可燃物な日々

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 日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました
8月30日(水)

 私より早くに出勤してくるはずのマスオさんが、今日はいなかったので、「昨日、同期の子の送別会だったから、飲みすぎたのね」と思っていたのだが、ほどなく出勤してきて「今朝は横浜に寄ってきてしまいました」と、よくわからん言い訳を言うので「なんで?」って聞いたら・・・・

 「某証券会社に口座開きに行ったんです」

 ひええええ、なぜ?ってゆーか、私のせい?

 以前、日記にも書いたと思うが、証券会社からの営業電話はひっきりなしなので「全部お断りですから。ただし、A証券とは一応、取引があるのだが、そこも各支店から営業電話やDMがひっきりなしに来るけど、取引があるのは本店の○○さんだけ」と教えていったのに、ある日、マスオさんに「B証券から、担当が替わったのでご挨拶に伺いたいって言うんですが、どうしましょう?」と聞かれたので、「マスオさんが、挨拶する分には構わんよ?」と言ったら、それを間に受けたのかなんだか知らんが、本当にアポとっていた。で、その営業マンが来たときにも、「ボクが対応しても・・・」などと、言うので「ちゃんと断りなさいよぉ」と言っておいた。

 当然のことながら、飛び込み営業修行中の今年大学出たばかりの兄ちゃんは、他に行くとこないから、マメにマスオさんを訪ねてくるようになり、仕事が忙しい中でも30分くらいつかまっていて、「だーから、言わんこっちゃない」とからかっていたのだが、私の皮肉が通じてんだか通じてないのかよくわからず、本人は「でも、いったい、何の話していいのかわからなくて」などと言うから「とにかく会社として取引するつもりないんだから、なんで相手してるのかわからないけど、せっかくだから個人で取引してあげれば(笑)」と意地悪を言ったのが先週のことだった。

 まあ、それも、マスオさんが「ファイナンスに興味がある」と知っての軽口であったが、私のあの言葉が背中を押してしまったのだろうか?

 しかし、飛び込み営業って、こういう人がいるから、成り立っているんだろうなあ。
 ちょっと、スパムに似たところがあるような・・・・

 しかし、だんだんマスオさんのキャラがわかってきたぞ。ハイジが「あいつ、変わってるから」という意味も。
 でも、私の冗談をマジ受けしているのか、本人の意思なのか、さっぱりわからないのであるが、彼にわかりにく嫌味言うのは気を付けないといけないなあ。ただでさえ、私の嫌味はなかなか通用しないんだし。

 さて、しばらく不機嫌だったハイジは、今日はややご機嫌で、夕方、2人きりになったときに雑談していたら、ぽそりと「そういや、オレ、今度、アメリカの公認会計士の勉強しようと思って・・・・」

 「な、なにそれ?」
 「あるんですよ、ええと、CPなんちゃらってやつ。そんで、日本のよりも簡単っていうか、論文みたいな課目がないから、受かり易いんだって」
 「で、でも、問題文が英語だろうから、まずそれを読むのが大変なのでは(笑)」
 「たしかに(笑)。それに、試験会場はアメリカなんすよ」

 その資格に関しては、全然わからないので、嫌味の一つも言えなかったけど、おめー、いったい、どうしたんだ?
 去年の今ごろは、税理士資格をとるために、専門学校に通っていたけど、仕事が忙しく学校に行くのも大変だったみたいだが、「やっぱし、難しいから無理だ」とリタイアしていたので、また再チャレンジするならともかく、なぜに米国公認会計士資格?

 いや、その資格をとるために、「留学しようと思ってるんです〜」と言われれば、留学したいだけなんだな、と理解できるし、「だって、外資で働きたいし〜」って言われれば、文字通りに受け取るけどさあ。

 まあ、転職サイトとかに騙されているのかもしれないなあ。

 私の友人たちも、仕事辞めたあと、なかなか思うような転職先が見つからないと、「資格」に逃げる人が多かったもん。
 たしかに、自分も転職で苦労したときには「資格あったほうがいいのかなあ?」と思ったし。

 そういえば、数年前から契約を結んでいる社労士が来てあとに、彼女が数名の事務員を使っていることが話題になり、部長も「それはすごいねえ」と驚いていた。
 すると、ハイジが「社労士って、いんですかねえ?じゃあ、それ目指そうかな」と言ったので、その社労士と主に仕事しているM嬢が、めずらしくきっぱりと「でも、K社長の後ろ盾があるから」と言った。

 その社労士は、元々、叔父会社のK社長の秘書役だった人なのである。だから、M嬢も旧知の人で、向こうも「まあ、またMさんと仕事できるなんて!」と嬉しそうだった。当時、バイトあがりの、たよりなげだった女の子が、総務の社会保険事務担当になっていて、びっくりしたのであろう。

 K社長も、頭がよく、「竹を割ったような性格」で美人の彼女をとても可愛がっていたようで、社労士資格をとるのも応援してくれただろうし、もしかしたら独立にあたっては出資しているかもしれない。
 当然のことながら、叔父会社の「顧問社労士」になり、うちにも「社労士いるとなにかと便利だぞ〜」と紹介してくれて、うちの社長も彼女のことはよく知っていたから「じゃあ、お願いするか」ということになった。

 私と同じ年くらいの人だから、資格をとって、どこかで修行して、独立してからまだ数年だと思うし、中小企業が社労士に払う報酬なんて、年に50万円くらいがせいぜいだと思うから、事務所を構えて、数名の事務員(その人たちも社労士資格持っていたり、勉強中の女性がほとんどらしい)に給料を払うとなると、10や20の得意先では足りないと思うが、そこはK社長の顔で、なんとか顧客を集めたのだろうし、彼女の優秀さもあって、次々と紹介してもらえたのかもしれない。

 いい意味で「中小企業の経営者が気に入りそう」な人である。
 悪く言えば、銀座の女っぽい。

 いくら資格を持っていても、ああして営業センスがないと、稼げないであろう。

 私とM嬢でそんな話をしていたら、ハイジも「そっか・・・・」と納得していたが、「そういや、前の会社でも社労士にお願いしていたけど、その人も二代目で、資格とるのはそれほど難しくはないけど、自分がこうして独立してやっていけるのは、亡くなったお父さんから顧客をそのまま引き継げたからだって言ってたなあ」と言ったら、「そっか・・・・」とさらに納得していた。

 どんな資格もそうだろうけど、資格があっても、仕事に困らないということではない。
 医師や弁護士だって、すぐに開業できるわけでもなく、長いインターン生活があるのだ。
 ましてや、司法書士や社労士の仕事は有資格者だけができるわけでもなく、経験を積めば無資格者でもできる仕事である。最も、有資格者のほうが、役所での通りはいいのだが・・・・(あれも、ある程度の癒着があると思うけど)

 20年くらい前の話なので、今はそういうこと少ないと思うが、うちの母の友人が、不動産の名義書換かなんかの、普通は司法書士に頼むようなことをどこかから入れ知恵されて「自分でやれば、時間と手間はかかるができる」と知って、自分で書類を作成して法務局に持っていったら「司法書士になぜ頼まない」と門前払いを食ったそうだ。

 その友人は、キャリアもあった女性だったので、知恵を働かせて「テロ作戦」を画策した。
 友人のオバサンを数名集めて、再度、役所の窓口に立ったのである。「ですから、司法書士を通して・・・」と窓口の役人が言うと、後ろに控えたオバタリアンたちが、大声で「そんなの嘘でしょ」「そんなわけない」「うちのダンナは公務員だが、そんなはずないと言った」などと騒いだ。

 他の客も「なんだ、なんだ揉めごとか?」と一斉に注目したので、きまりが悪くなった役人は、しょうがなく折れたそうだ。母たちは「ほーら、みなさい」と大威張りだったが、役人の方にも非があるけど、あっちだって忙しいのだから、シロートが持ってきた書類をいちいち検分して「この印鑑が足りない。ここの記述が抜けている。この添付書類が足りない」などとやっていたら、大変なので、「司法書士に頼みなさい」と言いたい気持もわかるし、役所が司法書士のかわりに書類を作成してあげたら、司法書士さんたちが困るであろうし、役所のOBの司法書士も大勢いるだろうし・・・・

 とにかく、「オバタリアン自爆テロ」はさぞかし恐ろしいであろう。

 話はそれてしまったが、ハイジが新たな資格に色気を出したということは、その資格とるまでは今の会社に勤めるしかないわけで(全然貯金ないらしい)、それは私にとっては喜ばしいことで、私がもっと気がきけば「え〜、なにそれ、すっご〜い」と言って、もっと背中を押せたかもしれない。

 私にはそういう才能がないので、ネチネチと経理事務をやっているのです。

 こうなったら、ハイジにはあと10年くらい資格ゲッターの道を歩んでほしい。
 冷静に考えてみれば、ハイジの「資格に生きがいを見出そうとする」というのは、私がロック・フェスに行くようなもんだろう。単なる趣味です。

