたのだが、皮膚炎の苦痛で少しうつ状態になったので「睡眠薬欲しいな」と思って、かかりつけの内科に相談したらハルシオン処方されたそうで、そのことを皮膚科で言ったら「なんだ、それなら自分の所でも処方箋書いてあげたのに」と言われたそうだ。

 別の知人で、盲腸みたいな比較的軽い病気で手術して入院したのだが、「昼間もずっとベッドにいるから昼寝しちゃって夜全然眠れなくて困った」そうで、消灯時間過ぎてもナースステーションで看護師に話し相手を強要していたら(知人は30代の独身男性でした)「眠れないならこれ飲め」とハルシオン処方されたらしい。

 私が「でも、あれ、数時間で目が覚めちゃうでしょ」と言うと、「なんで知ってんの?」と驚かれたが、私も何度か友人に貰って飲んでみたことがあるのだ。
 私は元々寝付きが悪いので、すごく疲れているけど、疲れすぎててというか、神経が高ぶって眠れないような時に、ハルシオンを飲んでみたら、ガツンと眠れて朝は5時頃シャキーンと目覚めて、でも若かったから、また気持よく二度寝なんて出来たので、「へえ、眠剤おもしろい」と思ったが、その後、単に「明日は早起きしないといけないから、早寝したい」って時に服用してみたら、夜11時に寝て、午前3時くらいに起きちゃって「いや・・・6時起きでよかったのに」と思ったっけ。

 その当時、ある友人がいわゆる「ハルシオン遊び」が気に入ってしまい、飲んでから夜遊びに行こうとするので、「やめなよ、そんなダサいこと!」と諭したが聞いてくれず、しょーがないからお守りしたんだけど、酒が弱い人は、少量(半錠)だけ服用すると、「フワフワするー」らしく、しかも後になってから自分の行動をよく覚えていないのも、いろいろクヨクヨしがちな人には心地いいらしく、何度かやっていたけど、それって「ミヤノさんがついててくれるから大丈夫」という保険かけてるから可能なわけで、こっちはいい迷惑だったなあ。

 私は自分がさんざん酒で醜態を晒した経験があるので、酒癖の悪い人にも比較的寛大だったし、そういう当時の脱法ドラッグで酩酊感を味わおうとする下戸さんたちの心情もなんとなく理解してしまったので、しょうーがないから付き合っていたが、「睡眠薬遊びなんかしてないで、酒飲もうぜ」と思っておりましたが、飲めない人は飲めないものしょーがないし。

 さて、最近のニュースで、「エボラ出血熱」が西アフリカで猛威をふるっているようですが、あのニュース観ていると、ボソリと考えてしまう。

 「自分が今もしも医者だったら?」って。

 国境なき医師団とかに志願したくなっていたのかしら?
 アラフィフで独身だし、仕事もちょっとルーティン化しているというか「別にこれ、私じゃなくても誰でもできるし」って感じだし、「なんか自分がもっと必要とされる現場」っていうのにちょっと憧れそうだ。

 そもそも職能的にはピークはとっくに超えているし、いろいろ衰えも感じているので、「命がけで西アフリカに行く」ってことに夢と浪漫を感じそうである。

 うーん、でも、治療法が確立してないからなあ、ひたすら体力と気力を消耗しそうでもある。
 先の見えない現場に飛び込むほど、若くない。無謀が美徳とも思えないほどには。

 そして、医療水準の低い地域のほうが、「医者にかかれば治る」っていう思い込みも強そうで、「もうこりゃダメでしょ」って患者が運び込まれても「欧米から来た医者ならなんとかなるはずだ」という理不尽なこと言われそうだし。

 それにしても、エボラ出血熱の致死率の高さは(発症しないキャリアがどんだけいるのか研究が進んでないようだけど)相当高いので、人間にとっては「恐ろしい病気」だけど、エボラウィルスさんの立場に立ってみると「こんなはずではなかった」じゃないんですかね?

 元々の宿主はコウモリさんらしいが、きっとコウモリさんと長年アハハウフフの関係で、人間でいうところの「ただの風邪」みたいな関係だったのに、うっかり人間に引っ越ししたら劇症になっちゃって・・・・

 SFで「たったひとつの冴えたやりかた」っていうの読んだけど、あれなんて、文学史上最高に「ウィルスの立場」になった小説だった。
 ある惑星で、そこの哺乳類に寄生しているウィルスがいて、そのウィルスはうっかり増殖すると宿主を殺してしまう能力があるので、若いころから厳しく修行して「宿主を殺さずに共生する」っていう能力を持たないと自立できないような文化を持っていた。

 ところが、その惑星に観光で遊びに来ていた人間の少女に興味を持った若いウィルスが広い世界を観たくて、また未熟なまま人間に乗り移ってしまった。
 そして、ウィルスは自分で自分を制御できなくて、宿主の少女を殺してしまうことに気が付き、少女もまた広い世界を観たくて親の金浪費して宇宙旅行しているような子だったので、ウィルス嬢の気持を理解するのもの、このままではどうしようもなく・・・・自爆・・・・(未熟なウィルスを人間界に持ち込んだら、人間界が全滅するから)

 若きウィルス嬢のちょっとした知的好奇心が引き起こした悲劇でありました。

 でも、そういうこと、鳥インフルエンザの世界では近年よくあることだ。
 渡り鳥の集団に寄生した新進気鋭のちょっと勢いのある鳥インフルエンザチームが「お、あそこににも鳥の集団が」と飛び移ってみたのが大規模養鶏場で、それまで力強い渡り鳥の集団の中で生き残るのにはそれなりの力発揮しないといけなかったのでそうしていたのに、養鶏場に移転してみたら「えー?なんでみんな死んじゃうの?うっそー」って感じで、しかも、隔離されて全部殺処分とか、ひっどーい。

 ってウィルスは考えてないだろうけど、致死率高いウィルスは生き残れないことが多いので、そのうち「宿主は大した症状が出ない」っていうか、「抵抗力のある宿主が生き残る」っていうのと「宿主を死なせないほどのウィルスが生き残る」っていうのが拮抗して、そのうちに「たまに流行るけど死ぬほどの病気ではない」ってことになるんですかね?

 まあ、私も正直言って感染症で死にたくはありませんけど、放射能の害と比べると「病原体だって同じ地球上で生きてる仲間じゃん」ってちょっと思ったりするだけです。

 でも、そう考えると「まんだらけ」で万引きというか窃盗した人も「同じ地球上で生きてる仲間」だし、ウィルスには悪気がないのはわかるが、人間で悪いことした人にも同じ扱いでいいのか悩みますが、エボラ出血熱の犠牲者とガザ地区の犠牲者が1000人から2000人単位で発表されるので、「うーん、小規模のライブ会場クラスの人数だなあ」と思うにつけ、「世界のどこかで渋谷公会堂くらいの犠牲者が出たってどーよ?」と思う気持もどこかにあるわけで、それが数万人の「東京ドームくらい」になると、やっと「東京ドーム何個分」っていうスケール感が出動するわけで、よくわからない結論であるが、「東京ドーム」で換算できないことは「大したことない」と言ってもいいのかもしれない。

 ああ、そっか。
 今ちょっと閃いた。

 私、ちょっとだけエボラちゃんに嫉妬してるんだ。

 あたしだって、この地球に生まれてきた生物なんだから、それなりに生きてきた証というのか、みんなに認められたいという欲はそれなりにあるようだ。

 だから、WHOに認められたエボラちゃんがちょっとだけ羨ましい。

 ちょうど来日したガガ様とエボラちゃんの区別が私にはよくわからないようだ。

 どちらにも、実はあんまし興味ないのだが、まあちょっとビールが進んでしまったようで、今日はこのくらいにしておこう。

 
8月11日(月)

 台風11号は関東に接近しない予報だったので「日曜日もそんに悪天候じゃないかもね」と舐めていたのですが、強風域が広かったようで、ゴーゴーいってましたし、雨もドーーーーっと降ったり止んだりで、日中は外出しないでゴロゴロしていたのですが、夕方、買い物に出る時には「そうだ、ゴア合羽で完全防備していけば傘させないような風雨にも耐えられる」と思ってスーパーに向かったのですが、道で通り過ぎる人たちは普通に軽装で、気合充分の自分の服装がちょい恥ずかしかった。

 結局、スーパーへの行きも帰りも雨には降られず、ゴア合羽何の役にも立たなかったのだが、帰宅してすぐに、ゴーゴーと強雨と強風になり、とても傘なんてさせないようなことになっていたので、「あー、だから完全防備して外出したのに」と己の防御策が空振りになったことを嘆いたが、まあ、それだけゴア合羽が強烈なお守りになるということでしょう。
 なにせ、今年のフジロックのために新調したのに、あんま役に立たなかった(それほど雨降らなかった)という「お守り」の役目を十分に果たしたゴア合羽でしたからね。

 さて、最近はNHKオンデマンドで「篤姫」を連続鑑賞しているのだが、ほんと今観ても面白いなあ。

 リアルタイムでも夢中になって鑑賞していたのだが、再度観ていても、宮崎あおいちゃんのあの笑顔がいい。
 あの時代のそれなりに身分のある人がニカっと歯を見せて笑うのかどうか、っていう違和感が当初はあったんだけど、もうそんなのどうでもいいくらいに「あの笑顔」を観るのを楽しみに毎週観ていたっけ。

