可燃物な日々

表紙に戻る/過去の日記

ご意見・ご感想・誹謗中傷などございましたら、感情廃棄物再利用所までどうそお気軽に書き込んでください(でも、現在書き込みが出来ないようです)

 日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました
9月20日(木)

 昨日は5時前に会社を出て、なんとか試合開始直後にドームに到着できました。
 チケットぴあで前売りを買おうとしたらA指定席が売り切れで、しょーがないからB指定にしたのだが「でも、入ってみるとガラガラだったりして」と言っていたのだが、やはり、さすがの「日ハム、東京ホームゲーム最終日」「ダルVSマー君 初対決」「田中幸男の引退セレモニー」で、本来、日ハムの試合のときには「無いもの」とされている内野2階席が「内野自由席」として開放されてました。

 「最近、巨人戦でも、これだけ入らなかったりするのにねえ」とびっくり。

 試合のほうは、マー君が先頭バッターに初球でスコーンと打たれる場面が頻発し、あっけなく1点、2点とポツポツと得点されてしまい、ダルのほうも立ち上がりは四球をちらほら出していたけど、要所要所でビシっと三振取るので「得点できそうな気配なし」のまま、マー君も中盤は調子が出てきたのか、「おお〜」っていう三振とってたのだが、7回にいきなり4点取られて降板。
 田中幸の引退試合に、立派な花を添えてしまいました。ヒットはいいとしても、ホームまで踏ませることなかろう。「田中君、空気読みすぎ・・・・」とM嬢が小さな声でボヤいてました。

 楽天の守備も相変わらずで、センターフライだか、ライトフライをダッシュしてギリギリとったかと思ったら、グラブからボールがこぼれて2ベースという、高校野球的な展開。
 「あーあ、この前、イチローはああいうのを見事に捕球していたよな」とタメ息しか出ないが、まあ、イチローと楽天の外野手を比較するのは、お門違いというか、人として間違った行為であるというのか・・・・

 それはいいとして、継投で出てきたのが佐藤という左投手で、M嬢が思わず「ええ?佐藤?佐藤はやめておいたほうが・・・・」とボヤく。巨人を戦力外放出されて、楽天に来た投手で、楽天の場合は、そういう「落ちこぼれ」が最後のチャンスを与えられて、妙にっていうか、微妙に活躍していたりするのだが(小山とか)、佐藤はファームでも炎上しまくりだったのが、最近になってボソリと上がってきたらしく、たぶん、左の中継ぎである有銘やナベツネが、ここんとこボカスカやられているので、「猫の左手でも借りたい」という状態なんだろう。という、M嬢の解説を聞いていたら、いきなり最初の打者がスコーンとセンターに「ホームランか?」という当たり。

 必死に追いつくライトであるが、もう少しのところでキャッチできなくて、「あーーー残念」と思っていたら、そんなにモタついてた気もしなかったのだが、2塁あたりに返球する頃には、打者は3塁を回ろうとしていて、私らの後ろで私らと同じくらい喋っていたニーサンたちも「あれ?今、3塁を回ってるのって誰?」と思ったらしいが、とにかく、一瞬誰もが「ああ、1塁走者がホームインか」と思ったのだが、それが打者だったのである。

 要するにランニングホームランだったわけです。

 「いやあ、ランニングホームランって珍しいんだよ」と後ろのニーサンたちも「珍しいものを見た」と複雑な心境だったようですが、私も「いやー、ランニングホームランっていえば、大リーグのオールスターでイチローがやったとき以来ってかんじ」と、守備がイチローレベルに及ばないのはしょーがないにしても、相手をイチロー様のように格上げしてしまうのは、へりくだり過ぎ。

 「この回、いつ終るんだろう?」と、楽天を応援していた私たちは、だんだん頭がボーっとしてきたが、日ハム応援団も応援に疲れてきたご様子。これまで試合がサクサク進んで「ダルがこの調子で完封すれば、8時半頃終わりそう。そしたら、ゆっくりと引退セレモニーできるじゃん」と嫌味をかましていたのだが、日ハムの打者も「もう、このくらいでいいや」って雰囲気だったのに、佐藤は次の打者にデッドボールだし、そしたら次の打者もヒットだし、なんつーか、こういう「猛攻」(っていうか守備のヘボさのほうが猛々しいが)のときって、投手は焦るが、打者はリラックスというのが悪循環っていうのの見本みたいなことになっていた。

 やっと7回裏が終って、8回表は鉄平がなんとかセンターにヒットを打つが、ダルがあんだけ長い7回表をちんたら肩を温めて暇つぶししていたというのに、やっぱしビシっと抑え、ほんとにカワユクないのであった。

 M嬢が「子供産まれて、夜泣きで調子崩してくれないかなあ」と来年の展望を語っていた。
 たしかに、こうなると、たまには炎上するダルも見てみたい。

 で、次の回は別の投手を出すかと思いきや、また佐藤が出てきたので「ぎょえええ、晒し投げかよ!」であったが、三者凡退に抑え、左の中継ぎとして、人差し指一本でぶら下ったようである。

 いやー、監督って大変な職業だよな。
 あたしだったら、絶対にシラフじゃ無理(笑)

 うん、でも、私もここんとこ仕事が大変でしたから、楽天のヘボ試合を立て続けに観て、とても勇気をもらったと思う。
 私が働くお母さんで、仕事でヘマしてヘコんで帰宅したら、バカ息子が0点の答案を気まずそうに見せるので、「ご、ごめん、お前のバカは私の遺伝だ」とギュウっと抱きしめてしまいそうな、そんな感じ。

 ところで、M嬢は「マナーの悪いバカ客」に厳しいが、そういうのを引き寄せてしまうらしく、M嬢の横に座ったのが、見事なバカ家族で、お父さんはファールボールが飛んでくると、グラブを持って構えるので、M嬢に肘鉄をくらわせているのに全然気が着いてない。
 M嬢は露骨にカバンを間において防御するが、バカ父がそんなのに気が着くわけもなく、M嬢がちょっとピリピリしていたので、二人でトイレに立ったとき、戻ってきたら私が奥に入って席をチェンジしてあげた。

 「ああ、こういうものだな」と感慨深かったが、私が横に座ると、そのバカ父は、あんまり肘攻撃してこなくなった。ファールがあんまり飛んでこなかったせいもあるけど。

 しかし、バカ母のほうは、通路の向こう側に面した席にいたのに、ええと確か「バカ母・バカ息子・バカ父・私・M・一人でずっとケータイばっかり観ていた謎の若者・7時半にやっと彼女登場」と横7席だったんですよ。

