可燃物な日々

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3月16日(木)

 ゆるゆると春めいてきたようだ。
 気が付けば、周囲は春用コートがたなびく。
 そして、「寒いより、暑いほうがまし」な私は、なかなか冬物コートとマフラーを手放せないでいるのであった。

 さて、出勤すると、さっそく「朝の頭が一番働くときに・・・・」と、昨日、部長に確認した話を弁護士へ書き綴る。&番号を振った過去にやりとりした書類やメールをプリントアウトしたものを添えた。
 我ながら、けっこう力作であった。
 途中、他の仕事に邪魔されながらも、午前中にはFAXできた。

 午後には、20日支払の振込手続きを黙々とやっていた。(ハイジの仕事の代行)

 そしたら、午後2時ごろ、弁護士さんから電話があり「FAX拝見しました。じゃあ、・・・・して、・・・・なので、・・・・でいいですね?」「はい、すぐに処理いたします」

 終ったようだ。
 あーあ、もっと早くに私が本気出せば、こんなにこじれずに済んだのだよなあ。相手にも迷惑をかけてしまった。
 そもそも、部長は弁護士に丸投げして以降、ほとんどなにもやらなかったので、だったら、最初から私に任せてくれればよかったのによ〜

 嘆くまい。
 世の中、そういう仕事の進め方をする人はけっこう多いのだ。
 自分の仕事を一部だけ部下に手伝わせる。「連絡役は任せるから」とかなんとか。会議でいえば、書記を立てるようなかんじ。
 そんで、部下が「あの〜、この件はどうしましょう?」と言っても、なかなかはっきり返事をしないで、ただ引き伸ばす。
 事態がだんだん滞っていき、トラブルが発生したりする。部下が「先方が怒っているんですけど、どうしましょう?」と言うと、「うーん、困ったなあ」と言うだけ。
 ひどい人だと、トラブルの原因を部下に転嫁したりする。部下もしょうがないから奔走するが、相手は「上司と話さないと拉致があかない」と言うので、「なんとか直接話していただけないでしょうか?」とお願いするが、「うーん、困ったねえ?」と、相手が困ったやつであって、自分には責任がないという態度。

 事態がこじれるだけ、こじれてから、やっと上司は「じゃあ、こういう条件なら、そうしてもいい」とか言うので、部下が相手に伝えると「まあ、それなら、納得できないこともない」と言うので、部下は双方に頭を下げて、やっと丸く納め、上司に報告すると、「な?だからお前で十分だったろ?」とか言う。

 で、上司のほうは、「こうして部下を育ててるんだ」と思っていたりするわけだ。

 昔、一時期だけ働いたベンチャー企業の社長は、もっとひどくて、最初から無理な案件を部下に丸投げして、当然のことながら上手くいくわけがないので、ゴタゴタにこじれ、それを部下の無能のせいにし、さらには、「ああ、だからうちの会社はお金が無いんだ」と私に愚痴るので、ほんとにしょうもなかった。
 私にも、そういう罠を仕掛けてきたけど、たとえば、融資なんとかしてくれって言っても、私が金融機関に行ったって、相手は「社長さんが来てくれないと」というのは当たり前なので、「とりあえず、とっかかりの話はしましたから、あとは社長がご自分で・・・・」ときっぱり言ったが、「だって、オレだって忙しいんだからさあ・・・」と言って、まるで「そのくらい、ミヤノさん一人でできるでしょ?銀行だって金貸すのが商売なんだからさ。あいつら、ほんとに手抜き仕事だよな。だから、銀行なんてさ・・・・」と、「銀行がバカだから、優秀なオレ様にお金を貸してくれない」という話にされるので、勝手にほざいてろって思ったっけ。

 ああいう、「もう、私にはどうしようもないレベルで、どうしようもない」のに比べると、元上司なんかは可愛いもので、最初は「よくわかんないよ〜、ほんとに面倒な人たちだなあ」と投げていたのだが、それで3ヶ月放置して、やっと相手が怒り心頭になり、私も「どうにか、円満に解決しましょうよ〜」と相談したら「まあ、そのくらいの金額だったら、もう払っちゃえば?」・・・・・「払っちゃえば?」って言われてもよ〜と思うが、それでいいならそれでよし。

 元々「正当な要求だったら、払ってもいいんだけどさあ」と言っていたのだが、経緯がよくわからない私には、何が正当だかわからなかったので、指示を待っていたのだが、「こりゃ、その判断まで私がするんだ」と覚悟を決めたので、弁護士に相談してみたら、弁護士だって「まあ、こんなもんでしょう」というようなことを言うし、よくよく過去のやりとりメール(部長と相手の)の写しを読んでみたら、相手は最初からそう言っていたのである。「こういう場合は、こういう金額を要求しますが、よろしいですか?」って。

 遺跡を発掘して、「たぶん、その条件でいいってことなんだろう」と判断したので、弁護士にもその旨を伝えたのであった。「向こうの要求も、一貫してますし、常識の範囲でしょう」と。

 夕方には全ての処理が済んで、あと残るは弁護士への支払だけだが、どう切り出そうかね?
 相手が入金確認してきたくらいのタイミングかな。

 昨日の税理士への電話でもそうだったんだけど、最初に依頼して説明しているのが上司なのに、どういう依頼しているのかわからないまま、停滞していて、みんな困っているので、しょーがないから税理士に直接きいているのである。そこの税理士事務所とは普段から私もよく話をしているので、なあなあで済むけど、今回の弁護士とは、面識がなく、ただ、最初は「弁護士から電話がありまして、折り返し連絡がほしいそうです」と言ったら、「じゃあ、用件きいておいて」で、「○○の書類が届いているはずなので、FAXしてほしいそうです」「じゃあ、これ送っておいて」ってうちに、いつのまにか、私に一任されてたらしいので、弁護士にいくらくらい支払うのかもさっぱりわからない。まあ、ああいいう業界は、規定でだいたい決まっているので、請求書来たら、素直に言値で払うだけなのだが。

 さて、気分を変えて、「今日のKさん語録」でも。

 先日は忙しそうなM嬢に向かって「私、体つかう仕事は会社でやって、頭つかう仕事は電車の中ですることにしたの〜」と宣言して、M嬢が「はあ・・・・」と彼女なりに無視を決め込んでいたのだが、今日は、「私って、仕事オタクなのよね〜」と話かけていた。
 今日はM嬢にも余裕があり「え?なんで?」とちゃんと受けてあげてた。えらいなあ。

K 「もう、家にいても仕事のことばかり考えちゃって頭いっぱいで、電車の中でもそんなかんじで、買い物してても洗濯してても、仕事のことばかり考えてるの〜」
M 「わあ、そうなんだ(笑)」
K 「それで、そんな自分がおかしくなってきちゃって、きっと、こういうのが仕事オタクっていうのよねえ〜、まったくも〜」
M 「たいへんそうですね(笑)」

 ほんとに、Kさんのセリフって、一昔前のトレンディ・ドラマっぽくて、私はついていけないのだが、てゆーか「内館牧子の脚本のセリフみたいなのを真面目に言う人って、実在したんだ」と、その昔よく、そういうドラマを見つつ「こんなこと言うOLなんていねーよ」と、突っ込みを入れていたことを今さらながら反省してしまったりする。

 「あたし、今は仕事のことしか考えられないの!だからごめん・・・・タカユキのことが嫌いになったわけじゃないけど、でも、仕事のことで頭がいっぱいになっちゃって、あたし・・・不器用だから・・・・ほんとにごめん!」

 「部長、今回の仕事は、ぜひ私に任せてください!私、きっと頑張りますから!」

 「あーあ、今の自分って、恋も中途半端、仕事も中途半端・・・・なにもかも中途半端」


 Kさんのセリフは、ほんとそういうトレンディ・ドラマな雰囲気だ。
 今日も彼女は、残業になってしまったのだが、給湯室でこそこそケータイで電話しているのが丸聞こえだった。(声がでかいのである)

 「あ、お母さんだけど、ごめん、今日も遅くなるの〜。だから、先にご飯食べてて。ごめんね、ほんとに大事な仕事があって、それが終らないと帰れないの。お父さんが帰ってきたら、そう言っておいてね」
 と語る声は、ほんとにドラマから抜け出してきたようで、ちょっと笑ってしまったが、気の毒っちゃ気の毒である。でも、お子さんも、けっこう大きいので、大丈夫だとは思うけど。

 仕事をするお母さんが、「ごめん、遅くなる」と電話をする場面は、実際によく見てきたけど、みんなもっと普通だったよな。字面だけだと、「現実」と「芝居がかった」の区別をつけにくいのだが(要するに、私にそれを文字で表現する才能がない、ということなんだけど)、Kさんの喋り方は、大女優、三田佳子みたいなので、すごくリアリティーがなくて、家族とたまに携帯で話しているのが聴こえても、まるで、電話が繋がってないような、携帯電話という小道具をつかって、家族を演出しているような気分になるのが面白い。

 きっと、Kさんは、希少な「大女優の素質」を持った人なんだろう。

 なので、その相手をするときには、大御所お笑い芸人(ハマちゃんとか、とんねるずとか、さんまとか、タモリとか)のようにやってやらんといけないのだな。えーと、でも、私はたしかに、タモリちっくなリアクションを目指していますが、なにしろ相手は「大女優っぽいお母さんOL」であり、私は「大御所お笑い芸人っぽいOL」なだけなので、今のところ、「タモリが二日酔いのときのテレホンショッキング」が精一杯というところでございます。
3月15日(水)

 わあ、今日はなんだか疲れたっぴ。

 いろいろ細かいことで忙しかったこともあるが、その合間に「士族様フルコース」だったのである。

 まず、弁護士からFAXがきて、その件でいろいろ電話でお話するが、こっちが「去年お送りした、あの書類が・・・」と言ったら「それは手元にないなあ」とおっさるので、それをFAXしてから、またしばらくして電話があり、あれこれお話していたのだが、結果として「部長のところにも、まだ、書類があるかもしれない」ということになり、私は「それは、たとえ先方から届いていたとしても、部長は無いと言うだろう。しかも、その間に机を引越ししているので、絶対に見つかるわけがない」ということを遠まわしに言ったが、弁護士が「もし、届いているとしたら、先方に失礼ですから、いちおう確認してください」

 まあ、そりゃそうなんだけど、ぜってーないってばさ。

 弁護士との電話の合間に、A税理士事務所のいつも何を言っているのかわからない担当者が、書類に捺印しに来社。最近、彼はハイジのことも認識するようになったので(去年の決算はハイジがチーフだったから)、私が不在のときにもハイジに伝言を残すようになったのだが、ハイジは用件を伝えるたびに「・・・・・っていうことらしんだけど、意味わかります?オレ、どうしても、あの人が何喋ってるのかわからないんですよ〜」と言い訳するので、「ああ、私にもわからんよ。てゆーか、誰もわからんのだよ」と慰めている。

 で、ハイジもわけわからなくメモをとった伝言の内容を私が理解できているかというと、全然わからないのだが、私はハイジよりも、その担当者と付き合いが長いので、「ぐちゃぐちゃ意味不明のことをまくしたてるときには、用件は重要ではない。たいていは、向こうのミスの弁解」と、内容よりも「トーン」で判断しているからである。

 ほんとに重要なことならわかるもん。昨日も電話があったが「明日、印鑑を貰いにいきます」っていうのだけ理解すれば、後は全然どうでもいいことだろうと思った。
 なんとなく、「英会話初心者のための心構え」みたいなかんじ(笑)
 実際、今日、彼が来社したときにも、先日ハイジを「いったい何の話?」と戸惑わせた話をおさらいしてくれて、それは償却資産と固定資産がどうのこうので、まあ、いろいろ解釈がありますが、こちらも税務署に問い合わせてみましたら、税務署のほうも解釈がはっきりしないようで、でも、この場合は償却資産より固定資産とするほうが適当だと思いまして、それで提出したので・・・・・

 固定資産の申告はお任せしているので、私は細かい内容はよくわからんが、わからないときには、こっちから聞くしかない。
 「それで、なにかこちらでやることあります?」
 「いえいえ、それはこちらでやりましたので、ただね?ほら、いろいろ解釈がありますから・・・・(3分くらい話続ける)」
 「で?固定資産税は結局、安くなるんですか?高くなるんですか?」
 「いえいえ、安くなるんですけど、それも・・・・・・(2分くらい続く)」
 「で?安くなった分は、還付されるんですか?」
 「いえいえ、そうじゃなくて、還付はされないのですが、今回提出した分で・・・・・」

 たぶん、向こうが固定資産の申告でなにかミスったのであろう。そんで、訂正したので、こっちがやることは何もなく、税金も調整されるので還付や追徴なないと。

 そんなどうでもいい話で15分くらい語られてぐったりだった。

 そんで、夕方、またKさんとM嬢が「新規事業の今後」について話合っていて、私に「登記はA税理士事務所でやるの?」と聞いてきたので、「いや、Bだけど?」

 まだ書類が揃ってないのだが、揃ったらどうするのか、ゴチャゴチャ話していたので、Kさんも「じゃあ、私が直接、B税理士にお話したほうがいいのかしら?」と言うので、「うーん、結果的にそうなるかもしれないけど、たぶん、元部長が最初にお話しているはずで、税理士のほうでどの程度進んでいるのかわからないからねえ?まず、部長に確認してからにしたほうがいいのでは・・・・」と言ったのだが、考えてみれば、私はそこの担当者とは、よく話しをしているので、私がこっそり聞いてしまおうと思って、「で?何を確認したいわけ?」と聞いてみてから、電話してみた。

 電話してみてよかった。
 ここ数週間、ずっと「印鑑とか、誰が手配しているのだろう?もしかしてまだ?」と気を揉んでいたのだが、そこの担当者によると「もう、1月に作って、とっくの昔に部長さんにお送りしてますが?」

 「わー、そうでしたか、よかった聞いてみて!」と、大爆笑してしまった。

 そんで、定款も準備できていて、後は、決算時期など、細かい部分を書き入れればいいだけだという。
 向こうも、「部長さんとは、それっきり話が詰められてないので・・・・」と言っていたので、私は電話を切った後に「とにかく、何もかも、部長のおかげでストップしとるんだ!」と天井に向かって叫んでしまいました。天まで届くといいね。