 そして、今観てみると、瑛太が演じている「篤姫の幼なじみ」である小松帯刀のキャラ設定が現代的なのがいいスパイスになっているように思う。
 小松帯刀という歴史上の人物がほぼ無名だったことをいいことに、現代風のちょっと気の弱い若者にキャラ設定し、篤姫に片思いしていて意を決して「嫁にいただきたい」と父上に告白したのだが、その直後に薩摩藩主の養女になってしまい、引き裂かれてしまうのである。
 ただ、その雰囲気も今なら「好きな子に告白しようとしていたら海外留学しちゃった・・・」程度に描かれていて、その軽々しい感じがラブコメ調で時代劇に馴染の無い人には心地いい雰囲気なのだ。

 そして篤姫が江戸で将軍家の御台所になるとわかり、江戸参勤への帯同を希望するが、なぜか江戸行きを命ぜられたのは、ずっと親しくしていたし、その能力を買っていたので微力ながらも手助けしていた格下武士の西郷どんだったので、「えー?なんでオレじゃないの?」ってがっかりしているのだが、それもまるで「東京本社栄転を優秀でいいやつだったからよく飲みに誘ったりして可愛がっていた後輩に先越された」って感じのがっかりぶりで、「まあ、そんな感じよね」と共感しやすかった。

 瑛太の役が生きるのも、薩摩藩主の高橋英樹が堂々とした時代劇演技しているからで、篤姫の実父役の長塚京三や、幼なじみの瑛太がそうやって現代風をやることで「時代劇のお約束」に疎い視聴者も感情移入しやすいし、時代劇好きな人も脇役があの程度だったら「軽々しすぎる」と批判する気にもならないのではないかと思う。

 時代劇はそのバランスが難しくて、あまりにも登場人物を現代風にしてしまうと、ふざけてる感じになってしまうし、重厚にやりすぎると女子供にはそっぽ向かれるし、民放の時代劇が絶滅危惧種になっているけど、辛うじて近年人気のあった時代劇は「大奥」だったわけで、そういや、その前も定説の大奥シリーズが人気だったなあ。私も藤原紀香が京都の公家出身の正室で・・・っていうのちょっと観たけど、紀香様が超怖くて面白かった。

 数年前にヒットした「大奥」は、それで堺雅人と菅野美穂が結婚したことでも話題になったけど、「歴史改変SFモノ時代劇」で、江戸時代に男子だけが死ぬ疫病が流行ったため、歴代将軍は女性だったっていう設定で人気を博した。
 私はそんなのが人気になってることを全く知らず、たまたまテレビをつけていたら、「うわー、多部未華子ちゃんが堺雅人とラブシーンやってる!!!」と食いついてみたら、なんか多部未華子ちゃんが「上様」で、堺雅人には子種がなかったので、泣く泣く、若いバカみたいな男を上様にあてがうという「なんだこりゃ?」な内容で、よくよく調べてみたら、そういう漫画が人気でドラマ化されたようで「そういや、本屋に並んでるのを観たけど、普通の大奥ものの漫画なのかと思って無視していた」って気が付きました。

 それで原作漫画も読んでみたけど、そこそこ面白かったけど、でも、「女性が将軍だったら大奥いらないじゃん」という疑問が拭えなかったので、それほどのめり込めなかった。徳川マニアの人は、「歴代将軍を女性に変換」っていうのが楽しめたのかもしれないけど、私はそもそも時代劇オンチなので。


8月9日(土)

 今月、お客様(月経さん)がお越しになる予定は先週だったのだが、全然いらっしゃる気配が無く、以前の記録を調べてみたら、3年前の秋に「40日」っていう時があり、「ああ、そうだ、あん時は、何かで『更年期は45歳くらい』って読んでいて、ちょうど45歳になったので、そろそろだなあと思っていたのだ」と思いだした。

 人体の神秘というか、「心が体に及ぼす影響」にしみじみしちゃいましたっけ。

 それよりも、その後「どーしちゃったの、あんた、急にそんなに規則正しくなっちゃって?」とびっくりするくらい25日周期で安定していたので更年期のことなんて忘れていたのだが、きっちり3年後にまた「ちょっと学校行きたくなーい」みたいな反抗期を迎えたらしい。

 今後もこういうサイクルなんですかね?
 こういうのって個人差が大きすぎて、参考にしようが無いのですが、もしかしたら私の場合は、基本的に規則正しいが、時々大きく乱れ、その乱れる間隔が狭まってくる、というパターンになるのかもしれない。

 そういや、先日妹が実家に来ている時にアレになってしまい「お腹痛い」と出産を経験しても生理痛があるようだったが、どこかで仕入れた豆乳療法のおかげで痛みが軽減するのだと話していた。

 詳しくは忘れちゃったけど、「予定日」が近くなったら、毎日コップ1杯の豆乳を飲むだけらしい。そうすると、妹の場合は「少し早く来るんだけど、その分、ラクになるんだ」そう。
 つーか、妹は基本は30日周期なので「先月が5日だったら、今月は5日」と非常に管理しやすいようだが、豆乳飲むと25日周期くらいになるらしい。

 私なんて、23日周期だったから、月に2回お迎えするのもザラなのにー、羨ましいぞ。

 姉妹でも随分違うもんだ、と思ったが、それよりも妹が「豆乳にはそれだけ女性ホルモンに似た成分が含まれているというのに、子供に飲ませてもいいんだろうか?けっこう飲ませているママ友多いんだけど」と言うので「でも、たかが大豆じゃん?豆腐ならみんな食べてるし」と言ったのだが、「でも、なんかドーピングしてるみたいじゃない?」と言うけど、そんなに豆乳って女性ホルモンに効果あるんだろうか?

 多少は効果あるのかもしれないけど、精神的な効果の方が高いような気がするし、お呪い効果のある物としては「飲み過ぎなければ害もないし、毎日コップ一杯くらい飲むのは、比較的健康にいい」みたいなあ程度では?

 でも、その効果は私も利用させてもらおうと、元々豆乳は好きで時々飲んでいるんだけど、「あり?今月まだ来ない?」ってなったので、意図的に毎日飲んでみたら4日目の今日になって効果があった(?)ので、「やっぱ豆乳は効くのね?」って刷り込みに成功しました。

 さて、昨日は超珍しく、親会社の経理部長F氏から「今日、こっちの部署で飲み会するので、もしお暇ならいらっしゃいませんか?」とお誘いを受けた。

 暇でしたので、行ってみました。

 F氏を苦手にしている人はけっこういるけど、私はどっちかというとF氏ファンだし、F氏は酔っ払うとヨレヨレになるタイプなので、F氏の酒癖がどうなっているのか久々に観察したいと思っていた。噂では、前に比べると大人しくなっているらしい。

 ところが、少し遅れて居酒屋の席につくと、もう親会社の経理部は先に来ていてビール一杯先んじていたのだが、すでに気炎を吐いていたのは、育成枠のS氏であった。

 あ、育成選手って言葉も久々に使うのかも。ただ、なんとなく「障害者枠」って言いたくなくて、心の中で「育成枠」呼ばわりしているだけです。

 現在、うちの部署にはHさんがいるが、その前はSさんがうちの部署にいて、しばらく一緒に仕事していたが、親会社にいた育成枠の人が身体障害よりも併発していた精神障害(うつ病みたいな?)が悪化して退職しちゃったので、Sさんを親会社にご栄転させたのである。

 つーか、平たく言ってしまえば「子会社で実績のある人」を持っていって、新人は子会社にまた教育させたって話しですが、まあ、そこはいろいろ大人の事情ですからね。

 ところが、うちにいる時には、親会社のスタッフから「明るいし、意思はっきりしているし、ちょっと天然ボケだし」と妙に評判良かったS氏ですが、その当時も私は「だって、たまにそっちにお使いに出しているだけなんだから、外面いいだけだろ」と思っていたんだけど、本社栄転してからすぐに、若い女性社員(若いといっても30過ぎていたけど)達から総スカン受けて、口も聞いてもらえない状態になった、というのは先輩から聞いていたので「あー、あの人、図に乗るからねえ」と私が言うと「そうねえ、やっぱり、遠くにいてたまに会うのと、毎日いっしょにいるのとは違うわねえ」って先輩もやっとわかったようだった。

 その先輩も野球ファンというか横浜ファンなのだが、他所からトレードでいい選手が来ると「まあ、いいのが来たわ!」と一瞬大喜びするのだが、期待されたような活躍しないとボロクソに言うし、トレードで他にいった選手のことはきれいさっぱり眼中になくなるような、プロ野球ファンの多数派のタイプなのである。

 半分冗談なんだろうけど、「だから、Sさんにはちょっと困ってるから、そっちにいるHさんのほうが爽やかな感じだし、真面目そうだから、戻ってもらおうかしら?」なんて言うので、「いや、Hさんも、けっこう・・・・いろいろありますよ?」と言ったら、「そうよねえ、そう簡単に行かないわよね」なんて言っていました。

 で、どうやらSさんがうちに来てから5年経つようなのですが、Sさんがまくしたてるのは「あいつら、最初の頃は仲良くしてくれたのに、今では電話も切りやがる!」

 そのSさんと仲悪くなってしまった女性社員達は、受付的な仕事をしているので、代表電話とか来客があると、経理に内線するのですが、内線した相手が不在だと、Sさんが自分の電話でそれを受けるのですが、そうすると相手には「Sさんが受けた」ということが電話機の表示でわかるのです。