 ほんとはさ〜
 ハイジがうっかりギャルの1人でも孕ませれば、それで全て解決すると思うんだけどね(笑)
 ハイジの「オレって何のために仕事してるんだろう?」という存在意義の旅も、私の「きぃいいい、ハイジが辞めたら、私がまた残業地獄じゃん」っていうのも。
 誰かなんとかしてくれませんかね?顔はイケてるんですけどねえ・・・・
8月28日(月)

 少し涼しくなってきて、過ごしやすくなりましたが、昨日の日曜日はあまりの過ごしやすさに、目が覚めたのが昼前で、そのまま惰眠を貪り、午後になってもまだ眠く、断続的に昼寝しつづけているうちに、いつのまにか夜になってしまった。

 今日は、やっとKさんに伝票仕訳を教えた。
 ソフトの使い方よりも先に、「交際費と会議費の判断」に熱弁を振るった。
 すでに、出納業務は彼女がやっていて、簡単な出納帳をつけてもらったので、本人は「やり方を教えてもらえれば」を繰り返していたのだが、こっちは向こうがどの程度、わかっているか見極める必要があるので、好きにやらせてみたのである。

 それでどうやら「交際費」についての知識がなさそうだったんで、念のため「交際費と会議費の違いってわかります?」と聞いてみたのだが「うーん、自分なりに勉強してみたんで、そういう項目があったような気がするけど・・・」という中途半端な返事であった。よしよし、そこで「損金不算入のこと?」なんて言われたら、またカチンと来るけど、素直に聞く気があるのなら教えよう。

 そんで、こういう場合は最初のカマシが大事だと思い、「まず、飲食費を会社の経費とするためには、接待した相手の氏名を全て書かないといけません」と言ったら、「え?じゃあ、この前、全体会議があって、お弁当を用意したんだけど、20人くらいいた全員の名前が必要なの?」

 ・・・・・・こりゃ、手強いぞ。
 でも、事務経験が全く無い人ってこういうもんかしら?

 そんで、いろいろ説明した後、脅しのために「きちんと接待した相手の氏名を書かないと、使途不明金になってしまいます」という強烈な一言を浴びせたつもりだった。

 そしたら「そうなの、じゃあ、そういうときには使途不明金っていう費目にすればいいのね?」

 ・・・・・・ええと、なんでこういうシュールなお笑いの展開になるのだ?

 「いや、使途不明金っていうのは、裏金みたいなもんで、要するに犯罪なのです!やってはいけないことです!」と、だんだん表現が大袈裟になってくる自分も恐ろしい。つーか、今まで社内で「こんなんじゃ経費にならんでしょ。使途不明金になっちゃいます」と言えば、みんな「そ、それは・・・・」と怯んだのによ〜

 学歴もあるし、いろいろ勉強熱心な人であるが、けっこうポッカリと天然ボケなことは本人自らアピールしていたので、かなりウザかったけど、本当にそうなんだな・・・・・

 さて、そういう人に「社員がお得意様の会合に参加するときに、暑中見舞いとして3万円持たせた」とかいう支出は気軽にしないでくれ、と説明するのにエラい時間がかかってしまった。
 そりゃ、そういう費用が発生する場合もしばしばあるけど、経理としては「あんまし、よろしくない」とわかっていなければいけないのだが、Kさんも、彼女の上司もそういうのに疎いので、放っておくと、際限がなさそうな気がしたのである。

 まあ、当分は彼女が現金出納の伝票打って、私がチェックするだろうから、そのあたりはだんだん理解してもらうことにして、いざ、伝票を打たせようとしても、やはりどうしても「費目一覧」が欲しいという。
 私は長い経験で「シロートが勝手に費目をつけると、よろしくないことになる」というのがわかっていたので「いや、一覧じゃなくて、先月のを見て真似してください。だって、ほとんど同じような費目でしょ?」と言うが、それでは説得力がないのか「でも、費目とかほんとに全然わからないので・・・・」と不安そうだった。

 私もいい例がとっさに見つからなかったので、費目一覧は出ないと誤魔化していたのだが、そしたら、Kさん自ら「いい例」をやってくれました。

 社員の市民税を現金から支払ったときの仕訳。
 「ええと、市民税ね?市民税・・・・と、あら、無いわ?法人税なんちゃらでいいの?」

 「いいえ、違います。さっき、自分で勝手に費目当てないでくれって言いましたが、こういうことがよくあるからなんですよ」

 と、社員の市民税は「預り金」という課目になると説明。
 意味がわからず、きょとんとしているKさんに「この市民税は、社員が支払う市民税です。なので、給料から天引きした金額を預って、預った金額を会社が代理で支払っている。右から左に流しているだけです」と、くどくど説明したら、わかったんだかわかってないんだかわからんが「私も何人もの後輩に経理の仕事を教えましたが、最初はみんな、こういうのを無闇に税金課目にしようとするので、だから、勝手に知らない課目使うな、と教えているのです」と言ったら、とりあえず「課目一覧」は諦めてくれたようだ。

 最初っから貸借課目(預り金とか借受金とか)を自在に扱えるわけないし、誰だって最初は限られた損益課目(消耗品費とか交通費とか)からスタートするんだからねえ。

 でも、おかげでKさんも「家計簿とは違う」ということをわかったらしく、自分では全部できるつもりでいたようだが、初っ端から難易度の高いことでごちゃごちゃ言われたので、「とりあえず、現金伝票で慣れてもらってから、預金のほうもやることにしましょう。まあ、最低でも1年がかりですね」と言ったら、「も〜、私ったら、ほんとにこういうの苦手で〜」とまくしたてていたので、それは彼女の口癖だとしても、「教えていただければ、私でもできると思うのよ?」っていう態度が少し和らいでくれるといいが・・・・教えるのも大変なんだってば。

 ほんと、今だって、春から始めたマスオさんが、勝手にあれこれやってしまうのを影でこっそり直したりしながら「これは、どう指導していこう?」と思い悩んでいるところなのに。

 その会社、なぜか社員に現金をばら撒く悪癖があり、それがきちんと給与として処理されていればいいんだけど、それぞれに名目があり「新しく入ってきた人に研修を受けてもらったときに研修費として払う」なんてときに、今のKさんだと「研修費」なんて課目を見つけてしまいそうなので、「名目はどうであれ、会計的には全て給与の前払いなんです」と何度も説明したが、まだピンと来てないんだろうなあ。

 まあ、ゆっくり覚えてもらいまひょ。
 とりあえず今日は、マニュアラーっぽいと踏んだKさんに「費目って、これはこうっていう正解はなくて、会社によって全然違ったりするんです。この会社は立ち上げたばかりなので、費目については私も検討中です」と、マニュアルさえあれば誰でもできるもんじゃないのよ〜、というカマシを入れておいただけである。M嬢が言っていたとおり、なんでもかんでも全て把握してないと不安な性格らしいので「じゃあ、こういう場合は?ああいう場合は?」と先走るが、「そういう場合は私でも判断に困ることがありますので、いちいち相談してください」と言い含めておいたが、さて、今後、言うことを聞いてくれるかどうか。

 家に帰ったら、困った留守電が・・・・

 「○○さん?静岡の△△ですが、お久しぶりです。今度、東京に出る機会があるので、よかったらお会いできないかなあと思いまして・・・・」

 うーん、品の良いオバサンの声だ。困ったなあ。私、○○さんじゃないし・・・・「また、夜にかけなおしてみます」と仰っていたので、「早くかけてきてよ〜、気になるじゃない」と思っていたら、さっきやっとかかってきた。電話番号は合っていたので、書き写し間違いだったんだろう。丁寧にお詫びされたが、その○○さんと、連絡とれるといいですね。

 その昔、留守電に小学生低学年くらいの女の子の声で「おばちゃ〜ん?○○です〜、今、駅についたの〜、待ってるから迎えに来てね〜」というメッセージが入っていて、「うーん、この子は無事におばちゃんと連絡がついたのだろうか?」と気をもんだっけ。

 
8月26日(土)

 やっと「昭和史の謎を追う」を読み終わった。出勤だったので、通勤の往復で。

 最後の方で、なぜか従軍慰安婦問題が出てくるので、「わりと自系列に並べているのに、なんでこんな最後のほう?」と思ったら、補償問題を核にしていたようで納得。ウィキペディアで著者の秦郁彦のこと調べたら(というか、毎度のことであるが、何かを調べようとするとウィキペディアが上位に食い込んでくるご時世で)「南京虐殺については中間派。従軍慰安婦については否定派」と書いてあったのだが、「昭和史の謎を追う」の従軍慰安婦のくだりを読んでから「別に否定はしてないじゃん」と思って、ウィキペディアのほうを確認してみたら「日本軍による慰安婦の組織的強制連行の可能性については否定的」となっていたのでした。

