可燃物な日々

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 日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました
4月30日(水)

 背中が痛くて、ジムはパスした。風邪の前兆か?

 そーいや、少し前に会社で「ゴールデンウィークの予定って?」という月並みな話題になり、子持ちのエビワカちゃんがズーラシアがどうのという話をしたので、その流れで動物園の話になり、その流れが上野動物園のパンダの話題に漂着したのであった。

 茨城育ちのエビワカちゃんも、幼いころパンダを見たことがあったらしい。
 「へえ?なんて名前だった?私の頃は、ランランにカンカンだったんだけど?」
 「ええと、なんて名前だったかなあ、でも、たしかに、そんな感じの名前だった」

 それでみんなで、「でも、そもそも全部、そういう感じの名前だったよね」「トントンっていたよね?」「ホアンホアンは?」と記憶をひもといていたのであったのだが、25歳のエビワカちゃんは「ランランとカンカンっていうのは、たしかにどこかで聞いたことがある」と言うので、「それは、たぶんきっと、教科書に載っていたんでしょーよ!」と私が言うと、場内大爆笑になった。

 あの会話から一週間くらいなのに、今日、上野動物園のパンダのリンリンが御隠れになった。

 体調が悪いというニュースは知っていたが、「非公開」にしてから、亡くなるまでが早かったなあ。人間と違って、野生動物は潔いよね。

 しかし、こんなことだったら、日本政府も長野聖火リレーにワーキングプーさんたちを動員して、日中友好を盛り上げておくべきだった!
 みなさん、しばらく中国製の食品や玩具で多少の不具合が生じても、パンダ貰えるまで我慢しましょう(笑)

 いや、どーしても上野動物園にはパンダがいないとって思っているわけでもないのだが、このタイミングでパンダの訃報って、チベット騒動からのシナリオの一部なのではないかって妄想するとなかなか楽しいし、日本人がパンダ欲しさに(って、最近は貸してくれるだけらしいが)無理矢理友好路線をやって「五輪の開会式をボイコットなんてしたら、パンダが来ないじゃないか!」という世論になれば、中国政府はますます「よしよし、パンダは我が国の重要な資源だ。原油なみの外交カードになるし」ということになり、パンダ保護をますます強化するかもしれません。

 なので、パンダ外交に屈することで、パンダを守りましょう!

 でも、パンダって仕草は可愛いけど、目つきがけっこう腹黒いかんじですよね。

 話変わりますが、硫化水素ブームが盛り上がってますねえ。
 また、インターネットが悪玉に上がっているけど、練炭でやるなら、別にネットで方法調べなくなってできるわけだし、そりゃ二次被害があるのは問題だけど、テレビで派手にとりあげればとりあげるだけ、ブームの後押しになってしまうようだし・・・・

 集団自殺ブームのときにも「ネットが悪い!」とテレビや新聞が叫んでいたけど、ブームをさらに拡大させてんのは、テレビや新聞じゃんって思ったが、同じことの繰り返しというか、結局のところ、自殺が多いのは事実なので、その手法にいろいろ流行があるってだけの話なので、硫化水素の発生方法を紹介しているサイトを潰したからってって思います。

 どっちかというと、ネットできちんと「二次災害を防ぐためには」って宣伝してもらったほうがいいのでは?ちゃんとマナーを守ってドアに「毒ガス発生中」って貼るような人たちなんだから、ちゃんと説明してあげれば、けっこう実行してくれると思うんだけど。

 その昔、「完全自殺マニュアル」という本がバッシングされたが、私が読んだ印象では「これ読んで、ほんとに実行する人もいるだろうけど、これ読んでて死ぬ気亡くなる人もけっこういると思う」
 あの本と、ホイチョイプロの「東京いい店 やれる店」が私の中では「マニュアル本をパロった極上本」ということになっている。
 どっちも、ある意味「冗談」なんだが、きちんと「真面目な人」が読んでもそれなりにちゃんとしたマニュアル本みたいに、っていうかそれ以上に使えるようになっており、そして、ちゃんと要所要所に真面目な人の腰を折るようなことが書いてあって、普通の読解力を持つ真面目な人だったら「あ、これ、すごく高度な冗談なんだな」ってわかるようになっていたはず。

 でも、世の中にはブームに乗って、きちんとマニュアル通りにやる人もけっこういるもんですね。
 昨日もそんな話題で日記を書いたが、もし私が今日、どーしても自殺しなくちゃいけない気分になっていたとしても、ぜってー硫化水素だけはヤダけどなあ。
 そーいや、どっかで女性二人が体縛り合って飛び降り自殺したというニュースもあって、その新しさにはちょっとだけ「とんがりキッズ魂」(死語?)を感じました。

 流行といえば、めざましテレビで、ええと、YUIって言うんでしたっけ、今、若者にたいそう支持されてるらしき、よく耳にする女性シンガーソングライターの子が出ていて、あらためてその人気を確認したのですが、あのまくしたてるような、やや早口で、やや無理目の高音ボイスで歌うかんじって、なにかを思い出すなあ、と考えたところ、華原ともみでした。

 ああいう感じって、若い女性に必要なものらしい。

 私はねえ、また流行に逆らってばかりいますが、あれがダメでねえ。
 女性の高音が苦手なんですよ、そもそも。
 だから、ケイト・ブッシュもダメだったし、矢野顕子も苦手だった。

 圧倒的に男性ボーカル好きというか、それも西洋人男性の重低音が大好きだったので(デビッド・シルルビアンとかピーター・マーフィーとか)好きな女性ボーカルって言ってら、ヘレン・メリルとか?あと、ウィスパー系はけっこう好き。クローディーヌ・ロンジェとか。なので、ノラ・ジョーンズは好きですし、あと、ジャネット・ジャクソンの声も好きだ。

 マライア・キャリーみたいに高音をミラクルに発生ってあたりは、なぜか完全スルーなのである。
 そーいや、話は飛ぶが、先日、ジムのテレビで流しているMTVでマドンナさんの最新ビデオらしきものが流れていたが(色男ジャスティン君と共演?)、あいかわらず、イケイケなんですね。つーか、いつまでレオタード姿を披露するのでしょうか?なんか、ああなると、もはや「限界に挑戦」というか、スキーの三浦さんがまたエベレスト登頂最高年齢にチャレンジみたいな、冒険家魂と同じにしか見えないので、マドンナすげーよとは思いますが、好き好んで観たいものでもないなあ。

 はあ、なんだか体調悪いのに、ダラダラ書いてしまいましたが、なーんかゴールデン・ウィーク中に仕事するのがそもそも嫌で体調が不良っぽくなっているような気がしなくもない。

 そーいや、3日から5日までは休むつもりだったので(せめてもの、人並みな行動)実家のママンに電話して、「帰るつもりだけど、いるよね?」って確認したのだが、ついでに孫の世話の愚痴をたくさん拝聴した。

 嫁が妊娠中には、ずっと弟宅に泊まり込んで世話した可愛い孫娘Nちゃんであるが、先日の春休みにも、嫁の負担を減らそうとしたらしき弟からNちゃんを押し付けられ、1週間も預かったらしいのだが「もう、ケンカばかりしてた!」

 その容姿から、私と妹の間では「Nちゃんって、Sちゃん(弟)クリソツだし、ってゆーことは、おかーさん似?」ということになっていたが、今年から幼稚園年長さんになるNちゃんは、自我も順調に成長しているらしく、おばーちゃんを相当イライラさせているようである。

 「もー、あれはいったい誰に似たのかしら?」と吠えるママンに、「いや、それ、おかーさんにそっくりでしょ?」とはっきり言ってさしあげたのだが、「えええ?私はあんなじゃないわよ!」

 まあ、素直じゃない性格なので、孫の世話を押し付けれて、ブーブー文句言ってますが、あれはあれで嬉しそうなんですよ。
 弟の嫁の実母は、長年、病気がちで、要介護だった夫の世話で、娘が双子妊娠中で入院しているときにも、上京することができなかったが、昨年、そのお父様も亡くなったので、今は月一くらいで娘の手伝いに来ているらしい。
 なので、ダンナの母というか、義理の母であるうちのママンの出番は減ったのだが、それはたぶん、一般的にというか「発言小町」的にはいろいろややこしいはずであるが、あの一番大変だった双子懐妊時に、うちのママンは全力を尽くしたプライドがあるから、今はお役御免になってせいせいしたという雰囲気みたいだ。

 まあ、それでも、なんか言いたい気持ちはあるみたいだけど、そこは任せなさい、ママンの愚痴を美しく翻訳する私の技能のすばらしさ!

 「あちらのお母さんも、月に一度くらいは来てるみたいだけど、けっこう交通費かかるでしょうけど」
 「でも、あそこんち、けっこう資産家だし、お父さん亡くなって、お母さんだって金の使い道ないだろうから、そのくらい、いいんじゃない?それに、娘が大変だったきには、それどころじゃなかったのは、ほんと辛かったでしょうし」
 「まあね、それに他にも娘さんいらっしゃるけど、Sはけっこう鈍感だから、義理のお母さんがいても気にしないから、来やすいだろうしね」
 「だって、平日なら、Sちゃんどーせ仕事で遅いし、あっちのお母さんも気がラクなんじゃない?」

 そんで、うちのママンもそれなりにわかってる人なので、嫁が自分が手伝いに行っていると、とても自然に気を配ってくれるので、「文句つけようのないのが、ちょっとストレスなので、夫や娘にはちょっと愚痴っちゃうけど、でも、ほんと、いい人なのよ、としか言いようがない」のであるが、「きっと実母が手伝いに来れば、それなりにケンカしたりできるしね」いやー、あの人、実母の前でもきちんとしてそうだけど・・・・

 それで、ふと思ったのだが、孫のNちゃんが、うちのママン相手だと、我がままいっぱいなのは、普段はおっとりな母親相手に、それなりに「いい子」をやっているが、相手がママンだと「あー、この人も私と同じで、外面がいい?」っていうのを幼心に感知しているのでは?

 「だから、Nちゃんが我がままいうのは、おかーさんにそれなりに気を許しているからなんじゃない?」

 って、うまいね、私(笑)

 まあいいや、いろいろ愚痴溜まってるみたいだから、連休にはそれをたくさん拝聴してさしあげましょう。
 そーいや、我がママンは、昨年暮れくらいから、膝が痛くなり、散歩もままならなくなったのだが、やっと大きな病院で検査することができて(一ヶ月以上も待たされたそうだが、命に別状の無い話なので、我慢しましょう)その診断結果がなんと「あなたの半月板はすでに、半分ありません」だったとか。

 半月板損傷って話はトップアスリートでも、よくあるが、半月板がすでに半分溶解って・・・・

 膝の痛みに効く体操で、駅くらいまでは歩けるようになったそうだが、後の療法は「膝の負担減らすために、体重を減らしなさい」しかないようで「って、言われても、なかなか体重減らないのよねえ」

 たしかに、ママンは60歳ちょっとで、身長158センチくらい、体重、60キロくらいで、それほど太っているほうでもないのである。
 ああ、でも親の不調は未来の自分の不調だし、私も膝には問題を抱えているので、半月板とやらを大事にしておかないとな。
4月29日(火)

 出勤。
 別に休もうと思えば休めたが、こういう中途半端なときに有給使うより(祝日が定休日ではない会社勤務。まあ、デパートとなんかと似たような勤務体系かも。私は事務方で基本的にはシフトもないので、日曜日はほとんど休めますが、日曜日に出勤して、平日休んでもいいわけです)今シーズンも平日の楽天戦のために使ったほうがいいに決まっているので有給温存。

 しかも、朝から床掃除業者が入ることになっていたので、その立ち会い、てゆーか、要するに業者に入館可能なセキュリティーカード渡すため、いつもより1時間早い9時出社になった。

 普段は、下り通勤なのに、さらに10時出勤という極楽を享受しているが、たまにこうして、早めに出勤する任務もあるのだ。清掃の立ち会いとか、修理の立ち会いとか、あと10時からの会議のコーヒーの準備とか、ザッツ総務部!

 いつもは余裕で座れる通勤電車だが、さすがに9時前出勤を目指すと、ほどほどに混んでていて、と言っても、あれを混んでいると表現しては、通勤地獄に耐えている皆様に鼻で笑われるだろうけど、「座席が埋まって、つり革も3割くらい埋まっている」という程度である。

 で、わりと侮れないのが、休日や祭日で、行楽客でいつもより混んでいたりするのだ。いや、ですから「座席が埋まって、つり革も3割くらい埋まっている」ってだけですが(笑)

 さて、祝日だというのにいつもより早起きして、8時前に三茶の駅で下り電車を待っていると、やはり、そこそこ混んだ電車がやってきた。
 三茶は世田谷線の乗り換え駅でもあるし、そこそこオフィスや学校もあるので、わりと降りる人も多いのだが、ドアが開くと、いっせいに、なにこの黒い集団は〜〜〜!

 まるで、映画「マトリックス」で、エージェント・スミスが大量発生したような画でしたよ。

 その黒い集団の構成要因は、100%女子で、シューカツなのか、新人研修なのか知らんが、ともかく全員、若い女子でした。

 そりゃ、就職活動中だったり、研修中だったりの、リクルートスーツを着た女子はけっこう目立ちますが、でも、普段だったら、「フツーのくたびれたサラリーマン」や「おサレなOLさん」も混じるはずですが、そういう人がほぼいない休日の朝8時ですから、駅のホームはまさに真っ黒クロスケ状態になってしまった。

 「こ、こえーよ、今日、三茶でいったい何があるんだ?」

 昭和女子大でなんかセミナーでもあるんですかね?それにしても、この時間だと早くね?

 で、その電車は各駅電車だったので、見送って、次の急行を待ったのですが、またそこでドアが開くと、黒黒黒がいっせいに吐き出されてきました。
 黒黒集団と入れ違いに車内に入ると、そこに残っていたのは「これから部活です〜」な大荷物を床にまきちらす、大学生や高校生たちで、ホっとしました。

 しかし、あらためて思うが、どうして、就職活動や新入社員は真っ黒になってしまったのであろう?

 先日「いつ、友達の結婚式の披露宴で、黒のドレスが当たり前になっちゃたんだろうね?」と友人とおっとりと語り合っていたときに「そーいや、リクルート・スーツもいつのまにか黒が当たり前になっちゃたしねえ」なんて話していました。

 アパレル業界の陰謀なんですかねえ?

 私と同世代の人は、記憶を掘り起こしてみると思い出すと思うんですが、20年くらい前は、リクルート・スーツにも「流行」があったんですよ。
 ある年はグレンチェックが流行で、「だからといって、なんで全員、グレンチェック?」って大人に言われましたっけ。

 で、アパレル業界の陰謀はけっこう巧妙で、翌年にはグレンチェックをすっかり流行遅れにするので、リクルート・スーツをそのまま就職した先で着れなくなっていたんですよ。

 でも、ここ数年、リクルートも黒だし、就職してからも黒がけっこう使えるようです。派遣会社の女性営業マンなどは新入社員みたいな格好をずっとしてたりしますので、「客先訪問での一番フォーマルは黒」っていうのが定着しているようです。

 しかしなあ、披露宴で新婦の友人が全員、黒っていうのも「なんだそりゃ?」ですが、就職活動中や新人研修中の女性が全員黒っていうのも、なんだなかあ?