 普通だったら、例えば私が受けた電話をAさんに回そうとAさんに内線すると、隣の席にいるBさんが受けて「Aさんいませんか?」って私が言うと「Aは今日休みですよ」とか「今、席外しているけど?」とBさんが言うので「◯◯さんからAさんに、お電話なんですけど・・・」と私が言うと、Bさんが「わかった替りに受けておく」なんて流れになるのだと思います。

 しかし、Sさんは、そういう普通の電話番はできないらしく、これは私の想像というか「Sさんに電話番やらせてもその程度だろう」と思うだけですが「Aさんはいません」で終わりなんだろうね。
 電話は積極的に出てくれるようだが、電話交換手の役割しかできないし、でも留守電の働きはしてくれるんだけど・・・・私がそっちに電話かけると、やっぱりSさんが出て「Mさんは?」「えーと、今はいないけど」「席外してるだけ?」「そうだと思います」「じゃあ、戻ってきたら折り返しください」「わかりました」って程度には役に立ってるんだけどなあ。

 でも、そんな会話もしなくないらしい。
 それは大人げないけど、そんだけ女子中学生みたいな「シカト」を数年続けているくらい、嫌われちゃったんだろうねえ。

 まあ、それはあちらにも少し非があって、最初の頃、チヤホヤしすぎていたように思っていた。あの子ら、美人だし、「愛想の良さも仕事の内」っていう感じなので、外部の人を必要以上にチヤホヤしていると思っていたが、「KYだし、自分中心だし、しかも一般女性に免疫が少なそうなSさんにそれやってると、持たないと思うぞ」と思っていたら、やっぱし・・・・

 だが、それでももう30過ぎて、既婚の人もいるっていうのに、あの「シカト」が本当なら、彼女らにも問題があるだろうが、そこまで頑なにブロックさせるSさんにも相当問題ありそうだ・・・・

 実は、うちの部長から「S君が後輩のH君を飲みに誘って、強烈な先輩風吹かせたらしく、H君はS君恐怖症になっているらしい」という話しも漏れ聞いているのだ。

 うちにいた時には特に問題を起こさなかったのは、誰もS氏を構わなかったからである。
 興味ない人は無視していたし、S氏と普通に話しをする人は身障者だからってチヤホヤしなかった。
 でも、私も改めて「身障者に幻想抱いちゃいけないんだな」と思ったけど、私を含めて、健常者のほとんどは立派な人じゃないけれど、身障者だってそうなんである。

 話しを戻すと、親会社の経理スタッフ3名と私とSさんで飲み交わしていたのだが、Sさんの「あいつらムカつく!挨拶くらいしろってんだ!」な愚痴がひと通り済むと、話題を転じて他の雑談が始まるのだが、5分としないうちにまたSさんが「でも、挨拶しないってやっぱ許せないでしょ?」って強引に自分の主張に持っていくので、ちょっとうんざり。

 まあF氏は面白がっていて「そういうのは直接あいつらに言ってやれー」って煽っていたけど、F氏もただの酔っぱらいである。

 しかし「マジこれ、人格障害者レベルでは?」と思うのは、その後も、終電まで4時間以上飲んでいたのだが、S氏の話しは「あいつらムカつく!」を間欠泉のように定期的に吹き上げ、その都度、うちらの雑談を強引に自分の話しに戻すことであった。

 S氏の主張は「オレは学校で、挨拶は大事だ、って教わったのに、挨拶しない人がこの会社には多すぎる」だった。
 それはその通りだが、私や他の人が「ベイスターズったら巨人に三連勝しちゃったじゃないですか」って話しで盛り上がってる時に「挨拶って大事でしょ?」って言われても「おめーも会話の空気嫁よ」としか言いようがないが、S氏の辞書に「自己批判」という項目は無いようだ。

 まあ、こっちも「障害者だからしょーがない」と笑って聞き流しているけど、障害のない40歳男子があの様子だったら、ほんと「性格悪い人」と決めつけられるレベルだろう。つーか、その粘着力怖いよ。

 20代の頃、仕事で関わったとある障害を持っていた人は、自分の障害を無いかのように振る舞っていて、時にそれは滑稽でもあったが、「オレは哀れみなんて受けたくないし、健常者と同じくらい、いや、それ以上に仕事ができる」という気合に満ちていたし、実際、業績もあったので、彼が多少、性格が悪いことはみんな黙認していた。てゆーか「ああいう鉄の意思が無いとあそこまでできませんよね」と尊敬してたのである。

 そうそう、Sさんがかなり酔っ払っていたので、自分で勝手に話しだしたというか「どーせ、身障者だからってバカにしてるんでしょ?」とかいう話しの流れで「オレ、中卒だし」と言い始めたので、「なんで高校行かなかったの?」と合いの手入れたら、「へーーーー」っていう経歴を語り始めた。

 Sさんの障害の程度だと、普通高校に受け入れ可能だったらしい。
 そりゃそうだろう。走れないけど、歩ける程度だし、手の動きも制限されてるが、着替えや食事などの補助は不要な程度なのだ。前にも書いたけど、私がもしSさん程度の障害を持っていたとして、今やってる仕事で出来ないのは「お茶くみ」くらいである。

 ところが、Sさんが語るには「オレ、勉強苦手だったんで、勉強したくなくて、養護学校に進学を希望したんです」
 ところが、養護学校も「こういう人、どのクラスで受け入れれば?」と困ったらしい。知的障害もなく、身体障害も介護不要だったから、しょーがないから、「車いすクラス」みたいのに放り込んだらしい。

 今でこそ、車いす受け入れ可能が学校も多いだろうけど、その当時は、高校の受け入れ先が無かったようだ。
 しかし、そこは「足が不自由なだけで、普通高校に行けないなんて!よーし、しっかり勉強して見返してやる!」みたいな高い志を持った高校生の集まりで、「勉強苦手だから擁護学校でいいや」ってヌルい進路選択したS氏のいる場所ではなかったようだ。

 たぶん、そのあたりは私の超訳だけど、S氏の言葉を再現するなら「擁護学校でも、おまえみたいな障害じゃあ、どうすりゃいいんだ、みたいなことを言われて、だったら上級クラスにって言ったら、みんな車いすなところに送り込まれたんだけど・・・・あいつら、超勉強できて・・・・全然ついていけなかったんですよー」

 私はその当時の車いすクラスの生徒さんの心境を想像して泣きたくなってきた。
 あっちの気持としては「おめー、補助具無しで歩いてるし、階段も昇り降りだって一人でできるのに、なんでここにいるんだよ????」でしょう。

 で、S氏は「ここは自分の居場所ではない」とさすがに思ったようで、無茶を言って、知的障害者クラスに編入させてもらったそうです。

 ・・・・・・・、えーと、はい・・・・・・

 ある意味、凄いと思うが、彼はほんとに自分中心なのだ。
 たぶん、その養護学校時代にも指導した人たちは、真剣に指導したんだろうけど、他人の言うことなんて全く聞かなかったんだろうね。

 その高いプライドが全然何の役にも立っていないことに目眩がするが、それが、よくテレビでやってるような「障害に負けない立派な志」と何が違うのかと言われると、意思の強さは同じだけど、方向性が全く違うだけってことに戸惑うが、それが身体障害に起因することなのか、本人の持って生まれた気質なのかわからんし。

 ただ、大勢知らないのでなんとも言えないけど、H氏も「うちの会社で働くには知的レベルが低い」と思うが、彼も「補助具無しに歩けるし、片手は不自由だが、身の回りのことは自分でできる」というレベルで、やっぱし「なんで最終学歴が擁護学校なんだ?」って思うけど、彼ももしかしたらS氏と同じ理由で普通高校への進学は避けたのかもしれない。

 障害の程度は軽いが、この障害を抱えていて且つ「勉強は下の下レベル」だと勝負にならないから、っていう理由で。

 ただ、二人とも多分「無条件に愛されたい」という欲求が強いように思う。

 だからこそ、ちょっとウザい。

 障害は無いけど、美人には相手にもされないというか、女子から相手にされない人なんて五万といるけど、彼らはたぶん「オレってキモいのかも?」ってフィードバックしているはずだが、障害者認定受けてる彼らは「オレに障害があるから?」って結論出しているので、「オレってキモいのかも?」って自問自答している男子よりも、ややこしいことになる。

 つーか、五体満足だけどキモい男子が「キモい」のは自己責任だが、障害者な男子がキモいのは「障害のせい」ってことになるので、責任の所在が難しい。
 乙武君とかホーキング博士とか「見た目ちょっとキモい」でも、中身が優秀すぎて、「車いす男子って優秀」みたいなことを思いがちだけど、ほとんどの車いす男子は、超頭良くもなければ、超イケメンでもなく、たいていフツーにモテないはずだが、障害のある人は「フツーにモテない」っていうのがわからないだろうから、大変だろうなあ。

 ゴリゴリのS氏は特殊だとしても、控えめなH氏にも「おかしいなあ、自分はもっとチヤホヤされるはず」っていう勘違いオーラを感じることがあり、あっちはあっちで「きちんと元気に挨拶ができて、前向きな姿勢を見せてればオッケー」みたいな空回りを感じることが多くて、「全部が空回りしているじゃん」っていうS氏よりも痛く感じることが多い。

 で、二人とも学力レベルは小学校程度なので、過去の身障者教育界がなぜこの程度の身体障害の人らを「これでいいんだよ、自分らしく生きなよ」と甘やかしたのか憤りを感じるが、今はSさんを無視しているような人が、「障害者だから可愛そう」ってやった結果なのか、教育が悪かったのか、そもそも本人がそういう資質だったのかなんて私にはわかるはずもないから、「世の中、いろいろな人がいるなあ」って慣用句で逃げたいと思います。

8月6日(水)

 広島原爆の追悼日だったが、NHK以外は「理研の笹井氏の自殺」がトップでした。

 そういや、NHKは「戦争の記憶の風化をどう防ぐか?」ってやっていたけど、戦後70年にもなるんだからフツー風化しちゃうだろうと思うのだが、私の世代だと「はだしのゲン」を筆頭に原爆教育が盛んだったけど、それがけっこうトラウマみたいにもなっており、自分にもし子供がいたら積極的に戦争教育しなかったと思う。
 ましてや、今の小中学生の親の世代は、戦後ベビーブームの子供世代よりもさらに下なので、「戦争体験」よりも「バブル体験」を上の世代から聞かされることが多いんじゃないかね?

