可燃物な日々

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 日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました
4月16日(月)

 「私って天才!」シリーズとして、また会社で飼育しているアマリリスが見事な花を咲かせたので、デジカメで写真撮影したのだが、デジカメをパソコンに繋いでみたら・・・シカトかよ!

 うーむ、これは多分、そこのUSB差込口(?)には、ここ最近、iPod独歩君ばかり繋げていたので、すっかりマックに洗脳され、「ソニーなんて、ダセーよ」とソニーのデジカメをシカトしているに違いない。

●名誉の負傷

 この間、スーパーで買い物して外に出たら、自転車を出そうとしていたオバサンが隣の自転車を倒してしまって困った様子だった。斜めってる場所なのに、みんな好き勝手に駐輪するから、よく将棋倒しになるのである。
 そんで、オバサンがせめて自分の自転車は倒すまいとふんばっているのも虚しく、ゆるりゆるりと今流行りの長周期波動だかなんだかみたいに、2台くらいが崩れそうになっていた。
 脊椎反射的に、それを阻止しようと駆け寄って、なんとかしようとしたが、オバサンのではない2台が知恵の輪状態に絡み合ってしまって、オバサンと二人で綱引きしたが、どうにも離れない。

 がっちり組み合っているわけでもないのだが、車輪とペダルが微妙な角度で絡んでいるようだ。
 しかし、私が親切心で手伝っているというのに、オバサンは「あらあら、困ったわねえ」と礼も言わない。
 手伝うの辞めようかと思ったが、ふと、先ほどの「転倒の瞬間」を頭の中でフラッシュバックさせてみると、私が通り掛かったのと自転車が倒れたのがほぼ同時だったので、だからそこ私も自分が倒したかのような錯覚を起こし、脊髄に信号を送ってしまったので、こういうことになっていたのであった。

 なのでそのオバサンの認識としては「最初に私が倒したが、次に向こうに触ってしまったのはこのオネーサン」ということになっているらしく、ゆえに私は「とおりすがりの親切な人」ではく「共犯者」という地位になっているのだろう。

 そこでムキになって「いえ、私は指一本触れていません」と主張するのも大人ゲないと思って、ともかく、目の前の惨状をなんとかしようと、オバサンとあれこれやっていたが、なかなか上手くいかない。
 そしたら、今度はほんとに「通りすがり」の女性が助っ人に入ってくれた。
 彼女もとっさに行動したらしく、車輪とペダルが噛んでいるところに無言で手を伸ばすので、思わず「指、気をつけて!」と叫ぶ、私とオバサンの呼吸ぴったり。

 結局、彼女の助っ人により、なんとか分離できて、私とオバサンは彼女に礼を言ってから、互いの検討を称えあい、私は家路についたのだが、ふと右手を見たら、出血してた。
 人差し指のフシを少しだけすりむいたらしいが、あのあたりはけっこう派手に出血するので、帰り道ずっと口で傷口を塞ぎながら「なんで、他人の自転車持ち上げて、私がケガせにゃあかん」と嘆いていたが、「やっぱし、私っていい人」ということで、必死に自分を納得させました。

●カレーがラーメンになった話

 この話の発端は、会社の用事で法務局に行ったときに遡る。
 会社の謄本を取りにいくのは、関内にある法務局で、馬車道(という通りの名前)を通る。
 飲食店の数が限られている我が職場周辺と違って、あのあたりはエスニック系の店も多く、「そのうち、昼時に行って、このあたりで昼食をとろう」と前から計画していたが、なかなか昼に行くことができなかった。

 先週は、「わー、新年度早々、さっそく週6日出勤かよ〜」とスネていたので、「いいや、もう、法務局でサボっちゃうもんね」と「謄本取りに行って、食事も外でしてきます」と一方的に告げて外出した。
 あの通りにはカレー屋が何軒かあり、先日、振込ソフトの設定で頭痛に見舞われたとき、それを解消してくれたのは、近所のカレースタンドのカレーであったので、それでなんとなく「カレーさえ、食ってりゃ、私は元気」と思い込んだというか、体がホントにスパイスを求めていたというか、迷わずに「あそこの一番エスニックっぽいカレー屋」と前から目をつけていたところに入った。

 時間をきちんと計画していたので、店についたのが1時ちょっと過ぎ、しかし、1階のカウンターは満席に近かった。しかも、制服姿のOLが1人でカレー食べていたりした。「こ、これは、私が知らないだけで人気店なのかも」と期待が膨らむ。

 「キャンディー・ストリート」というスリランカ・カレーの店で、あとでネットで調べてみたら、けっこう有名らしい。ランチカレー700円。5種類くらいの中から選べるのだが、私は2番目に辛いチキンカレーにしてみた。

 そしたら、それが絶品でさあ。
 スリランカ料理の店はそれほど多くないが、今まで食べた経験だと「インド料理よりパンチがないなあ」という印象だったが、この店のも確かに辛さはそれほどではないのだが、ジワっとくる旨みがあって、食べ終わってお会計したあとに、カウンターにいるスリランカ人コックたちに(みんな、なぜか人の顔をじっと見る。つーか、インド旅行経験あるので、インド系の人々には私の「平安顔」というか「仏顔」はかなりウケがいいのだ。私には彫りの深いインド美人の顔のほうが「これぞ美人」に見えるんだけどね)「すごくおいしかったです〜、また来ます〜」と愛想振り撒いてしまったほどである。

 ちなみに、先週金曜日はお天気もよく、ご機嫌も麗しかったのだ。

 絶品カレーを食べてから、謄本をとって、会社に戻ると、さっそくマスオさんに「法務局に行く途中の馬車道ってたくさんお店あるじゃない?」と話かけた。マスオさんも「ああ、そうっすね」
 「で、前から食べてみたいと思ってた、スリランカ・カレー屋さんに入ってみたけど、もお、それがほんと美味しくて〜〜〜」
 「へえ?いいなあ」
 「でしょ?だから、今度、法務局に用があったらねえ・・・・・・絶対、私が行くからねっ!」

 マスオさんはキョトンとしていたが、後ろにいた派遣のAさんとエビワカちゃん(仮称)が大爆笑したので、「へ?なんか可笑しいこと言った?」と問いただすと「だって、普通だったら・・・・」とゲラゲラ笑っている。
 あ、そうか、普通は「今日、入った店がとっても美味しかったから、今度マスオさんに教えてあげるから行ってみてよ」と言うべきところだったな。

 「いや、チキンのが美味しかったから、今度は別のも食べてみたくなって・・・」と私が頭をポリポリしながら言うと、マスオさんも納得してれて「ああ、他のメニューも食べたいほど、美味しかったんですか」と興味を持ったようだ。

 つーわけで、久々に食いしん坊魂が暴走したので、ネットでその店の評判をチェックしてみたら、どうやら同名の店が目黒にあり、どうやら目黒のほうが二号店らしい。
 「えー、目黒なら散歩コースじゃん」と思って、日曜日の午後、さっそく国木田君と一緒に目黒まで長い散歩に出たのである。
 久々に代官山を通過したな。
 あそこには何の用もないから、ヒルサイドテラスの階段を使って脚のストレッチだけしました。(クリスマス・カンパニーの前でアキレス腱伸ばしていた変な女性を目撃した人がいたら、それは私です)

 三茶から2時間かからずに目黒到着。開店まで時間があったから、ドトールで読書して時間をつぶし、「いざ、スリランカ・カレー」と権の助坂沿いにある「キャンディ・ストリート目黒店」を目指したら、すぐに見つかって・・・・・あれ?閉まってる?

 がっかり。
 つーか、日曜日に営業しているのかどうか、ちゃんと確認もしてなかったのだ。
 あとで調べたら、定休日は日曜でした。
 あのあたりは、日曜休むエスニック店多いってことを忘れていたよ。

 帰りはバスで帰ろうという計画だったが、せっかく目黒まではるばる歩いてきたのだから、駅周辺に目ぼしい店がないか探してみたら、路地裏に流行ってそうなラーメン屋があった。
 しかも「蒙古ラーメン」ってなんじゃ?
 つーか、テレビで取材されていたような気がする。

 メニューを見ると激辛系らしいし、「じゃあ、ここにしてみっか」と店内に入ると、日曜の6時だっていうのに広い店内すでに満席で、5人くらい並んでいた。店内に貼られたポスターによると、V6のグルメ番組で「激辛ラーメン1位」に選ばれたらしい。

 それのどこが「蒙古」なのかわからないが、ラーメンに麻婆豆腐であえた野菜がたっぷり盛られているのが、看板メニューの「蒙古タンメン」であった。私でもギリギリの辛さ。通はセットでミニ麻婆丼を頼むそうで、実際、ほとんど人がそのオーダーであったが、麺だけでもけっこうボリュームあるので中高年にはキツそうです。ニンニクたっぷりだし。

 まあでも、食べながら、岩盤浴したくらい汗かいたよ。
 あれは、真夏に食べると、相当涼しくなると思う。
 私も10歳若かったら、けっこう病みつきになっていたかも。

 最近は、ラーメンに辛さはあんまし求めてないからなあ。でも、やっぱしタイ料理点に入ると「一番辛いのはどれだろう」って一皿くらいは激辛をいれたくなる。

 というわけで、スリランカ・カレーを食べるつもりが、謎の激辛「蒙古ラーメン」を食べてしまいました。蒙古はあんまし辛くないと思う。つーか、モンゴル料理レストランで驚くのは「野菜が入ってるメニューが全くない」ということだったりする。たぶん、モンゴル人は「肉と野菜」っていう概念を持ってないのだと思う。野菜の栄養素は「草を食べている羊」から摂取していることになっているのだろう。強いていえば、肉よりも家畜の乳が「野菜ジュース」みたいなもんのような気がする。

 遊牧民は長年そういう食生活を送っているので、それでもいいんだろうけど、どっちかというと草食系にできている日本人には「羊肉ばっかで、よく早死にしないなあ」と思えるというか「ヘルシーって複雑な概念なんだな」というか・・・・・

 それにしても、激辛はいいとしても、そうとう量のニンニクを摂取したので「これはちょっと汗で排出したいなあ」と思って、ひさびさに近所の銭湯のサウナに入りました。
 帰ってみると、母とM嬢から留守電が入っていて、母とは先週も電話で話していて「私の父方の祖母の頭の様子が少し変」っていうので、母が観にいってみたのだが、あれだけの半寝たきり生活が長くても、不思議と全くボケを感じさせなかった祖母が、珍しくボケボケというか、なんか言うと反応があるのだが、うなずくくらいしかしないらしい。近日中に私も見舞いに行く予定。

 M嬢は、候補がやっと二つに絞れたみたいで、内装入ってキレいなほうに申し子みしていたら、審査に通って、でも、それも無職だったかダメ元というか、そうなってみると彼女の「本命」は、古くて難ありまくりだけど、けっこう広い物件で、たぶん、キレなほうが審査で落とされたら、迷わず古いほうに決められたんだろうけど、なぜか通ってしまったので(その前に申し込んだ人が審査落ちしたというのを聞いていたらしい)、また頭が真っ白になってしまったようだ。

 物件話もしたんだけど、後半は「田中君VSダルビッシュの試合だったら、超観て〜」というプロ野球話になり、午前2時まで盛り上がってしまった。

 おかげで今日は寝不足で不機嫌だったのだが、また課長が休んじゃったよ。
 また、微妙な空気が流れる。
 で、今までの経験から言うと、課長は最初は他人を納得させる理由で休むのだが、それが二日、三日と続くのだが、今回はどうなるだろう?