 まあ、アパレル業界の陰謀ですから、実際、私も仕事でたまに必要なスーツを買おうとしても「なんで黒しかないのだ?」って思いますので、「無個性」を演出しているのは大人の都合なのもよくわかりますが、あれだけ駅のホームをゾロゾロしているのだから、50人に1人くらいは「みんなと同じは絶対にヤダ」っていう子がいても、いいと思うんだけどなあ。

 友人とそういう話になったときにも、友人は「私のころも、濃い色のが主流だったけど、就職活動の時期って暑いじゃない?だから、ちょっと渋めの青を選んだんだけど、でも面接で、なんでその色?みたいな質問はされたけど、暑いからなるべく穏やかな色にしましたって答えたよ」と言っていた。

 同じころ、就職活動していた別の友人は、営業志望だったこともあり「みーんな似たような格好してるから、ここは悪目立ちしておこうと、赤のスーツでやったよ。しかも前スリット(笑)それをダメだと思うようなところはこっちからゴメンだし」って言っていたっけ。バブルのギリギリのときだったから、それも有効だったようで、難関のマスコミで第二志望くらいはゲットしていた。

 たぶん、今って服で個性をアピールする時代じゃないんだろうな。

 まあ、いつの時代でも言われていることだが「若者はおしゃれしているつもりでも、皆、同じ服装をしている」っていうのは本当だとしても、私が若いころのほうが、絶対にバリエーションがあった。

 あ、でも、昔よりも今のほうが、明らかにバリエーション豊富なのは、なぜか靴とバッグ。小物で自分を演出っていう方向らしい。

 どっちがいいかって話でもないのだが、自分が20歳くらいのことはDCブランドの絶頂期で、「びっくりハウス」の日めくりカレンダーで「メシは食わねど、ヨージ・ヤマモト」なんて一句が掲載されてて、死ぬほど笑ったが、そのヨージ・ヤマモトのデザインのワイズや、コム・デ・ギャルソンなどで「真っ黒ファッションを極める人」もいれば、ピンク・ハウスで全身フリフリで極める人もいれば、コンサバ系のピンキー&ダイアンのボディコン・スーツをばっちり着こなす人がいると思えば、ニコルの素材のよさをひたすら追求する人もいたし、アルマーニのスーツを着てバカにされる人もいて、まさに「いろいろあったよねえ?」だったんだけど。

 なので各ブランドは、そういう「学生時代にバイト代つぎこんで、そのブランドに忠誠を誓っていた若者たち」のために、「就職してからも、オフィスでそれなりに着れますように」って感じのラインも出していたはずなのだが、まあ、結局、コムサあたりの、グレーだったり、黒だったりがシンプルで一番無難だったんだけど、ふと気がつくと、世の中全部それになっていたらしい。そーいや、黒のドレスだって、コムサが昔から並べていたっけな。

 まあいいや、就職なんて人生の墓場なんでしょうから、黒でいいですよ。実際、葬式にも着ていけるので(正式な女性の喪服にはならないが、あの服装で行っても違和感ないだろう)、着回し抜群なのかも。

 さて、今日は9時前に出勤したので、5時ジャストに退社して帰宅したのですが、6時ごろ三茶に着くと「今度は、あのゴキブリ・ホイホイ集団の帰宅かよ〜」

 まさに、ゴキブリ・ホイホイのように、真っ黒な女子たちが電車にゾロゾロと乗り込んでくるのと入れ違いでした。なんのイベントが存じませんが、8時半から5時半まで乙です。

 朝の衝撃も緩んで、彼女たちの顔を眺める余裕もできたのですが、「薄化粧」を心得ているようだし、髪の毛も明らかな茶髪は皆無で、ほんと、辛気くさい集団だ。

 つーか、なんかのマニュアルなのかわからんが「化粧NG」となっているのかもしれないが、眉毛はちゃんと描こうよ?ほんと、顔怖いから。

 素直なのかバカなのかわからんが、うちの会社でもイベントのときに動員する学生には「化粧NG」と指導しているのだが、そうすると、ほんと、眉毛半分のまま来る子がいるんですよ。
 いや、こっちが「化粧ダメ」と言っているのは、そう言っておかないと、睫毛バリバリで目の周りなぜか真っ黒で客の前に立たせるわけにもいかないので、そう言ってるだけで、その意味は「真面目な中高年を不快にさせないように」って意味で、過度のアイメークやギンギラ・リップを禁止してるだけなので、要するに「ナチュラル・メイクならOK」と言いたいんだけど、今の若者の何がナチャラルなのかわからないから、「化粧禁止」って言ってるだけなので、おねげーですから、眉毛は「普通」に描いてきてください。

 で、今日の黒集団を観察してわかったのだが、イマドキの女子は髪型にも気をつかっているはずなんだが、「ムースで毛先自由自在」の時代なんだかわからんが、「普段はオヤジ受けしない自由自在の髪型している」という自覚がどうやらあるらしく「化粧NG」と同じく「髪型に凝るのもダメ」ってマニュアルがあると、ああなっちゃんですねえ?

 いや、ですから、私の時代に比べると、女子はほんと美しくなったと思うのです。たとえ、服装に個性や主張がなくても、眉の手入れやアイメークの進化っていうか、「睫毛は長ければ長いほどいいことになったのか?」っていうのとか、髪型もみんな工夫してますし。

 でも、それをいきなり全員で放棄して、眉毛は半分しかないし、アイメーク無しなので「そっか、やっぱ、みんな、そうなると重たい瞼だったんだな」だし、髪の毛はみんな黒もしくは「最近、無理矢理黒に戻しました」で、カリスマ美容師に高い金払って、やんちゃな髪型にしてくれたのをゴムでぞんざいにしばると、そっか、ああなるんだ。

 それでも、50人に1人くらい、きちんと知的なナチュラル・メークして(眉も自然に描いて、目立たないけど効果的なアイメイクして、目立たないけどきちんとリップも整えている)、その「ほんのり自然美人」が好感度バツグンな子もいましたけど、その他49人は「あんたら、普段はどーしてるの?」って思いましたです。

 その他49人は、ほんとにゴキブリ・ホイホイに吸い込まれて、夢の島に直行してしまえーと、思いましたです。

 ああ、あれも一種のピュア信仰なんでしょうかね?
 「完全ノーメイクな私も、世界に一つだけの花」って、ことなんでしょうか?

 その昔、私がけっこう女性ファッション誌に興味のあったころでも「ナチュラル・メークと薄化粧は違います」っていうメイクの専門家のコメントが載っていて、たしかに雑誌で紹介されてる「ナチュラル・メイク」は普通の派手メイクよりも手間暇かかりそうなことは理解していた。

 で、大事なのは「好感もたれること」であって、化粧の厚さ、薄さではないのである。
 たしかに、大勢が厚化粧している中で1人ノーメイクだと、注目を浴びるかもしれないが、大勢がノーメイクだったら、「それなりに、目立たないよう上手く化粧している子」のほうが好感度が高いはず。

 君はたしかに「世界に一つだけの花」だけし、「私はオンリーワン♪」と思うのは自由だが、やはり、それなりの品評会にかけれらるので、そりゃ、眉毛ボサボサをアピールするのは勝ってだが、「ギャル・メイクするために、眉毛3分の1剃っちゃいました」のまんま勝負するのは、どうなのかと・・・・
4月28日(月)

 昨日はNHKの大河ドラマの後に、NHK特集でまたトップアスリートのヤツやっていた。シリーズ3回目であるが、1も2も見たけど、2の水泳のやつは何がポイントだったかよく覚えてない(笑)。ただ、北京オリンピックでイアン・ソープ並みに活躍が期待されている選手が、いかにもなアメリカン学食メシをガツガツと食べていたのだけ覚えている。食事それでいいんですかい?と思ったが、ハードな練習をこなすには一日5千とか6千カロリーくらい摂取しないといけないらしく、他人ごとながら「なんか長生きできそうもない生き方だな」と思った。

 一回目の100メートル短距離選手のやつは、さすがに「つかみはOK」を狙っていることもあり、よくできていた。トップアスリートの筋肉のCTスキャン映像なんて、ほんと面白かったし、ハイテクカメラで撮影した細かいフォームの分析も見応えがあった。
 でも「オリンピック前にこんな分析結果公表しちゃっていいの?」とも思ったが、逆に絶妙のタイミングなのかも。たとえ、彼のフォームの秘密やインナーマッスルの凄さが解明されても、たった数ヶ月でライバルたちがそれを真似できるわけでもないし、それにその圧倒的な身体能力は、どうやら遺伝的要素がとっても大きいようだったし。

 そんで、何よりも、名前忘れちゃって申し訳ないが、その現在世界記録保持者の彼が、チキン・ハートだという落ち!
 その番組を見てなかった友人に「で、素質も環境もよくて、恵まれた体格だし、ほんと才能あるし、記録保持者なんだけど、その人、大きな大会では一度も優勝したことないんだって!世界記録出したのも、イタリアだかのショボい大会で・・・・しかも予選でだよ!」と話すと友人も笑っていたが、私が「もう、今度のオリンピックでは、ぜったいあの人のこと応援する!」と言うと、友人は「わはは、私もその話きいて、応援することに決めた」と激しく同意してくれた。

 で、昨日の三回目は、走り高跳び。
 バスケットボールの選手だったのだが、華麗なダンクシュートの跳躍力が陸上をやっている友人の目にとまり「ちょっと高飛びやってみな〜い?」と誘ってみたら、生まれて初めてやった高飛びが「去年の日本人の大会最高記録を上回って」いたそうだ。
 それで、本格的に陸上部にスカウトされて、キャリアたったの1年半で、去年の世界陸上で優勝しちゃったらしい。長年、技術に磨きをかけてきたライバルたちは苦笑するしかない。

 陸上競技に詳しくない私でも、走り高跳びというのは、そうとう繊細な技術を要する競技たということくらいはわかる。まあ、他のだってそうなんだろうけど。
 彼の目下のライバルであるアテネの金メダリストは、身長が180センチと小柄だが、厳しいトレーニングで、600キロを超える踏み込みの負荷に耐える筋力と、無駄の無いフォームでトップを維持してきたというのに、「ダンクシュートで跳んだ姿勢をちょっと捻ってみました」ってだけのバスケ・バカに負けてしまったのである。

 なんかもう、そのまんま、少年漫画の世界すぎて、観ながらお酒が進んじゃいましたわ。

 しかも、全く技術もなく、自然体で跳んでいた彼も、やはり欲が出てきた。「自分がもっとフォームを研究すれば、世界記録狙えるじゃね?」
 で、お決まりのスランプに!

 いやー、北京オリンピックに間に合うのかなあ?乞うご期待でした。原作者としても、「努力の人」と「自然体の天才」のどっちに勝たせるか、悩むところでしょう。つーか、どっちが主役なのか、現実ではたいへん曖昧なので(そしてNHKはそーゆーとこ曖昧にするのが日本のテレビ局で一番得意)、それを決めるのは私だ!

 さて、歩道に植えられたツツジが色鮮やかな時期である。
 今も昔も、どうしてツツジなんだろう?
 手入れしやすいのかな?
 それとも、花持ちがいいあたりが気に入られているのだろうか?

 でも、私が子供のころから、個人宅の庭や校庭や公園などでも馴染みが深いので、ツツジのイメージは「ダサい」であった。つーか、あまりにも日常風景すぎて、「ツツジについてなにか語る」ということもなかった。

 10年くらい前だったか、友人と何の話をしていたのか覚えてないが、なにか園芸関係の話題になったようで、友人が「私、ツツジってあんまり好きじゃない」と言った。

 「ああ、私も実はずっと好きじゃなかったんだよね。でも、インドとかタイとかに行くと、ブーゲンビリアがきれいで、ついつい写真とったりしているうちに、あれ?この色合い、ツツジと同じじゃん、って思って、それからなんか好きになってきた」

 と言ったら、友人は「あ・・・・・そういえばそうかも」と納得してくれた。

 今主流の濃いピンクのツツジは、けっこう最近になって普及した品種だと思うが、あれが普及しはじめた当初は「ずいぶん、毒々しい色合いで品が無いなあ」と思っていたのだが、アジアン・リゾート(笑)に行くと、あれと同じ色合いのブーゲンビリアがリゾートのまさに華なんですよ。

 いったんそう思えるようになると、毒々しい緑地に濃いピンクの花も「はあ、南国リゾート気分」って好意的に眺められます。

 そういう、ちょっと視点を変えると、「嫌いだったものに、好感が持てる」って瞬間がけっこう好きだ。

 そーいや、週末の長野の聖火騒動ですが、今朝のワイドショーで、「中国の赤い旗ばかりでしたけど、なんだかサッカーの応援みたいでした」ってコメントがあって、たしかにそう思って見ると、「中国応援団VSチベット応援団」の接近戦も、「浦和レッズ・サポーターVS横浜マリノス・サポーター」の応援合戦に見えてくるから不思議。

 「中国がんばれ」ってやってる中国人は阪神ファンと似たようなもんとおっしゃっていた方もいらっしゃいましたが、ほんとそんな感じ。

 で、私も大学時代はラグビー観戦で母校の旗振って応援して、勝ったあとは意気揚々と歌舞伎町になだれこみ、旗振りながら闊歩して、仲間とすれ違うとハイタッチっていうのをやったことありますが、あれはけっこう楽しいもんである。

 プロ野球だと、自分がどのチームを応援するのか、それなりに選択肢があるけど、「母校」の場合は、選べないというか、選ぶ手間のない気楽さが逆にいいのです。
 ただ私の場合は「日本のナショナルチームを応援するのが普通」というのは、ちょっと大雑把すぎて苦手なのですが、でも「そりゃ母校を応援するに決まってるでしょ」の流れで、フツーに「日本、ちゃちゃちゃ」な人を否定する気にもならない。

 そりゃ、個人的には次のW杯のフランス代表にアンリ様が選ばれることは無さそうなので、そうなると、結局、冷静に振り返ってみれば、アンリ様の応援だけに捧げた過去3大会は置いておいて、次の私のアイドルは誰なの?という重要な世代交代の問題を抱えておりますが、そんなんで真剣に悩んでいるのもアホらしいので、ほんと素直に「ニッポン、ちゃちゃちゃ」できたらほんとにどれだけラクになれるでしょう(笑)

 そういえば、過去に私が友人を素直に説得できた輝かしい出来事として、日記にも何度か書いたと思うが、「元Xジャパンのヒデの葬儀騒動」がありました。
 心ある人の多くが「なんだありゃ?」と首をかしげるような出来事でした。
 中野監督も「自分と全くなんの接点もない、全く理解できない人が、大量にヒデ〜と騒いでいる様子は、まるでスターシップ・トゥルーパーズ」と映画評で書いてましたっけ。

 そのとき、世間話していた友人も「テレビでやってるけど、なんなのあれ?」と思いっきり否定的でした。

 でも、私が「いや、あれが仮にアズテックのロディの葬式で、それが築地本願寺でやってれば、仕事早退して行くかもしれないでしょ?」と言ったら、友人はしばし黙ってしまいましたが、唸るように「うう、ううーん、たしかに、それだったら行くかも」と、ちょっと悔しそうに言いました。