 何度も日記に書いているが、「バブルの頃はこうだった」と下の世代に語り聞かせていると「あー、戦争体験を話す老人もこんな気分だったのかも」と考えてしまう。

 でも、これも何度も日記に書いているが、うちの祖父母はほとんど戦争の話をしなかった。
 それは悲惨な経験から口が重かったという感じでもなく、「戦没者が親族にいなかったし、空襲で焼け出されもしなかったので、これと言って語ることがない」という感じだった。
 祖父は出征してフィリピンの島に送り込まれていたが、隣の島までは全滅したが、その後、アメリカ軍の攻撃が本土空襲になってしまったので、ギリギリセーフで生き残ったようで、「食料は乏しかったが現地住民が良くしてくれて飢えることはなかった」と言っていたし、誰も戦死しなかったおかげで、師団丸こと帰国できたため、その後、まるで同窓会のように毎年どっかに温泉旅行に行っていた。

 えーと、そう、確か「セレベス会」っていう名前だった。

 でも、祖父はとうとうセレベス島には行かなかったなあ。
 まあ、祖父が海外旅行に行ったのは親孝行だった叔父がハワイやエジプトに連れて行ったくらいで、それも私が大学生くらいの頃で、やっと海外旅行が庶民にも身近になった時代だった。
 その後、私もタイに旅行したりしたので「お爺ちゃん、セレベス島に行ってみたい?」なんて話した記憶があるが、その頃にはもう「飛行機長時間は無理」って言っていた。

 それは、セレベス島に鮮烈な記憶が無かったからなのか(その地で無念の死を遂げた戦友がいたとか、悪夢のような戦闘を生き残ったとか)、それともやはり「あまり思い出したくもない」と遠ざけていたのかは、今となってはわからない。

 そういや、原爆教育に話を戻すと、私の記憶では「はだしのゲン」を特に男子達は「心霊写真本」とか怪談本みたいな雰囲気で、「大人が何故か公認しているグロい漫画」として楽しでいたような気がする。

 あと、題名忘れたが、原爆で親を失った子供目線の児童書があり、それは学校にも友人宅にもあったのだが、友人宅のには黒焦げになった遺体の写真が載っていて、私らはそれをまるで肝試しのように眺めていたのだが、学校にあった同じ本にはその写真が無かった。

 いやー、あの本怖かったなあ。
 最初は写真のキモさだけを眺めていたのだが、そのうちちゃんと文章を読んでみたら「原爆で家が崩壊して母親が下敷きになって、助けて、助けてと叫ぶのだが、子供の力では瓦礫を取り除くことができないでいると、火災が迫ってきて、母親を見捨てて逃げるしかなかった」などと書いてあり、そういう文章の横に黒焦げになった死体が恨めしげにこっちを観ているような写真が載っていて、マジ怖かった。

 そして小学生には放射能という物がなんだかよくわからず、「なんだかすっげー爆弾が広島や長崎に投下されたらしい」という、今から考えると、SF的な物語のように捉えていたような気がする。

 原爆で一気に何万人も亡くなったと言われても、今だったら「東京ドーム満員の観客が?」って想像できるのかもしれないけど、当時の小学生には、そのスケールは現実感が無かった。

 戦艦大和の悲劇は完全に「宇宙戦艦ヤマト」に書き換えられていたし(笑)

 特攻隊の話もよくわかってなかったな、きっと。

 あれがグっとくるようになったのは、20歳にもならない若者が「きゃわいいわね」と思えるような年齢になってからで、小学生の頃にはその悲惨さがよくわからなかったようだ。だって、17歳のお兄ちゃんと30歳のオジサンの区別がついてなかったもん。

 そして、ベトナム戦争もなんだかよくわからず、私が初めて「リアルな戦争やってるんだ」と認識したのは、あのテレビゲームみたいだった湾岸戦争だったのだ。

 そして今でもガザ地区はドンパチやってるわけで、だから「戦争の記憶を風化させるな」じゃなくて「今でも派手にあちこちでドンパチやってるんですけど?」ってことの方が大事なような気がするが、そういや、先日のマレーシア機撃墜事件だって、「戦争」に巻き込まれたのである。

 そう考えると、まだご存命の体験者に「戦争はこれだけ悲惨だ、だから二度とやってはいけない」ていうのも大事なのかもしれないけど、それだけでよかった時代は終わったのかもしれない。
 前から思っていたのですが、どっちかというと知りたいのは「虐殺された方」の気持よりも「加害者側」の心理なんだよな。

 アウシュビッツで生き残った話は読んだことがあるけど、あそこで働いていてユダヤ人を虐待していた人の手記ってあるんでしょうかね?

 これは昨日の続きというか「犯罪者=極悪」っていうのがよくわからない私としては、人がダークサイドに転ぶ心情を理解したいと思ってしまうわけです。

 アウシュビッツでガス室にユダヤ人を送り込んでいた人は、サイコパスでも悪人でもなく、ただの小役人だったことでしょう。

 そういや、昔流行ったそういう心理実験では「嘘の電気ショック機のボタンを押させると、被験者はだんだん強い電流でもボタンを押すようになる」とか、被験者を支配チームと被支配チームに分けて支配チームが被支配チームを虐待するかようなミッションを与え続けると・・・けっこう残虐な結果になるとか・・・・

 私は「人間は本来、凶暴な生き物だが、ここ数千年の文化的生活の構築で、理性を身につけているような気がしてるだけ」と思っているのだが、そういう実験の話を友人M嬢としたら、「そういう人は元々そういう人なだけ」ときっぱり反論されたというか、M嬢は自意識というか「自分は自分である」意識が強烈にあったようで、「人って流されやすらしいよ」という実験結果については「私はそうじゃない」という自信があったようだ。

 そう、M嬢は善悪をきっぱり区別する人だった。

 だから、学生時代に若気のいたりでホモビデオに出てしまった某球団のT投手のことは「あれは真性ホモでしょーもない」とばっさりだった。
 私が「若い男子なんて、しょーもないんだから、若気のいたりでしょうよ」と同情を寄せても「いや、ビデオの内容を文章で読んだが、あれはモノホンだ」と断言。しかも、それが本当なのかもわからないが(ビデオはほんとに流出したので出演したことは事実なのだが)、M嬢が許せなかったのは、T投手は大学の後輩を道連れにして、一緒にビデオに出ていたことだった。

 私は「いやー、本気で嫌だったら後輩も行かないでしょうし、まあ、ちょっと先輩にそそのかされて一緒に万引きした程度だったのでは?」と言ったのだが、M嬢は頑として「Tはけしからん」と言っていたので、まあネットでは未だにそういう態度の人多いですからねえ、もう、許してやれよ、と思うんですが・・・

 で、その投手が「いい加減、世間一般では忘れられる」って頃に日本球界に戻ってきて、そこそこ活躍していた頃、野球じゃなかったけど、ラグビー部だったかな?とにかく、どっかの大学のそこそこ名門なスポーツ部の学生がまたホモ・ビデオに出たというニュースがスポーツ紙に載っていた。

 私は「別に、人を殺したわけでもないし」と、あまり感心がなかったのだが、M嬢は「なんで、そんなのに出るの?ほんとにホモなの?死ぬの?」と憤っていたので、今から考えるとその当時からM嬢はかなり精神的にヤバかったのだが、その当時は「もー、親友がなんか頑固で扱いづらいわ」程度だった私は、「まあ、男子なんてポルノビデオに興味津々だから、それがホモ系でもうっかり出ちゃうんじゃない?しかも小遣い稼ぎになるなら、バイトできない体育会系学生にとってはおいしいだろうし」と言ったら、M嬢は真顔で「じゃあ、ミヤノや私が大学生だった頃に、5万のギャラでAVに出る?出ないでしょ?」

 「私は出ないけど、うちらが女子大生だった頃、AVに出てる子、いっぱいいたじゃん!」

 と私が言うと、M嬢も思い出したのか黙ってしまいました。

 M嬢もうちの母と同じタイプで「私は善良で健全だからそんなことしない」→「だから、そんなこと平気でやる人なんて普通はいない」→「異常」という思考回路のようでした。

 うちの母は「私は正常、変な人は異常」という世界観の中で、ぬくぬくと生きてこられた世代でしたが、田舎の生活が嫌で嫌で、凄い頑張って東京に出てきたM嬢は、「私は正常」を保つために他人を必要以上に「異常」と認定していたのが行き過ぎて、己の正常を保つことができなかったようです。

 そうか、そう考えると、私がぎりぎりまでM嬢と仲良くできたのはM嬢が母に似ていたからのなのかも。
 「自分こそが標準」という強い意思が同じだったな。
 うちの母は、まだ弟妹も独身だった頃に「私もお父さんも普通の人だと思うのに、なんであんたたちは普通じゃないの?」と言って、私の眉毛を八の字にしました。(そ、そんなこと言われたって、たかだか20代で結婚しないってだけじゃん?)