 そんで、Kさんに「ハンコはもう部長に送ったってさ」と言うと、慌てて部長から丸投げされた、現時点で揃っている重要書類入れを漁ってみたら、やっぱしハンコも未開封のまま入っていた。
 「あら〜〜〜〜、あら〜〜〜〜〜」と騒ぐKさんを前に「とりあえず、まず、まだ届いてない書類が届いたら、すぐにB税理士事務所に送りましょう。今のところ、こっちで対処できる不備はそれだけ。後は定款の内容とかだから、部長が税理士事務所と話しないと始まらない。あっちも部長に確認のメール打ってくれるみたいだから、直接やtってもらいましょう。また滞ってるようだったら、部長に口頭で確認して、こっちで連絡すればいいわけだし」

 会社設立までの流れがわからないKさんは、もっと先のことまで把握したそうだったけど、そんなの私もわかんないし、税理士事務所のほうで、「あれが足りない、これはどうしますか?」と、いちいち確認してくるわけだから、その都度対応していけばいいだけの話、と説明した。

 最初のころ、Kさんは、部長に「じゃあ、設立の書類を預けておくから、よろしく」と言われて、てっきり自分で法務局などに足を運ぶと思っていたようで、「どうすればいいの?本を読んで勉強すればいいの?ああ、こういうとき、人は歌を歌うのでしょうか?」とテンパっていたけど、Kさんの仕事は、とにかく揃った書類をプロに送るだけである。

 それで、後のことは、登記が済んでからである。
 なんか、その前に銀行口座開くとかいう話もあったようだが、税理士事務所の担当者に「え?そんなの可能なんですか?」って言ったら「普通はやらないと思うんですけど・・・・」「そうですよねえ?それに、そんな必要もないですし・・・・今は全部、うちの会社で立て替えてるんですよ・・・・」

 M嬢は自分の仕事である「社会保険事務所への届けが〜〜〜〜」と不安そうだったが、「それも、登記済んでからじゃないと動けないから、急がなくてもいいんじゃない?とりあえず、最速でも、5月1日らしいよ」と諭した。

 Kさんが帰ったあと、私も残った自分の仕事をせっせと処理していたが、それも終ったので帰ろうと思ったら、ついついM嬢と「けっきょく、部長がちゃんとしてくれないから、うちらが困るんじゃ〜ん」と愚痴合戦していたのだが、そしたら、ふらりと部長本人が登場。

 「どうしたんですか!こんな時間に!」と、びびる2人であった。

 そんで、ここぞとばかり、弁護士さんとの話をして、やっぱし「いいようにしてくれ」というようなことを指示された。なんで私が・・・・・
 まあ、優先順位ははっきりしたので、明日はそれを弁護士に伝えよう。

 そんで、ついでに新規事業のことも相談してみた。
 「備品をバカスカ発注してるけど、それでいいの?」と投げかけてみたら・・・・・

 事態は、私が考えている以上にシビアだったけど、だいたい私が「後で想定内って言おう」って思っていた通りだった。で、それをKさんの上司にもビシっと直接言ってもらわんと・・・・と言ってみたら、「じゃあ、そう言っていたと伝えてくれ」とM嬢に指示していた。

 M嬢の頭の上に「なんで私が?」というネオンサイン点滅しているのが、心の目で見えました。

 とりあえず、彼の「方針」はわかったので、やっぱり「あとは、よきにはからえ」ってことなんだろう。

 こりゃ、ほんとに行く末が心配だけど、まあ、しゃーねーな。
 まさに「船頭多くして」状態である。
 そんで、船頭さんたちは、みなさん「なりゆき任せ」のご様子。
 山を登ってくれれば、まだマシなんだが(笑)

 ああ、慣れない仕事の話ばっかりで、今日はほんとに疲れた。雑談だったら、無意識にベラベラ喋るけど、仕事の話で、しかも、「上司がちゃんとやってくれないから、なんで私がこんなことを?」っていう内容だと、相手に「うちの上司がバカなんですいません」ともいえないし、向こうがあれこれ質問してきても、私が決断できないから、あれこれ気を回して会話しなくてはならないので、でも、ついつい「あー、やっぱしTさんのとこで話が止まってるんですね!」と本当のことを言ってしまうので出世できないのだが(したくもないし)、とにかくなんだか猛烈に眠くなってきた。

 この間は、Kさんの上司の悪口を書きまくったら、夢の中までそのテンションを維持したらしく、夢の中でその人に大声で説教していて、自分の寝言で目が覚めてしまったのだ。(ちょうど、トイレにも行きたかったらしい)
 仕事上のムカムカをそんなにストレートに夢に持ち込んだのは生涯二度目である。一度目は、先輩社員を殴った夢だった。

 ああいう夢を見ると、すっきりするどころか、「ああ、せめて夢の中くらい、キアヌ・リーブスとオダギリジョーに同時にプロポーズされたとか、そういうので、うなされたい」と悲しい気分になるのであるが、どうも私は「き〜〜〜〜〜」となると、頭の回転が早くなってしまい、かと言って、頭がよくなるわけでもなく、「今度、こう言われたら、ああ言ってやる」とシミュレーションしまくりで、妄想と空想のパラレルワールドが暴走してしまうので、そんなんで脳みその糖分を消費してしまうので・・・・・

 酒飲みながら愚痴を日記に書くと、途中で酔っ払ってめんどくさくなるのだが、シラフで書いていると、どうにも止まらなくて困る。

 ひとつだけいいことは、久々に3日間連続で休肝日だったりするのであった。

 今週は6日連続出勤なのに、まだ前半にこんな調子じゃあねえ。さっさと寝よう。眠くてムズがってる自分と対峙するのにやっと飽きたようだ。まだまだ修行が足りん。
3月14日(火)

●まだらのしらこ

 魚の仕入れをするときに使うらしき、発砲スチロールにそう刻印されていた。
 「真鱈の白子」と書いてあれば、なんとも思わないのだが・・・・・
 大好物である白子だが、見た目はやはりグロだと思う。
 あれが「まだら−斑」だったら相当怖いと思った。

●今日の失敗談 

 「いつか、きっとやらかすだろう。今までやらかさなかったほうが奇跡なのだから」

 と思いつづけて、16年?

 とうとう、実現いたしました。

 何度も「今度こそ?」と思いながらも、どたんばで回避されていたのですが、今日はとうとう無かったのだ。

 って書いてみると、なんだか「ああ、生理がこないわ〜、ああ、今度こそ・・・・」という話みたいだけど、っつうか、すぐこういう話に持っていく自分の悪い癖であるが、なんてことはない「鍵がない〜」という事件でした。

 会社の鍵とアパートの鍵を同じ鍵束にしているので、それの「いい点」は、絶対に会社の鍵を忘れないことです。
 家の鍵を閉めるの忘れない限りは・・・・・

 しかし、会社の鍵というのは金庫の鍵も含まれているので、帰る前に金庫を閉めてから、カバンに入れるのを忘れるような不安は常につきまとうので、電車の中や、スーパーで買い物したときに、鍵がちゃんとあるか確認することも多かったのだが、それほどの不安症でもないので、今日は全然確認せず帰ったら、「きゃーーーー、無い〜〜〜〜〜、ほんとおに無い〜〜〜〜〜」

 時間がまだ早かったので、よっぽど会社に戻ろうかと思ったのですが、往復2時間かかるし、会社が開いてるとも限らないし、まあ10時くらいなら、まず間違いなく、誰か残っているだろうし、でもなあ、と逡巡したあげく、やはり大家さんに頼ることにした。

 ちゃんと家賃を払っているのだ。たまに迷惑かけたっていいじゃん。

 しかし、防犯上はそっちのほうが安心なのだが(大家さんちに泥棒が入っても、うちは大丈夫)、私が10年間住んでても一度も鍵を開けてもらったことないせいか、鍵がなかなか見つからないようだった。
 20分くらい待たされて、やっと「お待たせしてごめんなさい。ちゃんと整理してないのバレるわね」と大家さんが鍵を持ってきてくれた。

 よかった〜、早い時間で。
 まだ9時前だったので、「やーん、すいませ〜ん」で済むが、これが12時過ぎだったら、我慢してビジネスホテルとかに退避してたかも。
 恐縮する私に大家さんは「ときどき、ありますよ。それに、お風呂つけっ放しで出かけたからって、外から連絡あって開けたこともあるし(笑)」と、他の店子の失敗談を披露してくれた。

 あ、こういうときに、さらりと「大丈夫、あなただけじゃないし、これが私の仕事だもん」というような話をしてもらえると、ほっとするなあ。私も真似しよう。

 あ、でも、私も自然とやってるかも。
 会社で全員が提出しなければいけない書類をなかなか持って来ない人は多い。
 締切日はもちろん早めに設定してあるので、1日遅れたくらいはこっちも折込済みなので、「ああ、大丈夫よ〜」と言うが、気の小さい人はほんとに「すいません、すいません、もう間に合いませんか?」なんて、恐縮するので、そんなに恐縮するなら、ちゃんと締め切り守ればいいのによ〜とも思うが、こっちも笑顔で、「いや、まだ10人くらい未提出だからさ。なかなかラスト1位にはなれないんすよ。大御所が多いから、まだまだ修行が足りんですね」とか言ってしまう。

●敬語下手

 だだでさえ、敬語が苦手というか、とにかく丁寧な言葉使いが苦手である。
 今日のフロアは静まり返っていたのだが、Kさんだけが、いろいろ電話しまくっていて、それが聞くつもりもなく耳に響くのだが、さすがに彼女の言葉使いは完璧である。「承知いたしました」「ええ、おっしゃるとおりですね」「そこで、お知恵を拝借したいと存じまして・・・」「ほんとうにいつもお力添えいただきまして・・・・」

 まるで、紙に書いた文面を読んでいるかのように、よどみなく上品な言葉使いである。
 悪口ばっかり書いているが、彼女は頭も切れるし、一般常識も一般レベル以上であるし、上手に使える人がいれば、かなりの逸材なんだろう。
 それに、彼女の上司が、彼女を上回る見事な先走りで快走中なので、相対的に彼女は「押さえるほう」になったため、前に比べれば落ち着いてきたように思う。それに、時間が経つにつれ、自分がどういう仕事をすべきかが、だんだんわかってきたみたいだし。最初のうちは「ああ、あれも、これも、どうするの〜〜〜」とパニクっていたが、仕事が具体的になってきたら、「とりあえず、やれることから」と思えるようになってきたのかも。

 深読みすると、「元気なおかーさんキャラ」をやっている心の余裕がなくなっているのかもしれないが、どっちがテンパっている姿なのか、いまのところよくわからない。馴染もうと思って、無理してキャピキャピしていたのか、キャピキャピする余裕がないのか。

 それはいいのであるが、Kさんの見事な電話トークに「ふむふむ、参考になるな」と耳を傾けていたら、私のところにも電話があった。

 ぎゃーーーーーーー、弁護士先生だわ。
 昨日のメールの件ねきっと。
 だから、私に電話するなって〜〜〜〜〜〜〜〜〜元部長と話してよ〜〜〜〜〜

 と思ったが、しょうがないので出た。

 相手はベシャリのプロだし、前にも何度か電話で話したけど、要点をびしっと早口で言う人なのである。
 しかし、私は静かなフロアで入力作業に勤しんでいたので、頭がテンキーになっており、会話モードになってなくて、「ええ、そのメールはヨン・・・・(読んだじゃなくて)拝見させていただきました・・・・・ええ、私もそうキイ・・・・(聞いたじゃなくって)伺っていたので・・・・ええ、あのとき、先生もそうイ・・・(言ってたじゃないうて)おっしゃってましたよね?」ああ疲れる。

 ほんとに、電話が苦手だ。
 ビジネス会話も苦手だけどよ〜
 あと、ビジネス文書も苦手です。

 関係ないが、この間かかってきた営業電話に応対したときはちょこっとだけ愉快だった。

 「個人情報保護のご担当者にご挨拶したい」と代表電話にかかってきたので、いちおう担当者に「どうします?」と確認したが、出ないとのことだったので、「担当者が不在でございますが」と言ったら、「では、次にお電話するときのために、ご担当者の部署名とお名前を教えていただけますか?」

 「いません」で済む場合もあるが、そうなると何度もかかってきたりするけど、バイトみたいなテレアポつかっていると、けっこう簡単に引き下がるが、たまに普通にできるテレアポだと(中年女性っぽい声である)けっこう食い下がってくる。場合によっては「担当者はワタクシです。・・・・いえ、今は必要ではありません」と断ってしまう場合もあるけど、今回は最初に「不在です」って言ってしまったので失敗。

 しょうがないので「よくわかりませ〜ん」作戦でいくことにした。
 「ええと、担当っぽい部署にまわしてみたんですけど、誰もいなかったので・・・・」
 「それは、どちらの部署だったのでしょう?」
 「いえ・・・・、その部署かどうかも、わからないので・・・・」
 「では、個人情報をご担当されてる部署名は?」
 「そういう部署はないみたいなんですけど」

 自分がすげえバカみたいで、だんだん面白くなってきた。
 諦めずに食い下がる相手も相手だが(笑)

 「ある程度の規模の企業様でしたら、必ず個人情報保護を担当されてる部署があるはずなんですが・・・・おたくさまは、社員数何名でいらっしゃいますか?」
 「ええと・・・・・・(「3人です」って言おうかと思ったが、それもあんまりなので、ここらで「わたし、すっとぼけてるだけなのぴょーん」を表明しておこうと思い)・・・・それって答える義務はないと思うのですが?」
 「普通は、総務でご担当されてるはずなのですが、では、総務ご担当の方はいらっしゃいますか?」
 「私です」(本当)
 「・・・・・・・」

 お?ちょっとひるんだかな?と思いきや、さらに食い下がってきた。

 「総務で、個人情報について、何か対策はとられてないんでしょうか?」
 「私も詳しくはわかりませんので、よくわかりません」
 「どなたか、上の方はいらっしゃいませんか?」
 「今、私しかいないんです」
 「そうですか・・・・・普通、総務で個人情報保護の対策をとらないといけないはずなのですが」

 よけーなお世話だと思ったが、そりゃ、向こうは「お世話」したくてアタックしているわけだからねえ?