 いったん、そう思えれば、ちょっと前だけど、ザードの人が、ってときにも暖かい目で見守っていられます。

 つうか、私は身近で「ザードが大好き」って言う人に会ったことがなかったので、ワイドショーで青山斎場に列を作るファンの皆様を観て「へえ、やっぱし、こういう異常に普通な客層だったんだ」と別の意味で感激しました。

 その少し前に武道館の前を通りがかったら、やたらと作ったような「普通の人々」が集っていたので「今日は何をやっていたんだ?」と調べたら、ビーズの片方のソロ・コンサートだったので「ひやあ、ビーズの客ってほんとにああなんだ」

 30歳過ぎてからやっと気がついたのですが、それまでは「フツーって何よ?」とか「みんなが、みんながって、みんなって誰よ?」と本気で思っていたのですが「フツー、みんな」っていうのは、私の敵対勢力がねつ造した架空のものではなくて、実在したのです。

 それは「ヒデー!」とか「オザキー!」って叫ぶ人よりも確実に多く存在し、普段はフツーなだけに目立ちませんが、確実にいたのでした。

 なので、先日のXジャパン再結成ライブの客が想定内に「異常」だったので、たいへん心落ち着きました。あそこで、髪を赤やら青やらに染めた人がブイブイ言ってもらわないと、ほんとに自分の立ち位置に困るところでした。ありがとー。

 そーいや、長野聖火リレーの応援してた中国人たちは、ちゃんとゴミを持ち帰っていたみたいですね。ネットで統制していたのかな?最近大流行の硫化水素自殺でも、みなさんきちんとマナーを守って、ドアに「ガス発生中」とか貼っているようで、そういう部分的に超お行儀がいいあたりは、「ネットやってる人たちは、けっこうナマー遵守なんですね」って、ホッコりいたしますわよ。

 つーか、他人に迷惑かけちゃいかんって、きちんと考える人の多くは、気にする範囲が超ピンポイントだったりするあたりのアンバランスさっていうのも、フツーけっこうありますよね。
4月27日(日)

 そういや、先日も友人と食事しているときに、話題になったのは「ダメママ」の話であった。
 前から日記にも時々書いているが、友人はなぜか子連れの人や育児に関心が高いのである。そして、元々そういう傾向があったのだが、無職になって平日の「子連れママ」が多い時間帯に街に出ることが多くなり、大型スーパーなどでの子連れママたちの狼藉ぶりを実際に目にすることが多くなり、そうなると、あちこちで気になって気になってしょうがなくなり、たまに私と話すとそれを発散したくなるようだ。

 正直なところ、私としては「中年独身で、もちろん出産経験無しで、子育て経験もない自分らが、子育てについて議論してるのも、なんちゅーか」って思っていたし、個人的には「子供だからある程度はしょーがない」派なので、ついつい「まあ、そのくらいしょーがないんじゃない?」などと言ってしまい、友人から「それは違う!」と厳しく反論というか説教されて、何度「でも、私を説得したってしょうがないじゃん」という言葉をぐっと飲み込んだことか。

 まあでも、例えば自分が職場の愚痴を言ったときに、相手が「そのくらい大したことないでしょ。よくある話だよ」とか「そんなに嫌なら辞めればいいじゃん」なんて言ったら、けっこうヘコむし(何度もヘコみました)、そういうのをふまえつつ、友人に何度もボコボコにされて学習したのもあって、最近はけっこう上手く相手できるようになってきたと思う。

 もちろん、それが事実ではなければきちっと反論はする。
 反論というほどのもんでもないが、ずいぶん前に二人で電車に乗って出かけたときに、エスカレータをベビーカーのまま乗っている若夫婦がいて、友人は「なにあれ、信じらんない!」と言うので、「そお?まあ、たしかに危ないのかもしれないが、ちゃんとベビーカー畳んで乗ってる人を見たことがないなあ?」と本当のことを言ったら「えええ?そんな!・・・・でも、私はああしてベビーカーごと乗ってる人のすぐ後には立ちたくないから、距離置くけどね」と言うので、私の本当の意見としては「ベビーカーそのまんまで乗るのがどうのこうのとは思わないが、目の前にそういう人がいたら、後ろに立っている自分はそれなりに注意して、もし上りエスカレータで不測の事態が起きて、ベビーカーが落下してきたら私がしっかりキャッチしてあげよう」と本気で思っていたのだが、それ言うと、友情にヒビ入る可能性が高いというか、「そりゃご立派な心構えだけど、世の中、そんないい人ばかりじゃないし、そういう意見の人が少数でもいると、ベビーカー族がそういうもんだと甘えて、さらに好き放題というか、自分できちんと危険を予知して行動することができなくなるんだよ?」などと説教されるのも面倒だったから、と無視して流していたのだ、その後、たしか品川駅で降りたとき、長いエスカレータの上りも下りも大量の子連れが全員、ベビーカーのままエスカレータに乗っていたので、友人がなんか言うかな?と警戒したのだが、何も言わなかったので、賛否だか是非はおいておいても「これが今の世の中の多数派」ということは感じたのかもしれない。

 多数派だからと言って正しいとは限らないけど、何が正しいのか判断するのも難しいのである。最近、ちらほらと電車のドアにベビーカーが挟まれてなんて事故が報道されたので、「電車では畳んで乗ろう」という意見が出てきたけど、実際に子供を連れて電車乗るひとたちから「それをルールとして強制されるのもちょっと」という意見が出るのは当然だろう。

 前に友人と一緒に目撃したけど、混雑した電車にベビーカーのまま乗り込む若夫婦の行動は、明らかに危険だったし、周囲の人にも大迷惑だから、やめてほしいけど、空いている時間帯で、乗り降りにきちんと時間的余裕持っていたら、ベビーカーごと乗り込んできても、別に危険でもないし、いちいち畳んで子供を抱きかかえるのも苦労だろうし・・・

 さて、前置きが長くなったが、子供連れに敏感なので、ついついそういうのを目撃してしまうというか、引き寄せてしまうらしき友人であるが、話の多くは「まあ、同じ状況に私が直面してても、無関心なのと鈍感なのと子供に甘いので、全然気がつかないんだろうなあ」ってケースが多いのだが、先日聞いた話は「それは、ちょっとなあ」と心から共感できた。

 下北沢から井の頭線で一駅目の死んだ板・・・・うう、そんな変換なの?・・・・新代田の駅のすぐ横には、昔から定食屋とか、赤提灯が並ぶ小さい一角があるのだが、そこに最近、担々麺屋ができて、けっこう美味しいという話を友人から聞いていて、私も一度食べにいったことがあるのだが、小さい店なのだが、あの駅近辺は環七沿いだからラーメン屋はけっこうあるのだが、女性が入りやすい店はほとんどなかったので、私が入った5時くらいには、習い事帰りの上品そうなオバサン4人組が「とりあえず、ジョッキ4つ」というオヤジばりのオーダーしていて「なるほど、こういうニーズがあるのか」と驚いたけど、たしかに美味しいし、カフェっぽい雰囲気なので、そこそこ流行っているようだった。

 友人があるとき、遅いランチを食べにその店に行くと、後から二児の子連れママが入ってきたそうだ。
 「そしたら、その子供らが、全然落ち着きがなく、席にちゃんと座れなくて、店中駆け回って奇声あげて、ほんとにうるさかったんだよ〜」
 「え?駆け回るって、あの店、駆け回るようなスペースないじゃん?」

 カウンターにテーブル2席くらいの、10人入れば満席っていう狭い店である。

 「そんで、その母親も注意するわけでもなく、でもボーっとメニューを眺めて考えてて、なかなか注文が決まらなくて、まあ、一種の育児ノイローゼなのかもしれないけど・・・・」
 「てゆーか、そもそもあの店は担々麺しかなかったし、そりゃサイドメニューで点心とかあったような気もするが、子供向けではなかったというか・・・」
 「そうでしょ?」

 友人はそもそも子供をラーメン屋に連れていくこと自体に否定的だが、でも、子供だってラーメン大好きだし、住宅街のラーメン屋さんに行くと、子連れがかなり多いし、私だって子供のころ、近所のラーメン屋に連れていってもらって、ラーメンと餃子を食べるのはけっこうなごちそうだったし。でも、子供に辛いものはなあ・・・・

 それにしても、担々麺屋で走り回る子供っていうのも、熱いものを扱っているだけに普通は危ないし、この寛容というか無神経な私でも、マクドナルドで子供が走り回っていても、それほど気にならないが、(コーヒーが熱いだろう、と友人に反論されそう)担々麺頭からかぶると、熱いし、うっかり目に入ったら、唐辛子成分で目が痛いぞお。私は中学生だか、高校生のころ、タバスコをふりかけた冷凍ピザを食べた後、うっかり目を手でこすったら、ものすごーく目が痛くて、洗面所でずっと目を洗っていたのだが、1時間くらい苦しんだっけ。

 友人によると「最近、飲食店でちゃんと座ってられない子供多いし」ということらしい。

 「ふーん、そうなんだ」としか言いようがないが、そーいや、自分が子供のころは、そんなにお行儀よかったっけ?

 よかったのかもしれない。
 だってさ。外食なんて、ほんとに、数ヶ月に一度のビッグイベントで、ファミレスなんかに連れていってもらったときには、ほんと、走り回る心の余裕なんてなかったですよ。ハンバーグにしようか、それともエビフライにするか必死でしたし、食後のデザートはアイスクリーム・サンデーにするのか、クリーム・ソーダにするのかパフェにするのかに夢中でで、結果的にちゃんと席に座ってました。

 それに、子供心にもお行儀悪くして、親が怒ったりしたら、しばらく連れてきてもらえないことがわかっていたし、滅多に外食なんかないので、必死でいい子にしてましたっけ。

 それには友人も激しく同意してくれて「そうだよね、電車乗って、デパートに行くなんていったら、もう緊張しまくってたからねえ」
 「そうそう、デパートの食堂で、お子様ランチがうれしくてうれしくて」

 そういえば、自分のことに関しては記憶にないが、私は長女だったけど、弟や妹を連れて、銀座のデパートに行っても、幼い兄弟たちがグズって困ったという記憶がない。たぶん、たまの外出に興奮し緊張していたんだろうけど、多少、気分が悪くなっても「ここでグズってはイカん」という気持ちが強かったんだろう。

 私が子供だった頃に比べると、今は家族で外食は当たり前だし、平気で3歳くらいの子も連れていくし、だいたい、電車での移動にしたって、昔は折り畳めない乳母車しかなかったので、折りたたみ式が出てきたのって、私が相当大きくなってからだったから、昔は乳児はおぶわないと移動できなかったのだ。

 だから、乳児連れの電車での移動なんて、母が実家に帰るときくらいで、みんなそんなだったから電車内でもよく乳児が慣れない電車でビービー泣いていたけど、今はみんな慣れているので、ビービー赤ちゃんのほうが珍しいくらい。しかも、今だと乳児連れの多くは自家用車で移動するだろうし。

 なので、最近、飲食店で走り回るような行儀の悪い子供が多いのは、外食が一般化したこともあるだろうし、一般家庭で「神聖な食卓」という概念がなくなったこともあるだろう。
 私の親の世代でも、すでに飢えの悲しさを知っている人は少なかったが、そのまた親の世代になると、「きちんと食事ができる」ということは最上級の幸せであったらしく、私も幼いころ、「これ嫌い」などと言うものなら、親に鬼の形相で説教されたけど、今の子は好き嫌いも「個性」として認められているみたいだし、子持ちの友人の家に遊びにいっても、「ご飯よ〜」と母親が声をかけても「今、お腹がすいてない」とか言う子供がいて、びっくりするが、そういう時代なんですよね。

 子供だけの話じゃなく、ほんの10年前に派遣社員として働いていたとき、残業続きの毎日で、スーパーが開いている時間に帰宅できなかったので、「夕飯が毎日コンビニ弁当っていうのも、なんだか荒むなあ」と思っていたのだが、今だとスーパーも遅くまで営業しているし、定食屋さんの数も増えたので、全く不便を感じなくなった。

 駅だって、バリアフリーが進み、フジロックにカートで荷物を運んでいると「バリアフリー助かるなあ」と思うが、子連れママたちもそうとう外出しやすくなっているであろう。

 だから、ある意味、しつけの悪い子供たちが跋扈する社会のほうが「格差が無い、いい社会」と言えるのかもしれない。

 例えば、フランスでは、公共の場所に犬を連れていくのは普通であるが、でも、ちゃんとしつけられてない犬なんて目撃することはない。
 カフェに居座って、チェスを楽しむ老人の足下には、行儀よく横たわる犬がいたりする。でも、カフェは大人の場所らしく行儀のいい犬は連れてきていいけど、子供はいない。

 犬は人間のよきパートナーだけど、子供はお行儀に関わらず「子供」なのである。

 でも、友人によると「フランスじゃなかったかもしれないけど、海外で食事していると、たまに子供がいたりするけど、あまりにもちゃんと静かにしているから気がつかなかったりするんだよね」

 どっちが子供にとっていいのかはわからないが、大人のマナーを子供に教え込んで、大人の場所に同席させるのか、それとも「子供は子供だから」とベビーシッターに預けて大人だけで外食するのか・・・・

 日本の場合は、ペットブームでペットのしつけはけっこう向上したように思うけど、公共の場で子供をどうするかってことは後回しにされたっぽく、「じっと大人しく座ってるほうが子供らしくないじゃん」っていうのと「それでも、公共の場に連れてくるなら、それなりにしつけてもらわんと」っていののどっちが主流かってあたりが曖昧なようである。

 さらに、お店側としても、「お子様ウェルカム」な環境を整備したほうが経営的にいいと考える店も増えたので、「ママたちはゆっくり食事しておしゃべりできる、キッズスペース充実の店」みたいのも増えてきたので、それはそれでいいと思うのだが、友人の意見では「そういう店に慣れてしまうと、他で子供が騒ぐから、どうなのかと思う」

 結論。いろいろ難しいですね〜(笑)

 何がベストかなんて、誰もわからないし。でも、意見を交流させるのは大事だと思います。エスカレータの片側寄せ立ち、片側通行っていう習慣も、ここ10数年くらいで定着しましたが、「エスカレータで歩くな危険」っていう揺り戻しが出てきたみたいですね。

 それについては、歩くリスクはたしかにあるけど、やっぱしどうしても急いでいるときもあるし、混雑時には歩いて上がる人がいたほうが、混雑緩和にもなるから、あくまでも自己責任において歩いて上るのはアリだと思うのですが・・・・で、足が不自由で杖をついていたり、子連れな人が通路を塞いでいたら、文句言いませんし。いや、そういう人には逆に堂々と塞いでほしいのですが、前にも左半身にちょっと不自由のある老人が、「よっこらしょ」とばかりに、がんばって左側に寄っていたので「いえ、そこまでちゃんとやらなくても」と思ったのですが、そういう人ほどちゃんとやろうとして、五体満足でも周囲に全く関心の無い人が平気で塞ぎますから。
4月26日(土)

 午前中に起きて、テレビをつけると聖火リレー中継中だった。

 まあ、注目のニュースなのはわかるけど、なんだかなあ。

 それに、テレビの向こうの人たちは、先週くらいからずっと「何ごともなければいいですね」と言っているけど、それは本心なのかもしれないけど、それがブラウン管(って古い表現ですね、そーいや)のこっちにはどうしても「なんかハプニングあるといいですね」って聴こえるんですが、幻聴でしょうか?