 ただ、M嬢と比べて、母が「正常」をキープできたのは「子供が思ったようにならない」という「普通」の悩みを抱えて、やっと遅まきながら、弟や妹が結婚して子供産んで、「孫に囲まれる幸せな老後」がやってきたと思ったら「孫・・・・・なんか変じゃない?」

 ええ、本人は未だにそう思ってるようですが、私から観れば、弟の長女の可愛くないところとか母にそっくりなんですよ(笑)
 だから、母は自分に似ている弟と一番ぶつかってきたけど、孫の偏屈ぶりはさらに理解不能なようで、「あの子、ほんとに性格悪いし、誰に似たのかしら?」って真顔で言われるたびに「・・・・・あんたでしょ!」と心の中で突っ込むのですが、子供や孫がいると、ああやって深層心理的に自分の悪いとこを見つめずにはいられないようだが、子供がいないとそういう体験できないので、M嬢みたいに「もしかして、私が悪いの?そんなはずはない!」って精神病の鎧纏ってしまうのではないか、ってちょっと思った。

 あとね。
 自分で産まなくても、姪っ子や甥っ子は、ほんとマジ可愛いので、そこに自分にもある遺伝子的な欠点があっても、「だからこそ、よけい可愛い」と思うのですよ。
 自分が親になったら、あの感情がもっと強くなり「自分の欠点が露呈されるが、それもまた可愛い」と、自己肯定につながるのでしょうね。

 ほんと、姪っ子が友達できないとか不登校とか、そんなの「やーだ、私もそうだったのよ」と、ただひたすら愛おしいのです。
 そんで、そんな気難しい姪っ子が、食事の時に「のんちゃんは私の隣!」って言ってくれて、他の姪っ子が「いや、のんちゃんの隣は私だ!」って、いやーん、モテモテじゃん、あたし!!!!

 ほんと、弟や妹が子供を連れてきてくれてありがとう、って思います。

 そうじゃなければ、私もM嬢みたいなダークサイドに落ちていたかもしれないし・・・・ああでも、姉妹とも高収入だけど独身のフジロックに一緒に行ってるT嬢は「ゴールデンウィークにニューヨークに行って、ヤンキー・スタジアムとクーパーズタウンに行った」ようで、あれはあれで「人生楽しんでるな」って思います。

 人が「人生楽しんでる」のか、そうではないのかって、ほんと些細な違いで、まあ、「自分は不幸だ」って思ってる人にとっては大きな違いなのかもしれませんが、そういう分け目ってどうなんでしょうね?

 うちの母がこの間申したのは、「うちって、骨折した人がいない」ということで、「私は自分を骨太だと思っていたけど、うちの家系、もしかして骨が太い?」と言うので、「それもあるかもしれないけど、私は性格的に用心深いから捻挫とか突き指しかしたことないかも」と言ったんですけど、「誰も骨折しないから、たぶん、いい家系だ」って思うのもいいんじゃないかと。

8月5日(火)

 会社でエビワカちゃんに「うちの姪っ子も不登校気味らしい」と言ったら、「やっぱり?」と喜んでくれました。エビワカちゃんちの長女も「学校行きたくない」という時期が時々あるので「私なんてそんなこと思ったことないのに」と悩んでいたのです。

 あと、「小2にもなってシモネタがまだ酷い」と愚痴ったら「うちの次女もそうですよー」と言っていたので、ホっとしました。

 さて、今日の昼に飛び込んできたニュースに「理研の笹井氏が自殺」というのがあって、マスオさんやエビワカちゃんは「いったい、なんで・・・」と呟いていましたが、あんだけ騒ぎになればうつ状態になる気持もわかると私は思ったけど、部長が「それって誰?」と言うので「ほら、小保方さんの上司っていうか指導者というか」と説明したら、「自殺したってことは悪いことしてたってことじゃん?」って言うのでびっくりした。

 女子高生の殺人事件でサイコパスって言葉が頻繁に出てくるが、私は自分を「サイコパスから極端に反対側なのでは?」と思っている。
 うまく説明できないけど「過剰に感情移入してしまう」って感じ?
 いや、それよりも「理解不能な他人の言動に無理やり共感できるポイントを見つける」って感じかね?

 たぶん私の世界観では「自分/他人」という切り離しができてなくて、だから「異常/正常」というオンオフな認識もなく、ワイドショーでよく連呼されるような「犯罪者の心の闇」っていうのは誰でも持ってるものだと思っている。

 だから、時々「正常な人々」が繰り出す「このくらいいいじゃん」っていう態度に呆れることが多い。
 上司は、例えば先日の兵庫県の議員さんが不透明な政治資金の使用をしたというニュースで「なんであんな奴が議員をやってるんだ!」と派手に憤るが、会社の経費で不透明な事案があっても「これくらい、いいじゃん」っていうタイプで「これ、税務調査があったら確実に引っかかりますからね!」と言っても「いいじゃん、いいじゃん」としらばっくれるので、前にも「だったら、この決済書類に『オレが認めた』って一文つけてください」と迫ったら「えー、こんなの、なんかあってもミヤノさんが釈明してくれればいいじゃん」と言うから「私は、これを他人に説明できないから、何かあったら部長が説明責任を負うと一筆書いてもらわらないと困りますから!」と凄んだら、渋々サインしたっけ。

 この上司の前の上司が「これ税務調査入ったらアウトでしょ」っていうのをやった時に、自信満々な態度だったから「まあ、いいや、何かあったらこの人の責任だから」と思っていたら、実際に税務調査入った時に「これは変じゃないですか?」って突かれて「ほーら、やっぱし」と思ったのだが、結局その上司は自分では責任とらずに「TKなんとかしろ」と今の上司に押しつけたのであった。

 あれで懲りたから、今の上司には「私では責任持てません」って事案は通さないようキツく言っているのだが、まあ「なんかあったら、あなたが刑務所に入ればいいだけですから」と言うとけっこうビビってくれるので物分かりはいい方で助かるが・・・・

 で、たぶん、自殺した笹井さんだって「これくらいいいじゃん」と自分で思ったのか、他から押しつけられたのか、その当時は悪気もなく「責任者」になったのかもしれないが、それがあんな大騒動になって、大変な思いをしたんだと思う。

 そんで、「ワイドショーの悪役」のほとんどの人は「みんなやってるからいいじゃん」程度のことが多いだろう。あの交通費丼勘定の議員がしたことだって、昔、辻元清美がやらかした秘書の給与流用を思い出す。あれも、一部の議員の間では「いいじゃん、いいじゃん、みんなやってるよ」という裏ワザだったのだろう。

 そんで、人間誰しも、徹底的にマークされて調査されれば、法律違反の一つや二つやっているものだろう。スピード違反や飲酒運転なんかは全くやったとこのないドライバーなんて、ペーパードライバーくらいなんじゃないか?

 そうそう、そんで世間ではブラック企業が話題ですが、私が「そういう、うちの会社も相当なブラックですよね?」って真顔で言うと、みんな知らん顔するのですが、ブラック企業をあざ笑いながら、自分がやっていることはそうではない、って思い込んでいるあたりが凄いと思うし、逆に「あー、だからブラック企業はなくならないんだ」って思うわけです。

 それは犯罪とは別のことでも、さっき書いた「娘が不登校なんだけど、誰に似たんだろう?」っていう人にも言えて、誰だって学校行きたくなくてグズった経験絶対にあるはずなのに、「自分はそんなことなかった」って言うのが不思議です。

 うちの母も、姪っ子Yちゃんが不登校気味だという話をした後「うちにはそんな子いなかったのに、誰に似たのかしら?」と真顔で言うので、「えー?私は月に一回くらい発熱して休んでいたし、弟(Yちゃん父)は発熱しなかったけどよく腹痛起こしてたじゃん」と言うと、しばらく考えた後、「そういえば・・・・」

 母は勉強は得意ではなかったが、美術(図工)と体育は得意な子で、先生にも贔屓されるタイプの子供だったらしいが、体育優秀が災いして、区の体育祭の実行委員に選ばれたことがあったらしい。
 「でも、あたし、今でもそうなんだけど、とにかく、役員っていうのが嫌だったの」
 と、小学校高学年だった母は役員が嫌で嫌で、体育祭が始まる1週間前くらいは学校に行きたくなくて具合悪くなっていたらしい。

 そして「大人になってからだって、PTAとか、町内会とかで、役員になると、もう、ほんと嫌で嫌で、そういうのちゃんとやる人もいるけど、私はダメなもんはダメなの!」と語り始めたので「なんだ、不登校の子の気持、ちゃんとわかってるじゃん」と思った。