 しょうがないから、バカに徹することにした。
 「はあ・・・・そうなんですか・・・・」
 「ですから、その対策のコンサルタントを当社でお手伝いしますので、ご担当者にご挨拶したいのですが」
 「はあ・・・・そうですか・・・・」
 「ご担当がいらっしゃならいはずはないんです」
 「はあ・・・・そうなんですか・・・・」

 ずっと、「はあ、そうなんですか・・・」を神妙に繰り返してたら、相手もやっと「時間の無駄」と気が付いたらしく、「では、またかけなおさせていただきます」って切っちゃった。

 なんか、あまりにも自信満々な営業電話だと、ついからかいたくなってしまうのも悪い癖だ。
 めったに無いんだけどさ。会社より、自宅のほうが「自信満々電話」が多いかな。エステとかマンションとか。

 企業相手だと、たまに私みたいに、底意地の悪いのが出るけど、けっこう素直な子は担当者名を気軽に教えるので、次回は担当者名指しで電話がかかってくるので、繋ぐことになってしまうようだ。
 「Aさん、Bって会社から電話ですけど?」って繋ぐと「そんなとこ知らないなあ?」「雰囲気的には、営業電話ですけど」「なんで、オレの名前知ってるの?」「さあ?」って言うけど、誰か他の子が教えてるんだよ。
 ま、そうなりゃ、そうなったで、担当者がきっぱり断ってくれればいいだけなんだけど。

 そういえば、私は元々、零細企業で仕事していたので、そういう電話には慣れているが、派遣で来る人の多くは、そういう経験がないので、「社長様いらっしゃいますか?」電話に非常に神経質になるから、「なんで、そういう電話が多いのか」って説明してあげることがよくある。
 「T国データバンクとかに、金さえ払えば、そういう企業名簿がいくらでも手にはいるわけ。みんなそれ見て、端から電話してるんだってば」と言うと、みんな「ああ、なるほど」と納得してくれるんだけどね。

 最近はないけど、一時期、「日本語ちょっと怪しい人からの電話」が多かった。
 そんで「情報システム部の担当者にアンケートをお願いしたい」というのだ。
 で、そんなもん、担当者が出るわけもなく、「不在です」と言うと「では、ご担当者さまのお名前を教えてください」って言う。
 他の子は「なんなんだろう?」と言ってたし、中には担当者の名前を言ってしまう人もいたが、想像力豊かな私は「それはきっと、アンケートが目的ではなく、企業名簿に情報システム部の担当者名を添えた名簿は高く売れるのだ!だから、きっと中国の安い人件費と経費で、そういうビジネスをしているに違いない!」って、みんなに「やたらと担当者の名前を言うな」と教えたのだが、ほんとにそういうビジネスだったのかどうかは知らない。

 ああ、プロの受付嬢がいたらいいなあ、と時々思うが、前に派遣でちゃんと受付嬢がいる会社で働いたことがあったけど、代表電話に入った社長様宛ての電話は全て、総務に回してきて、総務がフィルターかけて、社長に回していたのであった。だから、けっきょく、やることは同じなのであろう。

 新しい派遣の人が来ると、さっきも書いたとおり、営業電話ブロックにビビるようだが、みんなそのうち「繋がない電話」のリストを作りはじめる。何度もかけてくるところもあるので、ある程度は有効なのだが、相手は無数にあるので、メモ用紙が3枚くらいパソコンに貼られると、みんな飽きてくるというか、その頃になると、相手の話し方でだいたいわかるようになる。あと、繋いでいい取引先の名前も覚えるようになるし。取引先には、総務部の電話番号教えてるし、名刺を持っている人は代表電話にかけてこないのだ。
 そんで、やっと「代表電話にかかってくる電話の9割が、営業電話」ってわかってきたころに、みんな辞めてしまうので、また1からやり直しだったりして悲しい。

 ちゃんとした会社だと、電話受付データベースとか作ってそうだけど(ライブドアがモデルだったドラマ「恋に落ちたら」でも、クサナギ君がIT社長に電話して、それでブロックされてましたっけ)、うちくらいの会社だったら、半年もやってりゃ、だいたいわかるようになるので、これも、そこそこのスキルの必要な立派な仕事だと思っているんだけどね。
 でも、一生懸命やってても、ほとんど評価されないのが悲しいところだ。

 それに、かけてくる相手も、それが仕事なので、そのあたりも虚しくなる原因である。

 うちの会社も某調査会社のデータベース検索ができるんだけど、そのシステムの設定に来た営業の人が「こういう使い道もあるんですよ」と、業種や業績別、地域別にリストアップできて、ピンポイントな営業戦略に最適!という営業トークを披露されて、「ああ、こういうのがあるから、そういう電話がたくさんかかってくるんですよね・・・・・うちにもジャンジャンかかってきます・・・・私、そういうのをブロックする係りなので・・・・・はっきり言って迷惑しているんですが・・・・」と本当のことを言ったら、その営業マンも苦笑しておりました。

 あれに比べれば、スパム・メールなんて、ひたすら削除してればいいだけなので、まだ可愛いのかもしれない。
 ほんとに大変なんですから。タチが悪いのは、「社長のお友達装い電話」
 一時はほんとうに個人名の電話が多かった。本当にお友達の場合もあるので、油断できなかったのだが、最近は、社長の友人たちにも携帯が普及したので、会社の代表電話にかけてくるのは、3名くらいになり、派遣の人にもそのリストを渡せば済むようになった。
 それだけは、ほんとうにケータイの普及、万歳である。

 そんな風潮が全国的になったためか、個人名電話も激減した。
 でも、一人だけ懲りずに毎日かけてくる人がいる。あまりにも馴れ馴れしいので(「社長いる〜?え〜?いないの?会議?あ、そう。何時ごろ終るのかなあ?」)慣れない人はビビるが(「なんか、すごく親しいっぽいんですけど、ほんとにおつなぎしなくてもいいんですか?」「ああ、いいの、いないって言って」「ほんとに、いいんですか?」)、ほんとに毎日かけてくるし、多いときには、朝夕2回かけてきたりするので、すっかり総務部のお馴染みさんである。

 みんなが、その電話をとても嫌がるので、ポジティブ・シンキングな私は、「あの人の電話をとった人は『今日はラッキー・デイ!』と思うことにしたらどうでしょう」という提案をしたが、誰も同意してくれなかったので、一人で「あ、今日は当たり!」と思うことにしたのであった。

 派遣のTさんも最初のころは「昨日もかかってきたのに、今日もかかってきた」とか騒いでいたのだが、ある日「今日は久しぶりにとりました。かけて来る日と、こない日があるんですねえ?」と言うので、「Tさんが受けてないときには、誰か他の人が受けてるだけだよ。ちなみに昨日は私が当たりました。おとといはハイジだったよ」と言ったら、「あ、そうか・・・・・」と黙ってしまった。
 私があまりにも冷静に説明するので、みんな私がその電話のオーソリティだと思うのか、「なんで、毎日懲りずにかけてくるんでしょうか?」って聞いてくるので「知らんよ。そういう仕事なんでしょ」としか言いようがない。でも、あんましナメるのも危険っつうか、ヤバい団体の可能性が高いので、でも、ヤバい団体と言っても、社長が「たぶん、そういうのだろう」と言ったので(一度、個人名でかかってきたそういう電話が、知人の名前と同じだったので、社長がうっかり出てしまったことがあった)、部長と私にはピンと来たが、若い社員にはそういう言い方は通用しないので「え?ヤバいってなんですか?」と食下がられても、ハリポタの「例のあの人」みたいな言い方しかできないし、それに、そうと決まったわけでもないし、「まあ、なんだかわからないけど、変な人なのは確実だから、相手のご機嫌を損ねないように、丁寧に応対してください。社長は外出してますって言えば、すぐ引き下がるんだから」と説明してある。

 ふー、今日もなんだかいっぱい書いたな。
 「きゃー、大家さんに迷惑かけてしまった。はずかひぃ」と、テンション上がっていたので、沈静のためにひたすらキーを打ってしまったような気がする。
3月13日(月)

 土曜日の夜から、日曜日の朝にかけて、6時間以上カラオケボックスにいました。(「カラオケでオール」ってやつだ)

 唄いすぎ&飲みすぎで、ヘロヘロになって朝帰りしたので、日曜日もほぼ死んでました。

 さーて、今日もバリバリと仕事。

 ハイジが今週は長期休暇中なので、ヤツの分の仕事もせねばならない。
 「振込みされてない」という問い合わせに、ハイジの机を漁って、証拠書類を発見し、「この日に振り込んでますが〜」と応対したり、ハイジが作成した請求書の明細の問い合わせがあったのだが、誰に確認すればいいのかわからなくて、担当部署の部長に確認したら「それは親会社の誰々がやってる」というので、電話してみたら、今日は終日外出だというので、しょうがないから親会社に出向いて「この件、だれか他にわかる人いませんか〜」と、マッチ売りの少女のように親会社をさまよっていたら、親切な若者が現れて「あ、それなら、すぐにわかりますよ」と明細を出してくれて、得意先にそれをFAXしたり、社内から「ハイジに去年のこの費用を集計してほしいんだけど」と言ってきたので、「ハイジ君は休暇中なので、私がやりますが、この費用ってどれですか?」と内容を確認して、せっせと数字を拾ったり・・・・・

 他人の仕事をやると、コツがよくわからないから、けっこう時間がかかってしまう。

 まあ、私が休みのときには、ハイジがブータレながらやってくれてるんだろうから、しょうがないんだけど、1件ほど、ちゃんと申し送りのされてない仕事があり、担当者がハイジを訪ねてきて「あれ?ハイジ君は?」と言うので、「休暇中ですよ?」と言うと「え、えええええ〜〜〜〜〜〜!」

 そんなに驚かなくてもいいだろう。私がやりますってばさ。ただ、もう一度ちゃんと説明してくださればいいだけです。
 ただ、ハイジも、「○○さんに、この件頼まれてますんで、よろしく」と一言残しておいてくれれば、その人が「ハイジは?」って来たときに、「休みだけど、あの件でしょ?聞いてますから」と言えば、相手が「え〜〜〜〜、ハイジに頼んだ件が・・・・」と悲しそうにしなくても済むんだけどなあ。

 今日は、久々に元部長からメールがあり、いきなり不機嫌になる。
 いや、たしかに「あの件」は、私もお手伝いしてましたよ。
 で、隣の席に座ってたときには、その件で相手から部長に来たメールを私に転送してきたときには、「あの〜、で、これって、私はなんかしたほうがいいんですか?」って聞けたんだけど、今は別の建物にいるんだからさあ、転送するときには、なんか一言添えろよなあ。

 以前から、元部長は、その件を投げ出しており、私に処理してもらいたかったようだが、そうならそうで、

 1.私にどうすべきか、きちんと指示する。
 2.私に任せた旨を相手に伝えて、自分が関われない詫びのひとつでも添えておく。

 くらいは、最低でもやってくれないと、前から私が「どうしましょう?」と聞いても「うーん、それはボクにもよくわからないなあ」と、まともに取り合ってくれず、相手にもちゃんと返事してなかったので、相手もとうとうブチ切れたみたいで、その転送されてきたメールは、関係各者にもCCされておりました。

 そうなっちゃうと、もう、私の出る幕無しでしょう。
 相手のクレームは、要約すると

 1.得意先に送金してないので、自分のところに催促がきて、その件では、去年から何度もお願いしているのに、まだ送金してないのですか?
 2.その件や、その他諸々で、自分はけっこう時間を割かれている。その分の金払え。

 である。

 1については、私は何度も「だから、振込先がわからないんですってば」と申し上げていたのだが、そんで、間に弁護士までいれて、そのことは弁護士先生にも言ったのだが、その当時、2件そういうのがあったのだが、1件はすぐに振込先を教えてくれたので、とっくに支払っているが、もう1件はなぜか教えてくれないのである。

 その1件は、どうも本人か事務担当者が「毛が3本足りない」らしく、業を煮やして部長に直接メールしてきた。たぶん、今回のクレームの人が、「自分に言われても知らん。直接相手にきいてくれ」と投げたのであろう。

 部長は、そのメールを「また、催促がきたよ」と私に転送してきた。
 やっと処理できると思って、そのメールを読んだが、「残念ながら、まだお支払いただいておりません、くどくどくど・・・・」という文章しか書いてなかった。英文なんだけど、いくら私だって、英文の中に振込先が書いてないかくらいわかるわい。

 そしたら、添付ファイルがついていたので、「ああ、これに書いてあるのか。添付ファイルとは回りくどい」と思って、それを開こうとしたら、えれ〜時間がかかるので、てっきりウィルスに感染したかと思ったわよ。

 いくら、pdfだからって、重すぎる・・・・・と思ったら、やっと開けて、なんと、請求書をpdfで送ってきたのだった。まあ、それはいい。でも、開けてみたら、「あれ?これ、金額が違う・・・・・」

 そこからの請求書の原本は持っているのである。だから、わざわざ添付で送ってもらうこともなかったのだが、どうもアメちゃんの請求書っていうのは、振込先がデフォルトで書いてないのね。小切手送金が普通なのかどうか、私は知らんが、振込先を教えてくれたところの請求書にもそういう記載はなかったのである。

 住所はわかるから、海外送金用の小切手を作成してもらうという手段もあるのだが、こっちが送金手数料負担するんだから、振込みのほうがラクなのであるし、ほんとに、ただ単に振込先を教えてくれればいいんですけど・・・・しかも、数百ドルなのよ。

 で、話が戻るが、添付された請求書ファイルの金額が違うので、よくよく眺めてみたら「あ、これ宛名も違うじゃん(笑)」

 ばーか、間違って添付してやんの。
 でも、まあ、よくある間違いとはいえるけど・・・・・ちゃんと確認しようよ。
 と、思っていたら、なんと、そのファイルは1件だけじゃなかった。
 pdfファイルの見方がよくわかってなかったのだが、よくよく確認すると、そのファイル、200ページ以上あったのです。

 そりゃ、重いはずだわ。
 小冊子分のファイル!
 これは、なにかの嫌がらせか?
 おそるおそる先の頁に進んでみると、出るわ出るわ、他所への請求書!
 しかも、他所様の住所氏名連絡先もばっちり!

 これは、ただの「個人情報漏洩」では?