 微妙な空気といえば、先日、三茶の商店街を歩いていたら、小学校2年生くらいの男子が母親に向かって「おかーさん、もっとちゃんと、空気読めよ〜」と説教していたので、後ろで笑いこらえるのが大変でした。
4月13日(金)

 13日の金曜日。でも、テレビでやっている映画はやっぱし「スパイキッズ」だったりする。

●ハイジ最終回

 13日の金曜日が最終出勤日となった。

 給湯室でこっそりと「お餞別ね」とボチ袋を私たら、「なにこれ、お守り?」
 そう思うのも無理はない。
 そのポチ袋は以前、旧正月に香港に行ったときに、銀行でタダで貰った「お年玉用」だったので、赤に金の模様と文字(広東語で謹賀新年という意味らしいが・・・)が入ったド派手な袋だったのである。
 まあ、再就職先も決まったようだし、再出発をお祝いする気持を込めたとの「わざわざ買うこともないだろう」と思ったのと半々だったのだが・・・・

 それで「いや、中味はスイカ。東京往復すると交通費がかさむじゃない?実は私が不要になったやつだから新品じゃないんだけど」と言ったら、「あ、スイカね、うん、ありがとう」と、そっけなかったが、1万円もチャージしてやったんだぜ?まあ、後でミヤノさんがそれに込めた気持を理解してくれればいいのだが。

 実はまだ、転職先に正式に入社を決めたわけではないらしい。
 向こうが採用を決めたのは確かだが、最終的に「条件」を提示していくるのを待っているらしい。
 「なんか、面接で転勤もありって匂わせててさ〜」とか言っていたが、あーた、今よりも大きな企業を目指すなら、それはしょうがないでしょう。うちの親会社だって、首都圏内だけれども転勤あるんだから。

 つーわけで、いろいろ小うるさいハイジの再就職はうまくいくのか心配になるが、人の心配してるバヤいじゃないしね。

 そーいや、マスオさんは、課長が仕事Bを引き受けてくれるので、私よりも早く帰ったりするようになった。
 外出がなくなったので、私も彼のミスをゆっくり指導できるようになったし。
 実はその仕事Bに関しては、アウトソーシングを考えていて、あちこちに見積りを出してもらっているのだが、課長が帰った後、「なんだか、課長がやってくれるんなら、それでいいような気がしてきた」と私が言ったら、マスオさんも「そうですよね。あの仕事終ってからも、6時に帰れるんなら・・・・」

 外出が多かったし、他人に対する観察眼が「並」というか、普通、男子はそうだけど、ってゆーか、女子もあんなもんだ。派遣の人が暇そうにしているのに、残業してまで封入作業をしていたりするので「なんで派遣の人に頼まないの?」と言うと「え?頼んでもいいの?」って、目の前で暇そうでクサっているのがなぜわからん?

 なので、マスオさんも課長が全然仕事してないで、ただ座っているだけ、ということに気がついてなかったようだ。仕事がなかったわけではないが、全然やってなかったし。それで「課長にだけやらせておくと、大変なことになる」ということで、他の人と共有することになったのだが、そうなると、ますます暇になる。

 もしかしたら、自分の仕事を他の人ができるようになったら、フェイドアウトする気なのかもしれないが、共働きとはいえ、今の収入を捨てるのは厳しいだろう。どうなることやら。今のところ、朝もきちんと来るし、部長より先には帰らないようにしているようだし、そういうのも傍で見ていると痛々しいというか「あんた、その方向は間違ってるよ」と思うのだが、そういう性格だから、しょうがないんだろうなあ。

 噂では、課長の元上司だった人も、異動して、そこの部署の人と飲み会で一緒になって、「あの課長、来てないんだって?でも、うちの部長もちょっとヤバのよ」と言うので「ええ?でも、あの人は真面目ないい人じゃん」と思ったのだが、どうやらそこの部署の派遣社員の間では(派遣社員が社内でも一番多い部署)「部長さんて、鏡見て髪の毛直してばっかりですね」と評判になっているらしい。

 ときどき、鏡ばっかり見ている女子社員や派遣社員はいるけど(1時間に1回、トイレで入念に化粧直ししていて不気味だったり)、40歳過ぎた部長がそれって・・・・・

 その話をしてくれた人は、私よりもさらに古株だけど、気さくないい人で、あまり人の悪口を言わない人なんだが、「あのままじゃ、部長、ちょっとヤバんじゃないかと心配してるんですよ〜」と笑顔だけどちょっと眉を八の字にしていた。ああ、私も「課長、それじゃかなりヤバいっすよ」と横で心配している気持と同じなんだろうなあ。

 他の部署にやはり「あんま仕事してないみたいな人」がいて、それがこの間課長に「オレも熱出て休んでたんだ」と言ったFさんであるが、彼が担当している仕事はそれほど忙しくないはずだし・・・・具体的に言うと、その部署のマックのメンテ担当なのである。なので、彼の部署は、そりゃ必要なのかもしれないが、使ってるソフトは常に最新のにアップグレードされている。他にやることないらしく、変にマメなのである。

 ただ、彼はときどき、「あ、それならオレでもできるよ」と積極的に請け負ってくれて、それは例えば「デジカメで撮った社員の写真を証明写真サイズに焼きたい」なんてときに、彼に相談すると「よっしゃ」とやってくれたり、この間も、大規模組織変更で、エレベータ内に貼ってあったフロア案内を刷新しなければいけなかったのだが、その担当のM嬢は組織変更による内線番号の変更などが優先で、それどころではなく、後回しにしていたら、F氏が「あれって、まだ変えてくれないの?」と言ってきたようで、M嬢が「業者に来てもらって、内容を指定しなきゃいけないし、それに、あれってけっこう高いの」と言い訳をしたら、「じゃ、オレがやる」とシールになるラミネート用紙にプリントして貼ってくれたのだ。

 プロの仕事に比べると、出来が明らかにシロート仕事になったが、でも、どーせ組織変更はしょっちゅうなので、それでいいのだ。
 そうやって、業績は上げないけど、社内の雑用というか「隙間な仕事」を敏感に察知して、いろいろやってくれるので、社内でも「そっち系で困ったことがあったら、彼に聞け」という雰囲気になっているから、けっこう人気者である。

 この間も、ある社員に「こーゆーのって可能かなあ?」と相談されたので、私も迷わずに「ああ、それ系なら、Fさんに相談してみれば?けっこう無理なことでもやってくれるよ」と話していたら、偶然、F氏が通りがかり(さすが、そういう人は、タイミングが異常にいいのだ)「あ、Fさん、今、○○さんに相談されたんですけど、Fさんなら詳しいから」と投げたら、「ああ、それは出来なくはないけど、PDFがどうのこうので・・・・」と専門的な説明始めたので、私はお役御免で立ち去りましたが、ああいう社員って、いないより、いたほうが会社にとってはいいんだよな、と改めて思った。

 課長だってさ。元々、とある会計ソフト会社の営業マンだったんだよ。
 うちの会社でそのソフトを顧客に大々的に売ろうという動きのときに、その当時、契約社員だった私も彼が開いたセミナーに参加したことがある。
 で、それからしばらくして、うちに引き抜かれたのであるが、だから会計職の経験はなくても、ソフトの扱いには長けているのだ。

 だから、たとえ別のソフトでも、マスオさんが苦心している給与ソフトだって、構造はそんなに違わないはずだから、課長にもそれを覚えてもらえば、マスオさんの助けになると思っていたんだけど、でも、全然それに触ろうともしなかった。

 なんでなのか未だにわからない。
 たぶん、彼は見かけよりも小心モノだったので、「自分にわからないものには近寄らない」というか、「最初はわからなくて当たり前だけど、基本は一緒だからそのうち覚えるよ」という気概に欠けていたというか、新しい部署に来て、わかんないことだらけで、彼なりにテンパっていたのだろうな。

 実際、「課長が、ゆくゆくは経理のチーフということなら、まず下っ端仕事から覚えましょうよ」と私が進言していたのに、「でも、他の仕事がいっぱいいっぱいで」
 「他の仕事」というのは、元々K嬢がやっていた仕事だったし、K嬢もけっこう、やっつけでやっていたのは皆わかっていたから、熟練の技は必要ではなかったのである。

 なのに「いきなり、やらされても、よくわからん」と勝手にテンパって、なんかあるとすぐにK嬢に聞くけど、K嬢もできる人だったから、テキパキと教えていたけど、課長のほうは「いきなり、あれこれ言われても、すぐに一人前になれるわけでもなく・・・」という態度で、K嬢なんて、全くまっさらな状態だったのに、黙々とやって、経験値積んだのに・・・・さ・・・・

 今日は、課長の悪口を書くつもりもなく、ほんとは「私ってバカ」な自己開示するつもりでした。
 友人T嬢(にゃおちゃん)が、フジロックのチケットと宿の手配をしてくれたので「ありがとー、お金はすぐ振り込むよ」と言ったのはいいが、チケット代と手数料と宿代を足す暗算ができなかったので、なかなか振込みができなかった。

 「汚ギャル」並の我が家は、いろんなものが行方不明になっており、電卓も見つからん。
 粗品でもらった電卓は発掘されたが、そっちは太陽電池が弱いようで使えない。
 うーん、電卓ないと困ったなあ、と思った一週間後、やっとパソコンにデフォルトで「電卓」って機能がついていることに思い当たった。

 そんなの、普通は使わないからなあ。
 普通は、リアル電卓に頼るか、エクセルで代用します。

 ふと、うちの愚弟のボヤキを思い出したのだ。
 「仕事でさ、エクセルの表を開いて、あーでもない、こーでもない、と話しているとき、この単価はこうすれば、って営業と話していると、なぜか、みんな、やたらと電卓立ち上げんだよね。そんなの、エクセルでやれば?って思うんだけど」

 つーわけで、自宅用マシン、小三治君にエクセル環境が無い姉は、弟のそんな愚痴を思い出して「アクセサリ」のところから、電卓立ち上げて、やっと友人に諸費用を送金することができました。人の話はちゃんと聞いておくべきだよねー、ってレベルの話ではないか・・・・・
4月12日(木)

 以前から、銀行振込専用マシンが調子悪くて、それもスタンドアローンで使用しているため、未だにウィンドウズ95が載っているという「何年使ってるの?」というマシンだったから、「これが使えないと、振込みが不可能になってアウトですから、なんとかしてください」とシステム部に訴えていたのだが、やっと繁忙期を過ぎ、システム若手のA君がやろうとしくれていたが、彼が異動になってしまったので、A君よりは年長で、派遣社員上がりのK氏がやってくれることになった。

 A君も無愛想ながらも嫌味の無い若者で、社内での評判がよいが、K氏も派遣社員時代から滅茶苦茶評判がよく、それで最近、正社員になったほどの「長身おしょうゆ顔(死語?)イケメンなのに腰が低いさわやか好青年」で、社員のマシンがトラブルといつも駆けつけてくれるのが彼だったが、めんどくさそうな顔ひとつせず、テキパキやってくれたので、そこの部長にも「Kさん、いいですね〜」と言っていたのだが、その度に「彼、子持ちだから」と釘を刺され「知ってますって、そういう意味で言ってんじゃないんだって」とムキになっていた。