 脳内電波受信度がそれほどでもないはずの私ですら「妨害行為が推奨されてるのかしら?だったら私もなんか妨害行為しないといけないのだろうか?」って気分になってきたくらいなので、春の陽気で電波ジャンジャンバリバリ受信中の方々の中には本気でひきつけられる人がいることでしょう。電波系じゃなくても、バカな中高生が度胸試しやりそうで心配になりました。

 それにしても、オリンピックを目前にしてのこの騒動って、誰が考えたシナリオなんだろう?
 もちろん、この大事な時期を狙ってチベット独立派が仕組んだ、っていうのが一番単純な陰謀論ですが、なーんか結果的に中国に有利な方向になってないか?

 ちょうど、中国関連の新書を読んでいて、それで「なるほど、そうかも」と思ったんですが、中国人には「愛国心」っていう概念無いんですよね。人種も言語もバラバラな広大な国だし、「中国4千年の歴史」と言っても、支配していた民族はまちまちだったということは高校の歴史教科書程度の知識でもおなじみです。元はモンゴル人の帝国だったし、ラストエンペラーの清は何族だったっけ、満州族?で、ラストエンペラーの弟なんて最近まで生きていたし、その娘さんは日本でご健在の老婦人なんですから、清朝って、ほんとつい最近の話なんですよね。

 で、ロシアというかソビエト連邦が弱体化したときに、民族独立が活発になって、世界地図が私の高校生のころとだいぶ変わってしまいましたが、中国だってチベットを死守しておかないと他がどうなるかわかないので必死でしょう。

 まあ、そのあたりは中国事情に全く詳しくないので、「新橋の酔っぱらいサラリーマンの政治談義」程度のことしか言えませんが、でも、今回の聖火騒動で、各国の中国人留学生などが結束しているあたりは怪しいなあ。

 チベット独立派のデモに対抗して、中国人がデモをやったりしていて、中国政府が「冷静に」って呼びかけているようですが、「やらせてんのおめーらだろう」と思ってしまいます。

 その昔、ソ連大使館に毎日「北方領土を返せ〜」とアジテーションする右翼の街宣車が来ていました。うちの祖父母宅がソ連大使館の近所だったので、幼いころから実際に何度も見てました。

 ソ連大使館に通じる道の前の交差点には、機動隊が常駐していて、右翼の応援歌(?)を高らかに鳴らして右翼の車が近づいてくると、機動隊の人がテキパキと道路を封鎖します。ジャバラ式の駐車場の柵みたいのを道路いっぱいに広げるのです。

 で、右翼はそれを突破することもなく、その柵の前でとまり「北方領土を返せ〜」とガナったあと、また何もなかったかのように立ち去ります。
 私は目撃したことはなかったのですが、祖父が近所の人に聞いた話によると、たまに機動隊が道路封鎖にもたつくと、その隙間から右翼が侵入しちゃったりするそうですが、そしたら、大使館の前で同じように「か・え・せ〜」とガナって、気が済むまでガナると去っていくそうです。

 けっこうな騒音なのですが、だいたい毎日、時間も決まっているようで、近所の人は「ああ、右翼が来たわ、もうそんな時間?そろそろ夕飯の買い物にいかなくちゃ」とハト時計のように思っていたようです。

 で、噂では、その毎日律儀に「北方領土を返せ〜」とやってくる右翼は、日本政府が雇っていて、それで日本政府が警備も雇っているという、今の言葉で言うと「自作自演」だったとか。実際のところ、あの右翼に血税が使われていたはずはありませんが(政治家とも縁の深い、右翼系の大物が出資していたというあたりだろう)あの、笑ってしまうくらいのルーティン仕事を見ると、たしかに公務員のお仕事っぽかった。

 で、話を戻すと、長野の聖火リレーに集まった中国人も、そういう「影の大物」が仕切っているような気がしてならない。だってツアー組んでっていうけど、留学生はそんなに小遣いもってないからツアー代払えんだろう。

 いや、自分が愛国心のかけらもないナマケモノだからそう思うのかもしれないが、たとえば、私がロンドン留学中だとして、日本が捕鯨問題で世界中からバッシングされていて、日本で開催されるオリンピックの聖火リレーが各地で捕鯨反対派の妨害にあっていて、今週末、グラスゴーでも聖火リレーがあるから、それを日本人として応援に行こう!なんて、ぜってー思わないよな。

 でも、「応援ツアーに是非参加してください。バス代は無料で、お弁当付きです」って言われて、しかも、そのツアーの主催者は故郷で父親がお世話になっている大物一族に関係ある人らしいので、「ここは参加しておかないと、将来の自分の出世にかかわる」ってことなら行きますわよ。そんで、行きのバスで「応援方法は、とにかくジャーヨ、ジャーヨとシュプレフコール」(日清オイリオの卓球の愛ちゃんのCMで「中国語では油を加えると書いて油加(ジャーヨ)が「がんばれ」って意味だと学習した。日本語だと「油を差す」って全然違う意味なのに、おもしろいね)と教わったので、その通りにやりました。

 中国人ってたぶん「沿道で和やかに応援」ってのをやったことないらしいね。ちゃんと箱根駅伝の中継でも見て、学習しておくべきだった。
 私が影の大物だったら、ちゃんと留学生たちに「日本国旗」を持たせて「がんばれ〜」と言うように指導していたよ。そんでキンちゃんが走者のときには「キンちゃん走りして〜」と声援を送ることもマニュアル化しておく。

 そうすれば、ニュースでも「大勢の長野市民が沿道につめかけて応援しました」ってことになっただろう。

 中国はいろいろと勉強はしているようだが、そういう詰めが甘いんだよなあ。
 この間の餃子騒動のときにも、中国から送り込まれた若手のエリート役人が、記者会見で涙を見せていたので驚いたが、あれも「日本人は泣き落としに弱い」っていう作戦だったんだろうけど、中国に対して普通に知識のある人だったら「エリート中国人が公で涙を見せることは絶対にない」と知っているので、「どうしちゃったんだ、中国?」と思ってしまったが、つい最近の「ハシモト大阪府知事の涙」が日本国内でも賛否両論なのを見て、中国当局も「あり?もしかして、やっちゃった?」と、いまさらながら思ったかもしれない。

 いや、ワタクシ個人的には、自分が声を荒げるとすぐ涙腺が反応してしまうので、全然たいしたことない会議で「いや、それは違うと思います」と、ちょっと声を荒げると涙目になってしまうので、公の場でも感情が高ぶると涙目になってしまう人に同情的なのですが、女性トップだとわりかし使えるみたいだけど(松濤のスパのガス爆発のときの女性トップとか)男性がやると日本でもダメみたいですね。

 涙を流すと指示されるのは、ヨン様だとかのドラマ限定のようです。

 でも、餃子のときに泣いた人は、そこそこ若手でルックスもそこそこだったので「お、中国、そういう作戦か?」って思いましたが、中途半端だったな。人材は豊富そうなんだから、もっとチャン・チェン並みの役人選んで寄越してくれたまえ。で、記者会見で安易に泣かないで、じっと唇を噛んで、ひたすら謝るのだ。そして、被害者家族に面会したとき、入院中のお母さんや娘さんの前でポロポロと泣いている映像が配信される。

 長野の聖火リレー応援団の留学生たちにも、さらに入念なマニュアル渡しておこう。日本のプレスから取材されたら「中国の誇りだ」とか絶対言っちゃだめで、「どうして聖火リレーの応援に来たの?」って聞かれたら「長野って一度も来たことなかったんですが、峠の釜飯が美味しいって聞いたので〜、行きのバスで食べましたが、あの釜かわいいいですね。大事に持ち帰ります。あと善光寺も見てみたかったし、あの暗闇の通路、超おもしろかったです。お土産に山菜漬けたくさん買いました!あとは、ソバを食べたいです」とか言わせておけば、好感度アップなのによ〜

 中国人の中流層は、わかってないだけで、頭が悪いわけではないので、「こうすれば有利」ってわかればちゃんとやる。
 95年くらいに北京に行ったときにも(当時、きょうみさんちが北京赴任)、マクドナルドにスマイルはなかったが、他のファーストフード店ではすでにスマイルがあったし、北京ダックを食べに行った高級ホテルのレストランでは、もの凄いスリットが深いチャイナ服に満面の笑みを浮かべた美人ウェイトレスが給仕してくれて「中国も、スマイルが金になることを学習したんだな」と感慨深かったっけ。

 話が散漫になってしまったが、中国共産党政府は、たぶん「善良な市民の自発的な団結」を最も恐れているので、外国でやるにしても、それを普通は奨励はしないはずなので、今は北京五輪を「中国の誇り」とすることで、試験的に「愛国心」を作ろうとしているような、そんな気がする。

 スポーツはそれがけっこう簡単にできるみたいだしね。
 日本でも、サッカーW杯のときには、朝日新聞がピリピリする程度には「ぷち・ナショナリズム」が盛り上がったっけ。
 私には単なる「お祭り騒ぎがしたい若者たち」にしか見えなかったが。いや、自分も大学生のときは、ラグビー観戦して、母校が勝つと「わー、これで飲み会が盛り上がる」ってだけの話でしたから。

 高校や大学では単純に母校の応援ができた私ですが、W杯やオリンピックになると、そうもいなかいのですが、多くの人は単純に「ニッポン ちゃちゃちゃ」になるようですね。
 それがどうも苦手なので、オリンピック種目でも柔道は苦手です。「お家芸だから、金メダルとってあたりまえ」っていうプレッシャーに負けてしまって(笑)、競技として楽しめません。

 あ、でも北京オリンピックで大注目なのは、馬場馬術の日本代表だけどホケツさん!
 あの人が注目されてるおかげで、馬術の放送時間増えそうで嬉しい。
 馬術競技は、馬が全てといってもいいようで、名馬をキープしている国が圧倒的有利で、障害競技のほうは、素人目に見てもわかりやすいので、オリンピック開催中も時間繋ぎに放映されたりしますが、ドレッサージュと言われる馬場馬術は素人には何がどういいのかさっぱりわからないので、ほんと日本ではマイナーだったんすよ。アーチェリーと同じくらいに。アーチェリーのほうは、前に日本人で高校教師の方が「報道陣ノーマークだったのにメダルとっちゃった」ということで脚光を浴びましたが。

 冬期オリンピックのカーリングも日本人の活躍で一躍メジャー競技になりましたが、女子ばかり注目されてるので、男子の試合は地上波ではほとんど放送してくれませんでした。女子だと各国、オリンピックでは珍しい眼鏡っ子が集まるので、そこそこ面白いのですが、男子の試合もひょっとしてハリポタ系が大集合しているのではないかと想像しているのですが・・・・

 そういう狭い趣味のものはなかなか地上波で放送してくれませんが、やはり、新体操などは日本人が全然活躍してなくてもちゃんと放送してくれたりします。新体操の団体競技は、ほぼシルク・ド・ソレイユだからなあ。オジさまからお子さんまで楽しんでいただける競技です。

 北京オリンピックは日本へのチケット割当が少なかったようですが、いいんじゃないですか?外国人なんて、どうでもいんですよ。中国国内から人が集まれば。

 10年前に北京に行ったときにも、天安門広場で大勢をしめていたのは「国内旅行者」であった。その昔、「農協ツアー」が海外での日本の恥さらしと揶揄されたときがあったが、「ああ、中国は広いし、北京に行くことが、初めての海外旅行みたいなもんなんだ」と納得した。日本でも、その昔は皇居の広場に行くツアーがそういう意味で盛んだったしね。今だと「眼鏡橋って何?」っていう地方の子が「でも、天安門広場には行ったことある」って言うのかもしれない。

 田舎の人が首都に来て「おらが国はすごい国なんだなあ」って思ってもらえるほうが、欧米や日本から来た客が「トイレが洋式じゃない!」なんて言うのより、そりゃ重要だし。

 なんだかダラダラ書きどまらないのですが、今日は天気もどんより曇りで気温も低く「お散歩日和だ」と判断して、昼ごろ、用賀から環八を羽田空港に向かって歩き出したのですが、3時ころ、けっこうしっかり雨がふってきて、それも想定内だったので、ゴア合羽羽織って「フジロックの予行演習」としたのですが、雨はだんだんひどくなっていくばかりで、御岳山で途中リタイヤいたしました。あの当たりでちょうど「行程の半分」くらいでした。

 またそのうち、お日柄のいい日を選んで、羽田空港を徒歩でアタックしたいと思います。  
4月25日(金)

●オフィス・エルフ(職場しもべ妖精) ミヤニーの活躍

 久々の登場です。
 あまりにも久々なので、念のため説明しておくと、ハリー・ポッターシリーズにはドビーという名の「屋敷しもべ妖精」が登場しましたが、あれの英訳・・・じゃねーし(笑)・・・・ええと、なんて言うんだ?とにかく、元の英語は「オフィス・エルフ」(スペルに自信ねーし)でしたが、ミヤニーはそれの会社版なのです。

 お茶汲み、電話番、コピーとりはもちろん、社長の机の上をこっそり整理したり、フロアに掃除機をかけたり、頂きモノのケーキを切って配ったり、電球交換したりするのが主な仕事です。オフィス・エルフ略してOL?でも、フツーのOLと違うのは、ミヤニーは会社での家事が大好きなのです。(ちなみに自宅はゴミ屋敷なのがとっても不思議です)

 さて、今日の午前中、経理のお局様ミヤノ様は(会社の実印も社長個人の実印も押し放題のご身分に成り上がりました)朝からバリバリと仕事していたのですが、お気に入りのマグカップ(NYの自然博物館で購入したが、後で日本製と判明した。もちろん象柄)からコーヒーをグビっと飲むと、「ぐっ、ぐほっ」と異音を発しておりました。

 マグカップで飲んでるくせに、気管に入れちゃったんですね。
 子持ちの友人が小児科医から聞いたそうですが、正確な数字忘れちゃったけど、10人に1人とか、10人に3人だったか忘れたが、とにかくそのくらいの割合で、「気管に飲み物が入りやすくてムセやすい人」がいるそうです。生まれつきの構造上の問題らしい。先日、NHK特集の「人類と病」とかでも、無呼吸症候群についてやっていて「人類が二足歩行を得たことで、そういうリスクが高まった」みたいな説明でしたが、それと似たようなことなのかもしれません。

 とにかく、ミヤノさんは、けっこうムセやすいです。
 だから、缶ジュースをコップに移して飲むのは、お上品だからじゃなくて、缶ジュースから直接飲むとムセる確率が高いからです。缶ビールとか、しょっちゅう「ぶほっ」とやってました。