 普通、どう考えたって、中座して戻ってきたら、自分の席に面した通路から戻ってくるだろうし、たとえ間違えても、5列ほど戻れば、横切る通路があるので、そっちに行くでしょ?
 実際、私のチケットには「38通路」と記載されていたのだが、席が近づいて確認すると、私の席は39通路の方が近かったから、少し戻って、その横切れる通路で迂回してきたもん。

 だが、そのバカ母は、そっちから入ると「彼女・彼氏・私・バカ父」と4人の前をわざわざ狭い隙間を通過しなければいけないのに、なんにも考えてないのだろう、ただ「あ、ここだ」とばかりに突進してきたのである。
 さらには、先に「すいませーん、通ります」と言ってもらえれば、横のカップルも私らも、少し腰を浮かせて、快く通してやるのだが、いきなり子供を突進させてきたので「うわ」って感じであった。

 M嬢が、わざと聴こえそうな声で「ほんと、バカ」と呟いていたので、これはフォローしておかねばと思って、試合後に電車に乗ったときに「横のバカ家族は、ずっとビデオ撮影していたが、ホームビデオで撮影してどうするんだろう?」と言ってみたら「ヤフオクで売るんじゃない?あの人たち、チケットもチケットショップで買ってたって言ってたし」「ああ、それで元をとるつもりなんでしょうかねえ?」

 そしたらM嬢は、小さな溜息をひとつつくと「なんかさー、最近わかってきたんだけどさー」「なにが?」「ああいう、バカってさあ、ほんと、ただのバカだから、しょーがないんだよね?」「う、うん。まあ、あのお母さんが、通路のあっち側から突っ込んできたのには驚いたけど・・・」

 なるほど、私から先に「あいつらホントにバカ」と言うと、私が説教されずに済むんだな(笑)

 そーいや、ラッキーセブンのときに「あれ?ドームって風船禁止だったっけ?」と私が言うと、M嬢も「あれ?そうだったっけ?」
 私が「まあ、風船破裂させたりしないから静かでいいか」と言うと、「でも、風船はけっこう楽しいから、無いと少し寂しいなあ・・・・たしかに、破裂させるのはちょっと勘弁してほしいけど。

 M嬢は彼女なりの「生理的嫌悪感」っていうのか、「これだけはダメ」という本能的にダメなものはダメというのがあり、マリンスタジアムに行ったとき、内野自由席1階が混んでいたので「じゃあ、2階に行こう」と移動したら、「足がガクガクしてきた」とマジに高いとこがダメみたいだったが、あの「微妙な高所恐怖症」(たぶん、ドーム 内野の2階席もダメだろう)と同じように、風船の破裂が「怖い」らしいことに気が付いた。

 「火事とケンカは江戸の華」であっても、火事もケンカも本能的に怖いから、「バカ」と言って抵抗しているらしいのである。

 私とは違うところで反応するし、弁論癖があるので、私が「そう?私は別に?」という態度に出ると、ネチネチと弁論してくるから、「なーんか、いわゆる、ヴィクトリア朝の家庭教師のように小うるさいなあ」と思っていたのだが、私が鈍感なところで、変に敏感だから、そのことを訴えていたんだなあ、と、いまさらながら気が付いた。


9月18日(火)

 三連休は日曜日しか休めなかったが、昨日今日も会社は慌しく、落ち着かないので疲れるのであるが、明日は東京ドームでまた楽天戦だ(笑)。予想通り(M嬢の)ダルVSマー君。
 さすがに休みはとれないので、仕事を早めに切り上げて駆けつけるつもりだから、試合開始に間に合うかどうか・・・・

 さて、日曜日の西武×楽天は、外野席だったので、人工芝生席で足を伸ばしたり、あぐらかいたりできて、なかなかよかった。
 「うーん、これだったら寝転んでもいいな」と昼間のビールでご機嫌の私の横で、M嬢は双眼鏡で「うーむ、嶋の配球はだいたい私と同じだな。つーか、私に読まれちゃダメだろう」などと、ディープな世界に没頭していた。

 楽天は負けてしまったが、「外野席もなかなか楽しかったね」とM嬢が言うので「そーだね、私は固い椅子に座りっぱなしが苦手なので、人口芝生席はけっこう好きかも」と言ったら「・・・・いや、それもあるだろうけど、球種がわかるので・・・・」

 無職のM嬢は、シーズンが終ったら、どうすのかなあ?
 「来シーズンこそ、仙台まで行こう」と決意して、働いたりするのかしら?

 あと、M嬢とそういう親子連れの多いところに行くと、子連れマナーがなってないことに一々反応するのだが、下手に「まあ、あのくらいいいじゃん」というと、私が延々と説教というか、ディベート仕込みのクセなのか、徹底的に理詰めで説得されるので、私も遅まきながらやっと学習して、「ベビーカーで突進してきた」「通路で赤ちゃんが1人でさまよってた」という報告を「ふーん」とか「へえ」とか、まるでお父さんが新聞読みながら、お母さんが「隣の○○さんが今日ね・・・・」なんて話を聞き流してるみたいな反応ができるようになった。

 たとえば、「この外野だと、すぐに飽きちゃう子も、応援してれば飽きにくいし、うろうろできるから、子連れはこっちのほうがいいかもね」なんて会話していたのだが、M嬢は「でも、ちゃんと子供に説明とかしてあげれば飽きないはずだ」と言い出すので、まあそれはその通りなのか、なかなかそう上手くはいかないのか、私にはよくわかんないので「まあねえ〜そうかもねえ〜」で逃げ。

 で、私個人としては、外野席でわけもわからず、お父さんの真似して「山崎〜、ホームラン〜!」と叫んでる子供や、疲れて熟睡しちゃってる子供や、父と息子でグラブ持ってホームランボール取る気満々で、トイレに行くときには、ちょこんと大きいグラブと小さいグラブを場所キープのために残している親子や、風船を飛ばす7回が待ちきれずに風船破裂させちゃう子供は、けっこう好きなのだが、「風船膨らませるの早すぎ」というか、ずっと膨らましては「ひゅーーーー」と手元で鳴すので、風船のゴムが疲労し、破裂させてしまうガキをM嬢は「バカ」とバッサリするのだが、「そのくらいのバカは、まあいいのでは?」とうっかり言うと、私が説教されるので(マリンスタジアムで私がその光景を「微笑ましい」と称したため、実証ずみ)、今回もうちらのすぐ後ろで破裂させた子がいたので、私もびっくりして飛び上がったが、M嬢が大きな声で「ほんとにもー、やめてほしいよ」と言うので、小さな声で「うん・・・・」と言うに留めておいた。