 K氏は元々、どっか大手のカスタマー業務をやっていたようで、そんな彼が私のすぐ隣の席で、銀行オンラインシステムのサポートに電話して、振込ソフトのバックアップや設定のやり方を教えてもらっている会話は、傍で聞いていてけっこう勉強になった。

 でも、せっかく苦労の末(やっと設定が終ったと思ったら、銀行に書類を出して、マシンを認識してもらわなければいけなかったりして時間がかかった)新しいマシンになったというのに、マスオさんったら、新しい女に見向きもしないで、古女房にべったりだったから「いいかげん、新しいのでやってみようよ。そんで、古い方はサブとして残しておけばいいじゃん」と今日になって接続を替えさせた。

 それに、新しいマシンはちゃんとLAN接続しているので、ネットワークに入れるのである。
 スタンドアローンのマシンで不便だったのは、給与ソフトやエクセルなどで「振込データ」を作成しても、それを振り込み専用マシンからは読み取れないから、フロッピーディスクで移動させていたのである。
 昔はそれでよかったが、セキュリティーが厳しくなってから、フロッピーへの書き出しにも、いちいち申請書が必要で、上席に承認してもらってから、担当部署が設定してやっとAドライブが使用できて、上席もしくは担当部署の人が立ち会ってやっとフロッピーに書き込みできるのである。

 急にやってもらおうとしても、担当者不在だったりして「あと1時間で送信しないといけないのに〜」と泡食ったこともあったが、たいてい前日に申請出しておけば大丈夫だけど、やはり時々忘れてしまうし、申請書に記入するのもけっこう手間であった。

 それが、ネットワークに繋がっているマシンだったら、共有ファイルから引っ張ってこれるから「あの手間が減る!」と期待していたのである。

 しかし、今使用している振込ソフトは、Aドライブを使うよう設定されているので、データの書き込み先や、呼び出し先を変更しなくてはいけない。
 やればできるのはわかってはいたが、そういう設定を変えたことがなかったので、手探りであれこれいじってみたら「おおお!できた!」

 試しに確認のための明細表を出してみると、ばっちし!

 「なんだか、できたみたい!ミヤノさって、もしかして・・・」と大声で独り言を言う私の言葉に、後ろにいたマスオさんがボソりと「天才ですか?」
 「欧米か?」よりはテンポが緩かったが、なかなかの掛け合いであった。

 つーか、それだけ私がしょっちゅう、「ミヤノさんって天才!」と言っているのだろうなあ(笑)

 でもさ、学生時代はケータイなんて誰も持ってなくて、30歳を過ぎてやっとパソコンに触れた、どこに出しても恥かしくない「経理のお局様社員」の私がですよ、マニュアルも見ずに、こういう設定できるなんて、すごいと思いませんか?って、誰も誉めてくれねーから、自ら「天才かも!」と言って盛り上げているんだが。

 つーか、現時点でのマスオさんではもっと時間がかかっていただろう。ハイジだって苦戦しただろう。

 というわけで、鼻がクレオパトラの三倍くらい高くなった気分で、意気揚揚と送信したのだが、エラーが出て、ガクっと崩れた。南極だか北極の氷が海に崩落したみたいに。あれでまた地球の海面が上昇しただろう。南海の小島の二つ三つ水没したかも。

 気を取り直して再挑戦してみたが、やっぱしダメだった。

 しばらく、動転しまくった気分を立て直すために休憩してから、やっとサポートに電話した。
 先日のK氏の電話を思い出し「なるべく完結に正確に・・・・」と思ったが、やはり慣れてないので「以前は、○○で作成したデータをフロッピーに書きこんで、それを振り込み専用機にフロッピーで移してたんですが、最近、マシンを変えまして、そのマシンが、ええと、ネットワークというか、共有ファイルに入れるものですから、そっちからデータをやりとりしようとして、その設定はできたのですが・・・・」としどろもどろに白目剥きながら説明したら、なんとか理解してもらえて、向こうが振込送信データを調べてくれて、あれこれ指示してくれたあと、再起動して再チャレンジしてみたが、やっぱしダメ。

 また調べていただくと「モデムを再起動していただいてないようですが」
 へ?モデム?・・・・ああ、そういや、そう言われたっけ、すっかり忘れてました。失礼しました。
 というわけで、また再起動に時間がかかる。
 そんで、再度やってみたが、またダメ。

 サポートの人が「しばらくお待ちください」と保留にされて、しばらくしてから「振込みソフトのバージョン」を確認してきたので、バージョンを告げると、なんと、そのバージョンでの契約だと「スタンドアローン用」で、基本的にネットワーク対応してないので、そのせいではないかとのこと。

 なので、そのマシンのローカルに元ファイルを移してやってみてくれといわれたので、そうしてみたら、見事成功。

 さすがに、そこまでは思い浮かびませんでした。

 話は変わるけど、この間、クレジットカード会社のサポートにも電話したが、「ありがとうございます」の連発がちょっとウザいと思ったのだが、今日のところもそうだった。
 カード会社は、「それでは、カード番号をいただけますか?」
 「ええと、○○○○ ○○○○ です」
 「ありがとうございます。それでは、会社名と住所と電話番号をお願いいたします」
 「会社名は、株式会社 ○○ です」
 「ありがとうございます」
 「住所は、・・・・・です」
 「ありがとうございます」
 「電話番号は・・・・・」
 「ありがとうございます」
と、私が何を言ってもとりあえず「ありがとうございます」を言ってから何か言ってくる感じで「経費削減のため(通信コスト)、ありがとうございますを削減したほうがいいのではないか?」と思ったほどだ。

 今日のサポートさんも、「では、メイン画面の右上にあるシステム設定のボタンを押してください」「はい、できました」「ありがとうございます。では、その左下にある、○○のボタンを押してください」「はい、できました」「ありがとうございます。その画面の○○を開いてください」「出ました」「ありがとうございます」と、ありがとう連発だったなあ。

 そういや、前にも水道だか電気だかの請求書の宛て名を変えてもらおうとしたときも、そんなだった気がする。

 「ありがとうございます」って、いい言葉だけれども、あまりにも連発されると、なんだかね。ありがたみが無いというか、薄まるというか、ただ便利に使ってるだけというか・・・・

   もちろん、「ありがとうございます」を乱発するようなところは、対応もきちんとしていることが多いけど、こっちは対応がきちんとしてればいいわけで、きちんと対応してもらえれば、礼を言うのはこっちなのだが、あれだけ何十回も「ありがとうございます」と言われたあとで、最後に1回だけ「ありがとうございます」と言っても、ちゃんと礼を言った気にならなくなるような。

 あ、そっか、今度はこうすりゃいいんだ。
 「では、メイン画面の右上にあるシステム設定のボタンを押してください」
 「ありがとうございます。はい、できました」
 「ありがとうございます。では、その左下にある、○○のボタンを押してください」
 「ありがとうございます、できました」
 「ありがとうございます。その画面の○○を開いてください」
 「ありがとうございます。出ました」
 「ありがとうございます」
 「いえ、こちらこそ、ありがとうございます」

 想像するだにかったり〜


 脱線してしまいましたが、無事にデータ送信ができたあと、しばらく抜け殻になってしまった。
 明らかに自分の能力以上の仕事を滅多に発揮しない集中力で乗り切ったため、脳内の血糖値が下がったというよりは糖分ゼロな心地がした。
 こういうときは、脳の糖分じゃなくて、腹周りの脂肪分から先に消費してほしいものである。

 砂糖タップリのコーヒーを飲んでみたが、復活しないどころか、頭痛がしてきた。

 そんなわけで、「ミヤノさん、今日は電池が切れたので早く帰ります」と定時ちょっと過ぎには帰ったが、私が2時間くらい真剣な目をして「どりゃ〜〜〜〜」と雄叫びをあげながら死闘を繰り広げていたのをマスオさんもM嬢もわかっていたので暖かく見送ってくれたし、M嬢は「そういうときは糖分だよ」と、ホワイトデーで貰ったお菓子をくれたりした。

 そんな彼らが困っているときには、私だって精一杯フォローしますとも。
 今回、苦心してできた設定についても、月末にマスオさんが似たようなことをやるので、そのときには丁寧に説明するつもりですが、なにぶん、気合でやってしまったので、ちゃんと覚えているかどうか自信がないけど。


 ところで、今日のレッドソックス対マリナーズ戦は、超おもしろかったですね。
 家出る直前には「松坂がイチローを三振に押さえた!」と盛り上がっていたので、出社してから、ニュースサイトを見てみたら「松坂、イチローを三打席無安打」という見出しが出ていたのですが、よくよく記事を読んでみると「松坂、三失点で負けてるじゃん(笑)」

 昼に、またニュースサイトで確認すると、やはり三失点で決着がついて、松坂は負け投手だったのだが、「イチローを封じた」ことのほうが大きく出ているので、わけわからんというか、結局、松坂はイチローには勝ったが、マリナーズには負けて、イチローは試合には勝ったが、松坂には負けたということらしい。
 さらに笑えるのは、マリナーズの城島は松坂から一打点あげているのだが、誰からも評価されていないということ。
 意味不明な大本営発表になった今日のニュースの見出しでした。

 さらに笑えたのが、仕事中ふと気になって「そういや、こういう試合はさすがに地上波でもやってるのかね?」とテレビ欄をチェックしたら、やっぱしNHKが放送していた。
 しかーし、途中になぜか国会中継が挟まっていた。「中国首相が国会で初の演説」ということで、どうしても外せなかったらしい。そういうのは教育テレビでやればいいのに・・・・いや、松坂のために、「1ちゃん」から外すと、また外交問題に発展しそうだからしょうがないのか。だったら高校野球のときみたいに、大リーグ中継を3ちゃんに移動すればいいのにね。(テレビ欄ではそうなってなかったが、急遽そうしたのかもしれないけど。じゃないとまた「受信料払わんぞ〜」と怒る視聴者が続出すると思う)

 というわけで、「松坂とイチローのどっちを応援したらいいのかわからなくなってきた」というのと「そんな最中、城島が打点挙げても、さらにどうしていいのかわからない」というのと「それと、中国との関係がどっちが重要かと言われても」という様子が観察できて面白かったです。

 城島に関して言えば、相手が松坂じゃなければ、「城島1打点でマリナース快勝!」と、そこそこのスポーツ・ニュースになったのにねえ。

 というわけで、今日も楽しいこといっぱいありました。
 ポリアンナみやのがお送りいたしました。(連呼していると、だんだん滝川クリステルになったような気分になってくるから不思議。あんた、ほんとに能天気だなあ)
4月11日(水)

 こんばんわ、ポリアンナみやのです。

 今日はハイジはお休みのはずだったが、午後になったらスーツ姿でやってきて(彼のアパートは会社から徒歩20分くらいらしい)どうやら転職先が決まったらしい。(今日の午前中、その会社で役員面接というか最終選考を受けていた)