 つーか、そんなの確認もせず、部長が私に転送してきたことにも腹がたって「あの〜、この添付ファイル、ちょっとまずいと思うんですけど」と説明したら「ああ、どうしたんだろうねえ?」とうわのそらである。

 「でも、でも〜」と食い下がったら、部長もやっと「相手のとんでもないミス」に気が付いたようで、「じゃあ、ちゃんと教えてやるか」と少しやる気になったようだ。相手は部長を責めるつもりで、うっかり自分の顧客情報を流してしまったのである。けっこう個人客相手が多い商売でしたし・・・・・日本語でいえば、「○○士」っていう士族様が、1ヶ月分の請求書を人に流しちゃいかんだろう。

 あんときも、「じゃあ、これをうちの弁護士に転送して、対処してもらって」と言ってくれればそうしたが、「じゃあ、返事しておくよ」「あの〜だから、振込先を教えてほしいって書いてください」と言ったら、「わかった。いつになるかわからないけど」と言っていたので、私も放置していたのだが、あれから3ヶ月経ったわけです。

 で、2の件は、その前から弁護士経由できいていて「あっちから、こういう内容の請求が来たのですが・・・」と言ってきたので、部長に相談したら「そんなこと言われてもさあ」と言うばかりで、ちゃんと弁護士とも話しをしてくれないので、しょうがないから私が「その件は、部長もよくわからないようで」と言ったら、弁護士も「じゃあ、保留にしておきますね」と言ったっきりになっているのだ。

 当然のことながら、弁護士だって、勝手に余計なことはしないので、ずっと保留になっているのである。

 私も気になってはいたのだが、何せ、私が弁護士と話しても、なにも判断できないで、ただ部長に伝えるだけなので、「どうしよう、新しい部長に相談しようか」と思ってた矢先に、今日のメールが来たのであった。

 まあいいや。(と自分に言い聞かせる。私にも、もう少しやりようがあったかもしれないが、でも、私の責任はせいぜい3%と消費税以下であろう)

 頼みの綱は、部長以外にもそのメールを受け取った他2名がどう動くかである。
 1名は弁護士なので、静観するかもしれない。もう1名は、そのクレーマーの元上司なので、その人が間に入って向こうと連絡とってくれればよし。
 とりあえず、先方は「Tさんはなんにも返事してくれないし、連絡くれた弁護士には振込先を伝えたのに、やっぱりそれっきりだ」と怒っているのだ。

 向こうは、部長と弁護士の連絡役(・・・・ただのメッセンジャーでしたが)だった、私のことなんて知らないわけで、私もどうすればいいのかわからないし、もしきちんと相手に事情を説明して、私に今後どう処理するか指示してくれれば動くけどさ。

 しっかし、こんな大したことないことで、なんでこんなに長引くのか不思議でしょうがない。
 ちゃんとメールするとか、できることなら、電話の一本でもかければいいじゃない。
 そんで、私にとっては迷惑だけど、「じゃあ、ミヤノからこの人にメールしてくれ」って言えば、まだわかるけど、ただ相手の怒りのメールを転送されたって「わたしにどうしろって・・・・」と困るだけだ。

 いいように解釈して「揉めてる過程もいちおう情報共有しておきましょう」ということにして、「で、どうすんですか?」と傍観するしかない。
 きっと、何も解決したくないのだろう。

 さて、今日も新規業務の件で、やっとKさんがM嬢をつかまえて、2時間くらい話し込んでいた。
 私が帰ろうとしたら、やっとM嬢が解放されて、Kさんの愚痴とM嬢が「でも、どうしたらいいの?」っていうのの、おさらいをした。

 ただ、M嬢も細かいし、私が軽く言ったことを間に受けるので「そんな、買い物三昧じゃ、その会社、赤字になっちゃうじゃん(笑)」というのを真剣に考えてしまったらしく、「普通は最初にどのくらいの予算を設定するの?資本金の何割とか基準があるの?」と聞いてくるので「それは、経営判断だし、その会社の業務や規模によってもさあ」と答えるしかない。

 そもそも、そういうのを仕切る人が決まってない(もしくは、決まってるけど、その人が動いてない)状態なんだから、こっちがあれこれ気を揉んでもしょうがないし、もう好きにやらせておくしかない。関係者のメンツを潰さない程度に。

 「それに、備品をいくら買っても、それはその時限りだから、たとえ高くても、それほどのことでもない。金があれば払えるんだから。それよりも、人増やすってほうが問題。だって、10万円の備品を買えば、10万円だけど、月給20万円の人を一人雇ったら、年間300万円くらいの出費でしょ?あと、家賃とか、そういう固定費のほうが重大なんだけど、備品はそういうのに比べると大した問題ではない」

 なんで、私がM嬢に「竿竹屋はなぜ・・・」みたいな講釈を垂れているのか・・・・・

 で、私の勝手な想像では、今は「自分の城」を持って、浮かれているそこの上司も、そのうち飽きると思う。
 「ほら、新居を構えた人って、家具をあちこち動かしてみたり、あの家具もほしい、あの家電もほしいって、浮かれるじゃん、あれと同じだと思うよ?」
 と私が言うと、M嬢も「・・・・そういわれると、そうなのかも」

 そんで、浮かれている彼を誰も止められないのだ。
 たぶん、会社が実質的に動き始めて、ちゃんとした「事務局長」が選出されても、同じことだろう。

 会社帰りの電車の中で、親会社の経理の女性Hさんに会った。
 彼女とその話で、ちょびっとだけ盛り上がる。彼女もその新規業務の手伝いをしているので、「あそこ、どう?」と聞いてきたのだ。私より5歳ほど年上の彼女は、私が「某氏が暴走してます(笑)」と言うと、ちゃんとわかってくれて、「もう、誰も意見できないだろうしねえ?で、ミヤノさんがあそこの経理をやることになるのかしら?」

私 「さあ、ほんとにそうなるのかどうか・・・・経理スタッフ雇うなんて話も出てますし」
H 「でも、ほんとに出来る人が来るのかしら?」
私 「さあ?でも、ちゃんと任されれば私がやりますけど、今んとこ、誰がそういう指示出すのかわかんないんですもん(笑)」
H 「でも、けっこう大変よ?某氏はお金のことなんてわからないだろうし・・・」
私 「私は、ダメなもんはダメって某氏にいえますけどねえ?でも、他の人が遠慮がちだから・・・・」

 たぶん、Hさんはちゃんとわかっている。「某氏は会社ごっこするだけだろうし、某氏の人脈で新しい人がきても、ごっこ遊びのメンバーが増えるだけ」ってことを。
 事実、Kさんは、「本気の会社ごっこ」に巻き込まれ、マジメにごっこ中なのである。

 「マジとゴッコは一緒にできないの!マジとゴッコは叔父と姪っ子だって言ったでしょ?叔父と姪っ子が結婚すると、遺伝子が近すぎて、矛盾が産まれるの!」

 というようなセリフが渡辺多恵子の「ファミリー」という漫画に出てきたっけなあ。おとぼけママが「ママはマジでお医者さんごっこしてるもん」と言ったときの長男のセリフだ。

 猫十字社の「黒のもんもん組」の中で絶叫された「人類は皆兄弟!よって人類は皆近親相姦!」と並ぶ、記憶に残る漫画の名セリフであった。

 今日、ここまで愚痴って、やっと考えがまとまってきたので、ちゃんと書いておこう。

 教訓:マジで仕事ゴッコしている人たちに巻き込まれてはいけない。太郎冠者と次郎冠者が走り戯れる日本の伝統芸能だと思って、神妙に観劇しよう。和泉元ヤに「やあ やあ やあ」と挑発されても、マジにプロレスしている人は、うっかり舞台に上がったりしないんだ。  
3月10日(金)

 会社でずっと「私に話し掛けるなオーラ」を一生懸命、生成しているので、それはそれで疲れる。
 自分では「わりと、話かけにくい人らしい」と思っているので、普段は意図的に「話し掛けられやすいオーラ」を出しているのである。オーラっつっても、ちゃんと笑顔で挨拶したり、誰かが総務に何かの用で来たときには、積極的に目を合わせて「なにか?」って顔をしたりする程度だけど。

 そんなに器用なわけでもないから、遮断したい人は約1名なだけだけど、一人だけ遮断するわけにもいかないので、無表情のままモニタを見つめて、ガシガシと入力しているフリしているし、周囲でなにか会話をしてても、全部聞いてるんだけど「ぜんぜん、耳に入ってません」ってフリしてるし、お手本のハイジはそれを素でやっているらしいのだが、真似するのは大変っす。

 なんだか「七瀬シリーズ」みたいだと思ったら、噴出しそうになってしまった。
 テレパスの七瀬は、必要の無いときには、他人の心を読まないように、意図的に遮断しているのである。

 しかし、夕方になると、バリアも緩くなり、Tさんが仕事のことで質問してきて・・・それも、先週からよく電話で問い合わせが多かった件で、私も詳細がわからないので「その件は、○○部に繋いで」とシンプルに説明していたのだが、総務の予定にもその件が今週になって入っていたので、「これはなんですか?」ときいてきたのであった。

 あいかわらず、Tさんの「気になること」は不思議である。電話が続いたときには、何もきいてこなかったのに、予定表に入っていると、気になるらしいのである。
 「この件については、だいたいの概要を知っておいたほうが、電話応対の役に立つだろう」という思考はしないらしい。最初のころは、私も「この件では、もしかしたら問い合わせが入るかもしれないから」と思って、「こういう内容だから、こういう問い合わせとか、ああいう問い合わせが入るかもしれないけど、それを担当しているのは、あそこの部署で・・・」なんて説明していたのだが、あんまり頭に入らないようだし、私がいるときには、いつも「この件で電話なんですが、どうしましょう?」ときいてくるので、「だから、さっきも説明したけど、あそこの部署に・・・」「はい、わかりました」を繰り返すので、ちゃんと説明しても、その都度確認してくるから、ちゃんと説明する気がなくなってしまったのである。

 そんで、どうやらその件についての電話が昨日もあったらしく、全く違う部署に繋いだので「それは、あっちの部署では?」と、その部署の人もわかってなかったので、また全然違う部署に回されて「それは、ここではわからない」と冷たい対応をされ「私もわからないんです〜、って言っちゃいまいした」と笑顔で語っていた。

 あの〜、何度も指示したではありませんか・・・・
 そんで、その件について、今さら、興味を持ってもらっても遅いし、3月で契約終了(本人の希望)な人に、今さら、あれこれ細かいことを教えるのも面倒だったのだが、でも、せっかく興味持ってくれたんだから、と思って、丁寧に説明して、「ね?だから、これの担当は、○○部なわけ」と言ったら、「ああ、だからですか、なるほど〜」とやっと、少し理解してくれたようだ。

 悪い人ではないのだが(なんか、最近、これが口癖になってるみたいで、ちょっとなあ)、なかなか難しい人である。
 そんで、そのやりとりで、彼女もちょっと雑談したくなったようで、いきなり「ミヤノさんって、自炊とかするんですか?」って聞いてきた。

 唐突なんだよなあ、ほんとに。
 でも、この質問って、新しく来た派遣の人がよくするんだよね。「話のきっかけ」としては無難なんだろうか?
 たぶん、私が「しっかり自炊してそう」に見えるからなんだろうなあ、きっと。
 すいません、全然自炊してません。10年くらい前までは、けっこうやってたんですが・・・・

 なので、その質問は「ミヤノさんってお子さんいるんですか?」に次ぐ、私を不機嫌にさせる質問なのであった。
 つーか、「いません」とか「しません」と憮然と答えてしまうので、話が膨らまないのよ〜。

 もっとも、自分もわりと「話かけ下手」であるので、豪華な刺繍が施されたブラウスを着た人とトイレで出会って、「わー、それすごいっすねえ。なんかそういうのって、どうやって洗濯したらいいのか、見るだけで困る」と話かけて、相手を困らせたりしている。

 話は戻るが、私はどうも職場での「さあ、なんか雑談でもしましょう」っていう合図のような「質問」が嫌いである。「自炊とかするんですか?」「なんか運動してます?」「最近、なにか映画観ました?」「本が好きなんですか?」「連休って何か予定があります?」

 つーか、いつも書いているけど、自分の話をしないで、先に質問で始めるのが好きくないらしい。
 「昨日の休みに、久々に映画に行ったんだけど、すごい混んでて、あきらめて別の映画観ちゃいました」とか、言ってくれれば「え〜、何の映画だったの?」とこっちが質問できるし、そんで「○○ですよ」「ああ、そりゃ、今一番話題なんでしょ?でも、そんなに混んでるんだ〜」で、やっと「ミヤノさんも、けっこう映画観るんですか?」って質問されれば、「私は、シネコンのレイトショー専門。あそこ住宅街だから、昼はガキ映画で混んでるみたいだけど、夜は空いてて穴場なんだよ。料金も安いから、面白くなくても腹がたたない(笑)」なーんて、ベラベラ喋るんだけどなあ。

 さて、Tさんは「自炊するんですか?」で、彼女が想像していた答えをもらえなかったにも関わらず、さらにまた質問してきた。「一人暮らしって、どのくらいお金がかかるんですか?」「え?どのくらいって?」「いえ、最初のころとか・・・」

 初期費用のこと?礼金+敷金+家賃一か月分+引越し費用+什器備品代+消耗品費がどうのってこと?

 なんで、そんなこと聞いてくるのかわからなかったが、Tさん、実家にいると聞いていたし、独立を考えているのか?
 どの程度、真剣な質問なのか、それとも、ただ雑談したいだけなのかわからなかったので、「まあ、ピン・キリでしょうけどね」と無難な答えをしたら、「でも、ミヤノさんって、三茶なんでしょ?家賃とか高いでしょ?」と言うので、「たしかに相場は高いけど、その分、狭くなるだけ。田舎だからって、半額になるわけでもなく、シングル用賃貸物件って、田舎に行くほど数がないし、シングル物件だからって安くなるわけでもなく、その分、広くなるだけだと思う。ほら、郊外って、ファミリー向けが多いじゃん。都心のほうがボロいけど安いシングル物件が多いっていうことも言えるんだよ」

 ちゃんと長々と語ってあげたのだが、Tさんの返事は「はあ、なるほど」で終わりでした。
 なんか、あたし、変なこと言った?