 麺類すすってても、ときどき「ぶほっ」となるのですが、飲み物だったらコップから飲めば、ほぼ大丈夫なんですが、ときどき気管に入るみたいで、今朝のような惨事になります。
 ともかく、口を押さえて、パソコンやキーボードや机上の書類は守ったのですが、ゴホゴホとむせてしまうので、口の中に溜まったコーヒーをキープすることができなくて、慌てて給湯室に走ったのですが、ボタボタと床にこぼしてしまいました。

 フロアは絨毯敷なので、点々と跡が残ってしまいました。
 すぐに雑巾で跡を拭き取りましたが、しゃがんで床を拭いてると、まるで人を殺した後の犯人が必死で痕跡消してるみたいな、なんとも言えない気分満喫。

 処置が早かったので、コーヒーのシミはすぐに奇麗になったのだが、困ったことに「さっき、自分でつけたシミ」と「過去に誰かがコーヒーなどをこぼしたシミ」の区別がつかないのです。
 フロアの絨毯を張り替えてから、7年くらい経っているので、けっこうあちこちシミだらけでした。

 ところが、けっこう前のシミでも、雑巾でゴシゴシすると、シミが薄くなることがわかりました。

 そこで、久々にミヤニーが降臨してしまい、フロアのあちこちにある「過去に誰かが派手に飲み物ぶっちゃけた跡」をゴシゴシしたら、おお!その絨毯はたぶん、防水加工というか、抗汚れ加工されているらしく、汚れが繊維に染み込まないようで、すっかり乾いた後にゴシゴシしたほうが落ちるらしいことに初めて気がついた。
 すっかりハマってしまい、今日は「仕事、ときどき、床掃除」って感じでした。でも、床にしゃがんで、ゴシゴシしていると汗ばんできたので「いいエクササイズになる」と大変満足でした。

 残念なのは、あんなにフロアの床をきれいにしても、査定では考慮されないことですが、(ちょうど査定シーズンでした)いいんです、ミヤニーは好きでやっているのです。厚労省だかの最近の調査結果で「労働者の多くが、仕事にやりがいを感じていないのが問題だ」みたいなニュースが上がってましたが、ミヤニーは床の染み抜きに大変「やりがい」を感じました。

 でも、面白いようにシミが落ちるので「あーあ、顔のシミもこすれば落ちたらいいのになあ」とボヤいていたのはご愛嬌。

 でも、その昔の学生時代、クラスで一番可愛かった女の子が「沢口靖子がね、インタビューで、『なんで、そんなにキレいなんですか?秘訣は?』って聞かれたら、『トイレ掃除です。トイレがきれいになればなるほど、自分もキレいになります』と答えていたので、自分も見習ってトイレ掃除一生懸命やってるの」って言っていたのを思い出しました。
 その子は、当時の沢口靖子よりも可愛かったので、私も見習ってトイレ掃除は自分磨き(スイーツ)と考えることにしましたが、でも、元々トイレ掃除嫌いじゃなかったんですけど。中学生のときには、当番でのトイレ掃除を熱心にやったので表彰されたくらいです。なのに、なんで美人にならなかったのだろう(笑)

 なので、今日の床掃除のシミ抜きでは、ぜひ顔のシミが改善してほしいものであります。って、それじゃ妖精失格ですね。


4月24日(木)

 今日は健康診断。つーか、正式には成人病予防なんちゃら(正式にって言っておいて・・・)とゆーやつである。35歳以上は自動的にこっちを受診することになるのだが、35歳以上の人の健康とはアンチ成人病ってゆーことなんでしょう。

 制度的には時々変わるのであるが、基本メニューはだいたい決まっていて、それは自己負担ゼロ円であるが、有料でオプションもつけられる。だけど、私は面倒だから有料オプションを申し込んだことはない。女性はたいてい、つけても婦人科検診のオプションなんだけど、私の観察では(医療機関からの請求書は私が最終的に処理いたしますんで)子持ちのお父さんほどフル・オプションだったりする傾向があり、それはやはり妻の采配なのであろう。お父さんの小遣いが月3万円でも、年に一度の健康診断に1万円くらいのオプションつけることにはケチらない。そもそも、お父さんの小遣いと同額くらいの生命保険かけてるかもしれないし(笑)

 話が逸れたが、ケチなのと面倒なので、有料オプションは申し込まない私であるが、1年おきに婦人科検診は無料になるので、そんときだけ受けることにしている。

 婦人科検診といえば、「例のあの椅子」に座るということである。ハリポタで「例のあの人」と言うのはその名を口にしてはいけないからであったが、「例のあの椅子」呼ばわりはただ単に正式名称知らないからである。

 自慢にもならないが、私は健康診断で初めて例のあの椅子に座り、最初のときには「ほお〜、噂には聞いていたが、なるほど〜」とそれなりに感動したが、あのときすでに35歳を過ぎていたわけで、「きゃー、こんな格好するの絶対イヤ!」という気持ちには幸いなことにならなかった。

 また話が逸れるが、今だからわかるけど、うちのママンはあの椅子がとっても嫌いだったようだ。まあ好きな人もいないだろうけど(笑)
 私が中学や高校の「お年頃」だった遠い昔(私が物心ついたころは「戦後30年」とか言われていたはずだが、それはほんとに戦国時代くらい遠い昔のことに思えた。そして、私が「お年頃」だったころから、もはや30年近い歳月が流れているわけであるので「遠い昔」というのは誇大表現では決してない)、うちのママンはなぜか娘の男女交際について異常に警戒していた。
 それは、私よりも年長の娘さんを持つ、今でいうところのママ友情報で、「中学生になると急に色気づいて、男子が家に遊びに来たりして、そんで、部屋に籠って何やってるのかわかんないのよ」と教わっていたので、自分の娘が桃色遊戯(笑)にハマらないよう、事前に厳しく指導していた、というか対策を講じていたのである。

 今でも覚えているが、中学生になって、それまで物置部屋だった部屋(オイルショック時代には、トイレットペーパーや洗剤がたくさん備蓄されていた。あとミシンが置いてあったので、いちおう母の作業部屋。ゆくゆくは子供の個室にって設計だったんだけど)を個室として与えられたのだが、最初に言われたルールが「ドアは閉めないこと」であった。

 どっちかというとリベラル系だったママンは、その理由もきちんと説明してくれて、さっき書いた「部屋に籠って何やってるのかわかんないのよ」という先輩ママのありがたい教えを元に講じた対策であるというのはわかったが、生理もまだだったが、反抗期もまだまだ先だった、いい子の長女の私は素直に従ったというか、「そっか、中学生になると、いろいろ大変なんだな」とモテモテの思春期を想像していたのだが、私の記憶が確かなら、中学高校を通して、うちに私のフェロモンに吸い寄せられた男子が遊びに来たことは一度もなかった。

 中学時代は体育会系部活の練習で、その当時の男子からのあだ名が「シャネルズ」だったくらい日に焼けまくってて、ほんとそれどころではなく、雨で部活の練習が中止になると「やった〜、これで部屋でゆっくり一人で漫画が読める」とゴロゴロしていたくらい。あとは学内カルタ大会に夢中になり、休日となれば、女子の友人を集めて自室でカルタとり練習していたり・・・・・お茶やお菓子を出してくれたママンもきっと「あれえ?こんなはずでは?」と気が抜けたことであろう。

 しかし、高校に上がっても、母の「性教育」は緩まなかった。
 「うっかり妊娠なんかしたら、産婦人科であの椅子に座るのよ?」
 って、説教されても、妊娠どころか、キスもしたことなかったし、相手いなかったし、手も繋いだことなかったし、その状態で「10代で妊娠したら、傷つくのはあなたなのよ!」と力説されても、どー反応していいいのかわからないから「はあ・・・」としか言いようがない。

 そういう話を仲のいい同級生にすると、みんな大爆笑してくれたから、そんな話を娘にするのはうちの母親だけだったらしい。そりゃ、あきらかに付き合ってそうな男子がいそうだったら、そういう話してもいいんだろうけどさあ。

 まあ、長女ってこういう立場なのかもしれない、と思ったのは山岸凉子がサイコ系短編をたくさん描いていたころに、厳格な父から「女子とはかくあるべし」と厳しくしつけられたのに、母の葬儀に父の愛人が現れたことで、精神的に崩壊するっていう話があって、たしかに私もママンから「不純異性交際」について厳しくしつけられたようだが、20歳すぎたら「なんで、あんたは彼氏がいないの?」と言われて「はあ?」と戸惑ったが、10代の頃はあれだけ「妊娠したら不幸になるぞ〜」と脅したのに、20歳すぎたら急に「女の幸せは子供を産むことよ〜」と言われても困るし。

 で、40歳すぎでも一度も妊娠したことないので、「これはお母さんが教育に失敗したのだ」ということにしているのですが、母にそんなこと言ったら、恐ろしいことになるので、自分の胸の内だけで。

 話が長くなりましたが、10代の娘を脅すママンの脅し文句でよく出たのが「例のあの椅子」だったのです。
 それもあったので、30代後半で初めてあの椅子に座ったとき「ふーん」と思ったのでありました。

 でも、うちの母は高校卒業後に就職して、20歳で職場結婚して、ハネムーンベビーの疑い濃厚な私を出産したくらいですし、当時はそういう情報も少なかったので(てゆーか、本人が語っていたのだが、生理が来なくなってもなぜだかわからずしばらく胎児の私は放置プレイされていたらしい。イマドキで言うと小学生以下だったようだ)、妊娠が疑われて産婦人科に行ったら「例のあの椅子」が待ち構えていて、相当ショックだったのでしょう。

 ちなみに「避妊」という概念すら全くなかったようで、私が乳飲み子のときに、またつわりがきて、同居している義母(今は老人ホームにいる私の祖母)が「またなの?まだ、その子が小さいんだから無理だから、さっさとおろしてきなさい」って言われたのを後々まで相当恨んでいて、私が成人して「大人の話が通じる」と判断されたら、その話されても、たいへん困りましたっけ。もしかしたら、私には年子の弟か妹がいたらしいです。

 なので、くどいようですが、10代のころさんざん「例のあの椅子」の恐ろしさについて吹き込まれていたので、今だにそれなりに、あの椅子に座ると「平気で座っちゃって、おかーさん、ごめんなさーい」と明るく思いますが、2年振りに座った「あの椅子」はちょっとバージョンアップされてました。

 会社に戻ってから、25歳ですでに2児の出産経験のあるエビワカちゃんに聞いてみると「フツーそうでしたよ?」と言われたが、私は健康診断でしか婦人科経験がなかったので、そっちでは一昨年までは、旧式の「よっこらしょ」と恥ずかしい体勢になるしかない椅子でした。

 しかし、今年の椅子は、お尻を置くところにキッチンペーパーみたいなのが置いてあるのは同じだったが「あれ?普通に座れるけど、これでいいんだっけ?」

   そこに腰掛けると、お腹のあたりにカーテンが掛けられ、看護士さんがスイッチを押すとグイーンと上半身が後ろに倒れて、機械のアナウンス音が「お尻の部分がはずれます」とか言うと、グイーンとお尻の下の部分がひっこみ、「よっこらしょ」とやらなくても自動的に「あの恥ずかしポーズ」が人目に触れずにできるようになっていた。

 もう笑いこらえるの必死でした。
 座ったら、自動的にグイーンって、ほんと、ガンダムとか、それ系の世界が展開されてるんだけど、目的は戦闘モードではなくて、子宮の内診って・・・・
 アキバ系男子にも、ぜひ経験させてあげたいような、つーか、私がもし、大金持ちの男子だったら、あれを買うなあ。ほら、トム・クルーズは妻の妊娠のときに、医療用でたいへん効果な子宮エコー機器を買ったらしいし、あのノリで。

 婦人科検診は相変わらずミラクルでけっこう楽しかったのですが、そーいや、視力検査もバージョンアップされてて、そっちはけっこう戸惑った。
 前までは、検査技師とマンツーマンで、「C」が出てくると、上下はいいのだが、左右をときどき間違いそうになり、手に汗握ったが、今年はなんと、上下左右をコントローラーで押せと・・・・
 しかも、見えない場合は「×」のボタン押せと?

 あたし、オバさんだし、コントローラーむちゃくちゃ苦手なんですけど、でも、やってみたら、「左右」が混乱するのよりややマシだったが、「わかりません」の場合に「×」押すのに緊張して、脇の下にたくさん汗かいちゃいました。

 はあ、相変わらず、健康診断って税金の無駄使いっぽいですね。
 実際、あれは儲かるみたいで、健康診断の営業ってけっこう来ますし。

 そーいや、今年から健康診断にメタボ対策が盛り込まれるようですが、私がやった限りでは「体重計が体脂肪も測定できるやつにバージョンアップ」というのと、医師の問診のときに看護士にいきなりウエストを計られ、「はい、では息を吸ってください」というので素直に息を吸ったら「はい、77センチです」と大声で言われ「外で待ってる人に聞こえちゃうじゃん!」と涙目になったくらいです。

 健康診断でボロ儲けしているタイプの病院なので、問診の医師の経費も極力抑えているらしく、とっくに現役引退したようなおじいさん医師が待機しているのですが、新制度が始まってまだ日数がたってないので「問診の際にウエストを計る」ということに戸惑っているらしき老人医師が、看護士に「そういう数字言われたって、あたしゃ覚えられないよ」「いえ、ですから、それは私の役目ですので」なんて押し問答をえんえんと10分くらいやっているのを待ち合い室で固唾をのんで拝聴していたのですが、やっと老先生が納得して、呼ばれたのがワタクシだったので、「このボケかかった先生が私の病変を察知するよりも、私がシロートながらも先生の不具合を述べたほうが正確っぽいな」と、トホホでした。

 健康診断って予防医療的には効果的なのかもしれないが、でも、なんか道路特定財源で道路を地方にバンバン作るのがいいことなのか?ってのと同じくらい疑問符ですが、でも定年迎えた医師の再就職先としては、けっこういいと思うので、そういうセイフティーネットに税金払ってると思えば・・・・・・、ああ、いろいろ難しいですね。
4月23日(水)

●人間のお医者さんと動物

 うちの近所に小さな形成外科がある。
 そこには昔から(少なくとも10年は)、看板犬のビーグルがいて、犬小屋には「ルーク」と名前が書かれているので、その医者もしくはご子息がスターウォーズ・オタという疑惑があるが、ここに越してきてから形成外科のお世話になる機会もなく、それを確かめるすべもなかった。

 その犬は夜にはいないから、医師が一緒に出勤して、一緒に自宅に帰っているのかもしれないが、毎朝、私がちょうど駅に向かうころ、その医院は開店準備をしているらしく、中ではスタッフが慌ただしく準備しているのだろうけど、初老の医師はのんびりと犬をなでていたりする。まあ、看板犬の準備も大事な仕事であろう。

 犬の年齢は他人にはよくわらなかったりするが、小型犬は特にわかりにくい。顔はいつまでたっても可愛いからねえ。大型犬だと毛並みとか歩き方でなんとなく老犬とわかるけど・・・・

 でも、10年ちょっと、毎日見かけているだけあって、「なんだか全体的に色が薄くなってきたような気がする」と気がつくくらい。あと、ビーグル犬についてよく知らないが、わりかし落ち着きのない犬という印象があるけど、そのルーク君は、10年前からおっとりと医院の入り口横の犬小屋の脇で、のんびり昼寝しているような子だったので、年とったから昼寝ばかりしているわけでないことはわかってるし。