 まあ、そういう記憶を消してしまえるから「私は正常/犯罪者は異常」って白黒つけられるのでしょうね。

 ところで、サイコパスの疑いのある例の女子中学生は、その真意なんてわかりようもないけど、とりあえず「人体解剖してみたかった」とか言ってるようなので、「この子のその志向がもっとマイルドなものだったら、もしかして、将来優秀な外科医になれたかもしれない」と思いましたが、そんなこと言うと外科医をディスってると思われるので控えますが・・・・

 それよりも、「日本では女子中学生が同級生を一人殺した」で大騒ぎしている横では「ガザ地区では死者が1000人超えました」ってやってるわけで、イスラエル何やってんじゃ?と思うわけですが、「自分を守って何が悪い?」という統合失調症の人の過剰防衛みたいなことになっており、でも、イスラエル軍がミサイル一つ発射するだけで、数十人が亡くなってるようだし、もうなにがなんだかわかりません。

 明日は広島原爆の日ですが、あれもさー、ある程度、結果予測できたでしょうに、やっちゃうんだもんね。

 史上最悪レベルの殺人鬼がどんなに頑張っても、なかなか100人殺すのは大変そうと言うか、1000人も殺した人いないんじゃないかな?って思うのに、戦争って、桁が違うからな。

 で、たぶん、人って多少はみなサイコパス的なところがあり、他人を自分と完全に別物と思って行動できると思うのです。
 「人間らしい行動」っていうことの方が妄想なのかもしれない。

 そして「自分は常識人だから自分のやることは常識の範囲内だろうから、いいじゃん、いいじゃん」っていう弱さを持っているのだろう。

 そういや、先日NHKで「ストーカー犯罪」の特集やっていたが、あれ見て、「ストーカー被害を阻止するの難しいだろうなあ」と思った。
 つーか、たぶん、警察にストーカー被害を訴える人のほとんどが「妄想」っぽくない?

 私の友人も「侵入犯に入られている」と度々警察に通報していたようで、「警察がボンクラだから役に立たなかった。あいつらちゃんと仕事しろ」と税金も収めてないのに上から目線でしたが、たぶん、そういう訴えのほうが「重大事件に至ったストーカー事件」の何万倍もありそうだ。

 NHKの番組で「これは怪しい」と思ったのは、ある40代独身男性が職場で派遣社員の独身女性に常に見つめられて、さらには「あの人、私に気があるの」という噂を広められ、相当な心的苦痛を感じたのだが、上司に訴えても「派遣社員なんだから、そのうち契約が切れるまで我慢しろ」と言われて取り合ってもらえず、結局、体調を崩して20年勤めた会社を退職した、って話でしたが、それが本当だったら、「あの派遣社員は変」って他の社員も気がつくはずで、とっとと派遣契約を切るか、派遣会社に相談するか、その男性を別部署に異動させればいいだけの話です。

 会社が対処しなかったのは、「そういう事実が他人からはわからなかった」からじゃないでしょうか?
 そうだとしたら、40代独身男性が「あの派遣社員にストーカーされてる」と訴えるのを「まあ、まあ、ちょっと我慢すればあの派遣社員契約が切れるから」とテキトーに聞き流していたと想像できる。会社側としては、派遣社員に非は無いので、こっちから契約終了を言い渡せないから。

 NHKの番組的には「まだ認知されてない隠れたストーカー被害はいっぱいある」というテイストでしたが、「集団ストーカー」なんてキーワードはキ◯ガイの巣窟みたいなことになってるし、警察に「そういう訴えの中からホンモノを探せ」っていうの酷だと思うんですけどね。

 犯罪の芽は警察が完璧に対処すべき、病気の芽は医者が完璧に対処すべき、対処できなかったら、医療ミスみたいな。

 そういや、先日もぎっくり腰やったら、「医者に行ったの?」ってよく言われて「いや、ぎっくり腰は医者には治せません」と言うと不思議そうな顔されたけど、「なんか体調不良があったら医者に行けば完璧に治る」と思ってるのでしょうか?

 これも「不登校?ありえない!」っていう思考と同じで、うちの母にも「医者に行ったの?」と言われたので「ぎっくり腰はとにかく安静にしてるしかないのです」と言ったら、「そういうや、お父さんも整形外科医に行ったけどよくならなくて、紹介された鍼灸医に行ったらびっくりするくらい良くなったのよね」と思い出したようだ。

 いや、鍼灸医が万能ってわけでもないけど、整形外科医で超音波だかの電気治療器あてるよりは、鍼のほうが痛みが軽減するだけで、西洋医も東洋医も「根本的な治療」はできないのですよ。

 ただ、私が東洋医にかかるのは、「腰かばってガチガチになった尻や背中の筋肉の緩和」をやってくれるので、そっちのほうが全体的な治りは早いような気がするだけです。

 で、どっちにしろ、自分が「この医者にかかれば回復が早い」と思えることが大事で、科学的なものよりも宗教的な信頼が大事だろうと思ってるだけです。

 少し前も、慢性腰痛持ちの父親が西洋医にかかったら、腰部脊柱管狭窄症の疑いがあり、泊まり入院でMRIだかの検査になって、母は「年寄りなんだから、狭窄症で当たり前じゃん」と馬鹿にしていましたが、検査結果は見事に脊柱管狭窄症で、西洋医学的には「内蔵疾患などの大病ではありませんでした」と証明されたようだ。

 しかし、本人も家族も「あー、お父さん、ずっと腰悪いから」と腰痛訴えても「そういう持病だから」と思っているのに「他の病気の疑いもあるから」って精密検査してくれるのは有り難いが、そんなんやってるから、老人医療費が膨らむのでは?

 ただ、老人医療の世界も、うちの祖父がそうだったが、「医者に行けば原因を究明してくれて治療してくれる」という妄想が跋扈しているので、医者に通うのが仕事みたいになっちゃって、「祖父が趣味の病院に通うために、私の保険料が上がってしまう」と思いましたが、老人の暇つぶしに医療保険が消耗するのなんとかしてほしいのですが、今後も増大の一途でしょうね。

 医療現場は疲弊していき、儲かるのは製薬会社だけのような気がしなくもないけど、意外とそう思ってる人は少ないようで「医者なんて丸儲けだ」と言う人は多くても「製薬会社の陰謀だ」っていう人は少ないんですよね。

 医者は信用しなくても、薬は信用しやすいってことなのかな?

 そう考えると、法律には無頓着だけど、脱法ドラッグ依存っていう人って、けっこうメジャーな存在なのかな、とも思えるのだけど。


8月4日(月)

 土日は実家に帰って、姪っ子達の夏合宿(?)に参加してきました。

 例年、ゴールデンウィーク中も合宿するのですが今年は無かったようで、姪っ子ズが実家に滞在するのは正月以来だったようです。
 メンバー紹介すると、長女Nちゃん(小6)、次女っつーか双子のYちゃんMちゃん(小2)です。
 そこに「従兄弟同士で遊ばせたい」と私の妹の息子である甥っ子T君(3ちゃい)も参加。
 以上、ジジババと私と妹の大人4名と子供4名の総勢8人の夏合宿でした。

 姪っ子ズは30日からやってきており、31日はプール、1日は京王レールランドで遊んだらしい。
 京王レールランドはT君の行きつけなのだが、小6のNちゃんも本格的運転シュミレーターなどでけっこう楽しんでいたらしい。

 で、2日の土曜日は「中野にある噴水公園に行く予定」と前夜に聞いていたのだが、朝支度していたら「近所の児童館でいいことになった」と言うので、お昼の12時頃に私が汗だくになって実家に到着すると母が丁度「これから昼食の買い出しに行くの。あんたのご飯はお父さんに聞いて」と児童館に出発するところで、父が一人で素麺をすすっていた。

 私はとりあえず「塩分が・・・・」と冷蔵庫を漁ってキムチや福神漬や梅干しをちょっとずつ食べていたら、父が「残り物の素麺ならあるぞ」と、たぶん昨日の残りのがタッパーに入れてあるのを教えてくれたので、それ食べたらかなり落ち着いたので、父がサークル活動に出かけるのを見送ってから、しばらく新聞読んで涼んでいたら、母が戻ってきて「素麺茹でてあげるわよ」

 えーと、もう小腹は埋まったけど、コンビニで買った昼食を児童館に届けた後(あっちには妹が待機)「のんちゃんのご飯の支度してやらなくちゃ」と言って戻ってきたのであろうから、「じゃあ、素麺もうちょっと食べる」とリクエストしたら「せっかくだからいいの(高級なの)がいい?」と聞かれりゃ、そりゃ、いいのがいいに決まってるだろう(笑)

 「いいのは隠してあるの」と母は呟きながら戸棚を探すが、誰から隠してるのだろう?ああ、そっか、高いのも安いのも区別がつかない父からか。父はそういうことに全く無頓着だからなあ。子供の頃「明日食べよう」ととっておいたプリンなどをよく父が勝手に食べてしまい号泣したっけなあ。
 父は食べ物に執着しないし、一人っ子育ちだから、「冷蔵庫に保管されてる物には高級なものとそうでないものがあり、他人が所有権を持っている物がある可能性もある」ということを全く考えないのだ。ジュースやケーキも牛乳や食パンと同じで「そこにあるんだから誰が食べたっていいだろう」と思うみたい。