 でも、これほど「客観的な実証を重んじる」というクールなスタイルをアピールできる人でも、なぜか慰安婦問題なると、なんとなく腰がひけてるというか、腰がふやけているというか、「だって、みんなやってるじゃん」な書き方をするあたりが興味深い。慰安婦問題って、立ち位置が難しいんだなあ。

 南京虐殺の被害者の中には好き好んで殺された人はほぼ皆無のはずだし、そりゃ世の中には自殺する人は多いけど、ああいう殺され方をする「自殺」を選ぶ人はいないだろう。
 でも「慰安婦」は、自ら進んでその仕事を選んだ人もいるわけだし、仕事(と言えれば)としては珍しくもなく、「世界最古の職業」とまで言われているが、でも、医者や弁護士のように胸を張って言える職業でもないあたりがややこしい。

 なので、「従軍慰安婦問題」っていうのは、どうやら「日本軍による組織的な連行があったか?」というのが問題らしいが、でも、今だにあれは引きずっているので、ときどき世間の話題になるが、人によって、どこを問題にしているのかポイントがかなりずれているんだなあ。と、今さらながら気が付いた。

 それが、例えば「従軍プログラマ問題」だったりして、朝鮮人や中国人の貧しい若い子女を「日本軍でいい仕事があるよーん」と騙して連行して、3ヶ月くらいみっちりヤリ手ババアが仕込んで、駐留地に派遣して、一日15時間くらいコード書かされた、という話だったら、当たり前だけど全然問題にならないわけで・・・・

 シベリアでの強制労働なんかも、捕虜としてやってるから問題なだけで、志願した人に給料払ってやれば、「プロジェクトX」だったりするが、「慰安婦」はどうやっても「プロジェクトX」にならないあたりが難しいなあ。

 だって、たとえば、志願した慰安婦がいたとして、そういう人を外地に輸送中に、随行する兵隊が「いいや、やっちゃえ〜」って強姦したら、「なんてひどい!」であるが、輸送中のIT技術者に随行する兵隊が「オレのパソコン調子悪いんだけど、見てくれる?」っていうのは、誰も問題にしないだろう。もちろん、IT技術者が「ぼく、勤務中じゃないし〜」と拒否して、リンチに遭ったというなら別であるが。

 まあ、売春に関しては、現代社会でも「援助交際」を社会の病理=社会の責任とみるか、バカな女子高生や、そういうのに大枚払うバカなオヤジたちの個人の問題とするか、「そんな問題、太古の昔からあったわい」と人類の遺伝子に書き込まれた潜在的病理の顕在化として「肥満問題」と一緒くたにするか、解釈が分かれるところであろう。

 なんだかわけわからなくなってきたが、秦氏が軍隊に売春婦っていうこと自体は古今東西普通のこととする論調にふと思い出したのは、昔観た映画で、たしか「ドイツ 青ざめた母」って題名。
 うちのママンと試写会に行ったのだ。
 地味な作品だったので、試写会の応募に当選しちゃったのだろう。

 たしか、ドイツの女性監督が、自分の母をモデルに描いた硬派な映画だった。岩波ホールで上映されるたぐい。

 印象に残っているのは、新婚早々の若夫婦が夫の従軍で引き裂かれたのであるが、生真面目な夫は、軍務での休暇の際、コンドームが支給されるのに受取拒否して、同僚たちに冷やかされても、じっと我慢していた。
 その夫が、長期休暇だか任期明けだか忘れたが、ともかく妻の元に帰省できることになり、妻は戦時下の物資の乏しいときであったが、古いブラウスに、掻き集めた刺繍糸で夫の帰りを待ちわびながら「少しでもオシャレしよう」とせっせと刺繍していた。

 やがて、久々の夫婦再会。
 日本のその手のドラマでも見慣れた、軍服姿の夫と、清楚ながらも精一杯オシャレした妻が見つめ合うシーン。妻は刺繍したブラウスを纏っていて、観客はその刺繍にこめる妻のけなげな気持をよくわかっている。

 しっかし、夫はいきなり妻のブラウスに手をかけ、もどかしくて、ついつい力が入り、妻が丹念した刺繍の部分を破いてしまうのである。

 役者の演技とはいえ、そのときの両者の表情は傑作であった。
 うちのママンも大喜びで、映画を観終わったあとも、娘に「もー、ダンナのほうは、もー、ハー、ハーって感じだったのよね?」と熱く語っていたが、私は苦笑しながら心の中で「おがーさん、私はまだそういのよくわかりませんし、わかりたくもないんですが、そのあたりご考慮いただけないのでしょうか?」と思っていた。

 あのころ私は何歳だったのでしょう?
 たぶん、高校生だったと思うのですが・・・・・

 母は私が17歳くらいになると「ミヤノは大人だからわかるだろうけど、ぐふふ」と、そういう艶聞(?)の感想を言うようになり、私も経験はないにせよ、勉強熱心だったからけっこうわかっているつもりだったし、親がそういう会話でこっちがどの程度まで経験しているか探っている意図も把握していたので、とても困りました。

 そういう私怨はさておいて、あれはほんとに印象に残るシーンだったなあ。
 観客は、双方がどれだけ相手を愛しているのか、ってゆーか、どれだけキリスト教的にきちんと相手を愛しているのかわかるのだが、「戦争」というファクターで、正統派の愛情が微妙にすれ違っていく悲劇を堪能できました。

 がーん。
 ハンカチ王子佑ゃんで盛り上がる早稲田実業野球部であるが、おかげで荒木大ちゃんもコメント取りが殺到して、かつての「大ちゃんブーム」もマスコミに土地挙げられていたが、さっきNHK観てたら、荒木の早実時代のチームメートであった小沢がもう亡くなっていたとは・・・・

 荒木は「1年生投手」として甲子園のヒーローになったけど、小沢も荒木と同じように早くからレギュラー内野手として活躍していて、私は荒木以上に注目していたのだ。(要するに「小沢くんファン」を名乗って、「わたしってミーハーじゃないのよ」を表明していたつもりである)でも、小沢は体格が小さかったので、プロにはなれないと思ったけど・・・・

 先日も、ふと「小沢くん、どうしてるのかな?」と思っていたが、まさか死んでるとは思わなかったよ。

8月25日(金)

 「暑いから、部屋でゴロゴロしてるよりも会社で涼んでいたほうがいい」という信念(?)と、8月は休む人が多いので、電話や接客の仕事が少なく、自分の仕事がサクサクと捗るという合理的な理由により、夏休みをとらず(有給を全く使わず)がむばっていたが、お盆期間はあまりにも出勤してくる人が少なかったため、だんだん、出勤していることがミジメに感じられるようになり、暑いからそもそもヤル気ないし、ええい、こうなったら、私だって休むも〜ん、という気分的なものと「こうして、毎年、8月に有給をケチるから、2月や3月に消化しようとしても、休み切れなくなるんだ」という冷静な計算を駆使して、とうとう一日だけ有給をつかって、平日に2連休にしました。

 そんで、何をやっていたかというと、コンタクトレンズを作りに行った以外には、ほとんど部屋に篭って読書三昧。
 しかし、クーラー使わないのでさすがに暑いから、ときどきファミレスなどに避難してましたが・・・・

 そんで、2日間、テレビもほとんど観ず(でも、「笑っていいとも」はきちんと欠かさないあたりがすてき)、パソコンも立ち上げず、夜中まで読みふけっていたのは「昭和史の謎を追う」 っていう文庫本の上下巻です。

 読み始めたら面白くて、電車の中でずっと読んでたんだけど、なにせ、漢字が多いし、字もびっしり詰まっているので、なかなか読み進まなかったので「こうなったら、会社サボって集中攻撃だ!」と息巻いたのですが、結局、2日間読みふけっても、下巻の4分の1くらい残ってしまった。

 この手の本が好きな人には、有名な本なのかもしれないけど、なにせわたくし、満州事変とか、226事件などを「名前は知ってるけどぉ」だったので、時系列もはっきりしないが、詳細もよくわかっておらず、とりあえず「暗黒の昭和史」とか「軍部の暗躍」程度の理解(理解以前であるが)だったのですが、この本のおかげさまでなんだかとってもよくわかったような、よけいわからなくなったような(笑)

 ただ、この本の好ましい点は、「正解」を押し付けることが少なく、諸説入り乱れる「昭和史の謎」に対して、今だに解明されてない点をきちんと押さえつつ、「著者はこう解釈する」という控えめな表現で著者の見解を述べているあたりでありましょう。
 でも、南京虐殺論争なんかは、著者が中間派であり「大虐殺だった!」という派閥と「そもそも、虐殺などなかった!」という派閥に上下から攻撃されたことを「当事者でありながら、客観的に考察してみる」という態度で臨みながらも、ライバル論者たちを痛烈に皮肉っており、そういう人間味あふれる態度にさらに好感が持てる。

 他の著書を読んでないし、この著者のことを何も知らないのだが、どうやら相当の軍事オタクみたいだけど、でも、今でこそ、若い男子はゲームで戦争するのに夢中だけど、私より前の世代だと、「○○戦史」みたいな本を熱心に読む男子は多かったから、そのあたりも微笑ましいのだが、でも、はっきり言って、そっち方面が微細に書かれると退屈だから読み飛ばしてしまったけど、つーか、こっちは、大佐とか大尉とか大将とか小隊とか大隊とか部隊とか師団の区別がようついとらんので、実は本当に面白いのはそういう分析なのかもしれないが、そういうのがわからなくても、まるで高村薫のミステリー小説読むみたいに夢中になってしまいました。

 でも、昭和天皇の捉え方については、ちょっと出来すぎのような気もするが、でも、それも一つの視点として考えればいいだけだし・・・・・てゆーか、あれだけテレビで慣れ親しんだ昭和天皇であるが、私は明確なイメージを全く持っていないわけで・・・・

 一つ、宿題として残したのは、南朝天皇家末裔として名乗りを挙げた熊沢天皇を扱った記事で、「明治維新は南朝イデオロギー」という意味がよくわからなかったのである。
 明治維新も苦手分野だしな。
 つーか、得意分野あるのですか?