 先日、いつものように、その医院の前を通ると、いつものように白衣を来たお医者さんが犬を構っていたのだが、なぜかそのときには、ビーグル犬の耳をぎゅーっと斜め上に引っ張っていた。「へえ、引っ張ると、ああなるんだ」と思った。けっこうデカいんですね。パピヨンの耳の3倍くらいありました。

 飼い主であるお医者さんも、「引っ張ったらどうなるのかな?」って好奇心だけでやったのかもしれないけど、人間のお医者さんとはいえ、白衣着た人、しかも形成外科医がやってるのですから「なんか、医学的に意味あんのか?」と思ってしまいます。
 よっぽど「先生、なにやってんですかあ?」と声を掛けようかと思いましたが、内気なのと朝の通勤時間なので、やっぱ、やめたが、でも、その後、駅に向かいながら考えたのですが、しばらく前から「ペット・マッサージ」って、よく本屋のペット雑誌コーナーで見かけたような・・・・
 なので、「わんちゃんのためのストレッチ」で耳を引っ張るなんてゆーの、ありそうです。実際、耳を引っ張られていた犬はじっと大人しくしていたし。まあ、シッポ踏んでも無反応そうな性格の犬なんだが・・・・

 ちなみに、それ以降、医師が耳を引っ張っている現場は押さえてないので、やっぱし、ただの好奇心だったのかも。

●たいへん役にたつ反面教師

 営業部のお局社員にIさんという人がいるんだが、けっこう扱いにくいんだけど、そのおばさん独特の扱いにくさといか、なんていうのか「反抗期の末っ子」のまま50歳になったアンバランスさの相手するのが難しいのだが、でも、なぜだか私は彼女が嫌いではない。
 エビワカちゃんが来て最初のころ、Iさんがエビワカちゃんに仕事を頼むやり方が「私もよくわかんないんだけどぉ〜」という感じで、大先輩として全くなってなかったのだが、いつものIさん節であることもわかっていたので、エビワカちゃんには「Iさん、ちょっとお嬢っぽいところがあって、ああなんだけど、でも、あれに騙されると、けっこう頭のいい人だから、ちょっと注意してね」(「私よくわかんないから、お任せするわ〜」と投げておいて、こっちがミスするとそれをネチネチと根に持つタイプなんである)とアドバイスしたのだが、それでエビワカちゃんがかなり警戒しちゃったので「余計なこと言っちゃったかな?」と思ったので、それ以降、Iさんが困ったちゃんぶりを発揮するたびに「出た〜(笑)」とフォローして「あれはあれで、けっこう面白いっしょ?」と、いい方向に盛り上げているつもりであった。

 わりと、私のそういうフォローをきちんと理解してくれるエビワカちゃんも、だんだんわかってきたみたいで、先日も「郵便とメール便のどっちが早いのか料金的に得なのかって、みんなよく聞いてくるから、この表、貼っておこうかな?」と言うので「おお、そういうのいいね。ぜひぜひ」と「そういうのこそ、仕事ができる、っていうことだろう」という気持ちを込めて誉めたのだが、そしたらエビワカちゃんが「特にIさんなんて、毎日聞いてくるし(笑)」と付け加えるので、「ああ、Iさん対策にはならないねえ。だって、わかんないから聞いてるんじゃないと思うし」と言ったら、エビワカちゃんは爆笑していた。

 Iさんが、そういうのを何年たっても覚えないのは、覚えようとしてないというか、「私わかんな〜い、どうしたらいいのかしら」って相談する時間を大事にしているからである。私はそういうのが面倒だから「じゃ、こうすれば?」とさっさと結論付けてしまうから、Iさんは、他に人がいないときしか私には相談に来ない。
 もっぱら餌食になっているのは、心優しいM嬢だったのだが、エビワカちゃんが来てから、彼女にすっかり懐いて・・・・というか、ある意味「絡む」ようになった。

 先週の金曜日、エビワカちゃんは昼頃急に「寒気がする」と言い出し、私やM嬢が「それ、熱がこれから高くなるよ。動けるうちに帰ったほうがいい」と言ったら、いつもだとちょっとのことでは早退をしぶる彼女も、そのときばかりは本当にヤバかったらしく、速攻で帰宅してしまった。(月曜日にケロりと出勤してきたので「どうだった?」と聞いたら、やっぱり夕方には9度以上の熱が出てフラフラだったらしいが、日曜日には下がったとのことでした)

 そしたら午後になってIさんがやってきて「あれ?エビワカさんは?」「ああ、熱あるみたいで、早退させました」「がーん!」
 どうやら、彼女が担当する請求書の発送を手伝ってもらいたかったらしいのだが、私は笑顔で「残念でした〜」

 そこで引き下がるIさんじゃないので、「どうしよう、自分でやるしかないのかしら?でも、これってけっこう時間かかるのよね」とブツブツ言っているので「急ぎじゃなければ、月曜にお願いすれば?」と言ったら「うーん、どうしよ、どうしよ、うーん、月曜日で間に合うか・・・・うーん」と言いつつ行ってしまったので、放っておいたのだが、私が帰りがけに金庫に切手をしまおうとしていたら「ごめーん、切手しまっちゃう?」と言うので、「ああ、いいっすよ。しまうのはマスオさんにお願いするから。じゃ、切手が終わったらマスオさんに渡してください」

 本当は切手の出し入れも総務の仕事というか、エビワカちゃんの仕事なのであるが、相手はなにしろ勤続30年近い大ベテランであるので「信用しているから勝ってにやって」ってことなのである。
 とりつくシマもない私の態度に頭のいいIさんは、さっさと標的を変えて、M嬢に向かって「はあ、エビワカさんにお願いしたかったんだけどなあ」と愚痴りはじめた。

 営業部にも最近、派遣社員を入れたのだが、それは新規事業のための人材らしく、「あの人に、そもそも、私の仕事なんて頼んでいいのかもわからないし・・・・でも、こういうのって、けっこう時間とられてキツいのよねえ」と愚痴つIさんにM嬢は真顔で「へえ〜大変だねえ?」

 しかし、私の所見では、Iさんは月に一度の大量請求書送付している暇がないほど忙しそうでもない。
 つーか、営業部では、Iさんこそが、そういう雑用を請け負うべき人材なのである。
 ただ、本人的には、そういう請求書を送り状と一緒に封入して、切手を貼るという作業が好きではないので、「はあ、めんどくさい」と愚痴りたいだけなのである。

 で、エビワカちゃんが、今んところけっこう手が空いて暇なときがあるし、ああいう厄介なお局様とそういうところでコミュニケーションとっておくのもよかろうと私が判断して「彼女が手が空いてるときだったら、頼んでもいいですよ」と申し出たんだが、いったんエビワカちゃんに頼んだことは、自分では素直にやれないらしい。

 もう退職しちゃったけど、やはり同じくらいの年齢の女性社員が、以前はその人にアシスタントがついていたのだが、その部署の売上不振でアシスタントが削減されてしまい、やっぱりそういう封入作業をまさに「ふーふー」言いながら、いかにも「これは本来の自分の仕事ではない」とアピールしながらやっていたので、大変ウザかったのだが、あの態度もなあ、っていつも思っていた。

 そういう偉大なる先輩たちの反面教師ぶりを見るにつけ、「ああいうのはみっともない」と思うから、自分では意識的に気をつけている。
 そりゃ、エビワカちゃんは総務では一番下っ端だから、来客応対やお茶だしを積極的にお願いしているが、彼女が忙しかったり、席を外しているときには当然のようにやるし、ましてや「あなたがいなかったから、替わりにやっておいたわよ」なんて言わないし。大事な仕事だけど、雑用っちゃ雑用だから、下っ端がやるべしと決めつけないで、手が空いてる人が自然に回せばいいだけの話。

 そりゃ私だって、お茶だしや電話受ばかりやってると自分の仕事が全然できないから「人員補充してください」ときちんと上に訴えて、ある程度余裕のある人員を確保しているつもりなのである。
 でも、それで来た人材を「お茶汲み、電話番担当」と決めつけているわけではない。

 なので、Iさんが大声で「え〜エビワカさん帰っちゃったの?この仕事やってもらおうと思ったのに残念〜。あーあ、自分でやらないといけないのか」と愚痴ると、まるで早退したエビワカちゃんに非があるみたいに聞こえるので、しごく不愉快なのだが、まあ、そういう人なのでしょーがない。

 で、そういう、ママが一生懸命ローストビーフを作っている横で「ええ?今日はカレーじゃなかったの?」とママの神経を逆なでするようなことを大声でわめく、「永遠の我がまま嬢ちゃん」みたいなIさんのことは嫌いではない。なぜなら彼女はエビワカちゃんみたいな下っ端に対してだけじゃなく、上に対しても同じ態度だからだ。
 エビワカちゃんには「Iさん、ああだけど、偉い人に対してもああだから、そういうときはけっこうおもしろいんだよ」と説明したことがあるけど、今だにその真価をエビワカちゃんの前では見せてくれていないので、そのうちにちゃんと披露していただきたいものである。

 以上、エビワカちゃん早退後のIさんが実にやかましかった騒動を月曜日にさっそくエビワカちゃんに報告したら「ふふっ、私、命拾いしました?」とクールに笑っていた。エビワカちゃんの今後が実に楽しみである。  
4月22日(火)

 昨日は体調悪くて日記を書かなかった。なんだか軽い目眩がしたので・・・・
 40歳すぎてから、ときどきこうして三半規管の調子が悪くなるのだが、単なる老化現象なのか、更年期障害なのか、それとも安ワインの飲み過ぎなのか?
 ただの栄養失調だったりして(笑)。いや、それは笑えんぞ。

 どっちにしろ、日曜日に丘陵地帯を12キロも歩いたので、今日はしっかり足が筋肉痛だった。仕事も暇だったし、久々に昼は外で食べた。会社の近所に新しい複合商業施設ができたので、そこのレストラン街をチェックしたかったのだ。しかし、平日の給料日前を狙ったのに、しかも1時頃行ったのに、まだ並んでる店もちらほら。

 やな予感がしたが、前から目をつけていたインド料理屋に入ってみた。会社の近所にはまともなインド料理屋がなく、前に唯一エスニックらしきものが食べられる店に行ってみたのだが、やはりインドカレーとタイカレーとナシゴレンと石焼ビビンバがメニューにならぶその店のお味はファミレス以下であった。

 そーいや、先週の木曜日に友人と行った、三茶の「タイ&インド料理店」は、インド料理がまあまあで、タイ料理はインチキだったけど、でも「ファミレスとしては使える店」だった。夜に一人でインド料理食べたくなったら使えそうな店。

 で、今日入ってみた、会社の近所の店だが、そこそこのインド料理チェーン店であったが、やっぱし思った通りだ。
 今のあのレストラン街だと、店開いてりゃ、一見さんがゾロゾロと押し掛けてくるのである。リピーターを期待してないというか、内装はカフェだし、食器もカフェ系なので、インド通のわたくしには・・・・(笑)
 しかも、一番安いランチセットの「本日のカレー」が「ナスとチキンのカレー」ってなんじゃそりゃ?と思ったが、それを頼んでみると(そうじゃないと他のメニューはドリンクもつかないのに千円オーバー)、やっぱしイマイチで「がああ、私は内装がショボくても、食器が全くオシャレじゃなくてもいいから、普通のインドカレーのランチが食いたいのじゃあ」

 家賃や街のコンセプトが全然違うんだろうけど、三茶に点在する2流インド料理屋のほうが、よっぽど普通で旨いし、値段も安い。やはり職場近辺でエスニックを求めるのはやめよう。美味しい普通の中華屋ならけっこうあるし、あっちのほうが全然美味しいし、量はあるし、安いので、中華でいいよ、中華で。

 さて、また恒例の健康診断のシーズンだが、今週も恒例の「ウンチョス君、おねがいだから恥ずかしがらないで」に翻弄されております。健康診断のたびに、重度の便秘になるので、そっちのほうが体に悪いような気がしてきた。

 そういや、ランチを食べた後、時間があまったので、「東京で言えば成城石井ですか?」な芦屋生まれの高級スーパーもオープンしていたので、覗いてみたのだが、さすが、お菓子ばかりでした。でも、せっかくだからお高い輸入菓子を買ってみたのだが、甘いのばかりで、せんべい系があまりなかった。
 なぜか高級ポテチが並んでいたけど、いくらオーガニックだといっても、ポテチに500円も払えません。

 って話を会社に帰って同僚M嬢にしたら「へえ、そんな高いポテチって、なんで?」と驚かれたが、「まあ無農薬のイモをつかってて、材料も全部オーガニックなんでしょーけど、無農薬だからって体にいいわけでもないという説もある」と無駄話のついでに語ったら「どーゆーこと?」

 まあ、この話も科学的信憑性はどうかとも思うのだが、農薬はたしかに害かもしれないけど、天然の植物だって食べられないよう毒素を蓄えているのはわかるが、そういう農作物が農薬で守られなくて、害虫にさらされると、身を守るために毒素を余計に蓄えたりするので、「表面に散布する農薬よりも、植物自体が内部で生成するそういう毒のほうが、よっぽど害」という説もある。と説明したら、「へえ、そんな話初めてきいた〜」

 まあ、そんなもんかもしれないな。たまたま私は性格悪いから、そういう話を収集してしまうだけだが、素直な皆様は知らないだろう。スイーツ(笑)
 つーか、「天然素材100%だから安心です」っていう意味わからんし。だったらフグの肝だって天然素材100%だし、ウルシだってそうだ。

 まあ、ただ、普通の食物については、人類は長い年月をかけて耐性を身につけてるし、雑食になったのも「いろんなものを少しづつ食べて毒のリクスを減らす」ということだったかもしれないし。で、ときどき、「ヘルシーだから、ダイエットだし」と海藻や人参だけ大量に食べ続けた人が死んだりするわけだけど、それも交通事故死に比べれば非常に些細な被害者数であろう。

 で、統計的にいって、恐ろしいのは食物の毒(毒入り餃子も含む)よりも、通り魔よりも交通事故だが、それよりも、もっと恐ろしいのは自殺なんだよ!

 ええと、話題が煮詰まったので変えますが、また発言小町ネタですいませんが、あそこはホントにネタの宝庫なので、ときどき眺めるだけで楽しいのだが、先日読んだスレッドは題名違うけど「こんな自慢話は困る」というスレで、みなさん、いろんな自慢話に困った経験豊富なようでしたが、その中で「うちの祖母も、私が子供の頃には、6畳と8畳間いっぱいに広がる鯉のぼりが家にあった、っていう自慢しますが、そうかんじ?」というレスがあって、しばらくしたら、誰かが「その自慢は、田舎だったらけっこうアリかと」

 そういや、そんな田舎じゃなかったけど、1970年代のベッドタウンの我が家のコイノボリもけっこうデカかったぞ?