 その会社の場所を聞くと新宿だそうで、大学進学で九州から上京というか、横浜の大学に通っていたので、それから12年経って、やっとホントの意味で上京したことになる。
 祝・東京進出(笑)。それが今日の「よかったこと」に決定。

 前にも雑談していたら、「東京で働くことになったら引越そうかなあ」と言っていたが、奴はそんなだから、全く東京の地理にうとく、「わー、東京の路線図、全然わからねー、やっぱ山の手線かな?」などといいやがるので「山の手線も北のほうの、例えば巣鴨あたりだとアリだが、普通は高いよ」と教えてあげたら「ええ?そうなの?恵比寿とかいいじゃん?」「まあ、探せば安いところもあるけど、あんた今の家賃いくら?」「7万5千円」「それだと、ほんとベッド置いたらいっぱいいっぱいのワンルームだね」「えー、オレやっぱ、2DKは死守したいんだけどな」「そういう人は東京には住めません。まあ、八王子くらいだったねえ?」「やだよ、そんなとこ」「だったら、せいぜい南武線沿線とかかな」「南武線ダサいじゃん」って、おめーが今住んでる横浜線沿線なんて、東京都民はダサいと思う以前にその存在知りませんって。

 まあしかし、うちの会社を辞めても、しばらく職探しするとしたら、さぞかし交通費がかさむだろうと、パスモユーザになったから不要になったスイカにチャージして、餞別として渡そうとしていたんだけど、まあいいや、スイカも払い戻し効くから現金みたいなもんだし。

 話は替わるが、今日も課長が仕事Bを引き受けていて、おかげでマスオさんはそれほど残業せずに私よりも早く帰宅できていたが、課長のほうが先に帰ったので、部長に「課長がやってくれるので助かってますが、どこまでお任せしていいのやら」と相談していた。

 マスオさんなりに「いいのかな?」と気にしていたらしい。
 そしたら部長が「課長も、そのつもりだし、今は移行期だけれども、完全に引き継ぐつもりでいいみたいだよ」とのこと。

 私もすかさず「新しい派遣の人は、経理事務もやってもらうつもりだし、今、マスオさんが抱えている仕事もいずれ彼女にやってもらうつもりだし」と言ったら「え?いいんですか?」と驚いていた。
 ハイジの退職によって、マスオさんに「いい風」が吹いてきたようだ。
 経理に配属された当初は、「経理の仕事に向いてないみたいだなあ」という評価だったが、事務仕事に全く才能ないどころか放置したまま欠勤して、周囲に迷惑かけまくる課長に比べれば、ちょっとドンくさいし、ときどきわけわなんないことやらかすけど、地道にきちんとやり遂げようとするマスオさんをこれからゆっくり育てたほうがいいに決まってるし、不本意な仕事であった仕事Bを一年間きちっりやりとげた人柄も評価されたのだろうし、なによりも、ハイジがいなくなったら、次はマスオさんが頑張るしかないのだ。

 性格的にはマスオさんのほうが「経理向き」だしね。
 まだ、やっと一年だし、その一年も経理に専念できたわけでもないし、未だに独創的な伝票入力をやったりするけど(わからなかったら聞いてくれればいいのに、勝手に変な、普段使わないような勘定科目を使っていたりするので、ときどきびっくりする)そういうのも、ちゃんと説明すれば減っていくだろう。

 なので、派遣の子が仕事を覚えてくれれば、私の未来は明るい。
 彼女も今の段階では「エクセルで自分で計算式入れたことがない」くらいのレベルだし、それでけっこう色んな数式が入っている集計表の入力を引き継いでいるのだが、それって、ホントは単純入力だけしてもらえばよかったのだが(実際、Aさんが来る直前には、学生バイトにベタ打ちしてもらっていた)、Aさんが妙にエクセルに強くて、さっさと高度なことまでやってしまったどころか、「あ、ここ、こうやって設定するとラクですよね」ってマスオさんも知らない機能まで付け加えてくれたので、マスオさんは「いい人が来てくれてよかった」と喜んでいたのだが、それを「セルの並べ替え」もできない人が引き継ぐんだから、そうとうテンパっているようである。たぶん。見た目は平然としてるからわかりにくいんだけど。

 エクセル以外でも、今、彼女に郵便物の仕訳をお願いしているが、昨日、M嬢が彼女に「この人は別事務所に異動になっているんだけど、これは営業部宛てで来ているから、別事務所に社内便で送るよりも営業部に回したほうがいい」って説明していたようだが、今日になって、やはり別事務所の社員宛ての郵便が来ていて、見るからにDMだったから私に確認してきたようだが、私が「ああ、それは別事務所にいる人だから、あっちに便で送れば?」と言ったら、小さい声でボソリと「え?送っていいの?」と独り言のように言ったので「あ、混乱してるな」と思って、「仕事で必要な郵便は、異動したら異動先に届くけど、DMなどは前の名簿が残ってるだけだから、たしかに判断難しいけど、わからなかったら宛名の社員に送っていいよ。それで、その人が、判断すればいいでしょ?」と言ったら、少しホッとした顔をしていたが、こっちだって、なにからなにまで完璧に把握しているわけでもなく、ただ経験値でなんとなく判断しているから、人によって言うことが違ったりするし、そういうことはよくあることだ。

 あれだけ判断力があるAさんだって、やらかしたことがある。
 ある企業からのパンフっぽいA4の郵便物を親会社の支店に出向中の社員に社内便で送ったのだ。
 そしたら彼から電話がかかってきて、M嬢が受けたのだが「ああいうの、こっちに送らないでもらえます?」

 私とM嬢で爆笑。
 つーか、その手のパンフはよく来るのだが、私もM嬢もわかっていたので彼に転送しなかったのだ。
 だって、いつも、彼の同僚の某氏にも来ていて、その二人は別部署なので、同じDMが届くことは滅多にない。
 で、二人の共通点は「キャバクラ好き」なのである。
 と、気がついてよく見れば、真面目な企業の資料に見えるそのDMも、送付先の会社名が「潟Wェントルマン企画」とかそれっぽいのだ。いつもこっそり捨ててあげていたが、どんな資料が入っているのか確信犯的興味を持って、一度開けてみたら、芸能事務所のタレント一覧パンフみたいに、キャバクラ嬢紹介パンフでありました。オールカラーでけっこう金かかってそう。

 あれをうっかり親会社の支店で開封しちゃったら、キャーーーである。親会社の支店は若い女子社員が多いし。

 まあ、ああいう感じの「一見、普通のDMに見えるが、飲食店関係DM」はよく来るので、私とM嬢はすぐ判断できるのだが、社内にいる社員宛てのは知らんぷりして配るけど、わざわざ出向中の人に転送することはしないし、その彼がそういうのをひどく気にする人だということも知っているので、そういう判断できるのだが、そういうのは、いくらスキルがあっても、来たばかりの人には無理だろうし、だいたい、やらなくてもいいようなことだし、社員が「そこからのDM来たらそっちで処分してくれ」って言ってきたら、メモでもとって気をつけていくうちに、だんだんと「お客様1人1人にきめ細かく対応」ができるようになるかもしれないし、「そこまでやってられっか、バーカ」と思ったら意地でも転送してあげるという手もある。
4月10日(火)

 週末はけっこう忙しかったようだ。(当社比)

 土曜日は、香港から帰ってきたきょうみちゃんちに遊びに行った。成田で下車するのも、数年ぶりだったので、街もいろいろ変わっていた。
 そういや、今回は押上経由の京成線で成田に向かったが、途中で「印旛日本医大行き」っていう電車が来て「どこだそりゃ?」と戸惑った。北総線直通だったらしいが、翌日、別の友人にその話をしたら「北総線はそのうち成田まで通るらしいね」とのこと。そっちのほうが近道らしい。
 と、言われても「南極大陸横断モノレールが開通」くらい遠く感じる話だが、(印旛沼に幼少から慣れ親しんで育ったというのに)、そのうち、そっちが成田空港行きのメイン路線になるのだろう。

 でも、そのうち、横浜市が「みなとみらい」に国際空港作ったりしないのかなあ?

 さて、土曜日はそういうわけで、早い時間からワインを飲み捲くり、すっかり酔っ払って帰宅しました。
 でも、ちゃんと渋谷で乗り降りしてウォーキングエクササイズしましたとも。
 そんで、家帰ってテレビつけたらNHKで松坂のドキュメンタリーやってたので「やっぱ、すごいなあ」と感心しつつ寝た。

 翌日曜日は、いいとも増刊号をちゃんと観て、「うわー、新メンバー南野ちゃんなんだ」と驚いた。
 10年くらい前(調べてみたら、もっと前でした。1990年前後)、「世にも奇妙な物語」に何度か出演しているのを観て、「南野陽子ってけっこう演技派だったんだ」と気が付いたのですが、その割にはあんまし出演作に恵まれない人だよなあ、と思っていたというか「あんまし見かけなくなった」と思っていたのですが、最近、露出が激しいので、事務所もプッシュしているのかもしれない。

 二日酔いだったので、昼過ぎまでウダウダして、「うちくる?」の飯島愛最終回なども眺めつつ、洗濯などしつつ、競馬中継も観つつ(牝馬戦ってほんと絶対に荒れるね。その昔、競馬好きだったステキなオジサマ、っていうか、会社に出入りしていた脚本家先生だったが、何がステキだったかというと、服装もおしゃれだったしダンディーだったのは間違いないが、それはともかく、毎回ダロワイヨのケーキを手土産として持ってきてくれたので、そりゃもう、女子社員全員で大好きでした。でも残念ながら癌であっけなく亡くなり、私は彼の葬儀の席で涙を流しながら「ああ、もうきっと一生ダロワイヨのケーキ食べること無いんだろうな」と呟いて、周囲の笑い涙を誘った。でも、ほんとにそれ以来、ダロワイヨのケーキを食べたことないと思う。自分で買おうと思えば、いつでも買えるが、たまたま店の前を通っても「ああ、懐かしいなあ」と、あの先生のことを思い出し、自分で買う気がしない。もう、一生分食べたし、これも一つの供養である・・・・・・って話が逸れたが、ともかくその先生が、

 「女って、何考えてるか全然わかんないし、すぐ嘘つくし、いつも自分をあっさり裏切る。だから、そんな女のレースにお金なんて絶対かけられない」

 と言っていて、牝馬レースには絶対に手を出さなかった。牝馬戦が荒れると、いつもあの先生のセリフを思い出す。これもまた、一つの供養である)で、夕方4時くらいに「じゃ、選挙でも行きまっか」と出かけようとしたら「ひええ〜投票券どこ〜〜〜」としばし部屋中をひっくり返した。
 いいかげん、掃除しろ。

 あと、郵便局にも寄ろうとしていて「不在配達通知書」だかも探しまくってやっと発見。

 選挙があって、投票所に行くと「この周辺って、老人多いなあ」といつも思うが、けっこう若い人の姿も見かけました。実際、わりと投票率よかったみたい。

 あと、天気がよかったせいか、遊歩道で犬と散歩している人が多いのは当たり前だが、なぜか「猫と散歩」している人を3人もみかけた。
 品のいい老人が、シャム猫系の猫にリードをつけてベンチで休んでいた。
 ガタイのいい30歳くらいの青年が、肩に猫を乗せて歩いていた。
 オバサンが、手提げカバンに猫を入れて、持ち歩いていた。

 猫を散歩させるのがトレンドなのでしょうか?