 どうも、Tさんは、私がちゃんと演説すると引いてしまうようだ。
 彼女の想定する「雑談」とは、もっとブツ切りなんだろう。

 「三茶って家賃高いんでしょう?」
 「そうなのよ〜、ほんとに高くて、給料の半分が家賃ってかんじよ〜」
 「大変ですね」
 「ほーんと、大変なの。家賃って、ほんとに高くて困るよねえ〜」
 「ほんと、困りますよね」

 さて、そんなTさんであるので、私みたいにKさんにアレルギー感じることなく、Kさんが「・・・が、・・・・なのよね〜〜〜〜〜」と言うと「そうですね」と、彼女なりに和やかに会話しているらしかった。
 ただ、さすがのKさんも、Tさんと1分以上会話を続けるのは困難のようである。

 「笑っていいとも」でタモリが観客に向かって「今日はいい天気ですね」「そうですね」「でも、午後からは雨みたいですね」「そうですね」とコール&レスポンスを3つもやれば、十分なように。

 ヘタれな私は、ときどきTさんを味方につけたくなり、遠まわしに「Kさんって・・・」と言っても、全然反応が薄いので、Tさんはあれを全然気にしてないんだと思っていたのだが、今日はちょっとだけ面白い光景を目撃した。

 切手の在庫の管理をTさんに任しているので、Kさんが「これに切手貼りたいんだけど」と持ってきた。
 切手の管理帳には、切手の種類や枚数やあて先を記入することになっているので、TさんがKさんの持ってきた封書の宛名を確認して切手を出してから、記入していたのだが、その間も、Kさんは「これでいいの?」とじっと横で立っているので、

T 「ええ、もう大丈夫です、あとはやりますから」
K (じっと横で立って見つめている)
T 「あ、大丈夫です、あとは、やりますから。書くだけですから」
K (まだ、じっと横で立ってて、見つめている)
T 「ほんとに、ほんとに、大丈夫ですから、私がやりますから」
K 「ほんとに、いーの?」
T 「ほんとに、いーです」
K 「大丈夫?ちゃんと、わかる?」
T 「わかります、大丈夫です」
K 「じゃあ、悪いけど、おねがいね。ほんとに、ありがと〜」
T 「はあ・・・・・」

 ふふふ。Tさんにも、ちょっとだけ、Kさんのウザさがわかったかも。と、ちらりとTさんのほうを見てみたのだが(つくづく人間が小さい)、彼女は黙々と切手管理帳に記入しているだけだった。
 彼女はただ、自分の作業をじっと見守られているのが嫌だっただけで、ウザいとは思わなかったのかもしれない。

 ほんと、閉じてるなあ〜
 小さな金魚鉢の中の金魚ような珍しい人である。

 以上は、いちおう悪口ではなくて、あと20日で契約が切れてしまうTさんの些細な言動を後世に書き残しておこうという、私のせめてもの心のスケッチのつもりなのでした。

 そういえば、今日は取引先の会社の社長の息子が訪ねてきたのだが、思ったよりも若い男の子で、しかも、ちょっと可愛かったのである。
 取り次いだ私も「きゃっ、なんかカワユイのが来た」とトキメイテいたのでありますが、応対した取締役も「イケ面だよねえ〜」と言っていたので、私と取締役とで「意外とカワイかった」と賑やかに雑談していたのですが、その間に座っていたTさんは微動だにしなかった。

 私だったら「え?ほんとに?え?もう帰っちゃったんですか?え?また戻ってくる?じゃあ、ほんとに可愛いかチェックしなくちゃ」って絶対に首つっこむんだけどなあ。そんで「タレントで言うと、誰に似てました?」なんて言えば、会話が弾むじゃん。
 ほんとに、かなり不思議な人である。
3月9日(木)

 今日は会社をお休みしたので、仕事の愚痴(つーか・・・ただの悪口)もお休みです。

 やっと、Aさんちに遊びに行くことにした。
 笑っていいとも観てから家を出て、宝くじ売り場→ATM→化粧品売り場→ケーキ屋さん、と巡る予定であった。
 顔につけるパウダーが無くなってしまったので、買うつもりだったし、Aさんちにケーキでも持っていくつもりであったが、財布に千円しか入ってなかったので、銀行に寄るつもりだったのだが、なんと、宝くじ売り場でまた小金をゲット。

 ある程度、小金になることは予想していた。昨年秋から、ジャンボ宝くじが発売するたびに「ちくしょー、一発当てて仕事辞めてやる!」とストレス解消のために連番で多いときには3組買っていたので、けっこうな分量になっていたから、2000円くらいは戻ってくるだろうと思っていた。

 数も数えないまま、袋ごと窓口で「番号調べてください」と差し出すと、「では、こちらの画面をご覧ください」と言われたので、ぼんやりと眺めていた。
 刻々と枚数と「当選金額」が表示される。当然のことながら、10枚ごとに300円づつカウントされ、「いったい、何枚溜め込んでいたんだ?」と思ったのは、70枚を越えたあたりで、金額も2000円を越えていた。

 「ちっ、やっぱ、1割しか還付されんか」と思っていたら、いきなり桁が増えた。
 「あちゃー、また1万円当たったの?」
 と思っているうちに、合計90枚は全て調べ終わり、窓口のオバサンが「おめでとーございます。オータム・ジャンボで1万円と、あと3千円があたりましたね」

 そんで、合計1万5千円ちょっと戻ってきたのだった。
 90枚×300円で、2万7千円投資して、5割以上戻ってきたということらしい。けっこう打率はいいけどさ。

 しかし、ほんとによく当たるなあ。1万円もたぶん2度目だし、3千円もけっこう当たっているのだ。
 そんで、毎回「これは、一攫千金なんて諦めて、地道に働けというお告げなんですね」と、悲しい気持になるのだが、それでもついついジャンボに貢いでしまうのであった。

 おかげ様で、ATMに寄る手間は省けたので、パウダーを買って、ケーキを買って、パスネット買ったら、ほとんど使ってしまいましたけど。

 Aさんちのお子様も、2歳半くらいになったので、かなり宇宙語が堪能になっていた。
 客が珍しいのか、ちょっかい出してくるようなので、得意の「乱暴な遊び」をしてあげたら、ガンガン頭をぶつけて転がっていたので、母親であるAさんが「あんまし頭を打つと・・・」と心配していた。
 あんまし他の子供とプロレスごっこしないみたいだし、Aさんの教育方針が「人をこづいたりしない優しい子に」であるので、ちょっとドツくと、頭から転んでしまうようであった。

 それで作戦をかえて、こちょこちょくすぐりごっこにしたのだが、気味悪いほど喜んで、「おめー、マゾだな」ってかんじだったが、それでも顔を真っ赤にして歓喜の叫びをあげるのだが(けっこうエロいと思った)、そのうちギブアップして、「まま〜」と叫ぶので、ストップすると、また「ピーっ」と私を指でつつく。「ミヤノさんスイッチ」のつもりらしい。

 30分くらい延々と「ミヤノさんスイッチ・オン」→「ミヤノさんスタート」→うりゃ〜〜〜〜〜 ぎゃ〜〜〜〜〜 うりゃ〜〜〜〜〜〜 ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜「ママー!」→「ミヤノさんオフ」→3秒後→「ミヤノさんスイッチ・オン」というのを繰り返していたので、私は腰が痛くなってきてしまった。
 まったく、お子様は繰り返しが好きなので疲れるわい。
 私が飽きてしまうので、いろいろ責めのパターンを変えてみたけど、向こうはなんでもいいみたいで、我を忘れて派手に身悶えるので、こっちが気をつけていてもゴンゴン頭を床に打ち付けてしまう。

 すまん、Aさん。ご子息がバカ息子になったら、脳細胞100万個分くらい、私の責任です。

 いつもなら、昼前後には外出して発散して、2時から3時くらいには昼寝するらしいのだが、私が3時すぎに来たし、散歩もしてなかったので昼寝しそびれたので、私に執拗に絡んでいたらしい。7時前に、やっと力尽きて眠ってくれたので、私も退散した。

 ご子息を大人しくしておくために、ずっと「ピングー」のDVDをかけていたのだが、Aさんと「やっぱ、オランダ製だけあって、おしゃれだよねえ、さすがデザインの国」と、けっこうピングーに夢中になっていた。
 DVDにはメイキング映像もついていて、日本人スタッフが、一人で粘土人形を動かしながら一枚一枚撮影していく「超・根気のいる作業」などを観たが、Aさんが「声をやってるおじさんが一人で全部やってるんだよ」と教えてくれた。

   へえ〜
 なんか、エンヤみたい(笑)

 残念ながら、そのメイキング映像のついているDVDは、友達に貸し出し中で観れませんでした。

●もしも私が雑誌だったら

 どんな雑誌なのかわからんが、つーか、最近、全く雑誌を読まないので、ほんとに疎いのであるが、「どうしても友達になれそうもない雑誌」のひとつが「ソトコト」である。
 よく電車の中吊り広告を見るだけなんだが、なんか気に入らないので「一生読むことはない」と思っていたのだが、「スローライフ」とか「ロハス」とかいうの苦手なだけなんだけど、今月号の中吊り広告は「へ?」ってかんじだった。

 「学生諸君!一流企業の就職ばっかり狙ってないで、NPOを立ち上がってみるのもいいんじゃない?」と、言うような煽り文句が書いてあった。NPO特集らしい。それはいいのだが、「NPOっていっても堅く考えることはない。飲んで、Pして、踊ってりゃいいのだ」とか言うことが書いてあり、NPOに詳しくない私であるが、「このコピー、NPOの人が見たら、不愉快にならないのかなあ?」と疑問に思った。
 だって、英語も苦手だけど「Pして」って、「おしっこする」って意味っぽいんですけど・・・・

 つーわけで、本屋でそっと立ち読みしてみました。
 びっくりしました。
 中吊り広告は、いつも文字だけだったので、勝手に「ちょっとおしゃれな硬派」を狙った雑誌だと思っていたら、紙面の印象は、「エル・ジャポンか?」ってかんじだった。

 いったい、どういう読者層がターゲットなのだろう?
 ともかく、中吊り広告の印象と紙面があれだけ違う雑誌というのも珍しい。
 中吊り広告だと、全然「ファッション誌」って印象じゃないのに、女性雑誌のコーナーに並んでいて、中味もそうだったのである。

 これは困った。
 私は、エコとかロハスとかスローライフをちょっとコ馬鹿にしてしまうことが多いので、「ソトコト」を仮想的雑誌と思っていたのだが、敵は「コ馬鹿」どころか、「大馬鹿」にしていたのである。
 「レオン」や「ニキータ」ほどの王道ギャグじゃないだけに、わかりにくいのだが、狙ってることは「ニキータ」以上のように思える。確信犯すぎて、何も言えないってあたりも。

 世の中には、まだまだ理解不能なものがたくさんあるようである。
 
3月8日(水)

 今日も私を悩ませたKさんの話。

 その件で、昨日はM嬢と相談したので、そのことを朝イチで部長に相談してみた。
 「うーむ」と事情はだいたいわかってもらえたのだが、「でも、今はオレかもしれないけど、決済経路が後で変わるからなあ」と煮え切らない返事。

 まだ法人登記すら済んでない新会社なのだが、Kさんがマイペースに先走って、ドシドシ備品を発注しているのである。しかも、備品を納入する出入り業者と直で話しをさせたら、「あそこに頼めば、なんでもOKなのね」と思ってしまったらしく、勝手に発注するのだが、えーと、まだ会社が存在していないので、うちの会社で立替なんですが・・・・
 正式に動き出したら、うちがそこの会社に請求すればいいのだが、出入り業者の営業も心配になったらしく「全部、素直に納品してよろしいんでしょうか?」と、さすがわ長年うちのグループと付き合いがあるだけあって、ちゃんと確認してくれたのだが、なにしろ「船頭」がまだ決まってない段階なので、誰に決済を仰げばいいのかわからない。

 だいたい、その会社が最初にどのくらい利益をあげられるのかも不明なのだ。
 だからこそ、最初はうちで面倒をみて、立ち上げの世話をして、ということなんだろうけど、Kさんと、その上司になる人が張り切っちゃって、あれもこれもとテンションあがってしまって、誰にも押さえられないのである。

 別会社なんだから、「好きにすれば」と放っておくのか、それとも、もしかすると、うちで経理事務をやることになる=私が経理担当になるかもしれないので、ある程度、うちでコントロールすべきか、部長のご意見を伺ったのであるが、「まあ、いちおう、どのくらい発注したのか目を通しておくか」という程度の返事だったので、がっかり。

 前の部長に比べれば、今の部長は私好みに「決断が早い」のであるが、なんか、あの会社のことになると、及び腰だなあ。まあ、その理由はわかっているんだが・・・・

 そんな中でも、Kさんは毎日、楽しそうに新事務所の準備をしているようだ。今日も掃除するらしく「あの、プシュプシュする掃除のやつ、お借りしてもいい?」とTさんに聞いていたが、ここんとこ、そういう流れになったのだが、Kさんは話し掛け易いし、どうやら「雑用担当」らしいTさんにいろいろ聞くのだが(M嬢が不在のときに限るが)、Tさんは、そのまんま横にいる私に「ミヤノさん、いいんですよね?」と確認してきて、私が「ああ、いいよ、どうぞ〜」と言うと、Tさんが「いいそうです。どうぞ〜」で、Kさんが「ありがと〜」ということになる。

 たぶん、Kさんは「お忙しそうなミヤノさんのお手を煩わしてはいけない」と思っているのかもしれないが、間に通訳挟んでも、手間は同じなんですけど・・・・

 それはいいんだけど、しばらくして、Kさんが「ミヤノさん、ありがとう、助かったわ〜」と言うので、「は?なんの話?」と思ったら、プシュプシュするクリーナーを差し出して、「これ、さっきお借りしたのと違うかもしれないけど、これでもいい?」
 話がよくわかんなくて、しばらくポカンとしてしまった。

 どうやら、うちのフロアに備えてあるクリーナーを借りたけど、買って補充したということらしいのである。
 だったら、なぜ借りる?