 M嬢が「しつけ」とか「お行儀」とか「マナー」にとても厳しいので、横にいる私は「イニング中はなるべく中座しない」とか「指定席がたとえガラガラでも、自分の席を移動して席ジャックしてはいけない」とか、お行儀に気を配ってしまうが、そう考えると「それを私に言われても・・・・」という説教は、赤の他人に向けられているのではなく、少なくとも、この躾のなってない私を再教育しているんだよね、きっと。

9月15日(土)

 昨日、香典集計の途中で疲れて帰ってしまったので(頭脳労働ができそうもない状態だったので、きっぱり諦めた)今日は、休みの予定を変更して、マスオさんと二人で続きをやった。

 午前中に全部入力して、「よし、金額あってるかなあ」と金額を合わせたら、いやーん、3万5千円違う〜〜〜〜

 これは微妙な数字である。たぶん、要因は「3万円」と「5千円」に因数分解できる。
 うーん、と考えて「まず、香典袋にお金が残っている可能性有り」と長年の豊富な経験で考えた。(よくある)
 あとは、葬儀後のズタボロ状態で札勘定しているので、あっちもやり直しだ。(午後5時半から、9時半まで香典開封してから、札勘定しているので自信ない)

 「よーし、その前に飯にしよう」とマスオさんと二人っきりでモゴモゴとお弁当を食べてから、マスオさんに香典袋の再確認をさせながら、私は指サックして真剣に札勘。

 札勘定はドンピシャだったが、5千円札が当日の集計では100枚だったのが、それに加えて7枚の端数が出てきた。リーダーが見落としたのであろう。(最終合計を出すくらいは、リーダー氏にやらせようとした私が間違ってました)

 やった〜、これで私のお役目は終った〜

 後は芳名帳の字が達筆もしくは悪筆すぎて判読できないものを香典袋カルタ大会を開いて「ん、これは村じゃなくて林だった」とか「希かと思っていたら、喜だった」とか、いろいろデータを修正しているうちに、別事務所にいた役員から電話が入って「社葬をご案内する関係会社リストの叩き台を作ってプリーズ」

 はいはい、やりますとも。
 でも、来週でいいと言うので、ちんたら用意していたら、他の役員が来て「リスト作成はもう進んでるのか?どうすんだ、どうすんだ?」と詰め寄ってくるので、「今、叩き台を作成中ですから」と言っているのに、「個人的な知人のリストはあるのか?」って、「でも、そういう親しい方はすでに葬儀に出席されているので、香典リストがありますし・・・・」

 「銀行とかもあるしな」「すでに銀行には連絡をしてありますから・・・・」
 「他にもなんかあるだろう?名刺とか無いのか?」
 「いえ、名刺は机の中に溜まると、ご自分でよくごっそりと捨ててました」
 「わはは、みんなそうなんだなあ」

 個人的にお付き合いのあるところには、今回の葬儀の連絡もいっているし、私が思いつく限りの方々はちゃんと参列されいた。その他のホントの「会社関連」は、仕入先や得意先リストからピックアップしていけば問題ないわけだし、後は個々に「あそこは入ってる?」と確認すればいいだけじゃん。

 何をそんなに、私にあれこれブツけてくるのかと思ったら、どうやらその役員氏がグループの長から、あれこれブツけられたのをそのまま私にブツけているらしい。

 その役員氏は、頭のいい人だったので、私と会話しているうちに、自分でそのことに気が付いたらしく「悪いな、いや、あっちがあれこれ急いているもんだから・・・」と仰るので、私も笑顔で「今日明日は、皆さん疲れていますし、とにかく月曜日にK取締役に叩き台リストをお渡しして詰める予定ですから、大丈夫ですよ」

 私って、大人〜(つーか、すでに成人式×2な年齢だしな)

 まあ、香典集計がドンピシャだったのでご機嫌がよかっただけであるが(笑)

 あれで「ひー、まだ合わない〜」とやっている最中だったら、「ちょっと、忙しいんだから邪魔しないでください」ってキレてたかもしれないわ。

 自分の席に戻って、「ふー、来週もいろいろ振り回されそう」と独り言を言ったら、「女性脳的な会話の達人」であるマスオさんが、「いろいろ言われていたみたいですけど、どうしたんですか?」とナイスフォロー。
 いや、女子だと普通なんだけど、男子であれができる人はほんと珍しいので。

 マスオさんには、丁寧に「来週はこういう流れになりそうです」ということを説明して、明日は伊豆にダイビングに行くというので「疲れてるんだから、沈みっぱなしにならないで、ちゃんと浮いて戻ってきてね。来週も忙しいんだから」と、私なりに「君がいないと、私は困るの、頼りにしてるのよ〜」宣言したが、わかっていただけただろうか?

 で、ワタクシも明日は気分転換にグッドウィルドームに楽天戦を観に行きます。

 なんかもー、別に肉体的には何もしてないが、(なにげにエロい表現か?)、この一週間、精神的に異常に疲れたし、香典集計は慣れているとはいえ、やっぱし何度やっても魂吸い取られる作業なので、客席でビール飲みつつ、グランドで選手が頑張ってるのを無責任にヤジでも飛ばしながら鑑賞したい気分なのです。

 亡くなった方への想いもいろいろありますし、それはけっこうこの日記にも書かれていることでしょう。
 月並みな表現ですが「けっこう、よくしていただいた」とは思ってますし、ここ半年くらいは「こりゃ、もうダメかな」とも思っていたので、「できるだけのことはしよう」と心していたので、悔いはありません。

 使用人としてはベストを尽くしたと思います。
 お気に入りの小間使いではありませんでしたが、私は女中頭見習みたいなもんでしたからね。

 それでも、葬儀の最中「奥の部屋で香典開封していると、泣くタイミングを見失う」と思って、棺にお花入れるときには、香典の中味抱えて、参加いたしました。いやー、お花いれるところから、喪主の挨拶、出棺までが一番泣けるんで、裏方をいいことに、けっこういい場所キープして、気持よく泣かせていただいたので、「オレはやったぜ」と満足いたしました。
 
9月14日(金)

 葬儀は無事終了いたしましたが(思ったよりも、トラブルが少なかった)もう、心身共に疲れきってます。

 でも、ああいう「ドタン場」になると、上司たちの性格がはっきり出て、けっこうおもしろかった。

 要所要所で、きちんとサボり、体力温存できるタイプとか、常に全速力でボロボロになっているのに、まだ走ろうとして、足もつれっぱなしとか。

 あと、不眠不休状態でも、「葬儀の手伝いと、仕事」を両立させてしまう気力・体力に優れた人がいるってことである。

 私はそういう気力・体力を持ち合わせてないので、テキトーにサボっていたつもりだが、やっぱりこのありさまなので、まあ、こういうのは素質だろうから、自分のペースで、もうひとふんばり頑張りましょう。