 さて「いい素麺は隠してあるの」と言う母だったが「あれ?どこに入れたっけ?」と百舌鳥の早贄か?
 しばらく、これでもない、これでもないと箱を漁ったあげく、「あ、これだわ」と箱入りのいかにも高級そうな頂戴物の素麺の箱を取り出したのだが、「あ・・・カビが・・・・」
 見事にカビてました。
 あー、さすが高級素麺、防腐剤があまり添加されてないようだ。

 しかし、私の目の前で「これ、外に干しておけば大丈夫かしら?」とブツブツ言ってるので「やめなよー」と言いたいのをぐっと抑え「まあ、天日干してからちゃんと茹でれば死にはしないか。それに、大好物の素麺のカビで食中毒になって死んでも本望だろう」と思って放っておきました。

 そもそも食べ物を粗末にしない人たちだから「いつの食べかけなんだろう?」っていう食材も「冷蔵庫に入れておいたから大丈夫」という冷蔵庫教の教えに従い、消費期限がとっくに過ぎていても食べているけど、それで今まで食中毒になったことが無いんだから、これからも大丈夫だろうし、もしなんかあっても、そういう「食べられる程度のカビや細菌」のせいだったとしたら「胃酸が病原体に負けるようになったら寿命」ということなんでしょう。

 そんで、二人でゆっくり昼食をとり(母は何も言わなかったが、思っていたよりも安物の素麺が出されたようだ。自分に都合の悪いことは何も言わない老人魂が眩しい)2時頃に「じゃあ、児童館行ってみる?」と二人で出発。徒歩5分くらいなのだが、めっちゃ暑くて汗だくである。

 児童館に到着すると、ちょうど妹が「もうTちゃんお昼寝の時間だから帰る。Yちゃんもお昼寝するっていうから連れてく」というタイミングで、NとMは工作室に入ってなにやら作っているらしい。
 ところが母が「せっかく、のんちゃん来たんだから。のんちゃんはフリスビーするんだって」と言うけど、私のご機嫌とっていただかなくてもいいんだが・・・と無視して、2階にある工作室に行くとNちゃんがなにやらトンカチふるって釘を打ち込んでいた。

 昼ごはん食べながら、母から聞いた話では「児童館だとNちゃんが退屈しちゃうかと思っていたけど、一人で寝転がって漫画読んでて、それなりに楽しそう」だったのだが、何の流れなのか、工作室に移動したら、なんだか張り切っているようだ。私が「すごいね、釘打てるんだ」と本気で感心すると「わたし、図工の女王なの」と得意げ。

 ここ数日間のNちゃんの行動を観察していた母と妹の見立てでは「Nちゃんは、プールに行ってもふらりとどっかに行っちゃって、一人で黙々と泳いでたりしていたので、あれは、やっぱり友達いないね」
 だからこそ、小6になっても祖父母宅にのこのこやってくるのだろう。
 Nちゃんは、たぶん私にとてもよく似ており、すごくわかりにくい人見知りというか、同級生とは上手く遊べないけど、「自分のことをわかってくれる大人」相手には積極的というか、上から目線というか、要するに典型的な内弁慶なのである。

 さて、NちゃんとMちゃんは「ほーら、のんちゃんが来たわよ」と言う母のことなんて無視して、私にロクな挨拶もせずに淡々と自分達のやりたいことをやっていたので、私もぼんやり見守っていたら、母が「じゃあ、あんた付き合ってあげてて、私は夕飯の買い物行かなきゃ」と去っていったので、私は適度にちゃちゃ入れながら、彼らの工作を見守っていた。

 どうやら、妹のMちゃんは「夏休みの工作の宿題」をここで制作しようと企んでいて、その企画にNちゃんが乗っかって、なにやらドールハウスみたいなのを制作中のようだ。
 しかし、初めて訪れた児童館はとても設備が充実していた。1階は図書館の児童コーナーみたいな感じで、小さい子が遊べる遊具と児童書や漫画があり、談話室っぽい雰囲気のちゃぶ台とソファがある部屋では、高学年の子がゲームしたり漫画読んでたりしていて「子供の漫画喫茶」みたいだった。庭には幼稚園のプールみたいなのがあって、水遊びもできるらしい。

 そして、2階はミニバスケットができるくらいの体育館(バレーコートより一回り小さいくらい)があって、時間制で予約して交代に遊んでいるし、その隣には卓球台があって、男子数名のグループは、球技と卓球とゲームのルーティンを繰り返しているようだった。
 いつもの土曜日だと、150名くらいの利用があるらしいが、夏休み中のためか、総勢でも30人くらいしかいないので、空いていて快適だった。こんな炎天下では公園では遊べないけど、いいなあ、こんな施設が私が子供の頃もあったら、夏休み中は入り浸っていたよ。

 途中で、Nちゃんを放置して、Mちゃんと二人で予約した体育スペースでフリスビー(直前に買ったウレタン製の子供用)したが、20分もやるともうへとへと。その後、Mちゃんが「卓球もやろう」と予約したので、卓球も制限時間の15分やったら丁度いいくらいだった。

 そして、その合間にも着々と進行しているドールハウス作りは、壁の制作こそNちゃんがやったが、妹Mちゃんがまずベッドを作り、Nちゃんは「こんな高いベッド、テーブルみたい」と非難するが、私は「王様が寝るようなのは、このくらい高かったよ」と助言し、Nちゃんが枕をウレタンで作ったらそれっぽくなってきたが、後になってシーツも貼り付けてそれらしくなっていた。

 そしたら、Mちゃんの創作意欲にスイッチが入ったみたいで「山小屋っぽいから」というコンセプトの元、暖炉を作ったら、フエルトで作った炎がいい感じ。
 雰囲気が出てきたので、二人が「あと、何がいるっけ?」と言うので「テーブルじゃね?」と助言すると、可愛い丸テーブルと椅子を作ったので「ロッジ風だから、キャンドルじゃね?」と思いつきで助言したら、竹ひごをカッターで切って、その上にフエルトの炎をちょこんと貼り付けたのが「わー、素敵じゃん!」という出来。

 そこで、二人とも「のんちゃんの言う通りにやると、よくなる」ということに気がついて、「次は何?」と詰め寄ってくるので、「えーと、テーブルにはテーブルクロスがあるといい」と言ったら、「ハギレ箱」からいろいろ選んで、レースのカーテンの端切れのテーブルクロスを貼ろうしたら「ろうそくが邪魔www」(もうボンドでテーブルにつけちゃった)という事態になったが、私が「こうすれば?」と言う前に「穴開けて通せばいい」とNちゃんが思いつき、「お、さすが、工作の女王!」と心の底から褒め称えたら、Nちゃんもうノリノリで、その後「窓にカーテンかければ?」と助言したら、ハギレ箱のところで「これかな?これかな?」と選んでいるので「実物にあててみて選べば?試着するみたいに?」と助言したら、いろんな端切れを持ってきて、楽しくあーてもないこーでもないできました。

 そして、Mちゃんが「緑がほしい」とまたフエルトをあれこれイジって、ペットボトルの蓋を植木鉢にして観葉植物を制作。「鉢を茶色に塗るか、茶色の紙を貼れば?」と進言したのですが「白いのがいいの!」

 その後、私の助言は「もう、これ以上、イジるとごちゃごちゃになっちゃうから、これくらいが一番可愛いと思う」と断言することくらいでした。工作室のスタッフも、通りすがりのスタッフもみんな「わー、こんな可愛いドールハウス作った子いないよ?すてき!」と絶賛してくれる出来で、二人とも大満足して、5時に児童館を出ました。

 実家に戻ると、T君もYちゃんもたっぷり2時間はお昼寝したらしく、妹が「Mちゃんだって疲れてるはずなのに、お昼寝しないって凄いね」と言っていた。

 どうやら、MちゃんのほうがT君にべったりのようです。

 母の話だと、Mちゃんは最近、不登校などの不調が続いているようで「調子悪いまま夏休みに突入してしまいました」という状態だったらしい。
 学校に行っても、不調で早退することが多かったらしい。

 ホントはどうだか知らないけど、母が言うには(弟がそう言っていたのか)「小学校入学前は、いつもべったり二人でくっついていたんだけど、小学校になったらクラスが分かれたので、しっかり物のMちゃんは大丈夫だけど、Mちゃんに依存していたイジけっ子のYちゃんは、姉妹離れがうまくできないらしい」

 私はそういう双子を観た経験が無いけど、妹と同学年だった双子の兄弟は、主導権握っていた活発な方は他の友達とも仲良くやれたというか、クラスのリーダー格だったのだが、片割れの方は、他人にリーダーを奪われてしまい、不登校になっていたとか・・・

 Yちゃんは、実家に来ても、しばらくグズっていたようで、「Yちゃんだけ帰そうか」と思っていたら、妹がT君連れてきたら、T君構うことに夢中になって残っていたようです。
 大人もそうだけど「自分より明らかに格下」が現れると急に元気になる人っていますよね(笑)

 うちの会社にも「親会社で欠勤が続いて困ってる人」がいて、子会社に出向になっても、少し欠勤すると親が診断書持ってやってくるので「クビにもできない」という人だったが、身障者枠で知的障害者を雇用したので、その人に世話係を押しつけたら、大型台風並みの兄貴風吹かせて、その知的障害者の親がある時「Aさんが退職されるってホントですか?」って電話が総務にあったのだが、そんな話聞いてなかったので、所属部署に確認したら、Aさんは夏季休暇を取得していたので、他の社員にその知的障害者社員の世話を引き継いでいたのだが、知的障害者社員が「Aさんいなくなった」とか親に言ったらしく、親がびっくりして電話で確認してきたみたいです。

 で、子分が出来たら、Aさんも「謎の病気欠勤」をしなくなりました。
 あんだけ、懐かれちゃなね?