 オジサンたちには評判悪かった、大河ドラマの新撰組を観て、「へえ、新撰組ってこういうんだったんだ」と感心していたくらいだから、「日本の歴史モノ」にとことん疎いのは自覚している。忠臣蔵なんかも、登場人物が比喩としてよく登場するが、「吉良どの」くらいしか、自分の中でキャラが確定してないし。

 しかし、大河ドラマで勉強した甲斐があり、この本で終戦直後の兵士たちの反乱(「日本のいちばん長い日」という映画の題名は、なんとなく知っていた程度)について「まるで、幕末の京都のように人斬りが横行していた」と書いている意味がかろうじてわかりました。

 いやー、しかし、この本読むと、いかに第二次世界大戦のころの日本がいかに立派な「ならずもの国家」だったか、再確認できてしまい、「今のイラクや北朝鮮どころじゃないでしょ?」と恥かしくなってきます。
 もっとも、どこの国も似たりよったりだと思うし、そもそも人間なんてそんなもんだ、と月並みな感想しか出てきませんが・・・・・

 って、仕事サボって部屋でビール飲みながら、寝転がって読んでいるような私に言われたくないでしょうけど(笑)

 全然関係ないが、その昔、友人らとたぶんNHKのドキュメンタリーの話題になって、そんな会話になったんだと思うけど、私がうっかり「えーと、あの246事件の・・・」って言ってしまい、「それは、青山通り!」と総ツッコミを受けたっけなあ。

 そういうわけで、日本の近代史については、たぶん中学校の教科書程度の知識しかなかったし、あのあたりを題材にした本は「重いし暗い」と食わず嫌いして避けていたのですが、こういう切り口だと面白いんだ、と目からウロコだったので、この著者の他の著作も読んでみよっと。  
8月22日(火)

 昨日の補足。
 「部屋の床も寂しがりやである」
 もしくは、寒がりなんだろう。羊の毛みたいに、キレいに刈ってもすぐに伸びるもんね。

 姪っ子Nちゃんは、お母さんが入院中でも、その事実を幼いなりに受け入れて、まだ一度くらいしか「ママー」と泣いたことはないらしい。寝ぼけて泣くときも「おばーちゃーん」と言って泣くんだそうだ。我がママンも感心していた。

 それでふと思い出したのだが、私も今の姪っ子と同じくらいのときに、祖母宅に預けられていたような記憶がある。Nちゃんは幼稚園の三年保育の一年目だけど(今年4歳)、私のときには二年保育が普通だったから、年少さんのときだったのかなあ?
 とにかく、夏休みの間の長い期間、祖母宅に1人で預けられていたのだ。どのくらいいたんだろう?自分では「夏休みのほとんど」と思っていたけど、もしかすると、せいぜい10日間くらいだったか、さらにもしかすると、たったの1週間だったのかもしれない。

 自分では「預けられた」とは思っていなくて、自主的に「おばーちゃんちに行く」と言い出したと思っていたけど、今から考えると、三歳下の弟がまたヨチヨチなのに、母は次の子を身ごもって、けっこうしんどかったから、夏休みだけでも祖母に預けたのかもしれない。
 そうなると、私が6歳のとき?だとすると、5月に妹が生まれており、乳飲み子の世話で大変だったからなのかなあ?
 今度、母に確認してみよう。

 でも、あのとき、父方の祖母宅を受け入れ先として選んだのは自分だったと思う。今でもそういう性質は残っているけど、あのころ、ほんとに半端じゃない人見知りで、母方の祖母宅は苦手だったのだ。当時、まだ独身だった母の兄や弟もいたので、居心地が悪かった。
 その点、父方の祖母は未亡人だったし(祖父は私と入れ違いにガンで亡くなっていた)、その息子である私の父は一人っ子だったので、叔母や叔父や従兄弟などが揃うこともなく、いつもシーンとしていた。

 そして、「箱崎のおばあちゃん」は変わり者というか、人嫌いというか、子供嫌いでもあったので、孫を可愛がることもなく、淡々と接してくれたので、人見知りの私には、そっちのほうがよかったのである。
 しかし、後になって、私が小学生になってすぐに同居することになったのだが、その祖母は「孫の面倒なんかごめんです」な態度だったと母から聞いたが、その祖母が、よくぞ私を長期間預かったものである。やっぱし、そうなると、妹が生まれたばかりで、大変なのがわかっていたから断れなくて渋々だったのかも。

 で、記憶に鮮明なのは、その期間、私がかなり安穏と過ごしていたことである。
 たぶん、その頃すでに、「どーせ、お母さんは弟の世話で大変で、私のことなんて構ってくれないもん」とイジけていたのかもしれない。「ほら、おねーちゃんなんだから」という、理解不能の概念に疲れ果て、自ら「あたし、おばーちゃんちに行く」と言い出したのかもしれない。人見知りのくせに、チャレンジ精神は旺盛だったから、「1人でオバアチャンちにいるとどんなかな?」と実験してみたかったのかも。

 祖母は、私が長じてからも、動物園のヤル気のない動物のように、じっと狭い部屋の中で座っているような人であったが、いちおう私にもエサはくれたんだけど、それは質素で不味かったはずだが(同居していたとき、母が不在だとときどきご飯を作ってくれたが、不味い食事を作る才能豊かな人であった。夕飯の味噌汁の残りをただ水で薄めたものを朝食に平気で出すのである)、「なんか、これおいしくない」と言うと、「あ、そう、じゃ、食べなくていいわよ」と心の底から素で言われるので、逆に文句も言わずに食べていたような気がしなくもない。ああいうふうに突き放されると、幼子といえども「これは、嗜好の問題ではなく、生きるためには食わねば」と必死になるようである。

 でも、彼女なりに世話してくれたらしく、何度か一緒に三越(日本橋本店までバスで行けた)に連れていってくれたが、なんか買ってもらった記憶もないが、帰り道に商店街の文具屋で、色紙とプラスチックのハサミがセットになったのを買ってくれて、私はそれで飽きずに色紙を切って遊んでいたのであった。あと、粘土とか。

 いったい、毎日、ずっと何やってたんだか。
 たしか、隣の家のおねーちゃんが、けっこう遊んでくれたのだ。
 東京の下町だったので、祖母宅には風呂がなかったが、その隣のうちによく「もらい風呂」しに行ったのは覚えている。どんな風呂だったか忘れたが。
 隣の家にもバーサンがいて、前歯が全部銀歯でダミ声の陽気な人だった。私が大きくなって、両親が訪ねてみたら、まだご健在だったらしいが、しばらくして亡くなったと聞いた。私もなぜか、あのバーサンには懐いていたが、うちの祖母もそうだったらしく、よく一緒にお茶を飲みながら世間話をしていたっけ。

 あのときのことをずっと覚えていたのは、自分が「可愛い子供」ではなくても、全然気にしないというか、そんなことに興味のない人のそばにいたときの安堵感を変に美化していたからであろう。
 弟や、近所の同年代の女の子というライバルから離れて、伸び伸びとボーっとしていたような気がする。

 それに、祖母のほうも、偏屈な自分と性格がクリソツな幼稚園児と一緒に過ごすのは、そんなに嫌でもなかったかもしれない。でも、たぶん、後で「もう孫の世話を押し付けられるのはごめんです」と言って、母をムっとさせたとは思うが(笑)

 で、話は戻るが、今のところ、姪っ子Nちゃんもママの入院をじっと耐えているわけでもなく、けっこう彼女なりに楽しんでいるのかもしれない。だいたい、自分がなんかやらかしても、自分じゃなく、パパのほうがバーサンに叱られていたりするわけで、パパのほうが萎縮しているので、Nちゃんにしてみれば、ちょっと面白い状況かもしれない。