 とは言っても、ちょっとストレスたまっているので、愚痴でも(笑)

 私は、当然のことながら「香典集計係り」だったのだが、そのチームのリーダーが「なぜ、この部長?」という畑違いの人で、でも、その任務に割り振られたのは、なんか理由があるのかと思いきや、全然そういうことではなかった。

 要するに自分の親族の香典も開けたことない人で、ましてや、こんな大きな葬儀のなんて、未経験だったので、すっごいナーバスになっていたので、気の毒なくらいだった。
 中盤から「いいから、監視係りに徹してください」と言って、実務から外したけど。

 もー、以前、この会社でやった大きな葬儀のときもそうだったんだけど、最初から「香典責任者は私にしてください」って申し出たほうが、結果的に負担が少ないようですよ。と、未来の自分に言っておく。

 で、ふとまた思い出が蘇って・・・・・

 でも、前にも書いたかもしれないけど・・・・

 まあいいや、何度も書くと歴史的資料としては(?)信憑性が増すであろう。

 葬式の会計係りもよくやったけど、パーティーの会計もよくやったのである。
 「芸能生活○周年記念パーティー」とか。

 某大女優(当時)のそういうパーティーのときには、バブル時代でもあったので、パーティーコンパニオンが受け付けを担当したが、「ご歓談」の時間になると、コンパニオンは会場でお酌に回るので、裏で会費やご祝儀を担当していた私らが受け付けに立った。

 時間に遅れてくる客もまばらだったので、ぼんやり立っていたら、あの渡辺淳○先生がボソりとお見えになった。失楽園以前の話であるが、私は微妙に文学少女だったから渡辺センセーを判別できたのである。

 「あ、渡辺センセーだ・・・、そっか、少し前にセンセー原作の映画で、この女優さんが主演だったな」と思い出した。そんで、受け付けのセオリー通りのご来場の御礼を延べ、芳名帳にお名前を書いていただこうとしたら、入り口で来客をお迎えしていた某大女優のマネージャーがダッシュしてきて、「先生、先生、お待ちしておりました、どうぞこちらへ!」

 私が「あの、お名前をこちらに・・・」と言うと、そのマネージャーは「いや、渡辺淳○先生だから!」

 そんなの、わかってるって。「いや、それは存じておりますが」と小声で呟いたが・・・・・
 つーか、大先生だからこそ、自筆でお名前を書いていただきたいじゃない?
 つーか、「オレは○○だ、だから名前の記帳なんていらんだろう」なんて言う人、いないはずなんですけど。

 私だって、それなりに気がききますから、先生が「住所も書いたほうがいいの?」と仰るのをニッコリ笑顔で(先生に住所いただくなんて滅相もない、というサインのエクボを普段より深く浮かべて)「いえ、お名前だけでけっこうです」と言っていたのに、素直に書こうとしているのを阻止する意味あんのか?

 で、そのマネージャーとしては、「気の効かない若い受け付けが・・・」って思ったらしく、「じゃあ、私が書きますから」と、そいつが「渡辺淳○」と下手くそな字で書きやがった。
 そっちのほうが、よっぽど失礼だろう。

 まあ、あたくしが、たとえベストセラー作家だとわかっていても「あえて普通に接した」のが気に触ったのかもしれないが、当のセンセーの方は別にそんなこと気にしてなかったんですよ。普通に「ここに名前書けばいいの?住所も?」って私に確認していただけで。

 だって、内閣総理大臣が来ようが、天皇陛下が来ようが、やっぱり普通にご記帳いただくでしょ?

 じゃあ、なんですかい、超VIPが来たら、「ワタクシが替わりにご記帳いたしますので」って言うんですか?

 後にも先にも、そんなトンチンカンな対応したのは、あのマネージャー氏だけである。
 他の人はちゃんとわかっていて、超VIPがいらしたら「記念ですから、ぜひご芳名を自筆で」と恭しくお願いしていた。で、見事に個性的な筆でご芳名帳の格を上げるのが、ほんとのセレブというものであろう。「筆ペンじゃ失礼だから」っていうんならわかるけどさあ。

 あのときは、私も20代半ばの小娘だったので、そのマネージャー氏の気迫に負けて、なすがままだったが、今だったら「渡辺先生だからこそ、自筆でご署名をいただきたいと思ったのですが?」と、きっぱり応酬できたのにな・・・・・と、今回の葬儀の手伝いでも、「私がいいと言ったら、いいのです」と堂々としていたら、みなさん「あ、そうですか」という態度で引下ってくれたので、「へえ〜、数年前までは同じことを言っても、誰も言うこときいてくれなかったのになあ」と、「あたしも、年とったなあ」というか、今ぐらいが一番「年齢と実力が一致している」っていうことなのかもしれないなあ。
9月11日(火)

 ああ、双子の姪っ子の誕生日ではないか・・・・

 さて、残暑厳しく、湿度も厳しく、ダレダレした日々を送っていたが、月曜日は早番だったので(早番制度が久々に復活)9時くらいに出勤したら、すでに上司と他部署の部長がいたので「あれ〜早いじゃないですか、会議でもありましたっけ」と能天気に言ったら、二人がドヨーんとした目で私を見つめ、上司が一呼吸置いてから、「ミヤノさん、実は・・・」

 会社の幹部が亡くなったのであった。

 そんで、総務部だから当然のことながら、いろいろやることあるのだが、まあ、今んとこ、私はあんまり手伝ってないんだけど、それでも部長が「新米総務部長」であるから、諸々の手配に自信がないから、相談役としてアシストしていたのだが、今日になったら部長も疲れてきたらしく、いろいろと私に仕事を投げてくるようになり、それをこなしているうちに夕方になり、自分の仕事ができるようになったのは、やっと6時を過ぎてからで、それから集中してこなしたけど9時で電池切れ。結局、9時半くらいでギブアップだった。

 いやー、参ったなあ。
 葬儀の手伝いはこれからなのだが、私の仕事のピークと重なるので、早めに片付けておかないといけないのだが、けっこうヤバいかも。なにせ、昼間は諸々気が散ること多いので、中断されまくりで、サクサク進まないのだ。

 自分の処理能力の限界がチラつくのって久しぶりだが、年々処理能力は質・量共々落ちているので、けっこうイライラするが「亀の甲より年の功」と己に言い聞かせて、せめてイライラを明るい天然ボケに昇華させようと勤めて、ドギついギャグを連発していたので、それはそれで消耗するが、こういう雰囲気のときって、私のギャグがけっこう効くのね。