 よくわからない。私が何か聞き間違えたのだろうか。
 ちょっと気なったのと、ちょっと誰かにこの気持を愚痴りたくなったのとで、私はついつい、Tさんを試してしまいました。
 「私さあ、なんかKさんと意思の疎通が上手くできないというか、Kさんが何を言わんとしてるのか、よくわからないんだよねえ?Tさんは、わかる?」

 出ました「自己開示」です!
 つーか、「ちょっと愚痴っていいですか?」の助走です。
 もしくは「大きな愚痴の氷山の一角」です。

 私の言ってる意味がわからない人は、よく憶えておいてください。
 「あたし、ちょっとあの人が言ってることがよくわかんなくてさ〜」と話し掛けてきた女性と、もし仲良くしたかったら(「親密に」はもちろんのこと「まあ、そこそこ友達程度ではいたい」とか「仕事上、うまくやっていきたい」も含む)Tさんの返事は「失格」のお手本である。

T 「そうですか?私はわかりますよ?」
私 「さっきも洗剤借りるとか言ってたけど、なんか買ってきたみたいだけど、あれはなんだったの?」
T 「ああ、あれは私もよくわかりませんでした。最初に「借りていい?」って言ったのか「買っていい?」って言ったのか、聞き取れなくて」


 わかりました。君には救助を頼まんよ。「ああ、なんか苦しい」と言ったら「食べ過ぎですか?」と真顔で返すようなもんだ。

 というわけで夕方になり、KさんもTさんも帰ったあと、備品納入業者のS氏が別件で登場!
 「あ、Sさん、昨日の件なんですけど・・・・」と私が擦り寄ると、M嬢もやはりやってきた。

 というわけで、緊急ミーティングになったのだが、S氏によると事態は深刻で、「もっとキャビネット増やしてほしい。ホワイトボードも必要。親会社で使ってる可動式キャビも欲しいなあ」と、あれこれ要望は直接受けているらしいのだが、「どうすればいいんでしょうか?」

 とりあえず、こっちの総務を通して発注するように言ってほしい、とお願いすると「それは、昨日、いちおう言っておきました。そしたら、『わかった。オッケー』って言ってたので、後はそちらでKさんとお話いただければ・・・・」
 そりゃ、S氏だって、備品を発注してもらえれば、それでいいだけなのだが、彼がKさんの口真似で「オッケー」と言った口調から「この人の言うままにしてて、大丈夫なんだろうか?」と疑問に感じたことがわかり、「ああ、孤独な私」という悩みがパっと解消されたのだった。

 そんで、なかなか他人を批判しないM嬢も、私の「Kさん、ちょっと〜」という雰囲気と、S氏の「どうします?」と困った様子を見て、「こっちが多数」と判断したみたいで、S氏を囲んで二人で「困ったね〜」と言ってるうちにだんだん盛り上がってきました。

 M嬢の口から「なんか、買い物に夢中の奥様みたいなことに・・・・」というセリフを聞いたので、私も「ほんとに、三越の外商にあれこれ言いつける金持ち奥様じゃないんだからねえ?」と調子に乗る。

 実は、S氏が来る前に、別件で新事務所のスペースを覗いたのである。前にそこを使ってた人が「鍵が残っているけど、どの引き出しのだかわからない」と困っていたので開けたのであった。
 そしたら、花まで活けてあったので、びっくらしたので、冗談まじりに部長とM嬢に「相当、はしゃいでますよ」と告げ口したら、部長も苦笑していて、ここぞとばかりM嬢と私で「あそこを溜まり場にしたいんですってば」と訴えたら、部長はそんなつもりじゃないと言うけど、絶対そうなるって!

 そしたら部長も本音を漏らした。「だって、みんなオレより先輩なんだもん、言い難いんだよ」
 新会社は、某組織の定年退職者を集めるのだが、実は部長もそこの組織出身。そして、なんとKさんも「一期上」なんだそうだ。
 部長曰く「あそこ、男社会だからさあ。女性にはそういうの求めるんだよね」
 私は「ああ、だから、あんなに掃除機欲しがってるんだ。あの様子じゃ、ほんとは毎日掃除機かけたいんでしょうねえ?それって、主婦だからかと思ってたけど、そうじゃないんだ?」

 そんで、Kさんの上司になる人は、某組織のお偉いさんだったので、「自分の城」(でも、彼が決済権を持つわけでもいのだが)を持つことになり、張り切っている上司が「あれも欲しい、これも欲しい、みんなが集まれるアットホームな場所にしたい」と語るのを「はい、承知いたしました」とKさんが張り切っているらしい、という図式がやっと「上下関係が厳しい&男社会の弊害」であることがはっきりした。

 でもさ〜、備品業者のS氏ですら「まだ立ち上がってない会社だし、キャビネットも十分空いてるんですから、動き始めて足りなくなってから足せばいいんじゃないですか?」と真っ当なことを言っているのである。

 たしかに、ガラ空きの新品の棚がドーンと鎮座していた。

 まるで、婚約も口約束だというのに、ベビーベッドを注文しているような話である。
 そもそも、自分ちのリビングの家具そろえてるんじゃないんだからさ〜
 「でも、放っておくと、あれ、そのうち、パッチワークのクッションとか置きそうな雰囲気ですよ?」と部長に言ったら、苦笑していた。

 そもそも、業者のS氏がすでに、我がまま言い放題のKさんの上司をちゃんと「この人はお金関係になんの関与もない」と見破っているのである。そんで、その下で「あれも欲しい、これも欲しい」と浮かれるKさんの言うことを聞いていいのか(その発注を受けても、ちゃんとお金を払ってもらえるのか)心配しているのである。

 そんな会話を漏れ聞いていたハイジが、珍しく口を挟んできて「で、その会社、いつ出来るの?」
 「5月くらいらしいんだよね。それまで、この状態なのよ〜」と、嘆く私とM嬢。
 ハイジが「それって、誰が仕切るの?」
 私&M「どこにもボスがいないのよ〜〜〜〜〜〜だから困ってるんじゃん!」

 さすがのM嬢も味方がたくさんいることに安心したのか「名刺を配りたいから、早く電話をいれてくれって言われてるんだけど、工事が4月になりそうだし、工事が済んでも、会社が存在しないから、それまでいったん、うちの会社で番号所有しなけりゃいけないとか、あの人たちは、好きに要望言ってくるけど、私はどうしていいのか、誰に確認していいのか、わからないのよ〜」と、しばし愚痴を垂れ流していた。

 うんうん、一番、苦労してるのはM嬢だもんねえ。私は、よ〜くわかっているよ。
 それは仕事だからしょうがないけど、仕事以外ても、Kさんの無駄話に付き合わされているのはM嬢だ。

 昨日のM嬢は「今日中に終らせなければいけない入力」で忙しかったのに、Kさんは悠然と「あたしね〜、体を動かす仕事は会社ですることに決めたの。それで、頭を使う仕事は、電車の中ですることにしたの。うふ?」と、また、わけわかんない話でM嬢を攻撃していて、いつもならM嬢は「え?どういう意味?」って、きちんと受けるのだが、さすがにそのときには「はあ?」と生返事をしつつ、入力する手を休めなかったので、Kさん、しばらく無言で「なんか言って」と仁王立ちしていたが、10秒待っても、M嬢が手を休めなかったので、あきらめたようだった。

 ハイジに至っては、まるでKさんなんか存在しないかのように完全無視である。
 ちょっとプリンタがトラブって、KさんがM嬢にきいて、M嬢もお手上げだったので「ハイジ君〜、これってどうするかわかる?」と助け舟を求めたときにも「ああ、こうすれば?」と、あくまでM嬢の質問に答えただけであった。
 Kさんも、さすがに「難しい年頃の息子」を持つ母親だけあって、本能的に、「精神的に思春期」のハイジに直接話しかけるのを避けている。
 で、私もハイジをお手本にするようになったので、私じゃなくて、Tさんに通訳頼むようになったらしい。
 ったくも〜、ハイジがイライザに困っていたときには、ハイジの味方になったやったのによ〜、私がKさんで困っているなんてこと、全然感知してないんだから。自分に火の粉がかからなければ、わからないのよね。

 ふー、今日もたくさん愚痴ったな(笑)

 しかし、ほんとに心配になってきた。
 うちのグループ会社、いつもそうやって気軽に子会社を作るけど、今までの経験だと、尻拭いするのは自分だったりして、いや、別に私が痛い目に遭うわけでもないが、結果的にうちの会社が損をかぶることになったり、閉鎖手続きするのは私だったりするわけで、会社が設立する前から、「誰が舵をとるのか全然わからんので、その他大勢がうかれて食い放題」という現状に、暗い未来を思い描いているわけです。

 いや、なんなら、私がガツンと言ってやっても、いいんだが、私が言うとキツくなるし・・・・・でも、私、某組織のことは、それなりにリスペクトしていたんだが、今回の件で「こいつら、全然、予算管理の概念というか、営利企業のこと、わかってないの?」と、悲しい気持になっている。

 そりゃ、事務機器やパソコンを揃えても、せいぜい100万円くらいのもんだけど、中小企業が100万円の粗利をあげるのが、どれだけ大変なことか・・・
 利益あげてる会社だって、社員の給料をきちんと毎月払うのがどれだけ大変なことか・・・・
 私だって、ただの雇われ人だけど、ボーナス払うときには、ほんとに辛いのよ。ああ、キャッシュがあああ、って。キャッシュがあればまだいいが、ボーナス払うために借り入れするときなんて、ほんとに悲しくなる。できれば、あんなもん払いたくない。どーせ、みんな無駄使いするんだろーが。って思ってしまう。

 で、社員は「わー、儲かったから、新しいコピー機買ってもいい?」なんて言うけど、儲かったら、儲かったで、税金いっぱい払うのよ〜〜〜〜
 自分が一生かかっても稼げないような金額を税金として支払ってる私の身にもなってみろ。
 ほんとに、涙ちょちょ切れるよ。
 みんな、自分の給与明細書だけ見て「税金って高いよね〜」とか言いやがるが、私が払ってる税金は、桁がぜんぜん違うんだってば。

 よーし、わかった。そのうち、Kさんに経理を全部引き継いでやるからな。
 でも、ニコニコ笑顔で金の無心しにきそうな気がしてきた。「税金払ったら、今月のお給料払えなくなってしまいました〜、ごめん、ほんとに、みなさんに迷惑かけてばっかりで(ぺこり)、も〜経理のこと全然わからないから、ほんと迷惑かけてばっかりで〜(ぺこり)」
 「わかりました。じゃあ、短期貸付ということで入金しておきます」
 「ごめんね〜」
 「この口座に、振り込んでおけばいいでしょうか?あと、借用証書に捺印をお願いします」
 「オッケー!承知いたしました。」

 はあ、そろそろ私も、働き先を替える時期かな。

 前に友達に愚痴ったら「なんで、そんな会社で我慢してるのか、ぜんぜんわからない」と言われてヘコんだが、この会社に入る前の就職活動でとても苦労したから、またあんな思いするくらいなら・・・・と思っているのであった。履歴書50通も書くなら、今のままで我慢してたほうがマシ。「おっけー、わかった、ありがとう」&「お礼の羊羹」に我慢するのが、履歴書2枚分の苦痛ってかんじである。

 うーむ、でも、景気も上向きで、人材不足が囁かれるので、今がチャンスなのかねえ?
 あー、でも、めんどくさー
 それに、私の年代の経理の人材はパソコン導入以前の人数がいるので、けっこう余ってそうだし。

 しばらく我慢してみよう。そんで、Kさんの新会社が破綻するのを見届けて「ほーら、あたしが言ってた通りじゃん」と高笑いしてから、その先を考えよう、と、えらくネガティブ・シンキングなのであった。なんか、嫁イビリしようとする姑っぽいのでヤだけけどさー。
3月7日(火)

 去年末くらいに「むちゃくちゃストレス溜まってるから、そのうちカラオケでもしよう!」「まあ、年が明けてからね」とメールを交換したっきりになっていたT嬢(この日記での別名は「にゃおちゃん」である)から久々にメールが来た。

 年とったせいなのか、単に性格の問題なのか、「そのうち」というのが、半年以内に実現すればまだマシで、下手すると2年後くらいになってきたような気がする。
 これを打破するために、「そのうちね〜」と曖昧なことを言わず、「じゃ、明日」とか、「じゃあ、今日」と断言しないといけない。相手の都合が悪くても、「明日はダメだけど、明後日なら」とか都合のいい日を言ってくれるはずで、ちゃんと実現するのだが、ついつい「じゃあ、そのうち」と言ってしまうので、友達がどんどん減ってしまうのであった(笑)。(笑)をいれておかないとシャレにならないのであった。

 話が逸れてしまったが、T嬢のメールの題名は、「日常の中に萌えがあると思え」だったので、なんだろう?と思いつつ、本文を見ると、ただリンク先が貼ってあるだけだった。クリックしてみたら、ここに跳ばされたのであった。

 やだな〜、も〜、「学生時代からの普通の友達」(←カラオケでスミスの曲数が増えるのを地道に見守っている人が、「普通」かは疑問であるが)までチェックしているとは、よほど話題なのね。(すでに、他で知っていた)あ、でも、そーいや、彼女は、そっち系の雑誌の編集してるんだった(笑)
 やっぱし、「普通」じゃありませんでした。

 「ふーん、やっぱこういうの作る人いるんだ」と感心しましたが、どっちかというと私が「萌え〜」だったのは、山形氏が2月に購入したという、お掃除ロボット「ルンバ」のほうである。
 とても憧れるお掃除ロボットであるが、私はもっと「かわゆいの」が出てくるまでじっと待つつもりであった。犬型とか、ゴキブリ型とか、そういうやつを望んでいる。(佐藤史生の漫画にはカブトムシ型のが出てきたっけ)

 しかし、どうもルンバは「蜘蛛の戦略」というやつで動くらしいので、私の中ではそのマシンは勝手に「シャーロット」という名前になった。そんで、シャーロットの囁きを聞く山形氏は、ブタのウィルバーであろう。ああ・・・・

 以上、「どうだ、私の萌えは、渋いだろう」という自慢というか、何の自慢にもなってませんが、そーいや先週土曜日に、柳下さんとトークショーしたそうで、知らなかったので見逃しましたが、でもジーン・ウルフの新刊はとっくに買って、もう読んでしまっていたので「お買い上げの方に整理券配布」つうのに激しく悩んだと思うから、ま、いっか。