 この間も、私が麦茶を欲しがったら「まだ冷えてないから、氷入れてね」と言われ、私はついつい手掴みで氷をよそったら、ママンに渋い顔をされたが、その後にNちゃんも「むぎちゃのむー」と言うので、ママンが「はーい、じゃあ、氷は自分でとってね?」(なんでも自分でやりたがる年頃らしい)と言ったら、Nちゃんは、さっそく氷を手掴みしたので、ママンに「あんたが、ああいうことするから、真似しちゃうじゃない!」と私を叱ったので「すんません、すんません」と平謝りである。

 その横でNちゃんは「なにか問題でも?」と超然としてました。

 女の子はやっぱし賢いね。
 パパやおばあちゃんは、なんだかんだ言っても甘いのであるが、じいちゃんは、弟曰く「一番、沸点が低いから(笑)」、Nちゃんがなんか我がまま言うと、すぐに怒るようで、Nちゃんも、ジージが不在のときに「おじーちゃんは、怖いから嫌い」と言っていたのに、ジージがいると、そんなそぶりも見せず、精一杯、いい子を演じていたりする。

 我がママンは「Nちゃん、お姫様のように甘やかされてるから、私がけっこうしつけているのよ」と私に愚痴るが、実状は、外出から帰ると、まっさきに洗面台に向かって手を洗っていたのはNちゃんで、私はそれを見て「あ、手を洗わんといかんな」と真似したのに、ママンが「さー、スイカ食べるわよ、Nちゃん、まず手を洗って!」

 「あのー、おがーざん、Nちゃん、洗面所直行で手を洗っていて、私はしつけがなってなかったので、それを見習って手を洗いやした」と言うと、「あら、あら、あら〜、じゃあ、S太郎!(Nパパ)、手を洗いなさい!」「え〜〜〜?」

 うちより、よっぽどきちんとしつけられてるのが露呈されてるのですが(笑)

 弟も「Nちゃんのほうが、オレよりちゃんと歯磨きしている」と暴露してました。

 ママンも「私が世話しているから、Nちゃんも成長しているのよ」と当初は言っていたのに、だんだん「てゆーか、ママンの娘や息子のほうが全然ダメみたいなんすけど」という真実が露呈されてきたので、いつのまにか、「ほんと、Mさん(嫁)、よくしつけてるから、全然手間かからないわ〜」という「嫁自慢」に変換されてました。

 我がママンに言われて、私も「なるほど」と思ったのは、外出してても、全然買い食いをねだらないあたり。
 おやつをあまり与えてないようでした。
 ミヤノ家の子供だったら、ちょっと外出したら、「あれ買え〜、これ食いたい〜」と大騒ぎなはずですが、毎週末、近所のショッピングモールに出かけているNちゃんは「車でお出かけ」=「買い食い」と思ってないようで、それがママンにとっては肩透かしみたい。

 自分の子供たちだったら、銀座に行ったら「マクドナルドにコージーコーナーだよねっ」と目を餓鬼道にランランと輝かしていたのに。つーか、ほんとに「お出かけ」=「なんか特別な食い物」だったのです。

 なので、ママンの愚痴は「車でお出かけしてるから、運動不足なのよ」だったりするんですが、でも、IKEAのあの長い通路(順路が一筆書きになっているので、大人でもけっこうくたびれる)を延々と歩いても、全然グズらないんですから、それなりに運動もしているようです。

 ママンは「でも、なんかプクプク太ってて、私とお父さんでけっこう運動させてるの」といいますが、あんたの息子(NパパのS太郎)だって、このくらいの年のときは、まるで起き上がりこぼしだったよ!ほんと、ぷくぷく太って可愛かったもん!

 で、結局、Nちゃんは、あの当時の弟の可愛らしさと、そういうのを冷静に観察していた私の賢さを併せ持ち、しかも、クルクル天然パーマは一族最強で、素で縦巻きロールになってるんですよ。
 あのまま中学生になったら「天パー証明書」が必要なほど強力ですが、どっかの時点で違う遺伝にシフトするんだろな。で、なんか、ヤブにらみな感じはママンの幼いころにクリソツで、おかげでミヤノ家の面々には「わー、こういうコ、観たことある〜」と大人気ですが、嫁さんの実家ではまた違う受け入れられ方してるかも。

 私のことを「おばちゃん」と言わずに「おねーちゃん」と呼ぶ気質は、ミヤノ家には無いので、気立ての良さは嫁の家系かもしれない。

 仕事の愚痴。
 Kさんに「ちゃんと教えてもらえれば、私でもできると思うの〜」と攻め立てられていたので、「じゃあ、明日やりましょう」と、予定していたのだが、昼前になって「すいませーん、急に外出することになって」と言うので、ほんとにどーでもよかったのだが、夕方になってまた「今日は、ほんとーに申し訳ない」と言われたので、こういうときにはフレンドリーな口調でかわそうといいうか、「で、いつ暇なんすか?」とお詫びはいいから、新たにスケジュール構築しましょう、という前向きな態度で臨んだのに、「それが、今週はダメそうなの〜。ほんとに、ほんとに、申し訳ない」と言われても、いや、だから、そっちが「教えてくださ〜い」と言ってるだけで、こっちはほんとにどうでもいいわけで、だから、お詫びの言葉よりも、いつだったら引継ぎができるか、教えてくだされば、こちらが可能なかぎり対応しますけど・・・・

 「そしたら、来週の月曜日になってしまうと思うの。ほんとに、ほんとに、申し訳ない」

 とか言われて、少しプチンと来たので、

 「ワシのほうは、別に急いでないので、それでいいっす」

 と、なぜか「ワシ」になってしまった。

 「でもでも〜、せっかく、今日、スケジュールあけていただいたのに〜」

 「いや、ですから、ワシは別に急いでなかったっす」

 我ながら、「ワシは・・・・・」という自分が情けなかったが、相手が恐縮しているフリをしてるので「おいどんは、そげなこたあ、どうでもよかとです」と表明したかっただけなのに、それがなぜか「ワシは・・・・」に自動翻訳されてしまう、自分の小ささにメゲてました。

 ほんとは「やっだ〜いいんですよ、そんなこと、気にしないでくださ〜い。Kさんも、おいそがしそうで、ほんとに大変そうですよね、きゃは?あたしのほうは全然オッケーですから、いつでも都合のよろしいときに、いってくださいって、ほんと、気にしてませんて、あっは?」って言いたかったのに、なんでそれを「ワシはどうでもいいです」って言っちゃうんだろうね?

 やはりこれも、うちのママンの教育が悪かったとしか・・・・・

 それはそれでいいのだが、たぶん、弟の嫁は小姑たちの「あ、ごめん、あたしったら、ついつい自然体でさあ」の恐ろしさをちゃんとわかっており、そういう娘たちを育てた姑に、自分の幼い娘を託す辛さを考えると・・・・・すいません。
8月21日(月)

 「お金は寂しがり屋」というのは、「水は低いほうに流れる」ほどの物理的確証がないけど、それと同じくらいの「法則」に感じられるというか、自然科学じゃないほうの科学ってゆーのか、人文科学だか社会科学の範疇においては、「お金は寂しがり屋だから、お金がたくさん集まってるところにさらに集まる」というのは、それなりの法則として認められているのかもしれない。

 それに、人間だって、都市に集中するんだから、やっぱし、寂しがりやなんだろうし。
 うちの父親だって、「本読んで、ゴロゴロしてるだけで幸せ」って人だとずっと思っていたが、週一回の仕事や趣味サークルの合間を縫って、息子宅に足しげく通っているようだったので、やはり側溝に落ちている誰も拾わない孤高の一円玉でいるよりも、958円入っているお財布の中にいるほうを選ぶのであろう。

 私も「人ごみは嫌い」と言いながら、ついつい三万円くらい入っているお財布にときどき自ら潜り込んだりするし(フジロックやサマソニのことらしい)、なんだかんだ言っても、1千万円の預金の一部である。(東京都のことらしい)

 そんなことはどうでもいいが、今日、ふと思ったのは「お金も寂しがり屋だが、お肉もそうらしい」と気が付いたからである。

 ゼロ金利解除の影響だか知らんが、なんかすごく利息がついているようで、なーんもしなくても、増えていくんですけど、お肉預金。まさに利子が利子を生むって、これのことだろう。
 このバブルが崩壊する可能性が全くないあたりが、さらに恐ろしい。

 原因は原油高騰ではなく、暑いからビール飲み過ぎだと思うのだが、とうとう長年使っていた唯一のベルトの最後の穴がきつくなってしまって石油ショックではなく、精神的に大きなショックであるが、グローバル経済に責任をなすりつけられないあたりが悲しいが、でも、肥満は飢餓よりも深刻らしいので、グローバル・スタンダードといえるのかもしれない。