 某取締役は昨日も、夕方にはエアコンびしばしの部屋に閉じこもって、つかの間の休息をしていたが、今日も同じくらいの時間に「なんだか、昨日も、このくらいの時間に、急に暑くなるんだよな」とボヤいていたので、それは実際、この夕立が多い気候では、いきなり気温と湿度の上昇のダブルパンチなので、私もそのとき「エアコン調整しなくちゃ」と思ったのだが、取締役が「オレの体調のせい?」みたいなこと仰るので、「ああ、それは、アレですよ・・・(←私の口癖らしい。学生時代、友人によく真似された)、更年期障害?」

 昔の女性上司が更年期障害が酷くて、特に「ホットフラッシュ」と呼ばれる、急激な火照りが顕著で、「ごめん、みんなは普通なのかもしれないけど、エアコン上げさせて」と急速冷凍していたのを参考にしている。

 いつもは私のそういう「辛らつなギャグ」(っていうつもりは本人には無いのだが)を「おめー、それはねーだろー」と教育的指導するはずの取締役氏(私より5歳くらい上なだけ)は、なぜか珍しくノってくれて、「いやーん、あたしって、もうそんな年?」と、しばらく1人でオバサンプレイしていました。

 あと、はやりピリピリしている部長が、ファックスを送ろうとしたら調子が悪くて、さらにイライラしていたので「忙しい人は、指から有害な電磁波が出るので、機械を壊すんですっ」と私なりにフォローしてあげたら、部長本人にはウケなかったが、周囲の他の社員がけっこう笑ってくれた。

 周囲の人は、私の毒舌が全開しているのも、暖かく見守ってくれているのであろう。

 さーて、しかし、葬儀はなんと、自宅開催なのである。
 自宅やめてけろ。

 前に勤めていた会社の社長が亡くなったときに、遺族の意向で自宅開催して、酷いことになった。
 最初からダメなことはわかっていたが、やっぱし予想を上回るダメさ加減で、閑静な住宅地に弔問客の列があふれて、列の最後尾は徒歩5分の駅前まで続いたという。(私は香典チェックの内勤だったので、そういう情報は外回りスタッフの愚痴で知っただけだったが)

 自宅でやるんだったら、かっちりと「密葬」にすべきだが、その境界を曖昧にしてしまうと、結局みんな弔問に来てしまうので収拾つかなくなるのだ。弔問客にも、ご近所にも大迷惑である。

 あのとき、あの葬儀に関わった人のほとんどは、「葬儀はやっぱし斎場でやったほうが、親族にも弔問客にも結局いいこと」と身にしみたが、さーて、今回はどうなりますやら。

 すでに事前の「生花の受け付け」でも、「そんなに生花あっても置く場所ないじゃん」状態。しーらないっと。「葬儀は準密葬なので」と言っているので「じゃあ、せめてお花だけでも」ってことになるんだよね。

 で、やっぱし、「ごく親しい間柄だけ」と言っても、すでに「え?そんな業者さんが?」ってところから「詳細教えてください」という問い合わせがチラホラ入るから、どっかから聞きつけてくるわけですよ。

 まあ、蓋を開けてみなければ、どういう事態になるかわかりませんが、とりあえず、的確に想定できるのは「葬儀の手伝いでかなり体力消耗する」ということなので、なんとか葬儀前に仕事を終らせないと・・・・ね。
9月7日(金)

 今朝起きたら、まだ暴風雨っぽかったので、いそいそとゴア合羽&長靴で家を出るが、すでに普通の雨になっていたのでがっかり。

 しかし、ニコタマで多摩川を観たら、いきなりテンションあがった!
 すっげ〜、観たことないよ、こんな水位!

 あそこらへんは、ニコタマ寄りのほうには河原がなく、護岸のすぐ上が遊歩道になっていて、その横にすぐ住宅があるのだが、遊歩道が完全に水没したのは初めて見た。
 ぱっと見「あと1メートルくらいで氾濫では?」って感じだった。

 朝日新聞のサイトに動画が載っていたが、私が観た時間(午前9時過ぎ)でも、ほぼ同じようなかんじだった。
 ニコタマでも非難勧告が出たらしい。

 溝の口寄りの河原にある野球場も見事に水没していた。
 これで、しばらくの間の朝の楽しみは「水没して枯れちゃったけど、またすぐ再生」する雑草さんたちの成育の様子を観察することになる。

 はあ、やっぱ、台風おもろいわ。
 なので、2年に一辺くらい直撃してくださいね。

 と、自分がこれと言った被害を蒙ったことがないので、「大自然の脅威が贈る極上のエンターテイメント」扱いなのであった。

●いつか王子様が

 ええ、今日はこのニュースに「お?」と思った人が多かったことでしょう。
 アラブの王子がベラルーシのウエイトレス見習と電撃結婚していたそうです。
 第二夫人らしいっすが・・・・

 「はあ・・・・やっぱ、こういうことってあるんだなあ」と、遠い目になりました。

 いや、別に「こういうことが現実に起こり得るのだから、気を引き締めて頑張ろう」と思ったわけでも、「はあ、羨ましい、ぜひ第三夫人にはワタクシを」と思ったわけでもなく、「おかーさんが言っていたことって、あながち絵空ごとではなかったんだ」と古い記憶がまたムクムクと蘇ったのです。

 ホームビデオなんて無かった時代に育ちましたから、幼い頃の自分というのは、セピア色の写真や親の伝聞に頼るしかないのですが、私はわりかし幼少時の記憶が豊富なので、周囲の大人たちの私に対するセリフなどから、自分がやや気難しい子供であったことを推測するしかありません。

 でも、それほど性悪でもなかったと思うんだけど、なにせ、はす向かいに住む幼なじみが大人受けするとっても「いい子」だったんで、常に比較されていたので、よけいにそう思っていたのかもしれないが、今となっては、それを客観的に判断できる材料がありません。

 無理やり、客観性を発揮すると、ややエキセントリックだった私と並ぶと、凡庸な風情だった幼なじみが「すっごくいい子」に見えた可能性もあるが、もうそんなことはどうでもいいわけで・・・・(戦後30年以上経ってます)

 とにかく、なんとなく記憶しているのは、「おっとりした、いい子」だった幼なじみに比べると、私はやや攻撃的な性格&人見知りで、大人にあんまし評判よくなく、うちの母もそのことを少し気にしていたのでしょうか、私によく「もっと優しくなりなさい」というような説教をしていたが、当時の私には「優しい、いい子」っていうのがあまりにも抽象的すぎて、なにをどうすればそうなれるのか全然わからなかったので、けっこう悩んだのであった。

 そんな私に、母はよく「優しい子のところには、いつか王子様がやってくるのよ」という、わけわかんない説教したのである。
 シンデレラあたりをイメージしたのであろう。
 「あたしのどこがどう、シンデレラのイジワル姉なわけ?」と思ったが、シンデレラが王子様をゲットしたことはわかっているので、私だって、できることならシンデレラになりたい。