●今日の日常のひとコマ

 「あ、またカエルを発見!」と思って近寄ったら、道路に落ちた皮の手袋でした。もう死んでるし、さんざんナメされてるから、救助しませんでした。

●今日も悪口書いていいですかと誰もが問いたいエレ〜ン♪

 昨日はフロアに人がほとんどいなかったのだが、Kさんが自宅から持ってきたらしい羊羹をいきなり配りはじめた。この前も配っていた「手作り大学イモ」とセットで皿に載っていた。
 自信たっぷりに「はい、どーぞ」と皿ごと渡されたので「私、羊羹苦手で・・・」と言えなかった。

 お客さんから生菓子を頂いたときには、そうやってフロアに配ったりするけど、甘いもの苦手な人や、ダイエット中の人もいると思って、「ここに置いておくから、欲しい人はとって〜」と言うか、もしくはお盆に載せて「ほしい人はどうぞ」と配るけど・・・・

 羊羹も「ぜったい食べられない」というわけでもないんだが、歯に染みるので苦手なのである。実はチョコも歯に染みるのだが、あれは我慢できるが、羊羹のためには我慢できないだけである。
 隣の席にいるTさんは「わ〜、ありがとうございます〜」と嬉しそうに受け取っていたので、Kさんが席を外した隙に、「Tさん、羊羹好き?私、実は苦手なんで、でも、ちょっと言いにくい雰囲気だったから・・・・よかったら私の分も・・・・」と言ったら、Tさんは「羊羹は好きなんですが、この色がちょっと・・・・」

 それは普通の黒い羊羹ではなく、赤とピンクのまだら色だったのだ。潔癖症のケがあるTさんらしい嗜好である。
 私らがそんな会話をしていたら、少し離れた席に座っていた取締役が、「実はオレも羊羹ダメなんだ・・・・大学イモは食べるけど・・・・」

 ほら〜、だから、さ〜
 取締役も「でも、捨てるのも、もったいないし」と困っていたので、「じゃ、冷蔵庫に入れておきます」と受け取って、2人分をラップで包んでしまっておいた。
 さらに、取締役は「このお茶もちょっと変じゃない?」とKさんがせっかくいれてくれたお茶にまでケチをつけるので、それはさすがに気の毒になり「たぶん、紙コップだからじゃないですか?」と言ったら「あ、そうか、そうかも」と納得してくれた。

 それが昨日の話で、今日も「わたしって、家でも給食係りなのよ〜」と笑顔でフロア中に雷おこしを配っていた。
 私はどうも強制的にお菓子を机の上に置かれるのが苦手である。
 昔の職場で、やっぱりそういう人がいて、客から貰ったお菓子をさっさと全員の机の上に置いて配るので「モナカ・・・苦手なんで」と戻さないといけなかった。

 今の職場では、頂いたお菓子は「お菓子置き場」に置いてあって、みんな勝手に持っていく。
 残業していると、他のフロアからときどき行列を作って「おかし〜」とやってくることがあり、「アリの行列か」と笑顔で迎えているが、ひどいときには夕方開けたお菓子の箱が翌朝には空になっているのである。
 日持ちのするお菓子だったら、そのほうが、好きなときに好きなだけ食べられるので、いいと思うんだけどなあ。

 この会社に入ったときの部署は、「お茶当番」の風習が残っており、3時になると当番が全員のお茶をいれていたのだが、私は「お茶くらい、好きなときに好きなだけ飲みたい・・・・」と思っていたのだが、その習慣も廃止になったのでホっとしていたのだった。

 そういえば、昔の職場には、一緒に食事したあと、「はい、爪楊枝」と全員に手渡す人がいた。
 あれも、不愉快だったなあ。本人は「気が利いている」つもりなのかもしれないが、ほしけりゃ、自分でとるって・・・・あの子もよく、勝手にお茶を入れてくれたっけなあ。
 そーいや、その会社で箱ごとカップ焼きそばを頂いたときに、みんなでお昼に食べていたのだが、その子が隣の席の男性社員に「ほら、キャベツもちゃんと全部食べなきゃ。野菜をとらないと」と言っていたのには苦笑した。カップ麺のカヤクを残さず食べろって指導しても・・・・
 気立てはいいのだが、気を利かせるポイントをとても勘違いしていた子だったなあ。
 外部からは「嫁にしたいなあ」と評判よかったが、社内では「あれを嫁にしたら苦労するぞ」と言われていたのであった。

 なるほど、10年経って、似たタイプにまた当たってしまったということか。
 「気立てのいい人」を苦手と思うと、「ああ、私ってなんて心が狭いのかしら」と自分を責めてしまうので、ほんとに困るのであった。まあ、お菓子の強制配給くらい、給食苦手な小学生みたいに、こっそり処分すればいいだけの話です。そんでニッコリ笑顔で「わあ、嬉しい!いつも、ありがとうございまーす」って言ってりゃいいのよ。と自分に言い聞かせる。
3月6日(月)

 また、日記をサボってました。
 年々、引き篭もりが激しくなっているのですが(でも、ちゃんと会社には行っているので、正確に言うと「休みの日は外出する気に全くならない、休日限定引き篭もり」である)、寒さが厳しいとそれに拍車がかかるので、「春になったら行いを正そう。そうじゃないと、太るばかりだ」と思っていたので、「よーし、3月といえば、春だろう。ほら、がんばるのよ、あたし」と自らを励ましているのですが、どうしても、なにかやろうとすると眠くなり、結局、テレビ観ながらゴロゴロしているばかりで困ります。

 それでも、この週末は頑張って外出しました。

 まず、土曜日は、お芝居を観てきました。「とぶげき」の「IRON」ってやつ。

(業務連絡:いつも告知ありがとうございます。前売り券キープしていただけるとのことでしたが、誘った友人が行くの行かないのはっきりせず、とうとう当日の明け方4時にメールをよこし「ロンドン帰りで、時差ボケだからパス」とのことでしたので、当日券でふらりと観に行きました。)

 夜の部に行くと、「エンタの神様」に間に合わないと思って、心を鬼にして2時からの昼の部に行った。

 早起き(?)した私へのご褒美か、前に「お気に入り」に登録されてた子が、ダブルキャストで昼間だけ役がついてた。
 わーん、やっぱし、かわい〜〜〜、と喜んだが、眼鏡かけてなかったので減点であった。

 と、アンケート用紙によっぽど書こうかと思ったが、私は芝居を観た後にアンケートに記入するのが昔から滅茶苦茶苦手である。
 文章を手書きすることが少なくなった21世紀になってからは、ほんとにアンケートが苦手になってしまった。

 終演後、ロビーに出ると、お気に入りの彼が、ボヤーっと突っ立っていたので、よっぽど「君が眼鏡をかけていないと、V6の岡田君が前髪を短くしたのと同じくらい減点だ」と訴えようかと思ったが、いきなりそんなことを言われても困るだろうと思って、逃げるように立ち去ってしまいました。

 「憧れの先輩に話し掛けられない女子高生ごっこ」が30秒くらいできて満足しました。

 少しテンションが上がったので、「よし、まだ明るいし、久々に池袋のデパートでも探索しようかな」と思ったのですが、地獄の釜の中のように混雑しているデパチカを観て、「やっぱ、やめた」とそのまま真っ直ぐ帰宅しました。

 さて、土曜日はエンタ観て、オンエアバトルも観て、ERを二本観たら、もう3時だった。
 夕方になると眠くなるが、夜中はけっこう平気みたい。やはり、なにか心の病なのか?

 日曜日。

 友人の結婚パーティ。午後3時から。
 小岩だったので、どのくらい時間がかかるのかよくわからず、早めに出たら、2時ちょっとくらいに小岩に到着。
 「まあ、茶でもしばいて時間を潰そう」と思ったのだが、「こっちのほうが栄えてそうだな」と降りた、ヨーカドーのある北口を見回しても、スタバやドトールや、それモドキを発見できず、ファーストフード店すら見つからない。

 「ふーむ、こっちは新興商店街なのかな?じゃあ、反対側が会場だし、そっちを探してみよう」
 南口には放射状に3本の商店街通りがあった。
 しかし、どこにも「ちょっとコーヒー飲む店」が見当たらない。

 ある意味、すごい街であった。
 ためしに、中央に伸びた商店街を歩いてみたのだが、コンビニはあるけど、チェーン店喫茶店が全く見当たらない。

 代わりに見つけたのが、アル中なのかボケているのかわからないが、健全な客引き(カラオケか焼肉店?)のニーちゃんに絡む老人。しかも、そんなの珍しくもないのか、ニーちゃんは笑顔で「おじさん、だいじょぶ?駅はあっちだよ?」とか言っている。「おお、にーちゃんも頑張れよ!」「ありがと、おっちゃんもな〜」

 心温まる光景といえるのか・・・・・
 その先の路地には、老婆が足を投げ出してヘタりこんでいた。その目は宙を見つめたいたが、別に苦しそうな様子でもなく、ただ「歩き疲れちゃった〜」というだけらしい。

 世田谷区民になって早10数年で、今では千葉の実家も越してしまったので、そういうローワーな雰囲気にびっくり。いや、世田谷にだって、一人暮らしの老人は沢山いるのだが、あの人たちは、日々の暮らしは年金暮らしで細々とかもしれないが、「その気になって家を売れば億単位」なのである。
 それがボケたともなれば、親類はすぐに老人ホームにぶち込むであろう。もしくは、我慢して二世帯住宅にする。
 祖父母の住んでいた港区や、私が住んでいる世田谷区では「みじめそうな老人」にも「でも、土地があるもんね〜」というプライドがプンプンしていたことに気が付いた。
 小岩では、それを感じることができなかった。

 しかも、やっぱし、歩いても歩いても、ファースト・フードもファースト・コーヒーの店も発見できない。
 やっとチェーン店を見つけたが、それが珈琲館だったりして、しかも覗いてみたら、けっこう混雑していたのでパス。やっとあったのだが、ケンタッキーであった。

 インドかよ!

 今はどうなっているのか知らないが、私が訪れた10年前のインドでは、首都デリーでもマックが焼き討ちにあって郊外の住宅地にだけ店舗をひっそりと出している状態であった。
 旅行中もファーストフードチェーンには全く期待してなかったのだが、南部の主要都市バンガロールを歩いていたら、いきなり目の前にケンタが現れて、思わず入ってしまったのだが、後で出会った日本人旅行者も、口をそろえて「バンガロールにケンタがあったので、思わず飛び込んだ!」と言っていた。まだ、「地球の歩き方」にも載っていないような、できたてホヤホヤだったらしく、誰もそんなもんがあると思っていないのに、いきなりあったから、まさに「砂上の楼閣」のように怪しく輝いていたのである。

 しかも、小岩が10年前のインドよりダメだったのは、そのケンタには十分なイートインスペースが無いようだったのである。
 しかも、パーティーがひけた6時ごろに再び通りがかったら、店の外まで行列ができていた。っていっても、「5人くらい並んでた」ってだけなんだが、クリスマスでもないのに、列ができるケンタなんて・・・・やっぱ、小岩は日本のインドなのかも。(小岩在住の方がいらしたら、ごめんなさい。新小岩はもっと栄えてるのは知ってますって)

 結婚パーティーの会場は、そんなディープな街・小岩の、駅から徒歩8分のところにある、「インド・ネパール料理店」だった。
 使えそうで使えなさそうな、微妙な商店街をひたすら歩いていると、前方10メートル先を歩いている女性が挙動不審になったあたりで、やっとその店が見つかった。
 徒歩8分といえば、けっこう歩くので、「まだかしら?」と不安になるあたりである。

 日曜午後の貸切パーティ。
 ネパール式の「結婚の儀式」もインスタントにやってくれる店であった。
 本当は一日中かかる儀式を10分くらいでやってくれた。
 ガネーシャ像にお供物を捧げたりするのだが、司会者が「象に・・・・」と言うので、「だから、ガネーシャだって」と、独り言で突っ込んでいたら、同じテーブルに座っていた「新婦の友人一同」に「こういうのお詳しいんですか?」って聞かれて苦笑。
 「月の女神がアルテミスだったら、象頭の神はガネーシャだっつ〜の」と言いたくなったが、空腹なのに、ビールをバカスカ飲んでいたので、すでに立派な酔っ払いだったのである。

 ガネーシャは、よく知らんが、首をハネられてしまうが、切った人が「いけね!」と思って、近くを通りかかった象の首をくっつけたとか・・・・

 そして、その神話を拝聴した日本人のほぼ全員は「そ、それじゃあ、これは、どっちかというと、ただの象では?」と思う。
 仏教徒にとっては「頭のほうが大事」なんだが(真面目な仏教国タイでは、人の頭を触ってはいけないと、ガイドブックに書いてある。あそこの人は帽子をかぶらないし)、ヒンドゥー教ではそうじゃないらしいという、軽いカルチャーショックを与える神様である。

 さて、3時くらいにやっと飯にありつけ、どれも美味しかったが、ガッツいてしまったので食べ過ぎてしまい、ビールも景気よく店員さんが栓を抜いて置いていくので、すっかり飲みすぎてしまいました。

 帰りの総武線で、「ああ、地震だ、やばい」と思って意識が戻ると、それはただ、電車の揺れにまかして眠りこけていた自分の揺れでした。しかも「次は代々木〜」あ、降りないと。潜在意識ってすごい(笑)

 8時前には家についたので、さっそくテレビをつけると、ワールドなんちゃらベースボールだかなんだか知らんが、野球中継をやってて、私が楽しみにしている「改造ビフォー・アフター」やってなかったので、ムカついたのですぐに寝てしまいました。

 というわけで、「休みの日の夕方は、なぜか昼寝してしまう」自分と戦い、イベントに出かけて眠気をこらえた週末でございました。

 今日は普通に出勤してましたが、やはり4時ごろに強烈に眠くなってしまいましたが、これが「心の病」なのか、「みんなそうだろう」なのか、どっちなのか、ちょっと自信がありません。
3月3日(木)

 今日は楽しい雛祭り。

 でも、雛あられは、昔からあんまし好きくない。

 私が好きだったのは、七五三の千歳飴だ。それも、オーソドックスなやつじゃなくて、不二家のやつ。要するに「超長いミルキー」である。あれを全部舐めると、すげえ達成感があった。

 さて、なんだかまた鬱気味で、昨日は休みだったので「そろそろ、Aさんちに遊びに行かないと」と思ったのだが、やっぱしどうしてもダルくて、とうとう寝つぶした。
 「遊びに来て来て〜」と熱烈に言われていたので、その気にはなっているというのに、体が言うことをきかないのよ〜ごめん。