 以上、「わーん、また太ったよ〜ん」ってだけの話です。
 でも、会社で30代半ばの後輩が「なんか、体重変わらないのに、服のサイズだけが・・・」と嘆いていると「いらっしゃーい」と喜んでアドバイスというか「それは、ただの中年太りなので、早く諦めなさい」と偉そうに言えるんですけどね。でも、後輩たちは、まだ事態を楽観しており「○○ダイエットがいいかな?」なんて騒いでいるけど「中年太りは、運命的なものだから、何やっても無駄」と優しく助言しております。

 そういや、会社でも「にわか高校野球ファン」が増えていた。高校野球ファンといか、「きゃー、斉藤君かわゆい〜」
 ハンドタオルで顔を拭う姿が評判だったので、私もついついチェックしてしまったが、表彰式しか観なかったので、「うーん、微妙」と言っていたら、横にいた部長に「彼は、投げてるときのほうがカッコいいよ。うちのカミさんも夢中だ」と解説された。

 しかし、こんなに話題になった高校野球も、松坂以来ではないか?
 「荒木2世」というのだって、荒木が活躍したのは、私が中学生のころですし、たしかに年齢的にはほんとに2世である。

 「高校野球に興味なかったけど、斎藤君はかわいい〜」と言う30代女性たちに、オジサンたちが「あんたら、少し前はにわかサッカーファンだったくせに」と言っていたけど、高野連は「してやったり」であろう。
 「にわか」が増えないと商売になりませんから。

 私も中学生くらいまでは、高校野球大好きだったけど、だんだん興味を失ったな。
 野球好きだったので、だんだんわかってくると、プロ野球のほうが面白かったのである。
 なんか、高校野球がモーツァルトだとすると、プロ野球はマーラーかなって思ってさ。

 私がまだプロ野球に興味があったころ、「試合のスピードアップ」がよく取りざたされたことがあった。
 プロ野球サイドとしても、それは問題だと思っていたようだが、そうこうしているうちに、その後のサッカーブームに押されることになり、そうなると「試合のスピードアップ」をサッカーと比較しても、ゲームの性質上、太刀打ちできないので、最近はあんまし問題にならないというか「そもそも、問題はそこではない」というような雰囲気になったのだと思う。

 ちょうど、そのころ、すでに斜陽だったクラシック業界でも「演奏のスピードアップ」が話題になっていた。
 私はときどき友だちが演奏するクラシック演奏会に行っていたので「マーラーって、なんでこんなに眠いんだろう」と思っていたけど、クラシック業界でもそれは問題になっていたらしい。

 元々、もっと早いピッチで演奏されていたようだが、だんだん遅くなっていったらしい。
 音楽通には、遅いピッチのほうが味わいがあるらしいのだが、シロートには眠たいだけらしかった。

 たしかに、プロ野球にしても、よくわかっている人にとっては「1球投げるだけで、こんなに延々とサイン交換して、間合いとって」というのは、それだけでもドラマがあるのだ。そういう合間に、野村スコープなんかで、詰め将棋の解説みたいのやってたわけである。
 そんで、クラシックでも、たしかによく知ってる曲のアダージオだと、ゆっくり演奏してくれたほうが、「そうそう、ここで、第一バイオリンに第二バイオリンが絡んで・・・」なんてとこまでしっかり楽しめるのである。

 で、クラシックは「名曲100選」なんかが売れたり、モーツァルト・ブームで巻き返したけど、野球の「モーツァルト・ブーム」はやっぱし高校野球っしょ。
 そういや、劇団四季なんかは、ずっとモーツァルト・ブームみたいのをキープしてて、ある意味凄いと思う。
 いや、一時期、けっこう「四季オタク」が跋扈していたのだが、一度、小作品を義理で観にいったら、幕間のロビーで「やはり導入部のあのコーラスが・・・」などと、通が談義してて怖かったが、そういうのを封じ込めるというか、物量作戦で分散させ、「人間は寂しがりやだから、いっぱいやってると、なんか集まってくる」の法則で成功しているのかもしれない。

 そうそう。一般人は「チケット完売」に弱い。
 贅肉や脂肪もそうなので「はあ、もう、ベルトの穴が・・・・」と思うと、「あの人のお腹周り、完売よ!」ということで、さらに客を呼んでしまうらしいのである。私のお腹が、あれよあれよという間に、東京ドーム進出だ。そういうときだけは、タトゥーの歴史的惨状を見習いたいものである。(興業主がXLの服を用意したのに、客の入りは3Sだったらしい)

 自分は「一般人」とは、ややズレてると思っているので「大ベストセラー」なんかには警戒してしまうし、(そういや、いまだに「東京タワー」読んでません。ほんとに泣けるのでしょうか?会社で出回ってたので、「貸してよ」と言っていたのですが、どこかでストップしているようで、回ってきません。同僚M嬢は、いまだに借りた「嫌われ者松子の一生」を机の上に置いたままなので、ああいう人がストップさせてると思われ)「オリコン1位」も警戒しているのですが、でも、サマソニで「チケット代の償却のために、観てもいっか」と思ったダフトパンクが入場制限だったりしたので、「わーん、やだ、そんなの」と、ちゃんと中に入っていたのに、逃げ帰ってしまいましたが、私みたいな中途半端なマイナー志向の人が一番損しているような気がしなくもない。

 マイナー志向といえば、北村昌士氏が、ひっそり亡くなっていたそうで、「ちっ、インターネット時代だから、耳に入ってしまったが、知らなきゃ知らないで済んだのに」と、またわけわからん愚痴をこぼしたりしてますが、友人から最近「岡崎京子って、大事故に遭ってたんだってねえ?知らなかった」というメールが来て「・・・それって、すでに10年前の話・・・」

 まあ、いくら情報が氾濫しようと、知らないもんは知らないわけで、そのあたりが社会科学の科学としての限界だとも言えるが、それなのに、私のウエストはまるで自然科学の法則のようにきっちり増えるのか・・・・・

 それは、たぶん、自分がバカだから、「エネルギー保存の法則」を文学的に解釈してしまっているから「食べたら食べただけ、食品に含まれるエネルギーを脂肪に変換して律儀に保存しているの」というあたりで終っているから、そのエネルギーを運動に変換するということを忘れているからに違いないんだが・・・・

 「岡崎京子って・・・」というメールをよこした友人から、いったい今どき、何を学習しているのか謎だが「安野モヨコはエヴァンゲリオンの監督と結婚したんだって」という返事が来た。
 イマドキの若者に「へえ、日本ってアメリカと戦争してたんだ。で、どっちが勝ったんですか」と言われたような衝撃であるが、まあ、かくいう私は、最近、「226事件」に関する本を読んだりしてて、「満州事変ってなんだっけ?」と首を傾げている状態なので、お互いに歴史の勉強に励みましょう(笑)

 秩父宮って、226事件のときには実在していた昭和天皇の弟宮だったんすね。(実在の宮様だったのは知っていたけど、なんかラグビー場の名称のイメージが強くて。アメリカにもいるのかなあ?「ええ?JFKって飛行場のコードネームじゃなくて?」なんてマジに言う管制官とか)
8月20日(日)

 昨日はお昼前に家を出て、2時ごろ稲毛の友人宅。

 先週も京葉線で幕張に行ったばかりだが・・・なぜか、千葉ブーム到来である。

 子猫がいるというので楽しみにしていたが、「え?これ、子猫?」「でも、まだ半年なんだけど・・・」
 雑種だが、かなりデカくなるだろうなあ。でも、外見は「若い猫」だったけど、中身はお子チャマだったので、私が酔っ払って、紐で遊んでみたら、ずっと遊んでくれました。名誉の負傷数箇所。子猫の爪は鋭いから、爪あとはしばらくひりひりしそうです。

 夜になったら船橋に移動して、弟宅。
 ちょうど、姪っ子を寝かせようとしていたのに、私が登場したので、姪っ子も興味津々で居間にやってきてしまったが、人見知りするらしく、じっと観察された。そういや、昼間は子猫も「この人たちだれ?」と警戒していたなあ。

 今朝起きて、だんだん私の存在に慣れてきたらしく、遊んでくれるようになりました。嫁の教育が行き届いているらしく、「おねーちゃん」と呼んでくれた。嫁にも姉妹が3人もいるので、あっちの実家でも「おばさん呼ばわり禁止令」が出ているらしい。

 嫁が入院している病院に行ったら、ガラスの向こうに小さな赤ちゃんがいたので「わー、ちいさい!」と寄っていったら、母に「小さいって、言っちゃダメ」と叱られた。
 そこは、普通の産院じゃないので、うちと同様、双子の出産を控えた妊婦も多く、そこの部屋にいる新生児は、それでもギリギリに普通の産後の処置を受けている子で、もっと小さい子が裏にゴロゴロいるらしい。

 なので、普通の産院だったら「わー、ちっちゃい!」っていうのは、誉め言葉であるが、ここでは2000グラム超えない新生児が普通なため、妊婦もいわゆる未熟児には神経質になっているらしい。
 嫁も噂には聞いていたが、ほんとにお腹パンパンでつらそうだった。1人づつだと小さいが、すでに合計で4000グラムを超えているそうだし、その状態で出産まであと一ヶ月。大変だあ。