 「でも、王子様って、どこにいるの?」
 と質問したくらいだから、私はまだ幼稚園児だったのだろう。
 母は「王子様は、王子とわからないよう、普通の家に住んでいるのよ」と言った。

 詳細は忘れたが、王子様は一般庶民に紛れて暮らしており、虎視眈々と花嫁候補を物色しているらしかった。だから、いつどこで王子に見初められるかもしれないから、気を抜くな、と、そういう説教だったように記憶しております。

 話は逸れるが、今こうして思い出してみると、当時って「王子」の存在を「単なる幸せの象徴」として解釈していたようですね。国家という概念を知らないんだから王族を「統治する者」とは知らないわけで、とにかく「いい人生のアガリとは、王子様に見初められること」っていうのだけは無条件に受け入れていた。グリム童話だか、ディズニー映画の悪影響です。

 そこで「王子様に選ばれるのを待つだけの人生って虚しくない?」などといえるほど、冴えた子供でなかったのが残念だが、自分みたいに捻くれた子は王子様に好かれないらしいと真に受けたのはいいが、現実の社会で王子様っていうのはどういう形態で存在しているのかさっぱりわからず、近所の誰が住んでいるかよくわからない豪邸(当時では)の横を通る際には「この家に王子様がいるのかもしれない」とリアルに想像してみたりした。

 というわけで、母が私の「やや可愛くない性格」を矯正するために使った「王子様幻想」であるが、母も当時まだ20代半ばだったわけだし、初めての子だったから、まあ、かわいーもんだけど、あ、書いてて思い出した!

 うちのママン、最近になってわかったんだけど、マジに「王子様好き」だったんですよ。
 前から「ディズニーランドでパレードする、シンデレラや白雪姫の人が、ほんとそっくりで」とか言ってやがったので「何を基準にそっくり?」と、小さく突っ込んでいたのだが、先日、一緒にパレードを鑑賞したら、ほんとにキャピキャピ喜んでおった。
 「わたし、王子様とお姫様が大好きなの〜〜〜」
 と言って、夜にやるシンデレラの馬車パレードも疲れきった私を置いて、マジに追っかけしてました。

 この間も、母と妹と飲んでいたとき、そういう話になって、母が「ミヤノと行ったときには平日だったし、ミッキーを発見して、一緒に写真とれたっていうのに、ミヤノったら、『えー、べつに〜』って、ミッキーに興味ないのよ〜」

 いや、ですから、あたくしだって、キアヌやらビョン様がいたら「ぎや〜〜〜〜〜」と突進するかもしれませぬが、キアヌやらビョン様の着ぐるみがいたって・・・・

 妹が「ああ、平日は狙い目だよねえ」と冷静に受け応えると、母は「そういや、平日は王子様やお姫様もそこらへん歩いていることがあるんですって?きゃ〜〜〜〜〜、じゃあ、こんど、やっぱしシーにも行かなくちゃ」
 えーと、あたしが付き合うんすかね?

 「おかーさん、ほんと、王子様好きだねえ?」と呆れると、「だって、だって〜〜〜〜」

 私には、ディズニーランドの王子様とお姫様は「キモい」というか、「こいつら、休みの日は六本木で全然違う雰囲気でブイブイ遊んでるだろ、ごらー」な不良外人が異常におすまししているようにしか見えないですけどね。

 つーわけで、40年近く経った今になって、母の「いつか王子様が説教」は、「若い母のバカげの至り」ではなく、「けっこうマジだった」ということに気がつきました。

 ええと、話逸れてしまいましたが、60歳すぎて「きゃーーーー、デズニー映画の王子様がリアルに存在!」と興奮気味の母に洗脳されて、5歳くらいだった私も「そっか、今のままの性格じゃ、王子様に嫌われるのか・・・」と真剣に悩んでいたのでありますが、あるとき、その幼心を無残にも打ち砕く事件に遭遇してしまいました。

 どこのだか覚えてないが、時代的には英国だとありえないし、ベルギーだか、デンマークだか、どっかそこらの王子の結婚式がニュースで紹介されたのです。

 王子様は、すでにハゲてました。

 「お、おかーさん、この人も王子なの?」
 「そーよー?」

 おかーさんの言っていたことは本当だ、こんなハゲデブ中年の王子がその辺歩いていたって、全然王子だってわからないじゃんかよー、つーか、こいつに見初められても・・・・・
 お父さんのほうが、ややイケてるっていうか、お父さんと同じ年くらいだし、小太り具合も同じくらいだし・・・・で、でも、少なくともお父さんはハゲてない!

 母は、横でテレビを観ている幼い娘が、人生最大のショックを受けていることに気がつきもしなかっただろうけど、娘はその小さい脳みその中で「えー、わたしって、こんな男のために、必死でいい子になろうと頑張ってきたわけ?」という人生最初の「私の人生って」な壁にぶち当たっていたのです。

 その後、たくさんの「ブサイクな王女」とか「ブサイクな王子」の存在を知って、そのうちに「日本のプリンスにはなぜか嫁がきましぇーん」な現実を嘲笑い、日本のプリンス次男には「びっくりするほどいい子」が嫁に来たが、キコ様と自分を比較検証する気にもならない。「広い世間には、ああいう人もいるんだ」っていうだけです。私は高所恐怖症だが、ビルの壁面登るのが趣味の人もいるってだけの話。

 話がまとまりませんが、ミヤノ家の母が得意とした「いつか王子様が」という話は、30数年を経て「いつか、王子様と一緒に写真をとりたいから、誰か一緒にディズニーランドに行こうよ」という、とってもわかりやすく形而下な話になりましたが、それでも物心つかないころから吹き込まれたので「ウェイトレス見習が王子様と結婚」というニュースを見て、「はあ、わたし、社員の小口現金出納しているバヤイじゃないのかも」とボヤく程度のことになりましたというか、わたし、学生バイトでやってウェイトレスとしてはけっこう優秀だったんだけどな・・・・

 未亡人になったら、「談話室・滝沢」で働こうと思っていたんだが・・・・・

 (訳注:「滝沢」のウェイトレスは全員未亡人という都市伝説がありました)

 未亡人になる以前に未婚のうちに「滝沢」も閉店してしまいました。

 王子様に出会うとしたら、あそこだと思っていたんだけどな。
9月6日(木)

●台風9号接近

 どーせ私は服のサイズが11号ですから(ボトムはそれすら危うい)、と意味不明のことを呟いてみたりする。

 昼間は昨日のような「お楽しみ噴水ショー」のような風情はなく、「これでホントに接近してるの?」と言っている人も多かったが、夕方になってニュースをチェックすると、すでに新幹線は不通だったし、関東の山沿い地域では鉄道がストップしているところもチラホラ出てきたが、都心は大丈夫そうなかんじ。