 まあ、それで、郵便局にも寄って、また家のそばまで戻ってから、シモキタに向かった。
 6時に駅前集合なのだが、再開発のため、「下北駅周辺の唯一の待ち合わせスポット」だったドトールはすでに閉店していたので「時間通りに来るように」と言っていたのだが、やっぱし15分くらい待たされた。

 でも、駅前にはホットペッパー配布チームがいて、ホットペッパーマンもいた。
 そんで、ホットペッパーの着ぐるみが意外と子供に人気であることを知った。
 つーか、子供は着ぐるみだったら、なんでも好きなのかなあ?

 でも、とおりすがりの子供たちに囲まれて、手を振ったり握手したりと、ホットペッパー君は大忙しで、あのバイトはけっこうヤリガイがありそうだ。女子高生にも写真とられてたし、そこで待ち合わせしている大人な女性はケータイで「ああ、今、ホットペッパーマンのすぐそばにいます」とランドマークにしてるし、20代半ば女子にも握手を求められたりしていたが、中にいるバイト君がどんななのか、あの外見からは全く想像できない。

 で、例によって「とぶさかな」で飲み食いして、線路際のバーに流れ、ベロベロに酔っ払って、歩いて帰り、家に着いたのが12時半くらいだったが、留守電が点滅していて、M嬢からだったけど、とても電話できる時間じゃなかったのでシャワー浴びてすぐ寝た。

 月曜日も当然二日酔い。
 でも、仕事いそがひー
 1時間くらい残業して帰る。
 さっそくM嬢に電話してみると、やっぱし部屋探し中らしい。
 そんで「生まれて初めて、将来に不安を感じた」とかなり弱気になっていたが、40歳すぎて独身で無職だというのに今まで全く不安を感じてないことのほうが変だと意見した。

 まあ、後半は私の仕事の愚痴になったが、「新しい派遣の子が、あんまし仕事はできなさそうというか、今んとこ経験不足って感じで・・・・でも、エビちゃん系の美人で、性格も無難というか、おっとりしてそうなんだよね。まだ緊張してるから人間味感じないんだけど(笑)」と私が言うと「エビちゃんも人間味全く無いからなあ(笑)」

 でも、M嬢も「今まで会った中で、性格の悪い美人っていなかったなあ」と言っていた。

 「美人は性格悪くなりようがない」というのが、わりと一般的な意見のようだ。

 そーいえば、先週くらいか、「今日って、なんで外を歩いていると、やたら男性と目が合うんだ?」って日が2日間くらいあった。
 客観的な分析をした結果、どうやら、このワタクシが一瞬だけ「人目をひく美人」だったようだ。

 ただ、目が合うのがことごとく、っていうか100%、55歳〜65歳くらいの「白髪っぽいオジサン」だったあたりが、微妙。中高年にだけわかるフェロモンを放出していたらしい。ほら、イグノーベル受賞したんだっけ「中年以上には聴こえない音」みたいというか、それの逆バージョンで、若者は私のことなんて完全無視でしたよ。

 でも、一瞬のことだったが、歩いていれば男性と目が合ってしまうし、電車に乗ってて、ふと目を上げると、やっぱし目線がぶつかったりするので、かなりウザかった。
 「ああ、美人はずっとこんな思いをしているのだなあ」と少し気の毒になった。
 私だって、すっごいキレいな女性が歩いていると、ついつい見ちゃうもんね。

 で、月曜日の夜というか、午前3時まで長電話していたので、今日も寝不足。
 でも、仕事忙ひ〜

 今週は土曜出勤なので、明日は休もうかと思っていたが、ただでさえ寝不足で捗らないというのに、他から回ってくる資料が届かなかったりして、「もう、いいや、明日は出勤する」ということになった。来週暇だから、来週休むよ。なーんてやってると、また休みとりそびれたりするんだが。

 ハイジも出社するのが今週一杯だしねえ。
 すでに親会社に出向しているのであるが、ハイジの抱えていた仕事をいきなり全部私とマスオさんで分担するのも無理だったし、彼も向こうで余裕があったようで、けっこう仕事をやっていてくれたのである。
 それをまた、マスオさんと私で分担して・・・・
 でも、この間の「課長また謎の長期欠勤」で、上司がとうとう動いてくれて、「マスオの仕事Bを課長がある程度分担するように。そんでマスオが課長の仕事の一部を分担しろ」ということになり、それは私も前から「そーすればいいのに」とボヤいていたことだったので(課長に「マスオ君大変みたいだけど、彼のフォローができるのはミヤノさんだけだし、よろしくね」と言われて「おめーが、マスオさんの仕事Bをやれば済むじゃん」って握りこぶしを必死に起き上がりこぼしに変換して「私もそうしたいのはヤマヤマですが、私だっていっぱいいっぱいなので・・・」というのが精一杯だった)このまま仕事をシフトしてくれればいいと思う。

 それに、マスオさんは温厚ないい子だけど、けっこう自己中心的な一面もあり、課長が仕事Bを引き受けたことを平然と受け止めているし。
 私なんかは、変に考えすぎだから、それを課長がどんな気持でやっているのか気になってしまうのだけれど。

 でもさ〜
 「ああ、世の中こういうもんね」と思ったのは、課長も相当ダメだし、前からそうだったので、元同僚たちも「やっぱし?」という態度なのは自業自得だとはいえ、元同僚の中でも、やっぱし相当ダメで、彼をテキトーな部署に置いておく(得意先からクレーム来たり、同僚と不和で揉めたりしないよう隔離)のに上のほうも苦心しているのだと思うけど、その彼が「あの人来た?へえ、来たんだ、それでも仕事にはしがみつきたいのかね」なんて言うから、「この人、ほんと全然、自分の置かれた立場わかってないんだ。でも、もしかしたら近親憎悪なの?」と頭が混乱する。

 まあ、課長もダメな奴に妙に食ってかかる傾向があるからなあ。
 前にも彼が課長を勤めた部署に営業では成績を上げている社員がいて、でもけっこうクセがあるというか、仕事ぶりは評価されているのだが、お金の管理がダメで、経理からも目を光らせていたのだが、課長はいきなり彼の経費清算などをネチネチとほじくり返し、やられた社員のほうは「たしかにオレ、そういうのルーズだけど、でも、まるで犯罪者扱いされるとさすがにヘコむよ」と私に愚痴りにきて、たしかに清算とかいい加減だったり、得意先に請求書出し忘れたりということが多い人だったが、自分のポケットに入れるような人ではなかったので、そういう人を追い込んでどうすんの?と思った。

 まあ、当たり前のことだけど「ダメな奴を決して許さない人は、その人も同じくらいダメ」ってことなんだろうなあ。

 そういう意味では「課長のダメダメ騒動」は、個人的には他の人のダメさ加減も浮き彫りというか、「あぶりだし」になったので興味深かった。

 まあ、課長が真摯に反省して、電話をよくとってくるようになったのは、形而上的には大変助かるが・・・
 でも、明らかに暇そうなのに、部長が帰るまでは帰らないと決めたのか、部長にそう言われたのかわからないが、無意味に残業していると「ただでさえ、精神的に弱いのに、そんなことで修行しちゃうと、またプツっときちゃうじゃん」と心配になるが、そういう性格だから、ときどき糸が切れるんだろうね。

 で、だったら、ほんとに分量的に沢山抱えている私やマスオさんの手伝いでもすりゃあいいのに、それはできないみたい。
 あ、でも、今日は、同僚M嬢が、「ちょっとやっかいな件」で課長に相談してて、それは社長が「もっと文字の大きい携帯にしたい」って言い出したという案件なのだが、半年前くらいにそう言われて、M嬢が手配して、けっこう「大人向け」のにしたのだが、「さらに使いやすいやつ」と言われてM嬢が困っていた。
 で、M嬢も忙しいので、社長の要求であるから最重要なのはわかっているが、あれこれリサーチする暇もなく、課長に相談していたら、課長がショップにいってリサーチしてきました!パチパチパチ!

 すごい、さすがM嬢!あの課長を動かすなんて!相談は真剣に聞いてくれるけど、聞いて意見言うだけなのが、キャラなのに!(本人、それで仕事しているつもりっていうのが傍で見てても哀しいが、相談する人も最初は話をちゃんと聞いてくれるので信頼しそうになるが、そのうち「結局どうせ自分で全部やるなら・・・」と気付いてしまう)
 と、思ったが、社内1というか、宇宙1癒し系な彼女に妙に懐く人も、「ダメの証拠」だったことを思い出して、私は密かに苦笑した。

 ついつい、グチグチ書いてしまったが、いかん、今日こそ早寝するんだった。
4月6日(金)

●本日の「よかった」探し

 その昔、ある友人と話していたら、「ミヤノちゃんて、よかったことばかり話すから、まるでケストナーの小説に出てくる少女みたい」と言われたような気がしたが、いったい児童文学のどのキャラに似ていると言われたのか、いまだに解明できていない。
 「小公女セーラみたい」と言われれば「あ、そう。・・・・まあね、そうかも」と理解できたかもしれないが、その友人はけっこうそっち方面に詳しくて、けっこうマニアックなのを挙げてきたのだ。ケストナーだったのかも漠然とした記憶。

 それは置いておいて、よかったこと、その1。

 先週末「ええ?体重が54キロ代?」と喜んでいたが、今日計ってみたら見事にリバウンドしていて、しっかり56キロ代でした。
 それのどこが「よかったこと」かって?

 小学校から一緒の子がいて、細かいことを言うと私はその子が嫌いだったが、その子のお母さんは社交的な人で、PTAの役員などもやっていたので、うちの母親も親しくしていた。
 近所の商店街で店を開いていたりもしたので(そこのサンドイッチは美味しかったのでよく買った)、要するに「顔が広い」人であったらしい。

 元気な肝っ玉母さんというキャラな人で、デブではなかったが、固太りっぽい感じだったけど、私が中学生の頃、そのお母さんはなぜかダイエットに成功したらしい。(らしい、と繰り返すのは、うちの母から聞いた話だから)
 知人の主婦たちの間では「○○さんが、痩せてきれいになった」と評判だったそうだ。
 そのダイエット成功の秘密は「今まで、おやつにいつもオニギリを二個も食べてたんだけど、それをやめたらみるみるうちに痩せちゃって」ということだったらしい。
 それで、スリムなパンツも似合うようになり、急にオシャレになって、そうなると化粧もちゃんとするようになり、「ほんと、すっかり垢抜けちゃって」とさらに評判になっていたらしい。

 しかし、それから半年後、急に亡くなったのである。
 癌と診断されたときには末期だったそうだ。まだ40代だったろうし、進行の早い癌だったんだろう。

 ダイエットに成功したと思っていたのだが、単に食欲が減退していたのと、栄養分ががん細胞に吸い取られていたらしい。痛みなどの自覚症状もなく、本人は「間食しなくなったのでスリムになった」と喜んでいたので、末期になるまでわからなかったらしい。

 母と私が当時出した結論は「やっぱし、普通はダイエットなんてそううまく行くものではない」
 ラクして痩せるわけないのだ。
 ましてや、そういう意思もないのに、自然と痩せていったら「体のどこかが悪い」と考えるべきのようだと、そのときに学習した。

 女性の場合、10代後半から20代前半は「パンパン」に太っていても、20代半ばに急に痩せることは多い。
 だが、たいてい、30代でちょっと戻り、さらに40代になると確実に膨張し、会社の先輩でも「若いころは、太ることなんて気にしたことなかったのに・・・、どっちかというと痩せていることを気にしていた」という人が、自分の膨張さ加減にびっくりしていたが、ビッグバンはやってきても逆は無いのである。普通は。

 なので、別にダイエットを狙ったわけでもなく、ただ「フジロックで、オレンジ・ステージまで往復できる(往復約1時間)体力作り」を目指しただけで、いきなり2キロも減ったので「あたし、どっか悪いのかも・・・・」と多少心配していたので、リバウンドしてホっとしたのだ。

 まあ、リバウンドしてホッとできるなんて、年をとるのもいいもんですよ、若者のみなさん。と上から見下ろして言っておく。

 よかったこと、その2.