 弟の車で移動していたので、帰りについでにIKEAに寄ってみた。いつもよりは空いていたらしいが、けっこう混んでいた。弟の解説によると「ここ、なぜかトイレが少ないんだよね?」たしかに、少ない。謎だ。

 そんで、やっぱし母と弟はつまらないことで言い争いばっかりしてるし、弟も母が子供の面倒みてくれてるから、助かっているのは確かだけど、母にネチネチ言われてストレス溜まっているみたい。母はなんでも自分の思い通りにしたいし、弟はそういうのにすぐ反抗するので、母は孫の世話だけでも手一杯のつもりなのに「なんで、わがまま息子の世話まで・・・」と嘆くが、わがままはどっちもどっちというか、ほんと、あんたら似たもの母息子で困るよ。

 今日だって、IKEAに寄ってもらったのは、私が「そういや、IKEAってもう行った?」と弟に話したら、「うん、でも昔のIKEAだと思うとびっくりするよ」と色々と説明してくれて、どうやら「オシャレで広大だけど、なんだかドンキみたい」ということだったので、その弟の解説が面白かったから「へえ〜」とノリノリで聞いていたら、「じゃあ、行ってみる?」と彼としては「ねーちゃんも行きたがってるし、お母さんも行ったことないから」と思って連れて行ってくれたのに、母は「あの子が休みの日には、こうして車で買い物にいけるから、ラクなんだけど、なんだか連れまわされてる気もして、疲れるのよ〜」なんて、私にヒソヒソと愚痴るので、「おかーさん、そりゃないぜ」

 そんで、食料品を買出しに行くと、母がお金を払っているようで、それも母は私に愚痴っていたが、弟は「だから、そういうのは出すって言ってるじゃん」
 結局、母はお金を出すことに文句を言っているわけでもなく、ただ、「私が孫の世話も全部して、お金まで全部出している」と言いたいだけなのはわかるが、たしかにその態度がシャクに触る弟の気持もわからないでもない。
 さらに、父も手伝いというか「一人で取り残されてると寂しいし、オレだって孫と遊びたい」と思っているようだが、「お父さんたら昼寝ばかりしてて」と愚痴るが、孫も「じいちゃん」より「ばあちゃん」に甘えるので、父は退屈して寝ているだけなんだけどな。

 で、結局「もー、わたしばっかりが大変なのよ」って話を「うんうん」と聞きながら、でも、あまりに度が過ぎてると、「でもさ・・・」と少し教育的指導したりして、けっこう疲れましたが、こりゃ、予想通りに、私に求められている役割は「子守り」よりも、母や弟のガス抜きみたいだから、また、時間作って遊びに行きましょう。
8月18日(金)

 お盆休みも明けてきたのか、今日は出勤する人も多かったし、来客や宅配便の受取も多くて、ワサワサした一日でした。

 やっと、本格的に暑くなったような気がする。会社の外に出ると「もわ〜」という擬音が聞こえるような暑さを感じたのはこの夏初めてのような気がする。
 残暑がどうなるかわからないが、今のところ「今年はラクだなあ」と思う。

 そういえば、会社で部長が「そういや、今年はまだ一回も蚊にさされてない」と言い、ハイジも「そういや、オレも・・・」と言っていた。
 私はそこそこ食われているとは思うが、そう言われると、いつもより刺されてないような気がしてきました。よく通勤電車の中でやられて、パンストの上からボリボリ掻いていたりするのですが、たしかに今年はそういう記憶がない。

 かゆみどめも、主に「あせも」にばかり使ってるし。(そんな荒療治するから、かさぶたになってボロボロと脱皮するのだ)

 今年は「蚊のハズレ年」なのだろうか?もしくは、梅雨明けが押したので、蚊が活躍するシーズンも押しているとか?
 初夏のころには、それなりに蚊に食われていたような気もするし・・・・・

 自分でも、「去年や一昨年はどうだったか」なんてはっきり覚えていないのですが、「別に例年どおり、順調に蚊に食われている」とか「そーいや、今年は蚊がうるさくて眠れないってことないな」等、お気づきの点がございましたら、掲示板に掻いて・・・・ボリボリと書いてみてください。


 体調不良と「お盆なのに、結局、普通に出勤しちゃったよ」のストレスで、頭がヘロヘロなのだが、他に今日、会社で収集した会話。30代前半女子2名の立ち話。

 「だって、へびつかい座とかも突然出てきたりしたじゃん?」
 「あ、そうそう、そういえば・・・・」

 思わず口を挟んでしまいました。「もしかして、新惑星の話してる?」

 「え?わかりました?」と言われたが、「へびつかい座と新惑星を一緒にされても〜〜〜」と一応、声低に抗議してみました。でも、へびつかい座を導入した占星術ってどのくらい浸透したのだろう?

 そりゃ、急に「血液型には実はC型もありました」なんていうことになったら、血液型占いは大刷新かもしれないけどさ。「12星座ではなく、13星座でした」って言われても、「当たるも八卦は実は九卦でした」っていうのと同じくらいどうでもいい。
8月17日(木)

 お盆期間だから、少しは休もうかと思っていたが、暑いから家にいたら蒸し風呂だし、それよりも仕事を片付けて、もう少し涼しくなったら有給使い捲くりのほうが賢いと思ってがんばって出勤してますが、さすがに電池切れで、「明日休もうかなあ」と思ったのだが、そう思ったときには明日やらなければいけない仕事がたくさんあって、休みを取り損ねた。いや、同僚たちにお願いすればいいだけだが、頼むことが4つもあったので、それを説明するのが面倒になっただけだ。

 そういやビーケーワンのリンクは、こんなこともできるらしい。

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?
小堺 桂悦郎著
フォレスト出版 (2006.6)
通常24時間以内に発送します。

 わー、ゴージャスぅ(笑)

 しかし、HTMLコードがこれだけで葉書一枚分くらい耳無しホーイチになってしまうので、邪魔くせー。

 それに、このウェブ2.0とかの時代(「とか」の正しい用法っぽい)に、私が作成している日記ページなんて、「わら半紙にガリ版刷りの味わいがある」と自己陶酔しているのだから、書影なんていれちゃダメよ。

 あ、べつにこの本を推しているわけではありません。
 私は題名見て「4ドアのベンツのどこがいけないの?」と思ったんですが、やはり読んでみたら「2ドアのベンツは経費で認められないから」っていう普通のことが書いてありました。

 でも、昨日も少し書いたけど、結局、中小企業っていうのは、社長個人の所有物であり、前にもハイジに言い含めたことがあるけど、細かく数字出して「この業務は採算とれてません」って言っても、社長が「でも、この仕事やりたい」って言ったら、いくら赤字出そうが勝手というか、それで借金しても、どうせ社長個人が連帯保証人だから、社長個人の借金と同じなんですよ。

 まあ、ただ「番頭さん」として、「この業務、続けてても黒字になる見込みないですし、社員もヤル気なくしてますし」と意見するのには確かに数字見せないと説得力ないだろう。
 それに、うちの会社だと、総務部長が「番頭さん」になるので、番頭さんの趣味も反映されるというか、ライバルがやってる部署をなんとか潰したいときに、そういう数字が生きてくるので「なるべく詳細な数字を出してくれ」って言われても、それって、「おまえのカーチャン、デベソ」というために、かあちゃんのデベソがどれだけのものか科学的にきっちり裏をとってくれ、っていう要求みたいで、そんなもん、テキトーに「○○部長のかーちゃんのデベソは26ミリでした。測定誤差は±1ミリです」って一生懸命算出するようなもんなんですけどね。

 今日、ハイジと少し資金繰りの話をしたのだが、少し余剰資金ができそうなので、だったら短期借入を返済してもいっか、とは思っていたのだが、ハイジによると番頭さんこと総務部長はどうやら「長期借入金」を減らしたいと考えているらしい。

 ・・・・・・社長のベンツはの本、部長に読ませないといけないのか?