 それでも、だんだんと風が強くなってきたので「早めに帰るように。特に遠距離通勤の人は」との緩い通達が社内を回る。
 私が「今日はプールの支度持ってきたんだけど、どうしよっかなあ」と言うと、同僚M嬢に「行くのはいいけど、出てからまた濡れそううじゃない?あ、そっか、濡れたまま帰ればいいんじゃない?」と真顔で言われる。M嬢は長靴を持ってきたらしい。私も負けじと、
 「いや、私なんて、いいレインコート持ってきたから、これを着たくてしょーがないのに、今年はロクに雨降らなかったでしょ」
 「台風でよければ、これからいくらでも来るよ〜」
 などと楽しく会話しつつ、テレビで台風関連ニュースを観ているうちに「こりゃ、遅くならないうちに帰ったほうがいいな」と持ち前の用心深さを発揮し、プールの支度は会社に置いて、ゴア合羽を着てオフィス内でキャットウォーク・・・いや、カッパウォーク。部長が「へえ、いいの持ってるね。通気性いいやつ?」と仰るので「これ、いくらしたと思います?」「・・・・いや、わかんないけど」「2万6千円ですよ〜〜〜〜」
 部長は声も出なかった。中学・高校生の2児の父である、たぶん月の小遣いは私のゴア合羽程度であろう。お昼はいつもカップラーメンだし(笑)

 というわけで、M嬢と部長に自慢しまくった勢いで外に出るが、「なーんだ、あんまし降ってねーな」とガッカリするが、ときおり傘をめくりあげる風が吹くので、得意げに傘無しで闊歩。

 三茶に着いたら、駅がいつもよりガランとしていた。もう8時近かったし、都心に勤めている人たちの帰宅ラッシュはもう終ったのだろう。スーパーマーケットも空いていた。
 買い物してから外に出ると、待ってました、横殴りの雨!
 慌ててスーパーの軒下に避難してくる人を横目に、ゴア合羽で武装した私は雨の中をゆったりと歩き始めた。

 うーん、やっぱいいわ、ゴア合羽。
 フジロックでは、ほんの1時間ほどしか堪能できなかったけど、こうして近所を歩いているとその快適さがよくわかる。
 たぶん、天然毛皮を身にまとった動物たちって、こういう感じで雨に打たれているんだろうなあ。
 濡れた衣服の冷たさが肌に伝わらないので「雨ですけど、何か?」って感じなのだ。
 そんで、雨が止んだら、プルプルすればいいんだよね。いいなあ。

 私も歩いている最中に、ときおり雨が弱くなるたびに、プルプルしました。プルプルたのしー。厳密に言うと、プルプルではなくて、ゴア合羽をバッサバサしたのであるが。

 唯一、不快だったのは足元で、いつもはパンスト&サンダルなのだが、「パンストが雨に濡れるし」と今日は素足だったんだけど、足が濡れるとサンダルの底がすべって(おしゃれサンダルですから)たったか歩けなかった。
 長靴履いてたら、横殴りの雨の中でも優雅にお散歩できそうであった。

9月5日(木)

●友人M嬢へのメール

 天気がこれですから、神宮行く気は萎えたんだけど
 でも、ずっと降ってるわけでもないから試合はちゃんとやってるね。

 なので、ジムに行っていたんだけど
「テレビで神宮の試合でもやってないかなあ〜」と思って
 数台あるモニタを眺めていたら・・・
 ちょーど、ダル14勝の瞬間でした。
 (なぜかパリーグの試合ばかり流すジムのテレビ。フロントの趣味?)

 もー、どーしちゃったのでしょう(笑)

 なんか、あいかわらずギリシア神話の神のごとく美しかったが
 8連勝は可愛げないぞー

 そんで、家に帰ってからネットで試合速報をチェックしたら
 今日もナックルさんはチョコっとだけ投げて、一点取られてました(泣)

 以上。
 「神宮でヤクルト×広島、ちょっと観たいかも」というやりとりをしていたので・・・

●あわや大惨事

 会社では、大きな金庫の中に、小口現金用の手提げ金庫を入れてあって、毎日その手提げ金庫を自分の机の上に出しているのだが、手提げ金庫自体の重さも4キロくらいあるのだが、ついついなんでもかんでもその中に入れてしまうし、そういう「なんでもかんでも」の重さは大したことないが、小銭を巻いたの(銀行で小銭両替すると出てくるあのスティック状のやつ。ちなみに、私は喫茶店のバイト経験があるので、小銭を紙で巻けます。食堂バイト経験のあるS部長もその技を持っていて、二人でその技を競ったことがある。「いやー、学生時代のバイトってけっこう役にたつよね〜」って盛り上がった)もけっこう入っているので、それを加えると5キロはくだらないんだろう。

 なので、用心深い私は、いつも「これを足の上に落としたら、労災が適用されるかしら?」と、有事を想定していたし、手荒く扱う男子の後輩たちには「足の上に落としたら、危ないでしょ」と教育的指導を怠らなかったつもりである。

 そしたら、おとといの朝、出勤してからすぐに金庫を開けて、よっこらしょと手提金庫を運びはじめたら・・・・・
 ごすっと音がして、金庫が床に落ちた。
 びっくりして、手元を確認すると、取っ手はちゃんと握っていたのに、その根元が金属疲労だか、プラスチック披露でボッキリと切断されていたのだ。

 フロアには誰もいなかったので、「きゃー」とも「うぉー」とも声が出なかった。
 しばらく、床に落ちた金庫を眺めていたが、気を取り直して抱えて運んだ。

 しかし、私が持っているときでよかったよ。
 「いつか、こいつを絶対に足の上に落とす」という予感に己をカスタマイズしていたので、自然と体の横で持つようにしていたから、ボーっとしていたそのときにも反射神経に頼ることなく、床に不時着させられたのである。
 マジに、あれが足の甲を直撃していたら、小骨(?)を骨折していたかもしれないし、軽く済んでも「重い打ち身」は免れまい。

 もしかしたら、手提げ金庫のメーカーを訴えればよかったのかもしれないが、でも、私は取っ手なんて信用してなかったし、「起こりうる事故」として想定していたので、「やっぱし〜〜〜、いつかこういうことが起きると思って、用心しててよかったよ」と、自分の正しさに心酔してしまったので、メーカーにクレーム入れるつもりはないが、もしかしたら、ちゃんと「こういう使い方をしていて、何年で・・・」と報告してあげるほうが親切なのかもしれないが、先日も「古い扇風機から火災発生」というニュースがあったけど、実家の扇風機はすでに私が高校生のときに出火して、我が家としては「製造責任」とは思わなかったのだが(「こんだけ古くて酷使してりゃ、そういうこともあるだろう」という態度)いちおう、メーカーとしては、こういう現象を把握しておきたいかもと母が電話したら、速攻で引き取りにきて、新品と交換していったらしい。