 その時期になると、たぶん、今だと年末に正月飾り売ってる鳶のチームみたいのがやってきて、けっこう太い掲揚台をうちの庭に設置したのだ。
 そんで、さすがに二間は跨がなかったが、4畳半いっぱいに広がるくらいの鯉のぼりを掲揚しました。

 今考えると、ご近所でそんなもん揚げていたのはうちくらいだったが・・・・

 でも、オイルショック時代の重工業会社のサラリーマンで、三人の子持ちの我が家でそれができたんだから、それほどの経費はかからなかったんだろう。そこそこの門松立たせるくらいの経費だったのか・・・・
 鯉のぼりの鯉は、たぶん、祖父が買ったのだと思う。

 私が大学生くらいになると、弟も高校生で、その鯉のぼりも用無しになったような記憶があるが、母が「これ、どうしよう、捨てるのもちょっと」と困っていたが、当時「流行通信」なんて読み始めちゃった私は「そういや、外人さんの部屋に鯉のぼりにクッションつめて、オシャレなジャパネスクにロング・クッションっていうのあったぞ?」と提案して、実際に座布団つめてやってみたのだが、カビ臭くてダメでした。

 それで思い出したが、我が家がつつましい庶民ながらも、弟のために鯉のぼりを揚げているのを見て、隣の奥さんがやんわりとクレームつけたとか・・・・「ミヤノさんちに鯉のぼりがあがると、うちの主人がちょっとガッカリするみたいなのよねえ」

 うちは貧乏サラリーマン家庭だったが、お隣は一部上場企業の重役さんちで、盆暮れになると、お隣への贈り物をお預かりして我が家の玄関が埋まるくらいだったが(古きよき昭和の時代の風習)、それでうちはひがんだことなんてないんだから「まあ、隣はそこそこ金持ちかもしれないが、たまたま娘しか生まれなかったのは気の毒だけど、だからってうちが鯉のぼりを自粛するていうわけにもいかんだろう」ということで、毎年、今から思うと盛大に鯉のぼりを揚げていましたが、今だと住宅街であんな立派な鯉のぼり見ないからなあ。

 なので、その人が「祖母のホラ自慢話」と決めつけた気持ちもよくわかる。

 私はそういう「私の生家はけっこういい家で・・・」っていう自慢話は好きである。多少、誇張が入るのはご愛嬌だ。

 昔の上司は、とある地方都市の駅前の一等地の地主の家系であったらしい。それは、けっこうホントだと他の人から聞いたが、諸般の事情で、その人は生家とは縁遠くなっているようで、普段はあまりそこのことを自慢したりしなかったのだが、あるとき酒の席で聞いた話が面白かった。

 その人が上京して某有名大学の大学生だった70年代の話である。学生運動花盛りな頃のお話。

 仕送りはそこそこいただいていたようだが、通っていた大学がお坊ちゃん大学だったので、東京の大店の息子さんたちと同等に遊ぶのには資金が乏しかったようだが(同級生に某有名羊羹屋のドラ息子がおり、外車に乗っていて、いつもそのトランクには高級羊羹が満載されていて「ほしかった、いくらでも?」と言われて、のどから手が出るくらい食いたかったが、プライドが邪魔をしてぐっと我慢した、という話も聞いた。なので、その「ドラ(息子)屋の羊羹」(笑)は心の傷になっているから、今だに素直に食べられないとか。

 で、実家に帰省したとき、遊ぶ金欲しさに、彼は祖父が大事にしていた茶道具から「これくらいなら、いいだろう。ポケットにも入るし」と茶さじをゲットして、東京の古道具屋に持ち込んだ。

 古道具屋というか、骨董屋は「ほお〜」とその茶さじを鑑定すると、しばし奥に下がって、しばらくしたら、激怒というか涙声の祖父の電話を取り次いでくれたそうだ。

 「いいもの、持ってきちゃったらしく、すぐ足がついちゃったんだよなあ」

 相当脚色されてると思うけど、彼がそうやって生家の自慢したのも、後にも先にもそれっきりだったので、本当の話だったのかもしれない。そこそこの茶道具だったら、所有者も業界では知れていたりするので、そこの骨董屋が仲間に「なんちゃらの茶さじが持ち込まれたんだけど、これって?」と電話したら、「それは確か、○○(地名)のどこどこ家にあるはずで、でも当主がなかなか手放さないって話だけど?」って会話があったんですかねえ〜、と私がノリノリで膝を寄せて拝聴したので、彼もたいへん満足そうであった。「いや、じいさんがさあ、電話口で『こづかい欲しいなら、いくらでもやるから、お願いだからそれは今すぐ持ち帰ってくれ』って言ってさあ」と遠い目をして語っていた。

 その家の非嫡流の身の上であった彼にしてみれば、全共闘時代の学生時代に「我が家は世が世なら・・・」って話をされても、あんましピンと来なかったんだろうけど、うっかり持ち出した茶道具でそれが証明されたのは、けっこう「いい思い出」のようだった。

 そういう自慢話だったら、真剣に拝聴しますがね。うちの祖母が「うちの父はけっこう趣味人だったから、娘たちの絵を描かせて、たくさん掛け軸があったのに」と語ったときにも、そんな掛け軸、「なんでも鑑定団」に持ち込んでも高値はつかないだろうけど、曾祖父が描かせた娘たちの美人画なんて、残っていたらよかったのになあ。ありがちな話ですが、祖母の弟の酒代になったそうです。どっかの古道具屋で5万円くらいで売られていたら買い戻したいものである。
4月20日(日)

 昨日の土曜日は休みでしたが、空模様もボンヤリしていたせいか、掃除も洗濯も衣替えもヤル気がせず(天気に責任転嫁はナマケモノの王道である。その他の王道として「嫌なニュースばかりでなんだか・・・」とか「好きなタレントが電撃結婚してなんだか・・・」と王道のバリエーション豊なことが立派なナマケモノの誇りなのである)、冬の時期はそういうとき、布団にくるまって過ごしていたが、春からジムに復帰したので、こういうときにはジムでダラダラと有酸素運動。ダラダラとエアロバイクを漕いだり、ベルトコンベアの上でウォーキングしていると、自分がハムスターになったような気分になって大変愉快である。(ナマケモノがハムスターにる?)

 そんで、まず最初にウォームアップとして、この世の電力の無駄使いとしても、最もアホらしい部類のベルトコンベア上のウォーキングであるが(最近のエアロバイクは自家発電機能があるので、あれは電力消費しないらしいので)、国木田君で音楽は聴いてるものの、特に観るものもないから、ボーっと歩いていると、頭の中をどうでもいいことが次々と浮かんでは消えていくのであるが、やはり昨日の日記に書いたことは強力に書き込まれているというか、新しい記憶なので、完全に刷り込まれるよう無意識に復習に余念がないというか、歩きながら「モテカワスリムで正捕手候補の愛され女房」とか「岩隈はカッコイイけどよく怪我するからキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい」などが、電光掲示板のように脳内を横切り、思い出し笑いを押し込もうとすればするほど、さらに思い出すという悪循環にはまり、ニヤニヤしながら歩いていたので、両隣の人が不気味に思っていたのではないか、ご迷惑をかけてしまったのではないか、と反省いたしました。

 さて、今日もドンヨリと曇りだったので、ジムはパスして(エリカたんの日だったんだけど・・・)「散歩&買い物」に出かけることにした。

 前に多摩川沿いを散歩したときに「いったい、わたしゃ、何キロ歩いたんだ?」と調べていたときに、他のコースもいろいろ距離を調べていたのだが、「このコースもそのうち、お日柄がいいときに」と考えていたのである。
 田園都市線の南町田にあるアウトレット・モールのモンベルには去年、2度行ったが、今年もそろそろ買い出しに行こうと思っていた。ジムでも大活躍のドライTシャツと靴下を買いたかったのである。

 南町田までは、途中の「あざみ野」まで定期券があるので、片道200円くらいなのだが「あざみ野から歩いたら、どのくらいなんだろうなあ?」と調べてみたら「なんだ、フツーに歩けそうじゃん」って距離だった。
 ただ、246号を歩くので、あまり空気は良くなさそうだが、私は空気のいいところに慣れてないので、自然の「気」にアタることがあるようで、多少空気が悪いほうがいいみたい、というか安全である。

 それに、そのコースの利点は、ほぼ田園都市線沿いの道なので、途中でリタイヤしやすいのである。これは重要。

 12時半ごろ、洗濯が終わったので、外出してまず三茶で未開拓のインド料理屋でランチ。850円でまあまあでした。
 そんで、電車に乗って、あざみ野で降りて、歩き出した。
 もちろん、お供は国木田君とエドガー君。

 あ、エドガー君はけっこうニューフェースですね。万歩計のエドガーです。よろしく〜

 念のため、名前の由来を説明しておくと、「うーん、万歩計にも名前つけるか・・・・ええと、万歩計・・・・ポッポッポ〜・・・・・・ポ〜の一族?」という、低めのストレートな感じのネーミングです。(いかん、ついつい野球用語を使いたくなっている今日この頃)

 というわけで、バンパネラのエドガー君は、本来なら人の血を首筋から吸うのですが、なぜか私の腹のあたりで、私の体脂肪を吸って生きているという設定にされてしまいました。いや、この万歩計は、歩数に応じて「消費体脂肪」をグラムで表示してくれるんで、なんか「ああ、今日は脂肪5グラム、エドガーに吸われた」って思うんですよ。

 お散歩はけっこうハードだった。
 あの辺、けっこうアップダウン激しいのね。
 行程はたぶん、10キロくらいだったのだが、都心の10キロの倍は消耗した。
 2時くらいから歩き始めて、途中でお茶して休憩したけど、クランベリーモールに着いたのは5時くらいで、2時間半はたっぷり歩いたらしい。
 いや、途中でちょっとくたびれたので、長津田あたりで「電車乗っちゃおうかな」とも思ったのであるが、「バカとミヤノと山下清画伯は歩き出すと止まらない」の格言通りに、足の痛みよりも、脳内麻薬が勝ってしまったようです。

 そういう状態で、モンベルでの買い物は危険だったが、欲しいものがはっきりしていたので、「余計なもの」は3千円しか買いませんでした。で、合計1万8千円の買い物。Tシャツ3枚に、靴下4つ、&余計なものだったので、まあ想定内。フジロック用の買い物でもあったわけだし。モンベルのドライTシャツは、夜洗って風呂場に干しておくと、翌日着れるくらい乾きがいいので、去年も大変重宝いたしました。

 で、買い物も終わったので、すぐに南町田から電車で戻り、今後は地元の西友で買い物。今日はセゾンカード5%割引日だったので、ボロになって靴下に穴を開けるようになったスニーカーを慎重し、あと、ジム用のパンツ買って、ああそうだ、パンストもまとめ買い。

 家に帰って、エドガー君の今日のお食事を確認すると、歩数は2万超えていたけど、消費カロリーは795で、かなりの達成感であったが、消費脂肪量が34グラムっていうのも、サラダ油大さじ何杯かわからんが、「ああ、これだけの脂肪をエドガー君が吸ってくれたのね?」と喜ばしい。遠慮せずに、もっとガンガン脂肪を吸い取ってもらいたいのだが・・・・

 その昔、たしか大学生のころ、貧弱な痩せ形体型脱出のために、プロテイン飲んでる男子がいて、「へえ、女子はダイエットのために、プロテイン飲むけど、男子だと逆なんだ」って驚いたが、「なかなか体重増えね〜」と嘆くその男子に「ああ、私の体重を分けてあげられたらねえ?」と言ったら、「脂肪なんていらない」とキッパリ言われて、深く傷つきました(笑)

 よく、「男子はステイタスの中で生きているけど、女子はそういうの考慮しない自然体だから、ときどき、びっくりするような発言をする」と言われますけど、男子もけっこうそういうときドぎつく自然体というか、「そこで、ホントーのこと言うか?」って思うことがあります。

 女子同士だと、「痩せ過ぎが悩み」っていう女子だと(あんまり多くないけど、たまにいた)、こっちが「もう、なんにもしなくても、ただひたすら太る」って愚痴ると「いいなあ、私なんてお尻のあたりに、全く肉がないから、見てよ、スカートのこのあたりの布がすぐ、すり減るの!」なんて言ってくれるので「ほお、そうなのか、この豊満すぎるヒップも、それなりに役に立っているのか」って思うけど、でもやっぱし痩せてるほうが羨ましいし、って言うと「そりゃ、みんなダイエットで大変かもしれないけど、私はもう少しふっくらしたくて、一生懸命食べるんだけど、そうすると、すぐ下痢しちゃって、全然身にならないの〜」って言われると、「まあ、それはそれで大変かも」

 話は全然変わりますが、この間、学習した「スイーツ(笑)」もそうですが、そういうイマドキの言葉をいったん覚えてしまうと、とっても便利なので、「まあ、こういうのも、結局はスイーツ(笑)っていうことで」と、ついつい使いたくなりますが、あまり積極的に使いたくないのだが、便利だからどうしても乱発してしまうのが、KYこと「空気読めない」

 さすがに「KYだし〜」とは言わないけど、「空気読めない」はけっこう口にしてしまいます。

 先日も友人と食事しているときに、何の話の流れだったか、過去の「ちょっと困ったちゃんだった友人」の話になり、そうそう、大手小町だかで「甥っ子が野球少年だったのだが、高校で野球留学することになり、うちの近所の高校だったので、預かってくれないか、と言われたんだが、自分ちもまだ小さい子供がいるので、どーしよー」という相談があって、友人は「実の親だって、甲子園クラスの高校球児の世話は大変なんだから、ましてや自分ちに子供がいたら絶対無理でしょ」と言っていたし、私もその通りだと思ったのだが、高校球児についても雑誌などでマメにチェックしている友人は「でも、けっこう親戚の家に下宿して通った、って子も多いんだよねえ」

 それも、いろいろなパターンがあると思うんだけど、たとえば、うちのママンもうちの弟が結婚する前に「みんな、大きくなっちゃってつまんないから、恵まれない子供でも預かろうかなあ?」と言っていて、「それはたぶん、軽い気持ちでできることじゃないから、やめて〜」と意見したけど、そういうときに、「親戚の子を預かる」って話だったら私も「やめて〜」とは言わなかった。

 実際、父の従兄弟の子を短期間であるが、預かったことあったし。

 あれも、3年間とかいうと厳しいが、たとえば、うちの母には姉妹がいないけど、妹が地方に住んでいて、「うちの子が野球留学で東京の高校に行きたいんだけど、お姉さんちで下宿させてくれ」って話だったら、けっこうアリだと思う。実の妹の子だったら、妹に「なんなの、あの子、しつけがなっとらん」って愚痴れるし。

 で、うちの母も愚弟を育てた経験があったので、その父の従兄弟の子を預かったときにも、「もう、ほんと、無愛想で・・・・でも、Sちゃんもあんなだったっけ(笑)」と余裕かましていて、たしかに私も一度会ったけど、18歳男子特有の邪悪な感じは大変懐かしてくて、「かわゆいね」と母に同意しました。

 子育ても終わって、暇をもてあましている人だったら、ああいうのも「いい刺激」ですが、これから育てる人だったら、あんな、今にも刃物持って駅で3人くらい殺しそうなダークな雰囲気の18歳を前にどうしていいのか困るであろう。

 話逸れちゃいましたが、その話題が出たときに、私の旧友がやはり「親戚んちに居候」をしていたのだが、私の記憶に残っているのは、そのオジさんち(叔父とは血のつながりがあるが、叔母は他人)の本当の娘が「彼氏が挨拶に来るから」っていう大事な日に、その居候の子はお小遣いもらって追い出されていたのです。

 まあ、その家族にとっても大事な日であるが、その彼女の従姉妹であるわけだし、もしほんとに結婚するということになったら、結婚式には当然呼ばれる間柄だし、その子が「フツーの子」であれば、居候の身の上でも同席してもいいような場面。
 というか、その子が「フツーの子」であれば、気をきかせて「私はその日は約束があって」と自主的に席を外す場面であるが、そーゆー「空気読める」人じゃなのは、叔母もわかっていたみたいで、小遣い渡してやっかい払いしたようだ。

 って、ここで「その子、イマドキの言葉でいえば、空気読めない系で・・・・・」としか言いようのない自分がアウトなんである。

 そう言ってしまってから、言い訳がましく「だから・・・・まあ、その子は仏文科で、どうでもいい雑談のときに、マルリット・デュラスの話とかして、そんで、誰もそんなのわかんないのに『日本の男って、だから教養レベルが低いのよね』とか言う程度に、空気読めなくて」

 「空気読めない」っていう言葉を使わなければ「不思議ちゃんなんだけど、不思議ちゃんが自分ではいいと思っている」と、けっこうやっかい系のことを説明するのも面倒だから、「スイーツ(笑)」で済ましたくなるけど、それじゃあ説明したことにならないので、「KYなスイーツ(笑)」ということをクドクド話していたら、友人もちゃんとわかってくれたらしく「デュラスとか言われても、狭っ」(笑)

 ほんと、ほんとにそーだったんです。シャーザクよりも10倍以上、もしくは100倍以上の「ピンポイント教養」のことをついうっかりわたしが理解してしまったので「ミヤノちゃんは、そうやって、わかってくれるけど〜」って私を基準にしたら、生きるのが辛くなるでしょ?