 長期借入金は月々ちゃんと返済しているので、よほどのことがないと、繰り上げ返済する必要がない。
 つーか、建物を建てるのに1億円借りて、その返済期間が5年なのに、建物の償却年数は30年とかだったりするので、そこで不整合がすでに起こっているから、実際には5年で返済するのは無理なので、借り換えして返済を延ばしているのが実状なのだ。

 それに、中小企業にとっては「借金はステイタス」ともいえるし、せっかく長期で融資を受けられたものを目先の余剰資金で繰り上げ返済するのは損っていうか、常識的には考えられない。

 たぶん、部長は自分ちの住宅ローンと混同してるんだと思う。
 でも、住宅ローンだって、ちょっとした余剰資金が生まれたときに「繰り上げ返済するか、それとも、このままにしておくか」は微妙なんである。
 よくあるのが、親が亡くなって、まとまった遺産が入ったときに「さて、どうしよう?」
 長期ローンを繰り上げ返済するのにも、手数料はとられるし、インフレ期待があるときだったら、「借りた金はなるべく長期で返済」のほうが得だけど、デフレな今だと、サラリーマン個人としてはやはり「利息がシャクに触る」から、返済してすっきりしたい気持はわかる。

 それに、住宅ローン以外に、借金する予定なんてないし。

 でも、企業は違うでしょ。

 この本でも書いていたが、業績が上がると、仕入れも増えるので、なぜか運転資金を借りないと回らず、儲かっていても借金は増えるのである。しかも儲けたぶんだけ税金も上がるし、納税資金をまた借りないといけなかったりする。

 私も個人的には借金が嫌いなので「いったい、どうやしたら無借金経営というのは成り立つのだろう?」と、ときどき思うが、貯金してから投資していたのでは、企業は成り立たないようだ。

 さて、首相の靖国参拝ニュースの後には、北方領土で漁師さんに犠牲者が出たりして、ドヨーンとしてましたが、今朝は久々に「きた〜〜〜〜〜」って感じでしたね、ワイドショー的には。
 昨日は「ボーイ・ジョージのお掃除奉仕」見たさに、いつもより家を出る時間が30分ほど遅くなってしまいましたが、今朝は、大御所が復帰してました。ジョン・ベネちゃん殺害事件の真犯人現る!

 でも、さすがにそれをトップニュースに持ってこれないもどかしさがありましたが、そういうもどかしさこそが、ワイドショーの醍醐味でしょう。
 くどいようですが、私はそれで朝の低血圧を乗り切っているので、よろしくお願いいたします。  
8月16日(水)

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?

 すげー、書名にリンクを張ったのって何年ぶりよ?(笑)
   一応、BK1のブリーダーちゅうか、一般的に言うと、あふぃなんとか?になっているのですが、「自分で買うとポイントバック」くらいにしか考えてなくて、それに最初のころは張り切ってリンク張ったけど、ほとんど売れないし、「リンク張る労力が対価に見合わない」と思って、全然やってなかったんですが、最近になって、「どういう本がクリックされていて、どういう本が売れているか」っていうのを見れる機能があることを知り、自分の日記サイトのアクセス解析すらやってない私は、それ見て驚いたのです。

 「なんか知らんが、けっこうクリックされている。しかも、数年前にリンクした本なのに・・・」

 まあでも、ほんとに買いたい人は、書名で検索して勝手に買えばいいだろうけど、たしかに、ちゃんとリンクしてあったほうが、正確な書名や出版社はわかるから、親切なのかもしれない、と思ってから数ヶ月経過しました。

 さて、本題に入りますが、前に「ふーん、またこういう本が売れてるんだ」と某新聞の書評欄で知ったのですが、先日、サマソニに行くときに「生き返り・・・、行き帰りの電車とか、場内でも待ち時間が空くかもしれないから、気張らない本でも持って行こう」と思って、近所の書店で買ってみたのでした。

 さおだけ屋さんの大ヒットで、「会計本」が売れているみたいですが、私はさおだけ屋さんはダメでしたけど、自分が一応、会計で身を立てているので、会計本ブームにはそれなりに興味が湧きます。
 この本は「中小企業の実態」が描かれているようだったので、「どれどれ」と思って読んでみたのでした。

 感想。
 「うーん、うちの経理の若いもんには読ませたくないなあ」

 一生懸命、勉強して、財務分析だのキャッシュフロー分析だのに精を出している若者が、いったい何を考えているのか私には全然わかりませんが、でも、せっかくダマされてるんだから、こういう現実には最後まで目を背けてほしいなあ。

 結局、中小企業の場合、いくら財務分析したって、社長が「ビル買いたい」と言ったら、買うんですよ。
 ええ、題名になったベンツだって、前の会社の社長が「やっぱ、ベンツかな」と言ったので、ベンツ買いましたとも。

 というわけで、「さおだけ屋」よりは、「うんうん、そうだよ、そうなんだよ」と熱心に読めましたが、でも、ワンマン経営者の下で長年働いてきた私にとっては「これじゃ、わたしが書いても同じようなもんじゃん?」と思ってしまったのも確か。
 それに、「さおだけ屋」もモデルはある程度あるんだろうけど、うまくフィクションにしているので、結果的に丁寧に解説してあったが、でも、ネタ事態が面白くなく、「社長のベンツ・・・」は、モデルであるクライアントが特定できてしまいそうな書き方をしているので、それゆえネタはそこそこ面白いのだが、あまり細かく書けないので、なんとなく尻つぼみというか、曖昧な結論になってしまうのが欠点かも。

 ただ、私みたいに実務をやっている人間には、その曖昧な行間を経験で埋めることができるから「そーよね、結局、どうにでもなるのが中小企業の会計ですから」と、それなりに勘定じゃなくて(笑)、感情移入できますが、「入門書」としてはどうなんだろうね?

 ただ、中小企業の場合、決算書と実状が掛け離れている、という本当のことをきちんと書いたのはえらいと思います。経営者なんて、ちょっと利益でると、すぐなんか大きく投資することしか考えないんだから。
 つーか、借金あるっちゅーの!
 返済金は、損益に出てこないんだってば。

 だから、「一億も利益出たら、税金で4千万も持っていかれる。なんとかしよう」っていう気持はわかるけど、年間2億も借金返済してんだから、利益1億−税金4千万で残った金で借金返済するしかないのに、そこでまたキャッシュが出る投資したら、ますます、資金繰りにつまるではありませんか。

 しかも、大きな設備投資するときには、減価償却とバランスがとれた融資を受ければいいものを現金あるからって、現金で払ったら、あとで運転資金がショートするに決まっているのに「なんで、こうなった?」って解析する書類作るの面倒なんすから。

 で、若者はそういうのをなんとかしようとキャッシュフロー計算書を作ってみたりするけど、あれは中小企業では、あんまし意味がない。いや、ほとんど意味がない。
 そもそも、自己資本率なんか計算しても、無意味である。

 そういう意味で、この本は、元銀行員だったりして、企業を決算書で判断していた著者が、中小企業向け経営コンサルに転身して「う・・・・こういうことだったか」とわかったことを書いているので、「経理の勉強して、いずれはコンサルになりたい」という人には読ませたほうがいいのかもしれない。

 今日はマスオさんが「うちの会社の決算書って見せてもらってもいいのでしょうか?」と言ってきたので「どーぞ?でも、なんのため?」と言ったら、「自分の勉強のため」だそうです。
 勉強熱心なのはいいが、今日は夏休み明けで出勤してきたハイジが鬼のように、マスオさんの伝票入力のダメ出しをしており、でも、ハイジも基本から説明せずにマスオさんにけっこう重い仕事させたので、そりゃ、ダメに決まってるだろう、と思ったけど、ハイジは自分が苦労して覚えたということを忘れているようで・・・・

 黙って見守ってましたが、ハイジが「これは、こうしないとダメだ、で、これは、こう」と早口で説明している横で、マスオさんが心細そうに「はい、・・・・はい」と言っているのを見て「これは、説明しても、根本的なことがわかってないような気がするなあ」と思った。

 買掛金にする場合と、お金が動いた日に費用にしてしまう違いが、わかってないんじゃないのかなあ?

 ハイジだって、それを理解するのに3ヶ月くらいかかったんだから。

 まあ、本の話に戻るけど、「今期、3千万の利益出ます」と言ったときに「じゃあ、ベンツ買ってもいい?」という社長に、減価償却の概念を説明するのは、ほぼ不可能である。
 さらには「このチョロい仕事で、100万円儲けちゃった。だから打ち上げでパーッとやって30万円使ってもいい?」っていう社員に「交際費は全額損金になりません」の概念を説明するのも不可能である。

 眉間にシワを寄せて「こうこう、こういうわけで」と説明すると、みんな「うん、うん」と聞いているが、さっぱり理解していないことは明らかだ。

 前の会社では「オレの仕事で、今期、3千万も粗利出たし、自分の給料(5百万くらい)考えると、たくさん働いちゃったなあ」なんて言う社員が本当にいたので、悔しいから「あんたの給料にも、会社負担分が相当乗ってるし、家賃や光熱費、それに、経理の私の給料もそこから捻出してんですよ?」と会社の一ヶ月のランニングコストを提示してあげたんだけどね。

 つーわけで、中小企業での会計の仕事をしたことある人には、笑えるけど、あんまし楽しくない本である。
 でも、中小企業に出入りする大企業の人は読んでおいたほうがいいかも。

 ええ、中小企業の会計担当の私にぴったりの、息抜きには天使と悪魔 上とかでしょうやっぱ。「バチカン、えげつねー」で癒されました。

 ふー、あたし、実はその気になれば、けっこう裏金作ってさしあげらるかもしれませんが、やり方はわかっているのですが、あんましやりたくないので、今の会社で満足しているのは、そういう要求がないからです。けっこう明朗会計なので・・・・
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