 課長がキターーーーーーーー

 11時近くにボソりと出勤してきたよ。
 顔がかなりやつれていた。

 もはや、ハリポタの「例のあの人」みたいに「例の来ない人、どうした?」と他の部署の人からもよく聞かれていて、その対応で私のほうが鬱になりそうだと言いたかったところだが、「今日も来てませ〜ん。もう、来ないかな?」と明るく言いいまくることで、自分を守っていたので、復活してきたのが、やや残念ではある。

 でも、他の人のほうが私よりもよっぽど性格悪いね。「え、来たの?どうだった?」「いや、かなりやつれてるみたい」「ほんと?だったら、あとで見に行こうっと。ほんとに具合悪そうなのか」って、そりゃ、「心の病」ですから、見た目はそんなでもないんだけど、私は「まぶたが落ち窪んでいる」とか「肌にジンマシンの痕が見てとれる」と細かい観察で「やっぱし、それなりに大変だったんだろうな」と理解できますが・・・・

 そんな中、見直した人がいた。
 他部署のF氏である。
 夕方、総務に用があってやってきたのだが、課長の姿を観ると、「えへへ」と近寄ってきて「なーんか、Sさん、また来てないって噂きいてたんだけど、復活したんだね」

 遠巻きにして、影で噂ばかりする人が多い中、そうやってブツかってくれたほうが課長にとってもいいのではないかと思った。
 それに、私はF氏のやろうとしていることがわかったというか、わかったつもりになったので、すかさず「そういや、Fさんも病み上がりですもんね。二人で我が社の病み上がりチームを結成ってことで(笑)」
 「え?Fさん、どうしたの?」と、すかさず食いつく課長。
 「いや〜、オレも謎の発熱が下がらなくて、1週間くらい8度くらいの熱が続いてさあ。それで医者行く気力もなくて、やっと医者行こうとしたら、なんかしらんけど熱下がったんだよ」とF氏。
 課長は「そうなんだよね。医者行くのも気力いるんだよねえ。ほんと辛いよ」
 しばし二人で、「ビョーキは辛いよ」話で和やかに盛り上がっていた。

 課長にとって「同じ時期、同じくらい休んでいた人がいた」ってことは、とても心強いことだと思う。実際、すごく嬉しそうだったし。
 F氏はそれをわかってて、とういうか、自分も心細かったのかもしれないが「休んじゃったんだって?えへへ、オレも」とわざわざ言いに来ていて、そういうのって、できそうでなかなかできないことだと思った。

 よかったこと、その3。

 美人なのに無味無臭のアンドロイドみたいだった新人派遣嬢が、今日になって少し人間らしくなった。
 ちゃんと私の目を見て笑うようになったし。
 やっぱ、かなり緊張してるんだろうなあ。
 でも、無味無臭な感じは維持しているので、この先どうなるかはわからない。

 しかし、今日は少しまともな会話ができたし、彼女も「慣れない故の大ボケ」をかましてくれたので「今の、すげー面白かった」と私がフォローすると、けっこう明るくケラケラと笑っていたので「とりあえず、アンドロイドではないようだ」とホッとしたのだが、そうやって、少し打ち解けてきた彼女をよくよく観察してみると「たしかに、けっこうエビちゃんぽいんだが、ちょっとワカも入ってるぞ?」

 ええと、ワカって・・・・(検索して調べ中)、井上和香です。
 一瞬、ワカと「チリちゃん」を自分の中で混同して(まあ、似たような系統だが、「いいとも」繋がりちゅうことで)「だったら、あだなはエビチリか?」と思ったのですが、チリちゃんより、やっぱしワカでした。

 しかし、エビちゃん+ワカの7掛けくらいってゆーのは、相当のもんだと思うけど、やっぱしマスオさんに引継ぎ指導しに来たハイジも、ついつい「エビワカちゃん」が気になるようで、思わず話かけたりしてしまうようなあたりが面白い。

 昨日は彼女のことを「クララ系かな?」と思ったけど、訂正します。
 前に総務部のパート職員だった、Kさんが近い。
 当時、40歳くらいだったKさんだが、ほんと美人で感じがよく、彼女が退職するときには、男性社員がほんと残念がって、かわるがわる挨拶に来たくらいだった。
 Kさんも美人にありがちというか、黙って座っているだけでチヤホヤされた人に特有の「自己主張が全く無い」人でありました。「ああ、美人って、こういう性格の人多いよな」と思った。なんかわからないことや、苦手なことがあっても、小首を傾げて困った顔をすればいいので、「10人並」や「10人並以下」の女性みたいに「能力で勝負しよう」という気概が全くない。

 「能力」というのは仕事ができるとか、そういうことだけじゃなくて、「派手な服でアピール」とかいうのも含むのだが、美人はそういう小技に頼る気が無いというか、そういうのを思いつかないので「地味だけど清潔感あふれる服装」をしていることが多く、それでさらに好感度アップである。

 で、立ち居振舞いもガツガツしてないので、黙って座ってるだけで妙に品がよく、たまにボケをかましても「美人の大ボケ」として大変ありがたがられるし、「やだ、私ったらドジで・・・・」と頬に手をやるだけで、私が100時間残業しても得られないような評価をゲットするのでホントに羨ましかった。

 と、書くと、私がまるでひがんでいるようだが、そんなことはありませんよ。
 10人並が、化粧や服装で「美人風」をやっているような人に比べると、美人は素直に来客にお茶だししてくれますし、だから美人の方が「女性だからって、なんで雑用ばかりなんですか」って言わないだけ使いやすい。
 ひょっとしたら、「美人」ってことにコンプレックス持っているのかもしれないけど、それを明言するとさらに嫌味になることを知っているので、「Kさん、美人だから」と面と向かって言うと、少し困った顔をして小首を傾げるのも奥ゆかしくて私は好きだった。「いえ、私なんて・・・・」とは決して言わなかったのである。

 で、たしかに、美人だからって、給料高いわけでもなく、パート社員だったから、仕事のレベルに応じて時給が決まっていたわけで、美人で得することと言ったら「私は気がきかないけど、皆さんがよくしてくださるから・・・」ということくらいだったろう。

 新人のエビワカ嬢が、Kさんみたいな性格の美人だとしたら、うちの会社でもうまくやっていけると思う。エビワカ嬢の場合は「あれで、二人の子持ち?」という意外性もあるから・・・・・

 今のところ、意外とAさんの評判がよく、私は彼女の人柄は評価しているけど、「服装も雑だし、頭もボサボサだし、化粧っけなし」なところで、誰かなんか言ってくるかと警戒していたが、それを上回る「彼女、おもしろいっすね」な評価をかなり聞いて、ってゆーか、後任のエビワカちゃんが来たので「あれ?総務は新しい人来たけど、Aさん辞めちゃうの?」って各方面から言われて「いや、Aさん確かに、頭もいいし、度胸もあるのでいいんですが、稼業の手伝いで毎日来れないのを後任が来るまでって引き止めてるんです」と必死に説明していたのだ。

 Aさんの「下町のオバチャン系」なインパクトが強いのでエビワカちゃんの美貌に気がついてない人が多いようだが、このまま順当に引き継ぎがうまくいって、エビワカちゃんだけが残ると、みんなそのときに気がつくだろうから、先日の飲み会でも「新しい人は、ああ見えても二児の母なのです」と宣伝して、社内で間違いが起こらないように(笑)ちゃんと言いふらしてますからねっ。

 いや、ほんと言うと、そんな宣伝したくないのですが。だって、間違いが起こったほうが楽しいじゃあないですか。

 上司に「ミヤノ〜、おまえ、ちゃんと彼女が人妻で子持ちだって、なんで宣伝しておかなかったんだ?」って説教されて「だって、だって、男女雇用均等参画セクハラ防止個人情報保護法がぁ」ってトボけたかったんすけどね。

 じわじわと、エビワカちゃんの美貌が社内で話題になっているようなので、つーか、こう書いていてやっと自分にもわかってきたのですが「総務に新しい人が来たみたいだけど、Aさんはどうなるの?」って聞かれること事態が、「話題沸騰」ってことなんですよね。10人並同士の派遣の引継ぎで、そんなこと聞かれることなかったんだもん。

 わー、なんだか面白くなってきた。
 エビワカちゃんには、頑張って続いてほしいなあ。

 今日もね。彼女に「郵便局にお遣いに行ってくれない?」って、「配達証明」の説明したんだけど、「はい、はい」と笑顔で聞いていたが、私がグサっと「書留郵便とか出した経験無い?」と聞いてみたら「えーと、えーと、たぶん、無いです・・・・」と、「きゃー、私にスキル無いのが、またミヤノさんにバレた?」と慌てる姿がけっこうかわいらしく、私も「あ、いいの、いいの、わかんなかったら今から覚えて」と丁寧に説明したけど、ふふふ、こーゆー、かわいいのは私はちゃんと使うよ。クララのときだって、面倒くさそうな案件はクララにやらせると、私がやるよりも上手くいったんだもん。

 私が何か言うと萎縮する営業部男子たちも、クララ経由にすると「オレがちゃんとやらないと、クララさんがミヤノさんに叱られる」と言う気持でやっていたようなので私としては大変やりやすかったから、エビワカちゃんにも、その方向でやってほしい。ふぉふぉふぉふぉ
4月5日(木)

 火曜日は、去年退職した人(数年前は私の部署の課長であった)をハイジが招聘して「転職してどーよ?」な飲み会。転職したK氏は、とっても満足しているようで、楽しそうだった。

 で、水曜日は二日酔い。夜は早めに寝てしまいました。

 で、課長はやっぱり来ません。
 やはり「うつ病」であるようです。
 うつ病も「国民病」というか、最近は「心の風邪」というキャッチフレーズになっていますが、まだまだ風当たりが強いからなあ。
 それでも「まだ行けそうにもありません」と電話してくるだけ「軽度」なんだと思うけど・・・・

 そんな微妙な雰囲気の中、今週から新しい派遣の人が来ているが、やっぱし全然、事務系仕事の経験が無いことがすぐに判明した。でもまあ、「25歳未満」っていう「ええ?」って条件出したので、新入社員だと思えばあんなもんだけど、引継ぎ中のAさんがけっこう大変そうなので、「世話役押し付けてすまんねえ」と労いたいが、新人がぴったり張り付いているのでそんな隙もない。