 私だって「マイブラだからフジロック」というのは、友人にしか通用しないの、よくわかってますって。
4月18日(金)

 アタシの名前はミヤノ。メタボと闘うお局OL。
 アタシがつるんでる友達は2年も無職のM。
 昨日は会社を休んで、千葉マリンスタジアムに楽天の試合観に行こうとしてたのに、雨だったので超ムカツク。
 試合はやるみたいだったけど、セレブな私は雨の中で観戦なんてごめんだから、Mと二人で三茶のエスニック・ファミレスで6時間もおしゃべり。
 がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
 今日はしっかり二日酔いで半分死んでた。スイーツ(笑)

 いえ、ですから、先日、西武ドームに田中君の負け試合を観戦してから「次どーするー?」という話になり、次は今週の火水木のマリンスタジアムで、けっこう行く気満々だったのですが、田中君登板は無いので、私が出しておいたリクエストは「ロッテの投手はできれば俊介がいい。(今や球界では貴重なアンダースロー)」だったのですが、サブマリン渡辺は日曜日に登板しちゃったので、M嬢より「楽天の先発予想は、永井、ドミンゴ、岩隈」とのことで、それに対する私の返事は「火曜日は仕事が忙しいので、永井も観てみたいけどちょっと無理かも。ドミちゃんつーのもなあ。水曜日はレディースディだが、それにしても地味っぽいし、炎上必須。うーん、やはりここは、岩隈さんが好調のうちに観ておくべきではないでしょうか?」

 ガラスのエースこと違和クマさんは、去年は滅多に目撃できない珍獣のような存在だったが、今年はなぜか、今んところ調子がいいというか、「国内最高レベルの投球」と絶賛されているくらいなのだが、残念ながら前回の登板はダルとの対戦で、惜しくも負けてしまった。

 しかし、ダル対岩隈って、すごいよなあ。腐女子の夢的に。

 まるで、お人形さん同士の投げ合いというか、「リカちゃんの彼氏、ワタル君」VS「バービーちゃんの彼氏、ケン」って感じじゃん。リアルな「テニスの王子様」状態っすよね。でへでへ。

 とりあえず、一度も観たことのない岩隈の投球を(去年、試合前の練習中に外野フライを捕球しているのは観たが・・・・)生で観てみたかったので、天気予報的にヤバかったけど、木曜日に休みをとったのだが、やっぱし当日の昼過ぎに予報をチェックすると、降水確率はほぼ100%みたいだし、ヘタれな神宮球場は早々と中止を発表していたくらい。

 しかし、ロッテはこの程度の雨だと、なかなか中止にしないのである。そのあたりも去年学習させていただいたのだが、さすがに雨の中、観戦する気もなく、「まあ、せっかく休みはとったから夕飯でも」ということになったのだ。

 そんで、最初に書いた「スイーツ(笑)」のことをM嬢に教わったのである。

 フジロック・スレッドでも連発されていたのだが、夢みがちな女子をバカにする言葉だという推測はできたが、正確な意味がわからなかったので・・・・

 私から「スイーツって何?」って聞いたわけではないのだが、いつものように、楽天バナに花を咲かせていたら、M嬢が「そういや、嶋がらみでこういうのがあって、久々にパソコンの前で笑いがとまらなかったよ」と、うるおぼえながら話してくれたんだが、それが、うるおぼえなのに、私のツボにはまって、涙出るほど笑ってしまったので、今日はさっそく、元ネタを探したのだが、すぐ見つかった。

 本当の元ネタはよくわからんが、どうやらケータイ小説の主人公の話をテンプレにして、みんなで遊んでいたらしい。テンプレはこういうやつ。

 ───アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
 アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショでキャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
 友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
 女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
 がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
 「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
 「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
 キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
 「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。
 シカトするつもりだったけど、チラっとキャッチの男の顔を見た。
 「・・!!」
 ・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。
 スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを駆け巡った・・。
 「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
 男はホストだった。
 連れていかれてレイプされた。
 「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
 「ガシッ!ボカッ!」アタシは死んだ。
 スイーツ(笑)


 で、楽天ファンを驚喜させた「スイーツ(笑) 楽天捕手・嶋バージョン」がこれらしい。

 ───アタシの名前は嶋。心に傷を負った楽天のキャッチャー。モテカワスリムで正捕手候補の愛され女房♪
 アタシがつるんでる友達は監督をやってる野村、学校にナイショで栄養費もらってた一場。訳あって偽ガニエやってる小山。
 友達がいてもやっぱり練習はタイクツ。今日も野村とちょっとしたことで口喧嘩になった。
 キャッチャー同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆
 そんな時アタシは一人でピッチャーの球を受けることにしている。
 がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
 「あームカツク」・・。
 そんなことをつぶやきながらボールを受ける相手を探す。
  「嶋ー、ちょっとボール受けてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
 エースの岩隈はカッコイイけどよく怪我するからキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
 「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。
 シカトするつもりだったけど、チラっと男の顔を見た。
「・・!!」
 ・・・チガウ・・・今までのピッチャーとはなにかが決定的に違う。
 スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを 駆け巡った・・。
「・・(イイストレート・・!!・・これって運命・・?)」
 ピッチャーはマー君だった。連れていかれてマスクさせられた。
 「よーし、いいボールだ!」スライダーを要求した。
 「ガシッ!ボカッ!」ボールを逸らした。
 ホイーツ(笑)


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(横隔膜の痙攣を表現しているつもり)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜最高!
 いや、ほんと、すばらしいです。
 まず、「学校にナイショで栄養費もらってた一場」でゴフっと笑い、「エースの岩隈はカッコイイけどよく怪我するからキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。」で、ミゾオチ直撃で横隔膜の痙攣が止まらなくなり、「ピッチャーはマー君だった。連れていかれてマスクさせられた。」で涙が止まらなくなり、トドメが「ホイーツ(笑)」

 ちなみに「ホイーツ」とは・・・・・

 ああ!パの最多捕逸記録はノムさんだったんだ!

 嶋さんは、ノムさんがそれなりに堅実に育てている若手捕手なのですが、けっこう大事なところでパスボールやらかすあたりが、愛されているのです。

 まあ、面白かったので自分用にテキストで残しておいたけど、おまけとして、セレブな私が残念ながら生で見逃してしまった、岩隈さんのヒーローインタビュー

 以上、「あたしだって、そこそこスイーツ(笑)じゃん?」という自戒を込めて書いてみましたが、ホイーツで爆笑しているようじゃ、まだまだ・・・かなあ?
4月16日(水)

 さて、本日はお日柄もよく(ほどよく薄曇り)、かねてから計画していた「法務局までお散歩」を実行いたしました。

 前にも日記に書きましたが、「法務局で登記簿謄本と印鑑証明書をとりに行ってきます!」というのは、外出の少ない経理の私にとっては、堂々とサボれる楽しい時間です。
 だから、法務局が10年前に比べると迅速に謄本や印鑑証明を発行してくれるようになってしまったのが不満だ。
 法務局や銀行は、なにか勘違いしているようで「スピードアップがサービス向上」と思っているようだが、違うのよ、長い待ち時間に心地よく昼寝できる椅子を置くことが本当のサービスというものだろう。コストパフォーマンスをわかってないなあ。

 でも、うちの会社の謄本をとるためには電車に乗って関内まで行かないといけなかったので、関内でのランチとセットにしたりして、それなりに不明瞭な時間の使い方をしていたのだが(後輩にも、「このあたりは飲食店も充実しているから、ゆっくり昼飯とセットにするのが大人というものだろう」と、きちんと指導していた。早い話が「謄本とりに行ったら、さっさと帰ってくるな。じゃないと私がサボってるのがバレるじゃん」である)、大変残念なことに、また勘違いしたサービス向上させやがって、会社から徒歩で行ける出張所でも謄本が出せるようになってしまったのである。ほんと、嘆かわしい。税金払わんぞ!

 しかも、近所で謄本がとれることにしばらく気がついてなかったのだが、うちの顧問労務士が「謄本なら、すぐ近所でもとれるようになりましたよ?」と、ついうっかりご親切にも教えてくれちゃったわけで、月々定額の報酬払わんぞ!

 そんなわけで、今日はその「近所の法務局出張所」に私が初めて行くことになった。
 ほんとは、暇そうなエビワカちゃんに行かせてもよかったのだが、私だって暇なんだもんね〜。それに近所と行っても、徒歩15分くらいあるので、ここはメタボと日々真摯に戦っている私がウォーキングすることが、会社の福利厚生担当部署である総務部としては妥当な采配であろう。

 その出張所は、いわゆる合同庁舎というのか、社会保険事務所なども入っていて、前にも同僚M嬢の替わりに歩いて行ったことがあったが、法務局に足を踏み入れるのは初めてだった。
 足を踏み入れた瞬間に、懐かしい匂いに心が踊りました。「ああ、そうだよ。法務局って、こういう無愛想なところなんだよ、本来」

 私が働き始めたころの法務局って、こういう雰囲気でした。共産圏の役所の雰囲気。暗い、愛想悪い、ピリピリと忙しそう。の三拍子です。
 実際、大して混んでもないのに、けっこう待たされました。よしよし、いいぞ。役所が何のためにあるのか、ここで働いている人はよくわかっている。サービスするためにあるんじゃないの、役所は。なるべくサービスしないためにあるの!サービスはコストがかかるから、サービスしないことでコストを軽減しているのですよ。スマイルはゼロ円じゃないのです。民間企業はスマイル0円ですが、スマイルしているのはブラピだったりキャメロン・ディアス だけだったりします。そりゃ、あの人たち、それなりのギャラもらってスマイルでしょう。

 思ったよりも待たされたので、椅子に座って、ボーっとテレビを観てました。なぜかイマドキの法務局はサービスでテレビを見せてくれます。でも、ちゃんとNHKなんだけど、シーズン中になると、とっくに謄本をゲットしたオジさまたちが、ボーっと高校野球観てサボってます。

 今日は、ただの平日午後の3時くらいだったので、NHKもどうでもいい昼下がりの総合ニュースショーみたいのをやってましたが、そのキャスターの顔がアップになったので「あ・・・・・」

 そうだ、そうだ。4月になってから、平日休みがなかったので、観る機会がなかったのだが、私のイチオシの谷地アナが平日のこの時間帯担当になったんだよな。
 しかし、私の心を鷲掴みした、あの白髪頭は?しかも、平日昼下がりのニュースショーということで、服装もカジュアルだし・・・・・これは、私の知っている谷地アナとは別物だ!

 私の長年の持論でもあるのだが、つくづく男は服装だよねえ。
 あの冴えない標準的サラリーマンみたいな背広に身をつつんで、白髪頭をそれなりに自然に画面に載せていた谷地アナは、あんなにステキだったのに、「それなりに工夫した髪型」「それなりにイケてるカジュアル服」になると、全くイケてなかった。がっかりしたよ。

 くすん、また定時ニュース当番に戻ってください。

 会社に戻って、ダラダラ仕事していたら、アポ無しで、某都市銀行の営業担当者が「ご挨拶」にやってきた。「ご挨拶?この時期の銀行のご挨拶っていったら転勤?」と思ったが、ほんとにただのご挨拶だった。
 アポ無しで急に来るなよ、と思ったが、顔がいいので許す。

 30歳になるかならないかの、私が今まで会った銀行員の中では史上最高の美貌を誇る彼は、なぜか親会社経理部長のF氏をその美貌で籠絡しており、去年そのF部長に「ぼくぅ、成績上げないと、遠くに飛ばされちゃうんですぅ」と泣きついて、F部長がその色気に負けて、なぜか子会社のうちが、いらない融資を受けたのである。

 なんで、F氏が、あのイケメン銀行員に弱いのか、さっぱりわからないが、私としては、「まいっか。この岡田准一似の男子が、うるうるしてるのを観るためだったら、短期融資の利息20万円くらい、うちの部長たちがキャバクラに貢ぐ金額の総額に比べたら安かろう」と冷静に判断したのである。

 まあ、それに、私は親会社の経理部長F氏をいろんな意味でとてもリスペクトしているので、その部長が「この子が泣きついてきたので、なんとか協力してください」と泣きついてきたのが、このイケメン男子のためだったというのが「萩尾望都目線」で大変興味深くというか、「事実高学歴、だけどけっこう不遇の身の上なあたりが、けっこういい味」なあたりを尊敬している青年が「この子、よろしく〜」って美少年連れてきたんだから、そりゃもう、ね。

 しかも、その美少年は、F部長には「妻の愚痴ばっかり話す」らしい。
 妻のしばりがキツいらしくて、たまには妻が不在でのんびりしたいお年ごとのようだが「お盆休みだというのに、妻は全然実家に帰ろうとしません」とか。
 あー、すげえ、わかるよ。あの他人になかなか心を開かない気難しいはずのF部長が、私に「ボクにそんな話をされても〜」って言うくらいだもん。偏差値高いF部長的には「もう、この子、顔はいいから、ミヤノさんにお任せしま〜す」っていう読みなんだろうが、丸投げされても私も困る。顔がいいからテキトーにあしらえないのだ(笑)

 くそ〜、こんどF部長と飲む機会があったら、文句言っておかないと。「顔がいいからって、若い男子を私に投げないでください!」  
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