 で、うちの双子の話に戻ると、YちゃんはT君にべったりで、すっかり元気になっていたが、そうなるとリーダー格のMちゃんも構う相手が欲しくなるのか・・・・・私にべったりでした(笑)

 もう、我が人生最高のモテ期で、食事の時も「のんちゃんは、私の隣!」と決めつける(笑)
 さらには、ちょっとむずかしい年頃のはずの長女Nちゃんも、どうやら私といろいろ話したいようで、「のんちゃんの隣」に座りたいようなのです。

 ケンカはやめて♪ わたしのために争わないで♪

 まあ、Nちゃんは話せばわかるくらいの年頃なので、「席は離れているけど、ボクらは大人の会話ができるんだから、距離は問題じゃないぜ」みたいなこと言ったら、Nちゃん、照れてツーンとしちゃったよ(笑)
 なにこれ、楽しすぎ(笑)

 こんな楽しい時間を過ごせるのも、ほんと、あと僅かというか、来年になったら中学生になったNちゃんなんてね?

 しかし、一つ問題もありまして、双子の「シモネタ」期が全然収まらないのです。
 「うんち!」で大爆笑くらいなら可愛いものですが、「おっぱいタッチ!」がエスカレートしてて、なんで小2女子におっぱいモミモミ攻撃されないとあかんのでしょうか?

 姉のNちゃんが「ほーら、ママがエッチなこと禁止って言ってたのに。いいつけてやる」って言っていたので、弟の嫁は「外でエッチなことやらないこと」ってちゃんと教育的指導してたらしいのに・・・・
 正月に来た時にも「おっぱいタッチ!」ってやっていたので「あんたら、まだシモネタ期なん?」と呆れていたら、弟嫁は恐縮していたので、いや、あなたの育て方のせいじゃなくて、お宅のお子さんはほんとミヤノ家の顔をしているので、我が家の血筋でしょうこれ、と嫁に同情していたのだが、こんなにシモネタ期の長引く子供は観たことないんだけど、もしかしたら、私が「どんだけうちらに着いてこれるか?」って試されてるのかしら?って思って、おっぱい揉まれたら「ぎえええええ」と渾身の悶絶の表情したら、その演技が認められてしまい、面白がってもっとやるのですが、私はどうすればいいのでしょう?

 甥っ子T君はまだトイレトレーニング初級であるが、従姉妹がいることに刺激を受けて、なるべくトイレに行こうとするし、トイレでおしっこしようとすると、男兄弟のいない姉妹三人が真剣に鑑賞するようで、ギャラリーの多さに刺激を受けて「今日はウンチまでトイレでやろうとした」と妹は「やはり子供目線大事」と満足気でしたが、姪っ子達のシモネタや下品な言動には「やめてー」と言いますが、子供のいない私にはどこで「それはダメ」と言うのかの判断が難しく、悩ましいところであります。

 さて、翌日の日曜日、子供達は朝の仮面ライダーなどの鑑賞で起きていて、それが終わった9時頃、叩き起こされましたが、その日も猛暑で「今日はどうしよう?」と言ってる間に昼食の時間になり、昼食食べたら、昨晩は3時まで妹と語り合っていた私は昼寝したくなり、こっそり2階で昼寝していたら、妹とT君が「あ、先客がいた」と言うので「お部屋、冷やしておきました」とそのままゴロゴロしていたら、双子がT君や私の不在にやっと気がついて襲撃してきたので「T君の昼寝の邪魔だから、こっちの部屋に移動」と昨晩は父と私で寝ていた客間に移動。

 しかし、双子は元気で私を昼寝させてくれない。
 そしたら、Yちゃんがなかなか起きない私のお腹に頭を載せて、「わー、ウンコが溜まっている」と言うので、「おー、それじゃあ、私のウンコとお前の脳みそを入れ替えてやるーーーーー」と、Yちゃんの頭をぐしゃぐしゃにしながら「お前の頭の中は脳みそじゃなくてウンコが詰まってるーーーーーー」

 ここ数年で一番「私って天才かも」と思いましたね。
 ウンコ頭になったYちゃんは、すっかりゾンビ化してしまい、私の腹の上で「ぐえーーーーー、ぐえーーーーー、ぐえ、ぐえ、ぐえええええええええ」とのたうち回っておりました。ほんとに脳みそがウンコになった人のようでした。
 その人外魔境な様子にMちゃんも驚愕していて、ヒーヒー笑いながら見守っていたのですが、Yちゃんがいい演技するので、私も刺激を受けてしまい、私の腹に噛み付く(甘咬み)Yちゃんに急に「がーーーーーーーーーーっ」とゾンビのように襲いかかったら、物凄い超音波の本気の悲鳴で逆襲され「ちょwwww,そんな悲鳴あげると、マジで通報される」と口塞いでも「きーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 本気で首絞めそうになりました(笑)
 うるさい。超うるさい。

 姪っ子ズは予定では日曜日に帰宅するはずだったし、母も「もう疲れたから限界。日曜日には千葉に連れて帰る」と言っていたのですが、不登校傾向のあるYちゃんがきっぱりと「今日帰るのは嫌だ」と自己主張するし、MちゃんもNちゃんも「明日でいいじゃん」って同調するし、「孫の世話を押しつけられてもう大変」な我が母も「のんちゃんが楽しそうだし」と判断したようで、私は日曜夜に帰宅しましたが、姪っ子ズは今日、家に戻ったようです。

 あの怪獣どもの父母も、5日間も実家に預けると「いると大変だけど、いないとなんだか寂しい」っていう丁度いい時間だったのではないでしょうか?

 それはいいとして(父母は孫の世話押しつけられて私に愚痴るが、それはある意味、お惚気半分だし)、ここ最近の傾向としては、母は私が姪っ子の相手していると「自分がラク」っていうのもあるが、独身子供無しの私が姪っ子達と楽しく遊んでいるし、なにより姪っ子達が「のんちゃんも来るの?」と楽しみにしてくれているようだし、今回だって、しっかり物で学校では問題起こさない方のMちゃんが私にべったりだったので、もしかしたら、実母の感心が問題児のYちゃんに傾いていることのストレスを「のんちゃん独占」で解消していたのかもしれない。

 で、母としては、「子育てにちょっと疲れた息子と嫁」が寂しさを感じつつもリフレッシュしてくれればいいし、なによりも可愛い独身の長女が長男の娘たちに大人気っていう構図が気に入っているようで、帰り際にまた「はい、子守代」とポチ袋を渡してくれたのだが、いつも5千円とか1万円は「移動交通費ね」と渡させれているので「はい、ありがとさん」と受け取っていたのだが、今回わざわざポチ袋に入っていたのは、一緒にいた妹から隠すため(弟や妹の子には散財させらているので現金渡すことはない。だから独身の私に現金渡すのは「他の子には金かかってるから」というアピールでもある)だと思って、帰宅するまで中身改めなかったのだが、帰宅してから確認したら3万円も入っていた!!!!!

 まあ、それくらい「のんちゃんがあの怪獣みたいな孫と遊んでくれて助かった」と言いたいのだろうけど、3万円は多すぎだろうと思うけど、たぶん、姪っ子ズの合宿の食費は全部、うちの親持ちだし、妹んとこのT君のおむつも親が買ってたし、この3万円は「他の兄弟にかかる経費はこんなもんではない」という親の魂の叫びらしい。

 姪っ子らも自己主張激しいし、不登校だったり友達できなかったり、母は「誰に似たんだろう?」と言うが、あんただろ、と思うけど、まあ、姪っ子らにあんだけ激しく胸揉まれたんだから、3万円はその慰謝料としてありがたく受け取っておこう。
 つーか、あんな姪っ子達に揉まれていてもじっと我慢している様子を見込まれて「介護よろしく」と小金でロックオンされてるような気がしなくもないが、そういや、ちょっと最近、ボケ老人の世話っていうのをやってみたいような気もするのだ、NHKの影響で。
 子供の相手も、二日間くらいなら上手くやれるので、ボケ老人の世話も二日間くらいだったら上手くやる自信はある。

 そんだけだ。
 3日目以降は未知の領域だが、親は長女を過信しているので「長子のいい子ぶりっ子は二日間が限界」ということを忘れているあたりが、しょーもないよね。

 ただ微妙に心地いいのは、うちの弟も妹も「老親が介護が必要になった時には、やっぱ独身のねーちゃんが」とは思ってないようなあたりだ。
 あいつら、たぶん、無意識によーくわかっているんだと思う。
 ねーちゃん、表向きは一番信用できそうで、そうじゃないってことを。

 その嗅覚は大事で、私は逆に「表向き優等生な姉」を信頼してない弟と妹の嗅覚に「ほー、できるじゃん」と感心している。

 


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