 でも、若いし、美人だし(よくよく観察してみると、どうもエビちゃん系だ。あだ名をエビちゃんにすべきか検討中)あれでもう少し愛想がよければ、総務部としてはいいだろうと思っていたのだが、慣れないから緊張しているのか、表情が固い。
 それに、だんだんと「こういう性格の子なのかも」と思えてきた。
 どっちかというと、クララ系で、あんまり周囲に関心がないというか、悪く言えば鈍感。

 自分が何がわからないかわかってないタイプで、かと言って、見よう見真似でできないらしく、ちゃんとチェックしてあげないと、けっこうやらかしそうなので注意が必要だ。それこそ、定形外郵便に定型の料金の切手貼ったりしちゃうから。
 「もしかして、郵便くわしくない?」
 「・・・・・はい」
 「だったら、最初は一々確認してね?」
 「・・・・・はい」
 と、返事も小さいが、「教育的指導をされている」という自覚もないようで、あんまり堪えてないのが不安だが、郵便切手張り間違えたくらいで「ああ、私ってダメだ」と焦らない性格なのは頼もしいというか、そういう「太い」性格じゃないとうちの会社では残らないからなあ。

 まだ本性を隠しているだろうから、なんとも判断つかないが、今のところ、すごくつまらない仕事をさせているのだが、それを別に不満に思ってないようなのか、もの凄いポーカーフェイスで何考えているのかわからないだけなのか、さすがの私にもわからない。

 でも、まあ、どっちかというと「会社勤めの才能無い」という方かなあ?
 経験が浅いだけかもしれないが。

 まあ、でも「自分はこういう仕事がやりたい」という意思は無いようで、単純入力は黙々とやってくれているので、クララみたいな「頭は切れないけど、地味な仕事も文句一つ言わずやってくれる」という人かもしれない。
 ただ、クララには「運動音痴の子が、自分は一生懸命走っているつもりでも、歩いているようにしか見えないのが超愛らしい」というオーラがあり、漫画で言えば「動物のお医者さん」の菱沼さんを絶頂期のあだち充が妹キャラにアレンジにしたかような「神様がお創りになったもの」であったが、新人さんにはそういう雰囲気は無いなあ。

 ルックスは可愛いのに、なんであんなに華がないんだろう?
 しかも、出産直後なのにね?(産後3ヶ月らしい)
 つーか、お母さんオーラも皆無。不思議。

 つーか、子供預けてすぐ勤めるなんて、よっぽど気合が無いとできないじゃないですか。
 「ぜってー、社会復帰してやる」とか「お金が無いから頑張る」とか。
 どうやら子供の世話(保育園えの送り迎えを含む)は実母に任せているらしい。実母って言ったって、25歳の人の母だから、まだまだ若いし、ひょっとしたら「孫の世話は私がやるから、あんた仕事しなさい」と母が言ったから、まあ仕事すっか、とか、そういうことなのかもしれない。

 なんだか、最近宣伝していた映画「パヒューム」の主人公を思い出した。「体臭」を感じさせないのだ。ほんと、すごく気配を消している。
 彼女は人に「○○さん」と声をかけられないようで、特に人がパソコンを凝視して仕事していると声をかけにくいようだが、そんなとき、クララもよく蚊の鳴くような声というか、ドラマでの死に際の美少女みたいにで「○○・・・・さ・・・・・ん」と囁いていたので、横で「ほら、○○さん、クララが用があるみたいよ(笑)」と通訳してあげたし、イライザはよく私の目の前に立って、自慢の目力(メジカラ)でじっと声をかけるタイミングを見計らっていたので「いいから、声かけてよ」と軽く叱ったりしたんだけど、新人嬢が何か聞こうとしているとマジに気配がしないので、もしかしたらほんとに超珍獣登場という可能性もあるから楽しみである。

 だいたい、自分を面談した課長が、「謎の長期欠勤」で社内が変に盛り上がっているのに、それに何の関心も寄せないというのが大物の予感。
 さらに、よく総務に遊びに来る、親会社の役員がちょうど来たので、後で「見かけはヤーさんだけど、怖くないから(笑)。でも、お偉いさんだからそれなりに気をつかってね」という話をして、Aさんなんかは「そうなんですよ。わりと、面白い人なんですよね。いつもiPodぶら下げてるから、何聴いてるのかと思ったら、この間イヤホンが外れてて、なんとABBAだったんすよ〜〜〜」と私の話を盛り上げてくれて、他のみんなとも「ええ?ABBA?」と大笑いしていたのだが、新人嬢は薄笑みを浮かべて聞き流していたようであった。

 まあ「アバ」を知らなかっただけかもしれないが、そのことに今気が付いたよ。
 私が「ええ?じゃあ、ダンシング・クイーンとか聴いてたわけ?」とノリノリだったら、Aさんが「いえ、そんときは、例のマニマニマニ〜♪でしたけど(笑)」なんて会話していたとき、横でニコニコ聴いていたとしても、そういうとき私だったら「あ、もしかして、アバって知らないでしょ?」と「こいつ、この話の面白さがわかってないな」ということに気がつきそうなもんだが、そういう雰囲気でも全くなかった。

 「話に入りたいけど、全然わかんないから入りようがない」という困った様子もなく「どこが面白いのかわからないが、なんか盛り上がっているなあ」という突き放した感もなく、ただ私が一応仕事の説明みたいのを始めたのでちとんと拝聴していたら、話が逸れて笑い話みたいになってきたようだが、どこにその区切りがあったのかわからないので「仕事の説明をされたときの顔」をただ自然と持続させてました、という感じだったのかもしれない。

 うーん、そう考えると(私って前向き)、なかなか面白い人材が入ってきたようだが、さて、続くかねえ?
 向こうから「やっぱ、やめた」と言われたほうが、私の将来的にはいいんだろうけど、そのあたりは天に任せます。

 自分が一生懸命、気を配っても、課長の例のように悪い方向にしか転がらないものも多いし、あんまり真面目にやらないほうがっていうか、やってもやらなくても同じだったら・・・・と思いつつ、いい加減にやって、いい結果が出ないと悔やまれるから、やっぱしそれなりに真面目にやってしまうというか、課長の件だって、もしかしたらすぐに復帰してくるかもしれないから、その場合、あからさまに「あなたがいなくても他のみんなでやってしまいましたよ」とやってしまうようりも、ある程度、仕事を残してあげたほうがいいのではないかと、あれこれ気を揉んでる自分も損な性格ですが(K嬢なんかはキッパリと、「急ぎの仕事をやるのはいいけど、そのまま自分がやることになるのは困る」と言っていて、そうキッパリと言える彼女の気性が羨ましいし、だからこそ彼女が優秀であることもわかるので・・・)、でも、これもただ、自分を納得させるための、っていうか、要するに「私って、人に理解があるのよーん」な自分に対する自己アピールであって、だって、表面的には「課長、今日も休みなの?ああ、もー、まったくー」と普通にガナってます。
4月2日(月)

 課長は今日も休みだった。
 月末までにやっておかなければいけない仕事がけっこう切羽詰っていたので、今日は色んな人が替わりにやっていたのだが、おかげで私が蒙った迷惑など「数のうちに入らない」ということを知った。

 つーか、課長の心の闇を垣間見たな。

 すげえ仕事溜め込んでいたというか、やっぱし放置しまくっていた。別に忙しそうでもなかったのに・・・・、いつも無駄話ばっかりしてマスオさんの邪魔していたのに・・・・

 そういうのが皆の知るところになったことを本人が察知できているのかわからないが(そうだったらせめて「○○の件が月末締め切りだったので、悪いけどお願いします」とか電話の一本も入れるであろう)、もしそうだったら、さらに会社に来づらくなるよねえ?

 つーか、「このまま、もう来ないかも」感も漂いはじめている。こっちだって気まずいし。

●今日のハイジ君

 「辞めるから」と言っていたが、いつ辞めるのか詳しいことはまだ聞かされていないが、今日の放課後(私の定時過ぎ)に、またベシャリにやってきており(親会社では、まともに会話できる人がいないため、ストレスが溜まるらしい)いきなり私に「ベンチャーってどうして退職金ないの?」と聞いてくるので「そもそも、退職金制度が今、転換期だから、新しい会社はそうなのかも」と説明したら、「え?じゃあ、退職金ないからって蹴ったオレってダサい?」と悩んでいた。

 つーか、退職金で判断するっていうのが・・・・・そもそも、さあ・・・・・

 どうせ、うちの会社なんて定年まで勤め上げても大した退職金は出ないのである。中小企業なんてそんなもんだ。
 で、彼が今の職場で不満なのは、そういう給与面ではなく、「スキルアップできない」っていうことなのかと思いきや・・・・・
 ほんと、ハイジって、頭悪いわけではないんだけど、変なところでトンチンカンだ。


●NHKの中国特集

 テーマは「中国の格差社会」だったが、農民工と呼ばれる出稼ぎ労働者が辛い目に遭っているというのは、NHK信者としては目新しくもないことだったが、昨日(日曜日)のは観ててホントに辛かったというか、涙ちょちょ切れタです。

 まあ、冷静に考えてみれば、北京で豪邸に住んで(ベルサイユ宮殿がモデルで、ロココ調)、フェラーリ乗り回している大富豪と、最底辺のドヤ街の出稼ぎの人を比較してみりゃ、そりゃ、日本だってそんなもんでしょうよ。

 でも、かつての日本の農村部からの出稼ぎ労働者は、もう少し恵まれてなかったか?

 今の中国は、日本の「戦後の混乱期」と「バブル崩壊」が同時にきているような、そんなかんじなのかね。

 そもそも、労働人口が多すぎるんだろうなあ。
 日本の場合、明治大正生まれの私の祖父母は、農村では次男以下だったり女子だったりして、とても食わせていけなかったが、「東京で奉公」という道はあって、祖父は印刷工場で奉公して、祖母はお屋敷で女中奉公していたわけだ。

 で、女中がそこそこの年齢になると、お屋敷では「そろそろ嫁入り先を・・・」と出入り業者に宣伝すると、どっかから「うちの丁稚で、そろそろ独立させようかっていうのがいるんだが、真面目ないい若者で・・・・」って話が舞い込んで、見合いさせて結婚させて・・・・っていう段取りだったんすかねえ?