 そっか、あの金庫も、メーカーに連絡すれば、新しいのと交換してもらったのかなあ?
 まあ、もう、新しいの発注しちゃったから、いいんですけど。めんどくさいし。

 だから、いつも言っているが、人類が全員「あたし」だと、まだ石器時代なんですってば。

●台風性の雨(という表現でいいのかどうか)

 こういう天候も久々のような気がする。
 関東地方に台風が接近しているとはいえ、まだまだ遠いのだが、台風の進路の前方にいるので、台風の渦の外側の雨雲のせいで、雨が激しく降ったり、ちょっと晴れ間がのぞいたりという目まぐるしい天気。
 普通の「前線」が生む雨とは、まったく性質が違うので、なんだかとっても面白い。
 雨が降っても気温下がらないし、湿度はすごいし。

 で、何が面白いって、外出が「おみくじ状態」になっていることである。
 2ブロックほど離れた親会社に行く用事があって、「よし、今なら降ってないぞ」と1階に降りたら「あちゃ〜」
 「おみくじ」っていうか、まるで「じゃんけん」のようである。
 何度か外出しているが、全く降られてない人は「日ごろの行いが・・・」と自慢ゲだった。

 まあ、今んとこ、ドシャ降っても5分も待てば止むので、なのでプロ野球もどこも中止になってないし、ジムのロッカーでも「家を出るときに降ってなかったから傘忘れちゃった」と言っている人がいたのだろう。
 たしかに、ジムから家への間で、2回くらいパラパラきて、傘を差したりしまったりと忙しかった。

 明日はどんな天気だろう?ゴア合羽が活躍できるかしら?(長靴も出番待ちしております)
9月3日(月)

 かなり過ごしやすい気候になったので、疲れがドット(............←こんなかんじ?あんまし「どっと」感がないね。畑にまいた種みたいで)吹き出たようで、ぼーーーーーーっとしているうちに、9月になっていました。

 先々週末は「カラオケでオール」の後、花火大会だったので、体の疲れをひきずったまま8月最終週に突入したので、けっこうダルかったのであるが、先週末も金曜日は早起きして早く出勤して、5時には会社を出て、6時には都心の某劇場着。

 大きな声では言えないが、内縁の義弟(「妹の同居人」を少しアレンジしてみました)のお仕事関連のイベントのチケットがダブついているということで、ご招待していただいたのである。(俗に言う「動員」)
 母は「別にあんたまで来なくてもいいわよ〜」と言っていたが、前日は自分の友人も連れていってみたいだし、内縁の義理の息子の仕事のサポートする気満々であった。

 地味な内容っぽい舞台だったので、あまり期待してなかったんだけど、思っていたよりも面白くて、かなり楽しめたのですが、唯一の不満は私らの前の席に座った男子2名が巨漢で、舞台が観難かったことですが、まあ、タダだからしゃーねーか。

 終ってから、母と妹と3人で食事でもしようと店を探したが、どこも満員。「そりゃそうだ、金曜日の月末だもんなあ」おまけに「8月31日」だから、サラリーマン諸君もなんとなく飲んで締めたくなる気分になるんだろうなあ。
 やっと席の空いている焼き鳥屋を見つけたが、普通に美味しい店でよかったし、観劇前に母と妹が買い物していたときに母が見つけて即買ったという「ゆずこしょう」を取り出し(以前、旅行先で買って、気に入ったそうで)「そーいや、お店の人が、これは焼き鳥との相性抜群と言っていた!」と言うので、「どれどれ?」と皿に取り出して、焼き鳥につけてみたのだが、味の濃いものだと「フツー」だったが、「オリジナルとりわさ」という、半生のタタキみたいのにつけてみたら「わー、これ美味しい」と感激して、もう一皿頼んでしまったくらい。
 「ほほほ、私の買った、ゆずこしょうが」と母も相当ご満悦でございました。

 翌土曜日は休みだったが、昼過ぎまでぐったりと寝ていた。
 夕方になっても、ボヤーっとしていて、「のだめカンタービレ」を一巻からおさらいしながら、クラシック聴いて過ごした。クラシックと言っても、私がよく聴くのは、グールドのピアノ協奏曲ばっかりなのだが・・・・

 で、昼過ぎまで寝ていて、そのまま昼寝したというのに、まだまだ眠くて「明日は早起きだから、眠いうちに寝ちゃえ〜」と夜7時過ぎには就寝。赤ちゃんか?(タカ&トシ風に・・・・・それだと「ベイビーか?」のほうがいいんだろうか・・・・わたし、お笑い好きだけど、自分でやるセンスないので)

 日曜日は、5時前に起床。
 天気予報をチェックすると、雨の心配は少ないらしい。よしよし。
 秋から年末にかけて恒例の「月に一度の日曜日早朝仕事」であるが、そうそう、これが楽しみなのよ。NHKの「日本の話芸」が!きゃー、今日は私の好きな、ええと題名忘れたが、左ジンゴローモノで、ネズミの彫り物のやつ!しかも、歌丸師匠のじゃん。

 歌丸師匠の「ねずみ」(って題だったか?)は、わりとあっさりしていたが、ダルい早起きの支度中のBGMにはほどよく、「え?あれってネコじゃなかったんすか?」(超訳)のサゲが終ってから、ゆっくり駅に迎える余裕の時間だったのがうれしい。

 今日の会場は、某ニュータウンにある、某「強盗慶太系工業大学」
 住宅街の真中にある、こじんまりしたキャンパスでようございました。
 「エコキャンパス」だそうで、さすが強盗慶太系、もうエコエコですわなあ〜

 暇だから学内の掲示板を眺めていたら、クラブハウスの「定期査察」の結果が張ってあって、「以下のサークルは即刻対処すべし」と書かれていたのだが、その事由は「酒類を処分すべし」であったのに笑った。

 待ち時間が多く、うっかり本を持っていかなかったので、ほんと退屈だった。
 それに客の誘導で、3階まで階段を上ったり降りたりを繰り返し、足がパンパン。

 「これは、ぜったいに、クエン酸が必要だ」と、帰りにポッカレモンを買って、ビールにドボドボと入れて飲んだ。シャンティみたい。(英国パブでヘタれが飲む飲み物?)

 おかげで、今日出勤したら、足腰の筋肉痛はそれほどでもなかったよーな?(ポッカレモンの回し者ではございません)

表紙に戻る / 過去の日記を読む