 そんな私は、なんだかんだ言っても、やっぱし紫門ふみを評価している。
 だって、彼女が必ず出す女性キャラは、「素直でまっすぐ」ってやつで、それを可愛いと思いながらも、「なんかやっぱし完全に同調できない」っていう男がいて 「素直で可愛い」彼女をちゃんと受け入れられない自分を責めていたりするので、そのあたりに共感してしまうのかもしれない。

 つーわけで、「小早川伸木の恋」をちゃんと観ていたりしたわけです。
 ほんとは、これの藤木直人君がなかなかいいので、それ目当てだったりするのですが・・・・
 でも、「ノブさんの気持とカナさんの気持を確かめたい。ノブさん、カナさんに会ってくれ!」っつーのは、ちょっとなあ。人を試しちゃいけないよ。

 そーゆー自分は、けっこう他人を試したりすることが多いのですが、それはそれっていうことで。

 あと、毎回書いているけど、平日休みの醍醐味は、午後に3本もやる、フジテレビの再放送ドラマ枠です。
 あんまし、普段はドラマを観ないので、こういうときに「そういや、こんなのやってたな。一度も観なかったが」と思うけど、夜に真剣に観るよりも、なーんもヤル気のしない昼下がりに、ゴロゴロしながら観ると、けっこうイケるのだ。

 財前直見と江口洋介の「東京ラブ・シネマ」も、単館ロードショー映画配給会社で働く2人の「恋と仕事」がテーマのドラマでありましたが、どうも財前直見が苦手だ。他のドラマでもそうなんだけど、なんか感情移入しにくい人である。
 それと比べると、「恋のチカラ」の深津ちゃんは、すばらしい。ゴリゴリの「元気だけがとりえキャラ」なんだが、なんだか説得力があるのだ。彼女が出てると、よっぽどドラマの出来がひどくなければ、なんとなく観れてしまいます。それに、「恋のチカラ」で深津ちゃんが淡い恋心を抱く相手は、堤真一だった。大手広告代理店から独立した、我がまま有名クリエイターという設定だったが、「自分が納得できる仕事しかしない」というポリシーのために、金には困っている、というのは、六本木ヒルズのIT企業の社長だった「恋におちたら」よりは、堤真一にぴったりくる役だった。オシャレなのに、なぜかガニマタ歩きがよい。たぶん、あれは演技ではなく、彼はああいう歩き方しかできないのだろう。

 さすがに、一日中、フジテレビのトレンディドラマを観てしまうと、「私ってほんとにダメ人間だ」と、落ち込むが、でも、あれだけ昼寝ばかりしてたのに、夜もちゃんと12時前には寝てしまったので、これは「気分」ではなく、「病」なのだろう。

 今日は出勤したが、またいろいろありまして、けっこうダウナーになりそうなところを必死でキープ。
 つうか、あんまりちゃんと受け止めていると、疲れるだけだから、初心というか、あえて客観的に考えるというか「自分は、ただの雇われ人であるので、言われたことを黙ってこなそう。もし、本当に嫌だったら、他の雇い主を探そう」と召使として正しい態度をとるしかない。

 でも、なんか、ほんとに、妙な雰囲気なんで、疲れるのだが、まあ、こんなもんだろう。

 まあ、おもしろいっちゃ、面白いので、しばらく傍観してみることにする。
 化学の実験を観察しているような気分。「この液体とこの液体を混ぜてみましょう」「わー、煙が出ました!」さて、どうな物質ができるのだろう?その化学式は?

 「ああ、もう、やんなっちゃうなあ〜」と家路についたのだが、また家の近所でカエルを発見。車道の真中をノロノロと歩いていたので、ハンカチで掴んで(今だに素手ではつかめない)路肩に移動させました。

 ちょっとだけ、ハッピーな気分で家に帰り、パソコンをつけたら、メールがたくさん来ていた。
 最近また、女名のスパムばっかで、ちゃんとした用件のメールを探すのが大変なのだが、親から「おめでた×2」という題名のメールが来てたので、勘の鋭い(嘘)私は、「あ、弟のところに・・・・」と期待しながらメールを読むと・・・・・

 きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
 弟の嫁が一卵性双子を身ごもったですと!

 きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!(心の中で絶叫)

 親には「でかした!私は双子の親戚を持つのが夢でした!」と返事したけど、夢というか、予感というか、悪夢というか、私の勝手な妄想で、「自分が子供を産んだら、双子かもしれない」と、ずっと思っていたのだ。

 たぶん、日記にも書いたことがあると思う。
 私は一卵性双生児を見分けることが大変苦手だった。高校生くらいになった双生児は、けっこう顔立ちは違うので、普通は簡単に見分けがつくのだが、私は視力が弱いせいか、その弱点を克服するために、顔で人を見分けていないらしく、声とか話し方で見分けているようなので、双子の両方と知り合いになってしまうと、区別がつけられなくなってしまったのである。

 なので、自分が双子を産んでしまったら、「お母さん、ボクは、一郎?それとも二郎?」なーんて言われてたら、絶対に間違えるに違いない。
 そんで、子供は「実の母親のくせに〜」と、いい気になって、私を翻弄するであろう。

 ああ、やべ〜、どうしよう?

 と、想像するのが密かな楽しみだった。(暗い)

 しかし、親戚筋には、全く双子が存在しなかったので、「うちは、双子腹の家系ではないようだ」と、安心というか、ちょっと残念に思っていたのだが(マゾ)、すっかり諦めていた(?)今ごろになって、なんと、姪だか甥だか知らないが、とにかく、順調に産まれたら、私は憧れの一卵性双生児の「おばちゃん」?(おばちゃんって、言うな〜×2)

 わくわくわくわく・・・・

 久々にテンションあがったぜ。

 ドキドキドキドキ・・・・・・

 「さーて、ミヤノねえちゃんが、お年玉あげようかね?」
 「わーい、ミヤノおば・・・・おねえちゃん。ありがとー」
 「はい、これは、一郎のよ」
 「ミヤノちゃん、ボクは二郎だよ」
 「あ、ごめん、じゃあ、こっちが一郎ね?はい」
 「ちがうよ、ボクが二郎だよ」
 「え?どっちが本当の一郎なの?」

 「ボクだよ!」
 「ボクだよ!」

 「え?・・・・・・(遠い目になる)」

 「さて、どっちが一郎でしょう?」
 「さて、どっちが一郎でしょう?」

 「ええと・・・・・・」

 「わーい、お母さん、ミヤノちゃんはね、どっちがどっちかわからないんだよ!」
 「お母さんは、わかる?」

 「ええと、あなたが一郎、あなたが二郎」
 「ほら!わかるでしょ?」
 「さあ、おば・・・おねーちゃん、どっちがどっちだ?」

 「こっの、くそがき〜〜〜〜〜〜、わかった烙印押したる!だーーーーーーー」
 「きゃーーーー、おかあさん、助けて〜〜〜〜」
 「きゃーーーー、おとうさん、助けて〜〜〜〜」

弟嫁「おねえさん、すいません(苦笑)」
私 「いいのよ、いいの。わたし、これがやりたったの」

 と、5年後くらいの光景を想像して、「むふふ」と笑っています。(だから、暗い)

 ありがとう。少しだけ、働く希望というか、目的ができました。ちゃんと働いて稼いで、「双子用バギー」を買ってあげよう!それくらいの金はあるぜ!
 鼻を付き合わせた写真撮って「わー、プロクレイマーズだあ」って遊ぶんだ。(だから、暗いって)
3月1日(水)

 3月ともなれば「ああ、春は間近」と期待してしまうので、寒さが余計に身に染みますなあ。

 それ以外に、別に日記に書くようなこともなし。

 しょーがないから、またKさんネタでも書くか。

●今日のKさん

 朝の総務部は、私とTさんの2人きりだった。
 電話が鳴って、Tさんがとると、元気はつらつな声で「ああ、おはよーございまーす。Tです〜。え?ああ、そうなんですか?ええ、ええ、あらら〜」と話していた。

 Tさんにしては珍しくテンションが高い口調だったので、それがKさんからの電話だとわかった。

 地味でおっとりしたTさんは、まさに「月のような人」であるので、テンションの高い相手と喋っていると、すごくテンションが上がるのである。わかりやすすぎ。

T 「ああ、そうですか、え〜〜、大変ですね?うん、うん・・・・あ、ちょっと待ってください?(保留にして)ミヤノさん、Kさんなんですが、ギックリ腰で今日はお休みしたいそうですが?」
私 「(言わずとも全てわかってしまいましたが)ああ、そうなんだ・・・」
T 「どうしましょう?」
私 「いや、そうですかってだけというか、お休みなんですね?だったら、それでいいです。もし、なんか伝言とか頼みたいことがあるなら聞いておいてください」
T 「はーい」
  「ああ、すいません。それで、何かこちらでやっておくことありますか?・・・・・はい、ええ、・・・・・ええ・・・・・ええ・・・・はい・・・・・あ、じゃあ、ミヤノさんがいるからかわりますね?」
  「ミヤノさん、かわってほしいそうです」

私 「(別に私が話さなくてもいいだろうって・・・・って、さっき表情で伝えたはずだが・・・・もう、しゃーねーな。でも、私もオトナゲないから、メンドクそうな表情はしちゃお)は・・・・・い」

私 「お電話かわりました。ミヤノです。ギックリ腰ですって?大変ですね?」
K 「も〜〜〜〜〜、そ〜〜〜〜〜なのよ、ほんと〜〜〜〜〜〜に、も〜〜〜〜〜〜〜〜申し訳ないです」

 彼女は、総務部の社員ではあるが、今んとこ仕事で何かカブることはないので、休んでも別に誰にも迷惑はかからない。謝られても困るのである。
 アパートの隣の部屋のOLさんに「今日は仕事休んでしまいました、すいません」と謝られても困るのと同じくらい、どう返事していいのかわからない。

 しょうがないから「ギックリ腰だと、たぶん、明日もダメかもしれませんね」と言ったら、「いえ、明日は這ってでも行くつもりです」と言われた。好きにしてほしい。だから「無理しないでください、お大事に」と行って、電話を切った。

 自分の抱えている仕事がたくさんあって、休むと同僚にやってもらわなければいけない場合は「ごめん、お願いします〜」と言うけど、Kさんの場合は、今はそうでもないので、休むと困るのは自分だけである。実際、これといった申し送りもなく、「なにかあったら携帯に」と言われたが、たぶん、今日一日、彼女宛の急ぎの電話はなかった。

 彼女としては、先週も親戚のご不幸で休んだので、気にしているのだろうけど、はっきり言って誰も気にしていない。
 うちの会社は、土日祝日でも出勤する人がいるので、逆に平日に休むことに違和感がないのだ。当番制がある部署だと、当番調整が大変だけど。

 Kさんは、そういう人なので、出勤してても、常に自分の居場所を全員に告知する。「○階で打ち合わせしてまーす」と、誰に言うでもなく言うだけではダメならしく、上司にもきちんと「それでは、○階で打ち合わせしてきます」と言っている。

 なので、Tさんは、Kさんのやり方が馴染むみたいだ。「打ち合わせに行ってきまーす」「今、戻りました〜」って言うのがやっぱりいいらしい。

 2人だけで、「居場所把握ごっこ」をとことんまで追求してほしいのだが、Tさんは、自分が得た情報をどうも私と共有しないといけないらしい。
 私が他のフロアに書類を届けたりして戻ると、「あ、ミヤノさん、さっきハイジさんが、親会社に行きました」「あ、そう」
 「K部長は、会議だそうです」「あ、そう」
 「Mさんは、ハローワークに行きました。1時間後に戻るそうです」「あ、そう」

 誰がどこにいるか、私が全部把握する必要あるか?
 ちゃんとした予定だと、予定表に入っているから、それを見ればわかるし、電話を受けて「あれ?いない?どこに行ったんだろう?」ということになれば、「あれ?ハイジはどっかに行った?」と、やや大声で言えば、「あ、さっき親会社に行くって言ってた」と誰かが言ってくれれば、「ああ、すぐ戻るな」と、わかるし、そうじゃなければ、「席を外しておりますので、戻りましたら折り返し電話します」で済むだけだ。

 あたしは、総務部の見張り番じゃないっつーの。(聖書の言葉より)

 つーか、あんたが、見張り番したかったら勝手にやってくれっつーの。
 それが「仕事」というものだろう。
 君が部署の社員の動きを全部把握しているとわかれば、みんな、君に確認するようになるよ。
 そんで、君が「電話番」の役目を背負っているのがわかっているので、みんな君には「どこどこに行ってきます」と告げているのであって、それを私にいちいち言うことはない。

 悪いが、私は黙っていても、だいたいの動きを把握してしまうので、あえてその能力を封じているのだ。
 情報を意図的に遮断しないと、電波がうるさくってさ。

 でも、向こうはそんなこと知らないので、そのことをどう説明していいのかわからないのが辛い。
 私は、それが何の役に立つのかわからないが、世界の短波放送を全部受信してしまうことができる高性能ラジオなので、アナログ能力を封じて、デジタルで登録した周波数しか受信できないように設定しているのだが、Tさんは、初期のトランジスタラジオなので、「ミヤノさん、謎の中国語の放送が聞こえました!」と嬉しそうなのだが、「それは北京放送です。たいした情報流してないので、私はチェックしてませんでした」とも言えず「あ、そう」で流しているのだが、「モザンピークの天気予報では、今日は雨だそうです」と言われても「あ、そう」としか言いようがないではないですか。

 で、Kさんがいると、「そうなんだ、そうなのよね〜、やっぱし、モザンピークの天気も把握しておかないと、いけないのよねえ。ほら、あたしったら、そういうの、よくわかんないから〜」とか言い出すから、「もう、勝手に極めてください」と思うのだが、Tさんが「私も実はよくわかんなくて、でも、ミヤノさんは世界の天気予報に詳しいですよね?」などとふってくるので、たしかに、私はモザンピークの今日の天気を知ってたりするのだが、「へ?」と、とぼけておかないと、「世界の天気のことは、ミヤノさんに確認すればOK」という流れができてしまうので、必死に抵抗しているだけです。

 なんだ、「書くことない」と言いながら、けっこう書いちゃったな。 
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