 そもそも、うちの祖母が女中奉公していたお屋敷の当主も、生まれは貧農で、とても食べていけなかったから、10代そこそこで追い出されたらしい。しばらく東京で浮浪児のような生活をしていたが、ある日、溜池(今で言う、アークヒルズのあたりです)でボーっとしていたら、馬車に乗った大立者が通りがかり「おい、そこの子、どうしたんだ?」と声をかけ、身寄りがないのがわかったので「じゃあ、うちの屋敷で働きなさい」

 でも、とてもお屋敷で働けるような教育も受けていないので、その大立者も「お前は田舎者だから、馬車の世話は任せられないが、まず車輪洗いをしなさい」と、御者の助手みたいなのにしたそうだ。
 彼はずっと車輪の泥を洗っていたが、真面目に働いていたので、そのうち馬車の手入れや馬の手入れも任されるようになり、それもきちんとできたので、少し教育も受けさせてもらえて、そのうち、お館様のカバン持ちに抜擢され、そこで頭角を現して、右腕になり、実業家になって、駒場にお屋敷を構えたそうだ。

 うちの祖母から聞いた話だが、「なんか、そういう立身出世の話って、どれも似たようなもんだし、そもそも、おしんと自分の区別がちゃんとついてない祖母の話は話半分以下」だと思ったけど、児童福祉制度が整っていなかった時代は、そうやって金持ちが子供を雇って、そこそこに育てるというのがけっこうあったのだろう。

 それに、祖父母の時代には、「地元から出世した人」が、地元で優秀な学生を援助して東京の大学に通わせたり、縁故で東京に呼び寄せたりっていうのが盛んだったみたいだし。
 たしかに、うちの祖母「おミツちゃん」は、そこの坊ちゃんの「ねえや」として、坊ちゃんの面倒をよく見たらしく、寿退職(?)してからも、そこの屋敷にはよく出入りしていて、彼女なりに「家族の一員」というプライドもあったらしいし、それが虚言ではなかったのは、祖父の葬式に参列してくれた「元・坊ちゃん」が、隣の席に座っていた私に「ああ、ミツさんのお孫さんなんですか。ボクは、ミツさんに育ててもらったようなもので、今だにミツさんに頭があがりません」と上品に言ってくださったので、祖母がそこそこ有能というか、その家族に慕われていたことは間違いなく、その祖母が「お暇」を頂くときに「実は、故郷で私の従姉妹が東京で職を探しておりまして」と言えば、その屋敷では「ミツさんの従姉妹なら間違いは無いだろう」と快く引き受けてくれたであろう。

 祖父の故郷も「名立(なだち)会」っていうのあったしね。
 新潟県の名立が、メジャーデビューしたのは、オオム真理教がそこに坂本さん一家の誰かを埋めたと自白したときだったが・・・・
 あのころ、祖父は元気だったので「おじーちゃん、名立がニュースで読み上げられてるよ!」と話してみたら「ああ、あの現場は、地元の人でも滅多に行かないところだからなあ」と感慨深そうだった。

 名立会もよく東京で開催されていたみたいだ。
 たぶん、「集団就職」の頃までは実際に機能していたのであろう。

 ちょうど、朝日新聞の日曜版だかのコラムの「サザエさん」で昭和回顧なコラムでも「集団就職」を取り上げていて、あれは昭和版「丁稚奉公」だったんだなあ、と感慨深かった。

 そんな昔じゃなくても、私が高校生の頃は、まだ工場が中国進出が当たり前の時代ではなくて、関西の縫製工場では、集中力が抜群の若い女子工員が重要で、だから、働きながら短大で勉強して、保母などの資格がとれる環境を整備して人集めしているなんて新聞コラムを読んだような気がする。

 それから、バブルの頃になると外国人出稼ぎ労働者の時代になるが、あれは為替格差を利用していたというか、日本人だと、生活カツカツで、生活費を切り詰めても月1万円しか貯蓄に回せないとヘコむけど、物価の安い後進国の労働者だったら、月に1万円溜めて、年に10万円仕送りできれば、本国での都市部の年収に匹敵するわけで、だからこそ、彼らは「6畳一間のアパート」に4人で住んで、肉体労働で得た賃金をせっせと本国に送金すれば、兄弟や子供はそこそこの教育を受けることができたのだろう。

 中国はそうじゃないんらしいんだよね。
 まず、「国内出稼ぎ」であるので、為替格差を享受できない。
 それどころか、農村の福利厚生の整備が立ち遅れているので、医療保険もちゃんとしてないらしく、事故で右腕が不自由な息子をなんとかするのに、日本円で30万円って、日本の中流サラリーマンだってキツい額だ。

 で、その費用を工面するために都市に夫婦で出稼ぎに来るが、「人余り」で日雇いの仕事にもなかなか就けない。

 そういう農村の(モンゴル自治区だったか)小学校が紹介されていたが、両親とも出稼ぎに行っているので、小学校が寄宿舎になっていた。
 村も財政難なので、給食は一日二食で、漬物とご飯だけ・・・・・号泣したよ!

 子供を小学校に入れるのも精一杯で、義務教育ではない高校に入れるために、ある親は、息子と共に出稼ぎに出て、妹娘に教育を受けさせるために頑張っているが、なかなか思うように稼げなくて、とうとう、息子の嫁まで出陣させてた。嫁にはまだ幼い子がいて、その子を実家に預けて旅立つとき、その子がビービー泣いてさあ。

 「子供を保育園に預けて働くの大変ですねえ〜」なんて、友人との会話や職場でよく話すけど、そんなの全然恵まれてるんだねえ。

 で、ヤーなのは、取材したその家族も「父と息子だけでは、娘の教育費に必要なだけ稼げない」ということで、嫁を出動させるのはいいが、たぶん、そうやって頭数だけそろえようという貧農の人たちはたくさんいるので、ますます「労働者余り」になってしまうのだ。

 労働者不足にあえぐ我が職場も中国に人材求めるべきか?と真面目に考えちゃったよ。
 まあ、今、農村から都市部に出る人たちは、中国のそういう政策上、まともな教育受けてないのかもしれないけど、「教育こそが、貧乏からの脱却」ということを知った彼らの子息は「幼少のころから、自分に教育受けさせるために過酷な労働をしていた両親」をきちんとわかっているわけで、彼らの中でどのくらいの割合で高等教育受けられるのかわからないが、ああいう中から這い上がった人材は絶対に強いだろう。

 日本のお水業界にしても、「ブランド物のバック買いたいし〜」っていう日本人ギャルよりも「私の稼ぎで両親の老後と弟の教育費が」っていう後進国ホステスのほうが、気合が全然違うから稼ぐようだけど、今の会社だって「自分探し」な社員よりも「子供のミルク代」とか「フジロック代」とか、現実的な目的を持った社員のほうがちゃんと仕事するし・・・・・

 しかし、中国の農村部、ほんとに気の毒だよなあ。
 医療費や教育費は都市部よりもかかるのに、都市に出稼ぎに出ても、満足な賃金もらえなくて・・・・
 前にも子供の教育のために都市部に出てきた若夫婦がいたけど、農村部の人が都市部に来ると、小学校の月謝が免除されなくて、日本で言えば「私立に入れました」っていう学費になって、夫婦でそれを稼ぐのが背一杯だが、でも、都市部で教育受けさせないと、貧農のままだから、と頑張っているというのが紹介されていたが、地方でも優秀な人材は自然と中央に吸い寄せられるという図式がないのかねえ。

 
4月1日(日)

 わー、体重が55キロ切った〜

 エイプリルフールの嘘としては微妙だけど、嘘じゃなくてホント。
 まあ、他人の体重なんて誰も興味ないと思うが、ジムに通う直前にスーパー銭湯で体重計ったときには57〜58キロだったのになあ。
 中年太りが順調に進行しているときには、全然体重を量っていなかったのだが(家に体重計が無い)、でも、たとえ58キロをちょびっと超えていても「へえ?こんなもんなんだ」と少し驚いていた。

 同年代の友人と話していると「体重はそれほど増えてないんだが、服のサイズだけがどんどん上がる」という話をよく聞くが、私もそうだったらしい。

 自分の体重の変遷を思い出してみると、20代後半の頃は58キロくらいあったのだが、20代後半に激ヤセして(自分ではそういう意識なかったのだが、久々に会う人に「怖いくらいヤセちゃって」と驚かれたりした)、それは、当時バリバリのクラバーだったため、毎週のようにクラブで朝まで踊り、そのあと20時間くらい寝ていたので、あれで痩せたなあ。なので、あの頃は、51キロから52キロくらいだったのだ。

 身長160センチなので、美容体重的には、「ぽっちゃり」であったが、それなりに筋肉もついていたし(特に足)、それにその体重のわりには背中に贅肉が少なかったので(有酸素運動の賜物)体重よりも痩せて見えたのかもしれない。

 それで何年かはその体重をキープしていたし、仕事を辞めてインドに行ったときには菜食中心だったし、日に焼けて引き締まって見えて、たぶん、人生最大に引き締まっていたのだと思う。

 その後、今の職場で働くようになったら、行きも帰りも電車が座れたためか(ラッシュの電車ってけっこうエネルギーつかうからなあ)、そういう年齢だったのか、1ヶ月で3キロ太り、スカートがきつくなってきたので、慌ててスポーツクラブに通い始めたのだが、55キロ超えないようキープするので精一杯だった。

 それでジムに行かなくなる寸前は「もう、55キロ超えたっていいじゃん。中年なんだし」という境地に達していたので、そんなだからジム通いのモチベーション下がったのだと思うが、そんなわけで、ジムに復帰して2週間ばかしで、いきなり55キロ切ったので「あれれ?」と驚いたのである。

 たぶん、前より圧倒的に筋肉が落ちて、脂肪と水分ばっかだったんだろうね。
 とほほ・・・・

 わー、2キロ痩せた〜、なんて素直に喜べませんね。
 まあ、でも数字が出ると、ヤル気が出るのは確かですから、しばらく頑張りましょう。

 数字といえば、キュアのCD買ってiPodの国木田君に食わせてみたら、「そだ、ジム用にもっとテクノ投入しないと」と思い出して、昨日、一昨日はずっと読み込ませてました。

 そしたらついに、1ギガ超えた!

 容量が30ギガもあるのに、せっせとCDを食わせても「まだ表示がメガだよ・・・・」とがっかりしていたのですが、これでやっと30分の1だ!
 ホントは映像やゲームもいれられる機種なんだけど、そんなもん入れる予定ないから、音楽で埋めようとしているのだが、せっかくの大容量を有効に生かすには、ほんと時間がかかるなあ。

 つーわけで、4月1日は、私と国木田君の「ギガ記念日」になりましたとさ。

 そういえば、先日、ジムで帰りにロッカールームから出ると、入り口までの廊下のところで掲示物を眺めている男性がいた。
 髪型はオダギリジョーみたいで、無精ひげ。身長175センチくらいで、スラリとしていて、コーデュロイのジャケットを羽織っていた。
 顔は見えなかった。
 早い話が「斜め後ろハンサム」だったのである。

 「たぶん、中であの人を見ても、目を引かないんだろうな」と確信していたが、今日、やっと中で拝見しました。やっぱし予想したとおりでした(笑)

 ほんと「女は脱いでなんぼ、男は着てなんぼ」というのが私の座右の銘(?)ですが、ジムに通っているとつくづくそう思います。だいたい、私はTシャツ姿の男子に一目ぼれはしないらしい。あと、水着姿が眩しい女子が、ロッカーで服を着ると、急に平凡になってしまうというのも何度も見たっけ。

 一目ぼれといえば、今日の帰りにすっげ〜かわいいムク犬がいて、駆け寄りたくなったが、散歩させてるのが高校生くらいの男子だったので「うーん、あのくらいの男子だったら、私が話し掛けてもナンパだと誤解されないだろうけど、でも、きっとウザそうに対応されるんだろうなあ」と躊躇してしまった。
 いいや、あそこの路地に今度入ってみて、外に繋がれてないか探してみよう。

 しかし、桜並木の遊歩道で、犬に心臓バクバクさせているというのも情けない話である。  

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